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JP3702535B2 - プリプレグの製造方法およびその装置 - Google Patents

プリプレグの製造方法およびその装置 Download PDF

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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行する1本もしくは互いに並列して同時に走行する複数本の繊維束を開繊してプリプレグを製造するための方法および装置に関する。詳しくは、例えば炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維からプリプレグシートやヤーンプリプレグを成形する前処理として、予め繊維束を十分開繊してからプリプレグを製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、炭素繊維やガラス繊維といった複数本の繊維からなる強化繊維束を互いに平行に引き揃えた後、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル等のマトリクス樹脂を含浸させてシート化したプリプレグが、航空機材料や一般用工業材料の他、例えばゴルフクラブシャフトや釣竿を始めとするスポーツレジャー用途の成形材料として広く利用されつつあることは周知のとおりである。
【0003】
このようなプリプレグの使用用途の多様化にともない、プリプレグ自体としても、極薄プリプレグや熱可塑性樹脂によるプリプレグの需要が急速に拡大し、またプリプレグの品位向上、すなわち厚み斑減少の声が高まってきている。こういった需要を満たすためには、プリプレグを成形する際のマトリクス樹脂含浸前に予め繊維束を開繊して繊維束の厚みを薄くし、繊維束の単糸間にまでマトリクス樹脂が十分浸透しやすくしてやることが必須条件である。
【0004】
かかる従来の開繊方法としては、例えば、図3に示すような特開昭56−43435号公報に記載の方法や、その他にも特開平2−36236号公報や特開平3−251408号公報に記載の方法が提案されている。この従来方法では、パッケージから巻き出され、互いに平行して走行する強化繊維束2を、コーム3を通過させて繊維間ピッチを整えた後、加振源4によって軸方向に振動させるローラ5に押し付け、繊維束2の幅方向に擦ることで開繊を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等の知見によれば、上記従来技術では、開繊されるべき強化繊維束2の単糸同士が交絡していたり、繊維束自身に撚りが残っている場合には、振動させるローラ5上では繊維束は一旦は開繊するものの、ローラから離れてしばらくすると張力によって再び単糸同士が集束し、繊維束の幅は開繊前とほぼ同じ幅にまで戻ってしまうという結果に至っている。このような繊維束に対して、その後に樹脂含浸工程を加えても、得られるプリプレグはマトリクス樹脂が未含浸となり、実用上使用に耐えられるものではないという問題がある。
【0006】
また、個々の強化繊維2には、弾性率が高くて単糸径が細いため折れ易く毛羽が多発するという理由から、取扱い性を向上させるために、一般的に例えばエポキシ系樹脂のようなサイジング剤が付与されている。このサイジング剤は、いわゆる「糊」の働きをするもので、単糸同士を接着しているため、繊維束を開繊するには妨げとなる。したがって、サイジング剤の接着力に抗して開繊できる何らかの手段を講じなければ、開繊性の向上は期待できない。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑み、単糸同士が交絡していたり、撚りが残存している強化繊維束であっても、さらにはサイジング剤が付与されている繊維束であっても、十分に開繊し、かつその幅を維持できるプリプレグの製造方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のプリプレグの製造方法は、複数本の単糸が引き揃えられてなる繊維束を複数個のローラ上に所定角度に屈曲させるとともに、前記複数個のローラのうちの少なくとも1本を前記繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動させつつ通過させることにより、前記繊維束を開繊させ、しかる後に合成樹脂を含浸させてプリプレグを製造する方法において、
(A)前記振動させるローラの直後に位置するローラを振動させずにその周面に前記繊維束を押し当て、
(B)次に該振動させないローラの周面に、前記繊維束を前記振動させるローラの周面に接触している繊維束の接触長の2倍以上の接触長さで接触させることにより前記繊維束の開繊状態を維持させることを特徴とする。
【0009】
この場合、前記「振動させるローラの直後に位置するローラ」とは、振動させるローラから振動させないローラまでの繊維束の自由長さ(ローラと接触していない距離)が100mm未満までの範囲内の距離に位置するローラをいうものとする。100mm以上になるとローラの振動による繊維束への開繊効果が弱くなるからである。
【0010】
また、前記振動させないローラに接触している繊維束の接触長は、前記振動ローラと繊維束の接触長の2〜10倍の範囲であるのが好ましい。また、前記振動ローラと前記無振動ローラのうちの少なくとも1本の接糸面を加熱することにより、前記繊維束に付与されているサイジング剤を軟化させつつ開繊するのが好ましい。さらに、前記振動ローラの振動周波数は、1〜100Hzの範囲、振幅は、1〜50mmの範囲で開繊するのが好ましい。そして、前記振動ローラと前記無振動ローラが2組以上設けられているとともに、各組の振動ローラの振動周波数と振幅はそれぞれ異ならせることができるのが好ましい。
【0011】
一方、上記目的を達成するため、本発明のプリプレグの製造装置は、複数本の単糸が引き揃えられてなる繊維束を所定角度に屈曲・支持する複数本のローラと、前記複数本のローラのうちの少なくとも1本を前記繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動させる加振手段と、前記繊維束を前記ローラ間を通過させつつ引取る引取手段とを備えたプリプレグの製造装置において、
(A)前記加振手段によって振動させるローラの直後に位置するローラは振動させず、かつ、
(B)前記振動させないローラは、該ローラの周面に接触している繊維束の接触長さが、前記振動させるローラの周面に接触している繊維束の接触長さの2倍以上となる周面長さを有することを特徴とする。
【0012】
ここで、前記振動させないローラに接触している繊維束の接触長は、前記加振手段と接続されている振動ローラと繊維束の接触長の2〜10倍の範囲であるのが好ましい。また、前記振動ローラと前記無振動ローラのうちの少なくとも1本には、その接糸面を加熱する加熱手段が設けられているのが好ましい。また、前記振動ローラと前記無振動ローラは、2組以上有するとともに、各組の振動ローラの振動周波数と振幅を異ならせる振動周波数・振幅調整手段が設けられているのが好ましい。
【0013】
なお、本発明でいう繊維束とは、複数本の単糸が引き揃えられた1本の繊維束でもよいし、この繊維束が複数本互いに平行に引き揃えられてシート状になっている繊維束でもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプリプレグの製造装置の一実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るプリプレグ製造装置の繊維束開繊部分の概略側面図、図2は該部分の概略斜視図である。
【0016】
図1において、1は、例えば炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維束2が巻き取られている巻取パッケージ、3は複数の繊維束の繊維間ピッチを整えるためのコームである。
【0017】
4aおよび4bは、後述する振動ローラ5a、5bを繊維束2の走行方向と交差する方向である軸方向に振動させるための加振源であり、公知の電磁式加振機を始め、カム等を用いたメカニカル式などを用いることができる。なお、この加振源4a、4bには、その振動周波数と振幅を個々に調整するための図示しない調整手段が設けられている。
【0018】
振動ローラ5a、5bは、強化繊維束2を支持するとともに、上述したようにその走行方向と交差する方向に振動して強化繊維束に開繊作用を与えるもので、その軸を中心にフリーで回転するもの、固定されているものいずれであってもよい。この振動ローラの外径は、開繊効果からいえば小さいほど望ましく、具体的にはφ50mm以下である。
【0019】
次に6a、6bは、振動ローラ5a、5bで開繊された繊維束2の開繊幅を維持するための無振動ローラである。この無振動ローラは開繊後の糸幅を維持するためのものであって、振動ローラ5a、5bのように振動させると糸幅が不安定になったり、毛羽発生を促進する等の悪い結果がでるので、振動せずに固定されていることが重要である。このローラは軸を中心にフリーで回転するもの、駆動されているもの、固定されているものいずれであってもよく、要は繊維束が静止または回転する曲面に適度の押圧力で押し当てられた状態で周回するものであればよい。したがってこのような曲面は、図ようなローラに限らず、半円筒面やその他の形状の曲面であってもよい。この曲面は、開繊後の繊維束の幅を維持するためには繊維束との接触長が大きいほど好ましい。よって、前記振動ローラと繊維束の接触長と比較して、該無振動ローラと繊維束の接触長は2から10倍であるのが好ましい。具体的長さとしては、無振動ローラーと繊維束の接触長を100mm以上にできることが好ましい。
【0020】
また、振動ローラ5a、5bと無振動ローラ6a、6bの間での繊維束の幅の狭まりを最小限に抑えるには、繊維束がどちらのローラにも接触していない長さが短いほど好ましい。具体的には20mm以下となるように、無振動ローラ6a,6bを設置すべきである。
【0021】
これら振動ローラ5a、5bと、無振動の無振動ローラ6a、6bは、それぞれ少なくとも1本づつを1組として備えているものであれば開繊の効果を生じるものであって、2組以上備えていればより一層の開繊効果がある。
【0022】
7は、上記振動ローラおよび無振動ローラの接糸面を加熱することによって、繊維束に付与されているサイジング剤を軟化させるための加熱手段であって、繊維束をサイジング剤の軟化点である343〜373K(70〜100℃)まで加熱できる能力を備えていれば、近赤外線ヒータや中赤外線ヒータ、遠赤外線ヒータ等いずれの加熱手段を用いてもよい。また、上記振動ローラおよび無振動ローラ内部にヒータを埋め込むなど振動ローラおよび無振動ローラ自身を直接加熱してもよく、このような形態も本発明の加熱手段に含まれる。
【0023】
最後に9は、強化繊維束2を振動ローラ5a、5bおよび無振動ローラ6a、6b上を通過させながら図の右方向に引取るための図示しない引取り手段であり、モータ等の適当な駆動手段によって強制回転される回転ドラム、ドライブステーション等を用いることができる。
【0024】
次に、本発明の繊維束の開繊方法の好ましい実施の形態を、上記図1および図2を用いて説明する。
【0025】
まず、強化繊維束2は、巻き出し時の張力が0.1〜5N(約10〜500gf)の範囲になるように巻き出すのが好ましい。張力が高すぎると開繊に不利であり、逆に低すぎると繊維束は蛇行してしまう。また、強化繊維束2の走行速度は小さいほど振動ローラ5a、5bや無振動ローラ6a、6bとの接触時間を長くできるため有利であるが、走行速度が大きくなった場合であっても振動ローラと無振動ローラの組数を増やすことで、適宜対応は可能である。
【0026】
次に、振動ローラ5a、5bの振動周波数は1〜100Hzの範囲の中で大きいほど好ましいが、機構的な制約から5〜20Hzでも十分である。また、振動ローラの振幅は、1〜50mmの範囲でやはり大きいほど好ましいが、振動によって発生する擦過毛羽抑制の点から5〜20mmがより好ましい。
【0027】
【実施例】
本発明の実施例を、上記図面を参照して以下に説明する。
【0028】
実施例1
図1の装置において、強化繊維束2には、開繊前の繊維幅約1mm、単糸数3,000本の高弾性タイプ炭素繊維50本を用い、パッケージ1からの巻き出し張力は1N(約100gf)、走行速度は0.04m/s(約2.5m/分)に設定した。
【0029】
一方、加振源4a、4bには、市販の電磁式加振機(ボクスイ・ブラウン(株)、VG100型)を用いた。
【0030】
次に、振動ローラ5a、5bは各々フリー回転とし、その径は5a、5bともφ30mmとした。そして、各ローラの繊維束との接触長はそれぞれ25mm,40mmとし、いずれもその振動周波数を8Hzに、振幅を10mmに設定した(条件▲1▼)。
【0031】
また、無振動の無振動ローラ6a、6bは、各々フリー回転のローラとした。その無振動ローラの径および繊維との接触長は、それぞれ、6aをφ70mm,100mm、6bをφ100mm,150mmとした(条件▲2▼)。
【0032】
加熱手段7には遠赤外線ヒータを使用し、強化繊維束2の温度がサイジング剤の軟化点である約350K(77℃)になるように設定した。この時ヒータ表面温度は約530K(257℃)であった(条件▲3▼)。
【0033】
このような実施例の開繊の実測結果を示したのが次の表1である。
【0034】
【表1】
Figure 0003702535
この表1によれば、本発明の開繊方法および装置を用いることで、強化繊維束は1mmから6mmまで開繊幅が向上したことがわかる。
【0035】
実施例2
振動ローラ5aの振動周波数を8Hz、振幅を10mmとし、また振動ローラ5bの振動周波数を16Hz、振幅を20mmとした(条件▲1▼)。
【0036】
その他の条件は実施例1と全く同様に設定した。
【0037】
このような実施例の開繊の実測結果を示したのが上記の表1である。この表によれば、開繊後の繊維束幅は7mmで、振動ローラ5bの振動周波数および振幅を増加させたことにより、開繊効果が実施例1よりもさらに1mmアップしたことが分かる。
【0038】
比較例1
図3の従来技術の装置において、振動ローラ5は外径φ30mmのフリー回転とし、繊維束との接触長は10mmとした。そして、その振動周波数を8Hzに、振幅を10mmに設定した(条件▲1▼)。また、フリー回転ローラ8の径はφ20mmとした(条件▲2▼)。なお、加熱手段は使用していない(条件▲3▼)。その他の条件は実施例1と全く同様に設定した。
【0039】
このような比較例の開繊の実測結果を示したのが上記の表1の比較例である。この表によれば、開繊後の繊維束幅は3mmである。すなわち従来技術の方法および装置を用いた場合、実施例1に比べると3mm、実施例2に比べると4mm、それぞれ開繊性が劣っていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0041】
請求項1および2記載のプリプレグの製造方法によれば、互いに平行に引き揃えられた複数本の繊維束が、複数本のローラ上を所定角度に屈曲しながら通過する際に、ローラの少なくとも1本が前記繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動しているため、繊維束と振動ローラ間に発生する擦過力によって十分に開繊される。また、開繊された繊維束は、振動ローラ直後に位置させた振動させないローラの周面上にその接触長さが振動ローラでの接触長の2倍以上で押し当てられるため、繊維束と無振動ローラの間に発生する摩擦力によって、その開繊幅を維持することができる。
【0042】
請求項3および4記載のプリプレグの製造方法によれば、少なくとも1本のローラを加熱することにより、繊維束は、該繊維束に付与されているサイジング剤が軟化する温度まで加熱されるため、単繊維間相互の開繊性が向上する。
【0043】
請求項5および6記載のプリプレグの製造方法によれば、振動ローラと無振動ローラは2組以上存在し、各組の振動ローラの振動周波数および振幅がそれぞれ異なるため、例えば1組目の振動ローラを小振幅、低振動周波数に、2組目の振動ローラを大振幅、高振動周波数といった具合にそれぞれ設定すれば、繊維束は徐々に開繊するため、振動ローラとの擦過で繊維束を痛めずに、無理なく開繊させることができる。また、繊維束の走行速度が大きくなっても、振動ローラと無振動ローラの組数を増やすことで容易に対応できる。
【0044】
請求項7および8記載のプリプレグの製造装置によれば、互いに平行に引き揃えられた複数本の繊維束を、複数本のローラ上に所定角度で屈曲させながら通過させる際に、ローラの少なくとも1本を繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動させるため、繊維束と振動ローラ間に発生する擦過力によって繊維束を十分に開繊することができる。また、この開繊された繊維束を振動ローラ直後に設けた、前記繊維束の接触長さが振動させるローラでの接触長さの2倍以上の周面長さを有する振動させないローラ表面に押し当てて引取るため、繊維束と無振動ローラの間に発生する摩擦力によって、開繊された繊維束の開繊幅を維持したまま引取ることができる。
【0045】
請求項9記載のプリプレグの製造装置によれば、少なくとも1本のローラを加熱することが可能となるため、繊維束に付与されているサイジング剤が軟化する温度まで加熱することができ、繊維束の開繊性が向上する。
【0046】
請求項10記載のプリプレグの製造装置によれば、振動ローラと無振動ローラを2組以上備えており、さらに各組の振動ローラの振動周波数および振幅をそれぞれ別々に変化させることが可能なため、例えば1組目の振動ローラを小振幅、低振動周波数に、2組目の振動ローラを大振幅、高振動周波数といった具合にそれぞれ設定すれば、繊維束を徐々に開繊させることが可能となり、振動ローラとの擦過で繊維束を痛めずに無理なく開繊させることが可能となる。また、繊維束の走行速度を大きくしても振動ローラと無振動ローラの組数を増設することで容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリプレグ製造装置の繊維束開繊部の概略側面図である。
【図2】本発明に係るプリプレグ製造装置の繊維束開繊部の概略斜視図である。
【図3】従来装置の繊維束開繊部の概略側面図である。
【符号の説明】
1 :巻取パッケージ
2 :強化繊維束
3 :コーム
4 :加振源
4a:加振源
4b:加振源
5 :振動ローラ
5a:振動ローラ
5b:振動ローラ
6a:無振動ローラ
6b:無振動ローラ
7 :加熱手段
8 :フリー回転ローラ
9 :引取り手段

Claims (10)

  1. 複数本の単糸が引き揃えられてなる繊維束を複数個のローラ上に所定角度に屈曲させるとともに、前記複数個のローラのうちの少なくとも1本を前記繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動させつつ通過させることにより、前記繊維束を開繊させ、しかる後に合成樹脂を含浸させてプリプレグを製造する方法において、
    (A)前記振動させるローラの直後に位置するローラを振動させずにその周面に前記繊維束を押し当て、
    (B)次に該振動させないローラの周面に、前記繊維束を前記振動させるローラの周面に接触している繊維束の接触長の2倍以上の接触長さで接触させることにより前記繊維束の開繊状態を維持させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 前記振動させないローラの周面に接触している繊維束の接触長さは、前記振動させるローラの周面に接触している繊維束の接触長さの2〜10倍であることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
  3. 前記振動させるローラと前記振動させないローラのうちの少なくとも1本のローラの接糸面を加熱することにより、前記繊維束に付与されているサイジング剤を軟化させつつ、開繊させることを特徴とする請求項1または2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 前記軟化温度は、70〜100℃の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  5. 前記振動させるローラの振動周波数を1〜100Hzの範囲、振幅を1〜50mmの範囲で開繊させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  6. 前記振動させるローラと前記振動させないローラとをそれぞれ2組以上設け、各組の振動させるローラの振動周波数と振幅とをそれぞれ異ならせて開繊させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  7. 複数本の単糸が引き揃えられてなる繊維束を所定角度に屈曲・支持する複数本のローラと、前記複数本のローラのうちの少なくとも1本を前記繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動させる加振手段と、前記繊維束を前記ローラ間を通過させつつ引取る引取手段とを備えたプリプレグの製造装置において、
    (A)前記加振手段によって振動させるローラの直後に位置するローラは振動させず、かつ、
    (B)前記振動させないローラは、該ローラの周面に接触している繊維束の接触長さが、前記振動させるローラの周面に接触している繊維束の接触長さの2倍以上となる周面長さを有することを特徴とするプリプレグの製造装置。
  8. 前記振動させないローラに接触している繊維束の接触長さは、前記振動させるローラに接触している繊維束の接触長さの2〜10倍の周面長さを有することを特徴とする請求項7記載のプリプレグの製造装置。
  9. 前記振動させるローラと前記振動させないローラのうちの少なくとも1本のローラの接糸面を加熱する手段を備えたことを特徴とする請求項7または8に記載のプリプレグの製造装置。
  10. 前記振動させるローラと前記振動させないローラとをそれぞれ2組以上有するとともに、各組の振動させるローラの振動周波数と振幅とをそれぞれ異ならせる振動周波数・振幅調整手段が設けられていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のプリプレグの製造装置。
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