JP3748274B2 - 水系再剥離型感圧接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、粘着テープ用、ラベル用、シート用などの水系再剥離型感圧接着剤に関し、さらに詳しくは、自動車の焼付け塗装時など、高温下においても使用でき再剥離性に優れている水系再剥離型感圧接着剤に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
再剥離型感圧接着剤は、例えば、粘着テープ用、ラベル用、シート用などの粘着剤として用いられており、このような粘着剤層が設けられた粘着テープは、自動車の外装の焼付け塗装などの高温条件下でもマスキング材として使用されることがある。
【0003】
このような再剥離型感圧接着剤としては、例えば、特開平1-263176号公報には、
(a)60〜100重量%のビニルモノマーが、各アルキル基がその炭素原子の少なくとも半分を単一鎖中に有し、該アルキル鎖の平均長さが少なくとも4そして12より多くない非第三アルキルアクリレートの部類から選ばれる少なくとも1種の末端不飽和ビニルモノマー95〜99.9重量部と、
(b)疎水性および親水性部分の両者を有し、少なくとも5個、但し、40個より多くない炭素原子を含有し、かつ、水−分散性の界面活性剤である少なくとも1種のビニル不飽和単独重合性モノマー0.1〜5重量部[(a)+(b)の合計重量部は100である]からなるモノマーとを共重合させてなるコポリマーからなる感圧接着剤であって、特定の式で表わされるポリオキシエチレンホスフェート(i)およびその塩(ii)の少なくとも1種から選ばれるホスフェート乳化剤を該接着剤の約0.2〜約5重量部の量で含む、速い乾燥性を有する感圧接着剤が開示されている。
【0004】
しかしながら、この公報の各実施例に具体的に開示されている接着剤は、各種の被着体(例えば、SUS板、塩ビ等)からの再剥離性に劣り、特に高温条件下で使用しようとすると著しく再剥離性に劣り、低温から高温までの広い温度範囲にわたっては良好な再剥離性を示さない。
【0005】
また、特開平4-298585号公報には、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと一般式(I)
CH2=C(R1)-COO(CH2-CH(R2)-O)n-H (I)
(式中、R1,R2は水素原子またはメチル基、nは2〜30の数である。)
で表わされる水酸基含有モノマーを含むビニル系モノマー混合物であり、かつ該モノマー混合物中の水酸基含有モノマーの含有量が2〜50重量%であるビニル系モノマー混合物を共重合して得られる合成樹脂エマルジョン(固形分換算)に対してイソシアネート系化合物を0.1〜20重量%配合してなる転写塗工が可能な再剥離型粘着剤組成物が開示されている。
【0006】
しかしながら、この公報に記載された水酸基含有モノマー(I)が配合された再剥離型粘着剤組成物は、上記のような被着体に対して特に高温条件下で使用しようとすると、著しく再剥離性に劣り、良好な再剥離性を示さない。
【0007】
このような問題点を解決すべく鋭意研究したところ、本発明者らは、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、特定のカルボキシル基含有単量体と、特定の官能基含有単量体と、特定の反応性界面活性剤とを、特定量用いて乳化重合してなる感圧接着剤は、各種の被着体からの再剥離性に優れ、高温条件下で使用されても優れた再剥離性を示すことなどを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は、低温から高温までの広い温度範囲において各種の被着体に対して良好な再剥離性を示す水系再剥離型感圧接着剤を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤は、
(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜99.9重量部と、
(b)該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なカルボキシル基含有単量体0.1〜10重量部と、
(c)該(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および該カルボキシル基含有単量体(b)のいずれとも共重合可能であって、ニトリル基、水酸基、N - メトキシアルキル基、ハロゲン基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる官能基を含有する単量体0.1〜10重量部[但し、上記カルボキシル基含有単量体(b)とこの官能基含有単量体(c)とは合計で0.2〜20重量部である]と、
上記(a)+(b)+(c)の合計100重量部に対して、
(d)ポリオキシアルキレン基[i]と、
アルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基およびアルキル基から選ばれる親油性基[ii]と、
エチレン性二重結合を有するラジカル重合性官能基[iii]とを有し、
かつ、
上記ポリオキシアルキレン基[i]と、
上記アルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基およびアルキル基から選ばれる親油性基[ii]とが、置換または未置換の炭化水素基を介して結合しているか、または直接結合している、
反応性界面活性剤0.1〜70重量部とを、
乳化重合してなることを特徴としている。
【0010】
上記のような本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤は、低温から高温までの広い温度範囲において各種の被着体、例えばステンレス(SUS)板、塩ビ板、メラミン塗装板等に対して良好な再剥離性を示す。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤について、具体的に説明する。
本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤は、
(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、
(b)該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なカルボキシル基含有単量体と、
(c)該(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および該カルボキシル基含有単量体(b)のいずれとも共重合可能であって、ニトリル基、水酸基、N - メトキシアルキル基、ハロゲン基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる官能基を含有する単量体と、
(d)ポリオキシアルキレン基[i]と、アルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基およびアルキル基から選ばれる親油性基[ii]と、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性官能基[iii]とを有し、かつ、
上記ポリオキシアルキレン基[i]と、上記アルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基およびアルキル基から選ばれる親油性基[ii]とが、置換または未置換の炭化水素基を介して結合しているか、または直接結合している反応性界面活性剤とを、乳化重合して得られる。
【0012】
なお、反応性界面活性剤(d)を構成しているアルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基、アルキル基などの親油性基[ii]は、イソプロペニル基等のラジカル重合性の置換基を有していてもよい。
【0013】
また、上記ポリオキシアルキレン基[i]と、親油性基[ii]とが、置換または未置換の炭化水素基を介して結合している場合、このような炭化水素基としては、エチレン基など炭素数が1〜5程度のアルキレン基が挙げられ、これらのアルキレン基の水素原子は、ビニル結合を有する置換基(例:CH2=CH-CH2O-CH2-等)などラジカル重合性の置換基で置換されていてもよい。
【0014】
エチレン性二重結合(C=C)を有するラジカル重合性官能基[iii]としては、具体的には、例えば、ビニル基、アクリロイル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、アリル基等が挙げられる。
【0015】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)
このような水系再剥離型感圧接着剤を乳化重合にて調製する際に用いられる、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)としては、具体的には、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられる。これらの内では、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチルが好ましく用いられる。
【0016】
これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
カルボキシル基含有単量体(b)
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)と共重合可能なカルボキシル基含有単量体(b)としては、具体的には、
アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、クロトン酸、α-メチルクロトン酸、α-エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジヒドロムコン酸など、1〜2個程度のカルボキシル基を有する単量体が挙げられる。これらの内では、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。
【0017】
これらのカルボキシル基含有単量体は、単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
官能基含有単量体(c)
該(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および該カルボキシル基含有単量体(b)のいずれとも共重合可能であって、上述したような特定の官能基を含有する単量体(c)として、具体的には、ニトリル基を有する(メタ)アクリロニトリル等、水酸基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等、N-メトキシアルキル基を有するN-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシブチル(メタ)アクリルアミド等、ハロゲン基を有する塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等、アルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等が挙げられる。
【0018】
これらの内では、エトキシ基を有する(メタ)アクリル酸エトキシエチル、ニトリル基を有する(メタ)アクリロニトリルが好ましく用いられる。
【0019】
なお、上記官能基含有単量体(c)の内で、ニトリル基、水酸基あるいはアルコキシ基を有する単量体は親水性を有し、乳化重合を容易にし、重合中にはエマルジョンの分散安定性を高め、しかも重合後のエマルジョンの分散安定性を向上させることができる。
【0020】
また、N - メトキシアルキル基を有する単量体は自己架橋性を有し、粘着剤としての凝集力を高めることができ、その添加量を変えることにより、粘着力と凝集力のバランスを調整することができる。
【0021】
また、ニトリル基あるいは、ハロゲン基を有する単量体は、ガラス転移温度(Tg)が高く、粘着剤としての弾力性を変化させ、その添加量を変えることによって、粘着力と凝集力のバランスを調整することができる。
【0022】
反応性界面活性剤(d)
反応性界面活性剤(d)としては、下記[イ]〜[ホ]に記載するような化合物が挙げられる。
【0023】
すなわち、親水性に寄与するカルボキシル基とポリオキシアルキレン基[i]とを有し、ポリオキシアルキレン基[i]が1〜100モルの量のエチレンオキサイド基(ポリオキシエチレン基)であり、親油性基[ii]がアルキルフェニル基であり、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性官能基[iii]がビニル基、アクリロイル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基またはアリル基であり、上記ポリオキシエチレン基[i]と、上記アルキルフェニル基[ii]とが直接結合している下記のような非イオン性の化合物(反応性乳化剤)[イ]が挙げられる。(但し、Phはフェニル基を表わす。以下同様。)
化合物[イ]:
CH2=C(H)COO(C2H4O)6−Ph−C9H19[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:560−A]、
CH2=C(H)COO(C2H4O)8−Ph−C9H19[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:564−A]、
CH2=C(H)COO(C2H4O)16−Ph−C9H19[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:568−A]。
【0024】
上記化合物[イ]において、親油性基[ii]をアルキルフェニル基に代えてアルキルフェニル基とした以外は上記化合物[イ]と同様な化合物である下記のような非イオン性の化合物[ロ]が挙げられる。
【0025】
化合物[ロ]:
CH2=C(CH3)COO(C2H4O)15C12H25[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:1115−MA]、
CH2=C(H)COO(C2H4O)2C8H17[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:EHDG−A]。
【0026】
カルボキシル基とポリオキシアルキレン基[i]とを有し、ポリオキシアルキレン基[i]が1〜100モルの量のエチレンオキサイド基(ポリオキシエチレン基)であり、親油性基[ii]がアルキルフェニルオキシ基であり、かつ、上記ポリオキシエチレン基[i]と、上記置換アルキルフェニルオキシ基[ii]とが置換基(例:CH2=CH−CH20−CH2-)を有する炭化水素基(例:エチレン基)を介して結合している下記のような非イオン性の化合物[ハ]が挙げられる。
【0027】
化合物[ハ]:
【0028】
【化1】
【0029】
[旭電化工業(株)製:アデカリアソープ、品番:NE−10(n=10)、NE−20(n=20)、NE−30(n=30)、NE−40(n=40)]、
ポリオキシアルキレン基[i]が1〜100モルの量のエチレンオキサイド基(ポリオキシエチレン基)であり、親油性基[ii]が、ラジカル重合性の置換基(例:イソプロペニル基)の結合したアルキルフェニルオキシ基であり、かつ、上記ポリオキシエチレン基[i]と、上記置換アルキルフェニルオキシ基[ii]とが直接結合している下記のような非イオン性の化合物[ニ]が挙げられる。
【0030】
化合物[ニ]:
【0031】
【化2】
【0032】
[第一工業製薬(株)製:アクアロン、品番:RN−20(n=20)、RN−50(n=50)]
なお、上記のような反応性乳化剤において、付加しているエチレンオキサイド基の量が、1モル未満では、得られる再剥離型感圧接着剤の再剥離性が低下し、また100モルを超えると重合安定性が低下する傾向がある。
【0033】
ポリオキシアルキレン基[i]が1〜100モルの量のプロピレンオキサイド基(ポリオキシプロピレン基)であり、親油性基[ii]がアルキルフェニルオキシ基であり、ラジカル重合性官能基[iii]がビニル基、アクリロイル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基またはアリル基であり、かつ、上記ポリオキシプロピレン基[i]と、上記アルキルフェニルオキシ基[ii]とが、直接結合している下記のような非イオン性の化合物[ホ]が挙げられる。
【0034】
ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート[ホ]:
C9H19-Ph-O-(R)n-OCCH=CH2
(R:CH2CH(CH3)O)
[新中村化学(株)製:NKエステル、品番:NPA−5P(n≒5)]
これらの内では、上記式(1)において、nが30のアデカリアソープ(NE−30)、上記式(2)においてnが20のアクアロン(RN−20)、nが50のアクアロン(RN−50)、
CH2=C(H)COO(C2H4O)6−Ph−C9H19
[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:560−A]
が好ましく用いられる。
【0035】
本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤は、上記原料モノマー(a)、(b)、(c)および(d)を乳化重合させることにより得られる。
本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤を製造する際には、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)は、このエステル(a)とカルボキシル基含有単量体(b)と官能基含有単量体(c)との合計100重量部中に、40〜99.9重量部、カルボキシル基含有単量体(b)は、0.1〜10重量部、好ましくは1〜4重量部の量で、官能基含有単量体(c)は、0.1〜10重量部、好ましくは1〜4重量部の量で用いられる。また、カルボキシル基含有単量体(b)と官能基含有単量体(c)とは、このエステル(a)とカルボキシル基含有単量体(b)と官能基含有単量体(c)との合計100重量部中に、合計で0.2〜20重量部、好ましくは2〜8重量部の量で用いられる。
【0036】
また、反応性界面活性剤(d)は、(a)と(b)と(c)との合計100重量部に対して、0.1〜70.0重量部、好ましくは2.0〜20.0重量部の量で用いられる。
【0037】
カルボキシル基含有単量体(b)が、0.1重量部未満でも、また10重量部を超えても重合安定性が低下する傾向がある。
官能基含有単量体(c)が、10重量部を超えると、重合安定性が低下してしまい、得られる水系再剥離型感圧接着剤のタック、粘着力が低下する傾向がある。
【0038】
なお、官能基含有単量体(c)が、0.1重量部未満では、凝集力と粘着力の良好なバランスが得にくくなる傾向がある。
また、カルボキシル基含有単量体(b)と官能基含有単量体(c)とは、(a)と(b)と(c)との合計100重量部の中で、その合計量が0.2重量部未満でも、また20重量部を超えても重合安定性が低下してしまい、得られる水系再剥離型感圧接着剤のタック、粘着力が低下する傾向がある。
【0039】
また、反応性界面活性剤(d)が、(a)と(b)と(C)との合計100重量部に対して、0.1重量部未満では、再剥離性が低くなり、70重量部を超えると重合安定性が低下し、得られる水系再剥離型感圧接着剤の基材に対する投錨性が低下する傾向がある。
【0040】
次に本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤の製造法を述べる。
例えば、脱イオン水30〜80重量部に、必要によりポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどの外部乳化剤0.5〜5重量部を溶解させてなる乳化剤水溶液に、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)40〜99.9重量部、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有単量体(b)0.1〜10重量部、官能基含有単量体(c)0.1〜10重量部[但し、(b)と(c)の合計量は、0.2〜20重量部となるようにする]および、(a)と(b)と(c)との合計100重量部に対してアデカリアソープ(品番:NE−30)などの反応性界面活性剤(d)0.1〜70.0重量部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液を調製する。
【0041】
一方、脱イオン水30〜80重量部に、過硫酸カリウムなど後述するような重合開始剤0.05〜2.0重量部、アクリル酸ノルマルブチルなどの重合性モノマー2〜5重量部、必要により陰イオン活性剤の1種であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの外部乳化剤0.5〜5重量部を加えて、水性反応母液を調製する。
【0042】
次いで、この水性反応母液を窒素ガス雰囲気下で、60〜80℃程度の温度に加熱して反応を開始させる。
次いで、上記温度に保持された反応母液中に、通常、反応開始直後より、150〜300分程度の時間をかけて上記単量体水性分散液を徐々に滴下し、乳化重合を行う。このような単量体水性分散液の滴下終了後さらに60〜180分間程度、反応液の温度を75〜90℃程度の温度に保持すると、所望の水系再剥離型感圧接着剤が得られる。なお、必要により、得られた乳化重合体溶液を20〜40℃程度に冷却した後、該溶液のpH値を例えば7.0付近に調整してもよい。
【0043】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
感圧接着テープの製造
上記の水系再剥離型感圧接着剤層が基体の表面に設けられた感圧接着テープを製造するには、水系再剥離型感圧接着剤を、乾燥後の膜厚が5〜40μm程度となるような量で、上質紙あるいは必要により予めコロナ放電処理などの表面処理が施されたポリエステルフィルムなどの基体上に塗布、吹付け等すればよい。このように水系再剥離型感圧接着剤を基体上に塗布するには、例えばアプリケータなどが用いられる。
【0044】
本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤を製造する際には、上記(a)、(b)、(c)および(d)とともに、ホスフェート系乳化剤、その他の外部乳化剤を用いてもよい。
【0045】
ホスフェート系乳化剤として、例えば、下記式(3)で表わされるポリオキシエチレンホスフェートおよびその塩を挙げることができる。
【0046】
【化3】
【0047】
(式中、R1、R2、およびR3の少なくとも1つはR−O−(CH2CH2O)n−であり、他は、−OHであり、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、およびアルキルアリール基、アルコキシ基の内から選ばれる。nは、正の整数である。)
ホスフェート乳化剤は、上記(a)と(b)と(c)と(d)との合計100重量部当り、0.5〜10重量部の量で用いられる。
【0048】
その他の外部乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリールポリエトキシスルホン酸ナトリウム、n−ラウリル-β-イミノジプロピオン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る水系再剥離型感圧接着剤は、低温から高温までの広い温度範囲で使用後、各種の被着体、例えばステンレス(SUS)板、塩ビ板、メラミン塗装板等に対して良好な再剥離性を示す。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0051】
【参考例1】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル96.0部、(b)アクリル酸1.0部、(c)メタクリルアミド3.0部、(d)NE−30 2.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液153部を調製した。
【0052】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水50部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0053】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液153部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0054】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0055】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0056】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0057】
【実施例1】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、モノラウリルホスフェート1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)メタクリル酸イソノニル94.0部、(b)メタクリル酸2.0部、(c)アクリル酸2-エトキシエチル4.0部、(d)RN−20 4.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液154部を調製した。
【0058】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水50部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0059】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液154部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0060】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0061】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0062】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0063】
【実施例2】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル50.0部、アクリル酸ノルマルブチル46.0部、(b)アクリル酸2.0部、(c)アクリロニトリル2.0部、(d)RN−50 4.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液154部を調製した。
【0064】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水50部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0065】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液154部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0066】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0067】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0068】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0069】
【参考例2】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル50.0部、アクリル酸ノルマルブチル45.0部、(b)メタクリル酸4.0部、(c)アクリルアミド1.0部、(d)560−A 10.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液110部を調製した。
【0070】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水60部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0071】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液110部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0072】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0073】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0074】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0075】
【実施例3】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ジラウリルホスフェート1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)メタクリル酸ブチル90.0部、(b)アクリル酸2.0部、(c)メタクリロニトリル8.0部、(d)NPA−5P 2.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液103部を調製した。
【0076】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水40部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0077】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液103部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0078】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0079】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0080】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0081】
【比較例1】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル96.0部、(b)アクリル酸1.0部、(c)メタクリルアミド3.0部、(d)スチレンスルホン酸ナトリウム2.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液103部を調製した。
【0082】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水40部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0083】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液103部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0084】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0085】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0086】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0087】
【比較例2】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル67.0部、(b)2-アクリロイルオキシエチルコハク酸31.0部、(c)メタクリルアミド2.0部、(d)RN−20 2.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液152部を調製した。
【0088】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水50部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0089】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液152部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0090】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0091】
【比較例3】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)メタクリル酸ラウリル66.0部、(b)アクリル酸3.0部、(c)アクリル酸2-エトキシエチル31.0部、(d)RN−50 4.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液154部を調製した。
【0092】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水50部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0093】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液154部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0094】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0095】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0096】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0097】
【比較例4】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル50.0部、アクリル酸ノルマルブチル45.0部、(b)メタクリル酸4.0部、(c)アクリルアミド1.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液150部を調製した。
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水40部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0098】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液150部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0099】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0100】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0101】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0102】
【比較例5】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)アクリル酸ノルマルオクチル50.0部、アクリル酸ノルマルブチル45.0部、(b)メタクリル酸4.0部、(d)560−A 10.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液109部を調製した。
【0103】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水60部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0104】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液109部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0105】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0106】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0107】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
【0108】
【比較例6】
感圧接着剤の合成
脱イオン水50部に、ジラウリルホスフェート1.0部を溶解させた乳化剤水溶液に、(a)メタクリル酸ブチル90.0部、(b)アクリル酸2.0部、(c)メタクリロニトリル8.0部、(d)MA−150{CH2=C(CH3)COO(C2H4O)15H[日本乳化剤(株)製の改質剤、品番:MA−150]}2.0部を攪拌下に分散させて単量体水性分散液103部を調製した。
【0109】
別に攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み口、および還流冷却装置を供えたガラス製反応器に、脱イオン水40部を入れ、さらに過硫酸カリウム0.2部、アクリル酸ブチル2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を加えて、水性反応母液を調製した。
【0110】
次いで、このガラス製反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換した後、水性反応母液を82℃に加熱して反応を開始させた。
反応が開始した直後より、この滴下ロートから上記単量体水性分散液103部を180分かけて滴下し、乳化重合を行った。この間反応液の温度を、82℃に保持した。
【0111】
180分経過後さらに120分間反応液の温度を82℃に維持して重合反応を完結させた、反応液を25℃に冷却した後、反応液のpH値を7.0付近に調整した。
【0112】
試料(感圧接着テープ)の作成
上記の感圧接着剤を、アプリケータを用いてコロナ放電処理をした25μのポリエステルフィルムおよび上質紙に乾燥後の塗膜が25μの厚みとなるように塗工した。
【0113】
次いで、105℃で3分間乾燥して剥離紙と貼合し、試料を作成した。
次に、下記の方法で感圧接着テープの性能評価を行った。
試験方法:
(1)重合安定性:
重合安定性は、反応液を目視で観察して、凝集物の存在が殆ど認められない場合を○とし、若干の凝集物の存在が認められた場合を△とし、多くの凝集物の存在が認められた場合を×とした。
(2)粘着力:
JIS Z−0237に規定されている試験板に対する180゜引きはがし粘着力をインストロン型引張試験機を用いて測定した。試験板にはSUS304を用いた。
(3)保持力:
JIS Z−0237に規定されている保持力の測定法に準じて40℃で1kgの荷重をかけて落下するまでの時間を測定した。試験板にはSUS304を用いた。
(4)再剥離性:
PETフィルムおよび上質紙を各試験板に貼着し、2kgのゴムロールで2往復して圧着し、5℃、23℃、120℃、180℃の各温度で60分間保存し、室温まで冷却してから再剥離性と同様にして評価した。
【0114】
結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
Claims (1)
- (a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル40〜99.9重量部と、(b)該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なカルボキシル基含有単量体0.1〜10重量部と、(c)該(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および該カルボキシル基含有単量体(b)のいずれとも共重合可能であって、ニトリル基、水酸基、N - メトキシアルキル基、ハロゲン基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる官能基を含有する単量体0.1〜10重量部[但し、上記(b)と(c)との合計は0.2〜20重量部である]と、上記(a)+(b)+(c)の合計100重量部に対して、(d)ポリオキシアルキレン基[i]と、アルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基およびアルキル基から選ばれる親油性基[ii]と、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性官能基[iii]とを有し、かつ、上記ポリオキシアルキレン基[i]と、上記アルキルフェニルオキシ基、アルキルフェニル基およびアルキル基から選ばれる親油性基[ii]とが、置換または未置換の炭化水素基を介して結合しているか、または直接結合している、反応性界面活性剤0.1〜70重量部とを、乳化重合してなることを特徴とする水系再剥離型感圧接着剤。
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