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JP3637357B2 - 冠歯車の製造工具 - Google Patents

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Description

本発明は、工具と加工品とを一定の回転速度比で回転させつつ前記工具が加工品を連続的に加工するように両者を相対的に移動させる切削ホビング工程によって、冠歯車の圧力角が最大値との間をとるようにして冠歯車を製造するための工具であって、該工具は、軸線回りに回転可能とされ且つその外周面上に切削部材が配置されたディスクを有し、該切削部材の切削用エッジは該ディスクの外周上に実質的に螺旋状のリブを突出させた歯形(輪郭)の表面に形成され、該歯形は、前記リブの螺旋方向に垂直な各断面において、互いに隣り合うよう配置された数個の特定歯形歯の形状を有し、前記歯形の形状は、製造されるべき冠歯車に固有のものであってインボリュート歯を備えたピニオンの基準となる幾何学的形状に基づいており、該ピニオンの基礎円の中心は前記工具の回転軸に垂直な平面内にある円上にあり、且つ、該中心は前記工具の回転軸上にあり、前記各特定歯形歯の2つのフランクの各々が、前記固有ピニオンの基礎円への接線に垂直な直線及び/又は前記基礎円のインボリュート曲線の一部によって形成されるように、且つ、前記基礎円上の歯元の位置が前記固有ピニオンのインボリュートの歯元と一致するようになされている冠歯車の製造工具に関する。
このような工具は、本願出願人の公開された国際特許出願No.PCT/NL91/00245によって開示されている。
前記特許出願によって開示された工具は、それ自体十分なものである。しかしながら、切削時間が比較的長いということが分かっている。前記切削時間は、ギヤ歯車フライスの場合には、切削の最大許容深さによって決まる最大許容初期速度によって決定される。初期速度が速すぎると、工具の過度の摩滅を引き起こす。
本発明の目的は、切削時間が短縮され得るように公知の工具を改良することにある。
本発明に係る上記の課題は、前記ディスクの外周面上に沿って延びた歯形の一部が、前記工具の回転軸回りに前記固有ピニオンの歯先円を回転させることによって形成される回転面の外側に在るような形状を有しており、その結果、前記工具は、前記歯形の前記位置の表面に切削用エッジが形成され、且つ冠歯車の製造時に予備切削が行われ得るように切削部材又は切削部を具備していることを特徴とする冠歯車の製造工具によって達成される。
本発明は、製造されるべき冠歯車の歯の作用部位の形状に影響を与えることなく、ディスクの外周に沿って延びる特定歯形のリブを固有ピニオンの歯先面の外側の領域に形成するとともに、この領域内に前記リブに加えて更にリブを設けることが可能であるという洞察に基づいている。
本発明によるこの手段の利点によって、初期速度をかなり上昇させることができ、それによって工具の耐用期間に関する不利な影響を生じさせることなく、切削時間が短縮され得る。フライスの場合には、カット深さを一定に維持して約4倍、その初期速度は上昇され得ることが分かった。
本発明に係る工具の非常に好適な実施例は、前記リブの螺旋方向に垂直な各断面において、前記固有ピニオンの基礎円の中心を通過し、且つ前記工具の回転軸に垂直な前記歯形の中心線(h)の方に向けられた各特定歯形歯のフランクは、前記固有ピニオンと、前記基礎円への第1の接線(l)との間の領域内においては、第1の接線(l)と直角に交差する基礎円のインボリュート曲線の一部によって形成され(前記接線の接点は中心線(h)に対して問題としている歯のフランクと同じ側にあって、基礎円の中心から前記接点への半径ベクトルが中心線(h)となす角度は、製造されるべき冠歯車の最大圧力角に等しいものとなる)、前記工具の回転軸から見て、前記第1の接線(l)の外側に在る領域内においては、前記インボリュート曲線と前記第1の接線(l)とが交差する位置で、前記接線(l)に直角に交差するインボリュート曲線への接線により形成されており、前記歯形の中心線(h)から離反する側へ向けられた各特定歯形歯のフランクは、前記工具の回転軸から見て、前記基礎円への第2の接線(m)の外側の領域内においては、前記第2の接線(m)と直角に交差する前記基礎円のインボリュート曲線の一部によって形成され(該接線に接点は、中心線(h)に関し、問題としている歯のフランクの反対側にあり、前記基礎円の中心から接点への半径ベクトルが、中心線(h)とのなす角は、製造されるべき冠歯車の最小圧力角に等しい角度となる)、前記工具の回転軸から見て、上記接線の内側にある領域内においては、前記インボリュート曲線と前記第2の接線(m)との交差する位置で、前記第2の接線(m)に直角に交差するインボリュート曲線への接線によって形成され、各特定歯形歯の2つのフランクが、前記工具の外周上において収束していることを特徴とする。
この実施例は、前記切削部材に最大の拡張度(maximum extension)を与え、その結果、冠歯車の製造中に、最大の予備切削を生じさせ得る。冠歯車の歯の最終歯形は、インボリュート上にある切削部材の切削用エッジによって形成され、予備切削によっては影響を受けない。
本発明は、添付図面を参照しつつ以下に示した実施例の中でより詳細に説明される。即ち、
図1は、本発明に係る工具による冠歯車の切削状況を概略図で表したものである。
図2は、本発明に係る工具の外周部分の1つの断面である。
図3は、本発明に係る工具の歯形の歯形状がどのように構成されるかを示している。
図1は、本発明に係る工具2によって冠歯車1を切削しているところを概略的に示している。切削加工は、ホビング工程で行われ、この工程では、工具2及び加工品1は、一定の回転速度比で回転するとともに前記工具が加工品を連続的に切削加工するように互いに相対的に移動する。工具2はディスク12を具備し、ディスク12はその軸線11回りに回転可能とされるとともに、その外周上には切削部材が設けられ、切削部材の切削用エッジは、実質的に螺旋状のリブ13としてディスク12の外周に亘って延設された歯形の外側表面に在る。図2は、工具2の外周部の断面を表しており、この断面は前記リブの螺旋方向に対して垂直である。
図2の断面及び前記リブの螺旋方向に対し垂直などの断面においても、ディスク12の歯形は、複数の隣接した特定歯形歯21a−eの形状を有している。この歯形形状は、製造される冠歯車について固有のものであって、インボリュート歯を有するピニオンの幾何的形状に基づいている。
図2は、基礎円とこの固有のピニオンのインボリュート歯23a−eを、破線で示している。基礎円22の中心Mは、工具の回転軸11(図2に示さず)に垂直な面W内にある1つの円上にあり、この円の中心線は前記回転軸上に在る。各特定歯形歯21b−dの2つのフランクは、PCT/NL91/00245に係る公知の工具にあるように、前記固有ピニオンの基礎円22に接する接線l、l′又はm、m′に垂直な直線及び/又は前記基礎円22のインボリュート曲線の一部によって形成され、インボリュートの基礎円上の歯元(foot)の位置は、基礎円22上の固有ピニオンの歯23b−dのインボリュートの歯元24b−d;25b−dと一致する。
本発明によれば、ディスク12の外周に沿って延びる歯形は、その一部分が、工具の回転軸11の回りに固有ピニオンの歯先円26を回転させることによって形成される回転面の外側にあるような形状を有している。断面において、図2に見られるように、これは、特定歯形歯(特定歯形歯21b−d)の一部又は両端部の特定歯形歯(特定歯形歯21a及び21e)が、中心Mから見て固有ピニオンの歯先円26の外側にあるという態様で明示されている。
冠歯車の製造時に、切削用エッジが固有ピニオンの歯先円の外側にある歯形の部分上にある切削部材によって、予備切削が行なわれる。その結果、公知の工具と比較して、同じ初期回転速度に対して切削深さはかなり減少させられる。切削深さを一定に保てば、初期回転速度を上昇させることができる。このことは、加工時間の大幅な短縮につながり、初期回転速度を4倍に上昇させることが可能である。
冠歯車の歯の最終形状は、断面においてインボリュート曲線の形状を具備する歯形(profile)の部分によって決定される。
工具の特定歯形歯の形状が如何にして構成されるかを、図3を参照しつつ、以下に説明する。図3の特定歯形歯形状は、図2のそれに一致している。図2及び図3に示された特定歯形歯の場合には、切削部材は、最大の拡張度(extension)を有している。
特定歯形歯の形状を決定するにあたり、開始地点は、その歯形の中心線hである。中心線h上に位置して基礎円Rbの中心Mがあり、前記基礎円Rb上に固有ピニオンの歯T1,T2,及びT3のためのインボリュートの歯元P1及びR1,P2及びR2,P3及びR3がそれぞれ存在する。P1Q1,R1Q1,P2Q2及びR2Q2及びP3Q3及びR3Q3は、冠歯車の固有ピニオンの歯のインボリュートである。
冠歯車は、最大と最小の圧力角によって特徴づけられ、最も小さい圧力角a最小が冠歯車の内径上に位置し、最も大きい圧力角a最大が冠歯車の外径上に位置する。前記工具の切削用エッジの作製時には、その圧力角に対して、同様にして上述した最大値と最小値が利用される。
インボリュートの歯元P及びRを通る特定歯形歯のフランクの形状を知るために、接線l及びmが決定される。これらの接線は、基礎円上の接点への半径ベクトルが各々歯形の中心線hとなす角a最大及びa最小を形成する。図3から明らかなように、角a最大を形成する前記半径ベクトルは、歯(T3)の歯形の中心線hに関し、問題としている歯(例えばT2)と同じ側、角a最小を形成する前記半径ベクトルは、歯(T3)の歯形の中心線hに関し、問題としている歯(例えばT2)とは反対側に位置している。なお、前記接線lの基礎円Rbとの接点は、中心線(h)に対して、問題としている歯のフランクと同じ側に位置し、基礎円の中心から前記接点への半径ベクトルと中心線(h)との角度が、製造される冠歯車の最大圧力角に等しくなる。
また、角a最大及びa最小を形成する半径ベクトルの歯(T3)の中心線(h)に関する位置と、問題としている歯(例えばT2)の中心線に対する左右のフランクの位置とは、両者の対応関係が左右反対の関係にある。即ち、中心線hの左側の半径ベクトルを持った接線は、問題としている歯の右側のフランクの形を定めるのに重要であり、中心線hの右側の半径ベクトルを持った接線は、問題としている歯の左側のフランクの形を定めるのに重要であることを意味する。
図3に示すように、歯形の中心線hから離反する方向を向いている歯のフランクは、前記フランク又はその延長線のインボリュート曲線と、接線mとの交点B1,B2,B3を決定することにより構成される。前記インボリュート曲線は接線mに垂直に交差する。
インボリュート曲線うち接線mより上の部分は、カッティングエッジ部を形成し、接線mより下の部分は、B1,B2,B3の位置でのインボリュート曲線への接線によって切削用エッジが形成され、前記接線の方向は接線mの垂直に一致する。
図3から分かるように、歯T3では、両側のフランクが歯形の中心線hから離反する側に向いている。歯T3の第2フランクは、これに対応して接線m′との交点B3′を有している。
歯形の中心線hに向いた歯のフランクは、接線lとフランクのインボリュート曲線との交点A1,A2及びA3によって決定される。この場合、歯T1の場合、固有ピニオンの歯のインボリュート曲線は接線lに垂直に交差しないことが分かる。その理由は、歯元R1が中心Mから接線lへの半径ベクトルを超えて位置しているからである。この場合、同じ歯元R1から描かれる2本のインボリュート曲線うちインボリュート曲線が利用され、こ 他方のインボリュート曲線が交点A1′を生じさせる。この他方のインボリュート線は、接線lに垂直に交差する。その切削用エッジは、接線lの下方領域で、他方のインボリュート曲線によって形成され、接線lの上方領域で、他方のインボリュート曲線が接線lと交わるところでの他方のインボリュート曲線に対する接線によって形成される。
歯の二つのフランクが交わる。前記切削用エッジの耐用期間を延ばすため及び冠歯車のアンダカットを最小限に抑えるために、歯の先端は丸みを持たせられる。選択された歯の歯形によれば、削られるべき冠歯車の歯の根本でアンダカットがいくらか生じる。しかしながら、もし丸みの半径が十分に大きければ、前記アンダカットは、取るに足らない小さいものである。
削られる冠歯車の歯は、高さが制限されているので、線Vによってここに示されているように、特定歯形歯同士間の歯の隙間の深さが制限される。基礎円Rbが線Vによって定められる境界の外側にある所、すなわち、基礎円Rbの内側に位置する領域では、歯の両フランクは、インボリュートの歯元から線Vに至るまで、中心線hと角a最小をなす線によって形成される。
中心線hの別の側にある図3に示されていない特定歯形歯の形状は、それに対応して接線l′及びm′を開始点として用いて決定される。
本発明に係るホビング工具は、ディスクの外周上に配置され、且つその外周に亘って切歯を均等に分布させたディスク形状のホビングフライスの形態とすることができる。前記切歯の切削用エッジは、上述した歯形の表面にある。
本発明に係るホビング工具は、ホビング研削ディスクとして、互いに隣り合わせて配置され、且つ外周方向に連続して延設されたリブが外周上に配置されたディスクの形態とすることができる。前記リブは、研削材料の前記切削用エッジが上述した歯形の表面に位置するようにして、研削材料の表面に設けられる。

Claims (6)

  1. 機械加工による冠歯車の製造工具であって、
    該工具が、回転軸を有し該回転軸の回りで回転可能なディスクと、該ディスクの外周面に配置され、該外周面に沿って延設された歯形を構成する複数の切削部材とを備え、
    前記切削部材が、前記ディスクの外周面上に実質的に螺旋状のリブを形成する切削用エッジを有し、
    前記リブが、前記歯形を規定するとともに前記冠歯車の歯を形成するための切削歯に対応し、
    前記歯形の形状が、前記工具によって製造される冠歯車に固有であってインボリュート歯を備えたピニオンの基準となる幾何学的形状に基づいており、
    前記ピニオンが、基礎円と歯先円とを含み、
    前記切削部材の一部が、前記工具の前記回転軸の回りに前記ピニオンの前記歯先円を回転させることによって形成される回転面の外側に位置し、
    前記切削部材の一部の部分が、前記工具によって冠歯車を製造する際に、予備切削を行うものであることを特徴とする冠歯車の製造工具。
  2. 前記リブの螺旋方向に垂直な各断面において、
    前記固有ピニオンの基礎円(Rb)の中心(M)を通過し、且つ前記工具の回転軸に垂直な前記歯形の中心線(h)の方に向けられた各特定歯形歯のフランクは、
    前記固有ピニオンと、前記基礎円への第1の接線(l)との間の領域内においては、第1の接線(l)と直角に交差する基礎円(Rb)のインボリュート曲線の一部によって形成され、
    前記接線の接点は中心線(h)に対して問題としている歯のフランクと同じ側にあって、基礎円の中心から前記接点への半径ベクトルが中心線(h)となす角度が、製造される冠歯車の最大圧力角に等しいものとなり、
    前記工具の回転軸から見て、前記第1の接線(l)の外側の在る領域内においては、前記インボリュート曲線と前記第1の接線(l)とが交差する位置で、前記接線(l)に直角に交差するインボリュート曲線への接線により形成されており、
    前記歯形の中心線(h)から離反する側へ向けられた各特定歯形歯のフランクは、
    前記工具の回転軸から見て、前記基礎円への第2の接線(m)の外側の領域内においては、前記第2の接線(m)と直角に交差する前記基礎円のインボリュート の一部によって形成され、
    前記接線の接点は、中心線(h)に関し、問題としている歯のフランクの反対側にあり、前記基礎円(Rb)の中心から接点への半径ベクトルが、中心線(h)とのなす角は、製造される冠歯車の最小圧力角に等しい角度となり、
    前記工具の回転軸から見て、上記接線の内側にある領域内においては、前記インボリュート曲線と前記第2の接線(m)との交差する位置で、前記第2の接線(m)に直角に交差するインボリュート曲線への接線によって形成され、
    各特定歯形歯の2つのフランクが、前記工具の外周上において収束していることを特徴とする請求項1に記載の冠歯車の製造工具。
  3. 各歯形の歯のフランクが、予め決められた最小丸味半径により丸味を持って収束していることを特徴とする請求項2に記載の冠歯車の製造工具。
  4. 前記固有ピニオンの前記基礎円(Rb)の内側に位置する歯形のフランクの一部が、前記インボリュート曲線に連結され、且つ製造される冠歯車の最小圧力角に実質上等しい前記中心線(h)との角度をなす直線によって形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の冠歯車の製造工具。
  5. 前記工具がフライスであり、その切削部材がカッティングナイフであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の冠歯車の製造工具。
  6. 前記工具が研削ディスクであり、その切削部材が研磨粒であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の冠歯車の製造工具。
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