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JP3633691B2 - 非対称ラジアルポリマーを含む低粘度接着剤組成物 - Google Patents

非対称ラジアルポリマーを含む低粘度接着剤組成物 Download PDF

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JP3633691B2
JP3633691B2 JP28894595A JP28894595A JP3633691B2 JP 3633691 B2 JP3633691 B2 JP 3633691B2 JP 28894595 A JP28894595 A JP 28894595A JP 28894595 A JP28894595 A JP 28894595A JP 3633691 B2 JP3633691 B2 JP 3633691B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低粘度を有し且つ薄い支持体に適用し得る接着剤組成物、 及びそのような組成物に用いられるポリマーに関する。より特定的には、本発明は接着剤組成物における特定の低粘度非対称ラジアルブロックコポリマーの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロックコポリマーは、主として該コポリマーが高い凝集力と、相分離及び通常化学的加硫によって形成される架橋結合として作用する物理的結合を形成する能力とを有しているために、多年にわたり接着剤組成物に用いられてきた。米国特許第3,239,478号明細書に記載されているようなブロックコポリマーは、線状若しくはラジアル若しくは星形のスチレン−ブタジエン又はスチレン−イソプレンブロックコポリマーである。これらのポリマーは一般に高い凝集力を有しており、良好な接着剤特性を得るべく容易に粘着付与され得る。
【0003】
これらのポリマーの多くは粘度が高すぎるために特定の用途にしか使用されない。例えば、接着剤製造業者は、ホットメルト接着剤をより薄い支持体に適用するために且つ該接着剤の溶融安定性を改善するために、ホットメルト接着剤の適用温度を低くしたいと考えている。しかし、適用温度を低く〔149℃(300°F)未満〕すると、接着剤の溶融粘度が許容し得ない程高くなり、その結果、従来の加工及び適用設備を用いることが不可能になる。この問題に対する従来の解決法は、ジブロックポリマーを加えるか、又は非カップリングジブロックアームを多く含む主ポリマーを製造することであった。このようにすると、上記ポリマーの粘度は低下するが、引張強度も低下するという望ましくない結果をもたらし、該ポリマーを用いて製造された接着剤は特性が劣るものとなる。米国特許第4,391,949号明細書は、スチレン−ジエン及びジエンホモポリマーアームを有する星形非対称ブロックコポリマーを使用する他の方法を示唆している。これらの星形ポリマーは一般に、40重量%のポリマーを含む接着剤組成物中で極めて高い粘度、即ち、40N.s/m〜100N.s/m(40,000〜10,000cps)を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、バランスがとれた特性、例えば、良好な接着剤特性を有しながら低粘度を有し得る接着剤の製造に使用することが可能なポリマーが要望されていることが理解されよう。以下に記載されているように、本発明は、この要望を満たす助けとなるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、3〜6個のアームを有する非対称ラジアルビニル芳香族炭化水素/共役ジエンブロックコポリマーを提供し、該コポリマーは、
(i)33〜85重量%のポリビニル芳香族炭化水素ブロック/共役ジエンブロックコポリマーアームを含み、残りがホモポリマーアームからなり、
(ii)分子量が8,000〜30,000のビニル芳香族炭化水素ブロックを有し、
(iii)コポリマーアーム中に分子量が少なくとも6,000の共役ジエンブロックを有し、且つ
(iv)10〜40重量%のポリビニル芳香族炭化水素含量を有している。
【0006】
さらに本発明は、粘着付与樹脂及び以下に詳記する非対称ラジアルブロックコポリマーを含む低粘度接着剤組成物を提供する。該組成物はさらに、ゴム100部当たり20〜400部(phr)の相溶性粘着付与樹脂も含んでいるのが好ましい。ゴム100部当たりとは、通常、接着剤及び他の組成物中の成分の濃度を表す手段として用いられている。「ゴム」とはポリマーであり、ポリマーがエラストマー特性を有しているためにそのように称されている。好ましいビニル芳香族炭化水素はスチレンであり、好ましいジエンはイソプレン及びブタジエンである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のブロックコポリマーは、以下のような理想的な構造を有している:
(A−B)−Y−(C)
xは2〜4の範囲であり、zは1〜4の範囲であり、x+zは3〜6の範囲である(これらの非対称ラジアルブロックコポリマーは3〜6個のアームを有していてよい)。Aブロックはビニル芳香族炭化水素のポリマーブロックである。ビニル芳香族炭化水素がスチレンであるのが好ましい。他の有用なビニル芳香族炭化水素には、α−メチルスチレン、種々のアルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエンなどが含まれる。Bブロック及びCブロックは共役ジエンのポリマーブロックである。好ましいジエンには、ブタジエン及びイソプレンが含まれる。ピペリレン、メチルペンチルジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンなどを含む他のジエンを用いてもよいが、4〜8個の炭素原子を含む共役ジエンが好ましい。Bブロックに用いられる共役ジエンと、Cブロックに用いられる共役ジエンとは異なっていてもよい。共役ジエンの混合物を用いることが可能である。
【0008】
Y部分は本明細書で用いられている多官能性カップリング剤を意味する。一般に、カップリング剤をリビングポリマーと接触させてラジアルポリマーを形成するのに有用であると従来から公知の任意のカップリング剤が、本発明の方法及び本発明の非対称ラジアルポリマーに用いられ得る。適当なカップリング剤は一般に、金属−炭素結合においてリビングポリマーと反応する3個以上の官能基を含んでいる。このような適当なカップリング剤には、SiX、RSiX、HSiX、XSi−SiX、XSi−(CH−SiX、RXSi−(CH−SiXR、RXSi−(CH−SiX−(CH−SiXR、RXSi−(CH−SiXRなどが含まれる。上記式において、Xは独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アルコキシド基、ヒドリドなどであってよく、Rは1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、xは1〜6の範囲の整数である。4個のアームを有する非対称ラジアルポリマーの製造に特に有用なカップリング剤には、四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのような四ハロゲン化ケイ素、及びテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのようなテトラアルコキシシランが含まれる。6個のアームを有するポリマーの製造に特に有用なカップリング剤には、XSi−(CH−SiX(式中、n≧0であり、Xはハロゲン、アルコキシ、ヒドリドである)、例えば、ビス−トリメトキシシリルエタン、ビス−トリクロロシリルエタン及び1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンが含まれる。6個のアームを有するポリマーの製造に好ましいカップリング剤は、最も高いカップリング率が得られるという理由で、ビス−トリクロロシリルエタンである。
【0009】
上記式中、x及びyは、各ポリマー組成物における各種アームの平均数である。本発明により製造されたポリマーにおいて、x+zは3〜6の範囲である。x及びzは、単一のポリマー分子に関する場合には整数である。該ポリマー組成物は、主として1つの構造(即ち、主たる非対称ポリマーが正確にx個のポリビニル芳香族炭化水素/共役ジエンブロックコポリマーアームとy個のホモポリマーアームとを含む)からなるか、又は平均でx個のコポリマーアームとy個のホモポリマーアームとを含む非対称ラジアルポリマー混合物からなるものであってよい。正確なポリマーの組成(即ち、該組成が主として1つの構造からなるか、又はポリマー混合物からなるか)は、アームの総数、用いられるカップリング剤、ポリマーアームの組成、種々のポリマーアームの比率及び/又はポリマーアームの分子量に応じて変化し得る。
【0010】
33〜85重量%というブロックコポリマー含量範囲の下限では、平均して2個未満のコポリマーアームを有する非対称ポリマーは、許容し得る接着剤を製造するには弱すぎる。ポリマーが上記範囲の上限にある場合、該ポリマーは、平均して2個未満のブロックコポリマーアームを有し、十分な強度を有し得る。
【0011】
本発明のポリマーは一般に、ラジアルポリマーのカップリングに用いられる周知の方法のいずれを用いて製造してもよい。これらの方法は、末端金属イオン1個を含む所謂「リビング」ポリマーから非対称ラジアルポリマーを製造するのに特に好適である。例えば、適当なカップリング法は、米国特許第4,096,203号及び欧州特許第0,314,256号の両明細書に記載されている。好ましい方法は、非対称ラジアルポリマーに含まれるべき種々のアームを順次カップリング剤と接触させる方法である。一般に、カップリング順序は、最終生成物に求められている各アームの相対数によって制御され、先ず最大数のアームを生成させるためのポリマーをカップリング剤と接触させ、次に2番目に多い数のアームを生成させるためのポリマーをカップリング剤と接触させる。他の好ましい方法では、保護された反応開始剤を使用する。
【0012】
従来技術において周知のように、「リビング」ポリマーは、少なくとも1個の活性基、例えば炭素原子に直接結合している金属原子を含むポリマーである。「リビング」ポリマーはアニオン重合により容易に製造される。末端基1個を含むリビングポリマーが従来技術において周知であるのは勿論である。そのようなポリマーの製造法は、例えば、米国特許第3,150.209号、同第3,496,154号、同第3,498,960号、同第4,145,298号及び同第4,238,202号の各明細書に教示されている。本発明の方法に用いるのに好ましいブロックコポリマーの製造法は、例えば、米国特許第3,231,635号、同第3,265,765号及び同第3,322,856号の各明細書にも教示されている。ポリマー生成物がランダムコポリマー又はテーパーコポリマーの場合、モノマーを一般に同時に添加するが、速く反応するモノマーを後添加する場合もある。ポリマー生成物がブロックコポリマーの場合、個々のブロックの形成に用いるモノマーを順次添加する。
【0013】
本発明の方法及び本発明の非対称ラジアルポリマーにおいてアームとして有用なポリマーは、モノマーを、適当な溶媒中、−150〜300℃の範囲、好ましくは0〜100℃の範囲の温度で、有機アルカリ金属化合物と接触させることにより製造し得る。特に有効な重合開始剤は、一般式:
RLi
〔式中、Rは、1〜20個の炭素原子を有する、脂肪族、脂環式、アルキル置換脂環式、芳香族又はアルキル置換芳香族の炭化水素基である〕
を有する有機リチウム化合物である。Rは2〜5個の炭素原子を有するアルキル基であるのが好ましい。
【0014】
適当な溶媒としては、ポリマーの溶液重合に有用な溶媒が含まれ、脂肪族、脂環式、アルキル置換脂環式、芳香族及びアルキル置換芳香族の炭化水素、エーテル及びそれらの混合物が挙げられる。すなわち、適当な溶媒には、脂肪族炭化水素(例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環式炭化水素(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなど)、アルキル置換脂環式炭化水素(例えば、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンなど)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン)、アルキル置換芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンなど)、並びにエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルなど)が含まれる。
【0015】
本発明のポリマーは、33〜85重量%のポリビニル芳香族炭化水素ブロック/ポリジエンブロックコポリマーアーム{便宜上、これらを以後SIアーム〔Sはポリ(スチレン)を意味し、Iはポリ(イソプレン)を意味する〕と称するが、以下の記載は、上記の他のビニル芳香族炭化水素及びジエンを含むポリマーにも適用し得るものとする}を含むのが望ましい。SIアーム含量が33%未満の場合、ポリマーは弱すぎ、接着剤特性は許容し得ないものとなる。SIアーム含量が85%より高い場合、ポリマーは接着剤組成物の粘度を殆んど低下させない。
【0016】
ポリスチレンブロックの分子量が8,000未満の場合にも、ポリマーは弱すぎ、接着剤特性は劣ったものとなる。ポリスチレンブロックの分子量が30,000を超えると粘度が非常に高くなる。エラストマー性挙動を得るのに有効な鎖のからみ合いを形成するためには、コポリマーアーム中のポリジエンブロックの分子量は6,000を超えるものでなければならない。ポリマーの総分子量は、広範囲、即ち、50,000〜400,000にわたって変化してよい。しかし、特定の分子量及びポリビニル芳香族炭化水素含量〔便宜上、これを以後PSC、ポリスチレン、含量(重量%)と称する〕の場合、本発明の非対称ラジアルポリマーは、接着剤の配合において対応する線状ポリマーの有利な特性を保持しながら、対応する線状ポリマーより粘度は低い。以下に示すように対応する対称ラジアルポリマーは弱すぎる。
【0017】
本明細書に記載のブロック及びポリマーの分子量は以下のように決定される。線状ポリマー又はポリマーの非集合線状セグメント、例えば、モノ−、ジ−、トリブロックなど、カップリングされる前のラジアルポリマーのアームの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(GPC系が適正に較正されている)により測定するのが便利である。アニオン重合された線状ポリマーの場合、該ポリマーは実質的に単分散系であり、認められる狭い分子量分布の「ピーク」分子量を記録するのが便利であり十分である。ピーク分子量は一般にクロマトグラフ上に示される主要種の分子量である。GPCカラムに用いられる材料としては一般にスチレン−ジビニルベンゼンゲル又はシリカゲルが用いられ、それらは優れた材料である。テトラヒドロフランは本明細書に記載のタイプのポリマー用に優れた溶媒である。紫外線又は屈折率測定器を用いてもよい。
【0018】
これらのポリマーのPSCは重要である。何故ならば、PSCが低すぎるとポリマーの強度が不十分になり、高すぎればポリマーが剛性となりエラストマーのように挙動しないからである。PSCは10〜40重量%の範囲であるのが好ましい。
【0019】
所望により、これらのブロックコポリマーを水素化してもよい。非水素化、部分水素化及び完全水素化ポリマーは本発明の範囲内に含まれる。水素化は、再発行米国特許第27,145号明細書に開示されているように選択的に実施し得る。これらのコポリマーの水素化は、米国特許第5,039,775号明細書に記載されているような、ラネーニッケル、白金などのような貴金属、可溶性遷移金属触媒及びチタン触媒のような触媒の存在下の水素化を含む種々の十分確立された方法によって行うことが可能である。ポリマーは種々のジエンブロックを有していてよく、これらのジエンブロックが米国特許第5,229,464号明細書に記載のように選択的に水素化されていてもよい。
【0020】
一般にポリマー100部当たり20〜400部の範囲で、ポリマーと相溶性の接着促進又は粘着付与樹脂を添加するのが慣用的である。慣用の粘着付与樹脂は、約95℃の軟化点を有するピペリレンと2−メチル−2−ブテンとのジエン−オレフィンコポリマーである。該樹脂は、WINGTACK 95という商標名で市販されており、米国特許第3,577,398号明細書に詳記されているように、60%のピペリレン、10%のイソプレン、5%のシクロペンタジエン、15%の2−メチル−2−ブテン及び約10%のダイマーをカチオン重合して製造される。樹脂性コポリマーが20〜80重量%のピペリレンと80〜20重量%の2−メチル−2−ブテンとを含む他の粘着付与樹脂を用いてもよい。通常、該樹脂は、ASTM法E28により測定して、約80〜115℃の範囲の環球式軟化点を有している。
【0021】
組成物に用いられる特定のポリマーと相溶性であれば、粘着付与剤として芳香族樹脂を用いてもよい。通常、これらの樹脂も80〜115℃の範囲の環球式軟化点を有している必要があるが、高軟化点を有する芳香族樹脂と低軟化点を有する芳香族樹脂の混合物を用いてもよい。有用な樹脂としては、クマロン−インデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレンコポリマー及びポリインデン樹脂が挙げられる。
【0022】
同様に本発明の組成物に用いられる他の接着促進樹脂には、水素化ロジン、ロジンのエステル、ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂及び重合化混合オレフィン、低軟化点樹脂並びに液状樹脂が含まれる。液状樹脂の例としては、HERCULES社製のADTAC LV樹脂がある。良好な熱酸化及び色安定性を得るためには、粘着付与樹脂が、飽和樹脂、例えば、EXXON社製のESCOREZ 5000シリーズのような水素化ジシクロペンタジエン樹脂、又はHERCULES社製のREGALREZ樹脂のような水素化ポリスチレン若しくはポリ−α−メチルスチレン樹脂であるのが好ましい(ESCOREZ、ADTAC、EXXON、HERCULES、REGALREZは商標である)。固体樹脂の軟化点は40〜120℃の範囲であってよい。固体樹脂と液状樹脂、即ち、軟化点が室温より低い樹脂とを用いてもよい。使用される接着促進樹脂の量は、ゴム100部当たり20〜400部(phr)の範囲、好ましくは20〜350phrの範囲、最も好ましくは50〜300phrの範囲である。粘着付与剤は、主としてそれぞれの接着剤組成物に用いられる特定のポリマーに応じて選択される。
【0023】
本発明の組成物は、ゴム増量可塑剤のような可塑剤、配合油又は有機若しくは無機顔料及び染料を含んでいてよい。ゴム配合油は当業界において周知であり、飽和物高含量油及びナフテン系石油を含む。好ましい可塑剤は、高飽和油、例えばTUFFLO 6056及び6204油、及びナフテン系プロセスオイル、例えばSHELLFLEX 371オイルである(TUFFLO、SHELLFLEXは商標である)。本発明の組成物に用いられるゴム配合油の量は、0〜150phrの範囲、好ましくは0〜80phrの範囲であり得る。
【0024】
本発明の任意の成分は、熱分解、酸化、表皮形成及びカラー形成を阻害又は遅延させる安定剤である。安定剤は一般に、組成物の製造、使用及び高温貯蔵の間に熱分解及び酸化からポリマーを保護するために市販の化合物に添加される。一次及び二次酸化防止剤を組み合わせるのが好ましい。そのような組み合わせには、ホスファイト若しくはチオエーテルとの立体障害フェノール類、例えばアリールホスファイト若しくはチオエーテルとのヒドロキシフェニルプロピオネート、又はリン酸アリールとのアミノフェノールが含まれる。有用な酸化防止剤組み合わせの具体的な例としては、トリス−(ノニルフェニル)−ホスファイト(POLYGARD HR)との3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート)メタン(IRGANOX 1010)、ビス(2,4−ジ−t−ブチル)ペンタエリトリトール二ホスファイト(ULTRANOX 626)とのIRGANOX 1010が挙げられる(IRGANOX、POLYGARD及びULTRANOXは商標である)。
【0025】
本発明のポリマーをベースとするすべての組成物は、本明細書に開示されている種々の配合成分を組み合わせて含む。どの成分を用いるかについて一定のルールを提供することはできないが、当業者は、特定のタイプの成分を選択し、その濃度を調整して、特定の接着剤又はシーラントに適用するための組成物に必要とされる特性を的確に組み合わせることができるであろう。当業者には、多くの異なる用途に好適な特性を有する接着剤及びシーラントを製造すべく本発明の非対称ラジアルポリマーが極めて広く使用されることがわかるであろう。
【0026】
本発明の接着剤組成物は、昇温下、好ましくは50〜200℃の範囲の温度で、均質なブレンドが得られるまで、通常3時間未満の時間、成分をブレンドすることにより製造し得る。当業界においては種々のブレンド法が公知であり、均質なブレンドが得られるならいずれの方法を用いてもよい。次いで得られた組成物を、多岐にわたる用途に適用してよい。あるいは、成分を溶媒にブレンドしてもよい。
【0027】
低粘度ポリマーを接着剤に用いることにはいくつかの利点がある。先ず、低粘度とは、固体含量が高いための溶媒ベースの組成物に耐性であり得ることを意味する。これにより、組成物中の揮発性有機物含量が減少する。低粘度の100%固体接着剤組成物は、加工が容易となり、より少ない加熱エネルギーで足り、加工温度が低いので、加工中にポリマーが分解する恐れが少なくなり且つ焼け切りという問題を回避しながら組成物をより薄い層状で適用し得る。
【0028】
これらのポリマーは、テープ、ラベル、おむつセット、転写紙、製本及び建築用マスチックスを含む多岐にわたる接着剤の適用に有用である。しかし、該ポリマーは、ホットメルト二次接着剤のような低粘度であるのが有利な用途に最も有用である。
【0029】
【実施例】
以下の実施例では、不活性窒素雰囲気下に開始剤としてシクロヘキサン溶液中のsec−ブチルリチウム(12重量%)を用いて標準的なアニオン重合法によりポリマーを合成した。
【0030】
ポリマー1:
第1の反応器で、122.9kg(270.86lb)のシクロヘキサン溶媒中13.7kg(30.2llb)のスチレンを、845mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用いて、60℃で10半減期の間重合して、非対称ラジアルポリマーを製造した。この重合の後で、47.8kg(105.34lb)のシクロヘキサン中リビングポリスチリルリチウムを、92.3kg(203.45lb)のシクロヘキサンを含む反応器に移し、19.1kg(42lb)のイソプレンを加え、該イソプレンを60℃で少なくとも10半減期の間重合した。別の反応器で、411mlのsec−ブチルリチウムを用い、33.7kg(74.22lb)のシクロヘキサン中5.9kg(13.1lb)のイソプレンを、60℃で少なくとも10半減期の間重合した。このポリイソプレンに、41.3gの1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンカップリング剤を加え、混合物を60℃で45分間反応させた。この部分的にカップリングした中間体に、119.4kg(263.27lb)のシクロヘキサン中スチレン−イソプレンジブロックコポリマー溶液及び48mlの1,2−ジメトキシエタンを加えた。この混合物を60℃で60分間反応させて、部分的にカップリングした中間体の残留部位のカップリングを行った。23mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーを、ポリマー溶液を高圧蒸気と接触させ、次いで液相から固体ポリマーを除去することにより単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定すると、該ポリマーは、11,200g/molのポリスチレン分子量、44,700のジブロックコポリマーアーム中ポリイソプレン分子量、10,700g/molのホモポリイソプレンアーム分子量を有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は12.7重量%である。
【0031】
ポリマー2:
第1の反応器で、410mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、125.6kg(277lb)のシクロヘキサン溶媒中6.8kg(14.9lb)のスチレンを60℃で10半減期の間重合して、非対称ラジアルポリマーを製造した。スチレン重合の後、26.7kg(58.8lb)のイソプレンを加え、該イソプレンを70℃で少なくとも10半減期の間重合した。別の反応器で、440mlのsec−ブチルリチウムを用い、67.8kg(149.54lb)のシクロヘキサン中6.0kg(13.3lb)のイソプレンを60℃で少なくとも10半減期の間重合した。このポリイソプレンに、43.3gの1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンカップリング剤を加え、混合物を60℃で60分間反応させた。この部分的にカップリングした中間体に、第1の反応器からの85.1kg(187.66lb)のシクロヘキサン中ポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマー溶液と15.89mlの1,2−ジメトキシエタンとを加えた。この混合物を60℃で60分間反応させて、部分的にカップリングした中間体の残留部位のカップリングを行った。約40mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーを、ポリマー溶液を高圧蒸気と接触させ、次いで液相から固体ポリマーを除去することにより単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定すると、該ポリマーは、11,800g/molのポリスチレン分子量、48,000のジブロックコポリマーアーム中ポリイソプレン分子量、11,600g/molのホモポリイソプレンアーム分子量を有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は13.2重量%である。
【0032】
ポリマー3、4、5及び6:
実施例2と同様な方法で4種の非対称ラジアルポリマーを製造したが、但し、溶媒の量、試薬及びカップリング条件を変えて行った。表1はこれらのポリマーの重合条件及び分析結果を示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003633691
【0034】
【表2】
Figure 0003633691
【0035】
ポリマー7:
第1の反応器で、120.17mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、36.3kg(79.99lb)のシクロヘキサン溶媒中1.9kg(4.18lb)のスチレンを50℃で10半減期の間重合して、非対称ラジアルポリマーを製造した。スチレン重合の後で、7.62kg(16.8lb)のブタジエンを加え、該ブタジエンを70℃で少なくとも15半減期の間重合した。別の反応器で、88.2mlのsec−ブチルリチウムを用い、27.1kg(59.8lb)のシクロヘキサン中1.1kg(2.46lb)のイソプレンを80℃で少なくとも10半減期の間重合した。このポリイソプレンに、9.0gの1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンカップリング剤を加え、混合物を60℃で55分間反応させた。この部分的にカップリングした中間体に、第1の反応器からの19.7kg(43.42lb)のシクロヘキサン中ポリスチレン−ポリブタジエンジブロックコポリマー溶液と6mlの1,2−ジメトキシエタンとを加えた。この混合物を70℃で90分間反応させて、部分的にカップリングした中間体の残留部位のカップリングを行った。約15mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーをイソプロパノール中に沈降させて単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定すると、該ポリマーは、10,800g/molのポリスチレン分子量、45,000のジブロックコポリマーアーム中ポリブタジエン分子量、9,900g/molのホモポリイソプレンアーム分子量を有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は16重量%である。
【0036】
ポリマー8:
第1の反応器で、31mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、36.3kg(79.98lb)のシクロヘキサン溶媒中2.1kg(4.63lb)のスチレンを35℃で9半減期の間重合して、非対称ラジアルポリマーを製造した。スチレン重合の後で、7.0kg(15.38lb)のブタジエンを加え、該ブタジエンを70℃で少なくとも10半減期の間重合した。別の反応器で、29mlのsec−ブチルリチウムを用い、29.0kg(63.99lb)のシクロヘキサン中1.6kg(3.49lb)のブタジエンを80℃で少なくとも10半減期の間重合した。このポリブタジエンに、12.75gの1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンカップリング剤を加え、混合物を60℃で30分間反応させた。この部分的にカップリングした中間体に、第1の反応器からの15.88kg(35.02lb)のシクロヘキサン中ポリスチレン−ポリブタジエンジブロックコポリマーと8mlの1,2−ジメトキシエタンとを加えた。この混合物を80℃で少なくとも90分間反応させて、部分的にカップリングした中間体の残留部位のカップリングを行った。約15mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーをイソプロパノール中に沈降させて単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にかけて測定すると、該ポリマーは、11,000g/molのポリスチレン分子量、38,000g/molのジブロックコポリマーアーム中ポリブタジエン分子量、9,200g/molの分子量のホモポリブタジエンアームを有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は16重量%である。
【0037】
ポリマー9:
第1の反応器で、975mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、9.5kg(21lb)のジエチルエーテルを含む109.8kg(242lb)のシクロヘキサン溶媒中11.3kg(24.8lb)のスチレンを60℃で8半減期の間重合して、非対称ラジアルポリマーを製造した。スチレン重合の後で、28.4kg(62.6lb)のブタジエンを加え、該ブタジエンを60℃で10半減期の間重合した。別の反応器で、870mlのsec−ブチルリチウムを用い、102.7kg(226.4lb)のシクロヘキサン中17.5kg(38.6lb)のイソプレンを60℃で10半減期の間重合した。イソプレン重合の後、0.9kg(2lb)のブタジエンを60℃で8半減期の間重合して、カップリングを高めるために小ブタジエンブロックを得た。このリビングポリマーに72mlのテトラメトキシシランカップリング剤を加え、混合物を60℃で30分間反応させた。この部分的にカップリングした中間体に、第1の反応器からの129.3kg(285lb)のシクロヘキサン中のポリスチレン−ポリブタジエンジブロックコポリマー溶液と180mlの1,2−ジメトキシエタンとを加えた。この混合物を80℃で60分間反応させて、部分的にカップリングした中間体の残留部位のカップリングを行った。約8mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーをイソプロパノール中に沈降させて単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定すると、該ポリマーは、9,700g/molのポリスチレン分子量、23,200のジブロックコポリマーアーム中ポリブタジエン分子量、16,300g/molの分子量のホモポリイソプレンアームを有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は18.5重量%である。
【0038】
ポリマー10:
第1の反応器で、210mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、77.1kg(170lb)のシクロヘキサン溶媒中2.85kg(6.28lb)のスチレンを60℃で10半減期の間重合して、非対称ラジアルポリマーを製造した。スチレン重合の後で、10.8kg(23.85lb)のイソプレンを加え、該イソプレンを60℃で少なくとも10半減期の間重合した。このリビングポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーに15mlのメチルトリクロロシランカップリング剤を加え、混合物を60℃で40分間反応させた。別の反応器で、200mlのsec−ブチルリチウムを用い、102.2kg(225.26lb)のシクロヘキサン中11.3kg(25.03lb)のイソプレンを60℃で少なくとも10半減期の間重合した。54.8kg(120.8lb)のシクロヘキサン中リビングポリイソプレンを、第1の反応器の部分的にカップリングした中間体に加えた。この混合物を70℃で60分間反応させて、部分的にカップリングした中間体の残留部位のカップリングを行った。得られたポリマーを、ポリマー溶液を高圧蒸気と接触させ、次いで液相から固体ポリマーを除去することにより単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にかけて測定すると、該ポリマーは、10,500g/molのポリスチレン分子量、39,900g/molのジブロックコポリマーアーム中ポリイソプレン分子量、39,700g/molの分子量のホモポリイソプレンアームを有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は15.3重量%である。
【0039】
ポリマー11:
単一の反応器系において、2段階カップリング法により非対称ラジアルポリマーを製造した。先ず、1.2mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、549gのシクロヘキサン溶媒中15.1gのイソプレンを60℃で少なくとも10半減期の間60℃で重合した。このポリイソプレンに、1.01gの1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンカップリング剤(シクロヘキサン中5%の溶液として)を加え、混合物を60℃で15分間反応させた。9.6gのスチレンを加え、0.7mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、60℃で少なくとも10半減期の間重合した。スチレン重合の後で、35.8gのイソプレンを加え、該イソプレンを60℃で少なくとも10半減期の間重合した。0.3mlの1,2−ジエトキシエタンを加え、部分的にカップリングした中間体とリビングポリスチレン−ポリイソプレンポリマーとの混合物を80℃で60分間カップリングした。1mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーをイソプロパノール中に沈降させて単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にかけて測定すると、該ポリマーは、8,700g/molのポリスチレン分子量、42,000g/molのジブロックコポリマーアーム中ポリイソプレン分子量、10,200g/molの分子量のホモポリイソプレンアームを有していた。H NMRにより測定したポリスチレン含量は15.1重量%である。
【0040】
ポリマー12:
本発明の非対称ラジアルポリマーと比較するために、ポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーからなり、6個の同一ポリマーアームを有する非対称ラジアルポリマーを製造した。1.51mlのsec−ブチルリチウムアニオン重合開始剤を用い、540gのシクロヘキサン溶媒中で8.7gのスチレンを60℃で20分間重合した。この重合の後、55gのイソプレンを加え、該イソプレンを60℃で20分間重合した。このリビングポリスチレン−ポリイソプレンブロックコポリマーに、93mgの1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンカップリング剤及び0.4mlの1,2−ジエトキシエタンを加え、混合物を80℃で60分間反応させた。1mlのメタノールを加えて、残留リビングポリマーアームを停止し、得られたポリマーをイソプロパノール中に沈降させて単離した。生成されたポリマーをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にかけて測定すると、該ポリマーは、4,300g/molのポリスチレン分子量及び25,500g/molのポリイソプレン分子量を有していた。該ポリマーは、90重量%の6個のアームを有する非対称ラジアルポリマー〔(SI)〕と10重量%の非カップリングSIジブロックコポリマーとからなるものである。H NMRにより測定したポリスチレン含量は14.9重量%である。
【0041】
ポリマー特性:
#21スピンドルを用いるB型粘度計を用いてポリマー溶液の粘度を測定した。7.6×10−4m〜15.2×10−4m(0.03〜0.06インチ)厚のトルエンキャストプラックから切り取った試験片について引張特性を測定した。
【0042】
接着剤の製造及び評価:
以下の接着剤組成物を製造するために、成分をトルエン中で混和し、接着剤特性試験用の試験片を製造するために、この溶液をマイラー上にキャスティングした。乾燥後の最終的な接着剤の厚さは、4×10−5m(0.0016インチ)であった。接着剤組成物の溶融粘度を測定するために、トルエン溶媒を溶液から蒸発させるか、又は溶媒を用いずに176.7℃(350°F)のベーカー・パーキンスホットオイルミキサー中でメルトをバッチ混合して別の同一組成物を調製した。#29スピンドルを用いるB型粘度計を用いて溶融粘度を測定した。
【0043】
1kg重で2.54×10−2m×2.54×10−2m(1″×1″)のマイラーとマイラーの重ね継手によりSAFT(剪断接着破損温度)を測定した。SAFTは、重ねの剪断集成体が荷重下に破損する温度を測定する。回転球粘着性(RBT)は、スチール製球体が標準初期速度で接着フィルム上を回転する距離〔粘着テープ試験(Pressure Sensitive Tape Council Test)No.6〕である。小さい数字は乾燥粘着性を示す。定着力(HP)は、標準荷重19.6N(2kg)下に、防剥離度2°(粘着テープ会議法第7)の剪断力で、標準試験表面(スチール、クラフト紙)からテープの標準面積1.27×10−2m×1.27×10−2m(1/2インチ×1/2インチ)を引っ張るのに要する時間である。時間が長い程接着強さが強いことを示す。粘着テープ会議法第1により180°剥離度を測定した。数字が大きい程、スチール製支持体から試験テープを剥離する際の力が強いことを示す。ASTM D−2979によりPolykenブローブ粘着性(PPT)を測定した。TLMIループ粘着試験機を用いてループ粘着性(LT)を測定した。PPT及びLTにおいて、高い数値は乾燥粘着性を示す。以下の表において、(a)は接着破損に関し、(c)は凝集破壊に関する。
【0044】
ポリマー1、2及び10を用い、上記のようにして、以下の組成:20重量%の非対称ラジアルポリマー、58重量%の合成C5粘着付与樹脂、22重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び1重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマー特性及び接着剤特性を表2に要約する。比較のために、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同一組成物を製造した。本実施例及びこれ以後の実施例における線状ポリマー全てにおいて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーのポリイソプレンブロックの分子量は、ポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーのポリイソプレンブロックの分子量の2倍に等しい。該線状ポリマー及びその接着剤の特性を表2に示す。
【0045】
【表3】
Figure 0003633691
【0046】
【表4】
Figure 0003633691
【0047】
表2に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーは、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。
【0048】
ポリマー11を用い、上記のようにして、以下の組成:20重量%の非対称ラジアルポリマー、58重量%の合成C5粘着付与樹脂、22重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び1重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマーの特性及び接着剤特性を表3に要約する。比較のために、線状ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーと線状ポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含むポリマーを用いて同一組成物を製造した。さらに、上記のように製造したポリスチレン−ポリイソプレンアーを含む6個のアームを有する対称ラジアルポリマーであるポリマー12を用いて、同一の接着剤組成物を製造した。線状及び対称ラジアルポリマー並びにそれらの接着剤の特性を表3に示す。
【0049】
【表5】
Figure 0003633691
【0050】
【表6】
Figure 0003633691
【0051】
表3に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーが、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。対称ラジアルポリマー12では極めて低い接着剤組成物溶融粘度を得たが、該ポリマーは引張強度が非常に低く、且つ許容し得ない接着剤、特に回転球及びループ粘着性が低い接着剤を提供する。
【0052】
ポリマー4を用い、上記のようにして、表4に示されている組成を有する接着剤組成物を製造した。ポリマーの特性及び接着剤特性を表4に示す。比較のために、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同等組成物を製造した。これらの線状ポリマー及び組成物の特性並びにそれらの接着剤の特性を表4に示す。
【0053】
【表7】
Figure 0003633691
【0054】
【表8】
Figure 0003633691
【0055】
表4に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーが、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる慣用法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。線状ポリマーEは、凝集力が低く、その結果、定着力及びSAFT性能が極めて劣った許容し得ない接着剤が形成される。
【0056】
ポリマー3及び5を用い、上記にようにして、表5に示されている組成を有する接着剤組成物を製造した。純ポリマー特性と接着剤特性とを表5に要約する。比較のために、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同等組成物を製造した。該線状ポリマー及び組成物の特性並びにその接着剤の特性を表5に示す。
【0057】
【表9】
Figure 0003633691
【0058】
【表10】
Figure 0003633691
【0059】
表5に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーは、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。32重量%のポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーアームを含むポリマー5は、接着剤溶融粘度を低下させるのに非常に効果的であるが、該ポリマーは、凝集力が低く、その結果、定着力及びSAFT性能が極めて劣った許容し得ない接着剤を形成する。従って、本発明の非対称ラジアルポリマーが少なくとも33重量%のポリスチレン−ポリジエンブロックコポリマーアーを含んでいることが重要である。
【0060】
ポリマー7、8及び9を用い、上記のようにして、以下の組成:20重量%の非対称ラジアルポリマー、58重量%のスチレン化ポリテルペン粘着付与樹脂、22重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び1重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマー特性及び接着剤特性を表6に要約する。比較のために、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリブタジエンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同一組成物を製造した。該線状ポリマー及びその接着剤の特性を表6に示す。
【0061】
【表11】
Figure 0003633691
【0062】
【表12】
Figure 0003633691
【0063】
表6に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーは、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。
【0064】
ポリマー1を用い、上記のようにして、以下の組成:20重量%の非対称ラジアルポリマー、58重量%の水素化炭化水素又はスチレン化ポリテルペン粘着付与樹脂、22重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び1重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマー特性及び接着剤特性を表7に要約する。比較のために、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同一組成物を製造した。線状ポリマー及びその接着剤の特性を表7に示す。
【0065】
【表13】
Figure 0003633691
【0066】
【表14】
Figure 0003633691
【0067】
表7に示されているデータは、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーにより、種々の粘着付与樹脂を用いた場合に、接着剤組成物の溶融粘度を線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低くできることを示している。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。さらに、接着剤溶融粘度における線状ポリマーを含む同一組成物との差は、温度が低下するにつれて増大する。上記の溶融粘度対温度のデータは、アレニウスの関係に当てはまり、測定される範囲内の種々の温度における溶融粘度の予測を可能にする。水素化炭化水素粘着付与樹脂を含む上記組成物について、ポリマー1の接着剤の144.4℃(292°F)での粘度は、176.7℃(330°F)で線状ポリマーHの接着剤が有するものと同等であろう。スチレン化ポリテルペン粘着付与樹脂を含む上記組成物については、ポリマー1の接着剤の165.6℃(330°F)での粘度は、176.7℃(350°F)で線状ポリマーHの接着剤が有するものと同等であろう。これは、本発明の低粘度非対称ラジアルポリマーを用いると、線状ポリマーより低い温度で接着剤組成物の加工が可能であることを示している。
【0068】
ポリマー6を用い、上記のようにして、以下の組成:20重量%の非対称ラジアルポリマー、58重量%の合成C5粘着付与樹脂、22重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び1重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマー特性及び接着剤特性を表8に要約する。比較のために、線状ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーと線状ポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同一組成物を製造した。線状ポリマー及びその接着剤の特性を表8に示す。
【0069】
【表15】
Figure 0003633691
【0070】
【表16】
Figure 0003633691
【0071】
表8に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、86重量%のポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーアームを含むポリマー6は、線状ポリマーと比べると、接着剤溶融粘度を僅かに低下させるに過ぎないことが明らかである。従って、本発明の非対称ラジアルポリマーが85重量%以下のスチレン/イソプレンブロックコポリマーアームを含むことが重要である。
【0072】
ポリマー3を用い、上記のようにして、以下の組成:25重量%の非対称ラジアルポリマー、60重量%の水素化炭化水素粘着付与樹脂、15重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び0.5重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマー特性及び接着剤特性を表9に要約する。比較のために、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同一接着剤組成物を製造した。線状ポリマー及びその接着剤の特性を表9に示す。
【0073】
【表17】
Figure 0003633691
【0074】
表9に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーは、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。さらに、本発明のポリマーは加熱老化後の接着剤組成物の溶融安定性をも改良する。
【0075】
ポリマー3を用い、上記のようにして、以下の組成:34重量%の非対称ラジアルポリマー、38重量%の合成C5粘着付与樹脂、28重量%のパラフィン系/ナフテン系石油及び1重量%のフェノール系酸化防止剤を有する接着剤組成物を製造した。ポリマー特性及び接着剤特性を表10に要約する。比較のために、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーとポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーとの混合物を含む線状ポリマーを用いて同一接着剤組成物を製造した。線状ポリマー及びその接着剤の特性を表10に示す。
【0076】
【表18】
Figure 0003633691
【0077】
【表19】
Figure 0003633691
【0078】
表10に示されているデータから、比較し得る特性を有する接着剤組成物において、本発明のポリマーは、線状ポリマーを用いて得られたものよりはるかに低いポリマー溶液粘度と接着剤組成物溶融粘度とを有していることが明らかである。本発明のポリマーは、カップリングされた線状ポリマーの量を低減させる従来法よりはるかに効果的に接着剤組成物の粘度を低下させる。さらに、本発明の非対称ラジアルポリマーは、線状ポリマーと比べると、濃度範囲にわたって溶液粘度が低下したことを示している。これは、本発明の非対称ラジアルポリマーをはるかに高濃度の溶液ベース接着剤に配合することを可能にする。

Claims (1)

  1. (a)非対称ラジアルブロックコポリマー、及び(b)ポリマー100部当たり20〜400部の粘着付与樹脂を含む低粘度接着剤組成物であり、前記非対称ラジアルブロックコポリマーが、2〜4個のコポリマーアームと1〜4個のホモポリマーアームよりなる3〜6個のポリマーアームを有するビニル芳香族炭化水素と少なくとも1種の共役ジエンとからなる低粘度非対称ラジアルブロックコポリマーであって、(i)ポリビニル芳香族炭化水素ブロック/ポリジエンブロックコポリマーアームが33〜85重量%存在し、残りがポリジエンホモポリマーアームからなり、(ii)ビニル芳香族炭化水素ブロックのブロック分子量が8,000〜30,000であり、(iii)コポリマーアーム中の共役ジエンブロックの分子量が少なくとも6,000であり、且つ(iv)ポリビニル芳香族炭化水素含量が10〜40重量%であることを特徴とする前記低粘度接着剤組成物。
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