JP3775661B2 - 電力分配システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等を含む種々の車両に搭載可能な電力分配システムに関し、特に、車両における各種電気負荷に電力を分配供給する電力分配システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両の一例として、オルタネータおよび充放電可能な12V(ボルト)バッテリを有する14V出力の電源部を搭載した自動車(即ち、所謂14V車)がある。この14V車に適用される電力分配システムは、電源部から高電圧(例えば、14V)の電力供給を受ける電気接続箱と、この電気接続箱に複数の電力線を介して電気的に接続された複数の電子制御ユニットを備えている。各電子制御ユニットには、電気接続箱から電力線を介して分配された高電圧の電力の供給を受けるシリーズレギュレータが内蔵されている。この電力分配システムでは、電圧変換手段として働く各シリーズレギュレータによって電気接続箱の高電圧の電力が低電圧(例えば、5V)の電力に変換され、この変換された低電圧の電力が、各電子制御ユニットに電気的に接続された複数の電気負荷に供給される。
【0003】
ところで、近年、モータ/ジェネレータおよび充放電可能な36Vバッテリを有する42V出力の電源部を搭載した、燃費に有利な、高電圧自動車(即ち、所謂42V車)の開発が進んでいる。この42V車に上述した電力分配システムを適用すると、非常に変換効率が悪く、且つ、大きな発熱を伴う。これは、主にシリーズレギュレータの入力電圧値と出力電圧値との差が大きいためである。具体的に、シリーズレギュレータの出力電圧(即ち、電気負荷用の電圧)を例えば5Vと仮定すると、14V車におけるシリーズレギュレータの変換効率が演算式(100%−((14V−5V)÷14V×100%))により約35.7%となるのに対して、42V車におけるシリーズレギュレータの変換効率が演算式(100%−((42V−5V)÷42V×100%))により約11.9%となる。即ち、シリーズレギュレータの出力電圧を一定と仮定すると、シリーズレギュレータへの入力電圧が高いほど変換効率は下がり、これがシリーズレギュレータにおける各素子に熱を発生させる。そのため、シリーズレギュレータよりも変換効率の良い電圧変換手段としてスイッチングレギュレータをシリーズレギュレータの代わりに各電子制御ユニットに内蔵することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばキーレスエントリシステム用電子制御ユニット等のように起動状態と待機状態とで消費電力が大きく変化する電気負荷へ電力を供給するスイッチングレギュレータは、電気負荷が重い時(即ち、負荷電流の大きい起動状態の時)に変換効率が良くなるように設計されていると、電気負荷が軽い時(即ち、負荷電流が微少である待機状態の時)の変換効率が悪い。このようなスイッチングレギュレータでは、待機状態における電気負荷に微少な負荷電流(即ち、待機電流)を供給する場合であっても、その変換効率の悪さから不要な暗電流が多く、これによりバッテリの電力消費量が大きいため、好ましくない。この問題を解決するため、待機電流が必要な全ての電子制御ユニットに待機電流供給手段を設け、イグニッションスイッチのオン時(即ち、起動状態)ではスイッチングレギュレータによって電力供給を行い、イグニッションスイッチのオフ時(即ち、待機状態)では待機電流供給手段によって電力供給を行うようにした電力分配システムを設けることが考えられる。
【0005】
しかしながら、このような電力分配システムでは、各電子制御ユニットに高価なスイッチングレギュレータを設ける必要があると共に、待機電流が必要な全ての電子制御ユニットに待機電流供給手段を更に設ける必要があるため、非常に高価な電力分配システムになるという問題がある。
【0006】
図11は、特開平10−84626号公報で開示されている電力分配システムを示している。図11に示されるように、電源部50から高電圧の電力供給を受ける電気接続箱51内に電圧変換手段52が設けられ、この電圧変換手段52が高電圧の電力を低電圧(例えば、5V)の電力に変換し、当該低電圧の電力が一括して各電子制御ユニット53に分配供給されている。これによれば、電圧変換手段52を少なくとも1個設ければ良いため、低コストの電力分配システムを構築できる。
【0007】
しかしながら、図11に示される従来の電力分配システムにおいては、電圧変換手段52から遠方に配置された電気負荷へ電力供給すると電圧降下が生じ易く、また、電気負荷に対して遠方供給とならないように電圧変換手段52の配置に配慮すると、結果として、電圧変換手段52の数が増大し、コストアップとなる。更に、電圧変換手段52の出力電圧の精度、温度特性、等を複数の電気負荷のうち最も要求の厳しい電気負荷に合わせるように電圧変換手段52を設計せねばならない。電圧変換手段を厳しい要求に満足させるように設計することは、電力分配システムのコストアップにつながる。
【0008】
また、電圧変換手段52の出力は負荷電流の増減により変動が生じ易いため、複数の電気負荷に精度の良い電力を供給することは困難である。電圧変換手段52から、例えばキーレスエントリシステム用電子制御ユニット等のように起動状態と待機状態とで消費電力が大きく変化する電気負荷へ電力を供給させる場合、負荷電流が大きい起動状態の時に電圧変換手段52の変換効率が良くなるように設計されていると、負荷電流が微少である待機状態の時の変換効率が悪い。このような電圧変換手段52では、待機状態における電気負荷に微少な待機電流を供給する場合であっても、その変換効率の悪さから不要な暗電流が多く、これによりバッテリの電力消費量が大きいため、好ましくない。
【0009】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、特に、その目的は、不要な暗電流を低減することができる電力分配システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の電力分配システムは、請求項1に記載したように、
電源部に高電圧電力線を介して接続されて前記電源部から高電圧の電力供給を受ける上流側電力分配部と、
前記上流側電力分配部に複数の中間電圧電力線を介してそれぞれ接続されて前記上流側電力分配部から前記高電圧よりも低い第1中間電圧または第2中間電圧の電力供給を受け、そして当該中間電圧よりも低い負荷用電圧に変換してそれぞれ対応する電気負荷に電力供給する複数の下流側電力分配部と、
前記上流側電力分配部に設けられ、前記高電圧を前記第1中間電圧に変換して当該中間電圧の電力を前記中間電圧電力線に供給する常時供給用コンバータと、
前記上流側電力分配部において前記常時供給用コンバータに並列接続され、前記高電圧を前記第1中間電圧とは異なる前記第2中間電圧に変換して当該第2中間電圧の電力を前記複数の中間電圧電力線のうち一つに供給する待機電流供給用コンバータと、
前記上流側電力分配部に設けられ、前記常時供給用コンバータと前記待機電流供給用コンバータそれぞれの駆動を切換え制御するコントローラと、
前記待機電流供給用コンバータから中間電圧電力線を介して電力供給可能な下流側電力分配部に設けられ、前記電気負荷の少なくとも一部を構成するマスターCPUと、
前記マスターCPUを有する前記下流側電力分配部に設けられ、前記中間電圧電力線の電圧が前記第1中間電圧と前記第2中間電圧のどちらであるかを示す判定信号を前記マスターCPUに入力するコンパレータと、
前記マスターCPUを有する前記下流側電力分配部以外の下流側電力分配部に設けられ、前記電気負荷の少なくとも一部を構成するスレーブCPUと、
を備え、
前記マスターCPUを有する下流側電力分配部が前記待機電流供給用コンバータから前記第2中間電圧の電力を供給されている際に入力された所定の指令信号に従って前記マスターCPUが前記コントローラへ前記常時供給用コンバータを起動させるように起動要求信号を送信し、前記第1中間電圧を示す前記コンパレータの前記判定信号に応じて前記マスターCPUが前記スレーブCPUに起動信号を送信し、それにより全ての前記下流側電力分配部が前記常時供給用コンバータから電力を供給されて前記電気負荷がそれぞれ駆動されることを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の電力分配システムにおける下流側電力分配部としては、例えば、種々のランプ点灯用電子制御ユニット、集中ドアロックシステム用電子制御ユニット、キーレスエントリシステム用電子制御ユニット、パワーシート用電子制御ユニット、盗難防止システム用電子制御ユニット、等が挙げられる。これらの電子制御ユニットは、例えばイグニッションスイッチのオフ時でも待機状態の電気負荷に電力供給を行わなければならなく、従来の電力分配システムにおいては待機状態の電気負荷のために不要な暗電流が生じる。この不要な暗電流の削減に本発明は極めて効果的である。
【0016】
即ち、請求項1に記載の電力分配システムによれば、電気負荷が待機状態にある複数の下流側電力分配部のうちマスターCPUを有する下流側電力分配部のみに待機電流供給用コンバータから電力を供給すればよく、その他の下流側電力分配部に電力を供給する必要がないため、不要な暗電流を削減できる。このように電気負荷が待機状態にある際に、例えばキーレスエントリシステムにおけるアンロック操作が為され、それにより生成された所定の指令信号が入力されることによってマスターCPUがコントローラへ常時供給用コンバータを起動させるように起動要求信号を送信する。常時供給用コンバータの出力電圧である第1中間電圧を示すコンパレータの判定信号に応じてマスターCPUがスレーブCPUに起動信号を送信し、それにより全ての下流側電力分配部が前記常時供給用コンバータから電力を供給されて前記電気負荷がそれぞれ駆動されるので、電力供給を支障無くスムースに待機電流供給用コンバータから常時供給用コンバータへ切換えられる。従って、待機電流供給用コンバータは、マスターCPUを有する下流側電力分配部の電気負荷の駆動のためだけに常時供給用コンバータが起動するまで電力供給すればよいため、待機電流供給用コンバータの電力容量を小さくでき、且つ不要な暗電流を削減できる。
【0017】
請求項2に記載の電力分配システムは、前記各下流側電力分配部に設けられ、前記第1または第2中間電圧を前記負荷用電圧に変換するシリーズレギュレータを更に備えており、前記常時供給用コンバータは電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良く、前記待機電流供給用コンバータは電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いことを特徴としている。
【0018】
請求項2に記載の電力分配システムによれば、各電気負荷にはシリーズレギュレータが精度の良い電気負荷用電圧を生成して供給することから常時供給用コンバータには厳しい供給出力精度が要求されない。各シリーズレギュレータは担当する電気負荷に必要な温度特性や精度を備えたものを用意すれば良い。また、請求項2に記載の電力分配システムでは、常時供給用コンバータには電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用し、待機電流供給用コンバータには電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用しているので、システム全体の低消費電力化が図られ、不要な暗電流を更に削減できる。
【0019】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1から図6は本発明の第1実施形態を示し、特に、42V出力の電源部を搭載した高電圧自動車(即ち、所謂42V車)に本発明を適用した場合を例として示している。図1は本発明の電力分配システム1の概略構成を示すブロック回路図、図2は図1の電気接続箱(即ち、Junction Block)7内の要部を示すブロック回路図、図3は図2の常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10の出力の切換えを説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図、図4は負荷電流に対する変換効率を示す特性線図、図5は図1の電力分配システム1を更に詳細に説明するためのブロック回路図、そして図6は図5の電力分配システム1の動作を説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。
【0021】
図1に示すように、電力分配システム1は電源部4を有しており、該電源部4は充放電可能なバッテリ2とエンジンの回転により発電するモータ/ジェネレータ3とを備えている。この電源部4により42Vの高電圧の電源が各高電圧電力線5を介して3つのブロック6a、6b、6cに供給されている。ブロック6aは例えばエンジンルーム、ブロック6bは例えば乗車室、そしてブロック6cは例えばトランクルームに対応する。各ブロック6a、6b、6c内には、例えば、上流側電力分配部として働く電気接続箱と、下流側電力分配部として働く複数の電子制御ユニット(即ち、Electronic Control Unit)とがそれぞれ設けられている。尚、図1では電気接続箱7と電子制御ユニット8a、8b、・・・、8nとがブロック6b内に例として示されている。しかしながら、全てのブロック6a、6b、6cに対して1つの電気接続箱7が設けられ、該電気接続箱7が各ブロック6a、6b、6c内の複数の電子制御ユニットに接続される形態を取ってもよい。電気接続箱7には常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10とが内蔵されており、これら常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10へは共に42Vの高電圧の電源が導かれている。
【0022】
常時供給用コンバータ9には、電気負荷が重い時に変換効率の良いDC/DCコンバータ(即ち、直流−直流コンバータ)が用いられている。例えばスイッチングレギュレータを常時供給用コンバータ9として用いてもよい。常時供給用コンバータ9は、42Vの高電圧の電源を、電気負荷用電圧(例えば、5V)よりも高い中間電圧(例えば、14V)に変換する。常時供給用コンバータ9の出力は、全ての電子制御ユニット8a〜8nに中間電圧電力線11を介して供給される。待機電流供給用コンバータ10には、電気負荷が軽い時に変換効率の良いDC/DCコンバータが用いられている。例えばシリーズレギュレータを待機電流供給用コンバータ10として用いてもよい。待機電流供給用コンバータ10は、42Vの高電圧の電源を、電気負荷用電圧(例えば、5V)よりも高い中間電圧(例えば、14V)に変換する。待機電流供給用コンバータ10の出力は、例えばイグニッションスイッチ(不図示)のオフ時にも待機状態の電気負荷に電力供給を行わなければならない電子制御ユニット8bに中間電圧電力線11を介して供給される。そのような電子制御ユニット8bとしては、例えば、種々のランプ点灯用電子制御ユニット、集中ドアロックシステム用電子制御ユニット、キーレスエントリシステム用電子制御ユニット、パワーシート用電子制御ユニット、盗難防止システム用電子制御ユニット、等が挙げられる。
【0023】
図2に示されるように、電気接続箱7内にはコントローラ12が内蔵され、このコントローラ12によって常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10の駆動が制御される。このコントローラ12は、例えばイグニッションスイッチ(不図示)のオン・オフや電流検知センサ13の検知出力に基づいて常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10を制御する。電流検知センサ13は、常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10の共通出力を行う中間電圧電力線11を検知対象としている。
【0024】
再び図1に戻り、各電子制御ユニット8a〜8nには複数の電気負荷(不図示)が接続されており、この接続された複数の電気負荷を各電子制御ユニット8a〜8nが制御する。又、各電子制御ユニット8a〜8nにはシリーズレギュレータ14がそれぞれ内蔵されており、各シリーズレギュレータ14には14Vの中間電圧が電気接続箱7から導かれている。各シリーズレギュレータ14は、例えばオペアンプを用いて負荷電圧の変動をフィードバックして出力電圧の安定化を図る公知の構成であり、14Vの中間電圧を5Vの電気負荷用電圧に変換する。この各シリーズレギュレータ14の出力は当該シリーズレギュレータ14が担当する複数の電気負荷(不図示)に供給されている。
【0025】
ここで、以上説明した電力分配システム1の動作を図3に基づいて説明する。イグニッションスイッチ(不図示)のオン時にはコントローラ12の制御により常時供給用コンバータ9が駆動状態とされ、常時供給用コンバータ9が電源部4の42Vの高電圧を14Vの中間電圧に変換する。この14Vの中間電圧が各電子制御ユニット8a〜8nに供給され、各電子制御ユニット8a〜8nのシリーズレギュレータ14が14Vの中間電圧を5Vの電気負荷用電圧に変換して各電気負荷(不図示)に供給する。
【0026】
イグニッションスイッチ(不図示)がオンからオフに切換えられると、負荷電流が徐々に軽減され、負荷電流が設定されたスレッショルド値(所定値)未満にまで下がったことを電流検知センサ13が検出すると、コントローラ12により常時供給用コンバータ9の駆動が停止され、待機電流供給用コンバータ10の駆動が開始される。これにより、電子制御ユニット8bへの電圧供給源が、常時供給用コンバータ9から待機電流供給用コンバータ10に変更される。
【0027】
ところで、イグニッションスイッチ(不図示)のオフ時でも、大きな負荷電流を要する場合がある。例えば、集中ドアロックシステムの起動、キーレスエントリシステムの起動、パワーシートの駆動、種々のランプの点灯、盗難防止システムの起動、等のために電子制御ユニット8bには大きな負荷電流が必要となる。イグニッションスイッチのオフ時にあって、例えばパワーシート駆動がなされて大きな負荷電流が流れ、設定されたスレッショルド値以上にまで上がったことを電流検知センサ13が検出すると、コントローラ12により待機電流供給用コンバータ10の駆動が停止され、常時供給用コンバータ9が駆動される。これにより、電子制御ユニット8bへの電圧供給源が、常時供給用コンバータ9から待機電流供給用コンバータ10に変更される。そして、上昇した負荷電流がスレッショルド値未満に下がったことを電流検知センサ13が検出すると、コントローラ12により常時供給用コンバータ9の駆動が停止され、待機電流供給用コンバータ10が再び駆動される。
【0028】
イグニッションスイッチ(不図示)がオフからオンに切換えられると、電流検知センサ13の検知電流値に拘わらずコントローラ12により、待機電流供給用コンバータ10の駆動が停止され、常時供給用コンバータ9の駆動が開始される。つまり、常時供給用コンバータ9から電子制御ユニット8a〜8nへ電圧が供給されるようになる。
【0029】
この電力分配システム1では、常時供給用コンバータ9が電子制御ユニット8a〜8nに対して負荷用電圧値(5V)より高い電圧値(14V)を供給することから遠方の電気負荷に対して電圧降下による不都合を考慮する必要がないため、常時供給用コンバータ9を最小限の数だけ設置すれば良い。又、各電気負荷(不図示)にはシリーズレギュレータ14が精度の良い負荷用電圧を生成して供給することから常時供給用コンバータ9には厳しい供給出力精度が要求されないため、リプル吸収用のコンデンサ等は小さなもので良い。又、各電子制御ユニット8a〜8nにはシリーズレギュレータ14がそれぞれ設けられているため、各シリーズレギュレータ14は担当する電気負荷(不図示)に必要な温度特性や精度を備えたものを用意すれば良い。
【0030】
従って、常時供給用コンバータ9の数を少なくでき、且つ、常時供給用コンバータ9及び待機電流供給用コンバータ10共に厳しい供給出力精度を要求されなくて済み、更には、各電子制御ユニットに高価なスイッチングレギュレータでなく安価なシリーズレギュレータ14を用いることにより電力分配システム1を低コストで構成できる。また、電気接続箱7の常時供給用コンバータ9および待機電流供給用コンバータ10が、それぞれ担当する負荷電流に応じて変換効率の良い構成であり、これらのコンバータ9,10によって中間電圧値まで変換したものを各シリーズレギュレータ14で負荷用電圧値に変換するため、図4に示すように、システム全体としての電圧変換効率の向上及び発熱の低下を図ることができ、燃費を向上させることができる。
【0031】
また、シリーズレギュレータ14が精度の良い負荷用電圧を生成して各電気負荷(不図示)に供給することから、常時供給用コンバータ9からシリーズレギュレータ14までの中間電圧電力線11はシールドする必要がない。
【0032】
また、電気接続箱7には電気負荷が軽い時に変換効率が良く、電源部4の高電圧の電源を中間電圧に変換する待機電流供給用コンバータ10を設け、この待機電流供給用コンバータ10と常時供給用コンバータ9とにより電子制御ユニット8bに電力供給するようにしたので、電気負荷が軽い時に変換効率の良い待機電流供給用コンバータ10にて待機電流を一括して供給することができるため、暗電流が極力抑えられ、バッテリ上がりを防止できる。
【0033】
また、電気接続箱7から各電子制御ユニットへの供給電流値を検出する電流検知センサ13を設けている。これにより、イグニッションスイッチのオフ時且つ電流検知センサ13による検出電流値が所定値以上では、常時供給用コンバータ9を動作状態にして電力供給が行われる。イグニッションスイッチのオフ時且つ電流検知センサ13による検出電流値が所定値未満では、常時供給用コンバータ9を停止状態とし、待機電流供給用コンバータ10のみにより電力供給が行われるように制御される。それ故、イグニッションスイッチのオフ時でも電流検知センサ13の検知電流値に基づいてコンバータ9,10の切換え等が行われることから、実際の電流値レベルに基づいたコンバータ切換え制御が可能である。
【0034】
また、中間電圧は、電源電圧(42V)より低く電気負荷用電圧(5V)よりも高い14Vの電圧値であるので、電気負荷が重い時に変換効率が良い常時供給用コンバータ9によって電気負荷用電圧に近い電圧まで変換するため、システム全体としての電圧変換効率の向上及び発熱の低下を図ることができ、燃費を向上させることができる。尚、中間電圧値は6Vと14Vの間の何れかに設定されることが好ましいが、遠方のシリーズレギュレータ14への電圧降下による不都合が生じない程度の電圧値にする必要がある。シリーズレギュレータ14の入力電圧値と出力電圧値との差が小さくなるように中間電圧値を設定した場合、シリーズレギュレータ14の発熱を小さく抑えられ、シリーズレギュレータ14のサイズを小さくできる。一方、本実施形態のように中間電圧値を14Vに設定した場合、汎用の電子制御ユニットを下流側電力分配部として流用することや、汎用の14V対応電気部品の電源として兼用することができるため、電力分配システム1を安価に構成できる。
【0035】
さて、前述のように図1における電子制御ユニット8bは、例えばイグニッションスイッチ(不図示)のオフ時でも待機状態の電気負荷に電力供給を行わなければならない電子制御ユニットである。そのため、電子制御ユニット8bには待機電流供給用コンバータ10の出力が中間電圧電力線11を介して供給される。また、電子制御ユニット8bは起動状態と待機状態とで電気負荷の消費電力が大きく変化する電子制御ユニットである。前述のように、設定されたスレッショルド値に対する中間電圧電力線11を流れる負荷電流の値の増減を電流検知センサ13に検出させ、その検出結果に応じてコントローラ12により常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10の駆動を適宜切換え制御させることができる。しかしながら、電子制御ユニット8bのような電子制御ユニットが複数存在する場合、それらの電気負荷の待機状態から起動状態への移行によって大きく変化する消費電力に一瞬でも対応することにより大きな負担が掛かる可能性のある待機電流供給用コンバータ10を考慮して、本発明では、電流検知センサ13による検出に頼らなくても済むように待機電流供給用コンバータ10から常時供給用コンバータ9への切換え時に待機電流供給用コンバータ10に極力負担を掛けない電力分配システム1を構築している。このような電力分配システム1の詳細を図5および図6に基づき説明する。更に、図5および図6に基づき電力分配システム1による暗電流の削減も説明する。
【0036】
図5に示されるように、電源部4と上流側電力分配部として働く電気接続箱7とに下流側電力分配部として働く複数の電子制御ユニット(即ち、Electronic Control Unit)8c〜8fが電気的に接続されている。これら電子制御ユニット8c〜8fは、図1の電子制御ユニット8bと同様に起動状態と待機状態とで電気負荷の消費電力が大きく変化する電子制御ユニットであり、集中ドアロックシステム16とキーレスエントリシステム17との複合システム用電子制御ユニットである。図5において、運手席ECUは電子制御ユニット8cに相当し、助手席ECUは電子制御ユニット8dに相当し、後部座席左ECUは電子制御ユニット8eに相当し、そして後部座席右ECUは電子制御ユニット8fに相当する。常時供給用コンバータ9と待機電流供給用コンバータ10の共通出力を行う中間電圧電力線11は、少なくとも電子制御ユニット8cに接続されている。
【0037】
尚、電気接続箱7におけるコントローラ12は、LAN(即ち、Local Area Network)18を制御する電気接続箱ECUとしても働き、このLANに全ての電子制御ユニット8a〜8nが接続され互いに通信を行えるようになっている。高電圧電力線5と中間電圧電力線11には回路保護のために複数のヒューズが挿入されている。また、各電子制御ユニット8c〜8fには電気負荷としてマスターCPU20a,スレーブCPU20b,ドライバー回路22、等が設けられている。マスターCPU20aは、集中ドアロックシステム16におけるアンロック操作またはキーレスエントリシステム17におけるアンロック操作により生成された所定の指令信号を受信できるよう集中ドアロックシステム16およびキーレスエントリシステム17に信号線を介して接続されている。ドライバー回路22は、マスターCPU20aまたはスレーブCPU20bからの指令信号に従い、車両ドアのロック/アンロック動作を行うためのモータを駆動する。
【0038】
次に、図5の電力分配システム1のイグニッションスイッチ(不図示)のオフ時における動作を図6に基づいて説明する。イグニッションスイッチのオフ時では、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8cだけが待機電流供給用コンバータ10から待機状態に必要な電力を供給されている。他の電子制御ユニット8d〜8fには電力は供給されていない。従って、不要な暗電流を削減できる。マスターCPU20aは、集中ドアロックシステム16におけるアンロック操作またはキーレスエントリシステム17におけるアンロック操作により生成された所定の指令信号を受信しても、直ぐにはスレーブCPU20bに起動信号を送信しない。このとき、電子制御ユニット8cに必要な電力は待機電流供給用コンバータ10により供給されており、マスターCPU20aはドライバー回路22に指令信号を送信してドアのアンロック動作を行うためにモータを駆動する。そしてマスターCPU20aは、LAN18を介してコントローラ12へ常時供給用コンバータ9を起動させるように起動要求信号を送信する。コントローラ12は常時供給用コンバータ9を起動させた後に起動済み信号をLAN18を介してマスターCPU20aに送信する。この起動済み信号を受けて初めて、マスターCPU20aはLAN18を介してスレーブCPU20bに起動信号を送信する。それにより全ての電子制御ユニット8c〜8fが常時供給用コンバータ9から電力を供給されてスレーブCPU20bもドライバー回路22に指令信号を送信してドアのアンロック動作を行うためにモータを駆動する。このように、電力供給を支障無くスムースに待機電流供給用コンバータ10から常時供給用コンバータ9へ切換えられる。従って、待機電流供給用コンバータ10は、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8cの電気負荷の駆動のためだけに常時供給用コンバータ9が起動するまで電力供給すればよいため、待機電流供給用コンバータ10の電力容量を小さくでき、且つ不要な暗電流を削減できる。
【0039】
また、各電気負荷にはシリーズレギュレータ14が精度の良い電気負荷用電圧(例えば、5V)を生成して供給することから常時供給用コンバータ9には厳しい供給出力精度が要求されない。各シリーズレギュレータ14は担当する電気負荷に必要な温度特性や精度を備えたものを用意すれば良い。また、常時供給用コンバータ9には電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用し、待機電流供給用コンバータ10には電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用しているので、電力分配システム1全体の低消費電力化が図られ、不要な暗電流を更に削減できる。
【0040】
図7と図8は本発明の第2実施形態を示している。図7は本発明の電力分配システム1'を詳細に説明するためのブロック回路図、そして図8は図7の電力分配システム1'の動作を説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。この第2実施形態の電力分配システム1'には、タイマー回路24が、第1実施形態の電力分配システム1と比較して新たに追加されている。タイマー回路24は、電子制御ユニット8c'内に設けられており、電子制御ユニット8c'のシリーズレギュレータ14の出力から電力供給を受け、且つ起動済み信号を送信できるようにマスターCPU20aに信号線を介して接続されている。コントローラ12およびタイマー回路24は、集中ドアロックシステム16およびキーレスエントリシステム17から所定の指令信号を受信できるように集中ドアロックシステム16およびキーレスエントリシステム17にそれぞれ信号線を介して接続されている。タイマー回路24には常時供給用コンバータ9が停止状態から十分に起動状態に至るまでに掛かる所定時間が記憶されている。他の構成は第1実施形態の構成と略同一であり、重複説明の回避のため、その説明を省略する。尚、図中の同一構成箇所には第1実施形態と同一符号を付して明確化を図る。
【0041】
次に、図7の電力分配システム1'のイグニッションスイッチ(不図示)のオフ時における動作を図8に基づいて説明する。イグニッションスイッチのオフ時では、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8c'だけが待機電流供給用コンバータ10から待機状態に必要な電力を供給されている。他の電子制御ユニット8d〜8fには電力は供給されていない。従って、不要な暗電流を削減できる。集中ドアロックシステム16におけるアンロック操作またはキーレスエントリシステム17におけるアンロック操作により生成された所定の指令信号を直接コントローラ12およびタイマー回路24が同時に受信する。この指令信号が受信(即ち、入力)されると、コントローラ12は常時供給用コンバータ9を起動させるが、タイマー回路24はマスターCPU20aを直ぐには起動させずに時間のカウントを開始し、短くとも所定時間までカウントする。そして、常時供給用コンバータ9が十分に起動できる時間(即ち、所定時間)に至ると、タイマー回路24は起動済み信号をマスターCPU20aに送信する。これにより、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8c'へは常時供給用コンバータ9から必要な電力が供給される。マスターCPU20aはドライバー回路22に指令信号を送信してドアのアンロック動作を行うためにモータを駆動する。そしてマスターCPU20aがLAN18を介してスレーブCPU20bに起動信号を送信する。それにより全ての電子制御ユニット8c'〜8fが常時供給用コンバータ9から電力を供給されてスレーブCPU20bもドライバー回路22に指令信号を送信してドアのアンロック動作を行うためにモータを駆動する。このように、電力供給を支障無くスムースに待機電流供給用コンバータ10から常時供給用コンバータ9へ切換えられる。従って、待機電流供給用コンバータ10は、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8c'の電気負荷全てには電力供給する必要が無いため、待機電流供給用コンバータ10の電力容量を更に小さくでき、且つ不要な暗電流を更に削減できる。
【0042】
また、各電気負荷にはシリーズレギュレータ14が精度の良い電気負荷用電圧(例えば、5V)を生成して供給することから常時供給用コンバータ9には厳しい供給出力精度が要求されない。各シリーズレギュレータ14は担当する電気負荷に必要な温度特性や精度を備えたものを用意すれば良い。また、常時供給用コンバータ9には電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用し、待機電流供給用コンバータ10には電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用しているので、電力分配システム1'全体の低消費電力化が図られ、不要な暗電流を更に削減できる。
【0043】
図9と図10は本発明の第3実施形態を示している。図9は本発明の電力分配システム1"を詳細に説明するためのブロック回路図、そして図10は図9の電力分配システム1"の動作を説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。この第3実施形態の電力分配システム1"には、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8c"に設けられ、中間電圧電力線11の電圧が第1中間電圧(例えば、14V)と第2中間電圧(例えば、9V)のどちらであるかを示す判定信号をマスターCPU20aに入力するコンパレータ26が、第1実施形態の電力分配システム1と比較して新たに追加されている。他の構成は第1実施形態の構成と略同一であり、重複説明の回避のため、その説明を省略する。尚、図中の同一構成箇所には第1実施形態と同一符号を付して明確化を図る。
【0044】
次に、図9の電力分配システム1"のイグニッションスイッチ(不図示)のオフ時における動作を図10に基づいて説明する。イグニッションスイッチのオフ時では、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8c"だけが待機電流供給用コンバータ10から待機状態に必要な第2中間電圧(例えば、9V)の電力を供給されている。他の電子制御ユニット8d〜8fには電力は供給されていない。従って、不要な暗電流を削減できる。マスターCPU20aは、集中ドアロックシステム16におけるアンロック操作またはキーレスエントリシステム17におけるアンロック操作により生成された所定の指令信号を受信しても、直ぐにはスレーブCPU20bに起動信号を送信しない。このとき、電子制御ユニット8c"に必要な電力は待機電流供給用コンバータ10により供給されており、マスターCPU20aはドライバー回路22に指令信号を送信してドアのアンロック動作を行うためにモータを駆動する。そしてマスターCPU20aは、LAN18を介してコントローラ12へ常時供給用コンバータ9を起動させるように起動要求信号を送信する。常時供給用コンバータ9の出力電圧である第1中間電圧(例えば、14V)を示すコンパレータ26の判定信号に応じてマスターCPU20aがLAN18を介してスレーブCPU20bに起動信号を送信する。それにより全ての電子制御ユニット8c"〜8fが常時供給用コンバータ9から電力を供給されてスレーブCPU20bもドライバー回路22に指令信号を送信してドアのアンロック動作を行うためにモータを駆動する。このように、電力供給を支障無くスムースに待機電流供給用コンバータ10から常時供給用コンバータ9へ切換えられる。従って、待機電流供給用コンバータ10は、マスターCPU20aを有する電子制御ユニット8c"の電気負荷全てには電力供給する必要が無いため、待機電流供給用コンバータ10の電力容量を更に小さくでき、且つ不要な暗電流を更に削減できる。尚、第2中間電圧は第1中間電圧よりも低いことが好ましい。
【0045】
また、各電気負荷にはシリーズレギュレータ14が精度の良い電気負荷用電圧(例えば、5V)を生成して供給することから常時供給用コンバータ9には厳しい供給出力精度が要求されない。各シリーズレギュレータ14は担当する電気負荷に必要な温度特性や精度を備えたものを用意すれば良い。また、常時供給用コンバータ9には電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用し、待機電流供給用コンバータ10には電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用しているので、電力分配システム1"全体の低消費電力化が図られ、不要な暗電流を更に削減できる。
【0046】
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の形状,形態,数,配置個所,等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に記載の電力分配システムによれば、電気負荷が待機状態にある複数の下流側電力分配部のうちマスターCPUを有する下流側電力分配部のみに待機電流供給用コンバータから電力を供給すればよく、その他の下流側電力分配部に電力を供給する必要がないため、不要な暗電流を削減できる。このように電気負荷が待機状態にある際に、例えばキーレスエントリシステムにおけるアンロック操作が為され、それにより生成された所定の指令信号が入力されることによってマスターCPUがコントローラへ常時供給用コンバータを起動させるように起動要求信号を送信する。常時供給用コンバータの出力電圧である第1中間電圧を示すコンパレータの判定信号に応じてマスターCPUがスレーブCPUに起動信号を送信し、それにより全ての下流側電力分配部が常時供給用コンバータから電力を供給されて電気負荷がそれぞれ駆動されるので、電力供給を支障無くスムースに待機電流供給用コンバータから常時供給用コンバータへ切換えられる。従って、待機電流供給用コンバータは、マスターCPUを有する下流側電力分配部の電気負荷の駆動のためだけに常時供給用コンバータが起動するまで電力供給すればよいため、待機電流供給用コンバータの電力容量を小さくでき、且つ不要な暗電流を削減できる。
【0050】
請求項2に記載の電力分配システムによれば、各電気負荷にはシリーズレギュレータが精度の良い電気負荷用電圧を生成して供給することから常時供給用コンバータには厳しい供給出力精度が要求されない。各シリーズレギュレータは担当する電気負荷に必要な温度特性や精度を備えたものを用意すれば良い。また、請求項2に記載の電力分配システムでは、常時供給用コンバータには電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用し、待機電流供給用コンバータには電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いものを採用しているので、システム全体の低消費電力化が図られ、不要な暗電流を更に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、電力分配システムの概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】図1の電気接続箱内の要部を示すブロック回路図である。
【図3】図2の常時供給用コンバータと待機電流供給用コンバータの出力の切換えを説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。
【図4】負荷電流に対する変換効率を示す特性線図である。
【図5】図1の電力分配システムの第1実施形態を更に詳細に説明するためのブロック回路図である。
【図6】図5の電力分配システムの動作を説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。
【図7】本発明の電力分配システムの第2実施形態を詳細に説明するためのブロック回路図である。
【図8】図7の電力分配システムの動作を説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。
【図9】本発明の電力分配システムの第3実施形態を詳細に説明するためのブロック回路図である。
【図10】図9の電力分配システムの動作を説明するための出力波形およびタイミングチャートを示す図である。
【図11】特開平10−84626号公報で開示されている電力分配システムを示す図である。
【符号の説明】
1,1', 1" 電力分配システム
4 電源部
5 高電圧電力線
7 電気接続箱(上流側電力分配部)
8a〜8n 電子制御ユニット(下流側電力分配部)
9 常時供給用コンバータ
10 待機電流供給用コンバータ
11 中間電圧電力線
12 コントローラ
13 電流検知センサ
14 シリーズレギュレータ
20a マスターCPU
20b スレーブCPU
24 タイマー回路
26 コンパレータ
Claims (2)
- 電源部に高電圧電力線を介して接続されて前記電源部から高電圧の電力供給を受ける上流側電力分配部と、
前記上流側電力分配部に複数の中間電圧電力線を介してそれぞれ接続されて前記上流側電力分配部から前記高電圧よりも低い第1中間電圧または第2中間電圧の電力供給を受け、そして当該中間電圧よりも低い負荷用電圧に変換してそれぞれ対応する電気負荷に電力供給する複数の下流側電力分配部と、
前記上流側電力分配部に設けられ、前記高電圧を前記第1中間電圧に変換して当該中間電圧の電力を前記中間電圧電力線に供給する常時供給用コンバータと、
前記上流側電力分配部において前記常時供給用コンバータに並列接続され、前記高電圧を前記第1中間電圧とは異なる前記第2中間電圧に変換して当該第2中間電圧の電力を前記複数の中間電圧電力線のうち一つに供給する待機電流供給用コンバータと、
前記上流側電力分配部に設けられ、前記常時供給用コンバータと前記待機電流供給用コンバータそれぞれの駆動を切換え制御するコントローラと、
前記待機電流供給用コンバータから中間電圧電力線を介して電力供給可能な下流側電力分配部に設けられ、前記電気負荷の少なくとも一部を構成するマスターCPUと、
前記マスターCPUを有する前記下流側電力分配部に設けられ、前記中間電圧電力線の電圧が前記第1中間電圧と前記第2中間電圧のどちらであるかを示す判定信号を前記マスターCPUに入力するコンパレータと、
前記マスターCPUを有する前記下流側電力分配部以外の下流側電力分配部に設けられ、前記電気負荷の少なくとも一部を構成するスレーブCPUと、
を備え、
前記マスターCPUを有する下流側電力分配部が前記待機電流供給用コンバータから前記第2中間電圧の電力を供給されている際に入力された所定の指令信号に従って前記マスターCPUが前記コントローラへ前記常時供給用コンバータを起動させるように起動要求信号を送信し、前記第1中間電圧を示す前記コンパレータの前記判定信号に応じて前記マスターCPUが前記スレーブCPUに起動信号を送信し、それにより全ての前記下流側電力分配部が前記常時供給用コンバータから電力を供給されて前記電気負荷がそれぞれ駆動されることを特徴とする電力分配システム。 - 前記各下流側電力分配部に設けられ、前記第1または第2中間電圧を前記負荷用電圧に変換するシリーズレギュレータを更に備えており、
前記常時供給用コンバータは電気負荷が重い時に入出力電力の変換効率が良く、前記待機電流供給用コンバータは電気負荷が軽い時に入出力電力の変換効率が良いことを特徴とする請求項1に記載した電力分配システム。
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