JP3755753B2 - Piezoelectric vibration gyro and piezoelectric vibration gyro device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電振動ジャイロ及び高検出感度を備えた圧電振動ジャイロ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図13に示すような圧電振動ジャイロが知られている。この圧電振動ジャイロ160は、その長手方向の中心軸が角速度Ωの検出軸となっている。
【0003】
前記圧電振動ジャイロ160はともに四角枠状をなす励振用振動部164と検出用振動部167とを有する振動子161を備えている。同振動子161は折り曲げ加工された板材161aと、3つのマス161b〜161dとから形成されている。振動子161は、その長手方向にある検出軸方向での一方の端部が固定端とされ、同じく他方の端部が自由端とされている。
【0004】
振動子161の固定端側は励振用振動部164とされ、貫通孔162を有している。同励振用振動部164は互いに相対して平行に配置された一対の励振用扁平部163を有している。各励振用扁平部163の外面には励振用圧電板168が設けられている。振動子161の自由端側は検出用振動部167とされ、貫通孔165を有している。同検出用振動部167は、前記励振用扁平部163に直交するとともに、互いに相対して平行に配置された一対の検出用扁平部166を有している。各検出用扁平部166の外面には検出用圧電板169が設けられている。
【0005】
両励振用圧電板168の外面において、励振用振動部164の上部領域には励振用電極170aが設けられ、励振用振動部164の下部領域には励振用電極170bが設けられている。両検出用圧電板169の外面において、検出用振動部167の上部領域には検出用電極171aが設けられ、検出用振動部167の下部領域には検出用電極171bが設けられている。
【0006】
前記励振用電極170aと励振用電極170bは同じ面積で、かつ検出用電極171aと検出用電極171bは同じ面積となっている。
そして、圧電振動ジャイロ160によって角速度Ωを検出する際には、励振用電極170a,170bに交流圧電信号を印加して、励振用圧電板168及び励振用扁平部163をX方向に弾性振動させる。
【0007】
すると、検出軸(中心軸)回りに作用する角速度Ωによって検出用振動部167に対し検出軸(中心軸)及びX方向に垂直な方向、すなわちY方向に角速度Ωの大きさに比例したコリオリオ力が交番して作用する。このコリオリ力によって検出用扁平部166及び検出用圧電板169がY方向に弾性振動し、コリオリ力の大きさに比例した検出信号が検出用電極171a,171bに発生する。従って、この検出信号から角速度Ωを検出することができる。
【0008】
前記励振用電極170a,170bは面積が広いほど、面積が狭い場合に比して、励振用圧電板168及び励振用扁平部163を振動させる際に低い電圧の圧電信号で振動できる。一方、前記検出用電極171a,171bは、検出用圧電板169における最も圧縮及び伸張変形する部分(応力集中部分)のみに設けるべく、その面積を励振用電極170a、170bの面積に比して狭くしている。これは、応力集中部分に対して検出用電極171a,171bを面積を狭くして設けた方が、面積を広くして設ける場合よりも検出感度を高くすることができるからである。
【0009】
ところで、前記圧電振動ジャイロ160は、前記中心軸を中心とする回転対称性が良いほど、重量バランスがとれ良好な検出信号が得られる。しかし、圧電振動ジャイロ160の加工や組み付けを行う際、組み付け公差や、加工公差のため、前記対称性が微妙にずれることがある。この結果、高感度な検出を行う際には検出軸(中心軸)回りの角速度Ωが0になっていても、励振用振動部164のX方向の振動が、検出用振動部167へY方向の振動となってしまう漏れ振動が発生することがある。この現象は、メカニカルカップリングの影響により生ずる。この現象により検出用電極171a,171bに漏れ電圧が発生する。
【0010】
前記漏れ電圧を抑制するために、検出用電極171aの代わりに同検出用電極171aと同じ位置に、検出用電極171aと同面積の振動相殺用電極180を設けた圧電振動ジャイロが提案されている。この圧電振動ジャイロは、振動相殺用電極180(図13参照)に最適な圧電信号を印加することで振動を発生させ、その振動で検出用振動部167に発生する漏れ振動を相殺し、検出用電極171bのみでコリオリ力の大きさに比例した検出信号を検出している。この結果、圧電振動ジャイロに加工公差や組み付け公差があっても、漏れ振動の影響が少ない高感度な検出を行うことができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、後者の圧電振動ジャイロは振動相殺用電極180の面積が検出用電極171bの面積と同じで、かつ励振用電極170a,170bの面積に比して狭くしていた。このため、振動相殺用電極180は、例えば振動相殺用電極180を前記励振用電極170aと同面積にしたものと比べて、高い電圧の圧電信号を印加して漏れ振動を抑制する必要がある。これは、面積が狭いほど高い電圧を印加して振動させる必要があるからである。すると、検出用電極171bには振動相殺用電極180に印加される高い電圧の圧電信号の影響を受け、この結果、検出用電極171bからは、前記高い電圧の圧電信号に起因して生じたノイズを多く含んだ検出信号が出力されてしまう問題があった。
【0012】
従って、本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は振動相殺用電極から発生するノイズを極力抑制して検出用電極からノイズが少ない検出信号を出力することができる圧電振動ジャイロ及び圧電振動ジャイロ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、互いに相対する一対の励振用平板部がその両端で連結された励振用振動部と、互いに相対する一対の検出用平板部がその両端で連結された検出用振動部とを備え、前記励振用平板部と前記検出用平板部とが直交するように連結され、前記両励振用平板部及び両検出用平板部にはそれぞれ圧電部を有し、前記両励振用平板部の各圧電部には同平板部に振動を加える励振用電極がそれぞれ設けられ、前記両検出用平板部の各圧電部には同平板部に加えられた振動を検出する検出用電極と、同平板部に発生する漏れ振動を抑制する振動相殺用電極がそれぞれ設けられた圧電振動ジャイロにおいて、前記振動相殺用電極の面積は、検出用平板部の面積に比して2分の1以下で、かつ検出用電極の面積より広いことを要旨とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記振動相殺用電極は、検出用平板部の圧電部と同じ幅を有するように設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、励振用振動部の一端は固定端とし、他端は検出用振動部との連結端とし、検出用振動部の一端は自由端とし、他端は励振用振動部との連結端とすることを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、検出用振動部の一端は固定端とし、他端は励振用振動部との連結端とし、励振用振動部の一端は自由端とし、他端は検出用振動部との連結端とすることを要旨とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の圧電振動ジャイロを備えた装置であって、前記励振用電極は、第1励振用電極と第2励振用電極からなり、前記振動相殺用電極は、第1振動相殺用電極と第2振動相殺用電極とからなり、所定の周波数で発振信号を出力する発振回路と、入力した前記発振信号を反転し、第1励振用電極に対して発振信号に基づく圧電信号を印加する第1反転回路と、入力した前記発振信号を反転しないで、第2励振用電極に対して発振信号に基づく圧電信号を印加する第1非反転回路と、両検出用電極から検出信号の差を取り、両電極の検出信号の差に係る出力信号を出力する差動回路と、前記発振信号を入力し、発振信号の所定の位相補正に基づく補正信号を出力する位相補正回路と、入力した前記補正信号を反転し、第1振動相殺用電極に対して補正信号に基づく圧電信号を印加する第2反転回路と、入力した前記補正信号を反転しないで、第2振動相殺用電極に対して補正信号に基づく圧電信号を印加する第2非反転回路とを備えたことを要旨とする。
(作用)
従って、請求項1に記載の発明においては、振動相殺用電極に対して漏れ振動に応じた圧電信号を印加すると、検出用平板部に発生する漏れ振動が抑制される。この際、振動相殺用電極の面積は検出用平板部の面積に比して2分の1以下で、かつ検出用電極の面積より広いため、同振動相殺用電極の面積を検出用電極の面積と同じ面積にした場合と比べ以下の作用を奏する。振動相殺用電極と、「検出用電極の面積と同じ面積にした振動相殺用電極」とにそれぞれ同じ圧電信号を印加すると、前者の振動相殺用電極の方が検出用平板部を大きく振動させる。即ち、検出用平板部をある大きさに振動させる際に、振動相殺用電極の方が「検出用電極の面積と同じ面積にした振動相殺用電極」に比べ印加する圧電信号が小さくて済む。そして、振動相殺用電極に印加する圧電信号が小さいほど、その圧電信号が検出用電極に対してノイズとして検出されることが少なくなる。
【0017】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の作用に加えて、振動相殺用電極は、検出用平板部の圧電部における幅一杯に設けられている。そのため、振動相殺用電極は、例えば「長さが同じで、かつ幅が検出用平板部の圧電部における幅一杯まで設けられていない振動相殺用電極」と比べて広い面積を確保できる。この結果、振動相殺用電極は、検出用平板部に発生する漏れ振動を抑制する際に、「長さが同じで幅が検出用平板部の圧電部における幅一杯まで設けられていない振動相殺用電極」と比べて、小さな圧電信号を印加することで漏れ振動を抑制する。
【0018】
請求項3に記載の発明においては、請求項1又は請求項2に記載の作用に加えて、励振用振動部の一端は固定端とされ、他端は検出用振動部に連結される。検出用振動部の一端は自由端とされ、他端は励振用振動部に連結される。
【0019】
請求項4に記載の発明においては、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の作用に加えて、検出用振動部の一端は固定端とされ、他端は励振用振動部に連結される。励振用振動部の一端は自由端とされ、他端は検出用振動部に連結される。
【0020】
請求項5に記載の発明においては、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の作用に加えて、発振回路は所定の周波数で発振信号を出力する。第1反転回路は入力した前記発振信号を反転し、第1励振用電極に対して発振信号に基づく圧電信号を印加する。又、第1非反転回路は、入力した前記発振信号を反転しないで、第2励振用電極に対して発振信号に基づく圧電信号を印加する。この結果、駆動部である励振用平板部が振動する。
【0021】
前記励振用平板部の振動時に、圧電振動ジャイロが軸心の回りに回転した場合、差動回路は両検出用電極から検出信号の差を取り、両電極の検出信号の差に係る出力信号を出力する。位相補正回路は、前記発振信号を入力し、発振信号の所定の位相補正に基づく補正信号を出力する。第2反転回路は、入力した前記補正信号を反転し、第1振動相殺用電極に対して補正信号に基づく圧電信号を印加する。第2非反転回路は、入力した前記補正信号を反転しないで、第2振動相殺用電極に対して補正信号に基づく圧電信号を印加する。両振動相殺用電極は圧電信号が印加されると検出用平板部を振動させ、その振動により検出用平板部の漏れ振動を相殺する。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
なお、図1〜図6及び後記する図7〜図12は全て模式図であって、各部間の寸法関係は実際の寸法関係と異なる。
【0023】
以下、説明の便宜上、図1における上下方向を圧電振動ジャイロの上下方向として説明する。
また、本実施形態では、励振用平板部35Bから励振用平板部35Aへ向かう方向をX方向、検出用平板部36Aから検出用平板部36Bへ向かう方向をY方向という。そして、第1マス12から第3マス14へ向かう方向をZ方向という。前記X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交している(第2〜第4及び他の実施形態においても同じ)。
【0024】
図1及び図2に示すように、本実施形態の圧電振動ジャイロ10は、枠体11、第1マス12、第2マス13及び第3マス14とからなる振動子15を備えている。
【0025】
図2に示すように、枠体11は、互いに同一幅の帯状板材によって略四角枠状に形成された一対の励振用枠部16と、互いに同一幅の帯状板材によって略四角枠状に形成された一対の検出用枠部17とを備えている。励振用枠部16及び検出用枠部17は、励振用枠部16の天部、及び検出用枠部17の底部を形成する共通の連結部18によって、水平方向に対して互いに直交する向きとなるように形成されている。
【0026】
励振用枠部16は、一対の垂直板部20がその上側及び下側で連結されることで形成され、その底部には嵌合孔21を備えている。検出用枠部17は、一対の垂直板部22がその上側及び下側で連結されることで形成され、その天部には嵌合孔23を備えている。また、連結部18には嵌合孔18aが形成されている。
【0027】
枠体11は、図2,3に示すように、弾性金属板材を十字状に打ち抜き加工した金属板部材24を折り曲げ加工することで形成されている。弾性金属板材としては、厚さが200μm未満のものが使用される。弾性金属としては恒弾性材料、低膨張材料である例えばSUS304、エリンバー等が使用されている。金属板部材24は、2組の帯状材が十字状に、すなわち、直交して交差するように形成され、その交差部から互いに反対向きに延出する2組の延出片24A,24Bを備えている。両延出片24A,24Bの交差部には嵌合孔18aが形成されている。また、各延出片24Aの端には半円状の切り欠き部21aがそれぞれ形成され、各延出片24Bの端には半円状の切り欠き部23aがそれぞれ形成されている。
【0028】
そして、両延出片24Aを略四角枠状に閉じるように折り曲げ加工し、その各端同士を突き合わせて接合することで励振用枠部16が形成される。このとき、折り曲げ加工によって、一対の垂直板部20が互いに平行に且つ相対する位置に形成される。また、両延出片24Bを前記両延出片24Aの折曲方向とは逆方向に、かつ略四角枠状に閉じるように折り曲げ加工し、その各端同士を突き合わせて接合することで検出用枠部17が形成される。このとき、折り曲げ加工によって、一対の垂直板部22が互いに平行に且つ相対する位置に形成される。そして、両延出片24A,24Bの交差部によって連結部18が形成される。また、両延出片24Aの切り欠き部21aによって嵌合孔21が形成され、両延出片24Bの各切り欠き部23aによって嵌合孔23が形成される。
【0029】
第1マス12、第2マス13及び第3マス14はアルミニウム合金から鋳造で形成されている。図2に示すように、第1マス12は、その下面から突出する円柱状の嵌合部12aを備え、この嵌合部12aが嵌合孔21に嵌合することで励振用枠部16の下部内側に位置決めされている。前記第1マス12は励振用枠部16に対して接着固定されている。また、第2マス13は、その下面から突出する円柱状の嵌合部13aを備え、この嵌合部13aが嵌合孔18aに嵌合することで検出用枠部17の下部内側に位置決めされている。前記第2マス13は検出用枠部17に対して接着固定されている。また、第3マス14は、その上面から突出する円柱状の嵌合部14aを備え、この嵌合部14aが嵌合孔23に嵌合することで検出用枠部17の上部内側に位置決めされている。前記第3マス14は検出用枠部17に対して接着固定されている。
【0030】
圧電振動ジャイロ10は、図1に示すように、鉛直方向、即ちZ方向に配置された長手方向における下部に励振用振動部25を備え、同じく上部に検出用振動部26を備えている。
【0031】
なお、本実施形態では、枠体11の下端が図示しない固定部材に固定される固定端、上端が自由端とされている。言い換えると、前記励振用振動部25の下端は固定端に相当し、上端は検出用振動部26に連結する連結端に相当する。検出用振動部26の上端は自由端に相当し、下端は励振用振動部25に連結する連結端に相当する。
【0032】
励振用振動部25は、励振用枠部16、第1マス12、検出用枠部17の下部、及び第2マス13によって形成されている。図1,2,3に示すように、励振用振動部25は、励振用枠部16の両垂直板部20によって第1マス12よりも上側に形成された一対の励振用扁平部27A,27Bを備えている。そして、両励振用扁平部27A,27Bは、励振用枠部16の上部によってその上側で連結され、励振用枠部16の下部及び第1マス12によってその下側で連結されている。従って、両励振用扁平部27A,27Bは、互いに平行に且つ相対する位置に配置されている。
【0033】
また、検出用振動部26は、検出用枠部17、第2マス13及び第3マス14によって形成されている。図1,2,3に示すように、検出用振動部26は、検出用枠部17の両垂直板部22によって第2マス13と第3マス14との間に形成された一対の検出用扁平部28A,28Bを備えている。そして、両検出用扁平部28A,28Bは、検出用枠部17の上部及び第3マス14によってその上側で連結され、検出用枠部17の下部及び第2マス13によってその下側で連結されている。従って、検出用扁平部28A,28Bは、互いに平行に且つ相対する位置に配置されている。
【0034】
図1に示すように、励振用振動部25における励振用扁平部27A側の垂直板部20には、その外側面に励振用圧電板29Aが接着されている。同様に、励振用扁平部27B側の垂直板部20には、その外側面に励振用圧電板29Bが接着されている。前記励振用圧電板29A,29Bは圧電部に相当する。各励振用圧電板29A、29Bは同一材質にて同一形状に形成され、励振用振動部25の下端から励振用扁平部27A,27Bの上端までの範囲で励振用枠部16の幅と同じ幅で形成されている。各励振用圧電板29A,29Bは、ジルコン・チタン酸鉛(PZT)の板材から形成されている。
【0035】
励振用圧電板29Bには、図2に示すように、その内側面全体に接地電極30が形成されている。また、励振用圧電板29Aにも、同様にその内側面全体に接地電極30が形成されている。各接地電極30は、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたチタン、金等の電極膜からなる。
【0036】
また、励振用圧電板29Aには、その外側面に上下一対の励振用電極としての励振用電極膜31A,31Bが形成されている。なお、前記励振用電極膜31Aは第1励振用電極に相当し、励振用電極膜31Bは第2励振用電極に相当する。上側の励振用電極膜31Aは、励振用扁平部27Aの上部領域に対応する領域に形成され、下側の励振用電極膜31Bは、同じく下部領域に対応する領域に形成されている。また、励振用圧電板29Bにも、同様にその外側面に上下一対の励振用電極膜31B,31Aが形成されている。そして、上側の励振用電極膜31Bは、励振用扁平部27Bの上部領域に対応する領域に形成され、下側の励振用電極膜31Aは、同じく下部領域に対応する領域に形成されている。なお、各励振用電極膜31A,31Bは、同一の面積となるように形成されており、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたアルミニウム等の電極膜からなる。
【0037】
励振用圧電板29Aに形成された励振用電極膜31Aと励振用圧電板29Bに形成された励振用電極膜31Bとは、各励振用扁平部27A,27Bの上部領域間でX方向に沿って相対向するように形成されている。また、同様に、励振用圧電板29Aに形成された励振用電極膜31Bと励振用圧電板29Bに形成された励振用電極膜31Aとは、各励振用扁平部27A,27Bの下部領域間でX方向に沿って相対向するように形成されている。
【0038】
そして、前記励振用扁平部27Aと、前記励振用圧電板29Aにおける励振用扁平部27Aに相対する部位とにより、励振用平板部35Aが構成されている。また、前記励振用扁平部27Bと、前記励振用圧電板29Bにおける励振用扁平部27Bに相対する部位とにより、励振用平板部35Bが構成されている。
【0039】
前記検出用振動部26における検出用扁平部28A側の垂直板部22には、その外側面に検出用圧電板32Aが接着されている。また、検出用扁平部28B側の垂直板部22には、同様にその外側面に検出用圧電板32Bが接着されている。前記検出用圧電板32A,32Bは圧電部に相当する。各検出用圧電板32A,32Bは同一材質にて同一形状に形成され、各検出用扁平部28A,28Bの下端から検出用振動部26の上端までの範囲で検出用枠部17の幅と同じ幅で形成されている。各検出用圧電板32A,32Bは、励振用圧電板29A,29Bと同様にジルコン・チタン酸鉛(PZT)の板材から形成されている。
【0040】
検出用圧電板32Bには、図2に示すように、その内側面全体に接地電極33が形成されている。また、検出用圧電板32Aにも、同様にその内側面全体に接地電極33が形成されている。各接地電極33は、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたチタン、金等の電極膜からなる。検出用圧電板32A,32Bには、その外側面の上下に振動相殺用電極膜34A及び検出用電極膜34Bが形成されている。
【0041】
前記振動相殺用電極膜34Aは振動相殺用電極に相当し、前記検出用電極膜34Bは検出用電極に相当する。また、検出用圧電板32Aの振動相殺用電極膜34Aは第1振動相殺用電極に相当し、検出用圧電板32Bの振動相殺用電極膜34Aは第2振動相殺用電極に相当する。
【0042】
上側の振動相殺用電極膜34Aは、検出用扁平部28A,28Bの上部領域に対応する領域に形成され、下側の検出用電極膜34Bは、同じく下部領域に対応する領域に形成されている。
【0043】
前記検出用電極膜34Bは、検出用圧電板32A,32Bにおける最も圧縮及び伸張変形する部分(応力集中部分)のみに設けるべく、その面積を励振用電極膜31A,31Bの面積に比して狭くしている。これは、応力集中部分に対して検出用電極膜34Bの面積を狭くして設けた方が、面積を広くして設ける場合よりも検出感度を高くすることができるからである。
【0044】
前記振動相殺用電極膜34A及び検出用電極膜34Bは、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたアルミニウム等の電極膜からなる。
検出用圧電板32Aに形成された振動相殺用電極膜34Aと検出用圧電板32Bに形成された振動相殺用電極膜34Aとは、各検出用扁平部28A,28Bの上部領域間でY方向に沿って相対向するように形成されている。また、同様に、検出用圧電板32Aに形成された検出用電極膜34Bと検出用圧電板32Bに形成された検出用電極膜34Bとは各検出用扁平部28A,28Bの下部領域間でY方向に沿って相対向するように形成されている。
【0045】
これは、例えば検出用振動部26が図4に示すようにY方向へ向け波形に変形した場合、検出用圧電板32Aにおいて、検出用扁平部28Aの上部領域に対応する部位は縮み、検出用扁平部28Aの下部領域に対応する部位は伸びる。一方、検出用圧電板32Bにおいて、検出用扁平部28Bの上部領域に対応する部位は伸び、検出用扁平部28Aの下部領域に対応する部位は縮む。この伸び・縮みが生ずるそれぞれに部位に対応して振動相殺用電極膜34A、及び検出用電極膜34Bとが配置されている。なお、図4では、検出用圧電板32A,32B内において、矢印は検出用圧電板32A,32Bの分極方向を示し、右下がりのハッチング部分は伸びている部分を示し、左下がりのハッチング部分は縮み部分を示している。
【0046】
そして、前記検出用扁平部28Aと、前記検出用圧電板32Aにおける検出用扁平部28Aに相対する部位とにより、検出用平板部36Aが構成されている。また、前記検出用扁平部28Bと、前記検出用圧電板32Bにおける検出用扁平部28Bに相対する部位とにより、検出用平板部36Bが構成されている。
【0047】
図1に示すように、前記検出用平板部36A,36Bの長さをL、幅をWとすると、振動相殺用電極膜34Aの長さは略「Lの5分の2」で、幅はWとされている。検出用電極膜34Bの長さは略「Lの7分の1」で、幅はWとされている。即ち、振動相殺用電極膜34Aの面積は検出用平板部36A,36Bの2分の1以下の面積で、かつ検出用電極膜34Bの面積より広くされている。
【0048】
そして、前記励振用平板部35A,35Bと前記検出用平板部36A,36Bは互いに直交した状態で配置され、前記励振用平板部35A,35Bの振動が検出用平板部36A,36Bに伝達するようにされている。
【0049】
なお、本実施形態では、励振用平板部35A,35Bの共振周波数と、検出用平板部36A,36Bの共振周波数が同一になるように設定されている。
次に、図5を参照して、上記圧電振動ジャイロ10を採用した圧電振動ジャイロ装置71を説明する。
【0050】
なお、図5の圧電振動ジャイロ10は模式図であり、説明の便宜上励振用振動部25に対して検出用振動部26を90度回転させて図示している。
圧電振動ジャイロ装置71は、発振回路72を備えている。同発振回路72は所定周波数の発振信号を発振し、反転増幅回路73、非反転増幅回路74、及び位相補正回路75に出力する。反転増幅回路73は、入力した発振信号を反転増幅し、圧電振動ジャイロ10の励振用電極膜31Aに、反転増幅した発振信号に基づく圧電信号を印加する。又、非反転増幅回路74は入力した発振信号を増幅し、圧電振動ジャイロ10の励振用電極膜31Bに、増幅した発振信号に基づく圧電信号を印加する。前記反転増幅回路73は第1反転回路に相当し、非反転増幅回路74は第1非反転回路に相当する。なお、圧電振動ジャイロ10の振動子15は接地電極30,33を介して接地されている。
【0051】
位相補正回路75は入力した発振信号に位相補正を行い、その位相補正を行った発振信号を補正信号として反転増幅回路76及び非反転増幅回路77に出力する。反転増幅回路76は、入力した補正信号を反転増幅し、検出用平板部36Aの振動相殺用電極膜34Aに、反転増幅した補正信号に基づく圧電信号を印加する。又、非反転増幅回路77は入力した補正信号を増幅し、検出用平板部36Bの振動相殺用電極膜34Aに、増幅した補正信号に基づく圧電信号を印加する。前記反転増幅回路76は第2反転回路に相当し、非反転増幅回路77は第2非反転回路に相当する。
【0052】
検出部である検出用振動部26において、互いに反対側面同士に設けられた両検出用電極膜34Bは差動回路78に電気的に接続されている。同差動回路78は、両検出用電極膜34Bから検出信号を入力し、その差を取り、2倍の出力信号として出力する。
【0053】
なお、前記位相補正回路75の位相補正量の設定は、下記のようにして行う。角速度が働かない状態、すなわち、コリオリの力が発生しない状態において、圧電振動ジャイロ10に位相補正をかけずに、励振用電極膜31A,31Bに対して、発振回路72から前記反転増幅回路73、非反転増幅回路74を介して圧電信号を印加する。そして、検出用電極膜34Bから、そのときの検出信号を差動回路78を介して入力測定する。
【0054】
このときの検出信号には、従来技術で説明したようにメカニカルカップリングによる漏れ振動によってオフセット電圧分も含んでいる。このオフセット電圧を解消、すなわち、0とするように、前記位相補正回路75の回路定数等を設定することにより位相補正量が決定されている。
【0055】
次に圧電振動ジャイロ装置71の作用について説明する。
さて、上記のように構成された圧電振動ジャイロ装置71を使用する場合、枠体11(励振用振動部25)の固定端を固定する。その状態で、励振用振動部25の励振用電極膜31A,31Bに対して、前記発振回路72、反転増幅回路73、及び非反転増幅回路74にてそれぞれ反対電位の交番電圧を同期して印加する。
【0056】
すると、励振用圧電板29A,29Bの分極方向が励振用電極膜31A,31Bから垂直板部20の方向に向いている場合、プラス電位側に印加された方の励振用圧電板29A,29Bは圧縮され、マイナス電位に印加された側の励振用圧電板29A,29Bは引き伸ばされる。そして、交番電圧による極性の変化によって、励振用圧電板29Aは、上下に配置された励振用電極膜31A,31Bの裏面側において圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返される。又、励振用圧電板29Bは、上下に配置された励振用電極膜31A,31Bの裏面側において、圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返される。
【0057】
この結果、励振用振動部25は、X、反X方向に駆動され、上部に位置する検出用振動部26は同方向に振動する。
そして、この振動状態で、圧電振動ジャイロ10に角速度Ωの回転が加わったときに、コリオリ力が交番して作用し、検出用振動部26において検出用圧電板32A及び検出用圧電板32Bは特に応力集中部で、圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返される。
【0058】
このとき、例えば、図4に示すように検出用振動部26がY方向へ向け波形に変形した場合、検出用圧電板32Bの上側は伸び、下側は縮む。一方、検出用圧電板32Aの上側は縮み、下側は伸びる。この伸び・縮みが生ずるそれぞれの部位に対応して配置された各検出用電極膜34Bがそのときに検出用圧電板32A,32Bに発生した検出信号を差動回路78に出力する。なお、検出用圧電板32A、及び検出用圧電板32Bは互いに反対に作動(延び・縮み)するため、検出用圧電板32A,32Bで発生する圧電信号(検出信号)の極性は逆になる。
【0059】
従って、差動回路78では、両検出用電極膜34Bの検出信号の差が取られるため、差動回路78からの出力信号は、元の検出信号の2倍の電圧となる。この出力信号に基づいて角速度Ωが検出される。
【0060】
上記圧電振動ジャイロ10は励振用平板部35A,35Bの共振周波数と、検出用平板部36A,36Bの共振周波数が同一になるように設定されている。このように共振周波数が同一になればなるほど、加工及び組み付け精度のバラツキによる対称性のずれ等の影響により、角速度Ωが0にもかかわらずメカニカルカップリングの影響を受け、検出用振動部26がY、反Y方向に振動することがある(以下、このような振動を漏れ振動という)。
【0061】
この漏れ振動を抑制すべく、圧電振動ジャイロ装置71は両振動相殺用電極膜34Aに対して前記発振回路72、位相補正回路75、反転増幅回路76、及び非反転増幅回路77にてそれぞれ反対電位の交番電圧を同期して印加する。そして、位相補正回路75からの圧電信号は、オフセット電圧が0となるように位相補正されているため、前記両振動相殺用電極膜34Aに印加される圧電信号により、Y方向及び反Y方向に発生している漏れ振動が減少する。
【0062】
ところで、両振動相殺用電極膜34Aの面積は検出用平板部36A,36Bの2分の1以下の面積で、かつ検出用電極膜34Bの面積より広くされている。そのため、各振動相殺用電極膜34Aに面した、すなわち各振動相殺用電極膜34Aに直接触れている部分の検出用圧電板32A,32Bは以下に示す作用を奏する。
【0063】
図6には、板厚d、長さL、幅Wの圧電板が示されている。この圧電板の電気容量Cは、
C=(S・εo ・εr )/d ……(式1)
(εo は真空誘電率、εr は圧電板の比誘電率、S(振動相殺用電極膜34Aに直接触れている部分の圧電板の面積)=W×L)
となる。
【0064】
前記圧電板に圧電信号Aを印加した際に、圧電板に発生する+ΔQ、−ΔQの電荷は、
ΔQ=A・C ……(式2)
となる。なお、前記(式2)中のAは、圧電信号Aの電圧である。
【0065】
ところで、圧電板に+ΔQ、−ΔQの電荷が発生すると、その電荷の大きさに比例して圧電板の長さの変量ΔLも大きくなる。
そして、前記(式1)と前記(式2)より、
A=(ΔQ・d)/(S・εo ・εr ) ……(式3)
の関係式が導き出される。
【0066】
前記(式3)より、圧電信号Aの印加電圧及び板厚dが一定の場合において、圧電板の面積Sが広いほどΔQ(ΔL)が大きくなることが導き出せる。即ち、前記板厚d及びΔLが一定の場合において、面積Sが広いほど、圧電信号Aの電圧は低くなる。
【0067】
従って、振動相殺用電極膜34Aによって、検出用振動部26をある一定の大きさで振動させる場合、本実施形態の振動相殺用電極膜34Aは、「検出用電極膜34Bの面積と同面積の振動相殺用電極膜34Aを使用して漏れ振動を減少させる場合」と比べ使用する圧電信号としての印加電圧は低くて済む。そして、振動相殺用電極膜34Aに印加する圧電信号の印加電圧が低いほど、その振動相殺用電極膜34Aに印加した圧電信号が検出用電極膜34Bを介してノイズとして検出されることが少なくなる。
【0068】
従って、上記第1実施形態の圧電振動ジャイロ10及び圧電振動ジャイロ装置71によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の圧電振動ジャイロ10は、互いに相対する一対の励振用平板部35A,35Bがその両端で連結された励振用振動部25を備えた。また、圧電振動ジャイロ10は、互いに相対する一対の検出用平板部36A,36Bがその両端で連結された検出用振動部26を備えた。前記励振用平板部35A,35Bと検出用平板部36A,36Bとが直交するように連結した。励振用平板部35A,35B及び検出用平板部36A,36Bには、各平板部に振動を加える励振用圧電板29A,29B及び検出用圧電板32A,32Bをそれぞれ設けた。
【0069】
検出用平板部36A,36Bの検出用圧電板32A,32Bには前記平板部36A,36Bに加えられた振動を検出する検出用電極膜34Bと、前記平板部36A,36Bに発生する漏れ振動を抑制する振動相殺用電極膜34Aを設けた。前記振動相殺用電極膜34Aの面積は、検出用平板部36Aの面積に比して2分の1以下で、かつ検出用電極膜34Bの面積より広くした。
【0070】
そのため、前記(式3)より、振動相殺用電極膜34Aに対して漏れ振動に応じた圧電信号を印加する際に、振動相殺用電極膜34Aに印加する圧電信号の印加電圧は、「検出用電極膜34Bの面積と同面積の振動相殺用電極膜34A」と比べ、低く済む。そして、振動相殺用電極膜34Aに印加する圧電信号の印加電圧が低いほど、その振動相殺用電極膜34Aに印加した圧電信号が検出用電極膜34Bを介してノイズとして検出されることが少なくできる。
【0071】
従って、圧電振動ジャイロ10は、振動相殺用電極膜34Aから発生するノイズを極力抑制して、検出用電極膜34Bからノイズが少ない検出信号を出力することができる。
【0072】
(2)本実施形態では、振動相殺用電極膜34Aの幅は、検出用平板部36A,36Bの幅と同じ幅に設けた。そのため、振動相殺用電極膜34Aは、例えば「電極膜の長さLが同じで、かつ幅Wが検出用平板部36A,36Bの幅よりも狭く設けた振動相殺用電極膜34A」と比べて面積が大きくなる。この結果、振動相殺用電極膜34Aは、例えば「電極膜の長さLが同じで、かつ幅Wが検出用平板部36A,36Bの幅よりも狭く設けた振動相殺用電極膜34A」と比べて振動相殺用電極膜34Aから発生するノイズを極力抑制して、検出用電極膜34Bからノイズが少ない検出信号を出力することができる。
【0073】
(3)本実施形態では、励振用振動部25の下端を固定端とし、励振用振動部25の上端と、検出用振動部26の下端とを連結した。そして、検出用振動部26の上端を自由端とした。従って、本実施形態では励振用振動部25を固定した圧電振動ジャイロ10として実現できる。
【0074】
(4)本実施形態の圧電振動ジャイロ装置71は圧電振動ジャイロ10を備えた。加えて、圧電振動ジャイロ装置71は所定の周波数で発振信号を出力する発振回路72と、入力した発振信号を反転し励振用電極膜31Aに対して発振信号に基づく圧電信号を印加する反転増幅回路73とを備えた。また、圧電振動ジャイロ装置71は、入力した発振信号を反転しないで励振用電極膜31Bに対して発振信号に基づく圧電信号を印加する非反転増幅回路74と、両検出用電極膜34Bから検出信号の差を取り、両検出用電極膜34Bの検出信号の差に係る出力信号を出力する差動回路78とを備えた。
【0075】
前記圧電振動ジャイロ装置71は、発振信号を入力し、発振信号の位相補正に基づく補正信号を出力する位相補正回路75を備えた。圧電振動ジャイロ装置71は、入力した前記補正信号を反転し検出用平板部36Aの振動相殺用電極膜34Aに対して補正信号に基づく圧電信号を印加する反転増幅回路76を備えた。圧電振動ジャイロ装置71は、入力した前記補正信号を反転しないで、検出用平板部36Bの振動相殺用電極膜34Aに対して補正信号に基づく圧電信号を印加する非反転増幅回路77とを備えた。
【0076】
そして、両振動相殺用電極膜34Aは圧電信号が印加されると検出用平板部36A,36Bを振動させ、その振動により検出用平板部36A,36Bの漏れ振動を相殺するようにした。従って、圧電振動ジャイロ10における検出用電極膜34Bが振動相殺用電極膜34Aのノイズの影響を受けることが少ない、圧電振動ジャイロ装置71とすることができる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図7〜図10に従って説明する。
なお、説明の便宜上、図7(a)における上下方向を圧電振動ジャイロの上下方向として説明する。
【0078】
また、本実施形態では、検出用平板部66Bから検出用平板部66Aへ向かう方向をX方向、励振用圧電板59Aから励振用圧電板59Bへ向かう方向をY方向という。そして、第3マス44から第2マス43へ向かう方向をZ方向という。
【0079】
図7(a)及び図8に示すように、本実施形態の圧電振動ジャイロ40は、枠体41、第1マス42、第2マス43及び第3マス44とからなる振動子45を備えている。
【0080】
枠体41は、互いに同一幅の帯状板材によって略逆チャンネル形状に折り曲げ形成された一対の励振用屈曲部46と、互いに同一幅の帯状板材によって略逆チャンネル形状に折り曲げ形成された一対の検出用屈曲部47とを備えている。励振用屈曲部46及び検出用屈曲部47は、励振用屈曲部46の天部、及び検出用屈曲部47の天部を形成する共通の連結部48によって、水平方向に対して互いに直交する向きとなるように形成されている。前記連結部48には嵌合孔48aが形成されている。
【0081】
枠体41は、図10に示すように、弾性金属板材を十字状に打ち抜き加工した金属板部材54を折り曲げ加工することで形成されている。弾性金属板材としては、厚さが200μm未満のものが使用される。弾性金属としては恒弾性材料、低膨張材料である例えばSUS304、エリンバー等が使用されている。金属板部材54は、2組の帯状材が十字状に交差するように形成され、その交差部から互いに反対向きに延出する2組の延出片54A,54Bを備えている。両延出片54A,54Bの交差部には嵌合孔48aが形成されている。
【0082】
そして、図8に示すように、両延出片54Aを略逆チャンネル形状に折り曲げ加工することで励振用屈曲部46が形成される。このとき、折り曲げ加工によって、一対の垂直板部50が互いに平行に且つ重なる位置に形成される。また、両延出片54Bを前記両延出片54Aの折曲方向と同方向に略逆チャンネル形状に折り曲げ加工することで検出用屈曲部47が形成される。このとき、折り曲げ加工によって、一対の垂直板部52が互いに平行に且つ相対する位置に形成される。そして、両延出片54A,54Bの交差部によって連結部48が形成される。
【0083】
図7(a),7(b),8に示すように、前記両垂直板部50の外側面には、圧電部としての励振用圧電板59A,59Bが接着されている。各励振用圧電板59A、59Bは同一材質にて同一形状に形成され、垂直板部50の下端から上端までの範囲で、かつ垂直板部50の幅と同じ幅で形成されている。同様に、図7(a),7(c),8に示すように、垂直板部52の外側面には圧電部としての検出用圧電板62A,62Bが接着されている。各検出用圧電板62A、62Bは同一材質にて同一形状に形成され、垂直板部52の下端から上端までの範囲で、かつ垂直板部52の幅と同じ幅で形成されている。
【0084】
各励振用圧電板59A,59B、及び各検出用圧電板62A,62Bは、ジルコン・チタン酸鉛(PZT)の板材から形成されている。図8に示すように、励振用圧電板59A,59Bには、その内側面全体に接地電極60が形成され、検出用圧電板62A、62Bには、その内側面全体に接地電極63が形成されている。各接地電極60,63は、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたチタン、金等の電極膜からなる。
【0085】
第1マス42、第2マス43及び第3マス44はアルミニウム合金から鋳造で形成されている。図7(a)及び図8に示すように、第1マス42は略凹状に形成され、同第1マス42の凹み部42aに前記垂直板部50,52の下端が配置されている。そして、前記第1マス42の凹み部42a内には、一対の係合段部42bが形成されている。同係合段部42bには前記励振用圧電板59A,59Bをそれぞれ貼着した両垂直板部50が当接した状態で接着固定され、前記枠体41は第1マス42に位置決めされている。
【0086】
また、第2マス43は、その上面から突出する円柱状の嵌合部43aを備え、この嵌合部43aが前記嵌合孔48aに嵌合されて、検出用屈曲部47の上部内側に位置決めされて接着固定されている。また、第3マス44は一対の係合段部44a(図8において片方のみ図示)を備えている。この両係合段部44aには前記検出用圧電板62A,62Bをそれぞれ貼着した両垂直板部52が当接した状態で接着固定され、前記第3マス44は垂直板部52の下端に対して位置決めされている。
【0087】
圧電振動ジャイロ40は、図7(a)に示すように、励振用振動部55と検出用振動部56とを備えている。前記励振用振動部55は励振用振動部に相当し、前記検出用振動部56は検出用振動部に相当する。
【0088】
励振用振動部55は、励振用屈曲部46、第1マス42、検出用屈曲部47の上部、及び第2マス43によって形成されている。なお、本実施形態では、第1マス42の下端が図示しない固定部材に固定される固定端とされている。言い換えると、励振用振動部55の下端は固定端に相当し、加えて、励振用振動部55の上端は検出用振動部56と連結する連結端に相当する。
【0089】
図8,10に示すように、励振用振動部55は、励振用屈曲部46の両垂直板部50によって第1マス42よりも上側に形成された一対の励振用扁平部57A,57Bを備えている。そして、図7(a)に示すように、両励振用扁平部57A,57Bは、励振用屈曲部46の上部によってその上側で連結され、第1マス42によってその下側で互いに連結されている。従って、両励振用扁平部57A,57Bは、互いに平行に且つ相対する位置に配置されている。
【0090】
図7(a)及び図8に示すように、前記励振用扁平部57Aと、前記励振用圧電板59Aにおける励振用扁平部57Aに相対する部位とにより、励振用平板部65Aが構成されている。また、前記励振用扁平部57Bと、前記励振用圧電板59Bにおける励振用扁平部57Bに相対する部位とにより、励振用平板部65Bが構成されている(図7(b)参照)。
【0091】
また、図7(a),7(b)に示すように、励振用圧電板59Aには、その外側面に上下一対の励振用電極膜61A,61Bが形成されている。前記励振用電極膜61A,61Bは励振用電極に相当する。また、励振用電極膜61Aは第1励振用電極に相当し、励振用電極膜61Bは第2励振用電極に相当する。上側の励振用電極膜61Aは、励振用扁平部57Aの上部領域に対応する領域に形成され、下側の励振用電極膜61Bは、同じく下部領域に対応する領域に形成されている。一方、励振用圧電板59Bには、その外側面に上下一対の励振用電極膜61B,61Aが形成されている。上側の励振用電極膜61Bは、励振用扁平部57Bの上部領域に対応する領域に形成され、下側の励振用電極膜61Aは、同じく下部領域に対応する領域に形成されている。
【0092】
なお、各励振用電極膜61A,61Bは同一の面積となるように形成されおり、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたアルミニウム等の電極膜からなる。
【0093】
励振用平板部65Aに形成された励振用電極膜61Aと励振用平板部65Bに形成された励振用電極膜61Bとは、各励振用平板部65A,65Bの上部領域間でY方向に沿って相対向するように形成されている。また、同様に、励振用平板部65Aに形成された励振用電極膜61Bと励振用平板部65Bに形成された励振用電極膜61Aとは、各励振用平板部65A,65Bの下部領域間でY方向に沿って相対向するように形成されている。
【0094】
一方、図7(a)及び図8に示すように、検出用振動部56は検出用屈曲部47、第2マス43及び第3マス44によって形成されている。なお、本実施形態では、第3マス44の下端が自由端とされている。言い換えると、検出用振動部56の下端は自由端に相当し、上端は励振用振動部55と連結する連結端に相当する。
【0095】
図8,10に示すように、検出用振動部56は、検出用屈曲部47の両垂直板部52によって第2マス43と第3マス44との間に形成された一対の検出用扁平部58A,58Bを備えている。そして、図7(a)に示すように、両検出用扁平部58A,58Bは、第3マス44によってその下側で連結され、検出用屈曲部47の上部及び第2マス43によってその上側で連結されている。従って、検出用扁平部58A,58Bは、互いに平行に且つ相対する位置に配置されている。
【0096】
前記検出用扁平部58Aと、前記検出用圧電板62Aにおける検出用扁平部58Aに相対する部位とにより、検出用平板部66Aが構成されている。また、前記検出用扁平部58Bと、前記検出用圧電板62Bにおける検出用扁平部58Bに相対する部位とにより、検出用平板部66Bが構成されている(図7(c)参照)。前記検出用平板部66A,66Bは検出用平板部に相当する。
【0097】
図7(a),7(c)に示すように、検出用圧電板62A,62Bには、その外側面に上下一対の検出用電極膜64A及び振動相殺用電極膜64Bが形成されている。前記検出用電極膜64Aは検出用電極に相当し、振動相殺用電極膜64Bは振動相殺用電極に相当する。また、検出用圧電板62Bの振動相殺用電極膜64Bは第1振動相殺用電極に相当し、検出用圧電板62Aの振動相殺用電極膜64Bは第2振動相殺用電極に相当する。上側の検出用電極膜64Aは、検出用平板部66A,66Bの上部領域に対応する領域に形成され、下側の振動相殺用電極膜64Bは、同じく下部領域に対応する領域に形成されている。両検出用電極膜64A及び両振動相殺用電極膜64Bは、スパッタリング、真空蒸着等によって形成されたアルミニウム等の電極膜からなる。
【0098】
検出用平板部66Aに形成された検出用電極膜64Aと検出用平板部66Bに形成された検出用電極膜64Aとは、各検出用平板部66A,66Bの上部領域間でX方向に沿って相対向するように形成されている。また、同様に、検出用平板部66Aに形成された振動相殺用電極膜64Bと検出用平板部66Bに形成された振動相殺用電極膜64Bとは各検出用平板部66A,66Bの下部領域間でX方向に沿って相対向するように形成されている。
【0099】
これは、例えば検出用振動部56がX方向へ向け波形に変形した場合、検出用圧電板62Aにおいて、検出用扁平部58Aの上部領域に対応する部位は縮み、検出用扁平部58Aの下部領域に対応する部位は伸びる。一方、検出用圧電板62Bにおいて、検出用扁平部58Bの上部領域に対応する部位は伸び、検出用扁平部58Aの下部領域に対応する部位は縮む。この伸び・縮みが生ずるそれぞれの部位に対応して検出用電極膜64A、及び振動相殺用電極膜64Bとが配置されている。
【0100】
図7(a)に示すように、前記検出用平板部66A,66Bの長さをL、幅をWとすると、検出用電極膜64Aの長さは略「Lの7分の1」で、幅はWとされている。振動相殺用電極膜64Bの長さは略「Lの5分の2」で、幅はWとされている。即ち、振動相殺用電極膜64Bの面積は検出用平板部66A,66Bの2分の1以下の面積で、かつ検出用電極膜64Aの面積より広くされている。
【0101】
そして、前記励振用平板部65A,65Bと前記検出用平板部66A,66Bは互いに直交した状態で配置されている。前記励振用平板部65A,65Bの振動が検出用平板部66A,66Bに伝達するようにされている。
【0102】
ところで、前記励振用平板部65A,65B及び前記検出用平板部66A,66Bは、励振用平板部65A,65Bの共振周波数と、検出用平板部66A,66Bの共振周波数が同一になるように設定されている。
【0103】
次に、図9を参照して上記圧電振動ジャイロ40を採用した圧電振動ジャイロ装置81を説明する。
なお、圧電振動ジャイロ装置81は前記第1実施形態の圧電振動ジャイロ装置71における圧電振動ジャイロ10を圧電振動ジャイロ40に取り替えたものであるため、圧電振動ジャイロ装置71と異なる部分を説明する。また、図9の圧電振動ジャイロ40は模式図であり、説明の便宜上図5に示す圧電振動ジャイロ10と同じ図にて示している。また、図9では図5と比べて反転増幅回路76と非反転増幅回路77との図示位置を逆にしている。
【0104】
反転増幅回路73は励振用電極膜61Aに圧電信号を印加し、非反転増幅回路74は励振用電極膜61Bに圧電信号を印加する。反転増幅回路76は検出用平板部66Bの振動相殺用電極膜64Bに圧電信号を印加し、非反転増幅回路77は検出用平板部66Aの振動相殺用電極膜64Bに圧電信号を印加する。差動回路78は両検出用電極膜64Aに電気的に接続され、検出用電極膜64Aからの検出信号を入力する。
【0105】
次に、圧電振動ジャイロ装置81の作用について説明する。
さて、上記のように構成された圧電振動ジャイロ装置81を使用する場合、第1マス42(励振用振動部55)を固定する。その状態で、励振用振動部55の励振用電極膜61A,61Bに対して、前記発振回路72、反転増幅回路73、及び非反転増幅回路74にてそれぞれ反対電位の交番電圧を同期して印加する。すると、交番電圧による極性の変化によって、励振用圧電板59Aは、上下に配置された励振用電極膜61A,61Bの裏面側において圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返される。又、励振用圧電板59Bは、上下に配置された励振用電極膜61A,61Bの裏面側において、圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返される。この結果、励振用振動部55は、Y、反Y方向に駆動され、検出用振動部56は同方向に振動する。
【0106】
そして、この振動状態で、圧電振動ジャイロ40に角速度Ωの回転が加わったときに、コリオリ力が交番して作用し、検出用振動部56において検出用圧電板62A及び検出用圧電板62Bは、特に応力集中部において、圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返される。
【0107】
このとき、例えば、検出用振動部56がX方向へ向け波形に変形した場合、検出用圧電板62Aの上側は縮み、下側は伸びる。一方検出用圧電板62Bの上側は伸び、下側は縮む。この伸び・縮みが生ずるそれぞれの部位に対応して配置された各検出用電極膜64Aがそのときに検出用圧電板62A,62Bに発生した検出信号を差動回路78に出力する。
【0108】
なお、検出用圧電板62A、及び検出用圧電板62Bは互いに反対に作動(延び・縮み)するため、検出用圧電板62A,62Bで発生する圧電信号(検出信号)の極性は逆になる。
【0109】
従って、差動回路78から第1実施形態と同様に元の検出信号の2倍の電圧の出力信号が出力される。この出力信号に基づいて角速度Ωが検出される。
上記圧電振動ジャイロ40は励振用平板部65A,65Bの共振周波数と、検出用平板部66A,66Bの共振周波数が同一になるように設定されている。そして、検出用振動部56に漏れ振動が発生することを抑制すべく、圧電振動ジャイロ装置81は両振動相殺用電極膜64Bに対して前記発振回路72、位相補正回路75、反転増幅回路76、及び非反転増幅回路77にてそれぞれ反対電位の交番電圧を同期して印加する。そして、位相補正回路75からの圧電信号は、オフセット電圧が0となるように位相補正されているため、前記両振動相殺用電極膜64Bに印加される圧電信号により、X方向及び反X方向に発生している漏れ振動が減少する。
【0110】
ところで、両振動相殺用電極膜64Bの面積は検出用平板部66A,66Bの2分の1以下の面積で、かつ検出用電極膜64Aの面積より広くされている。そのため、各振動相殺用電極膜64Bに面した、すなわち各各振動相殺用電極膜64Bに直接触れている部分の検出用圧電板62A,62Bは、前記第1実施形態における「圧電振動ジャイロ装置71の作用の説明」中の(式3)より以下の効果を奏する。
【0111】
従って、振動相殺用電極膜64Bによって、検出用振動部56をある一定の大きさで振動させる場合、本実施形態の振動相殺用電極膜64Bは、「検出用電極膜64Aの面積と同面積の振動相殺用電極膜64Bを使用して漏れ振動を減少させる場合」と比べ使用する圧電信号の印加電圧は低くて済む。そして、振動相殺用電極膜64Bに印加する圧電信号の印加電圧が低いほど、その検出用電極膜64Aに印加した圧電信号が検出用電極膜64Aを介してノイズとして検出されることが少なくなる。
【0112】
従って、上記第2実施形態の圧電振動ジャイロ40及び圧電振動ジャイロ装置81によれば、前記第1実施形態の効果(1)、(2)、(4)と同様の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
【0113】
(1)本実施形態では、励振用振動部55の下端を固定端とし、励振用振動部55の上端と、検出用振動部56の上端とを連結した。そして、検出用振動部56の下端を自由端とした。従って、本実施形態では励振用振動部55を固定した圧電振動ジャイロ40として実現できる。
【0114】
(2)本実施形態では、検出用振動部56を励振用扁平部57A,57Bの間に配置した。従って、検出用振動部56が励振用振動部55の上端より下方に位置するので、励振用振動部55の慣性モーメントが小さくなる。このため、励振用振動部55がY軸方向に弾性振動するとき、検出用振動部56がY軸方向に撓み振動し難い。従って、検出する角速度Ωの大きさに応じて検出用振動部56がX軸方向に効率よく弾性振動するので、両検出用電極膜64Aから取り出される検出信号に誤差が入り難い。その結果、角速度Ωの検出精度が向上する。
【0115】
(3)加えて本実施形態では、上記(2)の理由によって、振動子45の検出軸方向の長さが垂直板部50の同長さ程度となる。従って、圧電振動ジャイロ40を圧電振動ジャイロ10の約半分程度に小型化することができる。
【0116】
(4)加えて本実施形態では、上記(3)の理由によって、圧電振動ジャイロ40の重心が前記圧電振動ジャイロ10と比べ、固定端寄りとなるので、従来より強固でない固定程度で固定することができる。このため、固定が容易となる。
【0117】
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図11に従って説明する。なお、第3実施形態の圧電振動ジャイロ85及び圧電振動ジャイロ装置71は、前記第1実施形態を変更したものであり、前記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、その詳細な説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0118】
前記第1実施形態では、固定端側を励振側、自由端側を検出側としていた。しかしながら、本実施形態の圧電振動ジャイロ85は固定端側を検出側、自由端側を励振側としている。
【0119】
そのため、本実施形態の圧電振動ジャイロ85では前記第1実施形態と比して、励振用平板部35A,35B及び励振用電極膜31A,31Bと、検出用平板部36A,36B及び電極膜34A,34Bとを入れ替えて設けている。
【0120】
この場合においても、前記検出用平板部36A,36Bの長さをL、幅をWとすると、振動相殺用電極膜34Aの長さは略「Lの5分の2」で、幅はWとされている。検出用電極膜34Bの長さは略「Lの7分の1」で、幅はWとされている。また、励振用枠部16と検出用枠部17、励振用振動部25と検出用振動部26、励振用扁平部27A,27Bと検出用扁平部28A,28B、励振用圧電板29A,29Bと検出用圧電板32A,32Bも入れ替えて設けている。
【0121】
なお、本実施形態においても、枠体11の下端が図示しない固定部材に固定される固定端、上端が自由端とされている。そのため、本実施形態では、検出用振動部26の下端は固定端に相当し、上端は励振用振動部25に連結する連結端に相当する。励振用振動部25の上端は自由端に相当し、下端は検出用振動部26に連結する連結端に相当する。
【0122】
さらに、圧電振動ジャイロ装置71において、各電極膜31A,31B,34A,34Bに対する各回路73,74,76,77,78の電気的接続関係は前記第1実施形態と同様にする。
【0123】
従って、本実施形態の圧電振動ジャイロ85及び圧電振動ジャイロ装置71では、励振用振動部25がY、反Y方向に駆動し、検出用振動部26がX、反X方向に振動すること以外は前記第1実施形態の作用と同様の作用を奏する。
【0124】
従って、本実施形態の圧電振動ジャイロ85及び圧電振動ジャイロ装置71では、前記第1実施形態の(1)、(2)、(4)と同様の効果を奏するとともに以下の効果を奏する。
【0125】
(1)本実施形態では、検出用振動部26の下端を固定端とし、検出用振動部26の上端と、励振用振動部25の下端とを連結した。そして、励振用振動部25の上端を自由端とした。従って、本実施形態では検出用振動部26を固定した圧電振動ジャイロ10として実現できる。
【0126】
(第4実施形態)
以下、本発明を具体化した第4実施形態を図12に従って説明する。なお、第2実施形態の圧電振動ジャイロ90及び圧電振動ジャイロ装置81は、前記第2実施形態を変更したものであり、前記第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、その詳細な説明を省略し、異なるところのみを説明する。
【0127】
前記第4実施形態では、固定端側を励振側、自由端側を検出側としていた。しかしながら、本実施形態の圧電振動ジャイロ90は固定端側を検出側、自由端側を励振側としている。
【0128】
そのため、本実施形態の圧電振動ジャイロ90では前記第2実施形態と比して、励振用平板部65A,65B及び励振用電極膜61A,61Bと、検出用平板部66A,66B及び電極膜64A,64Bとを入れ替えて設けている。
【0129】
この場合においても、前記検出用平板部66A,66Bの長さをL、幅をWとすると、検出用電極膜64Aの長さは略「Lの7分の1」で、幅はWとされている。振動相殺用電極膜64Bの長さは略「Lの5分の2」で、幅はWとされている。また、励振用屈曲部46と検出用屈曲部47、励振用振動部55と検出用振動部56、励振用扁平部57A,57Bと検出用扁平部58A,58B、励振用圧電板59A,59Bと検出用圧電板62A,62Bも入れ替えて設けている。
【0130】
なお、本実施形態においても、第1マス42の下端が図示しない固定部材に固定される固定端とされ、第3マス44の下端が自由端とされている。そのため、本実施形態では、検出用振動部56の下端は固定端に相当し、上端は励振用振動部55に連結する連結端に相当する。励振用振動部55の下端は自由端に相当し、上端は検出用振動部56に連結する連結端に相当する。
【0131】
さらに、圧電振動ジャイロ装置81において、各電極膜61A,61B,64A,64Bに対する各回路73,74,76,77,78の電気的接続関係は前記第2実施形態と同様にする。
【0132】
従って、本実施形態の圧電振動ジャイロ90及び圧電振動ジャイロ装置81では、励振用振動部55がX、反X方向に駆動し、検出用振動部56がY、反Y方向に振動すること以外は前記第2実施形態の作用と同様の作用を奏する。
【0133】
従って、本実施形態の圧電振動ジャイロ90及び圧電振動ジャイロ装置81では、前記第1実施形態の(1)、(2)、(4)、及び前記第2実施形態の(2)〜(4)とほぼ同様の効果を奏するとともに以下の効果を奏する。
【0134】
(1)本実施形態では、検出用振動部56の下端を固定端とし、検出用振動部56の上端と、励振用振動部55の上端とを連結した。そして、励振用振動部55の下端を自由端とした。従って、本実施形態では検出用振動部56を固定した圧電振動ジャイロ40として実現できる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は以下のような他の実施形態に変更して具体化してもよい。
【0135】
・前記第1,第3実施形態では、振動相殺用電極膜34Aは、検出用圧電板32A,32Bにおける検出用扁平部28A,28Bの上部領域に対応する領域に形成されていた。検出用電極膜34Bは、検出用圧電板32A,32Bにおける検出用扁平部28A,28Bの下部領域に対応する領域に形成されていた。これに限らず、振動相殺用電極膜34Aを検出用圧電板32A,32Bにおける検出用扁平部28A,28Bの下部領域に対応する領域に形成する。そして、検出用電極膜34Bを検出用圧電板32A,32Bにおける検出用扁平部28A,28Bの上部領域に対応する領域に形成してもよい。この場合、圧電振動ジャイロ装置71において、振動相殺用電極膜34Aと回路76,77との電気的接続関係、及び検出用電極膜34Bと差動回路78との電気的接続関係は前記第1,第3実施形態と同様にする。このようにしても前記第1,第3実施形態と同様の効果を奏する。
【0136】
・前記第2,第4実施形態では、振動相殺用電極膜64Bは、検出用圧電板62A,62Bにおける検出用扁平部58A,58Bの下部領域に対応する領域に形成されていた。検出用電極膜64Aは、検出用圧電板62A,62Bにおける検出用扁平部58A,58Bの上部領域に対応する領域に形成されていた。これに限らず、振動相殺用電極膜64Bを検出用圧電板62A,62Bにおける検出用扁平部58Aの上部領域に対応する領域に形成する。そして、検出用電極膜64Aを検出用圧電板62A,62Bにおける検出用扁平部58Aの下部領域に対応する領域に形成してもよい。この場合、圧電振動ジャイロ装置81において、振動相殺用電極膜64Bと回路76,77との電気的接続関係、及び検出用電極膜64Aと差動回路78との電気的接続関係は前記第2,第4実施形態と同様にする。このようにしても前記第2,第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0137】
・前記第1,第3実施形態では、前記検出用平板部36A,36Bの長さをL、幅をWとした際に、振動相殺用電極膜34Aの長さは略「Lの5分の2」で、幅はWとしていた。また、検出用電極膜34Bの長さは略「Lの7分の1」で、幅はWとしていた。この結果、振動相殺用電極膜34Aの面積を検出用平板部36A,36Bの2分の1以下の面積で、かつ検出用電極膜34Bの面積より広くしていた。これに限らず、振動相殺用電極膜34Aの面積は、検出用平板部36A,36Bの2分の1以下の面積で、かつ検出用電極膜34Bの面積より広くなるのならば、長さを略「Lの5分の2」及び幅をWにしなくてもよい。このようにしても、前記第1,第3実施形態と同様の効果を奏する。
【0138】
また、このような変更を第2,第4実施形態に採用してもよい。このようにしても、前記第2,第4実施形態と同様の効果を奏する。
【0139】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜5に記載の発明によれば、振動相殺用電極から発生するノイズを極力抑制して検出用電極からノイズが少ない検出信号を出力することができる。
【0140】
請求項2に記載の発明によれば、振動相殺用電極は検出用平板部に発生する漏れ振動を抑制する際に、「長さが同じで幅が検出用平板部の圧電部における幅一杯まで設けられていない振動相殺用電極」と比べて、小さな圧電信号を印加することで漏れ振動を抑制できる。
【0141】
請求項3に記載の発明によれば、励振用振動部を固定した圧電振動ジャイロとして実現できる。
請求項4に記載の発明によれば、検出用振動部を固定した圧電振動ジャイロとして実現できる。
【0142】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の圧電振動ジャイロにおける検出用電極が振動相殺用電極から発生られるノイズの影響を受けることが少なく、かつ漏れ振動を各回路の制御にて抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における圧電振動ジャイロの斜視図。
【図2】 第1実施形態における圧電振動ジャイロの分解斜視図。
【図3】 第1実施形態における枠体の展開図斜視図(金属板部材の斜視図)。
【図4】 圧電振動ジャイロの作用の説明のための模式図。
【図5】 第1実施形態における圧電振動ジャイロ装置の電気回路図。
【図6】 発生電圧の説明のための説明図。
【図7】 (a)は、第2実施形態における圧電振動ジャイロの斜視図。(b)は励振用圧電板59Bの正面図。(c)は検出用圧電板62Bの正面図。
【図8】 第2実施形態における圧電振動ジャイロの分解斜視図。
【図9】 第2実施形態における圧電振動ジャイロ装置の電気回路図。
【図10】 第2実施形態における枠体の展開図斜視図(金属板部材の斜視図)。
【図11】第3実施形態における圧電振動ジャイロの斜視図。
【図12】第4実施形態における圧電振動ジャイロの斜視図。
【図13】従来技術における圧電振動ジャイロの斜視図。
【符号の説明】
10,40,85,90…圧電振動ジャイロ、25,55…励振用振動部、26,56…検出用振動部、29A,29B,59A,59B…圧電部としての励振用圧電板、31A,61A…第1励振用電極としての励振用電極膜、31B,61B…第2励振用電極としての励振用電極膜、32A,32B,62A,62B…圧電部としての検出用圧電板、34A…第1振動相殺用電極としての振動相殺用電極膜(検出用圧電板32A側)、34A…第2振動相殺用電極としての振動相殺用電極膜(検出用圧電板32B側)、64B…第1振動相殺用電極としての振動相殺用電極膜(検出用圧電板62B側)、64B…第2振動相殺用電極としての振動相殺用電極膜(検出用圧電板62A側)、34B,64A…検出用電極としての検出用電極膜、35A,35B,65A,65B…励振用平板部、36A,36B,66A,66B…検出用平板部、71,81…圧電振動ジャイロ装置、72…発振回路、73…第1反転回路としての反転増幅回路、74…第1非反転回路としての非反転増幅回路、78…差動回路、75…位相補正回路、76…第2反転回路としての反転増幅回路、77…第2非反転回路としての非反転増幅回路。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a piezoelectric vibration gyro and a piezoelectric vibration gyro apparatus having high detection sensitivity.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a piezoelectric vibration gyro as shown in FIG. 13 is known. The
[0003]
The
[0004]
The fixed end side of the
[0005]
On the outer surface of both excitation
[0006]
The
When the angular velocity Ω is detected by the
[0007]
Then, by the angular velocity Ω acting around the detection axis (center axis), the Coriolis force proportional to the magnitude of the angular velocity Ω in the direction perpendicular to the detection axis (center axis) and the X direction relative to the detection vibration unit 167, that is, the Y direction. Act alternately. Due to this Coriolis force, the detection
[0008]
The
[0009]
By the way, the piezoelectric
[0010]
In order to suppress the leakage voltage, a piezoelectric vibration gyro has been proposed in which a
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the latter piezoelectric vibration gyro, the area of the
[0012]
Therefore, the present invention has been made in view of the above-described circumstances, and the object thereof is to suppress the noise generated from the vibration canceling electrode as much as possible and to output a detection signal with less noise from the detecting electrode. A piezoelectric vibration gyro and a piezoelectric vibration gyro apparatus are provided.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the invention described in claim 1 includes an excitation vibration part in which a pair of mutually opposing excitation flat plate parts are connected at both ends, and a pair of detection flat plate parts opposite to each other. A vibration part for detection connected at both ends, the excitation flat plate part and the detection flat plate part are connected to be orthogonal to each other, and each of the excitation flat plate part and the two detection flat plate parts includes a piezoelectric part. Each piezoelectric portion of the two excitation flat plate portions is provided with an excitation electrode for applying vibration to the flat plate portion, and each piezoelectric portion of the two detection flat plate portions is added to the same flat plate portion. In a piezoelectric vibration gyro provided with a detection electrode for detecting vibration and a vibration canceling electrode for suppressing leakage vibration generated in the flat plate portion, the area of the vibration canceling electrode is equal to the area of the detection flat plate portion. Less than half of that of the detection electrode And summarized in that wider than a product.
[0014]
The invention according to claim 2 is summarized in that, in claim 1, the vibration canceling electrode is provided so as to have the same width as the piezoelectric portion of the detection flat plate portion.
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect, one end of the excitation vibration unit is a fixed end, the other end is a connection end with the detection vibration unit, and one end of the detection vibration unit is free. The gist is that it is an end, and the other end is a connection end with the vibration part for excitation.
[0015]
According to a fourth aspect of the present invention, in the first or second aspect, one end of the detection vibration unit is a fixed end, the other end is a connection end with the excitation vibration unit, and one end of the excitation vibration unit is free. The gist is that the other end is a connection end with the vibration part for detection.
[0016]
A fifth aspect of the present invention is an apparatus including the piezoelectric vibration gyro according to any one of the first to fourth aspects, wherein the excitation electrode includes a first excitation electrode and a second excitation electrode. The vibration canceling electrode is composed of a first vibration canceling electrode and a second vibration canceling electrode. The oscillation circuit outputs an oscillation signal at a predetermined frequency, and inverts the input oscillation signal. A first inverting circuit that applies a piezoelectric signal based on the oscillation signal to the first excitation electrode, and a piezoelectric signal based on the oscillation signal to the second excitation electrode without inverting the input oscillation signal. A first non-inverting circuit to be applied, a differential circuit for taking a difference between detection signals from both detection electrodes, and outputting an output signal related to the difference between the detection signals of both electrodes, and inputting the oscillation signal, Phase correction that outputs a correction signal based on a predetermined phase correction A second inverting circuit for inverting the input correction signal and applying a piezoelectric signal based on the correction signal to the first vibration canceling electrode, and without inverting the input correction signal. And a second non-inverting circuit that applies a piezoelectric signal based on the correction signal to the working electrode.
(Function)
Therefore, in the first aspect of the present invention, when a piezoelectric signal corresponding to the leakage vibration is applied to the vibration canceling electrode, the leakage vibration generated in the detection flat plate portion is suppressed. At this time, since the area of the vibration canceling electrode is less than or equal to half of the area of the detection flat plate portion and wider than the area of the detection electrode, the area of the vibration canceling electrode is set to the area of the detection electrode. Compared to the case where the same area is used, the following effects are exhibited. When the same piezoelectric signal is applied to the vibration canceling electrode and the “vibration canceling electrode having the same area as the detection electrode”, the former vibration canceling electrode vibrates the detection flat plate portion more greatly. That is, when the plate for detection is vibrated to a certain size, the vibration canceling electrode requires a smaller applied piezoelectric signal than the “vibration canceling electrode having the same area as the detection electrode”. The smaller the piezoelectric signal applied to the vibration canceling electrode, the less the piezoelectric signal is detected as noise with respect to the detection electrode.
[0017]
In the invention described in claim 2, in addition to the operation described in claim 1, the vibration canceling electrode is provided to the full width in the piezoelectric portion of the detection flat plate portion. Therefore, the vibration canceling electrode can ensure a wider area than, for example, “the vibration canceling electrode having the same length and the width not provided to the full width of the piezoelectric portion of the detection flat plate portion”. As a result, when the vibration canceling electrode suppresses the leakage vibration generated in the detection flat plate portion, “the same length and the width is not provided to the full width of the piezoelectric portion of the detection flat plate portion. Compared with the “electrode”, leakage vibration is suppressed by applying a small piezoelectric signal.
[0018]
In the invention described in claim 3, in addition to the operation described in claim 1 or 2, one end of the excitation vibration part is a fixed end and the other end is connected to the detection vibration part. One end of the vibration part for detection is a free end, and the other end is connected to the vibration part for excitation.
[0019]
According to a fourth aspect of the present invention, in addition to the operation according to any one of the first to third aspects, one end of the detection vibration portion is a fixed end, and the other end is an excitation vibration portion. Connected to One end of the vibration part for excitation is a free end, and the other end is connected to the vibration part for detection.
[0020]
In the invention described in claim 5, in addition to the operation described in any one of claims 1 to 4, the oscillation circuit outputs an oscillation signal at a predetermined frequency. The first inversion circuit inverts the input oscillation signal and applies a piezoelectric signal based on the oscillation signal to the first excitation electrode. The first non-inverting circuit applies a piezoelectric signal based on the oscillation signal to the second excitation electrode without inverting the input oscillation signal. As a result, the excitation flat plate part which is a drive part vibrates.
[0021]
When the piezoelectric vibrating gyroscope rotates around the axis during vibration of the excitation flat plate portion, the differential circuit takes a difference between the detection signals from both detection electrodes and outputs an output signal related to the difference between the detection signals of both electrodes. Output. The phase correction circuit receives the oscillation signal and outputs a correction signal based on a predetermined phase correction of the oscillation signal. The second inversion circuit inverts the input correction signal and applies a piezoelectric signal based on the correction signal to the first vibration cancellation electrode. The second non-inverting circuit applies a piezoelectric signal based on the correction signal to the second vibration canceling electrode without inverting the input correction signal. Both vibration canceling electrodes vibrate the detection flat plate portion when a piezoelectric signal is applied, and cancel the leakage vibration of the detection flat plate portion by the vibration.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
Hereinafter, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
1 to 6 and FIGS. 7 to 12 to be described later are all schematic views, and the dimensional relationship between the parts is different from the actual dimensional relationship.
[0023]
Hereinafter, for convenience of explanation, the vertical direction in FIG. 1 will be described as the vertical direction of the piezoelectric vibration gyro.
In this embodiment, the direction from the excitation
[0024]
As shown in FIGS. 1 and 2, the piezoelectric vibrating
[0025]
As shown in FIG. 2, the
[0026]
The
[0027]
As shown in FIGS. 2 and 3, the
[0028]
Then, both the extending
[0029]
The
[0030]
As shown in FIG. 1, the
[0031]
In the present embodiment, the lower end of the
[0032]
The
[0033]
Further, the
[0034]
As shown in FIG. 1, an
[0035]
As shown in FIG. 2, a
[0036]
In addition,
[0037]
The
[0038]
An excitation
[0039]
The
[0040]
As shown in FIG. 2, a
[0041]
The vibration canceling
[0042]
The upper vibration canceling
[0043]
The
[0044]
The vibration canceling
The vibration
[0045]
This is because, for example, when the
[0046]
A flat plate portion for
[0047]
As shown in FIG. 1, when the length of the detection
[0048]
The excitation
[0049]
In the present embodiment, the resonance frequency of the excitation
Next, a piezoelectric
[0050]
The
The piezoelectric
[0051]
The
[0052]
In the
[0053]
The phase correction amount of the
[0054]
The detection signal at this time includes an offset voltage component due to leakage vibration due to mechanical coupling as described in the prior art. The phase correction amount is determined by setting the circuit constant of the
[0055]
Next, the operation of the piezoelectric
When the piezoelectric
[0056]
Then, when the polarization directions of the
[0057]
As a result, the
In this vibration state, when rotation of the angular velocity Ω is applied to the piezoelectric vibrating
[0058]
At this time, for example, as shown in FIG. 4, when the
[0059]
Accordingly, in the
[0060]
The
[0061]
In order to suppress this leakage vibration, the piezoelectric
[0062]
By the way, the area of both the vibration canceling
[0063]
FIG. 6 shows a piezoelectric plate having a plate thickness d, a length L, and a width W. The capacitance C of this piezoelectric plate is
C = (S · εo · εr) / d (Formula 1)
(Εo is the vacuum dielectric constant, εr is the dielectric constant of the piezoelectric plate, S (area of the piezoelectric plate in direct contact with the vibration canceling
It becomes.
[0064]
When a piezoelectric signal A is applied to the piezoelectric plate, the charges of + ΔQ and −ΔQ generated in the piezoelectric plate are
ΔQ = A · C (Formula 2)
It becomes. In addition, A in the above (Formula 2) is the voltage of the piezoelectric signal A.
[0065]
By the way, when charges of + ΔQ and −ΔQ are generated in the piezoelectric plate, the amount of variation ΔL of the length of the piezoelectric plate increases in proportion to the magnitude of the charges.
And from the (Formula 1) and the (Formula 2),
A = (ΔQ · d) / (S · εo · εr) (Formula 3)
The following relational expression is derived.
[0066]
From (Equation 3), it can be derived that ΔQ (ΔL) increases as the area S of the piezoelectric plate increases when the applied voltage of the piezoelectric signal A and the plate thickness d are constant. That is, when the plate thickness d and ΔL are constant, the voltage of the piezoelectric signal A is lower as the area S is larger.
[0067]
Therefore, in the case where the vibration canceling
[0068]
Therefore, according to the
(1) The
[0069]
The
[0070]
Therefore, from the above (Equation 3), when a piezoelectric signal corresponding to the leakage vibration is applied to the vibration canceling
[0071]
Therefore, the
[0072]
(2) In the present embodiment, the width of the vibration canceling
[0073]
(3) In the present embodiment, the lower end of the
[0074]
(4) The piezoelectric
[0075]
The piezoelectric
[0076]
Both the vibration canceling
[0077]
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment will be described with reference to FIGS.
For convenience of explanation, the vertical direction in FIG. 7A will be described as the vertical direction of the piezoelectric vibration gyro.
[0078]
In this embodiment, the direction from the detection flat plate portion 66B toward the detection
[0079]
As shown in FIGS. 7A and 8, the
[0080]
The
[0081]
As shown in FIG. 10, the
[0082]
And as shown in FIG. 8, the bending
[0083]
As shown in FIGS. 7A, 7B, and 8,
[0084]
Each of the
[0085]
The
[0086]
The
[0087]
As shown in FIG. 7A, the
[0088]
The
[0089]
As shown in FIGS. 8 and 10, the
[0090]
As shown in FIGS. 7A and 8, an excitation
[0091]
Further, as shown in FIGS. 7A and 7B, the
[0092]
Each of the
[0093]
The
[0094]
On the other hand, as shown in FIGS. 7A and 8, the
[0095]
As shown in FIGS. 8 and 10, the
[0096]
A flat plate portion for
[0097]
As shown in FIGS. 7A and 7C, a pair of upper and lower
[0098]
The
[0099]
This is because, for example, when the
[0100]
As shown in FIG. 7A, when the length of the detection
[0101]
The excitation
[0102]
By the way, the excitation
[0103]
Next, a piezoelectric
The piezoelectric
[0104]
The inverting
[0105]
Next, the operation of the piezoelectric
When the piezoelectric
[0106]
In this vibration state, when the rotation of the angular velocity Ω is applied to the
[0107]
At this time, for example, when the
[0108]
Note that the
[0109]
Accordingly, an output signal having a voltage twice as high as the original detection signal is output from the
The
[0110]
By the way, the area of both the vibration canceling
[0111]
Therefore, when the vibration canceling
[0112]
Therefore, according to the
[0113]
(1) In this embodiment, the lower end of the
[0114]
(2) In this embodiment, the
[0115]
(3) In addition, in the present embodiment, the length in the detection axis direction of the
[0116]
(4) In addition, in the present embodiment, the center of gravity of the piezoelectric vibrating
[0117]
(Third embodiment)
Hereinafter, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. The
[0118]
In the first embodiment, the fixed end side is the excitation side, and the free end side is the detection side. However, the
[0119]
Therefore, in the
[0120]
Also in this case, if the length of the detection
[0121]
In this embodiment, the lower end of the
[0122]
Further, in the piezoelectric
[0123]
Therefore, in the
[0124]
Therefore, the
[0125]
(1) In this embodiment, the lower end of the
[0126]
(Fourth embodiment)
Hereinafter, a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. The
[0127]
In the fourth embodiment, the fixed end side is the excitation side, and the free end side is the detection side. However, the
[0128]
Therefore, in the
[0129]
Also in this case, if the length of the detection
[0130]
Also in this embodiment, the lower end of the
[0131]
Further, in the piezoelectric
[0132]
Therefore, in the
[0133]
Therefore, in the
[0134]
(1) In the present embodiment, the lower end of the
(Other embodiments)
Each of the above embodiments may be embodied by changing to the following other embodiments.
[0135]
In the first and third embodiments, the vibration canceling
[0136]
In the second and fourth embodiments, the vibration canceling
[0137]
In the first and third embodiments, when the length of the detection
[0138]
Such a change may be adopted in the second and fourth embodiments. Even if it does in this way, there exists an effect similar to the said 2nd, 4th embodiment.
[0139]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the first to fifth aspects of the present invention, it is possible to suppress the noise generated from the vibration canceling electrode as much as possible and output a detection signal with less noise from the detecting electrode.
[0140]
According to the second aspect of the present invention, when the vibration canceling electrode suppresses the leakage vibration generated in the detection flat plate portion, the “length is the same and the width is the full width of the piezoelectric portion of the detection flat plate portion. Compared with the “vibration canceling electrode that is not provided”, leakage vibration can be suppressed by applying a small piezoelectric signal.
[0141]
According to the third aspect of the present invention, it can be realized as a piezoelectric vibration gyro in which the vibration part for excitation is fixed.
According to the fourth aspect of the invention, it can be realized as a piezoelectric vibration gyro in which the detection vibration part is fixed.
[0142]
According to the fifth aspect of the present invention, the detection electrode in the piezoelectric vibration gyro according to any one of the first to fourth aspects is less affected by noise generated from the vibration canceling electrode. In addition, leakage vibration can be suppressed by controlling each circuit.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a piezoelectric vibration gyro according to a first embodiment.
FIG. 2 is an exploded perspective view of the piezoelectric vibration gyro according to the first embodiment.
FIG. 3 is an exploded perspective view of a frame body according to the first embodiment (a perspective view of a metal plate member).
FIG. 4 is a schematic diagram for explaining the operation of a piezoelectric vibration gyro.
FIG. 5 is an electric circuit diagram of the piezoelectric vibration gyro device in the first embodiment.
FIG. 6 is an explanatory diagram for explaining a generated voltage.
FIG. 7A is a perspective view of a piezoelectric vibration gyro according to a second embodiment. FIG. 6B is a front view of the excitation piezoelectric plate 59B. (C) is a front view of the
FIG. 8 is an exploded perspective view of a piezoelectric vibration gyro according to a second embodiment.
FIG. 9 is an electric circuit diagram of the piezoelectric vibration gyro device in the second embodiment.
FIG. 10 is an exploded perspective view of a frame body according to a second embodiment (perspective view of a metal plate member).
FIG. 11 is a perspective view of a piezoelectric vibration gyro according to a third embodiment.
FIG. 12 is a perspective view of a piezoelectric vibration gyro according to a fourth embodiment.
FIG. 13 is a perspective view of a piezoelectric vibration gyro according to the prior art.
[Explanation of symbols]
10, 40, 85, 90... Piezoelectric vibration gyro, 25, 55... Excitation vibration part, 26, 56... Detection vibration part, 29A, 29B, 59A, 59B ... Excitation piezoelectric plate as piezoelectric part, 31A, 61A ... excitation electrode film as first excitation electrode, 31B, 61B ... excitation electrode film as second excitation electrode, 32A, 32B, 62A, 62B ... detection piezoelectric plate as piezoelectric part, 34A ... first Vibration cancellation electrode film (detection
Claims (5)
前記励振用平板部と前記検出用平板部とが直交するように連結され、
前記両励振用平板部及び両検出用平板部にはそれぞれ圧電部を有し、
前記両励振用平板部の各圧電部には同平板部に振動を加える励振用電極がそれぞれ設けられ、
前記両検出用平板部の各圧電部には同平板部に加えられた振動を検出する検出用電極と、同平板部に発生する漏れ振動を抑制する振動相殺用電極がそれぞれ設けられた圧電振動ジャイロにおいて、
前記振動相殺用電極の面積は、検出用平板部の面積に比して2分の1以下で、かつ検出用電極の面積より広いことを特徴とする圧電振動ジャイロ。A pair of excitation flat plate portions opposed to each other and an excitation vibration portion connected at both ends thereof, and a pair of detection flat plate portions opposite to each other connected to each other at a detection vibration portion.
The excitation flat plate portion and the detection flat plate portion are connected to be orthogonal,
Each of the excitation flat plate portion and the detection flat plate portion has a piezoelectric portion,
Excitation electrodes for applying vibration to the flat plate portions are provided in the piezoelectric portions of the excitation flat plate portions, respectively.
Piezoelectric vibration provided with a detection electrode for detecting vibration applied to the flat plate portion and a vibration canceling electrode for suppressing leakage vibration generated in the flat plate portion in each piezoelectric portion of the both detection flat plate portions. In the gyro
The piezoelectric vibration gyro characterized in that an area of the vibration canceling electrode is less than or equal to half of an area of the detection flat plate portion and wider than an area of the detection electrode.
前記励振用電極は、第1励振用電極と第2励振用電極からなり、
前記振動相殺用電極は、第1振動相殺用電極と第2振動相殺用電極とからなり、
所定の周波数で発振信号を出力する発振回路と、
入力した前記発振信号を反転し、第1励振用電極に対して発振信号に基づく圧電信号を印加する第1反転回路と、
入力した前記発振信号を反転しないで、第2励振用電極に対して発振信号に基づく圧電信号を印加する第1非反転回路と、
両検出用電極から検出信号の差を取り、両電極の検出信号の差に係る出力信号を出力する差動回路と、
前記発振信号を入力し、発振信号の所定の位相補正に基づく補正信号を出力する位相補正回路と、
入力した前記補正信号を反転し、第1振動相殺用電極に対して補正信号に基づく圧電信号を印加する第2反転回路と、
入力した前記補正信号を反転しないで、第2振動相殺用電極に対して補正信号に基づく圧電信号を印加する第2非反転回路と
を備えた圧電振動ジャイロ装置。An apparatus comprising the piezoelectric vibration gyro according to any one of claims 1 to 4,
The excitation electrode comprises a first excitation electrode and a second excitation electrode,
The vibration canceling electrode comprises a first vibration canceling electrode and a second vibration canceling electrode,
An oscillation circuit that outputs an oscillation signal at a predetermined frequency;
A first inverting circuit for inverting the input oscillation signal and applying a piezoelectric signal based on the oscillation signal to the first excitation electrode;
A first non-inverting circuit that applies a piezoelectric signal based on the oscillation signal to the second excitation electrode without inverting the input oscillation signal;
A differential circuit that takes a difference between detection signals from both detection electrodes and outputs an output signal related to the difference between detection signals of both electrodes;
A phase correction circuit that inputs the oscillation signal and outputs a correction signal based on a predetermined phase correction of the oscillation signal;
A second inverting circuit for inverting the input correction signal and applying a piezoelectric signal based on the correction signal to the first vibration cancellation electrode;
A piezoelectric vibration gyro apparatus comprising: a second non-inverting circuit that applies a piezoelectric signal based on the correction signal to the second vibration cancellation electrode without inverting the input correction signal.
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