JP3748681B2 - 一缶二水路風呂給湯器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯熱交換器と追い焚き熱交換器とが一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器とを共通に燃焼加熱するバーナが設けられている一缶二水路タイプの風呂給湯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3には一缶二水路風呂給湯器(器具)のモデル例が実線により示されている。この器具は、器具ケース1内に燃焼室2を有し、この燃焼室2内にはバーナ3が設けられている。バーナ3には該バーナ3へ燃料ガスを導くためのガス供給通路4が接続され、このガス供給通路4には通路の開閉を行う電磁弁5,6と、弁開度によって燃料ガスの供給量を制御する比例弁8とが介設されている。
【0003】
上記バーナ3の上方には給湯熱交換器10が設けられ、この給湯熱交換器10の入側には給水通路11の一端側が接続され、給水通路11の他端側は外部配管を介して水供給源に接続されている。給湯熱交換器10の出側には給湯通路12の一端側が接続され、給湯通路12の他端側は外部配管を介して台所やシャワー等の給湯場所に連通されている。
【0004】
上記給湯熱交換器10の上側には追い焚き熱交換器14が給湯熱交換器10と一体的に設けられ、この追い焚き熱交換器14の入側には通路15の一端側が接続され、この通路15の他端側は循環ポンプ16の吐出口に接続され、この循環ポンプ16の吸入口には戻り管18の一端側が接続され、この戻り管18の他端側は外部配管と循環金具19を介して浴槽17に連通されており、追い焚き熱交換器14の出側には往管20の一端側が接続され、往管20の他端側は外部配管と循環金具19を介して浴槽17に連通されている。上記戻り管18と循環ポンプ16と通路15と追い焚き熱交換器14と往管20とにより浴槽17の浴槽湯水を追い焚き循環させるための追い焚き循環通路21が構成されている。
【0005】
上記給湯通路12と追い焚き循環通路21の通路15を連通接続する注湯通路22が設けられており、この注湯通路22には通路の開閉を行う電磁弁等により構成された注湯制御手段24が介設されている。上記給湯通路12と注湯通路22と追い焚き循環通路21によって給湯熱交換器10で作り出した湯を浴槽17に落とし込む湯張り通路が構成されている。
【0006】
上記バーナ3よりも下方側の燃焼室2には燃焼ファン25が介設された給気通路26が連通接続されている。また、追い焚き熱交換器14よりも上方側の燃焼室2にはバーナ3の燃焼によって生じた排気ガスを外部に送出するための排気通路27が連通接続されている。
【0007】
なお、図3に示す28は給水通路11を流れる通水流量を検出する水量センサを表し、30は給水通路11の湯水温度を検出する入水サーミスタを表し、31は給湯熱交換器10から流れ出る湯水温度を検出する給湯熱交サーミスタを表し、32は浴槽水位を水圧により検出する水位センサを表し、33は追い焚き循環通路21の湯水温度を風呂温度として検出する風呂温度センサを表し、34は追い焚き循環通路21の通水水流を追い焚き熱交換器14の通水水流として検出する循環水流検出手段である水流スイッチを表している。
【0008】
この一缶二水路風呂給湯器には給湯や、湯張りや、追い焚きや、保温等の器具運転を制御する制御装置35が設けられ、この制御装置35にはリモコン36が信号接続されている。リモコン36には給湯温度を設定する給湯温度設定手段や、風呂の温度を設定する風呂温度設定手段や、風呂の水位を設定する水位設定手段等が設けられている。
【0009】
上記制御装置35は給湯運転を次のように制御する。例えば、台所やシャワー等の給湯栓(図示せず)が開栓され、水量センサ28が予め定めた給湯運転作動流量以上の通水流量を検知すると、燃焼ファン25の駆動を開始し給気通路26を介してバーナ3に給気を供給すると共に、電磁弁5,6を開けてバーナ3に燃料ガスを供給し、バーナ3の燃焼を開始させ、給湯される湯の温度がリモコン36に設定されている給湯設定温度となるようにバーナ3の燃焼熱量制御および燃焼ファン25の回転制御を行い、給水通路11から供給された水を給湯熱交換器10がバーナ3の燃焼火炎の熱により加熱して湯を作り出し、その湯を給湯通路12を介して給湯する。そして、給湯栓が閉められ、水量センサ28が通水停止を検知したときに、電磁弁5,6を閉弁してバーナ3の燃焼を停止し、その後、予め定めた期間燃焼ファン25の継続駆動を行わせ、次の給湯運転に備える。
【0010】
また、湯張り運転を行うときには、例えば、図4のフローチャートに示すように、まず、循環ポンプ16を予め定めた期間(例えば、1分間)駆動し(ステップ101)、その循環ポンプ16の駆動による追い焚き循環通路21の循環水流が水流スイッチ34によって検出されたか否かを判断する(ステップ102)。浴槽17内に湯水がない、又は、浴槽17の水位が循環金具19よりも下側の水位であるときには、追い焚き循環通路21内に湯水はないし、循環ポンプ16を駆動しても追い焚き循環通路21内に湯水を引き込むことは不可能であり、追い焚き循環通路21内に湯水は循環しないので、水流スイッチ34により追い焚き循環通路21の循環水流が検出されなかったときには、浴槽17に水がない又は浴槽17の水位が循環金具19よりも低いと判断し、注水制御手段24を開弁し、給湯熱交換器10で上記給湯運転と同様に湯を作り出し、その湯を給湯通路12と湯張り通路22と追い焚き循環通路21とを順に介して浴槽17に注湯し、水量センサ28により検出される注湯流量に基づいて検出される湯張り開始時からの注湯量が予め定められたxリットル(例えば、10リットル)に達したときに注湯制御手段24を閉止する(ステップ103)。
【0011】
そして、上記同様に、循環ポンプ16を駆動し(ステップ104)、循環ポンプ16による循環水流が水流スイッチ34によって検出されたか否かを判断し(ステップ105)、水流スイッチ34によって循環水流が検出されなかったときには予め定めたyリットル(例えば、10リットル)を注湯し(ステップ106)、再度、循環ポンプ16を駆動し(ステップ107)、循環水流の有無を判断し(ステップ108)、水流スイッチ34によって循環水流が検出されなかったときには予め定めたzリットル(例えば、5リットル)を注湯する(ステップ109)。
【0012】
さらに、循環ポンプ16を駆動し(ステップ110)、循環水流の有無を判断し(ステップ111)、循環水流が検出されなかったときには浴槽17の水位が循環金具19よりも低いと判断し、この場合には、浴槽17の水位が循環金具19よりも上側となるのに十分な注湯量を湯張り開始時から浴槽17に落とし込んでいるのにも拘らず、浴槽水位が循環金具19よりも上側とならないのは異常であると判断し、エラー信号を出力する(ステップ116)。
【0013】
上記循環水流の有無の判断動作時に(ステップ102,105,108,111)、水流スイッチ34によって循環水流を検出したときには、浴槽17の水位が循環金具19よりも上側となり、水位センサ32によって水位検出を行うことが可能となったと判断し、水位センサ32により浴槽水位を検出し(ステップ112)、検出された浴槽水位がリモコン36に予め設定された浴槽水位であるか否かを判断する(ステップ113)。浴槽水位が浴槽設定水位に達していないと判断したときには、給湯熱交換器10の湯を上記同様に浴槽17に注湯し水位センサ32によって浴槽水位を監視し(ステップ114)、浴槽水位が設定水位に達したと判断したときに、注湯制御手段24を閉止して湯張り運転を終了する(ステップ115)。
【0014】
さらに、追い焚き運転を行うときには、循環ポンプ16を駆動し、浴槽17から戻り管18と循環ポンプ16と通路15と追い焚き熱交換器14と往管20とを順に介して浴槽17に戻る追い焚き循環経路で浴槽湯水を循環させると共に、バーナ3を燃焼させ該バーナ3の燃焼火炎の熱によって追い焚き熱交換器14で浴槽湯水の追い焚きを行い、風呂温度センサ33により検出される風呂温度がリモコン36に設定されている風呂設定温度に達したときにバーナ3の燃焼を停止し、また、循環ポンプ16を停止して追い焚き運転を終了する。
【0015】
さらに、保温運転を行う場合には、例えば、上記追い焚き運転の終了後、予め定めた時間間隔(例えば、30分間隔)毎に循環ポンプ16を駆動し、風呂温度センサ33により風呂の温度を検出し、この検出した風呂の温度が風呂設定温度から予め定めた許容温度を越えて低いときには、バーナ3を燃焼させ、浴槽湯水の追い焚きを行って風呂の湯温を設定温度に高めて風呂の保温を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、湯張り運転を行うときには、上記の如く、まず、循環ポンプ16を駆動して該循環ポンプ16の駆動による追い焚き循環通路21の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器14内に湯水が有るか否かを判断してから(図4に示すステップ101,102)、注湯を開始していた。このように、従来では、湯張り開始時に循環ポンプ16を駆動させなければ追い焚き循環通路21(追い焚き熱交換器14)内の湯水の有無(つまり、浴槽17の水位が循環金具19よりも上側であるか否か)を判断できなかったため、湯張り開始時に追い焚き循環通路21内に湯水がない場合にも循環ポンプ16を駆動させなければならず、このようなときには循環ポンプ16は空運転となり、無駄な動作であるし、このような空運転が度重なって行われると、循環ポンプ16の故障を招き易くなるという問題が生じる。
【0017】
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、その目的は、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を予め検知することが可能な一缶二水路風呂給湯器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0019】
第2の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きがしきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;上記水無し信号が出力された後に湯張り開始指令が発せられたときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
第3の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し水無しフラグを立て、熱効率の変化の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し上記水無しフラグを倒す追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;湯張り開始指令が発せられたときに水無しフラグが立っているときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0021】
第4の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し水有りフラグを立て、上記熱効率の変化の傾きが上記しきい値よりも大きいときには水無し信号を出力して上記水有りフラグを倒す追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;湯張り開始指令が発せられたときに水有りフラグが倒れているときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0022】
第5の発明は、上記第4の発明の構成に加えて、浴槽水位を水圧により検出する水位検出手段が給湯熱交換器で作られた湯を追い焚き循環通路を通して浴槽に落とし込む湯張り通路に設けられており、循環水流検出手段が追い焚き循環通路内の水流を検出した以降に、上記水位検出手段により検出される浴槽水位を監視し、追い焚き循環通路内へ空気が混入される可能性がある水位として予め定めた空気混入水位が水位検出手段によって検出されたときに追い焚き熱交換器湯水有無判断部により立てられた水有りフラグを倒す浴槽湯水監視部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0023】
第6の発明は、上記第1又は第2又は第3又は第4又は第5の発明の構成を備え、しきい値は水無し判断しきい値と該水無し判断しきい値よりも小さい水有り判断しきい値とに別個に設定され、追い焚き熱交換器湯水有無判断部は、給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが上記水無し判断しきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きが上記水有り判断しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0024】
上記構成の発明において、給湯単独運転開始直後における給湯熱交換器の熱効率の変化傾向は追い焚き熱交換器内に湯水が有る場合よりも追い焚き熱交換器内に湯水がない場合の方が大きいという現象に着目し、この発明では、例えば、熱効率変化監視部は、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視し、追い焚き熱交換器湯水有無判断部は、給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部により監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには、追い焚き熱交換器に湯水がないことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する。
【0025】
上記追い焚き熱交換器湯水有無判断部から水無し信号が出力された後に、湯張り開始指令が発せられたときには、追い焚き熱交換器内に湯水がない状態であると予め判断されていることから、例えば、循環ポンプを駆動させ追い焚き循環通路の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断するという追い焚き熱交換器湯水有無判断動作を行わずに注湯を開始させる。
【0026】
このように、湯張り運転を開始するときに、追い焚き熱交換器内に湯水がないと予め検出されているときには、循環ポンプの駆動を行わず、注湯から行うことによって、湯張り開始時の循環ポンプの空運転が回避されて無駄な動作を省略することができ、このような場合には、循環ポンプを駆動させない分、湯張り運転を開始してから設定水位に湯を張り終わるまでに要する時間の短縮が図れる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0028】
この実施形態例の一缶二水路風呂給湯器は、前記図3に示すシステム構成を有し、図1にはこの実施形態例において特徴的な制御構成が実線により示されている。図1に示すように、この実施形態例に示す制御装置35は、給湯単独運転監視部38と追い焚き熱交換器湯水有無判断部40と湯張り制御部41とデータ格納部42と熱効率変化監視部43と燃焼熱量制御部44と熱効率検出部45を有して構成されている。なお、この実施形態例の説明において、図3のシステム構成の説明は前述したので省略する。
【0029】
燃焼熱量制御部44は、入水サーミスタ30によって検出される入水温度Tinと、水量センサ28によって検出される給湯流量Qと、リモコン36に予め設定されている給湯設定温度Tstと、給湯熱交サーミスタ31によって検出される給湯温度Tout とに基づき、給湯される湯の温度が給湯設定温度Tstとなるように、バーナ3の燃焼熱量を比例弁8の弁開度でもって制御する。
【0030】
なお、給湯される湯の温度が給湯設定温度Tstとなるためにバーナ3の燃焼熱量を制御する手法には様々な手法が考えられ、ここでは、それらの手法のうちのどの手法を用いてバーナ3の燃焼熱量を制御してもよく、その燃焼熱量制御の説明は省略する。
【0031】
上記給湯単独運転監視部38には、循環ポンプ16の駆動オン信号や、水量センサ28の通水オン信号や、注湯制御手段24の開弁信号等の信号が加えられ、それら受け取った信号に基づき、給湯単独運転監視部38は、給湯単独運転が行われているか否かを監視する。具体的には、例えば、循環ポンプ16が駆動しておらず、また、注湯制御手段24が閉弁している状態で、水量センサ28により通水が検出されているときには給湯単独運転が行われていると検知し、それ以外のときには給湯単独運転は行われていないと検知する。
【0032】
熱効率検出部45は、上記燃焼熱量制御部44の燃焼熱量情報と、上記給湯単独運転監視部38の監視情報と、入水サーミスタ30により検出される入水温度Tinと、給湯熱交サーミスタ31により検出される給湯温度Tout と、水量センサ28により検出される給湯流量Qとを時々刻々と取り込み、給湯単独運転監視部38の監視情報に基づき給湯単独運転が開始されたと検知した以降に、上記センサ出力等の情報を取り込む度に、それら取り込んだ情報に基づき給湯熱交換器10の熱効率ηを次のように検出する。
【0033】
上記給湯熱交換器10の熱効率ηを求めるための演算式データは、給湯熱交換器10に供給される入水温度をTinと表し、給湯熱交換器10から流れ出る給湯温度をTout と表し、給湯熱交換器10の通水流量をQと表し、バーナ3の燃焼熱量をPと表したとき、次式(1)に示すように予め与えられ、この演算式データはデータ格納部42に予め格納されている。
【0034】
η=k・(Tout −Tin)・Q/P・・・・・(1)
【0035】
なお、上記kは水の比熱(つまり、k=1(cal/g・deg))である。
【0036】
熱効率検出部45は、給湯熱交換器10に供給される入水温度Tinを入水サーミスタ30によって検出し、給湯熱交換器10から流れ出る給湯温度Tout を給湯熱交サーミスタ31によって検出し、給湯熱交換器10の通水流量Qを水量センサ28によって検出し、バーナ3の燃焼熱量Pを燃焼熱量制御部44の燃焼熱量情報から検出して、給湯単独運転中には、それら検出した情報に基づき上記式(1)に従って、給湯熱交換器10の熱効率ηを時々刻々と演算検出する。
【0037】
熱効率変化監視部43は給湯単独運転監視部38の情報を取り込み、この監視情報に基づき給湯単独運転が開始されたと検知したときに、熱効率検出部45により検出された給湯熱交換器10の熱効率ηの取り込みを開始し、熱効率ηの変化を次のように監視する。例えば、熱効率変化監視部43はタイマ(図示せず)を内蔵し、給湯熱交換器10の検出熱効率ηを熱効率検出部45から取り込み度に、その熱効率ηを時間に対応させてデータ格納部42に格納する。そして、熱効率変化監視部43は、給湯単独運転が開始されてから直ぐの時間ta (例えば、3秒)を経過したときの給湯熱交換器10の熱効率ηa に対する時間tb (例えば、6秒)のときの給湯熱交換器10の熱効率ηb の変化の傾きm(m=(ηb −ηa )/(tb −ta )=Δη/Δt)を求めて熱効率ηの変化の傾きmを監視する。
【0038】
図2には給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器10の熱効率ηの変化例を示すグラフが示されている。同図に示す実線Aは追い焚き熱交換器14内に湯水がある場合の熱効率ηの変化を示し、鎖線Bは追い焚き熱交換器14内に湯水がない場合の熱効率ηの変化を示している。上記実線Aと鎖線Bに示されるように、給湯単独運転開始直後における上記給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きm(Δη/Δt)は、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無によって異なる。
【0039】
それというのは次のような理由に因る。一缶二水路風呂給湯器では、給湯熱交換器10と追い焚き熱交換器14は一体化されていることから、給湯熱交換器10と追い焚き熱交換器14間で熱の遣り取りが行われる。給湯単独運転開始時には、追い焚き熱交換器14内の温度が低いので、バーナ燃焼加熱された給湯熱交換器10から追い焚き熱交換器14に吸熱される熱量が多くて給湯熱交換器10の熱効率ηは低く、上記吸熱によって追い焚き熱交換器14内の温度が高くなるに従って給湯熱交換器10から追い焚き熱交換器14への吸熱熱量が減少していき、図2の実線Aや鎖線Bに示すように、給湯熱交換器10の熱効率ηは上昇するが、空気の比熱は水の比熱よりも小さく、空気の重量は該空気の体積と同じ体積の水の重量よりも格段に軽いので、追い焚き熱交換器14内の温度は、内部が水である場合よりも空気である場合の方が早く上昇することとなり、このことに起因して、追い焚き熱交換器14内に湯水がなく空気である場合は追い焚き熱交換器14内に湯水がある場合よりも給湯熱交換器10の熱効率ηの上昇傾きmが大幅に大きくなる。
【0040】
上記のように、給湯単独運転開始直後における上記給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きm(Δη/Δt)は、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無によって異なることから、給湯単独運転開始直後における給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmの大小によって追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断することが可能である。
【0041】
なお、図2の実線Aや鎖線Bに示すように、給湯単独運転が開始された直後には給湯熱交換器10の熱効率ηは上昇するが、追い焚き熱交換器14内の温度が例えば80〜90℃程度に上昇して温度上昇が殆どなくなると、給湯熱交換器10の熱効率ηは追い焚き熱交換器14の湯水の有無に関係ない一定の値で殆ど変化しなくなるので、給湯熱交換器10の熱効率の変化を利用して追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断するためには、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無によって大きな違いが現われる給湯単独運転直後の給湯熱交換器10の熱効率の変化の傾きを利用する。
【0042】
データ格納部42には、追い焚き熱交換器14内に湯水が有るか否かを判断するためのしきい値としての給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きが実験や演算等によって予め求めて格納されている。
【0043】
追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は給湯単独運転監視部38の情報を取り込み、この監視情報に基づき給湯単独運転が開始されたと検知したときには、前記熱効率変化監視部43により求められた給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmを取り込み、この熱効率ηの変化の傾きmを上記データ格納部42のしきい値に比較し、上記傾きmがしきい値よりも大きいときには、追い焚き熱交換器14内は空気である、つまり、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと判断して、水無し信号を出力し、追い焚き熱交換器14内に湯水がないことを示す水無しフラグをデータ格納部42に立てる。
【0044】
また、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は、上記傾きmがしきい値以下であったときには、追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断して追い焚き熱交換器14内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し、データ格納部42に水無しフラグが立っているときには水無しフラグを倒す。
【0045】
湯張り制御部41は、リモコン36の湯張り開始ボタンが押される等して湯張り開始指令が発せられたことを検知したときには、データ格納部42に水無しフラグが立っているか否かを判断し、データ格納部42に水無しフラグが立っていると判断したときには、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと判断し、このときには、前述したような循環ポンプ16と水流スイッチ34を利用した追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断動作を省略し、つまり、前記図4のステップ101,102の動作を省略して、ステップ103の動作(注湯動作)から湯張りを開始させる。
【0046】
それ以外のときは、つまり、データ格納部42に水無しフラグが立っていないときには、湯張り制御部41は、前述したように、図4のステップ101,102の動作を行って追い焚き熱交換器14内に湯水が有ることを確認してから、次の湯張り運転動作に移行する。それというのは、上記の如く、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40によって追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断されてから湯張り運転が開始されるまでの間に、浴槽17の湯水が排水される虞があるので、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40によって追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断されていても、確認のため、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無、つまり、浴槽17の湯水の有無を判断してから、次の湯張り運転動作に移行するようにする。
【0047】
この実施形態例によれば、給湯単独運転開始直後における給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmに基づいて追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断する追い焚き熱交換器湯水有無判断部40を設けたので、湯張りを開始する前に追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を予め検出しておくことが可能となる。
【0048】
また、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと検出されているときに、湯張りを開始するときには、循環ポンプ16の駆動を行わずに注湯から湯張りを開始する湯張り制御部41を設けたので、追い焚き熱交換器14内に湯水がない湯張りの開始時には循環ポンプ16の駆動が行われないこととなり、追い焚き熱交換器14内の湯水がないのに循環ポンプ16の空運転が行われるという無駄を省くことができる上に、湯張り開始時の循環ポンプ16の駆動時間を省くことができるので、その分、湯張り運転を開始してから浴槽に設定水位の湯を張り終わるまでに要する時間を短くすることができる。
【0049】
また、湯張り開始時の循環ポンプ16の空運転が回避されるので、循環ポンプ16の空運転の回数を激減させることができ、空運転が度重なることによる循環ポンプ16の故障発生を防止することが可能となる。
【0050】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断するためのしきい値は1個であったが、追い焚き熱交換器14内の水有り状態を判断するための水有り判断しきい値と、追い焚き熱交換器14内の水無し状態を判断するための上記水有り判断しきい値よりも大きい水無し判断しきい値とを別個に設けてもよい。
【0051】
このような場合には、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は、熱効率変化監視部43により検出された給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmを上記水無し判断しきい値、水有り判断しきい値にそれぞれ比較し、上記傾きmが水無し判断しきい値よりも大きいときには、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと判断し、水無し信号を出力し、上記傾きmが水有り判断しきい値以下であるときには、追い焚き熱交換器14内に湯水があると判断し、水有り信号を出力する。湯張り制御部41は、上記追い焚き熱交換器湯水有無判断部40によって水無し信号が出力された後に湯張りを行うときには、上記実施形態例と同様に、循環ポンプ16と水流スイッチ34を用いた追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断を行わずに注湯動作から湯張り運転を開始する。
【0052】
さらに、上記実施形態例では、湯張り運転は図4に示すフローチャートに従って行われたが、循環ポンプ16と水流スイッチ34を用いて追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断を行ってから注湯を行う湯張り動作であれば、図4に示すフローチャートの動作に限定されるものではない。
【0053】
さらに、上記実施形態例では、熱効率検出部45は、燃焼熱量Pの情報を燃焼熱量制御部44から取り込んでいたが、比例弁8の弁開度を検出し、つまり、比例弁駆動電流を検出し燃焼熱量Pの情報として取り込んでもよい。
【0054】
さらに、上記実施形態例では、熱効率変化監視部43は、予め定めた時間ta のときの給湯熱交換器10の熱効率ηa に対する時間tb のときの給湯熱交換器10の熱効率ηb の変化の傾きmを求めて給湯熱交換器10の熱効率ηの変化を監視していたが、例えば、予め定めた時間間隔(例えば、0.1秒間隔)毎に給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きを求め、予め定めた時間(例えば、10秒間)分の上記求めた熱効率ηの変化の傾きの平均を求めて給湯単独運転開始直後の給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmとして熱効率ηの変化の傾きを監視してもよい。
【0055】
さらに、上記実施形態例では、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は追い焚き熱交換器14内に湯水が無いと判断したときには水無し信号を出力して水無しフラグを立て、追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断したときには水有り信号を出力して上記水無しフラグを倒していたが、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断したときには水有り信号を出力して水有りフラグを立て、追い焚き熱交換器14内に湯水が無いと判断したときには水無し信号を出力し上記水有りフラグが立っているときにはその水有りフラグを倒すようにしてもよく、この場合には、湯張り制御部41は、湯張り開始指令が発せられたときに水有りフラグが立っていないときには、追い焚き熱交換器14内に湯水が無いと判断して、上記実施形態例同様に、循環ポンプ16と水流スイッチ34を利用した追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断動作を省略して注湯動作から湯張りを開始する。
【0056】
ところで、水有りフラグが立っている状態で浴槽水が大量に使用されたり排水されて浴槽6の水位が循環金具19よりも低くなり追い焚き循環通路21に空気が入り込んでしまい、水有りフラグが立っているのに追い焚き熱交換器14内に湯水が無いという事態が発生してしまう虞があるので、その事態発生を防止するために、図1の点線に示す浴槽湯水監視部46を設けることが望ましい。
【0057】
上記浴槽湯水監視部46は、追い焚き運転や湯張り運転による循環ポンプ16の駆動によって水流スイッチ34により追い焚き循環通路21の循環水流が検出された以降に、水位センサ32により検出される浴槽水位を時々刻々と取り込んで浴槽水位を監視し、予め定めた空気混入水位(例えば、循環金具19の上端よりも低い水位)が水位センサ32により検出されたときには、追い焚き循環通路21内にエアーが入り込んでいる虞があると判断し、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40により立てられた水有りフラグを倒す構成を有している。
【0058】
上記浴槽湯水監視部46を設けることで、該浴槽湯水監視部46によって、浴槽水位が循環金具19よりも低下し追い焚き熱交換器14内に湯水が無くなったときには水有りフラグが倒されるので、追い焚き熱交換器内の湯水の有無の状態と水有りフラグの状態とをほぼ一致させることができ、追い焚き熱交換器14内に湯水が無いのに水有りフラグが立っているという事態発生をほぼ回避することができる。
【0059】
なお、湯張り運転等によって循環金具19よりも上側の水位に湯水が張られた後に浴槽湯水が使用されたり排水されて浴槽水位が循環金具19よりも低下すると追い焚き循環通路21内にはエアーが入り込むことから、循環金具19以下の水位が水位センサ32により検出された以降には、上記追い焚き循環通路21内のエアーに起因して水位センサ32は精度良く浴槽水位を検出することができないという問題があるので、湯張り運転等によって循環金具19よりも上側の水位に湯水が張られた後に循環金具19以下の水位が水位センサ32により検出された以降には、水位センサ32により循環金具19よりも上側の水位が検出されても、浴槽水位が循環金具19よりも上側で追い焚き熱交換器14内に湯水が入り込んだと判断することはできない。
【0060】
上記の如く追い焚き循環通路21内にエアーが入り込んでも、湯張り運転による湯張り水流や、追い焚き運転による循環ポンプ16の循環水流によって追い焚き循環通路21内のエアーは浴槽6に押し出されるので、湯張り運転や追い焚き運転によって水流センサ34により追い焚き循環通路21内の水流を検出した以降には水位センサ32は再び精度良く浴槽水位を検出することができる。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、給湯単独運転開始直後の時間の経過に対する給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きに基づき追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断する追い焚き熱交換器湯水有無判断部を設けたので、給湯単独運転を行いながら、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を簡単に判断することができ、従来では、例えば、湯張り開始時に、循環ポンプを駆動して該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断するという動作を行っていたが、この発明では、湯張りが開始される前の給湯単独運転時に、上記の如く、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を予め検出しておくことが可能である。
【0062】
追い焚き熱交換器湯水有無判断部によって水無し信号が出力された後に湯張りを行うとき、又は、追い焚き熱交換器湯水有無判断部により水無し信号が出力され水無しフラグが立てられているとき、又は、追い焚き熱交換器湯水有無判断部により水無し信号が出力され水有りフラグが倒されているときには、循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断する動作を行わずに、湯を浴槽に落とし込む湯張り制御部を備えたものにあっては、湯張り開始時に追い焚き熱交換器内に湯水がないのにも拘らず循環ポンプが駆動される空運転が回避され、空運転による無駄な動作を省くことができる。また、循環ポンプの空運転の回数が格段に減少し、空運転が度重なることによる循環ポンプの故障等の問題発生の確率を大幅に低くすることができる。
【0063】
さらに、湯張り開始時に、湯張り制御部によって、循環ポンプを用いた追い焚き熱交換器内の湯水の有無判断動作が省略されたときには、その湯水有無判断動作を省略した分、湯張りに要する時間の短縮を図ることができる。
【0064】
浴槽湯水監視部を設けた構成を備えたものにあっては、予め定めた空気混入水位が水位検出手段により検出されたときに追い焚き熱交換器湯水有無判断部により立てられた水有りフラグを浴槽湯水監視部によって倒すので、浴槽水位が低下して追い焚き熱交換器内から湯水が抜け出て追い焚き熱交換器内に湯水が無いのに水有りフラグが立っているという事態を回避することができる。
【0065】
水無し判断しきい値と水有り判断しきい値とを別個に設けたものにあっては、上記同様に、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断できるはもちろんのこと、追い焚き熱交換器内に水と空気が混在しているような場合をも判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態例において特徴的な制御構成を示すブロック図である。
【図2】給湯単独運転時の給湯熱交換器の熱効率ηの変化例を示すグラフである。
【図3】一缶二水路風呂給湯器のモデル例を示す説明図である。
【図4】湯張り運転動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 バーナ
10 給湯熱交換器
14 追い焚き熱交換器
16 循環ポンプ
21 追い焚き循環通路
34 水流スイッチ
40 追い焚き熱交換器湯水有無判断部
41 湯張り制御部
43 熱効率変化監視部
46 浴槽湯水監視部
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯熱交換器と追い焚き熱交換器とが一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器とを共通に燃焼加熱するバーナが設けられている一缶二水路タイプの風呂給湯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3には一缶二水路風呂給湯器(器具)のモデル例が実線により示されている。この器具は、器具ケース1内に燃焼室2を有し、この燃焼室2内にはバーナ3が設けられている。バーナ3には該バーナ3へ燃料ガスを導くためのガス供給通路4が接続され、このガス供給通路4には通路の開閉を行う電磁弁5,6と、弁開度によって燃料ガスの供給量を制御する比例弁8とが介設されている。
【0003】
上記バーナ3の上方には給湯熱交換器10が設けられ、この給湯熱交換器10の入側には給水通路11の一端側が接続され、給水通路11の他端側は外部配管を介して水供給源に接続されている。給湯熱交換器10の出側には給湯通路12の一端側が接続され、給湯通路12の他端側は外部配管を介して台所やシャワー等の給湯場所に連通されている。
【0004】
上記給湯熱交換器10の上側には追い焚き熱交換器14が給湯熱交換器10と一体的に設けられ、この追い焚き熱交換器14の入側には通路15の一端側が接続され、この通路15の他端側は循環ポンプ16の吐出口に接続され、この循環ポンプ16の吸入口には戻り管18の一端側が接続され、この戻り管18の他端側は外部配管と循環金具19を介して浴槽17に連通されており、追い焚き熱交換器14の出側には往管20の一端側が接続され、往管20の他端側は外部配管と循環金具19を介して浴槽17に連通されている。上記戻り管18と循環ポンプ16と通路15と追い焚き熱交換器14と往管20とにより浴槽17の浴槽湯水を追い焚き循環させるための追い焚き循環通路21が構成されている。
【0005】
上記給湯通路12と追い焚き循環通路21の通路15を連通接続する注湯通路22が設けられており、この注湯通路22には通路の開閉を行う電磁弁等により構成された注湯制御手段24が介設されている。上記給湯通路12と注湯通路22と追い焚き循環通路21によって給湯熱交換器10で作り出した湯を浴槽17に落とし込む湯張り通路が構成されている。
【0006】
上記バーナ3よりも下方側の燃焼室2には燃焼ファン25が介設された給気通路26が連通接続されている。また、追い焚き熱交換器14よりも上方側の燃焼室2にはバーナ3の燃焼によって生じた排気ガスを外部に送出するための排気通路27が連通接続されている。
【0007】
なお、図3に示す28は給水通路11を流れる通水流量を検出する水量センサを表し、30は給水通路11の湯水温度を検出する入水サーミスタを表し、31は給湯熱交換器10から流れ出る湯水温度を検出する給湯熱交サーミスタを表し、32は浴槽水位を水圧により検出する水位センサを表し、33は追い焚き循環通路21の湯水温度を風呂温度として検出する風呂温度センサを表し、34は追い焚き循環通路21の通水水流を追い焚き熱交換器14の通水水流として検出する循環水流検出手段である水流スイッチを表している。
【0008】
この一缶二水路風呂給湯器には給湯や、湯張りや、追い焚きや、保温等の器具運転を制御する制御装置35が設けられ、この制御装置35にはリモコン36が信号接続されている。リモコン36には給湯温度を設定する給湯温度設定手段や、風呂の温度を設定する風呂温度設定手段や、風呂の水位を設定する水位設定手段等が設けられている。
【0009】
上記制御装置35は給湯運転を次のように制御する。例えば、台所やシャワー等の給湯栓(図示せず)が開栓され、水量センサ28が予め定めた給湯運転作動流量以上の通水流量を検知すると、燃焼ファン25の駆動を開始し給気通路26を介してバーナ3に給気を供給すると共に、電磁弁5,6を開けてバーナ3に燃料ガスを供給し、バーナ3の燃焼を開始させ、給湯される湯の温度がリモコン36に設定されている給湯設定温度となるようにバーナ3の燃焼熱量制御および燃焼ファン25の回転制御を行い、給水通路11から供給された水を給湯熱交換器10がバーナ3の燃焼火炎の熱により加熱して湯を作り出し、その湯を給湯通路12を介して給湯する。そして、給湯栓が閉められ、水量センサ28が通水停止を検知したときに、電磁弁5,6を閉弁してバーナ3の燃焼を停止し、その後、予め定めた期間燃焼ファン25の継続駆動を行わせ、次の給湯運転に備える。
【0010】
また、湯張り運転を行うときには、例えば、図4のフローチャートに示すように、まず、循環ポンプ16を予め定めた期間(例えば、1分間)駆動し(ステップ101)、その循環ポンプ16の駆動による追い焚き循環通路21の循環水流が水流スイッチ34によって検出されたか否かを判断する(ステップ102)。浴槽17内に湯水がない、又は、浴槽17の水位が循環金具19よりも下側の水位であるときには、追い焚き循環通路21内に湯水はないし、循環ポンプ16を駆動しても追い焚き循環通路21内に湯水を引き込むことは不可能であり、追い焚き循環通路21内に湯水は循環しないので、水流スイッチ34により追い焚き循環通路21の循環水流が検出されなかったときには、浴槽17に水がない又は浴槽17の水位が循環金具19よりも低いと判断し、注水制御手段24を開弁し、給湯熱交換器10で上記給湯運転と同様に湯を作り出し、その湯を給湯通路12と湯張り通路22と追い焚き循環通路21とを順に介して浴槽17に注湯し、水量センサ28により検出される注湯流量に基づいて検出される湯張り開始時からの注湯量が予め定められたxリットル(例えば、10リットル)に達したときに注湯制御手段24を閉止する(ステップ103)。
【0011】
そして、上記同様に、循環ポンプ16を駆動し(ステップ104)、循環ポンプ16による循環水流が水流スイッチ34によって検出されたか否かを判断し(ステップ105)、水流スイッチ34によって循環水流が検出されなかったときには予め定めたyリットル(例えば、10リットル)を注湯し(ステップ106)、再度、循環ポンプ16を駆動し(ステップ107)、循環水流の有無を判断し(ステップ108)、水流スイッチ34によって循環水流が検出されなかったときには予め定めたzリットル(例えば、5リットル)を注湯する(ステップ109)。
【0012】
さらに、循環ポンプ16を駆動し(ステップ110)、循環水流の有無を判断し(ステップ111)、循環水流が検出されなかったときには浴槽17の水位が循環金具19よりも低いと判断し、この場合には、浴槽17の水位が循環金具19よりも上側となるのに十分な注湯量を湯張り開始時から浴槽17に落とし込んでいるのにも拘らず、浴槽水位が循環金具19よりも上側とならないのは異常であると判断し、エラー信号を出力する(ステップ116)。
【0013】
上記循環水流の有無の判断動作時に(ステップ102,105,108,111)、水流スイッチ34によって循環水流を検出したときには、浴槽17の水位が循環金具19よりも上側となり、水位センサ32によって水位検出を行うことが可能となったと判断し、水位センサ32により浴槽水位を検出し(ステップ112)、検出された浴槽水位がリモコン36に予め設定された浴槽水位であるか否かを判断する(ステップ113)。浴槽水位が浴槽設定水位に達していないと判断したときには、給湯熱交換器10の湯を上記同様に浴槽17に注湯し水位センサ32によって浴槽水位を監視し(ステップ114)、浴槽水位が設定水位に達したと判断したときに、注湯制御手段24を閉止して湯張り運転を終了する(ステップ115)。
【0014】
さらに、追い焚き運転を行うときには、循環ポンプ16を駆動し、浴槽17から戻り管18と循環ポンプ16と通路15と追い焚き熱交換器14と往管20とを順に介して浴槽17に戻る追い焚き循環経路で浴槽湯水を循環させると共に、バーナ3を燃焼させ該バーナ3の燃焼火炎の熱によって追い焚き熱交換器14で浴槽湯水の追い焚きを行い、風呂温度センサ33により検出される風呂温度がリモコン36に設定されている風呂設定温度に達したときにバーナ3の燃焼を停止し、また、循環ポンプ16を停止して追い焚き運転を終了する。
【0015】
さらに、保温運転を行う場合には、例えば、上記追い焚き運転の終了後、予め定めた時間間隔(例えば、30分間隔)毎に循環ポンプ16を駆動し、風呂温度センサ33により風呂の温度を検出し、この検出した風呂の温度が風呂設定温度から予め定めた許容温度を越えて低いときには、バーナ3を燃焼させ、浴槽湯水の追い焚きを行って風呂の湯温を設定温度に高めて風呂の保温を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、湯張り運転を行うときには、上記の如く、まず、循環ポンプ16を駆動して該循環ポンプ16の駆動による追い焚き循環通路21の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器14内に湯水が有るか否かを判断してから(図4に示すステップ101,102)、注湯を開始していた。このように、従来では、湯張り開始時に循環ポンプ16を駆動させなければ追い焚き循環通路21(追い焚き熱交換器14)内の湯水の有無(つまり、浴槽17の水位が循環金具19よりも上側であるか否か)を判断できなかったため、湯張り開始時に追い焚き循環通路21内に湯水がない場合にも循環ポンプ16を駆動させなければならず、このようなときには循環ポンプ16は空運転となり、無駄な動作であるし、このような空運転が度重なって行われると、循環ポンプ16の故障を招き易くなるという問題が生じる。
【0017】
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、その目的は、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を予め検知することが可能な一缶二水路風呂給湯器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0019】
第2の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きがしきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;上記水無し信号が出力された後に湯張り開始指令が発せられたときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0020】
第3の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し水無しフラグを立て、熱効率の変化の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し上記水無しフラグを倒す追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;湯張り開始指令が発せられたときに水無しフラグが立っているときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0021】
第4の発明は、給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し水有りフラグを立て、上記熱効率の変化の傾きが上記しきい値よりも大きいときには水無し信号を出力して上記水有りフラグを倒す追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;湯張り開始指令が発せられたときに水有りフラグが倒れているときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0022】
第5の発明は、上記第4の発明の構成に加えて、浴槽水位を水圧により検出する水位検出手段が給湯熱交換器で作られた湯を追い焚き循環通路を通して浴槽に落とし込む湯張り通路に設けられており、循環水流検出手段が追い焚き循環通路内の水流を検出した以降に、上記水位検出手段により検出される浴槽水位を監視し、追い焚き循環通路内へ空気が混入される可能性がある水位として予め定めた空気混入水位が水位検出手段によって検出されたときに追い焚き熱交換器湯水有無判断部により立てられた水有りフラグを倒す浴槽湯水監視部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0023】
第6の発明は、上記第1又は第2又は第3又は第4又は第5の発明の構成を備え、しきい値は水無し判断しきい値と該水無し判断しきい値よりも小さい水有り判断しきい値とに別個に設定され、追い焚き熱交換器湯水有無判断部は、給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが上記水無し判断しきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きが上記水有り判断しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0024】
上記構成の発明において、給湯単独運転開始直後における給湯熱交換器の熱効率の変化傾向は追い焚き熱交換器内に湯水が有る場合よりも追い焚き熱交換器内に湯水がない場合の方が大きいという現象に着目し、この発明では、例えば、熱効率変化監視部は、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視し、追い焚き熱交換器湯水有無判断部は、給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部により監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには、追い焚き熱交換器に湯水がないことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する。
【0025】
上記追い焚き熱交換器湯水有無判断部から水無し信号が出力された後に、湯張り開始指令が発せられたときには、追い焚き熱交換器内に湯水がない状態であると予め判断されていることから、例えば、循環ポンプを駆動させ追い焚き循環通路の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断するという追い焚き熱交換器湯水有無判断動作を行わずに注湯を開始させる。
【0026】
このように、湯張り運転を開始するときに、追い焚き熱交換器内に湯水がないと予め検出されているときには、循環ポンプの駆動を行わず、注湯から行うことによって、湯張り開始時の循環ポンプの空運転が回避されて無駄な動作を省略することができ、このような場合には、循環ポンプを駆動させない分、湯張り運転を開始してから設定水位に湯を張り終わるまでに要する時間の短縮が図れる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0028】
この実施形態例の一缶二水路風呂給湯器は、前記図3に示すシステム構成を有し、図1にはこの実施形態例において特徴的な制御構成が実線により示されている。図1に示すように、この実施形態例に示す制御装置35は、給湯単独運転監視部38と追い焚き熱交換器湯水有無判断部40と湯張り制御部41とデータ格納部42と熱効率変化監視部43と燃焼熱量制御部44と熱効率検出部45を有して構成されている。なお、この実施形態例の説明において、図3のシステム構成の説明は前述したので省略する。
【0029】
燃焼熱量制御部44は、入水サーミスタ30によって検出される入水温度Tinと、水量センサ28によって検出される給湯流量Qと、リモコン36に予め設定されている給湯設定温度Tstと、給湯熱交サーミスタ31によって検出される給湯温度Tout とに基づき、給湯される湯の温度が給湯設定温度Tstとなるように、バーナ3の燃焼熱量を比例弁8の弁開度でもって制御する。
【0030】
なお、給湯される湯の温度が給湯設定温度Tstとなるためにバーナ3の燃焼熱量を制御する手法には様々な手法が考えられ、ここでは、それらの手法のうちのどの手法を用いてバーナ3の燃焼熱量を制御してもよく、その燃焼熱量制御の説明は省略する。
【0031】
上記給湯単独運転監視部38には、循環ポンプ16の駆動オン信号や、水量センサ28の通水オン信号や、注湯制御手段24の開弁信号等の信号が加えられ、それら受け取った信号に基づき、給湯単独運転監視部38は、給湯単独運転が行われているか否かを監視する。具体的には、例えば、循環ポンプ16が駆動しておらず、また、注湯制御手段24が閉弁している状態で、水量センサ28により通水が検出されているときには給湯単独運転が行われていると検知し、それ以外のときには給湯単独運転は行われていないと検知する。
【0032】
熱効率検出部45は、上記燃焼熱量制御部44の燃焼熱量情報と、上記給湯単独運転監視部38の監視情報と、入水サーミスタ30により検出される入水温度Tinと、給湯熱交サーミスタ31により検出される給湯温度Tout と、水量センサ28により検出される給湯流量Qとを時々刻々と取り込み、給湯単独運転監視部38の監視情報に基づき給湯単独運転が開始されたと検知した以降に、上記センサ出力等の情報を取り込む度に、それら取り込んだ情報に基づき給湯熱交換器10の熱効率ηを次のように検出する。
【0033】
上記給湯熱交換器10の熱効率ηを求めるための演算式データは、給湯熱交換器10に供給される入水温度をTinと表し、給湯熱交換器10から流れ出る給湯温度をTout と表し、給湯熱交換器10の通水流量をQと表し、バーナ3の燃焼熱量をPと表したとき、次式(1)に示すように予め与えられ、この演算式データはデータ格納部42に予め格納されている。
【0034】
η=k・(Tout −Tin)・Q/P・・・・・(1)
【0035】
なお、上記kは水の比熱(つまり、k=1(cal/g・deg))である。
【0036】
熱効率検出部45は、給湯熱交換器10に供給される入水温度Tinを入水サーミスタ30によって検出し、給湯熱交換器10から流れ出る給湯温度Tout を給湯熱交サーミスタ31によって検出し、給湯熱交換器10の通水流量Qを水量センサ28によって検出し、バーナ3の燃焼熱量Pを燃焼熱量制御部44の燃焼熱量情報から検出して、給湯単独運転中には、それら検出した情報に基づき上記式(1)に従って、給湯熱交換器10の熱効率ηを時々刻々と演算検出する。
【0037】
熱効率変化監視部43は給湯単独運転監視部38の情報を取り込み、この監視情報に基づき給湯単独運転が開始されたと検知したときに、熱効率検出部45により検出された給湯熱交換器10の熱効率ηの取り込みを開始し、熱効率ηの変化を次のように監視する。例えば、熱効率変化監視部43はタイマ(図示せず)を内蔵し、給湯熱交換器10の検出熱効率ηを熱効率検出部45から取り込み度に、その熱効率ηを時間に対応させてデータ格納部42に格納する。そして、熱効率変化監視部43は、給湯単独運転が開始されてから直ぐの時間ta (例えば、3秒)を経過したときの給湯熱交換器10の熱効率ηa に対する時間tb (例えば、6秒)のときの給湯熱交換器10の熱効率ηb の変化の傾きm(m=(ηb −ηa )/(tb −ta )=Δη/Δt)を求めて熱効率ηの変化の傾きmを監視する。
【0038】
図2には給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器10の熱効率ηの変化例を示すグラフが示されている。同図に示す実線Aは追い焚き熱交換器14内に湯水がある場合の熱効率ηの変化を示し、鎖線Bは追い焚き熱交換器14内に湯水がない場合の熱効率ηの変化を示している。上記実線Aと鎖線Bに示されるように、給湯単独運転開始直後における上記給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きm(Δη/Δt)は、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無によって異なる。
【0039】
それというのは次のような理由に因る。一缶二水路風呂給湯器では、給湯熱交換器10と追い焚き熱交換器14は一体化されていることから、給湯熱交換器10と追い焚き熱交換器14間で熱の遣り取りが行われる。給湯単独運転開始時には、追い焚き熱交換器14内の温度が低いので、バーナ燃焼加熱された給湯熱交換器10から追い焚き熱交換器14に吸熱される熱量が多くて給湯熱交換器10の熱効率ηは低く、上記吸熱によって追い焚き熱交換器14内の温度が高くなるに従って給湯熱交換器10から追い焚き熱交換器14への吸熱熱量が減少していき、図2の実線Aや鎖線Bに示すように、給湯熱交換器10の熱効率ηは上昇するが、空気の比熱は水の比熱よりも小さく、空気の重量は該空気の体積と同じ体積の水の重量よりも格段に軽いので、追い焚き熱交換器14内の温度は、内部が水である場合よりも空気である場合の方が早く上昇することとなり、このことに起因して、追い焚き熱交換器14内に湯水がなく空気である場合は追い焚き熱交換器14内に湯水がある場合よりも給湯熱交換器10の熱効率ηの上昇傾きmが大幅に大きくなる。
【0040】
上記のように、給湯単独運転開始直後における上記給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きm(Δη/Δt)は、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無によって異なることから、給湯単独運転開始直後における給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmの大小によって追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断することが可能である。
【0041】
なお、図2の実線Aや鎖線Bに示すように、給湯単独運転が開始された直後には給湯熱交換器10の熱効率ηは上昇するが、追い焚き熱交換器14内の温度が例えば80〜90℃程度に上昇して温度上昇が殆どなくなると、給湯熱交換器10の熱効率ηは追い焚き熱交換器14の湯水の有無に関係ない一定の値で殆ど変化しなくなるので、給湯熱交換器10の熱効率の変化を利用して追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断するためには、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無によって大きな違いが現われる給湯単独運転直後の給湯熱交換器10の熱効率の変化の傾きを利用する。
【0042】
データ格納部42には、追い焚き熱交換器14内に湯水が有るか否かを判断するためのしきい値としての給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きが実験や演算等によって予め求めて格納されている。
【0043】
追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は給湯単独運転監視部38の情報を取り込み、この監視情報に基づき給湯単独運転が開始されたと検知したときには、前記熱効率変化監視部43により求められた給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmを取り込み、この熱効率ηの変化の傾きmを上記データ格納部42のしきい値に比較し、上記傾きmがしきい値よりも大きいときには、追い焚き熱交換器14内は空気である、つまり、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと判断して、水無し信号を出力し、追い焚き熱交換器14内に湯水がないことを示す水無しフラグをデータ格納部42に立てる。
【0044】
また、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は、上記傾きmがしきい値以下であったときには、追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断して追い焚き熱交換器14内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し、データ格納部42に水無しフラグが立っているときには水無しフラグを倒す。
【0045】
湯張り制御部41は、リモコン36の湯張り開始ボタンが押される等して湯張り開始指令が発せられたことを検知したときには、データ格納部42に水無しフラグが立っているか否かを判断し、データ格納部42に水無しフラグが立っていると判断したときには、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと判断し、このときには、前述したような循環ポンプ16と水流スイッチ34を利用した追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断動作を省略し、つまり、前記図4のステップ101,102の動作を省略して、ステップ103の動作(注湯動作)から湯張りを開始させる。
【0046】
それ以外のときは、つまり、データ格納部42に水無しフラグが立っていないときには、湯張り制御部41は、前述したように、図4のステップ101,102の動作を行って追い焚き熱交換器14内に湯水が有ることを確認してから、次の湯張り運転動作に移行する。それというのは、上記の如く、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40によって追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断されてから湯張り運転が開始されるまでの間に、浴槽17の湯水が排水される虞があるので、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40によって追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断されていても、確認のため、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無、つまり、浴槽17の湯水の有無を判断してから、次の湯張り運転動作に移行するようにする。
【0047】
この実施形態例によれば、給湯単独運転開始直後における給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmに基づいて追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断する追い焚き熱交換器湯水有無判断部40を設けたので、湯張りを開始する前に追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を予め検出しておくことが可能となる。
【0048】
また、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと検出されているときに、湯張りを開始するときには、循環ポンプ16の駆動を行わずに注湯から湯張りを開始する湯張り制御部41を設けたので、追い焚き熱交換器14内に湯水がない湯張りの開始時には循環ポンプ16の駆動が行われないこととなり、追い焚き熱交換器14内の湯水がないのに循環ポンプ16の空運転が行われるという無駄を省くことができる上に、湯張り開始時の循環ポンプ16の駆動時間を省くことができるので、その分、湯張り運転を開始してから浴槽に設定水位の湯を張り終わるまでに要する時間を短くすることができる。
【0049】
また、湯張り開始時の循環ポンプ16の空運転が回避されるので、循環ポンプ16の空運転の回数を激減させることができ、空運転が度重なることによる循環ポンプ16の故障発生を防止することが可能となる。
【0050】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、追い焚き熱交換器14内の湯水の有無を判断するためのしきい値は1個であったが、追い焚き熱交換器14内の水有り状態を判断するための水有り判断しきい値と、追い焚き熱交換器14内の水無し状態を判断するための上記水有り判断しきい値よりも大きい水無し判断しきい値とを別個に設けてもよい。
【0051】
このような場合には、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は、熱効率変化監視部43により検出された給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmを上記水無し判断しきい値、水有り判断しきい値にそれぞれ比較し、上記傾きmが水無し判断しきい値よりも大きいときには、追い焚き熱交換器14内に湯水がないと判断し、水無し信号を出力し、上記傾きmが水有り判断しきい値以下であるときには、追い焚き熱交換器14内に湯水があると判断し、水有り信号を出力する。湯張り制御部41は、上記追い焚き熱交換器湯水有無判断部40によって水無し信号が出力された後に湯張りを行うときには、上記実施形態例と同様に、循環ポンプ16と水流スイッチ34を用いた追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断を行わずに注湯動作から湯張り運転を開始する。
【0052】
さらに、上記実施形態例では、湯張り運転は図4に示すフローチャートに従って行われたが、循環ポンプ16と水流スイッチ34を用いて追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断を行ってから注湯を行う湯張り動作であれば、図4に示すフローチャートの動作に限定されるものではない。
【0053】
さらに、上記実施形態例では、熱効率検出部45は、燃焼熱量Pの情報を燃焼熱量制御部44から取り込んでいたが、比例弁8の弁開度を検出し、つまり、比例弁駆動電流を検出し燃焼熱量Pの情報として取り込んでもよい。
【0054】
さらに、上記実施形態例では、熱効率変化監視部43は、予め定めた時間ta のときの給湯熱交換器10の熱効率ηa に対する時間tb のときの給湯熱交換器10の熱効率ηb の変化の傾きmを求めて給湯熱交換器10の熱効率ηの変化を監視していたが、例えば、予め定めた時間間隔(例えば、0.1秒間隔)毎に給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きを求め、予め定めた時間(例えば、10秒間)分の上記求めた熱効率ηの変化の傾きの平均を求めて給湯単独運転開始直後の給湯熱交換器10の熱効率ηの変化の傾きmとして熱効率ηの変化の傾きを監視してもよい。
【0055】
さらに、上記実施形態例では、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は追い焚き熱交換器14内に湯水が無いと判断したときには水無し信号を出力して水無しフラグを立て、追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断したときには水有り信号を出力して上記水無しフラグを倒していたが、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40は追い焚き熱交換器14内に湯水が有ると判断したときには水有り信号を出力して水有りフラグを立て、追い焚き熱交換器14内に湯水が無いと判断したときには水無し信号を出力し上記水有りフラグが立っているときにはその水有りフラグを倒すようにしてもよく、この場合には、湯張り制御部41は、湯張り開始指令が発せられたときに水有りフラグが立っていないときには、追い焚き熱交換器14内に湯水が無いと判断して、上記実施形態例同様に、循環ポンプ16と水流スイッチ34を利用した追い焚き熱交換器14内の湯水の有無判断動作を省略して注湯動作から湯張りを開始する。
【0056】
ところで、水有りフラグが立っている状態で浴槽水が大量に使用されたり排水されて浴槽6の水位が循環金具19よりも低くなり追い焚き循環通路21に空気が入り込んでしまい、水有りフラグが立っているのに追い焚き熱交換器14内に湯水が無いという事態が発生してしまう虞があるので、その事態発生を防止するために、図1の点線に示す浴槽湯水監視部46を設けることが望ましい。
【0057】
上記浴槽湯水監視部46は、追い焚き運転や湯張り運転による循環ポンプ16の駆動によって水流スイッチ34により追い焚き循環通路21の循環水流が検出された以降に、水位センサ32により検出される浴槽水位を時々刻々と取り込んで浴槽水位を監視し、予め定めた空気混入水位(例えば、循環金具19の上端よりも低い水位)が水位センサ32により検出されたときには、追い焚き循環通路21内にエアーが入り込んでいる虞があると判断し、追い焚き熱交換器湯水有無判断部40により立てられた水有りフラグを倒す構成を有している。
【0058】
上記浴槽湯水監視部46を設けることで、該浴槽湯水監視部46によって、浴槽水位が循環金具19よりも低下し追い焚き熱交換器14内に湯水が無くなったときには水有りフラグが倒されるので、追い焚き熱交換器内の湯水の有無の状態と水有りフラグの状態とをほぼ一致させることができ、追い焚き熱交換器14内に湯水が無いのに水有りフラグが立っているという事態発生をほぼ回避することができる。
【0059】
なお、湯張り運転等によって循環金具19よりも上側の水位に湯水が張られた後に浴槽湯水が使用されたり排水されて浴槽水位が循環金具19よりも低下すると追い焚き循環通路21内にはエアーが入り込むことから、循環金具19以下の水位が水位センサ32により検出された以降には、上記追い焚き循環通路21内のエアーに起因して水位センサ32は精度良く浴槽水位を検出することができないという問題があるので、湯張り運転等によって循環金具19よりも上側の水位に湯水が張られた後に循環金具19以下の水位が水位センサ32により検出された以降には、水位センサ32により循環金具19よりも上側の水位が検出されても、浴槽水位が循環金具19よりも上側で追い焚き熱交換器14内に湯水が入り込んだと判断することはできない。
【0060】
上記の如く追い焚き循環通路21内にエアーが入り込んでも、湯張り運転による湯張り水流や、追い焚き運転による循環ポンプ16の循環水流によって追い焚き循環通路21内のエアーは浴槽6に押し出されるので、湯張り運転や追い焚き運転によって水流センサ34により追い焚き循環通路21内の水流を検出した以降には水位センサ32は再び精度良く浴槽水位を検出することができる。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、給湯単独運転開始直後の時間の経過に対する給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きに基づき追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断する追い焚き熱交換器湯水有無判断部を設けたので、給湯単独運転を行いながら、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を簡単に判断することができ、従来では、例えば、湯張り開始時に、循環ポンプを駆動して該循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断するという動作を行っていたが、この発明では、湯張りが開始される前の給湯単独運転時に、上記の如く、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を予め検出しておくことが可能である。
【0062】
追い焚き熱交換器湯水有無判断部によって水無し信号が出力された後に湯張りを行うとき、又は、追い焚き熱交換器湯水有無判断部により水無し信号が出力され水無しフラグが立てられているとき、又は、追い焚き熱交換器湯水有無判断部により水無し信号が出力され水有りフラグが倒されているときには、循環ポンプの駆動による追い焚き循環通路の循環水流の有無によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断する動作を行わずに、湯を浴槽に落とし込む湯張り制御部を備えたものにあっては、湯張り開始時に追い焚き熱交換器内に湯水がないのにも拘らず循環ポンプが駆動される空運転が回避され、空運転による無駄な動作を省くことができる。また、循環ポンプの空運転の回数が格段に減少し、空運転が度重なることによる循環ポンプの故障等の問題発生の確率を大幅に低くすることができる。
【0063】
さらに、湯張り開始時に、湯張り制御部によって、循環ポンプを用いた追い焚き熱交換器内の湯水の有無判断動作が省略されたときには、その湯水有無判断動作を省略した分、湯張りに要する時間の短縮を図ることができる。
【0064】
浴槽湯水監視部を設けた構成を備えたものにあっては、予め定めた空気混入水位が水位検出手段により検出されたときに追い焚き熱交換器湯水有無判断部により立てられた水有りフラグを浴槽湯水監視部によって倒すので、浴槽水位が低下して追い焚き熱交換器内から湯水が抜け出て追い焚き熱交換器内に湯水が無いのに水有りフラグが立っているという事態を回避することができる。
【0065】
水無し判断しきい値と水有り判断しきい値とを別個に設けたものにあっては、上記同様に、追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断できるはもちろんのこと、追い焚き熱交換器内に水と空気が混在しているような場合をも判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態例において特徴的な制御構成を示すブロック図である。
【図2】給湯単独運転時の給湯熱交換器の熱効率ηの変化例を示すグラフである。
【図3】一缶二水路風呂給湯器のモデル例を示す説明図である。
【図4】湯張り運転動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 バーナ
10 給湯熱交換器
14 追い焚き熱交換器
16 循環ポンプ
21 追い焚き循環通路
34 水流スイッチ
40 追い焚き熱交換器湯水有無判断部
41 湯張り制御部
43 熱効率変化監視部
46 浴槽湯水監視部
Claims (6)
- 給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;が設けられていることを特徴とする一缶二水路風呂給湯器。
- 給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きがしきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;上記水無し信号が出力された後に湯張り開始指令が発せられたときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられていることを特徴とする一缶二水路風呂給湯器。
- 給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し水無しフラグを立て、熱効率の変化の傾きが上記しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し上記水無しフラグを倒す追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;湯張り開始指令が発せられたときに水無しフラグが立っているときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられていることを特徴とする一缶二水路風呂給湯器。
- 給水通路から供給された水を加熱して給湯する給湯熱交換器と、循環ポンプの駆動により追い焚き循環通路を介して供給された浴槽湯水を加熱して浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器と、上記循環ポンプの駆動による追い焚き熱交換器の循環水流を検出する循環水流検出手段と、上記給湯熱交換器で作られた湯を浴槽に落とし込むための湯張り通路とが設けられており、上記給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体化され、これら給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通に燃焼加熱するバーナとを有し、上記循環ポンプを駆動し循環水流検出手段によって追い焚き熱交換器内の湯水の有無を判断してから給湯熱交換器で作られた湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り機能を備えた一缶二水路風呂給湯器において、給湯単独運転が開始されてからの給湯熱交換器の熱効率の変化を監視する熱効率変化監視部と;給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する上記熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが予め定めたしきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力し水有りフラグを立て、上記熱効率の変化の傾きが上記しきい値よりも大きいときには水無し信号を出力して上記水有りフラグを倒す追い焚き熱交換器湯水有無判断部と;湯張り開始指令が発せられたときに水有りフラグが倒れているときには、循環ポンプと循環水流検出手段を利用した追い焚き熱交換器内の湯水の有無の判断を行わずに、給湯熱交換器の湯を湯張り通路を通して浴槽に落とし込む湯張り制御部と;が設けられていることを特徴とする一缶二水路風呂給湯器。
- 浴槽水位を水圧により検出する水位検出手段が給湯熱交換器で作られた湯を追い焚き循環通路を通して浴槽に落とし込む湯張り通路に設けられており、循環水流検出手段が追い焚き循環通路内の水流を検出した以降に、上記水位検出手段により検出される浴槽水位を監視し、追い焚き循環通路内へ空気が混入される可能性がある水位として予め定めた空気混入水位が水位検出手段によって検出されたときに追い焚き熱交換器湯水有無判断部により立てられた水有りフラグを倒す浴槽湯水監視部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の一缶二水路風呂給湯器。
- しきい値は水無し判断しきい値と該水無し判断しきい値よりも小さい水有り判断しきい値とに別個に設定され、追い焚き熱交換器湯水有無判断部は、給湯単独運転の開始直後の時間の経過に対する熱効率変化監視部に監視された給湯熱交換器の熱効率の変化の傾きが上記水無し判断しきい値よりも大きいときには追い焚き熱交換器内に湯水が無いことを示す水無し信号を出力し、上記熱効率の変化の傾きが上記水有り判断しきい値以下であるときには追い焚き熱交換器内に湯水が有ることを示す水有り信号を出力する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5記載の一缶二水路風呂給湯器。
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1997
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