JP3719793B2 - 自動車用ウインドモール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のウインドガラス、特に接着タイプのフロントガラス外周縁部に沿って装着され、長手方向に沿って芯材が埋設されたウインドモール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のフロントガラスの周縁部に装着されるウインドモールにあっては、図5に示すように、フロントガラス2の上縁部2Aに沿うウインドモール1のアッパーモール部1Aではフロントガラス2の上面側への突出量が可及的に小さいことがいわゆるフラッシュサーフェイス化の上で好ましく、他方、フロントガラス2の両側縁部2Bに沿うサイドモール部1Bではフロントガラス2の上面側への突出量をある程度大きくして雨水を捕捉するためのダムあるいは溝機能が発揮されるものが望ましい。これは、フロントガラス2に付着した水が車両走行に伴って車体側部に回り込むのを防いで、その雨水をフロントガラス2の下方にスムーズに流下させるためである。
【0003】
一例として特開平4−353016号公報には、アッパーモール部とサイドモール部とで断面形状が相互に異なるウインドモールが記載されている。図6は、上記特開平4−353016号公報に開示されたウインドモール1を示し、図5の符号VIで囲んだ部分に対応している。このウインドモール1は、ウインドガラス2の上縁部2Aから両側縁部2Bへと至る外周縁部と車体パネル3との間隙に沿って装着され、その長手方向に沿って芯材4が埋設された長尺な一体物として成形されている。
【0004】
ウインドモール1は、長手方向全長にわたってウインドガラス2側へチャンネル状に開いた略同一断面形状に形成されてウインドガラス2の外周縁部をシールするガラス受容部5と、このガラス受容部5の車外側表面から長手方向に沿って漸次隆起するドリップ溝形成部6とを有し、ドリップ溝形成部6とガラス受容部5との間には、ウインドガラス2上面側へ向けて略コ字状に開いたドリップ溝7が形成されている。このドリップ溝7は、サイドモール部1Bの上部から下部へ向けて徐々に大きくなっており、フロントガラス2に付着した水が車両走行に伴って車体側部に回り込むのを防いで、その雨水をフロントガラス2の下方にスムーズに流下させ得るようになっている。このウインドモール1を車外側から見た場合、その車外側表面部8はガラス受容部5からドリップ溝形成部6へと滑らかに連続している。
【0005】
また、符号9は車体パネル3との間を覆い隠すように車体パネル3側へ延びる上リップ、符号10は車体パネル3側へ当接変形して車外側に開いたチャンネル状の水受部を形成する下リップであり、これら上リップ9と下リップ10とによりウインドモール1と車体パネル3との間が二重にシールされている。また符号12はダムラバー、符号11はフロントガラス2と車体パネル3とを接着する接着剤である。
【0006】
図7は上記ウインドモール1を押出成形するための製造ラインの概略が示されている。
【0007】
芯材4は、送り出し装置13によって図において左側の材料下流側より一定速度で引き出されて下流側へ送り出され、測長装置14で測長されながら押出機15に送り込まれる。この押出機15には材料供給口15aより樹脂材料が供給されており、芯材4を母材としてガラス受容部5やドリップ溝形成部6等が一体となったモール本体20が押出成形される。押出成形されたモール本体20は冷却槽16を通過しながら引取り装置17で引き取られた上で、測長装置18にて車両一台分毎の長さに測長されて裁断機19で裁断され、最終成形品としてのウインドモール1が得られる。
【0008】
なお、上記冷却槽16の始端部にはサイジング治具29が設置され、このサイジング治具29の上面にはガラス受容部5の断面形状に対応した突起部が形成されている。この突起部を押出成形直後のモール本体20のガラス受容部5が摺接しながら通過することによって、寸法精度が要求されるガラス受容部5が正確な形状に矯正され得るようになっている。
【0009】
図8,9は上記押出機15を下流側から見た正面図である。押出機15は、口金21と、この口金21の出口面21aに形成された押出口24の一部を開閉するように口金出口面21aに摺接配置された2つの遮蔽板22,23とを備えている。第1遮蔽板22には下リップ10を含めたガラス受容部5の形状に対応した切欠25が形成されており、押出口24と切欠25とがオーバーラップする部分から主にガラス受容部5が押し出され、切欠25を除いた押出口24から主にドリップ溝形成部6が押し出されるようになっている。これら遮蔽板22,23は、それぞれ駆動装置26,27によって口金21の出口面21a上をスライド駆動される。
【0010】
遮蔽板22,23が図8に示す位置に定められた状態では、主にアッパーモール部1A(図6)となるドリップ溝形成部6の無いモール本体20が押し出される。ここから第1遮蔽板22が図9に示すように下方へ移動することによって、ガラス受容部5が車外側表面部8から離れるように位置を変えて、ドリップ溝形成部6が生成されるとともにドリップ溝7の高さが変化され、この第1遮蔽板22の変位に応じて第2遮蔽板23を図9に示す如く右側へ移動することによって、ドリップ溝7の深さや大きさを変えている。このようにして、長手方向でドリップ溝7の高さや深さが漸次変化するモール本体20が連続的に押し出される。
【0011】
ここで、押出成形時にガラス受容部5側を相対変位させる理由としては、第1に、ウインドモール1を車両に取り付けた際に外部に露出することとなる車外側表面部8を、固定された押出口24からむら無く押出成形できることにある。第2には、上述したように、ドリップ溝7の高さや深さが漸次変化するウインドモール1を、2つの遮蔽板22,23を所定のタイミングで駆動するという簡単な制御機構によってなし得ることにある。
【0012】
なお、上記駆動装置26,27や裁断機19の動作は、図7にも示すように、測長装置14,18からの信号に基づく制御装置28からの信号によって駆動制御されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記製造工程を通じて、モール本体20にたわみが生じることのないように、芯材4を送り出し装置13と引き取り装置17とによって所定張力をもって張られた状態に保持しておく必要がある。このため、押出機15から押し出されるモール本体20は、内部に埋設された芯材4が略一直線状に張られた状態となり、最終成形品としてのウインドモール1は、口金21から押し出された直後の形状と同様、車外側表面部8や芯材4が略直線状で、これら車外側表面部8や芯材4に対してガラス受容部5が長手方向で波打つような形状となる。ここで、最終成型品としてのウインドモールは、図6に示すように車両に組み付けられたときには、ガラス受容部5がフロントガラス2外周縁部に沿って略同一面上に配置され、このガラス受容部5に対してドリップ溝形成部6が長手方向で漸次隆起することとなる。したがって、上記のようにガラス受容部5側が長手方向で相対変位したウインドモール1は、組付時の変形が大きくなってしまい、車両組付性が良くない。
【0014】
また、押出機15から押し出されたモール本体20がサイジング治具29へ挿入される際には、長手方向で相対位置を変えながら押し出されるガラス受容部5が、固定されたサイジング治具29の突起部内に、芯材4のテンションに抗して無理に挿入されることとなるため、ガラス受容部5がサイジング治具29に挿入され難く、しかも最も寸法精度が要求されるガラス受容部5が変形する虞がある。
【0015】
なお、サイジング治具29を通過した後のモール本体20は、再び芯材4が略直線状に張られるために、やはり上述したようにガラス受容部5側が長手方向で相対変位した形状となる傾向にある。
【0016】
本発明は以上のような課題に着目してなされたもので、車外側表面部に対するガラス受容部の相対位置を変化させながら押出成形されるものであっても、ガラス受容部が略直線状に形成されて車両組付性に優れたウインドモールを提供することを目的としている。
【0017】
また、本発明の他の目的は、ガラス受容部の寸法精度に優れたウインドモールを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明に係わる自動車用ウインドモールは、ウインドガラスの外周縁部に沿って装着され、その長手方向に沿って伸びのない芯材が埋設された長尺なウインドモールであって、長手方向で略同一断面形状を有し、上記ウインドガラスの外周縁部をシールするガラス受容部と、このガラス受容部の車外側表面との間でウインドガラス側へ向けて略コ字状に開いたドリップ溝を形成するように、上記ガラス受容部の車外側表面から長手方向に沿って漸次隆起するドリップ溝形成部と、を有し、上記ガラス受容部からドリップ溝形成部へと連なる車外側表面部に対し、上記ガラス受容部の相対位置を変化させながら押出成形することにより、その断面形状を長手方向で変化させつつ、上記押出成形時に上記ガラス受容部と同期して上記芯材を変位させることにより、上記ガラス受容部を上記芯材に沿って略直線状に形成したことを特徴としている。
【0019】
したがって、押出成形後のガラス受容部が芯材とともに長手方向で略直線的な形状となり、車両組付性に優れたものとなる。
【0020】
また、本発明に係わる自動車用ウインドモールの製造方法は、上記芯材を所定の張力を保持した状態で材料上流側から下流側へ送り出す工程と、上記芯材とともにガラス受容部およびドリップ溝形成部が一体となったモール本体を、上記車外側表面部に対するガラス受容部の相対位置を変化させながら押出成形する工程と、この押出工程に先がけて、上記ガラス受容部に対する芯材の相対位置が長手方向で略一定となるように、上記芯材のみを予め移動させる工程とを有することを特徴としている。
【0021】
このため、製造時に押出機等から押し出されるモール本体にあっては、ガラス受容部が一定の張力で張られた芯材とともに略直線に沿って延びる形状へと自然に移行する。
【0022】
また望ましくは、上記モール本体が押し出される押出口が形成された口金の出口面に、上記押出口の一部を開閉して上記車外側表面部に対する上記ガラス受容部の位置を変化させる遮蔽板を摺接配置するとともに、上記口金の入口面に、上記芯材が挿通する芯材案内板を摺接配置し、この芯材案内板を上記遮蔽板に連結して、上記芯材案内板が遮蔽板と同期して移動するようにする。
【0023】
この場合には、遮蔽板をスライドさせることによって芯材案内板も同期してスライドするため、何ら芯材案内板用の駆動機構や制御機構を設けることなく、芯材をガラス受容部と同期して正確に変位させることができる。
【0024】
【実施例】
以下、図1〜4に示す本発明の最適な実施の形態を詳述する。なお、上述した構成と同一部分には同一参照符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0025】
図1に示すように、本実施例に係わるウインドモール31は、図6に示す従来例のウインドモール1と同様、ゴム等の弾性材料によって長尺な一体のものとして成形され、図1に示す自動車のフロントガラス2の上縁部2Aに装着されるアッパーモール部31Aと、フロントガラス2の両側縁部2Bに装着されるサイドモール部31Bとを有し、フロントガラス2の外周縁部に沿って好適に装着され得る。
【0026】
またウインドモール31は、長手方向で略同一断面形状に形成されたガラス受容部5と、ガラス受容部5の車外側表面から長手方向に沿って漸次隆起するドリップ溝形成部6とを有する点、ガラス受容部5の車外側表面とドリップ溝形成部6との間にウインドガラス2上面側へ向けて略コ字状に開いたドリップ溝7が形成され、フロントガラス2の表面に付着した雨水を捕集してフロントガラス2の下方側へスムーズに流下させ得るようになっている点、上リップ9と下リップ10とによって車体パネル3との間を二重にシールする点等で、上記従来のウインドモール1と同じである。
【0027】
さらにウインドモール31は、ガラス受容部5からドリップ溝形成部6へと連なる車外側表面部8に対するガラス受容部5の相対位置を移動させながら押出成形されたものである点でも従来のものと同じである。
【0028】
ここで、本実施例では、車外側表面部8に対するガラス受容部5の相対位置を変化させながら押出成形されているにもかかわらず、最終成形品としてのウインドモール31にあっては、ガラス受容部5に対する芯材34の相対位置が長手方向で略一定となっており、しかも芯材34とともにガラス受容部5が長手方向に略一直線状に形成されている。すなわち芯材34は、長手方向の全長にわたって、ガラス受容部5内のフロントガラス2外周縁部に近接する所定位置に埋設されている。この芯材34には金属あるいはガラス繊維等の伸びのない材質のワイヤ状のものが好適に用いられる。
【0029】
図2〜4は、図7〜9に示す押出機15に代えて用いられる本実施例に係わる押出機40を示しており、この押出機40が用いられることを除いて、上記ウインドモール31は図7を参照して上述した各製造工程を経て製造され得る。すなわち、芯材34は、送り出し装置13によって一定速度で引き出されて下流側へ送り出され、測長装置14で測長されながら押出機40に送り込まれ、芯材34を母材としたモール本体32が押出成形される。押し出されたモール本体32は冷却槽16を通過しながら引取り装置17で引き取られた上で、測長装置18にて車両一台分毎の長さに測長されて裁断機19で裁断され、最終成形品としてのウインドモール31が得られる。
【0030】
上記押出機40は、図2〜4に示すように、口金41と、この口金41の出口面41aに形成された押出口44の一部を開閉するように出口面41aに摺接配置された2つの遮蔽板42,43とを備えている。第1遮蔽板42にはガラス受容部5の形状に対応した切欠(開口部)45が形成されており、押出口44と切欠45とがオーバーラップする部分から主にガラス受容部5が押し出され、切欠45を除いた押出口44から主にドリップ溝形成部6が押し出されるようになっている。これら遮蔽板42,43は、それぞれ駆動装置46,47によって口金41の出口面41a上をスライド駆動され、駆動装置46,47の動作は図7に示す制御装置28によって制御される。
【0031】
また、口金41には、樹脂通路を介して硬質樹脂材料と軟質樹脂材料とを供給するフレキシブルパイプ48,49が接続されている。口金41に対する材料供給経路を二系統に分けているのは、一方からは硬質樹脂材料を、他方からは軟質樹脂材料をそれぞれ供給して、それら双方の材料を同時に押し出すことにより、上下リップ9,10やガラス当接部を軟質樹脂で成形し、かつ、それ以外の部分を硬質樹脂で成形するためである。
【0032】
遮蔽板42,43は、所定厚みのプレート状のものとして形成されており、それぞれガイド50,51によって、押出口44からの材料供給圧に抗して出口面41aに常に密接するようになっている。
【0033】
ここで、本実施例では、図3にも示すように、押出機40の上流側表面すなわち入口面41bに、所定厚みのプレート状の芯材案内板52を摺接配設し、この芯材案内板52を連結部材54を介して第1遮蔽板42に連結している。この芯材案内板52は、上記芯材34が貫通する挿通穴52aが形成され、自身の移動にともなって芯材34を移動させ得るようになっている。
【0034】
連結部材54は、口金41の一部を囲うようなチャンネル状に形成されており、連結部材54の底壁54aに駆動装置46の出力軸46aが固定され、口金出口側の側壁54bに第1遮蔽板42がスポット溶接等により接合固定され、口金入口側の側壁54cに芯材案内板52が同様に接合固定されている。すなわち、第1遮蔽板42と芯材案内板52とは、口金41を挟んで略平行に配置されており、第1遮蔽板42を駆動する単一の駆動装置46によって、同期してスライド駆動されるようになっている。
【0035】
一方、口金41の入口面41bには、芯材34が導入される芯材導入穴56が形成されており、この芯材導入穴56は、芯材34の変位を許容するように、芯材案内板52の移動方向に沿った長穴となっている。なお、芯材導入穴56から樹脂材料が洩れることのないように、芯材案内板52は、常に芯材導入穴56を閉塞し得る十分な大きさを有しており、また図示せぬガイドを介して樹脂材料圧に抗して口金入口面41bに密接し得るようになっている。
【0036】
押出成形時には、上記遮蔽板42,43を図8,9を参照して上述した遮蔽板22,23と同様に所定のタイミングでスライドさせることによって、その車外側表面部8に対するガラス受容部5の相対位置を変化させつつドリップ溝7の高さや深さを漸次変化させながら、モール本体32が連続的に押出成形される。
【0037】
ここで本実施例にあっては、図2,4に示すように、駆動装置46を駆動制御して第1遮蔽板42を移動した際に、連結部材54を介して第1遮蔽板42に連結する芯材案内板52も第1遮蔽板42と同期して移動し、第1遮蔽板42の切欠45から下流側へ押し出されるガラス受容部5と同期して、口金41に挿入される直前の芯材34が単独で移動される。すなわち、口金41からの押出成形に先がけて、ガラス受容部5に対する芯材34の相対位置が長手方向で略一定となるように、芯材34のみが予め移動される。この結果、押出機40から押し出されるモール本体32では、車外側表面部8に対するガラス受容部5の相対位置が変化しつつも、ガラス受容部5に対する芯材34の相対位置が長手方向で略一定となる。
【0038】
また、押出機40から押し出されたモール本体32は、内部の芯材34が送り出し装置13や引き取り装置17によって略直線状に張れた状態にあるため、この芯材34とともにガラス受容部5が長手方向に沿って略直線的に延びる形状へと自然に移行する。この結果、最終成型品としてのウインドモール31は、押出成形直後の形状とは逆に、ガラス受容部5が長手方向で略直線状に、かつドリップ溝形成部6がガラス受容部5に対して長手方向で相対変位する形状、すなわち車両組付時に対応した形状となる。したがって、車両組付の際の形状変形が最小限に抑えられ、車両組付性が向上する。
【0039】
ところで、押出機40から押し出されたモール本体32は、図1や図7に示すサイジング治具29を通過して冷却槽16へ供給されるようになっている。このサイジング治具29の上面側には、ガラス受容部5の外郭形状に対応する案内突起29aが形成されており、モール本体32のガラス受容部5が案内突起29aに摺接しながら通過することによって、ガラス受容部5が正確な寸法の正規製品形状となるように形状補正がなされ、これと同時かまたはこの後直ちに冷却槽16で冷却されることでその位置および形状が保持されるようになっている。ここで本実施例では押出機40から押し出されたガラス受容部5が芯材34とともに略直線的な形状となるために、ガラス受容部5がサイジング治具29の案内突起29aへとスムースに案内,挿入され、ガラス受容部5が変形することなく正確な形状に矯正される。
【0040】
さらに本実施例では、芯材案内板52を第1遮蔽板42に連結し、第1遮蔽板42駆動用の駆動装置46によって芯材案内板52を第1遮蔽板42と同期してスライド駆動するようにしたため、何ら芯材案内板52用の駆動機構や制御機構を設けることなく、芯材34とガラス受容部5との相対位置を長手方向で略一定とすることができる。したがって、従来装置を利用した実施化が極めて容易である。
【0041】
なお、ここでは上記一実施例について詳述したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記第1遮蔽板42に代えて、ガラス受容部用の樹脂材料が別途供給されてガラス受容部を押出成形する可変口金を、固定された上記口金41の前面側に配置したものであってもよい。この場合であっても、この可変口金と芯材案内板とを固定口金を挟んで連結すれば、可変口金と同期して芯材案内板を駆動でき、別途芯材案内板用の駆動,制御機構を追加することなくガラス受容部と芯材とを同期して変位させることができ、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、芯材の形状は、上記実施例のような円形のものに限らず、例えば図6に示すような薄板状のものや、ウインドモールの断面形状に沿って湾曲した帯状のものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、車外側表面部に対するガラス受容部の相対位置を変化させながら押出成形されるものであっても、ガラス受容部が芯材に沿って略直線状に形成され、車両組付性に優れたウインドモールを得ることができる。
【0044】
また、ガラス受容部が略直線状になるために、押出成形後のガラス受容部は例えばサイジング治具を無理なく通過することができ、結果的にガラス受容部の寸法精度が向上する。
【0045】
請求項3の発明によれば、遮蔽板をスライドさせることによって芯材案内板も同期してスライドさせることができるため、別途芯材案内板用の駆動機構や制御機構を設けることなく、芯材をガラス受容部と同期して変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、サイジング治具を通過した直後のモール本体を示す断面斜視図。
【図2】本実施例に係わる押出機を下流側から見た斜視図。
【図3】図2の押出機を上流側から見た分解斜視図。
【図4】図2の押出機を側方から見た図。
【図5】自動車の前斜視図。
【図6】図5の符号VIで囲んだ部分に対応する断面斜視図。
【図7】従来および本実施例の製造工程説明図。
【図8】従来の押出機を下流側から見た正面図。
【図9】図8と同じく押出機を下流側から見た正面図。
【符号の説明】
2…フロントガラス
5…ガラス受容部
6…ドリップ溝形成部
7…ドリップ溝
8…車外側表面部
31…ウインドモール
32…モール本体
34…芯材
41…口金
42…第1遮蔽板
44…押出口
45…切欠
52…芯材案内板
Claims (3)
- ウインドガラスの外周縁部に沿って装着され、その長手方向に沿って伸びのない芯材が埋設された長尺なウインドモールであって、
長手方向で略同一断面形状を有し、上記ウインドガラスの外周縁部をシールするガラス受容部と、このガラス受容部の車外側表面との間でウインドガラス側へ向けて略コ字状に開いたドリップ溝を形成するように、上記ガラス受容部の車外側表面から長手方向に沿って漸次隆起するドリップ溝形成部と、を有し、
上記ガラス受容部からドリップ溝形成部へと連なる車外側表面部に対し、上記ガラス受容部の相対位置を変化させながら押出成形することにより、その断面形状を長手方向で変化させつつ、上記押出成形時に上記ガラス受容部と同期して上記芯材を変位させることにより、上記ガラス受容部を上記芯材に沿って略直線状に形成したことを特徴とする自動車用ウインドモール。 - 上記芯材を所定の張力を保持した状態で材料上流側から下流側へ送り出す工程と、上記芯材とともにガラス受容部およびドリップ溝形成部が一体となったモール本体を、上記車外側表面部に対するガラス受容部の相対位置を変化させながら押出成形する工程と、この押出工程に先がけて、上記ガラス受容部に対する芯材の相対位置が長手方向で略一定となるように、上記芯材のみを予め移動させる工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウインドモールの製造方法。
- 上記モール本体が押し出される押出口が形成された口金の出口面に、上記押出口の一部を開閉して上記車外側表面部に対する上記ガラス受容部の位置を変化させる遮蔽板を摺接配置するとともに、上記口金の入口面に、上記芯材が挿通する芯材案内板を摺接配置し、この芯材案内板を上記遮蔽板に連結して、上記芯材案内板が遮蔽板と同期して移動するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動車用ウインドモールの製造方法。
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