JP3760557B2 - 分散補償ファイバ及びそれを含む光伝送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、1.55μm波長帯の波長多重信号光を利用した長距離かつ大容量の光通信を可能にする光ファイバ伝送路網に適用される分散補償ファイバ及びそれを含む光伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高度情報化社会の到来による社会的ニーズから、光ファイバ伝送路網を利用した画像通信などの大容量高速通信や、国際通信などの長距離通信に関する研究開発が盛んに行われている。
【0003】
この長距離かつ大容量の光通信を実現する光ファイバ伝送路網では、まず、伝送路が単一モードの伝搬のみを許す光ファイバである必要がある。なぜなら、多モード通信の場合には、モード分散(伝搬モードごとの群速度の差による分散)で表される)が不可避的に発生するからである。
【0004】
そこで、まず伝送路として考えられたのが、単一モードの伝搬のみが許されるシングルモード光ファイバである。ところが、シングルモード光ファイバでは、モード分散が発生することはないが、材料分散(光ファイバの材料に固有の屈折率の波長依存性による分散)と構造分散(伝搬モードの群速度の波長依存性による分散)との和で表される波長分散が伝送容量を制限する。すなわち、光源から出力される光の波長が単一であると言っても、厳密には一定のスペクトル幅を有するので、このスペクトル幅を有する光パルスが、所定の波長分散特性を有するシングルモード光ファイバ中を伝搬すると、光パルスの幅が拡がりパルス形状が崩れてしまう。この波長分散は、単位スペクトル幅(nm)及び単位光ファイバ長(km)あたりの伝搬遅延時間差として、単位(ps/km/nm)で表される。
【0005】
光ファイバの材料として一般的に用いられる石英ガラス(silica glass)では、材料分散は波長1.26〜1.29μm付近でゼロになることが知られている。また、構造分散は光ファイバのパラメータにより変化するため、光ファイバのパラメータを最適に設計すると、波長1.3〜1.32μm付近で材料分散と構造分散とが相殺されて波長分散をゼロとすることができる。したがって、シングルモード光ファイバを用いれば、波長1.3μm付近において、多モード光ファイバに比べてより長距離かつ大容量の光通信が可能であり、実際に、通信距離が数百kmで通信容量が数百Mbit/秒の光通信に用いられている。
【0006】
しかしながら、光ファイバの伝送損失は1.55μm波長帯で最も小さく、このことから、1.55μm波長帯の光を利用して、光通信を行うことが望まれた。このため、波長分散がゼロとなる波長(零分散波長)がこの波長帯にシフトされた分散シフトファイバが開発された。この分散シフトファイバは、材料分散については大きく変更することができないため、その屈折率プロファイルを最適に設計して構造分散の値を変えることにより、零分散波長が1.55μm付近に設定される。また、この分散シフトファイバは、エルビウム(Er)添加光ファイバ増幅器とともに、1.55μm波長帯の波長多重信号光を利用した、長距離で通信容量が数Gbit/秒の光伝送システムに採用される。
【0007】
一方で、シングルモード光ファイバは、これまでに既に多数敷設されており、既存のシングルモード光ファイバの伝送路網を利用して1.55μm波長帯の光通信を行いたいとのニーズがある。そこで、1.55μm波長帯において正の波長分散を有するシングルモード光ファイバに、負の波長分散及び負の分散スロープを有する分散補償ファイバを縦続接続して、これにより光伝送路全体として波長分散及び分散スロープを相殺しようとする試みがなされている(例えば、特開平6−11620号公報)。
【0008】
なお、分散スロープは、波長分散を示すグラフにおける、該グラフの傾きで与えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の分散シフトファイバでは、波長1.55μm付近の所定波長においてその波長分散がゼロになるよう設計されている。しかしながら、その波長(零分散波長)の周辺では波長分散はゼロではなく、波長分散の符合を正とすると、一般に波長が長いほど波長分散が大きくなる。換言すれば、分散スロープ(波長分散の波長依存性であって、単位(ps/km/nm2)で表される)が正符合である。このことは、さらに伝送容量を大容量化すべく、互いに異なる波長の信号光成分を多重化する波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplex)方式による通信の場合に問題となる。つまり、1.55μm波長帯の波長多重信号光(複数の波長を有する)のうち、より長い波長の信号光成分に対して波長分散がより大きく(正の値)なり、波長のより短い信号光成分に対して波長分散がより小さく(負の値)なる傾向(正の分散スロープを有する)があるので、これによりWDM方式の大容量化の限界が生じる。
【0010】
一方、1.55μm波長帯において波長分散及び分散スロープの双方が略ゼロとなる分散フラット光ファイバの研究について、例えば、久保ら、「二重クラッド型低分散SMファイバの諸特性」、1990年電子情報通信学会春季全国大会予稿集、C−374、及び、P.K. Bachmann et.al., "Dispersion-Flattened Single-Mode Fibers Prepared with PCVD: Performance, Limitations, Design Optimization", J. of Lightwave Technol., Vol.LT-4, No.2, pp.858-863 (1986))に報告されている。しかしながら、当該分散フラットファイバは、コア径等のサイズや屈折率プロファイルを極めて精密に制御する必要があり製造が困難であるため、未だ実用化には至っていない。
【0011】
この発明は以上のような課題を解決するためになされたもので、補償対象である従来の光ファイバ伝送路と、この発明に係る分散補償ファイバとをそれぞれ適当な長さにして光学的に接続することにより、1.55μm波長帯において光伝送路全体の波長分散及び分散スロープを改善し(波長分散及び分散スロープの絶対値をゼロに近づける)、長距離かつ大容量の光通信を可能にする分散補償ファイバ、及びそれを含む光伝送システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る分散補償ファイバは、主に、零分散波長が1450〜1650nmの範囲に設定された分散シフトファイバ及びこの分散シフトファイバを含む光ファイバ伝送路を、その補償対象としている。さらに、好ましくは、この発明に係る分散補償ファイバは、零分散波長が1450〜1550nmの範囲に設定された分散シフトファイバ及びこの分散シフトファイバを含む光ファイバ伝送路を、その補償対象としている。これら分散補償対象は、いずれも正の分散スロープを有する。
【0013】
したがって、この発明に係る分散補償ファイバは、1.55μm波長帯の光に対する諸特性として、−40ps/km/nm以上かつ0ps/km/nm以下の波長分散と、−0.5ps/km/nm2以上かつ−0.1ps/km/nm2以下の分散スロープと、0.5dB/km以下の伝送損失と、0.7ps・km-1/2以下の偏波モード分散と、4.5μm以上かつ6.5μm以下のモードフィールド径と、2mの基準長において0.7μm以上かつ1.7μm以下のカットオフ波長と、そして、100dB/m以下の、直径20mmでの曲げ損失とを有することを特徴としている。
【0014】
なお、この明細書において、1.55μm波長帯とは、波長1500〜1600nmの範囲の帯域を意味する。
【0015】
当該分散補償ファイバと、補償対象である光ファイバ(主に、分散シフトファイバあるいはこの分散シフトファイバを含む伝送システム)とが所定長比で光学的に接続されることにより、1.55μm波長帯において伝送路全体の波長分散、及び分散スロープを改善することが可能となる。さらに、これらの特性、並びに、伝送損失、偏波モード分散、モードフィールド径、カットオフ波長(2mの基準長におけるカットオフ波長)及び曲げ損失(直径20mmでの曲げ損失)それぞれの条件から、長距離かつ大容量の光通信が可能となる。
【0016】
また、この発明に係る分散補償ファイバは、1.55μm波長帯の光に対して、その波長分散が、−20ps/km/nm以上かつ−5ps/km/nm、そして、分散スロープが、−0.4ps/km/nm2以上かつ−0.13ps/km/nm2以下であることがより好ましい。このように、波長分散及び分散スロープを設定することにより、当該分散補償ファイバを含む光伝送システム(零分散波長が、波長1450〜1650nm、好ましくは1450〜1550nmの範囲に設定された分散シフトファイバを含む)全体を、さらに好適に補償することができる(全体の波長分散及び分散スロープの絶対値をよりゼロに近づけられる)。
【0017】
以上の特性を得るため、この発明に係る分散補償ファイバは、少なくとも、所定の屈折率を有するガラス領域であって、3.5μm以上かつ6.0μm以下の外径を有するコア領域と、コア領域の外周に設けられ、かつ該コア領域よりも低い屈折率を有する内側クラッド領域と、そして、内側クラッド領域の外周に設けられ、かつ該内側クラッド領域よりも高くコア領域よりも低い屈折率を有する外側クラッド領域とを備えた、石英ガラスを主成分とするシングルモード光ファイバである。特に、当該分散補償ファイバは、上記内側クラッド領域の外径に対する上記コア領域の外径の比は、0.3以上かつ0.5以下であり、上記外側クラッド領域と上記コア領域における最大屈折率の部位との比屈折率差は、0.6%以上かつ1.4%以下であり、そして、上記外側クラッド領域と上記内側クラッド領域における最小屈折率を有する部位との比屈折率差は、0.25%以上かつ0.65%以下であることを特徴としている。
【0018】
さらに、当該分散補償ファイバが3重クラッド構造を有する場合、当該分散補償ファイバは、上記内側クラッド領域と外側クラッド領域との間に、該外側クラッドよりも高くコア領域よりも低い屈折率を有する中間クラッド領域を備える。なお、この中間クラッド領域における最大屈折率を有する部位と外側クラッド領域との比屈折率差は、0.2%以上かつ0.5%以下である。
【0019】
以上の構成を備えた、この発明に係る分散補償ファイバは、上記コア領域に、ゲルマニウム元素が添加され、そして、上記内側クラッド領域に、フッ素元素が添加されていることが、少ないドーパント濃度で十分な比屈折率差を得る上で好ましい。加えて、上記外側クラッド領域にも、フッ素元素が添加された構成も実現可能である。
【0020】
さらに、この発明に係る分散補償ファイバは、該分散補償ファイバと光学的に接続された、光伝送路の一部を構成する他の光ファイバ(補償対象)とともに光伝送システムを構成する(図1参照)。当該分散補償ファイバを含む光伝送システムは、光伝送路全体として、1.5μm波長帯の光に対し、−0.02ps/km/nm2以上かつ0.05ps/km/nm2以下の分散スロープを有するのが好ましく、このような光伝送システムでは、長距離でかつ大容量の光伝送が可能となり、特に、WDM方式により多波長の光を利用した光通信を実現する場合には、さらに長距離でかつ大容量の光通信が可能となる。
【0021】
なお、当該分散補償ファイバとともに光伝送システムの光伝送路を構成する、分散補償の対象である光ファイバ伝送路は、その零分散波長が1560nm以下にシフトされた分散シフトファイバであることが好ましい。補償対象が1.56μm以下の零分散波長を有する分散シフトファイバである場合には、該分散シフトファイバの波長分散及び波長分散スロープは、この発明に係る分散補償ファイバにより容易に補償される。
【0022】
加えて、以上のように当該分散補償ファイバと補償対象である分散シフトファイバを含む光伝送システムは、さらに光伝送路の一部を構成する光ファイバ増幅器を備えてもよい。この光ファイバ増幅器は、コア領域にエルビウム元素が添加された増幅用光ファイバと、該増幅用光ファイバ内のエルビウム元素を励起する励起光を、該増幅用光ファイバに出力するための励起光源と、そして、該励起光源と該増幅用光ファイバとを光学的に結合させるための光結合器とを、少なくとも備える。なお、この該光伝送システム中に挿入される増幅用光ファイバの長さは、当該分散補償ファイバの補償対象である、分散シフトファイバあるいは該分散シフトファイバを含む光伝送路全体の長さと比較して、非常に短いため、光伝送路全体として補償すべき波長分散及び分散スロープへの寄与は無視できる。
【0023】
一方、この発明に係る分散補償ファイバは、そのコア領域に、エルビウム元素が添加された構成でもよい。このようにエルビウム元素を含む当該分散補償ファイバは、増幅用光ファイバとして機能することができる。
【0024】
したがって、コア領域にエルビウム元素が添加された当該分散補償ファイバを含む光伝送システムは、この発明に係る分散補償ファイバと、該分散補償ファイバと光学的に接続された、光伝送路の一部を構成する他の光ファイバ(補償対象)と、該分散補償ファイバ内のエルビウム元素を励起する励起光を、該分散補償ファイバに出力するための励起光源と、そして、該励起光源と該分散補償ファイバとを光学的に結合させるための光結合器とを備える。この構成により、当該分散補償ファイバを含む光伝送システムは、光伝送路全体として、1.5μm波長帯の光に対し、−0.02ps/km/nm2以上かつ0.05ps/km/nm2以下の分散スロープを有する。このような光伝送システムでは、より長距離かつ大容量で低損失の光通信が可能となる。
【0025】
なお、この光ファイバ増幅器(この発明に係る分散補償ファイバを有する)を含む光伝送システムにおいて、上記分散補償の対象は、その零分散波長が1560nm以下にシフトされた分散シフトファイバであることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る分散補償ファイバ及びそれを含む光伝送システムについて、図1〜図11を用いて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
この発明に係る分散補償ファイバは、1.55μm波長帯において以下のような特性を有する。すなわち、波長分散は−40〜0ps/km/nmの範囲、分散スロープは−0.5〜−0.1ps/km/nm2 の範囲、伝送損失は0.5dB/km以下、偏波モード分散(PMD)は0.7ps・km-1/2以下、モードフィールド径(MFD)は4.5〜6.5μmの範囲、カットオフ波長は0.7〜1.7μmの範囲、そして、直径20mmでの曲げ損失は100dB/m以下である。
【0028】
なお、1.55μm波長帯の光伝送の場合、一般に、2mの基準長(CCITT−G.650による測定法)で信号光波長よりも短い1.55μm以下のカットオフ波長が選択される。カットオフ波長の一般的な評価の基準である2mという短い長さでは、当該分散シフトファイバの場合、伝送光の基底モードばかりではなく高次モードも伝搬することもある(例えば2mの基準長でのカットオフ波長が1.7μmの場合)。しかしながら、高次モードは基底モードと比べて分散シフトファイバ中の伝搬における減衰率が高いので、数kmの伝搬長であれば基底モードに比べて十分に小さくなる。したがって、海底通信ケーブルのように伝搬距離が数百から数千kmに及ぶ場合には、高次モードによる問題が生じることはない。また、上記曲げ損失は、直径20mmの心棒(mandrel)に巻きつけられた状態で測定された、当該分散補償ファイバの伝送損失の増加分である。そして、この明細書において、1.55μm波長帯とは、1500〜1600nmの範囲の帯域である。
【0029】
この発明に係る分散補償ファイバは、後述するように、補償対象である他の光ファイバ(例えば、シングルモード光ファイバ、分散シフトファイバ、これらファイバを含む光ファイバ伝送路全体)の波長分散だけでなく分散スロープをも補償するものである。特に、分散シフトファイバの波長分散及び分散スロープを補償するのに好適である。また、波長分散が−20〜−5ps/km/nmの範囲内であり、かつ分散スロープが−0.4〜−0.13ps/km/nm2 の範囲内であれば、分散シフトファイバの波長分散及び分散スロープを補償する上でより好ましい。
【0030】
次に、この発明に係る分散補償ファイバ含む光伝送システムの構成について図1及び図2を用いて説明する。
【0031】
図1は、この発明に係る分散補償ファイバ100と主な補償対象である分散シフトファイバ500とが光学的に接続された光伝送システムの構成を示す図である。この光伝送システムにおいて、当該分散補償ファイバ100の一端(入射端)は光ファイバ伝送路10(シングルモード光ファイバ)を介して送信器TXと光学的に接続されるとともに、他端(出射端)は分散シフトファイバ500の一端(入射端)に光学的に接続されている。さらに、分散シフトファイバ500の他端(出射端)は、光ファイバ伝送路10(シングルモード光ファイバ)を介して光学的に受信器RXに接続されている。なお、図1では、当該分散補償ファイバ100は、分散シフトファイバ500の上流側に配置されているが、該分散シフトファイバ500の下流側に配置されてもよい。また、図1に示された光伝送システムの光伝送路は、双方向通信可能な光伝送路網であってもよい。
【0032】
一方、図2は、この発明に係る分散補償ファイバを含む光伝送システムであって、その光伝送路中に光ファイバ増幅器600が配置されている。特に、この光ファイバ増幅器600の増幅用光ファイバ610(少なくともコア領域にエルビウム元素が添加されている)は、当該光伝送システムの伝送路の一部を構成している。
【0033】
図2の光伝送路において、その一端(入射端)が光ファイバ伝送路10(シングルモード光ファイバ)を介して送信器TXと光学的に接続された光ファイバは、この発明に係る分散補償ファイバ100と分散シフトファイバ500とが縦続接続された図1に示された構造の光ファイバ伝送路と同様の構成にすることが可能である。一方、この光ファイバ伝送路700の他端(出射端)と光学的に接続される上記光ファイバ増幅器600の一端(入射端)との間には光アイソレータ800は配置され、該光ファイバ増幅器600の増幅用光ファイバ610中のエルビウム元素を励起するための励起光が、当該光伝送路中を伝搬するのを防止している。この光ファイバ増幅器600の他端(出射端)は、光ファイバ伝送路10(シングルモード光ファイバ)を介して受信器RXと光学的に接続されている。なお、上記光ファイバ伝送路700及び光ファイバ増幅器600の配置位置には特に制限はなく、また、当該光伝送システムにおける光伝送路は双方向光通信が可能な構成であってもよい。
【0034】
このように当該光伝送システムの光伝送路中に配置された光ファイバ増幅器600は、少なくともコア領域にエルビウム元素が添加された増幅用光ファイバ610と、この増幅用光ファイバ610内のエルビウム元素を励起する励起光を、該増幅用光ファイバ610に出力するための励起光源640と、そして、該励起光源640と該増幅用光ファイバ610とを光学的に結合させるための光結合器620とを備えている。なお、図2中の630は無反射終端である。また、この光ファイバ増幅器600の増幅用光ファイバ610の長さは、光伝送路全体への波長分散及び分散スロープの寄与は無視できるほど、光伝送路全体の長さに比べて十分に短い。
【0035】
さらに、図2に示された光伝送システムにおいて、上記光ファイバ増幅器600の増幅用光ファイバ610を、この発明に係る分散補償ファイバ100で構成することも可能である。すなわち、この発明に係る分散補償ファイバ100のコア領域中にエルビウム元素が添加されることにより、当該分散補償ファイバ100は、増幅用光ファイバ610として機能する。なお、この構成では、光ファイバ伝送路700は、当該分散補償ファイバ100を除く分散シフトファイバ500だけを含む。
【0036】
次に、この発明に係る分散補償ファイバの波長分散及び分散スロープの補償について説明する。図3は、この発明に係る分散補償ファイバによる波長分散の補償及び分散スロープの補償を説明するためのグラフである。このグラフにおいて、横軸は信号光の波長(単位はnm)であり、縦軸は波長分散(単位はps/km/nm))である。
【0037】
グラフ中、符号DCFで表された曲線は、この発明に係る分散補償ファイバの波長分散特性である(以下、当該分散補償ファイバをDCFで示す)。なお、この発明に係る分散補償ファイバDCFは、上述されたように、1.55μm波長帯において波長分散が−40〜0ps/km/nmの範囲、かつ分散スロープが−0.5〜−0.1ps/km/nm2 の範囲内に設定されている。
【0038】
また、グラフ中、符号DSF−1で表された曲線は、分散シフトファイバの波長分散特性である(以下、この分散シフトファイバをDSF−1で示す)。この分散シフトファイバDSF−1は、構造分散が適切に設計されて、波長1.5μm付近で波長分散がゼロであり、1.55μm波長帯において分散スロープが正の値である。この分散シフトファイバDSF−1は、例えば、波長1.55μmにおいて、波長分散が3ps/km/nmであり、分散スロープが0.065ps/km/nm2 である。
【0039】
そして、この発明に係る分散補償ファイバDCFと分散シフトファイバDSF−1とをそれぞれ適切な長さの比で縦続接続された光伝送路(この光伝送路全体の波長分散特性は、グラフ中の”DCF+DSF−1”で表された曲線で示される)では、全体の波長分散は略ゼロになり、また、全体の分散スロープは、−0.02〜+0.05ps/km/nm2 の範囲内に納り略フラットになる。このように、光伝送路全体の波長分散及び分散スロープそれぞれは、当該分散補償ファイバDCF及び分散シフトファイバDSF−1のいずれか一方の、単独の波長分散及び分散スロープよりもその絶対値が小さくなる。すなわち、分散シフトファイバDSF−1の波長分散及び分散スロープの双方が、1.55μm波長帯において当該分散補償ファイバDCFにより効果的に補償される。
【0040】
また、この発明に係る分散補償ファイバDCFと上記分散シフトファイバDSF−1とを接続した場合の光伝送路全体の伝送損失及び偏波モード分散(PMD)それぞれについては、長距離かつ大容量の光通信を行うに際して何等問題が生じることはない。また、モードフィールド径(MFD)、カットオフ波長及び曲げ損失それぞれは、この発明に係る分散補償ファイバDCF及び上記分散シフトファイバDSF−1それぞれ単独にて評価されるべきものであるが、両者が縦続接続された光伝送路でも、長距離かつ大容量の光通信を行うに際して何等問題が生じることはない。したがって、WDM方式による通信であっても、1.55μm波長帯の各信号光成分に対して波長分散が改善され、また、他の特性値についても光通信を行う上で何等問題がないので、さらに長距離かつ大容量の光通信が可能となる。
【0041】
これに対して、グラフ中、符号DSF−2で表された曲線は、波長1.6μm付近で波長分散がゼロとなるような分散シフトファイバの波長分散特性を示している(以下、この分散シフトファイバをDSF−2で示す)。この分散シフトファイバDSF−2とこの発明に係る分散補償ファイバDCFとが縦続接続された光伝送路(この光伝送路全体に波長分散特性は、グラフ中の”DCF+DSF−2”で表された曲線で示される)では、1.55μm波長帯において、全体の波長分散スロープは略フラットになるものの、全体の波長分散は負の値であってさらにその絶対値が大きくなっている。
【0042】
(第1実施例)
図4は、この発明に係る分散補償ファイバの第1実施例(2重クラッド構造を有する)の断面構造及びその屈折率プロファイルを示す図である。
【0043】
この図4に示されたように、2重クラッド構造を有する分散補償ファイバ100a(第1実施例)は、石英ガラスを主成分とするシングルモード光ファイバであって、所定の屈折率を有するコア領域110と、コア領域110の外周に設けられたガラス領域であって、該コア領域110よりも低い屈折率を有する内側クラッド領域111と、そして、内側クラッド領域111の外周に設けられ、かつ該内側クラッド領域111よりも高くコア該領域110よりも低い屈折率を有する外側クラッド領域112とを備えてる。
【0044】
なお、内側クラッド領域111の外径2bに対するコア領域110の外径2aの比Ra(=2a/2b)は、0.3以上かつ0.5以下であり、コア領域の外径は3.5μm以上かつ6.0μm以下である。また、外側クラッド領域112とコア領域110における最大屈折率の部位との比屈折率差Δ+は、0.6%以上かつ1.4%以下であり、外側クラッド領域112と内側クラッド領域111における最小屈折率を有する部位との比屈折率差Δ-は、0.25%以上かつ0.65%以下である。
【0045】
図4に示された屈折率プロファイル200aの横軸は、当該分散補償ファイバ100aの断面(伝搬する信号光の進行方向に対して垂直な面)における線L1上の各位置に相当している。さらに、この屈折率プロファイル200aにおいて、領域210は上記コア領域110の線L1上の各部位における屈折率(ncore)、領域220は上記内側クラッド111の線L1上の各部位における屈折率(nclad1)、そして領域230は上記外側クラッド領域112の線L1上の各部位における屈折率(nclad2)に対応している。そして、この実施例では、コア領域110の径方向に屈折率プロファイルは、グレーディッドインデックス型であって、内側クラッド領域111の屈折率は他のガラス領域の屈折率よりも低くなっており、当該分散補償ファイバ100aの屈折率プロファイル200aに凹みA(depression)が形成されている。特に、このような凹みAが設けられた屈折率プロファイルを、ディプレスト・クラッディング型プロファイル(depressed cladding type profile)という。
【0046】
また、この実施例において比屈折率差Δは以下のように定義されている。
【0047】
Δ+=(ncore−nclad2)/nclad2
Δ-=(nclad2−nclad1)/nclad2
ncore :コア領域の最大屈折率
nclad1:内側クラッド領域の最小屈折率
nclad2:外側クラッド領域の屈折率
したがって、この第1実施例(2重クラッド構造)の各パラメータは、以下のように設定されている。
【0048】
Δ+ =0.6 〜1.4 % … (1)
Δ- =0.25〜0.65% … (2)
2a=3.5 〜6.0 μm … (3)
Ra=0.3 〜0.5 … (4)
なお、この明細書では各ガラス領域間の比屈折率差は、百分率で表示されている。
【0049】
上記条件(1)及び条件(2)に示されたような比屈折率差は、石英ガラスを主成分とする光ファイバの場合、例えば、屈折率増加材であるゲルマニウム元素(Ge)が添加されたコア領域110と、屈折率低下材であるフッ素元素(F)が添加された内側クラッド領域111によって実現することができる。また、外側クラッド領域112もフッ素元素を含んでもよい。なお、この第1実施例の分散補償ファイバ100aは、例えば、VAD法(Vapour-phase Axial Deposition)により容易にえられる。また、上記パラメータの許容範囲が比較的広いので、この点でも製造が容易である。
【0050】
(第2実施例)
図5は、この発明に係る分散補償ファイバの第2実施例(3重クラッド構造を有する)の断面構造及びその屈折率プロファイルを示す図である。
【0051】
この図5に示されたように、3重クラッド構造を有する分散補償ファイバ100b(第2実施例)は、石英ガラスを主成分とするシングルモード光ファイバであって、所定の屈折率を有するコア領域120と、コア領域120の外周に設けられたガラス領域であって、該コア領域120よりも低い屈折率を有する内側クラッド領域121と、内側クラッド領域121の外周に設けられ、かつ該内側クラッド領域121よりも高くコア領域120よりも低い屈折率を有する中間クラッド領域122と、そして、中間クラッド領域122の外周に設けられ、該中間クラッド領域122よりも低くかつ内側クラッド領域121よりも高い屈折率を有する外側クラッド領域123とを備えてる。
【0052】
なお、内側クラッド領域121の外径2bに対するコア領域120の外径2aの比Ra(=2a/2b)及びコア領域120の外径は、上述された第1実施例の範囲(Ra=0.3〜0.5;2a=3.5μm〜6.0μm)よりも広い範囲に設定されるのが好ましい。であり、コア領域の外径は3.5μm以上かつ6.0μm以下である。また、外側クラッド領域123とコア領域120における最大屈折率の部位との比屈折率差Δ+は、0.6%以上かつ1.4%以下、外側クラッド領域123と内側クラッド領域121における最小屈折率を有する部位との比屈折率差Δ-は、0.25%以上かつ0.65%以下であり、上述された第1実施例のこれらと同様である。
【0053】
図5に示された屈折率プロファイル300aの横軸は、当該分散補償ファイバ100bの断面(伝搬する信号光の進行方向に対して垂直な面)における線L2上の各位置に相当している。さらに、この屈折率プロファイル300aにおいて、領域310は上記コア領域120の線L2上の各部位における屈折率(ncore)、領域320は上記内側クラッド121の線L2上の各部位における屈折率(nclad1)、領域330は上記中間クラッド領域122の線L2上の各部位における屈折率(nclad2)、そして領域340は上記外側クラッド領域123の線L2上の各部位における屈折率(nclad3)に対応している。そして、この実施例では、コア領域120の径方向に屈折率プロファイルは、グレーディッドインデックス型であって、内側クラッド領域121の屈折率は他のガラス領域の屈折率よりも低くなっており、当該分散補償ファイバ100bの屈折率プロファイル300aに凹みA(depression)が形成されている。特に、このような凹みAが設けられた屈折率プロファイルを、ディプレスト・クラッディング型プロファイル(depressed cladding type profile)という。
【0054】
また、この実施例において比屈折率差Δは以下のように定義されている。
【0055】
Δ+=(ncore−nclad3)/nclad3
Δ-=(nclad3−nclad1)/nclad3
Δr=(nclad2−nclad3)/nclad3
ncore:コア領域の最大屈折率
nclad1:内側クラッド領域の最小屈折率
nclad2:中間クラッド領域の最大屈折率
nclad3:外側クラッド領域の屈折率
したがって、この第2実施例(3重クラッド構造)では、中間クラッド領域122における最大屈折率を有する部位と外側クラッド領域123との比屈折率差Δrは以下のように与えられている。
【0056】
Δr=0.2 〜0.5 % … (5)
なお、他の比屈折率差Δ+、Δ-は上述された第1実施例(2重クラッド構造)と同一の範囲であって、コア領域120の外径2a及び外径比Raの範囲は該第1実施例の範囲よりも広い範囲である。また、この明細書では各ガラス領域間の比屈折率差は、百分率で表示されている。
【0057】
図5に示されたような屈折率プロファイル300aは、屈折率増加材であるゲルマニウム元素が添加されたコア領域120及び中間クラッド領域122と、屈折率低下材であるフッ素元素が添加された内側クラッド領域121によって実現できる。また外側クラッド領域123もフッ素元素を含んでもよい。
【0058】
(第3実施例)
図6は、この発明に係る分散補償ファイバの第3実施例(3重クラッド構造を有する)の断面構造及びその屈折率プロファイルを示す図である。なお、この第3実施例は、上述された第2実施例と比較して、中間クラッド領域の径方向の屈折率プロファイルがグレーディッドインデックス型になっている点が異なっている(第2実施例の中間クラッド領域の径方向の屈折率プロファイルはステップインデックス型)。
【0059】
この図6に示されたように、3重クラッド構造を有する分散補償ファイバ100c(第3実施例)は、石英ガラスを主成分とするシングルモード光ファイバであって、上述された第2実施例と同様に、所定の屈折率を有するコア領域130と、コア領域130の外周に設けられたガラス領域であって、該コア領域130よりも低い屈折率を有する内側クラッド領域131と、内側クラッド領域131の外周に設けられ、かつ該内側クラッド領域131よりも高い屈折率を有する中間クラッド領域132と、そして、中間クラッド領域132の外周に設けられ、該中間クラッド領域132よりも低くかつ内側クラッド領域131よりも高い屈折率を有する外側クラッド領域133とを備えている。
【0060】
図6に示された屈折率プロファイル400aの横軸は、当該分散補償ファイバ100cの断面(伝搬する信号光の進行方向に対して垂直な面)における線L3上の各位置に相当している。さらに、この屈折率プロファイル400aにおいて、領域410は上記コア領域130の線L3上の各部位における屈折率(ncore)、領域420は上記内側クラッド131の線L3上の各部位における屈折率(nclad1)、領域430は上記中間クラッド領域122の線L3上の各部位における屈折率(nclad2)、そして領域440は上記外側クラッド領域133の線L3上の各部位における屈折率(nclad3)に対応している。そして、この実施例では、コア領域130の径方向に屈折率プロファイルは、グレーディッドインデックス型であって、内側クラッド領域131の屈折率は他のガラス領域の屈折率よりも低くなっており、当該分散補償ファイバ100cの屈折率プロファイル400aに凹みA(depression)が形成されている。特に、このような凹みAが設けられた屈折率プロファイルを、ディプレスト・クラッディング型プロファイル(depressed cladding type profile)という。
【0061】
なお、各ガラス領域間の比屈折率差Δ+、Δ-、及びΔr、並びに他のパラメータRa、2aの定義及び数値については、上述された第2実施例と同様である。
【0062】
これまでに図4〜図6に示された屈折率プロファイル200a〜400aは、この発明に係る分散補償ファイバの屈折率プロファイルの例示であって、当該分散補償ファイバの屈折率プロファイルは、これらに限定されるものではなく、例えば図7〜図9に示された形状の屈折率プロファイルであってもよい。
【0063】
すなわち、図7は、図4の屈折率プロファイル200a(第1実施例)の変形例を示す図である。図中左上に示された屈折率プロファイルは、図4の屈折率プロファイル200aである。屈折率プロファイル200bは、図4の屈折率プロファイル200aにおいて、コア領域110の中央部に屈折率の落ち込みが生じたものであり、MCVD(Modified Chemical Vapour Deposition )法で製造する場合に発生し易いとされているものである。また、屈折率プロファイル200cは、図4の屈折率プロファイル200aで、コア領域110における径方向の屈折率を一定としてステップインデックス型としたものである。
【0064】
さらに、屈折率プロファイル200d〜200fは、それぞれ上述された屈折率プロファイル200a〜200cに対応しており、内側クラッド領域111における径方向の屈折率が、一定ではなく、中心から周辺部に向かって次第に減少している。また、屈折率プロファイル200g〜200iは、それぞれ上述された屈折率プロファイル200a〜200cに対応しており、内側クラッド領域111における径方向にの屈折率が、一定ではなく、中心から周辺部に向かって一旦減少し再び増加している。これらの内側クラッド領域111における屈折率プロファイルの径方向の形状は、実際の製造において生じ易いものである。
【0065】
これら屈折率プロファイル200b〜200iを有する分散補償ファイバは、図4に示された屈折率プロファイル200aを有する分散補償ファイバと同等の特性を有するものである。
【0066】
さらに、図8は、図5に示された屈折率プロファイル300a(第2実施例)の変形例を示す図である。図中左上の屈折率プロファイルは、図5の屈折率プロファイル300aである。また、屈折率プロファイル300bは、図5の屈折率プロファイル300aにおいて、コア領域120の中央部に屈折率の落ち込みが生じたものである。屈折率プロファイル300cは、図5の屈折率プロファイル300aにおいて、コア領域120における径方向の屈折率を一定としてステップインデックス型としたものである。
【0067】
また、屈折率プロファイル300d〜300fは、それぞれ上述された屈折率プロファイル300a〜300cに対応しており、内側クラッド領域121における径方向の屈折率が、一定ではなく、中心から周辺部に向かって次第に減少している。また、屈折率プロファイル300g〜300iは、それぞれ上述された屈折率プロファイル300a〜300cに対応しており、内側クラッド領域121における径方向の屈折率が、一定ではなく、中心から周辺部に向かって一旦減少し再び増加している。
【0068】
これら屈折率プロファイル300b〜300iを有する分散補償ファイバは、図5に示された屈折率プロファイル300aを有する分散補償ファイバと同等の特性を有するものである。
【0069】
次に、図9は、図6の屈折率プロファイル400a(第3実施例)の変形例を示す図である。図中左上の屈折率プロファイルは、図6の屈折率プロファイル400aと同じものである。屈折率プロファイル400bは、図6の屈折率プロファイル400aにおいて、コア領域130の中央部に屈折率の落ち込みが生じたものである。屈折率プロファイル400cは、図6の屈折率プロファイル400aにおいて、コア領域130における径方向の屈折率を一定としてステップインデックス型としたものである。
【0070】
また、屈折率プロファイル400d〜400fは、それぞれ上述された屈折率プロファイル400a〜400cに対応しており、内側クラッド領域131における径方向の屈折率が、一定ではなく、中心から周辺部に向かって次第に減少している。また、屈折率プロファイル400g〜400iは、それぞれ上述された屈折率プロファイル400a〜400cに対応しており、内側クラッド領域131における径方向の屈折率が、一定ではなく、中心から周辺部に向かって一旦減少し再び増加している。
【0071】
これら屈折率プロファイル400b〜400iを有する分散補償ファイバは、図6に示された屈折率プロファイル400aを有する分散補償ファイバと同等の特性を有するものである。
【0072】
次に、図4に示された屈折率プロファイル200aを有する分散補償ファイバの諸特性についてシミュレーションを行った実験結果について説明する。図10は、シミュレーション結果を示す表である。4つのパラメータΔ+ 、Δ- 、2a及びRa(=2a/2b)について11通りの条件を設定して、光ファイバの特性値を求めた。各条件に対応して用意されたファイバ(試料)は、それぞれNo.1〜No.11と表されている。
【0073】
波長1.55μmの光に対し、試料(光ファイバ)No.1〜No.11それぞれについて、波長分散(表中 Disp@1550で示し、単位はps/km/nm)、分散スロープ(表中Slope@1550で示し、単位はps/km/nm2)、主な補償対象である分散シフトファイバと上述の各光ファイバNo.1〜No.11のいずれかとが縦続接続されて構成された光伝送路全体の分散スロープ(表中Total Slope@1550で示し、単位はps/km/nm2)、伝送損失(表中Loss@1550で示し、単位はdB/km)、偏波モード分散(表中PMDで示し、単位はps・km-1/2)、2mの基準長におけるカットオフ波長(表中Cut-Offで示し、単位はμm)、及び直径20mmでの曲げ損失(表中Bend Lossで示し、単位はdB/m)それぞれを シミュレーションにより求めた。
【0074】
なお、このシミュレーションで想定された補償対象である分散シフトファイバは、波長1.50μmにおいてその波長分散がゼロであり、波長1.55μmにおいて波長分散および分散スロープそれぞれが3ps/km/nmおよび0.065ps/km/nm2 である。また、上述されたNo.1〜No.11の分散補償ファイバと上記分散シフトファイバとから構成された光伝送路全体の分散スロープは、この分散シフトファイバとファイバNo.1〜No.11のいずれかとを所定長比で縦続接続して全体の波長分散が1.55μmでゼロとなるときの値である。
【0075】
図10の表から判るように、ファイバNo.7及びNo.8は、上記補償対象(上述の特性を有する分散シフトファイバ)を含む伝送システムに適用するのは好ましくない。また、ファイバNo.9の場合は、コア領域の外径2aが条件(3)を満たしていないため、それぞれこの発明に係る分散補償ファイバとして実現することができない。
【0076】
しかし、その他の試料(ファイバNo.1〜No.6、ファイバNo.10、及びファイバNo.11)は、条件(1)から(4)の条件を全て満たしているので、これらの試料については、この発明に係る分散補償ファイバが実現できる。さらに、これらの試料のいずれかと上記分散シフトファイバとが縦続接続されたときの光伝送路全体の分散スロープは、−0.02〜0.05ps/km/nm2となり、略フラットであると言える。したがって、1.55μm波長帯でWDM方式により波長多重信号光(複数の波長を含む)で光通信を行うとき、各信号光成分の波長範囲において分散スロープが十分低減されるため、長距離かつ大容量の光通信が可能となる。
【0077】
中でも特に、ファイバNo.1〜No.3は、波長分散が−20〜−5ps/km/nmの範囲であり、分散スロープが−0.4〜−0.13ps/km/nm2の範囲であるので、また、分散シフトファイバと縦続接続したときの光伝送路全体の分散スロープが0.01〜0.02ps/km/nm2となるので、分散シフトファイバで生じた各信号光成分の波長分散及び分散スロープを補償する上でさらに好適であり、WDM方式による通信にさらに好適に用いられ得る。
【0078】
加えて、発明者らは、図5に示された屈折率プロファイル300aを有する分散補償ファイバ(3重クラッド構造)の諸特性についても、同様なシミュレーションを行った。図11は、そのシミュレーション結果を示す表である。5つのパラメータΔ+ 、Δ- 、Δr、2a及びRa(=2a/2b)について3通りの条件を設定して、光ファイバの特性値を求めた。各条件に対応して用意されたファイバ(試料)は、それぞれNo.12〜No.14と表されている。
【0079】
なお、他のパラメータについては上述された2重クラッド構造の場合と同様である。また、想定された分散シフトファイバ(補償対象)も上述されたファイバと同様である。
【0080】
この図11の表からも判るように、各試料(光ファイバ)No.12〜No.14は、波長分散が−30〜−5ps/km/nmの範囲であり、分散スロープが−0.39〜−0.06ps/km/nm2の範囲であるので、また、分散シフトファイバと縦続接続したときの光伝送路全体の分散スロープが0.03ps/km/nm2となるので、分散シフトファイバで生じた各信号光成分の波長分散及び分散スロープを補償する上でさらに好適であり、WDM方式による通信にさらに好適に用いられ得る。
【0081】
なお、この発明に係る分散補償ファイバ100が適用された光伝送システムでは、図2に示されたように、当該分散補償ファイバ100と分散シフトファイバ500とを縦続接続して使用するだけでなく、例えば光ファイバ増幅器600をさらに縦続接続した構成も可能である。また、この発明に係る分散補償ファイバ100、分散シフトファイバ500(分散補償ファイバ100とともに光ファイバ伝送路700を構成する)及び光ファイバ増幅器700は、如何なる順序で縦続接続されても構わない。光ファイバ増幅器600の増幅用光ファイバ610としては、希土類元素(例えばEr元素)が添加された光ファイバ(EDF: Erbium Doped Fiber)を利用した光ファイバ増幅器(EDFA: Erbium Doped Fiber Amplifier)を用いれば、1.55μm波長帯の波長多重信号光を光増幅するのに好適である。当該分散補償ファイバ100及び分散シフトファイバ500それぞれの長さ、並びに、光ファイバ増幅器600の配置間隔及び増幅率は、当該分散補償ファイバ100及び分散シフトファイバ500それぞれの波長分散及び伝送損失に基づいて最適に決定される。以上のような構成により、当該光伝送システムにおける光伝送路全体の波長分散及び分散スロープを効果的に改善(ゼロに近づける)することができるだけでなく、伝送損失も十分低減することが期待できる。したがって、このような構成においても、大容量の信号光が長距離の光伝送路を低損失に伝送され得る。
【0082】
また、この発明に係る分散補償ファイバ自体のコア領域にEr元素を添加してもよい。この場合、励起光源640から出力された波長1.48μmの励起光を光結合器620を介して当該分散補償ファイバに伝搬させることにより反転分布が形成され、分散補償ファイバ内を伝搬する信号光は増幅される。すなわち、この分散補償ファイバは、波長分散及び分散スロープを補償するだけでなく、増幅用光ファイバとしても作用することになる。したがって、このEr添加の分散補償ファイバを増幅用光ファイバとして用い、さらに、励起光を出力する励起光源640と、励起光を分散補償ファイバに導く光結合器と、信号光の伝搬方向にのみ光(信号光、励起光、自然放出光)を透過させる光アイソレータ800と、励起光及び自然放出光を遮断し信号光のみを透過させるフィルタ等とを一体化して、光ファイバ増幅器600を構成してもよい。この場合、分散シフトファイバの波長分散及び分散スロープは、分散補償ファイバにより補償されるだけでなく、分散シフトファイバにおいて生じた伝送損失は、分散補償ファイバにおける光増幅作用により相殺され得る。
【0083】
また、ラマン増幅を利用して信号光を増幅してもよい。すなわち、信号光の波長とは異なるがその波長値に近い波長を有し且つ十分に光量の大きい励起光を、光結合器620を介して分散補償ファイバに伝搬させることにより、ラマン効果により信号光を増幅させる。この場合も、分散シフトファイバの波長分散及び分散スロープは、分散補償ファイバにより補償されるだけでなく、分散シフトファイバにおいて生じた伝送損失は、分散補償ファイバにおける光増幅作用により相殺され得る。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る分散補償ファイバの、1.55μm波長帯における諸特性は、波長分散が−40ps/km/nm以上かつ0ps/km/nm以下、分散スロープが−0.5ps/km/nm2 以上かつ−0.1ps/km/nm2 以下、伝送損失が0.5dB/km以下、偏波モード分散が0.7ps・km-1/2以下、モードフィールド径が4.5μm以上かつ6.5μm以下、カットオフ波長が0.7μm以上かつ1.7μm以下、そして直径20mmでの曲げ損失が100dB/m以下である(特に、波長分散は−20ps/km/nm以上かつ−5ps/km/nm以下であり、分散スロープは−0.4ps/km/nm2 以上かつ−0.13ps/km/nm2 以下であることが好ましい)。
【0085】
この分散補償ファイバと他の光ファイバ(特に、分散シフトファイバあるいは分散シフトファイバを含む光伝送路)とを所定長比で光学的に続接続すれば、1.55μm波長帯において光伝送路全体の波長分散を効果的に低減することができるとともに、全体の分散スロープも改善される。これらの特性、並びに、伝送損失、偏波モード分散、モードフィールド径、カットオフ波長及び曲げ損失それぞれの条件から、長距離かつ大容量の光通信が可能となる。特に、WDM方式による光通信において、利用される波長多重信号光の各成分の波長についても、光伝送路全体の波長分散が改善されるので、より長距離かつ大容量の光通信が可能となる。
【0086】
また、この発明に係る分散補償ファイバは、2重クラッド構造、3重クラッド構造のいずれを備えてもよく、それぞれの構造において、所定のパラメータ条件(寸法比、各ガラス領域間の比屈折率差)を満たすことにより実現することができる。また、石英ガラスを主成分とする分散補償ファイバの場合、所定の比屈折率差を得るには、各ガラス領域にゲルマニウムやフッ素を選択的に添加することに実現できる。そして、そのパラメータの許容範囲は広いので製造は容易であり、製造において各パラメータのばらつきが生じた場合であっても、許容範囲内であれば長距離かつ大容量の光通信を行うに際して何等支障はない。
【0087】
さらに、当該分散補償ファイバのコア領域にエルビウム元素が添加された構成も実現できる。すなわち、当該分散補償ファイバに励起光を伝搬させることにより、波長分散及び分散スロープを補償するだけでなく、信号光の増幅をも行うことができる。
【0088】
また、この発明に係る光伝送システムは、この発明に係る分散補償ファイバと他の光ファイバ(特に、分散シフトファイバ)とが光学的に接続され、1.55μm波長帯において当該光伝送路全体の分散スロープが−0.02ps/km/nm2 以上0.05ps/km/nm2 以下に設定されている。したがって、この光伝送システムでは、長距離かつ大容量の光通信が可能であり、特にWDM方式で複数の波長を用いて光通信が行われる場合に、さらに長距離かつ大容量の光通信が可能となる。さらに、この発明に係る分散補償ファイバとしてエルビウム元素が添加されたものを用いれば、当該光伝送路は、長距離かつ大容量だけでなく低損失な光通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る分散補償ファイバを備えた、分散シフトファイバを含む光伝送システムの構成を示す図である。
【図2】この発明に係る分散補償ファイバを備えた、光ファイバ増幅器を含む光伝送システムの構成を示す図である。
【図3】この発明に係る分散補償ファイバによる、波長分散補償及び分散スロープ補償を説明するためのグラフである。
【図4】この発明に係る分散補償ファイバの第1実施例の断面構造及びその屈折率プロファイルを示す図である。
【図5】この発明に係る分散補償ファイバの第2実施例の断面構造及びその屈折率プロファイルを示す図である。
【図6】この発明に係る分散補償ファイバの第3実施例の断面構造及びその屈折率プロファイルを示す図である。
【図7】この発明に係る分散補償ファイバの第1実施例に適用可能な屈折率プロファイル(図4)の、種々の応用例を示す図である。
【図8】この発明に係る分散補償ファイバの第2実施例に適用可能な屈折率プロファイル(図5)の、種々の応用例を示す図である。
【図9】この発明に係る分散補償ファイバの第3実施例に適用可能な屈折率プロファイル(図6)の、種々の応用例を示す図である。
【図10】2重クラッド構造を備えた、分散補償ファイバの実験結果を示す表である。
【図11】3重クラッド構造を備えた、分散補償ファイバの実験結果を示す表である。
【符号の説明】
100、100a、100b、100c…分散補償ファイバ、110、120、130…コア領域、111、121、131…内側クラッド領域、122、132…中間クラッド領域、112、123、133…外側クラッド領域、500…光ファイバ伝送路(分散シフトファイバ)、600…光ファイバ増幅器、610…増幅用光ファイバ(又はエルビウム元素を含む分散補償ファイバ)、700…光ファイバ伝送路(分散シフトファイバのみ、又は分散シフトファイバ及び分散補償ファイバ)。
Claims (10)
- 石英ガラスを主成分とし、少なくとも、
所定の屈折率を有するガラス領域であって、3.5μm以上かつ6.0μm以下の外径を有するコア領域と、
前記コア領域の外周に設けられ、かつ該コア領域よりも低い屈折率を有するガラス領域であって、該コア領域の外径に対して2倍以上かつ3.3倍以下の外径を有する内側クラッド領域と、
前記内側クラッド領域の外周に設けられ、かつ該内側クラッド領域よりも高く前記コア領域よりも低い屈折率を有するガラス領域であって、該コア領域における最大屈折率を有する部位との比屈折率差が0.6%以上かつ1.4%以下であるとともに、前記内側クラッド領域における最小屈折率を有する部位との比屈折率差が0.25%以上かつ0.65%以下である外側クラッド領域と、そして、
前記内側クラッド領域と前記外側クラッド領域との間に設けられたガラス領域であって、該外側クラッド領域よりも高く前記コア領域よりも低い屈折率を有するとともに、該外側クラッド領域に対して最大屈折率を有する部位の比屈折率差が、0.2%以上かつ0.5%以下である中間クラッド領域を備え、
1.55μm波長帯の光に対する諸特性として、
波長分散が−40ps/km/nm以上かつ0ps/km/nm以下であり、
分散スロープが−0.5ps/km/nm2以上かつ−0.1ps/km/nm2以下であり、
伝送損失が0.5dB/km以下であり、
偏波モード分散が0.7ps・km−1/2以下であり、
モードフィールド径が4.5μm以上かつ6.5μm以下であり、
2mの基準長におけるカットオフ波長が0.7μm以上かつ1.7μm以下であり、そして、
直径20mmでの曲げ損失が100dB/m以下であることを特徴とする分散補償ファイバ。 - 石英ガラスを主成分とし、少なくとも、
所定の屈折率を有するガラス領域であって、3.5μm以上かつ6.0μm以下の外径を有するコア領域と、
前記コア領域の外周に設けられ、かつ該コア領域よりも低い屈折率を有するガラス領域であって、該コア領域の外径に対して2倍以上かつ3.3倍以下の外径を有する内側クラッド領域と、
前記内側クラッド領域の外周に設けられ、かつ該内側クラッド領域よりも高く前記コア領域よりも低い屈折率を有するガラス領域であって、該コア領域における最大屈折率を有する部位との比屈折率差が0.6%以上かつ1.4%以下であるとともに、前記内側クラッド領域における最小屈折率を有する部位との比屈折率差が0.25%以上かつ0.65%以下である外側クラッド領域と、そして、
前記内側クラッド領域と前記外側クラッド領域との間に設けられたガラス領域であって、該外側クラッド領域よりも高く前記コア領域よりも低い屈折率を有するとともに、該外側クラッド領域に対する最大屈折率を有する部位の比屈折率差が、0.2%以上かつ0.5%以下である中間クラッド領域とを備え、
1.55μm波長帯の光に対する諸特性として、
波長分散が−20ps/km/nm以上かつ−5ps/km/nm以下であり、
分散スロープが−0.4ps/km/nm2以上かつ−0.13ps/km/nm2以下であり、
伝送損失が0.5dB/km以下であり、
偏波モード分散が0.7ps・km−1/2以下であり、
モードフィールド径が4.5μm以上かつ6.5μm以下であり、
2mの基準長におけるカットオフ波長が0.7μm以上かつ1.7μm以下であり、そして、
直径20mmでの曲げ損失が100dB/m以下であることを特徴とする分散補償ファイバ。 - 前記コア領域には、ゲルマニウム元素が添加され、そして、前記内側クラッド領域には、フッ素元素が添加されていることを特徴とする請求項1又は2記載の分散補償ファイバ。
- 前記コア領域には、エルビウム元素が添加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の分散補償ファイバ。
- 前記外側クラッド領域には、フッ素元素が添加されていることを特徴とする請求項3又は4記載の分散補償ファイバ。
- 伝送路全体として、1.5μm波長帯の光に対し、−0.02ps/km/nm2以上かつ0.05ps/km/nm2以下の分散スロープを有する光伝送システムであって、少なくとも、
請求項1又は2記載の分散補償ファイバと、そして、
前記分散補償ファイバと光学的に接続された、前記伝送路の一部を構成する光ファイバ伝送路とを備えた光伝送システム。 - 前記伝送路の一部を構成するとともに、少なくとも、
コア領域にエルビウム元素が添加された増幅用光ファイバと、
前記増幅用光ファイバ内のエルビウム元素を励起する励起光を、該増幅用光ファイバに出力するための励起光源と、そして、
前記励起光源と前記増幅用光ファイバとを光学的に結合させるための光結合器とからなる光ファイバ増幅器を、さらに備えたことを特徴とする請求項6記載の光伝送システム。 - 伝送路全体として、1.5μm波長帯の光に対し、−0.02ps/km/nm2以上かつ0.05ps/km/nm2以下の分散スロープを有する光伝送システムであって、少なくとも、
請求項4記載の分散補償ファイバと、
前記分散補償ファイバと光学的に接続された、前記伝送路の一部を構成する光ファイバ伝送路と、
前記分散補償ファイバ内のエルビウム元素を励起する励起光を、該分散補償ファイバに出力するための励起光源と、そして、
前記励起光源と前記分散補償ファイバとを光学的に結合させるための光結合器とを備えたことを特徴とする光伝送システム。 - 前記光ファイバ伝送路は、その零分散波長が1560nm以下にシフトされた分散シフトファイバであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一記載の光伝送システム。
- 請求項1又は2記載の分散補償ファイバと、零分散波長が1450nm以上かつ1650nm以下に設定された分散シフトファイバとを含む光伝送システム。
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