JP3751076B2 - ガイド光方向設定システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ガイド光発生装置から出射されたガイド光を視準方向に合致させることにより、そのガイド光の出射方向を規定するガイド光方向設定システムに係り、特に、トンネル掘削作業への応用が可能なガイド光方向設定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地上から一定深さの箇所にコンクリート製のヒューム管、金属製の鋼管等のパイプを敷設する工法として、地上から一定深さの箇所に配管用の溝を掘ってパイプを敷設するオープンカット工法、地上から一定深さの箇所に配管用のトンネルを掘ってパイプを順次圧入接続する掘削推進工法が知られているが、これらの工法では、そのパイプの敷設方向を定めるために測量が実施される。
【0003】
図1はそのパイプの敷設方向を定めるためのガイド光方向設定システムの従来例を示し、その図1において、1は立て坑穴、2は地表GLに設置されたセオドライト等の測量機、3は地表から一定深さの箇所に設置された測量機である。地表GLには下げ振り装置としての吊架用フレーム4が設置され、この吊架用フレーム4には2本のワイヤとしてのピアノ線5を介して重錘6が吊架されている。その2本のピアノ線5はその重錘6によって互いに平行に張設される。重錘6はピアノ線5の横振れ、縦振れ等の揺動を防止するために、粘性の高い油等の液体7に浸漬されている。
【0004】
作業者はパイプ敷設計画に従って視準方向Lを定め、その2本のピアノ線5,5が重なって1本に見えるように吊架用フレーム4を操作し、これにより視準方向を含む仮想面が形成される。測量機3は例えばセオドライト又はレベル等からなる。測量機3でピアノ線が重なって見えるように視準を調整すれば、地上と地下の視準方向は一致し、視準方向が掘削方向となる。また、測量機3の視準方向に一致したガイド光発生装置を設ければ、ガイド光の方向が掘削方向となる。これにより、この測量機3の視準方向又はガイド光に基づいてトンネル8の掘削作業を行えば、計画に従ったパイプ敷設が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、測量機3又はガイド光発生装置に基づいた方向と視準方向Lとを下げ振り装置を利用して合致させる従来の方向設定システムでは、装置が大掛かりとなると共に、その視準方向又はガイド光の方向と視準方向Lとを合致させて掘削方向を設定する作業にも手間が掛かる。また、この従来の方向設定システムでは、最近の道路事情からして立て坑穴の大きさが制約され、2本のピアノ線5,5の間隔として規定される基線長を自由に大きくとれないので、地表GLから立て坑穴1への測量の写し替え、立て坑穴1からトンネル8への測量の写し替えを行うと、累積誤差が大きくなるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、小型化を図りかつ方向を認識するためのガイド光の出射方向と測量の視準方向とを容易かつ迅速に合致させることができ、しかも累積誤差の小さいガイド光方向設定システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のガイド光方向設定システムは、上記課題を解決するため、方向を定めるガイド光を発するガイド光発生装置と、視準方向に基づいて前記ガイド光の方向を定めるガイド光方向設定装置とから成り、前記ガイド光発生装置は、ガイド光の出射方向に対応する扇状の指示光を前記ガイド光方向設定装置に向けて出射する指示光出射部を有し、前記ガイド光方向設定装置は、該視準方向に対応して配置され前記指示光を受光する第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイを有し、前記指示光は、その光軸中心に、ガイド光発生装置とガイド光方向設定装置とを位置合わせするためのスポット光を構成し、第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイの受光信号の相関関係を求めることにより、視準方向にガイド光方向を合致させることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、指示光を受光したときの第一、第二フォトセンサアレイからの受光信号により、視準方向に対する指示光の光軸のずれを容易に検出することができる。そして、そのずれがなくなるようにガイド光方向または視準方向を回動させることで、ガイド光の出射方向を視準方向に速やかに合致させることが可能となる。
【0010】
また、第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイには多数のフォトセンサが整列して設けられているので、視準方向に対する指示光の光軸のずれを正確に検出することができ、その結果、ガイド光の出射方向を視準方向に高精度に合致させることが可能となる。
【0012】
請求項2に記載のガイド光方向設定システムでは、前記第一、第二のフォトセンサアレイは平行に配置されており、該第一、第二のフォトセンサアレイからの受光信号を対応したチャンネルどうしで相関処理を施し、相関状態が最大であるときに前記ガイド光と視準方向が合致したと判断することを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載のガイド光方向設定システムでは、前記第一、第二のフォトセンサアレイからの受光信号のチャンネルを対応づけた相関処理を第一相関状態とし、次に前記チャンネルの対応づけを所定のチャンネル分ずらした相関処理を第二相関状態とし、前記第一相関状態と第二相関状態がほぼ等しいとき前記ガイド光と視準方向が合致したと判断することを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載のガイド光方向設定システムでは、前記指示光出射部から出射される光は、複数の扇状の光束から成り、前記第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイの受光信号の相関関係を求めることにより視準方向にガイド光方向を合致させることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図2及び図3は本発明に係わるガイド光方向設定装置とガイド光発生装置の関係の概略を示した図である。ガイド光方向設定装置11により視準方向Lが定められる。符号13は視準用望遠鏡を示している。ガイド光発生装置12は、方向を認識するためのガイド光としてのレーザー光Pを出射するガイド光出射部14と、ガイド光の動きに連動して回転し、かつ扇状に広がる指示光Kを出射する指示光出射部15とを有する。ガイド光発生装置12は立て坑穴10内に設置されている。
【0021】
ガイド光出射部14はレーザー光源16と、レーザー光源16からのレーザー光束を平行光にするコリメートレンズ17で構成されている。
【0022】
指示光出射部15は特に図示しないが鉛直補正手段により鉛直方向にレーザー光を出射されるように構成されており、レーザー光源18から出射するレーザー光束はコリメートレンズ19により平行光とされシリンドリカルレンズ20に入射する。シリンドリカルレンズ20はガイド光の出射方向に対応して広がる扇状の指示光Kに変換する。
【0023】
シリンドリカルレンズ20の頂点中央部には、図4に示すように平行平面部21が形成されている。この平行平面部21を透過する光はスポット光Sとして形成される。このスポット光Sは光軸中心であり、かつガイド光出射部14が水平方向回転を成し得るための回転中心でもある。これにより、そのスポット光Sをガイド光方向設定装置11の回転中心を光軸とする求心望遠鏡22で合わせることにより、ガイド光方向設定装置11の回転中心とガイド光出射部14の回転中心とが合致される。
【0024】
指示光Kは図4に示すようにガイド光の出射方向に長く延びる線状光L0を成す。ガイド光方向設定装置11には一対の第一フォトセンサアレイ23と第二フォトセンサアレイ24が、視準方向Lに対応して間隔を開けて平行に配置されている。この対応関係は本実施の形態の場合、それぞれの長手方向が視準方向Lと直交する向きに配置している。
【0025】
図6に視準方向Lと指示光Kの光軸のずれを、図5にフォトセンサアレイとしてフォトダイオードアレイを使用して検出する検出部30のブロック図を示す。
【0026】
第一フォトダイオードアレイ23、第二フォトダイオードアレイ24は本実施の形態では6チャンネルの例を示す。
【0027】
第一フォトダイオードアレイ23、第二フォトダイオードアレイ24に入射した指示光は光電変換され受光信号となりアンプ部25で増幅される。アンプ部25で増幅された受光信号は検波部26で直流電圧信号に変換される。検波部26で直流信号に変換された受光信号はCPU29からの制御信号によりマルチプレクサ27でいずれかのチャンネルを選びA/D変換器28に入力されデジタル値に変換される。デジタル値はCPU29に入力され、次に記す処理が行われる。
【0028】
図6に示す視準方向Lと指示光Kの関係を例に、処理方法を説明する。第一フォトダイオードアレイ23の各チャンネル0〜5に入射している受光光量Sxの受光光量データ列Xと、第二フォトダイオードアレイ24に入射している受光光量Syの受光光量データ列をYとし、同じチャンネルどうしで式(1)を用いて相関係数を算出する。
【0029】
【数1】
相関係数rはSxとSyの曲線が一致したとき最大値となり、ずれが大きくなるにつれて小さくなる。したがって視準方向Lと指示光Kのなす角θの変化に対する相関係数rの値をグラフにすると図7に示すようになる。
【0030】
つまり、リモートコントロール等を使い相関係数が最大となるように、指示光Kと連動したガイド光方向を回転させることで、視準方向にガイド光方向を合致させることができる。また逆に、相関係数rが最大値になるように視準方向を回転させることで、ガイド光方向に視準方向を合致させることもできる。なお相関状態を検出するにあたっては式(1)の分子だけの演算だけでもよく、アナログ回路で構成することもできる。
【0031】
視準方向にガイド光方向を合致させるシステムの自動化は、相関状態の出力に基づいてリモートコントローラ31(図3参照)を経由して、図示していないがガイド光出射部14の回転駆動系を制御することで可能となる。またガイド光方向に視準方向を合致させるシステムの自動化は、図示はしないが視準方向の回転機構に駆動系を持たせ、相関状態の出力でこの駆動系を制御することで可能となる。
【0032】
図8及び図9は本発明が適用されるガイド光発生装置12としてのパイプレーザー装置の詳細構成を示し、この図8及び図9において、30は外フレームである。その外フレーム30には吊りフレーム31(光学系の本体ともいう)が固定されている。その吊りフレーム31の内側には水平方向に軸心を有する一対の球面座32が対峙して形成されている。ガイド光出射部14の一部を構成する筺体33の両側面には球面軸部34が形成されている。その球面軸部34は球面座32に嵌合され、これにより筺体33は三軸方向に回動可能である。その球面軸部34はその先端が球面座32に係合する球面形状とされ、その基部が円柱形状とされている。その円柱部には揺動フレーム35が回動可能に設けられている。各球面軸部34には水平方向で互いに反対方向に突出するピン36,37が設けられている。外フレーム30にはピン36の側に左右回転駆動ユニット38が設けられ、ピン37の側に捻転駆動ユニット39が設けられている。筺体33の後端にはピン40が突設され、外フレーム30にはこのピン40を介して俯迎させる俯迎駆動ユニット41が設けられている。
【0033】
左右回転駆動ユニット38は吊りフレーム31に固定されたギヤボックス42、ギヤボックス42から水平方向に突出するガイドシャフト43、ガイドシャフト43と平行に延びるスクリュシャフト44、スクリュシャフト44に螺合すると共にガイドシャフト43に摺動自在に嵌合されたスライダ45、スクリュシャフト44をギヤボックス42を介して回転駆動する左右調整用のモータ46を有する。スライダ45にはピン36に摺動自在に係合する係合ピン47が立設され、このピン36は係合ピン47に常時当接するように図示を略すスプリングにより付勢されている。モータ46を回転駆動すると、スクリュシャフト44が回転され、スライダ45が水平方向に変位され、このスライダ45の水平方向の変位が係合ピン47を介してピン36に伝達され、これにより、筺体33(ガイド光出射光学系14)が揺動フレーム35と一体に左右方向に回動される。
【0034】
捻転駆動ユニット39は吊りフレーム31に固定されたギヤボックス48、このギヤボックス48から鉛直下方に垂設されたガイドシャフト49、このガイドシャフト49と平行に延びるスクリュシャフト(図示を略す)、このスクリュシャフトに螺合されると共にガイドシャフト49に摺動自在に嵌合されたスライダ50、そのスクリュシャフトを回転駆動する捻転用のモータ51を有する。スライダ50にはピン37に摺動自在に係合する係合ピン52が立設されている。ピン37は係合ピン52に常時当接するようにスプリング53により下方に付勢されている。モータ51を回転駆動すると、スクリュシャフトが回転され、これによりスライダ50が上下方向に変位され、このスライダ50の上下方向の変位が係合ピン52を介してピン37に伝達され、筺体33(ガイド光出射部14)が揺動フレーム35と一体に捻転回動される。
【0035】
俯迎駆動ユニット41は外フレーム30にブラケット54を介して固定されたギヤボックス55、このギヤボックス55から鉛直方向に垂設されたガイドシャフト56、このガイドシャフト56と平行に延びるスクリュシャフト(図示を略す)、このスクリュシャフトに螺合されると共にガイドシャフト56に摺動自在に嵌合されたスライダ57、そのスクリュシャフトを回転駆動する俯迎用のモータ58を有する。スライダ57にはピン40に摺動自在に係合する係合ピン59が立設されている。ピン40は係合ピン59に常時当接するようにスプリング60により下方に付勢されている。モータ58を回転駆動すると、スクリュシャフトが回転され、これによりスライダ57が上下方向に変位され、このスライダ57の上下方向の変位が係合ピン59を介してピン40に伝達され、筺体33(ガイド光出射部14)が揺動フレーム35と一体に俯迎される。
【0036】
揺動フレーム35の後端側にはピン36と平行に延びるピン61が突設されている。このピン61を介して筺体33(ガイド光出射部14)を揺動フレーム35に対して相対回転させてガイド光出射部14の水平方向に対する角度を設定する角度設定ユニット62が筺体33の側面に設けられている。この角度設定ユニット62は筺体33の側面に固定されたギヤボックス63、このギヤボックス63から鉛直方向に立設されたガイドシャフト64、このガイドシャフト64と平行に延びるスクリュシャフト65、このスクリュシャフト65に螺合されると共にガイドシャフト64に摺動自在に嵌合されたスライダ66、スクリュシャフト65をギヤボックス63を介して回転駆動する角度設定用のモータ67を有する。スライダ66にはピン61に摺動自在に係合する係合ピン68が突設されている。ピン61は係合ピン68に常時当接するようにスプリング68aにより下方に付勢されている。モータ67を駆動すると、スライダ66が上下方向に変位し、スライダ66の上下方向の変位が係合ピン68を介してピン61に伝達され、揺動フレーム35を筺体33に対して俯迎させる。
【0037】
本実施の形態では、球面座を用いて3軸方向に自在の構成としているが、捻転動作を除けばジンバル構造でもよい。通常、捻転方向の回転はガイド光発生装置12を設置するときに手動で行っている。
【0038】
このパイプレーザー装置によるガイドレーザー光Pの傾斜の設定手順を述べる。装置を概略平行に設置し、作動させると、後述する傾斜センサ76とガイドレーザー光Pが水平になるように角度設定ユニット62、俯迎駆動ユニット41が調整作動し、基準位置である水平にセットされる。この水平を基準とし、角度設定ユニット62により揺動フレーム35を設定角度とは逆の方向に傾斜させる。これにより角度設定ユニット62が傾いた状態となる。次に、俯迎駆動ユニット41により傾斜センサ76が水平になるように、角度設定ユニット62ごと傾斜させると、設定角度にガイドレーザー光Pが傾斜する。ただし、この設定方法は傾斜センサ76の角度検出範囲が狭い場合であって、検出角度が広い傾斜センサの場合には直接傾斜させる構成とすることもできる。
【0039】
指示光出射部15はここでは光源ユニット69とシリンドリカルレンズ20とからなっている。絞りSLは、ここでは、シリンドリカルレンズ20の背面に設けられている。光源ユニット69は揺動フレーム35の下部に設けられている。その光源ユニット69はその揺動フレーム35の互いに対向する壁面の一方に設けられたレーザー光源70、その壁面の他方にレーザー光源70に対向させて設けられた反射ミラー71、レーザー光源70と反射ミラー71との間に設けられたビームスプリッタ72、ビームスプリッタ72とレーザー光源70との間に配置されたコリメータレンズ19とから概略構成される。ビームスプリッタ72はレーザー光源70を鉛直方向に上下に分割する役割を有する。上方のみにビームを出射する場合は、ビームスプリッタ72に代えて反射ミラーとしても良い。
【0040】
なお、揺動フレーム35、吊り下げフレーム31、外フレーム30の上下には鉛直方向に出射する指示光Kを通過させる透孔73、74、75がそれぞれ形成されている。また、揺動フレーム35の上面にはガイド光の出射方向の傾斜を検出する傾斜センサ76、傾斜センサ76と直交する傾斜センサ76´が設けられている。更に、外フレーム30の前面にはガイド光を通過させる透孔77が形成されている。外フレーム30の下部には支持脚78が設けられて、外フレーム30の水平方向位置出しの粗調整を行うことができるようになっているが、ガイド光発生装置12を図2に示すスタンドに取り付ける場合には、支持脚78は必ずしも必要ではない。
【0041】
本実施の形態により、ガイド光方向に視準方向を合致させることが可能となるが、前記システムの自動化においては、合致近傍において制御すべき方向が同時に検出されると制御形態が簡便となり、制御速度を速めることができる。このための実施の形態を次に示す。
【0042】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態と同様にしてフォトダイオードアレイの受光光量をデータとしてCPUに取り込む。第一フォトダイオードアレイ23の受光光量Sxのデータ列を1チャンネルずらし、第二フォトダイオードアレイ24の受光光量Syのデータ列との相関係数r1を求めると、視準方向Lと指示光Kのなす角θの変化に対する相関係数r1は図10に示すr1のようになる。次に前記とは逆方向に第一フォトダイオードアレイ23の受光光量Sxのデータ列を1チャンネルずらし、第二フォトセンサアレイの受光光量Syのデータ列との相関係数r2を求めると、視準方向Lと指示光Kのなす角θの変化に対する相関係数r2は図10に示すr2のようになる。r1−r2を計算すると図10に示すr1−r2のようになり符号が正であるか負であるかにより視準方向Lと指示光Kのなす角θが正方向であるか負方向であるかが分かり、制御すべき方向が分かる。r1−r2が零であるときに指示光Kと視準方向Lが合致している状態であることを示しており、したがって零の時に制御を停止すればガイド光方向と視準方向を一致させることができる。
【0043】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態と同様にしてフォトダイオードアレイの受光光量をデータとしてCPUに取り込む。
【0044】
次に、第一フォトダイオード23の受光光量Sxのデータ列をX、第二フォトダイオードアレイ24の受光光量SyをYとして相関係数r0を求める。次に第一フォトダイオード23の受光光量Sxのデータ列をチャンネルが減る方向に1チャンネルずらし第二フォトダイオードアレイ24の受光光量Syのデータ列との相関係数r1を求める。r1は第一フォトダイオードアレイ23に入射している指示光Kがフォトダイオードアレイの1ピッチ分左にずれた状態と等価の相関係数である。同様にして第一フォトダイオードアレイ23の受光光量Sxのデータ列をチャンネルが減る方向に2チャンネルずらし第二フォトダイオードアレイ24の受光光量Syのデータ列との相関係数r2を求め、第一フォトダイオードアレイ23に入射している指示光Kがフォトダイオードアレイの2ピッチ分左にずれた状態と等価の相関係数を得る。
【0045】
次に前記とは逆方向に第一フォトダイオードアレイ23に入射している指示光Kがずれた状態と等価の相関係数を得るために、第一フォトダイオードアレイ23の受光光量Sxのデータ列をチャンネルが増える方向に1チャンネルずらし第二フォトダイオードアレイ24の受光光量Syのデータ列との相関係数−r1を求める。−r1は第一フォトダイオードアレイ23に入射している検出光Kがフォトダイオードアレイの1ピッチ分右にずれた状態と等価の相関係数である。同様にして第一フォトダイオードアレイ23の受光光量Sxのデータ列をチャンネルが増える方向に2チャンネルずらし第二フォトダイオードアレイ24の受光光量Syのデータ列との相関係数−r2を求め、第一フォトダイオードアレイ23に入射している指示光Kがフォトダイオードアレイの2ピッチ分右にずれた状態と等価の相関係数を得る。
【0046】
等価的にフォトダイオードアレイのピッチ分ずらした相関係数−r2,−r1,r0,r1,r2をy軸に、ずらしたピッチをx軸にしてグラフにすると図11のようになる。
【0047】
このピッチ内の位置を求めるために、得られた相関係数5点を補間し図11の破線のグラフを得る。相関係数が最大値となる位置を求めることにより第二フォトダイオードアレイ24に入射する指示光Kの位置と第一フォトダイオードアレイ23に入射する指示光Kの位置ずれdを求めることができる。
【0048】
補間の例としてNewton補間を用いた場合の説明を次に記す。ピッチをxとすると−r2のx軸の値は−2x、−rのx軸の値は−x、r0のx軸の値は0、r1のx軸の値はx、r2のx軸の値は2xとなる。
【0049】
この5点を通る多項式を求めるには次のような表を作る。
【0050】
【表1】
このc0,d0,e0,f0を使い求める関数は、
y=(((f0*(d-x)+e0)*(d-0)+d0)*(d-(-x))+c0)*(d-(-2x))+(-2r)
dに値を代入することにより所望のx軸での相関係数を得て補間すると図11に示す破線が得られる。相関係数が最大値となるdを求めることにより第二フォトダイオードアレイ24に入射する指示光Kの位置と第一フォトダイオードアレイ23に入射する指示光Kの位置ずれdを求めることができる。
【0051】
第二フォトダイオードアレイ24に入射する指示光Kの位置と第一フォトダイオードアレイ23に入射する指示光Kの位置ずれd、第一フォトダイオードアレイ23と第二フォトダイオードアレイ24の距離をaとすると、視準方向Lと指示光Kのなす角θは次の式(2)のようになる。
【0052】
【数2】
第1〜第3の実施の形態で得られた指示光Kと視準方向Lのずれを基に自動的にガイド光Pと視準方向Lとを合致させても良い。
【0053】
第1〜第3の実施の形態では一本の扇状の指示光Kを用いた例を示したが、図12に示すような形状のシリンドリカルレンズを用いて、複数本の指示光Kを使用し第一フォトダイオードアレイ23と第二フォトダイオードアレイ24の受光光量SxとSyの相関係数rを求めても良い。そうすると、視準方向Lと指示光Kのなす角θとの関係は図13の実線で示すグラフとなる。図13に破線で示してあるグラフは指示光Kが一本の場合であり、指示光Kを複数にすることによりピークの部分の幅を狭くでき精度を向上できる。なお、図12に示したシリンドリカルレンズの代わりに、図14のような形状のシリンドリカルレンズを用いても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、ガイド光方向もしくは視準方向を回動させるだけで、ガイド光の出射方向を視準方向に容易かつ迅速に合致させることができる。
【0055】
また、視準方向に対する指示光のずれを正確に検知できるため、ガイド光の出射方向を視準方向に高精度に合致させることができる。
【0056】
さらに、請求項2又は請求項3のように構成すれば、ガイド光の出射方向が視準方向に合致しているかの判断をコンピュータ化することができ、掘削方向を設定する際の手間が大幅に軽減される。
【0057】
また、請求項4のように構成すれば、ガイド光発生装置とガイド光方向設定装置の相互の位置を正確かつ迅速に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パイプの敷設方向を定めるためのガイド光方向設定システムの従来例を説明するための図である。
【図2】本発明に係わるガイド光方向設定システムの概略図を示し、立て坑穴にパイプレーザー装置を設置し、その真上にガイド光方向設定装置をセットしてパイプ敷設のためのトンネルの掘削作業を示す図である。
【図3】本発明に係わるガイド光方向設定システムの概略図である。
【図4】シリンドリカルレンズとフォトセンサアレイの位置関係を示す図である。
【図5】フォトセンサアレイから受光信号を取り込んで、視準方向に対する指示光の光軸のずれを検出する検出部のブロック図である。
【図6】視準方向に対して光軸のずれた指示光がフォトセンサアレイに入射した様子を示した図である。
【図7】視準方向と指示光のなす角θに対する、相関係数rの変化を示した図である。
【図8】本発明に係わるガイド光発生装置の詳細構成を示す図であって、正面方向から目視した断面図である。
【図9】本発明に係わるガイド光発生装置の詳細構成を示す図であって、側面方向から目視した部分断面図である。
【図10】視準方向と指示光のなす角θに対する、相関係数r1−r2の変化を示した図である。
【図11】複数の相関状態を補間した得られた相関係数の変化を示した図である。
【図12】シリンドリカルレンズの変形例を示した図である。
【図13】図12のシリンドリカルレンズを使用した場合の、視準方向と検出光のなす角θに対する相関係数rの変化を示した図である。
【図14】シリンドリカルレンズの他の変形例を示した図である。
【符号の説明】
11 ガイド光方向設定装置
12 ガイド光発生装置
14 ガイド光出射部
15 指示光出射部
23 第一フォトセンサアレイ(第一フォトダイオードアレイ)
24 第二フォトセンサアレイ(第二フォトダイオードアレイ)
25 アンプ部
26 検波部
27 マルチプレクサ
28 A/D変換器
29 CPU
30 検出部
Claims (4)
- 方向を定めるガイド光を発するガイド光発生装置と、視準方向に基づいて前記ガイド光の方向を定めるガイド光方向設定装置とから成り、前記ガイド光発生装置は、ガイド光の出射方向に対応する扇状の指示光を前記ガイド光方向設定装置に向けて出射する指示光出射部を有し、前記ガイド光方向設定装置は、該視準方向に対応して配置され前記指示光を受光する第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイを有し、前記指示光は、その光軸中心に、ガイド光発生装置とガイド光方向設定装置とを位置合わせするためのスポット光を構成し、第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイの受光信号の相関関係を求めることにより、視準方向にガイド光方向を合致させることを特徴とするガイド光方向設定システム。
- 前記第一、第二のフォトセンサアレイは平行に配置されており、該第一、第二のフォトセンサアレイからの受光信号を対応したチャンネルどうしで相関処理を施し、相関状態が最大であるときに前記ガイド光と視準方向が合致したと判断することを特徴とする請求項1記載のガイド光方向設定システム。
- 前記第一、第二のフォトセンサアレイからの受光信号のチャンネルを対応づけた相関処理を第一相関状態とし、次に前記チャンネルの対応づけを所定のチャンネル分ずらした相関処理を第二相関状態とし、前記第一相関状態と第二相関状態がほぼ等しいとき前記ガイド光と視準方向が合致したと判断することを特徴とする請求項1記載のガイド光方向設定システム。
- 前記指示光出射部から出射される光は、複数の扇状の光束から成り、前記第一フォトセンサアレイと第二フォトセンサアレイの受光信号の相関関係を求めることにより視準方向にガイド光方向を合致させることを特徴とする請求項1記載のガイド光方向設定システム。
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