JP3755234B2 - インクジェット記録液及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の色素を含有するインクジェット記録液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録において、特に、色調と色方式は、ピエゾ素子の電気−機械変換により液滴を圧力吐出させる方式、電気−熱変換により気泡を発生させて液滴を圧力吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等に大別される。
【0003】
インクジェット用のインクにおいては、たとえば上記から選択されるようなその使用される記録方式に適合すること、高い記録画像濃度を有し色調が良好であること、耐光性や耐熱性および耐水性といった色画像堅牢性に優れること、被記録媒体に対して定着が速く記録後ににじまないこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性や引火性といった安全性に問題がないこと、安価であること等が要求される。
【0004】
このような観点から、種々のインクジェット用の記録液が提案、検討されているが、要求の多くを同時に満足するような記録液はきわめて限られている。
【0005】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを用いたカラー画像記録においては、たとえばC.I.インデックスに記載されている従来から公知のC.I.ナンバーを有する染料、顔料が広く検討されてきた。C.I.アシッドレッド52のようなキサンテン系、C.I.ダイレクトレッド20のようなアゾ系の水溶性染料を使用したものが知られているが、前者は耐光性のような堅牢性に問題を有し、後者は色調の鮮明性に欠けるといった色再現性に関する分光吸収特性の問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色画像の耐光性に優れ、良好な色再現性のための色調に優れたインクジェット記録液を提供することにある。またさらに本発明の目的は、耐光性と色調の両立に加えて長期使用を保証できる水系インクジェット記録液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
【0013】
(1) 下記一般式(3)で表される金属錯体色素を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【0014】
【化9】
【0015】
〔式中、X1で形成される原子の集まりは、金属イオンと少なくとも2座の配位結合を形成可能な構造を形成する。R1、R2、R3は水素原子または一価の置換基を表す。Y1は芳香族炭化水素環または5員あるいは6員の複素環を表す。Mは金属イオンを表し、X1で形成される原子の集まりと少なくとも2座の配位結合を形成している。m1は0、1、2または3の整数を表し、n3は1、2または3の整数を表す。〕
(2) 下記一般式(4)で表される金属錯体色素を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【0016】
【化10】
【0017】
〔式中、X2で形成される原子の集まりは、金属イオンと少なくとも2座の配位結合を形成可能な構造を形成する。R4、R5は水素原子または一価の置換基を表す。Y2は芳香族炭化水素環または5員あるいは6員の複素環を表す。Mは金属イオンを表し、X2で形成される原子の集まりと少なくとも2座の配位結合を形成している。m2は0、1、2または3の整数を表し、n4は1、2または3の整数を表す。〕
(3) 一般式(3)又は一般式(4)で表される金属錯体色素の、X1、X 2 上の金属と配位結合を形成する少なくとも2個の原子が、共に窒素原子であることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録液。
【0018】
(4) 一般式(3)又は一般式(4)で表される金属錯体色素の、X1 又はX 2 で形成される構造が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録液。
【0019】
【化11】
【0020】
〔式中、R6は水素原子あるいは一価の置換基を表す。〕
【0022】
(5) 一般式(3)又は一般式(4)で表される金属錯体色素の、X1 又はX 2 で形成される構造が、下記一般式(8)、(9)、(10)または(11)で表されることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録液。
【0023】
【化13】
【0024】
〔式中、L5は窒素原子あるいは−CR16=を表し、L6は窒素原子あるいは−CR17=を表し、L7は窒素原子あるいは−CR18=を表し、R15、R16、R17及びR18は水素原子あるいは一価の置換基を表し、R15、R16、R17及びR18の少なくとも一つは一般式(11)の窒素原子とともに、少なくとも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。R10、R11、R12、R13及びR14は水素原子あるいは一価の置換基を表す。R10、R11の少なくとも1つは一般式(8)の窒素原子と共に、少なくとも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。R12は一般式(9)の窒素原子と共に、少なくとも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。R13、R14の少なくとも1つは一般式(10)の窒素原子と共に、少なくとも2座の配位結合を形成可能な原子の集まりを表す。〕
【0026】
(6) 一般式(3)及び一般式(4)の、Mで表される金属イオンが、Ni、Cu、Co、Cr、Zn、Fe、Pd、Ptのイオンであることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェット記録液。
【0027】
(7) インクジェット記録液において、水を全記録液中の10重量%以上含有する実質的に水系記録液であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項記載のインクジェット記録液。
【0028】
(8) 前記1又は2に記載の記録液が、水を全記録液中の10重量%以上含有する実質的に水系記録液であり、かつ一般式(3)又は一般式(4)の色素がその記録液中に分散物として存在することを特徴とするインクジェット記録液。
【0029】
(9) インクジェット記録液において、分子量1000以上の高分子化合物を全記録液中の0.1重量%以上含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項記載のインクジェット記録液。
【0030】
(10) 前記1〜9の何れか1項記載のインクジェット記録液を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0031】
(11) 前記1〜9の何れか1項記載のインクジェット記録液を用いることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【0032】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の一般式(3)或いは一般式(4)で表される金属錯体色素において、X1、X 2 で形成される原子の集まりとは、金属イオンと少なくとも2座の配位結合を形成可能な構造で、一般式(3)及び一般式(4)として色素を形成できるものなら何でもよいが、好ましくはカプラー残基を表し、例えば5−ピラゾロン、イミダゾール、ピラゾロピロール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロテトラゾール、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、またはピラゾロピリドン等が挙げられる。カプラー残基とは、公知のp−フェニレンジアミン類の酸化物とカップリングして、色素を形成することが可能な活性水素を有する化合物を表す。
【0033】
X1=、X 2 =としては下記一般式(16)〜(23)で表されるものが特に好ましい。
【0034】
【化15】
【0035】
式中、R21、R22、R23は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)又は一価の置換基(例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基等)を表す。Lは炭素原子または窒素原子を表し、QはLとともに、含窒素複素環を形成する原子の集まりを表す。QがLとともに、形成することのできる含窒素複素環としてはピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾール環等を挙げることができる。
【0036】
一般式(3)において、Y 1 の好ましい具体例としては、例えば、ベンゼン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ナフタレン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズオキサゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、クマリン環、クロモン環等を挙げることができる。
【0037】
一般式(4)において、Y2の好ましい具体例としては、例えば、3H−ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、3H−ピロリジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、3H−インドール環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、ピリジン環、インダンジオン環等を挙げることができる。
【0038】
これらの環は更に他の炭素環(例えばベンゼン環)や複素環(例えばピリジン環)と縮合環を形成してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等であり、それらの基は更に置換されていても良い。
【0039】
一般式(3)、一般式(4)及び一般式(6)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)又は1価の置換基を表わすが、1価の置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アシル基、アシルアミノ基等が挙げられる。
【0040】
以下に一般式(3)または一般式(4)で表される色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
【化22】
【0048】
【化23】
【0053】
本発明の一般式(3)及び(4)の色素の合成例を示す。
【0054】
合成例1(例示色素D-6の合成ルート)
【0055】
【化28】
【0056】
例示色素D−6の合成
エタノール150ml中に化合物(a)15g、化合物(b)10g、ピペリジン15mlを添加し、3時間加熱環流を続けた。その後室温まで冷却すると、赤色の結晶が析出した。析出物をろ別し、エタノールで洗浄し、赤色の結晶5.0g(化合物(c))を得た。NMRスペクトル及びmassスペクトルにより目的物であることを確認した。この化合物(c)のメタノール中での吸収極大は538nmであった。
【0057】
化合物(c)2.0gをメタノール50mlに溶解し、これに塩化ニッケル6水和物0.65gを加えた。2時間室温で撹拌した後、析出物をろ過し、メタノールで洗浄し、乾燥して、目的の金属錯体色素(化合物(d))1.5gを得た。この金属錯体色素のメタノール溶液中での吸収極大は548nmであった。
【0058】
合成例2(例示色素D−22の合成ルート)
【0059】
【化29】
【0060】
例示色素D−22の合成
ピリジン30ml中の化合物(e)3.0g、化合物(f)6.0gとトリエチルアミン3.0mlを加え、加熱溶解後に無水酢酸1.3gを添加し、内温80℃で1時間撹拌を続けた。室温まで冷却し、濃塩酸35mlと氷水100mlの混合液中に少量ずつ添加すると結晶の析出が見られた。
【0061】
この析出物をろ別し、蒸留水で洗浄後、エタノールで洗浄し、乾燥して、黄色の結晶2.4g(化合物(g))を得た。NMRスペクトル及びmassスペクトルにより目的物であることを確認した。この化合物(g)のメタノール中での吸収極大は453nmであった。
【0062】
化合物(g)2.0gをメタノール50mlに溶解し、これに化合物(h)1.3gを加えた。2時間室温で撹拌した後、析出物をろ過し、メタノールで洗浄し、乾燥して、目的の金属錯体色素(化合物(i))1.5gを得た。この金属錯体色素のメタノール溶液中での吸収極大は461nmであった。
【0063】
本発明の一般式(3)及び(4)の色素を含有する記録液は水系インク、油系インク、固体(相変化)インク等の種々の溶媒系を用いることができるが、水性インクを溶媒系として特に好ましく用いることができる。
【0064】
水系インクは、本発明の色素の他に溶剤として水と水溶性有機溶媒を一般に使用する。
【0065】
水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0066】
上記のような水系インクにおいて、色素はその溶媒系に可溶であればそのまま溶解して用いることができる。一方、そのままでは不溶の固体である場合、色素を種々の分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等)を用いて微粒子化するか、あるいは可溶である有機溶媒に色素を溶解した後に、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。さらに、そのままでは不溶の液体または半溶融状物である場合、そのままかあるいは可溶である有機溶媒に溶解して、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。
【0067】
このような水系インクの具体的調整法については、例えば特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号等の明細書に記載の方法を参照することができる。
【0068】
油系インクは、本発明の色素の他に溶媒として有機溶媒を使用する。油系インクの溶媒の例としては、上記水系インクにおいて水溶性有機溶媒として例示したものに加えて、アルコール類(例えば、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フルフリルアルコール、アニルアルコール等)、エステル類(例えば、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸フェノキシエチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、ジエチルマロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ(2−メトキシエチル)、セバシン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジオクチル、ケイ皮酸−3−ヘキセニル等)、エーテル類(例えば、ブチルフェニルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、ケトン類(例えば、ベンジルメチルケトン、ベンジルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等)、炭化水素類(例えば、石油エーテル、石油ベンジル、テトラリン、デカリン、ターシャリーアミルベンゼン、ジメチルナフタリン等)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド等)が挙げられる。
【0069】
上記のような油系インクにおいて、色素はそのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散または溶解させて用いることもできる。
【0070】
このような油系インクの具体的調整法については、特開平3−231975号、特表平5−508883号等の明細書に記載の方法を参照することができる。
【0071】
固体(相変化)インクは、本発明のインクの他に溶媒として室温で固体であり、かつインクの加熱噴射時には溶融した液体状である相変化溶媒を使用する。このような相変化溶媒としては、天然ワックス(例えば、密ロウ、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、鯨ロウ、カンデリラワックス、ラノリン、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等)、ポリエチレンワックス誘導体、塩素化炭化水素、有機酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、チグリン酸、2−アセトナフトンベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸等)、有機酸エステル(例えば、上記した有機酸のグリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等のアルコールとのエステル等)、アルコール(例えば、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ドデセノール、ミリシルアルコール、テトラセノール、ヘキサデセノール、エイコセノール、ドコセノール、ピネングリコール、ヒノキオール、ブチンジオール、ノナンジオール、イソフタリルアルコール、メシセリン、テレアフタリルアルコール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ドコサンジオール、テトラコサンジオール、テレビネオール、フェニルグリセリン、エイコサンジオール、オクタンジオール、フェニルプロピレングリコール、ビスフェノールA、パラアルファクミルフェノール等)、ケトン(例えば、ベンゾイルアセトン、ジアセトベンゼン、ベンゾフェノン、トリコサノン、ヘプタコサノン、ヘプタトリアコンタノン、ヘントリアコンタノン、ヘプタトリアコンタノン、ステアロン、ラウロン、ジアニソール等)、アミド(例えば、オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド、ステアリン酸アミド、リシノール酸アミド、パルミチン酸アミド、テトラヒドロフラン酸アミド、エルカ酸アミド、ミリスチン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N′−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N′−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N′−システアリルセバシン酸アミド、N,N′−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミド、フェナセチン、トルアミド、アセトアミド、オレイン酸2量体/エチレンジアミン/ステアリン酸(1:2:2のモル比)のような2量体酸とジアミンと脂肪酸の反応生成物テトラアミド等)、スルホンアミド(例えば、パラトルエンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、ブチルベンゼンスルホンアミド等)、シリコーン類(例えば、シリコーンSH6018(東レシリコーン)、シリコーンKR215、216、220(信越シリコーン)等)、クマロン類(例えば、エスクロンG−90(新日鐵化学)等)、コレステロール脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ミリスチン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、ラウリン酸コレステロール、メリシン酸コレステロール等)、糖類脂肪酸エステル(ステアリン酸サッカロース、パルミチン酸サッカロース、ベヘン酸サッカロース、ラウリン酸サッカロース、メリシン酸サッカロース、ステアリン酸ラクトース、パルミチン酸ラクトース、ミリスチン酸ラクトース、ベヘン酸ラクトース、ラウリン酸ラクトース、メリシン酸ラクトース等)が挙げられる。
【0072】
固体インクの固体−液体相変化における相変化温度は、60℃以上であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。
【0073】
上記のような固体インクにおいて、加熱した溶融状態の溶媒に本発明の色素をそのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散または溶解させて用いることもできる。
【0074】
このような固体インクの具体的調整法については、特開平5−186723号、同7−70490号等の明細書に記載の方法を参照することができる。
【0075】
上記したような水系、油系、固体の各インクは、その飛翔時の粘度として40cps以下が好ましく、30cps以下であることがより好ましい。
【0076】
本発明のインクは、その飛翔時の表面張力として20dyn/cm以上が好ましく、30〜80dyn/cmであることが、より好ましい。
【0077】
本発明の色素は、全インク量の0.1〜25重量%の範囲で使用されることが好ましく、0.5〜10重量%の範囲であることがより好ましい。
【0078】
本発明のインクにおいては、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、粘度調製剤、表面張力調製剤、比抵抗調製剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加することもできる。
【0079】
本発明のインクは、その使用する記録方式に関して特に制約はないが、特にオンデマンド方式のインクジェットプリンタ用のインクとして好ましく使用することができる。オンデマンド型方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)、放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができる。
【0080】
【実施例】
実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例における形態に限定されるものではない。
【0081】
実施例1
表1に記載の組成を有する各インク組成物を用いて、インクジェットプリンタMJ−5000C(セイコーエプソン株式会社製、電気−機械変換方式)によって、インクジェット用専用紙スーパーファイン専用紙MJSP1(セイコーエプソン社製)上に記録したサンプルを得た。
【0082】
このサンプルを用いて、耐光性、色調の評価を行った結果を表1に示す。尚、表1の各化合物量の単位はインクにおける重量%である。
【0083】
耐光性:
キセノンフェードメーターにて24時間爆射した後のサンプルの未爆射サンプルからの可視領域極大吸収波長における反射スペクトル濃度の低下率で表す。
【0084】
耐光性(%)=(爆射試料極大吸収波長濃度/未爆射試料極大吸収波長濃度)×100
【0085】
【表1】
【0086】
表1において、溶媒、比較色素及び界面活性剤−1は下記の通り。
【0087】
溶媒1:ジエチレングリコール
溶媒2:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
比較1:C.I. Acid Red 52
比較2:C.I. Direct Red 20
【0088】
【化30】
【0089】
尚、被記録媒体として、スーパーファイン専用紙MJSP1のかわりに専用光沢フィルムMJSP4(セイコーエプソン社製)を使用した場合にも同様の良好な結果を得た。
【0090】
さらに、本プリンタにおける連続吐出試験においても問題なく使用でき、本発明のインクの電気−機械変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0091】
【発明の効果】
以上示したように、本発明の記録液および記録方法を用いることで、耐光性と色調に優れた記録画像が得られる。
Claims (11)
- 一般式(3)又は一般式(4)で表される金属錯体色素の、X 1 、X 2 上の金属と配位結合を形成する少なくとも2個の原子が、共に窒素原子であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録液。
- 一般式(3)又は一般式(4)で表される金属錯体色素の、X 1 又はX 2 で形成される構造が、下記一般式(8)、(9)、(10)または(11)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録液。
- 一般式(3)及び一般式(4)の、Mで表される金属イオンが、Ni、Cu、Co、Cr、Zn、Fe、Pd、Ptのイオンであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録液。
- インクジェット記録液において、水を全記録液中の10重量%以上含有する実質的に水系記録液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のインクジェット記録液。
- 請求項1又は2に記載の記録液が、水を全記録液中の10重量%以上含有する実質的に水系記録液であり、かつ一般式(3)又は一般式(4)の色素がその記録液中に分散物として存在することを特徴とするインクジェット記録液。
- インクジェット記録液において、分子量1000以上の高分子化合物を全記録液中の0.1重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のインクジェット記録液。
- 請求項1〜9の何れか1項記載のインクジェット記録液を用いることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜9の何れか1項記載のインクジェット記録液を用いることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
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