JP3633573B2 - Continuous casting method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造装置のガイドロールの鋳片短辺方向(鋳片の厚さ方向)の間隔を広げて、バルジングを起こさせた後に圧下して、鋼鋳片の中心偏析を軽減する連続鋳造方法に関し、特に鋳込終了後の鋳片引抜制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造方法で鋼鋳片を製造する場合には、しばしば中心偏析と呼ばれる内部欠陥が発生し問題となる。この中心偏析は、鋳片の厚さ方向中心部の最終凝固部に溶鋼中のC、Mn、S、P等の成分元素が濃化して正偏析する現象である。この中心偏析は、特に厚鋼板において深刻な欠陥となり、偏析部分における靭性の低下や水素誘起割れの原因となることが知られている。
【0003】
このような中心偏析の発生原因は、凝固末期において樹枝状晶間にC、Mn、S、P等の成分元素が濃化した溶鋼が残存し、鋳片厚さ方向中心部でそのまま凝固すること、および凝固時の収縮またはバルジングと呼ばれる鋳片の膨張による溶鋼流動により、最終凝固部の凝固完了点に向かって溶鋼がマクロ的に移動することにある。
【0004】
従来、鋳片が鋳造中にバルジングを起こすことは、中心偏析を発生させる一因となることから、極力避けるべきものとされてきた。しかし、近年このバルジングを積極的に起こさせ、その後そのバルジング相当量を圧下することによって中心偏析を少なくする、という鋳造方法がいくつか提案されている(たとえば、特開昭60−21150号公報、特開平1−178355号公報、特開平9−57410号公報、特開平9−206903号公報など、参照)。以下本明細書では、この方法を「バルジング−圧下連続鋳造法」という。
【0005】
図1は、上記のバルジング−圧下連続鋳造法の原理を説明するための装置の一例を模式的に示す図である。
【0006】
図1に示すように、タンディシュ1に蓄えられた溶鋼2は、浸漬ノズル3を介して鋳型4に注入される。注入された溶鋼は、鋳型内で冷却され、凝固シェル5aを形成して鋳片5となり、鋳型から引き抜かれる。
【0007】
バルジング−圧下連続鋳造法を実施する連続鋳造装置では、鋳型4の直下から鋳片の固相線クレータエンド6までの間に設けられたガイドロール7aから7nまでのロールの鋳片厚さ方向の間隔を段階的に広げる。そして、ガイドロール7nと固相線クレーターエンド6との間に圧下ロール群8a〜8nが設けられている。段階的に広げられたガイドロール群7a〜7nの範囲をバルジングゾーン、圧下ロール群8a〜8nの範囲を圧下ゾーンという。圧下ロールには、それぞれ圧下装置9が設けられている。なお、圧下ゾーンには少なくとも一対の圧下ロールがあればよい。
【0008】
鋳片5は、内部に未凝固の溶鋼2を保持した状態で引き抜かれ、バルジングゾーンにおいて鋳片厚さ方向にバルジングを積極的に起こさせる。バルジングを起こした鋳片は、圧下ゾーンの圧下ロール群8a〜8nによって圧下され、鋳片の凝固界面が圧着されて凝固が完了する。凝固した鋳片は、ピンチロール群10によって引き抜かれる。
【0009】
バルジング−圧下連続鋳造法においては、鋳片をバルジングさせた後、バルジング相当量を圧下するため、圧下部には溶鋼の絞り出しが行われている。しかし、定常鋳込時には、バルジング量と圧下量とがバランスするように設定されているため、鋳型内の湯面はほぼ一定に保たれ、安定した鋳片が得られている。また、バルジングゾーンのガイドロール間隔や圧下ゾーンの圧下量が変化した場合でも、鋳型内に溶鋼が供給されている間は、湯面の変動は伴うものの、操業面で問題が発生する可能性は小さい。
【0010】
しかし、鋳込終了時においては、鋳型内への溶鋼の供給がなくなった状態で、鋳片の引き抜きが行われ、しかも圧下が継続されると、鋳片後端部(ボトム部)が鋳型から抜けた際、圧下により絞り出された溶鋼が鋳片後端部から溢れ出る、いわゆる「漏鋼」が発生することがある。
【0011】
漏鋼が発生した場合、特に鋳型付近の作業者に対する危険が伴うだけでなく、ガイドロールやスプレーノズルなどに溶鋼が付着して損傷させる。また、設備に付着した凝固物などの処理や損傷設備の交換などの復旧に労力を費やし、生産性を阻害する。
【0012】
鋳込終了時に鋳片最後端部からの漏鋼を防止するためには、鋳片の圧下を中止し、圧下ゾーンを開放して鋳片圧下量を0とすればよい。しかし、これでは鋳片の厚さが大きくなり、また中心偏析を低減することができず、切り捨てられる部分がおおくなって歩留りを悪化を招く。
【0013】
そこで、鋳込終了時における引き抜き制御方法について、下記に示すようないくつかの方法が提案されている。
【0014】
(1) 鋳込速度の減速または鋳込停止および鋳片後端部であるボトム部の処理を行うことなく、通常の鋳造速度を保持したまま鋳込を終了して鋳片を引き抜き、この最後端鋳片における未凝固部分のロール間隔を拡大して鋳片外殻部分を意図的にバルジングさせ、次いで、この拡幅した部分を後段のロールによって圧下して完全凝固部分で所定の鋳片厚さにする方法(特開平10−244347号公報、参照)。
【0015】
(2) バルジング−圧下連続鋳造法の鋳造末期において、定常引抜速度を維持して鋳片を引き抜きながら、バルジングの容積を定常鋳造時のバルジング容積よりも大きくする方法(特開平11−156508号公報、参照)。
【0016】
(3) バルジング−圧下連続鋳造法において、鋳造末期の鋳造速度の減速とともにガイドロール群および圧下量を定常鋳込み時よりも小さくし、かつ、圧下位置を鋳型側に移動させる方法(特開平11−156509号公報、参照)。
【0017】
(4) バルジング−圧下連続鋳造法において、定常鋳造速度を維持したまま、鋳型の下流部に設けた少なくとも一対の圧下ロールで鋳片を圧下し、未凝固部の溶鋼を鋳型内方向へ押し出すことにより、鋳片最後端部が鋳型内にある間に新たな凝固シェルを形成させ、次いで圧下を開放し、圧下部の鋳片厚さを元の厚さに復元させて未凝固部の溶鋼を鋳造方向に吸引し、鋳片最後端部の溶鋼面を低下させることにより、凹部を形成させながら、鋳片最後端部を定常鋳造速度に見合う引き抜き速度で鋳型から引き抜く方法(特開平9−314289号公報、参照)。
【0018】
上記の(1)および(2)の方法では、鋳片未凝固部にあたるガイドロール群のロール間隔を広げて鋳片をバルジングさせることにより、鋳片引き抜き初期における漏鋼を防止することは可能であるが、ロール間隔が最大となる鋳片位置より下流側においては、鋳片を圧下している状態が生じる。これにより、鋳片引き抜きが進行するにつれ、未凝固部の溶鋼が絞り出されて漏鋼が発生することがある。
【0019】
上記の(3)の発明では、鋳造末期において鋳造速度を減速させるため、鋳片最終端部は、鋳造速度、二次冷却とも安定していない非定常部となり、鋳片定常部と比較すると鋳片品質が安定せず、また鋳造速度の減速に対応した理想的なガイドロール群および圧下量の変更が実際には困難であり、操業上、問題がある。
【0020】
上記の(4)の方法では、鋳片最終端部が鋳型内にあるうちに、一旦鋳片を圧下することで未凝固溶鋼で凝固シェルを形成させ、その後圧下を開放させて、未凝固溶鋼を吸引させるので、漏鋼を防止するのに有効であるが、ガイドロールの開閉作業が複雑化するため、操作性に劣っている。
【0021】
上記の(1)〜(4)のいずれの方法でも、鋳込終了後にガイドロール群のロール間隔を広げ、さらにバルジングを起こさせているため、鋳片最終端部の溶鋼にパウダーなどが巻き込まれ、鋳片ボトム部の品質が低下することがある。このように、いずれの方法も、未凝固部の溶鋼の吸引現象について考慮されていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バルジング−圧下連続鋳造法における鋳込終了時に、未凝固部の溶鋼の吸引現象を考慮したガイドロールおよび圧下ロールの鋳片厚さ方向の間隔制御を行うことで、鋳片最後端部からの漏鋼を発生させることなく、また中心偏析およびハウダー巻き込み欠陥のない鋳片を製造する連続鋳造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(3)に示す連続鋳造方法を要旨とする。
【0024】
(1)鋳片の液相線クレータエンド相当位置から固相線クレータエンド相当位置までの所定範囲においてガイドロールの鋳片厚さ方向の間隔を広げ、鋳片をバルジングさせた後、圧下ロールを用いてバルジング相当量以下の圧下を行う連続鋳造法であって、鋳込終了後、鋳片引抜中の鋳片内の未凝固部湯面の変化速度V(mm/sec)が下記の▲1▼式を満たし、且つ鋳片引抜中の鋳片内の未凝固部湯面の変化量S(mm)が下記の▲2▼式を満たす条件でガイドロールまたは圧下ロール間隔を開放することを特徴とする連続鋳造方法。
【0025】
V≦10 …▲1▼
S>0 …▲2▼
但し、上記の▲1▼式中のVは下記の▲3▼式、▲5▼式および▲6▼式から求められる値であり、▲2▼式中のSは下記の▲4▼式、▲5▼式および▲6▼式から求められる値である。
【0026】
V=(V1−V2)/(t1・W1) …▲3▼
S=∫(V1−V2)dt/(t1・W1) …▲4▼
V1=W1・Σ{Ln・α(t)}+W1・Σ{Lm・β(t)} …▲5▼
V2=Vc(t)・δ(t)・W1 …▲6▼
なお、上記の▲3▼〜▲6▼式中のV1は鋳片引抜中において、単位時間当たりに吸い込まれる鋳片未凝固部の体積変化量(mm3/sec)を示し、V2は鋳片引抜中において、単位時間当たりに押し出される鋳片未凝固部の体積変化量(mm3/sec)を示し、 t1は鋳型厚さ(鋳型短辺長さ)(mm)を示し、W1は鋳型幅(鋳型長辺長さ)(mm)を示し、 Lnはバルジングゾーンのガイドロールセグメントのうち、鋳片引抜中に開放される範囲のガイドロールセグメントの鋳片方向長さ(mm)を示し、nはバルジングゾーンにおけるガイドロールセグメントについて、上流側より順に付与した番号を示し、Lmは圧下ゾーンの圧下ロールセグメントのうち、鋳片引抜中に開放される範囲の圧下ロールセグメントの鋳片方向長さ(mm)を示し、mは圧下ゾーンにおける圧下ロールセグメントについて、上流側より順に付与した番号を示し、α(t)はガイドロールセグメントの開放速度(mm/sec)を示し、β(t)は圧下ロールセグメントの開放速度(mm/sec)を示し、Vc(t)は鋳片の引抜速度(mm/sec)を示し、δ(t)は圧下ロールによる鋳片圧下量(mm)を示す。
【0027】
(2)上記の未凝固部湯面の変化量S(mm)が下記の▲7▼式を満たす条件でガイドロールまたは圧下ロールを開放することを特徴とする上記の(1)に記載の連続鋳造方法。
【0028】
0<S≦500 …▲7▼
(3)鋳片引抜後、鋳片の最終端部を切り捨て長さL(mm)が下記の▲8▼式を満足するように切断することを特徴とする上記の(1)または(2)に記載の連続鋳造方法。
【0029】
S≦L …▲8▼
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を使って説明する。なお、以下の説明において、「バルジングロール」とは、バルジングゾーンのガイドロールを意味し、「圧下ロール」とは、圧下ゾーンの圧下ロールを意味する。また、特に限定しない限り、単に「ロール」と記載した場合には、バルジングロールおよび圧下ロールの双方を示すものとする。
【0031】
(1) 定常鋳込の際の操作
図2は、バルジング−圧下連続鋳造法を実施したときのロール位置と鋳片断面を模式的に示す図である。図2に示すように、鋳片は、定常鋳込み時にはバルジングゾーンにおいて、例えば、鋳片の最大厚さ(tmax)が鋳型短辺長さ(t1)の1.1倍〜1.5倍(図ではバルジング量は、圧下量δ1に等しい)となるようにバルジングを起こさせた後、圧下ゾーンでバルジング相当量以下の圧下が加えられている。なお、圧下量(δ1)は、通常、図示するようにバルジング量と同等として鋳型短辺とほぼ同じ厚さの鋳片とするが、圧下量をバルジング量よりも小さくして鋳型短辺よりもやや大きな厚さの鋳片としてもよい。
【0032】
(2) 鋳込終了後の操作
図3は、本発明の連続鋳造方法におけるバルジングロールおよび圧下ロールの操作状況の一例を示す図であり、(a)は定常鋳込時の状態を示し、(b)は鋳込終了後、鋳片引抜時の状態を示し、(c)は各ロールの開放が終了した状態を示す。ここで、「鋳込終了後、鋳片引抜時」とは、鋳型内への溶鋼の供給を停止した時点以降をいう。なお、図3(b)および(c)中の一点鎖線は、定常鋳込み時の状態(図(a)の状態)を示す。
【0033】
図3に示すように、本発明方法においては、定常鋳込時のロールの開放状態(図(a)参照)から、鋳込終了後、鋳片引抜時には、バルジングロールおよび圧下ロールを、例えば、それぞれ一定速度で開放し(図(b)参照)、鋳片引抜中にそれぞれのロールを所定の位置まで開放させる(図(c)参照)。従って、鋳片引抜時には、鋳片未凝固部は、バルジングロールおよび圧下ロールの開放に伴い増加する体積分だけ、鋳片内部へ吸い込まれることとなるが、圧下ロールの厚み方向の間隔は、バルジングロールのそれより狭いため、これらの間隔の差に伴い減少する体積分だけ、鋳片の上流側へ押し出されることとなる。本発明方法は、鋳片未凝固部の吸込量と押出量とのバランスを調整するものであり、具体的には、下記の要領で制御する。
【0034】
(a)未凝固部湯面の変化速度V(mm/sec)について
鋳込終了後、鋳片引抜中の鋳片内の未凝固部湯面の変化速度V(mm/sec)は、鋳片引抜中において、バルジングロールおよび圧下ロールを更に開放することによる単位時間当たりに吸い込まれる鋳片未凝固部の体積変化量V1(mm3/sec)と、圧下ロールの圧下量による単位時間当たりに押し出される鋳片未凝固部の体積変化量V2(mm3/sec)との差である体積変化量を鋳片の断面積(mm2)で除すことによって求められる。なお、鋳片の断面積(mm2)は、鋳型厚さ(鋳型短辺長さ)t1(mm)と鋳型幅(鋳型長辺長さ)W1(mm)との積で表される。
【0035】
この関係を式で表せば、下記の▲3▼式のとおりとなる。
【0036】
V=(V1−V2)/(t1・W1) …▲3▼
ここで、「鋳片内の未凝固部湯面の変化速度」とは、鋳片内における鋳片引抜中の凝固シェル内の湯面が変動する速度であって、鋳片の引抜速度を考慮しない湯面の変動速度である。また、鋳片引抜中において、単位時間当たりに吸い込まれる鋳片未凝固部の体積変化量V1(mm3/sec)および単位時間当たりに押し出される鋳片未凝固部の体積変化量V2(mm3/sec)は、それぞれ下記の▲5▼式および▲6▼式で求められる。
【0037】
V1=W1・Σ{Ln・α(t)}+W1・Σ{Lm・β(t)} …▲5▼
V2=Vc(t)・δ(t)・W1 …▲6▼
但し、上記の▲5▼式および▲6▼式中の記号の意味は下記のとおりである。即ち、Lnはバルジングゾーンのガイドロールセグメントのうち、鋳片引抜中に開放される範囲のガイドロールセグメントの鋳片方向長さ(mm)を示し、nはバルジングゾーンにおけるガイドロールセグメントについて、上流側より順に付与した番号を示し、Lmは圧下ゾーンの圧下ロールセグメントのうち、鋳片引抜中に開放される範囲の圧下ロールセグメントの鋳片方向長さ(mm)を示し、mは圧下ゾーンにおける圧下ロールセグメントについて、上流側より順に付与した番号を示し、α(t)はガイドロールセグメントの開放速度(mm/sec)を示し、β(t)は圧下ロールセグメントの開放速度(mm/sec)を示し、Vc(t)は鋳片の引抜速度(mm/sec)を示し、δ(t)は圧下ロールによる鋳片圧下量(mm)を示す。
【0038】
図4は、上記の各記号を詳細に図示したものである。なお、図中の一点鎖線(線A−B、C−D)で示した状態は、定常鋳込時のロール開放状態(図3(a)もあわせて参照)を示し、図中の実線(線E−B、F−G)で示した状態は、各ロールの開放が終了した状態(図3(c)もあわせて参照)を示す。
【0039】
図4に示すように、各ロールは、鋳片引抜時には線A−B−C−Dの状態から線E−B−F−Gの状態に移動する。詳しくは、バルジングロールは、所定の開放速度α(t)(mm/sec)で、A−B−Eで囲まれる範囲内において、初期の線A−Bの状態から線E−Bの状態となるように移動し、圧下ロールは、所定の開放速度β(t)(mm/sec)で、C−D−G−Fで囲まれる範囲内において、初期の線C−Dの状態から線F−Gの状態となるように移動する。なお、図中の線H−Iは、圧下ロールの開放中の任意の状態(図3(b)の状態)を示す。
【0040】
従って、上記の▲5▼式中の「W1・Σ{Ln・α(t)}」は、A−B−Eで囲まれる範囲内において、バルジングロールが開放されることによって単位時間当たりに増加する体積変化量(mm3/sec)を意味し、「W1・Σ{Lm・β(t)}」は、C−D−G−Fで囲まれる範囲内において、圧下ロールが開放されることによって単位時間当たりに増加する体積変化量(mm3/sec)を意味する。一方、上記の▲6▼式中の「Vc(t)・δ(t)・W1」は、線B−Hで示した面(即ち、δ(t)×W1の面)が鋳片未凝固部を単位時間当たりに押し出す体積(mm3/sec)を意味する。
【0041】
なお、実際には、定常鋳込中および鋳片引抜中には、鋳片幅(鋳片長辺長さ)は変動しないので、これを考慮する必要はない。従って、上記のV1およびV2は、W1を1mmとして計算すればよい。
【0042】
鋳片終端部(ボトム部)での湯面の変化速度Vは、小さい方が望ましく、Vが10mm/secを超えるとモールドパウダーなどを巻き込み、鋳片ボトム部の品質が低下する。したがって、湯面の変化速度Vは、10mm/sec以下とし、下記の▲1▼式を規定した。
【0043】
V≦10 …▲1▼
(b)未凝固部湯面の変化量S(mm)について
鋳込み終了後、鋳片引抜中の鋳片内の未凝固部湯面の変化量S(mm)は、前記V1とV2を用いて次の▲4▼式で表される。
【0044】
S=∫(V1−V2)dt/(t1・W1) …▲4▼
湯面の変化量Sは、いわゆる鋳片終端部の「引け巣長さ」であり、0mmが理想である。しかし、Sが0mm未満になれば漏鋼が発生する。従って、湯面の変化量Sは、0mm以上とし、下記の▲2▼式を規定した。
【0045】
S>0 …▲2▼
但し、Sは、漏鋼の観点からは0mm以上であれば問題がないが、この値が大きくなりすぎると、引け巣長さが大きくなり歩留が低下する。従って、湯面の変化量Sの値は、500mm以下で、できるだけ0mmに近いのが望ましい。即ち、下記の▲7▼式を満足する範囲とするのが望ましい。
【0046】
0<S≦500 …▲7▼
(c)鋳片終端部(ボトム部)の切り捨て長さL(mm)について
鋳片終端部(ボトム部)の切り捨て長さL(mm)は、上記▲2▼式または▲7▼式により算出したSの値以上とする、即ち、下記の▲8▼式の範囲内であればよい。これによって引け巣の生じたボトム部が切り捨てられることになる。
【0047】
S≦L …▲8▼
(d)鋳込み終了後、鋳片引抜中におけるバルジングロールの開放方法について図5は、バルジングロールを開放する際の制約条件を示す図であり、(a)は上流側ロールの厚み方向の間隔が下流側ロールの厚み方向の間隔より小さくなる場合を示し、(b)は上流側ロールの厚み方向の間隔が下流側ロールの厚み方向の間隔と等しくなる場合を示し、(a)は上流側ロールの厚み方向の間隔が下流側ロールの厚み方向の間隔より大きくなる場合を示す。
【0048】
なお、バルジングゾーンはn個のロールからなるものとし、図中のξの添字は、上流側から順に番号を付したものとする。即ち、図(a)は、ξ1≦ξ2≦…ξi−1≦ξi…≦ξn−1≦ξnの状態を例示し、図(b)は、ξ1=ξ2=…ξi−1=ξi…=ξn−1=ξnの状態を例示し、図(c)は、ξ1≧ξ2≧…ξi−1≧ξi…≧ξn−1≧ξnの状態を例示している。
【0049】
バルジングロールを開放中の厚み方向のロール間隔が(c)の状態となるときには、鋳片がバルジングゾーン内で圧下されることになるが、バルジングゾーンでは凝固シェルの厚さが薄いため、内部割れが発生するおそれがある。このため、(a)または(b)の状態、即ち、隣り合うロールのうち上流側ロールより下流側ロールの方がその厚み方向のロール間隔が長い状態または上流側ロールと下流側ロールとの厚み方向のロール間隔が等しい状態でバルジングロールの開放を行う必要がある。
【0050】
従って、バルジングロールの開放は、それぞれの厚み方向のロール間隔をξi−1≦ξiとなるように制御して行わなければならない。例えば、バルジングロールは、図6に示す開放方法に基づいて開放すればよい。
【0051】
図6(a)〜(d)は、バルジングロールの開放方法の例を示す図である。バルジングロールの開放方法は、定常鋳込の状態から、例えば、(a)〜(b)に示されように、上流側から下流側に順にバルジングロールを開放していってもよいし、(c)〜(d)に示されるように、上流側から下流側の全てのロールの開放を同時に開始してもよい。
【0052】
バルジングロールの開放を行う時期は、鋳込み終了から鋳片終端部が鋳型内に存在するまでの間のできるだけ早い時期が望ましい。また、圧下ロールの開放は、鋳片圧下量の低減を意味し、中心偏析の残存につながることから、その開放開始時期は、できるだけ遅らせて鋳片終端部に近づけることが望ましい。
【0053】
【実施例】
図1に示すような垂直曲げ型連続鋳造設備を用い、アルミキルド炭素鋼(C:0.16〜0.18%、Si:0.3〜0.4%、Mn:1.3〜1.45%、P≦0.020%、S≦0.004%、Fe:残部)のスラブ鋳造試験を行った。使用した鋳型の内法断面寸法は、厚さ(t1)が235mm、幅が2260mmである。定常鋳造速度は20.83mm/sec(1.25m/min)とし、鋳込み終了後、引抜中にもこの鋳造速度を維持した。ガイドロール部での冷却水の量は、比水量で2リットル/(溶鋼kg)とした。
【0054】
バルジングゾーンの上流側の位置はメニスカスから5.3m、圧下ゾーンの上流側の位置はメニスカスから20.3mとした。バルジングゾーンにおけるガイドロールセグメント個数は10個、圧下ゾーンにおける圧下ロールセグメント個数は4個であり、一つのロール群長さはバルジングゾーンおよび圧下ゾーンともに1.5mとした。
【0055】
定常鋳込時の鋳片圧下量δ1、定常鋳込時のバルジングゾーンにおける鋳片バルジング形式、圧下ロール開放後の鋳片圧下量δ2を表1に示す値とした。ここで、「バルジング形式」とは、鋳込中のバルジングロールの開放形式であり、図6に示す各バルジングロールの開放形式を意味する。
【0056】
図7は、鋳込み中のバルジングロールの開放形式を示す図であり、(a)は段階的バルジングを示し、(b)は一括バルジングを示す。図(a)に示すように、バルジングに関与するロールセグメントを上流側から下流側にかけて段階的に開放して鋳片をバルジングさせる形式を段階的バルジング形式(表1中では「段階的」と記す)と呼ぶ。
【0057】
具体的には、定常鋳込時の圧下量δ1が20mmの場合には、各セグメントの開放量をNo.1セグメントでは2mm、No.2セグメントでは4mm、No.3セグメントでは6mm、…No.10セグメントでは20mmのように、隣り合うセグメント間の開放量の差が2mmとなるように設定し、定常鋳込時の圧下量δ1が10mmの場合には、各セグメントの開放量をNo.1セグメントでは1mm、No.2セグメントでは2mm、No.3セグメントでは3mm、…No.10セグメントでは10mmのように、隣り合うセグメント間の開放量の差が1mmとなるように設定した。一方、図(b)に示すように、バルジングに関与するロールセグメントを全て同一の開放量として鋳片をバルジングさせる形式を一括バルジング形式(表1中では「一括」と記す)と呼ぶ。
【0058】
なお、実際の操業において「段階的バルジング形式」を採用する場合には、上記のように隣り合うセグメント間の開放量の差は一定量であってもよいし、一定量でなくても良い。
【0059】
【表1】
【0060】
試験番号1では、定常鋳込は、その圧下量δ1が20mmとなるように段階的バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放速度α(t)を0.14mm/secとして、No.1セグメント、No.2セグメントおよびNo.3セグメントを同時に、それぞれの開放量が6mm、4mmおよび2mmとなるまで開放し、その他のセグメントについては開放しなかった。一方、圧下ロールについては、開放速度を0.3mm/secとして、No.1〜4の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が11mmとなるまで開放した。
【0061】
試験番号2では、定常鋳込は、その圧下量δ1が20mmとなるように段階的バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放速度α(t)を0.14mm/secとして、No.1〜9セグメントを下記の要領で開放した。
【0062】
まず、No.1セグメントを2mm開放し、この開放が終了した後、No.2セグメントを2mm開放し、同じ要領で各セグメントをそれぞれ2mmずつ開放して、No.9セグメントまで開放した。その後、同じ要領で、No.1セグメントからNo.8セグメントまでを更に2mm開放し、さらに、No.1セグメントからNo.7までを2mm開放した。このような作業を繰り返し、最終的には、No.1セグメントの開放量が18mm、No.2セグメントの開放量が16mm、…No.9セグメントの開放量が2mmとなるように開放した。一方、圧下ロールについては開放しなかった。
【0063】
試験番号3では、定常鋳込は、その圧下量δ1が20mmとなるように段階的バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放しなかった。一方、圧下ロールについては、開放速度を0.3mm/secとして、全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が11mmとなるまで開放した。
【0064】
試験番号4では、定常鋳込は、その圧下量δ1が20mmとなるように段階的バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放速度α(t)を0.14mm/secとして、No.1〜10の全てのセグメントを2セグメント毎に順次、各セグメントの開放量が1.5mmとなるまで開放した。具体的には、まず、No.1および2セグメントをそれぞれ1.5mm開放し、これらの開放が終了した後、No.3および4セグメントをそれぞれ1.5mm開放し、その後、No.5および6セグメント、No.7および8セグメント、並びにNo.9および10セグメントについても同じ要領でそれぞれ1.5mmとなるまで開放した。一方、圧下ロールについては、開放速度を0.3mm/secとして、No.1〜4の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が1.5mmとなるまで開放した。
【0065】
試験番号5では、定常鋳込は、その圧下量δ1が20mmとなるように一括バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放速度を0.14mm/secとして、No.1〜10の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が20mmとなるまで開放した。一方、圧下ロールについては、開放速度を0.3mm/secとして、No.1〜4の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が20mmとなるまで開放した。
【0066】
試験番号6では、定常鋳込は、その圧下量δ1が10mmとなるように段階的バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放しなかった。一方、圧下ロールについては、開放速度を0.1mm/secとして、No.1〜4の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が3mmとなるまで開放した。
【0067】
試験番号7では、定常鋳込は、その圧下量δ1が20mmとなるように段階的バルジング形式で行った。鋳込み終了後は、バルジングロールについては、開放速度を0.2mm/secとして、No.1〜10の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が20mmとなるまで開放した。一方、圧下ロールについては、開放速度を0.3mm/secとして、No.1〜4の全ての圧下ロールを同時に、それぞれの開放量が20mmとなるまで開放した。
【0068】
以上の製造条件から、前記の▲5▼式および▲6▼式を用いて、鋳片引抜中において、単位時間当たりに吸い込まれる鋳片未凝固部の体積変化量V1(mm3/sec)および単位時間当たりに押し出される鋳片未凝固部の体積変化量V2(mm3/sec)を算出し、前記の▲3▼式および▲4▼式を用いて、鋳片引抜中の鋳片内の湯面の変化速度V(mm/sec)および鋳片内の未凝固部湯面の変化量S(mm)を算出した。これらの結果を表2に示す。
【0069】
なお、鋳片の幅(鋳片の長辺長さ)は、鋳込みおよび引抜の過程においてほとんど変動することはないため、鋳型幅(鋳型長辺長さ)W1(mm)と同一であるとみなすことができる。従って、表2には、「V1/W1」および「V2/W1」の値を記載した。
【0070】
本発明の効果を確認すべく、鋳片最終端部からの漏鋼の発生と、下記の要領で求めた鋳片ボトム部の中心偏析度の最大値、そして鋳片を圧延した後、超音波検査を行い内質の調査を実施した。また、鋳片最終端部の切り捨て長さについても評価した。これらの評価結果を表1に併記した。
【0071】
中心偏析度は、りん(P)の最大偏析度で評価した。これは、得られた鋳片の最終端部から3mの位置で、鋳込み方向に垂直な断面で切断して、厚さ方向中心部から試験片を採取し、試験片の表面を200μmメッシュに区分し、各区分でEPMA(エレクトリック・プローブ・マイクロ・アナライザー)を用いてP濃度を測定し、その中での最大P濃度[Pmax]と母溶鋼のPの濃度[Pave]との比([Pmax]/[Pave])を算出して求めた。
【0072】
【表2】
【0073】
なお、鋳片最終端部の切り捨て長さは、その長さが500mm未満であったものを「小」とし、500mm以上1000mm未満であったものを「中」とし、1000mm以上であったものを「大」として表中に記載した。
【0074】
本発明例の試験番号1〜5は、湯面変化速度Vと湯面変化量Sの値が本発明の範囲内となるように、バルジングロールおよび圧下ロールの開放方法を制御したものである。表2に示すように、本発明例1〜4では漏鋼は発生せず、圧延後の超音波検査でも不良は発生しなかった。ただし、試験番号1と3とでは圧下ロール群を開放させて、圧下ロール開放後の鋳片圧下量δ2を定常部鋳片圧下量δ1の45%とした為に、P最大備析度は4.7とやや大きくなった。また、試験番号5では、湯面変化量Sの値が1193mmと大きいため、漏鋼の発生はなかったが、鋳片最終端部の切り捨て量が増大し、歩留りが悪化するが、品質上の問題はない。
【0075】
比較例の試験番号6〜8までは、湯面変化速度Vと湯面変化量Sのいずれかの値が本発明の範囲を外れるものである。試験番号6は、湯面変化量Sの値が−9.6mmと小さいため、漏鋼が発生した。試験番号7および8は、Vの値が本発明で規定される範囲を超えるため、パウダー起因の超音波不良が発生した。特に、Sの値も本発明で規定される範囲を超える試験番号7では、切り捨て長さも500mm以上となり、歩留りも悪化していた。
【0076】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、定常部鋳込みの際に鋳片の中心偏析をなくして鋳片の品質を改善できるだけでなく、鋳込末期の鋳片終端部におけるパウダー巻き込み等の品質不良を低減することができる。また、鋳片終端部の切り捨て量を最小限にして鋳造歩留まりを向上させることもできる。さらに、鋳込終了時に、未凝固溶鋼の鋳片最後端からの漏鋼等の操業時のトラブルを防止することができ、安定した操業が可能となる。また、本発明法の対象となる鋳片は、スラブでもブルーム(ビレツト)でもよいが、特に厚板鋼板の素材となるスラブの連続鋳造に好適である。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】バルジング−圧下連続鋳造法を実施するための装置の一例を模式的に示す図である。
【図2】バルジング−圧下連続鋳造法を実施したときのロール位置と鋳片断面を示す模式図である。
【図3】本発明の連続鋳造方法におけるバルジングロールおよび圧下ロールの開放状況の一例を示す図であり、(a)は定常鋳込時の状態を示し、(b)は鋳込終了後、鋳片引抜時の状態を示し、(c)は各ロールの開放が終了した状態を示す。
【図4】上記の各記号を詳細に図示したものである。
【図5】バルジングロールを開放する際の制約条件を示す図である。
【図6】バルジングロールの開放方法の例を示す図である。
【図7】鋳込み中のバルジングロールの開放形式を示す図であり、(a)は段階的バルジングを示し、(b)は一括バルジングを示す。
【符号の説明】
1.タンディシュ 2.溶鋼 3.浸漬ノズル 4.鋳型 5.鋳片
6.固相線クレータエンド 7a ̄7n.ガイドロール 8a ̄8n.圧下ロール
9.圧下装置 10.ピンチロール[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a continuous casting machine that continuously reduces the center segregation of a steel slab by reducing the width of the slab in the short side direction (the thickness direction of the slab) of the guide roll and reducing the bulging. The present invention relates to a casting method, and more particularly to a slab drawing control method after completion of casting.
[0002]
[Prior art]
When steel slabs are manufactured by a continuous casting method, an internal defect called center segregation often occurs and becomes a problem. This center segregation is a phenomenon in which component elements such as C, Mn, S, and P in the molten steel are concentrated and positively segregated in the final solidified portion at the center in the thickness direction of the slab. It is known that this center segregation becomes a serious defect particularly in a thick steel plate and causes toughness reduction and hydrogen induced cracking in the segregated portion.
[0003]
The cause of the occurrence of such center segregation is that molten steel in which component elements such as C, Mn, S, and P are concentrated between dendrites at the end of solidification and solidifies as it is in the center of the slab thickness direction. In addition, the molten steel flows macroscopically toward the solidification completion point of the final solidified portion by the molten steel flow caused by expansion of the slab called shrinkage or bulging during solidification.
[0004]
Conventionally, bulging of a slab during casting has been considered to be avoided as much as possible because it causes a central segregation. However, in recent years, several casting methods have been proposed in which this bulging is actively caused and then the central segregation is reduced by reducing the bulging equivalent amount (for example, JP-A-60-21150, (See JP-A-1-178355, JP-A-9-57410, JP-A-9-206903, etc.). Hereinafter, this method is referred to as “bulging-reducing continuous casting method”.
[0005]
FIG. 1 is a diagram schematically showing an example of an apparatus for explaining the principle of the bulging-reducing continuous casting method.
[0006]
As shown in FIG. 1, the
[0007]
In the continuous casting apparatus for carrying out the bulging-reducing continuous casting method, the rolls in the slab thickness direction of the rolls from the guide rolls 7a to 7n provided between the position immediately below the mold 4 and the solidus crater end 6 of the slab. Increase the interval step by step. And the reduction roll group 8a-8n is provided between the guide roll 7n and the solidus crater end 6. FIG. The range of the guide roll groups 7a to 7n expanded in stages is referred to as a bulging zone, and the range of the reduction roll groups 8a to 8n is referred to as a reduction zone. A reduction device 9 is provided for each reduction roll. It should be noted that at least a pair of reduction rolls may be provided in the reduction zone.
[0008]
The
[0009]
In the bulging-reducing continuous casting method, after the slab is bulged, the molten steel is squeezed out in the indented portion in order to reduce the equivalent amount of bulging. However, since the bulging amount and the reduction amount are set to be balanced during steady casting, the molten metal surface in the mold is kept substantially constant, and a stable slab is obtained. Also, even when the guide roll interval in the bulging zone and the reduction amount in the reduction zone change, while the molten steel is being supplied into the mold, there is a possibility that a problem will occur in terms of operation, although the molten metal level will vary. small.
[0010]
However, at the end of casting, when the molten steel is no longer supplied into the mold, the slab is pulled out and when the reduction is continued, the rear end (bottom) of the slab is removed from the mold. When it comes off, so-called “leakage” may occur in which the molten steel squeezed out from the slab overflows from the rear end of the slab.
[0011]
When steel leakage occurs, it not only poses a danger to workers near the mold, but also causes molten steel to adhere to and damage the guide rolls and spray nozzles. In addition, efforts are made to recover the solidified material adhering to the equipment and the replacement of damaged equipment, thereby hindering productivity.
[0012]
In order to prevent leakage of steel from the end of the slab at the end of casting, the reduction of the slab is stopped, the reduction zone is opened, and the slab reduction amount is set to zero. However, this increases the thickness of the slab, and the center segregation cannot be reduced, leaving a portion to be cut off, resulting in a deterioration in yield.
[0013]
Thus, several methods as described below have been proposed for the drawing control method at the end of casting.
[0014]
(1) The casting is finished and the slab is pulled out while maintaining the normal casting speed without reducing the casting speed or stopping the casting and processing the bottom part which is the rear end of the slab. The roll interval of the unsolidified part in the end slab is expanded to intentionally bulge the slab outer shell part, and then the widened part is crushed by a subsequent roll to obtain a predetermined slab thickness at the fully solidified part. (See JP-A-10-244347).
[0015]
(2) Method of making the volume of the bulging larger than the bulging volume at the time of steady casting while pulling out the slab while maintaining the steady drawing speed at the end of casting in the bulging-reducing continuous casting method (Japanese Patent Laid-Open No. 11-156508) ,reference).
[0016]
(3) In the bulging-continuous reduction casting method, the guide roll group and reduction amount are made smaller than those during steady casting and the reduction position is moved to the mold side as the casting speed is reduced at the end of casting. 156509).
[0017]
(4) In the bulging-reducing continuous casting method, the slab is squeezed with at least one pair of squeezing rolls provided in the downstream part of the mold while maintaining the steady casting speed, and the molten steel in the unsolidified part is pushed inward in the mold. Thus, a new solidified shell is formed while the end of the slab is in the mold, then the reduction is released, and the slab thickness of the indented portion is restored to the original thickness, and the molten steel in the unsolidified portion is By sucking in the casting direction and lowering the molten steel surface at the end of the slab, a recess is formed and the end of the slab is drawn from the mold at a drawing speed corresponding to the steady casting speed (Japanese Patent Laid-Open No. 9-314289). Issue gazette).
[0018]
In the above methods (1) and (2), it is possible to prevent leakage of steel at the initial stage of slab drawing by widening the roll interval of the guide roll group corresponding to the unsolidified portion of the slab and bulging the slab. However, there is a state where the slab is being squeezed downstream from the slab position where the roll interval is maximum. Thereby, as slab drawing progresses, the molten steel in the unsolidified portion may be squeezed out and leakage steel may be generated.
[0019]
In the invention of (3) above, since the casting speed is reduced at the end of casting, the slab final end is an unsteady part that is not stable at both the casting speed and secondary cooling, and compared with the slab steady part. The quality of the piece is not stable, and it is actually difficult to change the ideal guide roll group and the reduction amount corresponding to the reduction of the casting speed, which is problematic in operation.
[0020]
In the method of (4) above, while the final end of the slab is in the mold, the slab is once reduced to form a solidified shell with the unsolidified molten steel, and then the reduction is released to obtain the unsolidified molten steel. Is effective in preventing steel leakage, but the opening and closing work of the guide roll is complicated, so that the operability is inferior.
[0021]
In any of the above methods (1) to (4), since the roll interval of the guide roll group is increased and bulging is caused after the completion of casting, powder or the like is caught in the molten steel at the final end of the slab. The quality of the slab bottom portion may be deteriorated. Thus, none of the methods considers the suction phenomenon of the molten steel in the unsolidified part.
[0022]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to perform a gap control in the thickness direction of the slab thickness of the guide roll and the reduction roll in consideration of the suction phenomenon of the molten steel in the unsolidified portion at the end of casting in the bulging-reduction continuous casting method. It is an object of the present invention to provide a continuous casting method for producing a slab without causing leakage steel from the rearmost end and free from center segregation and howder entrainment defects.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention is the continuous casting method shown in the following (1) to (3).
[0024]
(1) Widen the gap in the slab thickness direction of the guide roll in a predetermined range from the position corresponding to the liquid phase crater end to the position corresponding to the solid phase crater end of the slab, and after bulging the slab, It is a continuous casting method that uses a bulging equivalent amount or less, and the rate of change V (mm / sec) of the unsolidified molten metal surface in the slab during slab drawing after casting is as follows: The guide roll or rolling roll interval is opened under the condition that satisfies the formula (2) and the amount of change S (mm) of the unsolidified molten metal surface in the slab during slab drawing satisfies the formula (2) below. Continuous casting method.
[0025]
V ≦ 10… ▲ 1 ▼
S> 0… ▲ 2 ▼
However, V in the above formula (1) is a value obtained from the following formulas (3), (5) and (6), and S in formula (2) is the following formula (4), This is a value obtained from the equations (5) and (6).
[0026]
V = (V 1 -V 2 ) / (T 1 ・ W 1 )… ▲ 3 ▼
S = ∫ (V 1 -V 2 ) Dt / (t 1 ・ W 1 )… ▲ 4 ▼
V 1 = W 1 ・ Σ {Ln · α (t)} + W 1 ・ Σ {Lm · β (t)} (5)
V 2 = Vc (t) · δ (t) · W 1 … ▲ 6 ▼
In addition, V in the above formulas (3) to (6) 1 Is the volume change (mm) of the unsolidified part of the slab sucked per unit time during slab drawing 3 / Sec) and V 2 Is the volume change (mm) of the unsolidified part of the slab extruded per unit time during slab drawing 3 / Sec), t 1 Indicates the mold thickness (mold short side length) (mm), W 1 Is the mold width (length of the mold long side) (mm), and Ln is the slab direction length (mm) of the guide roll segment of the bulging zone that is open during slab drawing. N indicates the number assigned to the guide roll segment in the bulging zone in order from the upstream side, and Lm indicates the slab direction of the reduction roll segment in the range of the reduction roll segment in the reduction zone that is opened during slab drawing. The length (mm) is indicated, m is the number assigned to the reduction roll segment in the reduction zone in order from the upstream side, α (t) is the guide roll segment opening speed (mm / sec), β (t ) Indicates the release speed (mm / sec) of the rolling roll segment, Vc (t) indicates the drawing speed (mm / sec) of the slab, and δ (t) is The slab reduction amount (mm) by the reduction roll is shown.
[0027]
(2) The continuous roll according to (1) above, wherein the guide roll or the rolling roll is opened under a condition that the amount of change S (mm) of the unsolidified molten metal surface satisfies the following expression (7): Casting method.
[0028]
0 <S ≦ 500… ▲ 7 ▼
(3) The above-mentioned (1) or (2), wherein after the slab is drawn, the final end of the slab is cut off so that the length L (mm) satisfies the following formula (8): The continuous casting method described in 1.
[0029]
S ≦ L… ▲ 8 ▼
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following description, “bulging roll” means a guide roll in the bulging zone, and “reduction roll” means a reduction roll in the reduction zone. Unless specifically limited, when “roll” is simply described, both a bulging roll and a rolling roll are shown.
[0031]
(1) Operation during steady casting
FIG. 2 is a diagram schematically showing a roll position and a slab cross section when the bulging-reducing continuous casting method is performed. As shown in FIG. 2, the slab is, for example, the maximum thickness of the slab (t max ) Is the mold short side length (t 1 1.1 times to 1.5 times (in the figure, the bulging amount is the reduction amount δ 1 Bulging so as to be equal to 2), and then a reduction equivalent to or less than the bulging amount is applied in the reduction zone. The amount of reduction (δ 1 ), As shown in the figure, it is usually equivalent to the bulging amount and is cast with the same thickness as the short side of the mold, but the reduction amount is smaller than the bulging amount and the casting is slightly thicker than the short side of the mold. It is good also as a piece.
[0032]
(2) Operation after casting
FIG. 3 is a diagram showing an example of the operation status of the bulging roll and the reduction roll in the continuous casting method of the present invention, (a) shows the state at the time of steady casting, and (b) shows the state after casting is finished. The state at the time of one drawing is shown, (c) shows the state where the release of each roll is completed. Here, “at the time of slab drawing after the end of casting” refers to the time after the time when the supply of molten steel into the mold is stopped. In addition, the dashed-dotted line in FIG.3 (b) and (c) shows the state at the time of steady casting (state of figure (a)).
[0033]
As shown in FIG. 3, in the method of the present invention, from the open state of the roll at the time of steady casting (see FIG. Each is opened at a constant speed (see FIG. (B)), and each roll is opened to a predetermined position during drawing of the slab (see FIG. (C)). Therefore, when the slab is drawn, the unsolidified part of the slab is sucked into the slab by the volume which increases with the opening of the bulging roll and the reduction roll. Since it is narrower than that of the roll, only the volume which decreases with the difference between these gaps is pushed out to the upstream side of the slab. The method of the present invention adjusts the balance between the suction amount of the slab unsolidified portion and the extrusion amount, and specifically, it is controlled in the following manner.
[0034]
(A) About change rate V (mm / sec) of unsolidified molten metal surface
The change rate V (mm / sec) of the unsolidified molten metal surface in the slab during slab drawing after the end of casting is per unit time by further opening the bulging roll and the reduction roll during slab drawing. Volume change V of the slab unsolidified part 1 (Mm 3 / Sec) and the volume change V of the unsolidified portion of the slab extruded per unit time due to the reduction amount of the reduction roll V 2 (Mm 3 The volume change, which is the difference from / sec), is the cross-sectional area of the slab (mm 2 ). The cross-sectional area of the slab (mm 2 ) Is the mold thickness (mold short side length) t 1 (Mm) and mold width (mold long side length) W 1 It is expressed as a product of (mm).
[0035]
This relationship can be expressed by the following equation (3).
[0036]
V = (V 1 -V 2 ) / (T 1 ・ W 1 )… ▲ 3 ▼
Here, “change rate of unsolidified molten metal surface in the slab” is the rate at which the molten metal surface in the solidified shell during slab drawing in the slab fluctuates, taking into account the slab drawing speed. It is the fluctuation speed of the hot water surface. Further, during the slab drawing, the volume change amount V of the slab unsolidified portion sucked per unit time. 1 (Mm 3 / Sec) and the volume change V of the slab unsolidified portion extruded per unit time 2 (Mm 3 / Sec) is obtained by the following equations (5) and (6).
[0037]
V 1 = W 1 ・ Σ {Ln · α (t)} + W 1 ・ Σ {Lm · β (t)} (5)
V 2 = Vc (t) · δ (t) · W 1 … ▲ 6 ▼
However, the meanings of the symbols in the above formulas (5) and (6) are as follows. That is, Ln indicates the slab direction length (mm) of the guide roll segment in the range of the guide roll segment in the bulging zone that is opened during slab drawing, and n indicates the upstream side of the guide roll segment in the bulging zone. The numbers given in order are shown, Lm indicates the slab direction length (mm) of the rolling roll segment in the range of the rolling roll segment in the rolling zone that is opened during slab drawing, and m is the rolling in the rolling zone. For the roll segment, the number assigned in order from the upstream side is shown, α (t) indicates the release speed (mm / sec) of the guide roll segment, and β (t) indicates the release speed (mm / sec) of the rolling roll segment. Vc (t) indicates the drawing speed (mm / sec) of the slab, and δ (t) indicates the slab reduction amount (mm) by the reduction roll. Show.
[0038]
FIG. 4 shows the above symbols in detail. In addition, the state shown with the dashed-dotted line (line AB, CD) in a figure shows the roll open | release state (refer also FIG. 3 (a) at the time of steady casting), and the solid line ( The state indicated by lines EB and FG) indicates a state in which the opening of each roll is completed (see also FIG. 3C).
[0039]
As shown in FIG. 4, each roll moves from the state of line ABCD to the state of line EBFG when the slab is drawn. Specifically, the bulging roll has a predetermined opening speed α (t) (mm / sec) and within the range surrounded by A-B-E, the initial state of the line A-B to the state of the line E-B. The rolling roll moves at a predetermined opening speed β (t) (mm / sec), and within the range surrounded by CD-G-F, from the initial state of the line CD, the roll F -Move to the state of G. In addition, line HI in a figure shows the arbitrary states (state of FIG.3 (b)) in releasing the reduction roll.
[0040]
Therefore, “W” in the above formula (5) 1 ・ Σ {Ln · α (t)} ”is the volume change (mm) that increases per unit time when the bulging roll is released within the range surrounded by A-B-E. 3 / Sec), meaning “W 1 Σ {Lm · β (t)} ”is a volume change amount (mm) that increases per unit time when the rolling roll is released within a range surrounded by CDFG. 3 / Sec). On the other hand, “Vc (t) · δ (t) · W in the above formula (6)” 1 "Is the plane indicated by line B-H (i.e., δ (t) x W 1 The volume that extrudes the unsolidified part of the slab per unit time (mm) 3 / Sec).
[0041]
In practice, the slab width (the slab long side length) does not change during steady casting and slab drawing, so there is no need to consider this. Therefore, the above V 1 And V 2 W 1 Is calculated as 1 mm.
[0042]
The rate of change V of the molten metal surface at the end portion (bottom portion) of the slab is desirably small, and when V exceeds 10 mm / sec, mold powder or the like is involved and the quality of the bottom portion of the slab is deteriorated. Therefore, the change rate V of the molten metal surface was set to 10 mm / sec or less, and the following formula (1) was defined.
[0043]
V ≦ 10… ▲ 1 ▼
(B) About the amount of change S (mm) of the unsolidified molten metal surface
After the completion of casting, the amount of change S (mm) of the surface of the unsolidified portion in the slab during drawing of the slab is V 1 And V 2 Is expressed by the following equation (4).
[0044]
S = ∫ (V 1 -V 2 ) Dt / (t 1 ・ W 1 )… ▲ 4 ▼
The amount of change S of the molten metal surface is the so-called “shrinkage length” at the end of the slab, and 0 mm is ideal. However, when S is less than 0 mm, steel leakage occurs. Therefore, the amount of change S of the molten metal surface was set to 0 mm or more, and the following formula (2) was defined.
[0045]
S> 0… ▲ 2 ▼
However, there is no problem if S is 0 mm or more from the viewpoint of steel leakage, but if this value becomes too large, the shrinkage nest length increases and the yield decreases. Therefore, it is desirable that the value S of the hot water level change is 500 mm or less and is as close to 0 mm as possible. That is, it is desirable that the range satisfies the following formula (7).
[0046]
0 <S ≦ 500… ▲ 7 ▼
(C) About the cut-off length L (mm) of the slab end (bottom)
The cut-off length L (mm) of the slab end portion (bottom portion) is not less than the value of S calculated by the above formula (2) or formula (7), that is, within the range of formula (8) below. I just need it. As a result, the bottom portion where the shrinkage nest is generated is cut off.
[0047]
S ≦ L… ▲ 8 ▼
(D) About the opening method of the bulging roll during slab drawing after completion of casting FIG. 5 is a diagram showing the constraint conditions when opening the bulging roll, and (a) shows the interval in the thickness direction of the upstream roll. The case where it becomes smaller than the space | interval of the thickness direction of a downstream roll is shown, (b) shows the case where the space | interval of the thickness direction of an upstream roll becomes equal to the space | interval of the thickness direction of a downstream roll, (a) shows an upstream roll. The case where the space | interval of the thickness direction of this becomes larger than the space | interval of the thickness direction of a downstream roll is shown.
[0048]
It is assumed that the bulging zone is composed of n rolls, and the suffix ξ in the figure is numbered sequentially from the upstream side. That is, FIG. 1 ≦ ξ 2 ≦… ξ i-1 ≦ ξ i … ≦ ξ n-1 ≦ ξ n FIG. (B) shows the state of 1 = Ξ 2 = ... ξ i-1 = Ξ i … = ξ n-1 = Ξ n FIG. (C) shows the state of 1 ≧ ξ 2 ≧… ξ i-1 ≧ ξ i … ≧ ξ n-1 ≧ ξ n The state of is illustrated.
[0049]
When the gap between the rolls in the thickness direction when the bulging roll is released is in the state of (c), the slab is squeezed in the bulging zone. May occur. For this reason, the state of (a) or (b), that is, the state where the downstream roll is longer in the thickness direction than the upstream roll among the adjacent rolls or the thickness between the upstream roll and the downstream roll. It is necessary to release the bulging rolls with the same roll interval in the direction.
[0050]
Therefore, the release of the bulging rolls means that the roll interval in the thickness direction is ξ i-1 ≦ ξ i It must be controlled so that For example, the bulging roll may be opened based on the opening method shown in FIG.
[0051]
6A to 6D are diagrams illustrating an example of a method for opening a bulging roll. The method for opening the bulging roll may be to open the bulging roll in order from the upstream side to the downstream side, as shown in (a) to (b), for example, from the state of steady casting. ) To (d), all the rolls from the upstream side to the downstream side may be opened simultaneously.
[0052]
The timing for opening the bulging roll is preferably as early as possible from the end of casting until the end of the slab is in the mold. Moreover, opening the rolling roll means reducing the amount of slab reduction and leads to residual center segregation. Therefore, it is desirable that the opening start time be delayed as close as possible to the slab end portion.
[0053]
【Example】
Using a vertical bend type continuous casting equipment as shown in FIG. 1, aluminum killed carbon steel (C: 0.16-0.18%, Si: 0.3-0.4%, Mn: 1.3-1.45) %, P ≦ 0.020%, S ≦ 0.004%, Fe: balance). The internal cross-sectional dimension of the mold used is the thickness (t 1 ) Is 235 mm and the width is 2260 mm. The steady casting speed was 20.83 mm / sec (1.25 m / min), and this casting speed was maintained during drawing after casting. The amount of cooling water in the guide roll portion was 2 liters / (molten steel kg) in terms of specific water.
[0054]
The upstream position of the bulging zone was 5.3 m from the meniscus, and the upstream position of the reduction zone was 20.3 m from the meniscus. The number of guide roll segments in the bulging zone was 10, the number of reduction roll segments in the reduction zone was 4, and the length of one roll group was 1.5 m in both the bulging zone and the reduction zone.
[0055]
Slab reduction amount δ during steady casting 1 Slab bulging type in bulging zone during steady casting, slab reduction amount δ after release of reduction roll 2 Were the values shown in Table 1. Here, the “bulging form” is an opening form of the bulging roll being cast, and means an opening form of each bulging roll shown in FIG.
[0056]
FIGS. 7A and 7B are diagrams showing an opening form of a bulging roll during casting, in which FIG. 7A shows stepped bulging and FIG. 7B shows collective bulging. As shown in FIG. 1 (a), a type in which roll segments involved in bulging are gradually opened from the upstream side to the downstream side to bulge the slab is referred to as a gradual bulging format (in Table 1, “graded”). ).
[0057]
Specifically, the amount of reduction δ during steady casting 1 Is 20 mm, the opening amount of each segment is No. One segment is 2 mm, no. In 2 segments, 4 mm, no. 6 mm for 3 segments,. For 10 segments, such as 20 mm, the difference in the opening amount between adjacent segments is set to 2 mm, and the amount of reduction δ during steady casting 1 Is 10 mm, the opening amount of each segment is No. One segment is 1 mm, no. 2 mm for 2 segments, no. 3 segments for 3 segments, ... No. For 10 segments, the difference in the opening amount between adjacent segments was set to 1 mm, such as 10 mm. On the other hand, as shown in FIG. 5B, a form in which all the roll segments involved in bulging are bulged with the same opening amount is referred to as a collective bulging form (referred to as “collective” in Table 1).
[0058]
In the case of adopting the “stepped bulging format” in actual operation, the difference in the opening amount between adjacent segments as described above may be a fixed amount or may not be a fixed amount.
[0059]
[Table 1]
[0060]
In
[0061]
In test No. 2, the steady casting is the reduction amount δ 1 Was carried out in a stepwise bulging format to give a 20 mm. After the end of casting, the bulging roll is set to No. 1 with an opening speed α (t) of 0.14 mm / sec. 1 to 9 segments were opened as follows.
[0062]
First, no. One segment is opened by 2 mm, and after this opening is finished, 2 segments are released by 2 mm, and each segment is opened by 2 mm in the same manner. Opened up to 9 segments. Then, in the same way, No. No. 1 segment Open up to 2 segments up to 8 segments. No. 1 segment Up to 7 was opened by 2 mm. Such work is repeated, and finally, No. The opening amount of one segment is 18 mm. The opening amount of the two segments is 16 mm. The 9 segments were opened so that the opening amount was 2 mm. On the other hand, the reduction roll was not opened.
[0063]
In test No. 3, the steady casting is the reduction amount δ 1 Was carried out in a stepwise bulging format to give a 20 mm. After the casting, the bulging roll was not opened. On the other hand, for the reduction rolls, the release speed was set to 0.3 mm / sec, and all the reduction rolls were simultaneously released until the respective release amounts were 11 mm.
[0064]
In test No. 4, the steady casting is the reduction amount δ 1 Was carried out in a stepwise bulging format to give a 20 mm. After the end of casting, the bulging roll is set to No. 1 with an opening speed α (t) of 0.14 mm / sec. All the
[0065]
In test No. 5, the steady casting is the reduction amount δ 1 Was carried out in a batch bulging format so that the thickness of the film was 20 mm. After completion of casting, the bulging roll was set to No. 1 with an opening speed of 0.14 mm / sec. All the rolling rolls 1 to 10 were simultaneously opened until the respective opening amounts were 20 mm. On the other hand, for the reduction roll, the release speed was set to 0.3 mm / sec. All the rolling rolls 1 to 4 were simultaneously opened until the respective opening amounts were 20 mm.
[0066]
In test No. 6, the steady casting is the reduction amount δ 1 Was carried out in a stepwise bulging format so as to be 10 mm. After the casting, the bulging roll was not opened. On the other hand, for the reduction roll, the release speed was set to 0.1 mm / sec and No. All the rolling rolls 1 to 4 were simultaneously opened until the respective opening amounts were 3 mm.
[0067]
In Test No. 7, the steady casting is the reduction amount δ 1 Was carried out in a stepwise bulging format to give a 20 mm. After the end of casting, the bulging roll is set to No. 2 with an opening speed of 0.2 mm / sec. All the rolling rolls 1 to 10 were simultaneously opened until the respective opening amounts were 20 mm. On the other hand, for the reduction roll, the release speed was set to 0.3 mm / sec. All the rolling rolls 1 to 4 were simultaneously opened until the respective opening amounts were 20 mm.
[0068]
From the above manufacturing conditions, the volume change amount V of the unsolidified portion of the slab that is sucked per unit time during drawing of the slab using the above formulas (5) and (6). 1 (Mm 3 / Sec) and the volume change V of the slab unsolidified portion extruded per unit time 2 (Mm 3 / Sec), and using the above formulas (3) and (4), the change rate V (mm / sec) of the molten metal surface in the slab during slab drawing and the unsolidified portion in the slab The amount of change S (mm) of the hot water surface was calculated. These results are shown in Table 2.
[0069]
Since the width of the slab (long side length of the slab) hardly changes during the casting and drawing process, the mold width (mold long side length) W 1 (Mm) can be regarded as the same. Therefore, in Table 2, “V 1 / W 1 "And" V 2 / W 1 The value of "
[0070]
In order to confirm the effect of the present invention, the occurrence of steel leakage from the final end of the slab, the maximum value of the center segregation of the bottom of the slab determined in the following manner, and after rolling the slab, ultrasonic Inspection and internal quality survey were conducted. Moreover, it evaluated also about the cut-off length of the slab final end part. These evaluation results are also shown in Table 1.
[0071]
The central segregation degree was evaluated by the maximum segregation degree of phosphorus (P). This is cut at a cross section perpendicular to the casting direction at a position 3 m from the final end of the obtained slab, and the specimen is sampled from the central part in the thickness direction, and the surface of the specimen is divided into 200 μm meshes. In each section, the P concentration was measured using an EPMA (Electric Probe Micro Analyzer), and the ratio between the maximum P concentration [Pmax] and the P concentration [Pave] of the mother molten steel ([Pmax ] / [Pave]).
[0072]
[Table 2]
[0073]
The cut-off length at the end of the slab is “small” when the length is less than 500 mm, “medium” when the length is 500 mm or more and less than 1000 mm, and 1000 mm or more. It was described in the table as “Large”.
[0074]
Test Nos. 1 to 5 of the present invention are examples in which the opening method of the bulging roll and the rolling roll is controlled so that the values of the molten metal surface change speed V and the molten metal surface variation amount S are within the scope of the present invention. As shown in Table 2, no leakage steel occurred in Examples 1 to 4 of the present invention, and no defect occurred even in ultrasonic inspection after rolling. However, in
[0075]
In the test numbers 6 to 8 of the comparative examples, any one of the hot water surface change speed V and the hot water surface change amount S is out of the range of the present invention. In Test No. 6, since the value of the molten metal surface change amount S was as small as -9.6 mm, steel leakage occurred. In Test Nos. 7 and 8, since the value of V exceeded the range specified in the present invention, ultrasonic defects due to powder occurred. In particular, in
[0076]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, not only can the center segregation of the slab be eliminated during the casting of the steady part to improve the quality of the slab, but also quality defects such as powder entrainment at the end of the slab at the end of casting are reduced. be able to. In addition, it is possible to improve the casting yield by minimizing the cut-off amount at the end portion of the slab. Furthermore, troubles during operation such as leakage of steel from the end of the cast slab of unsolidified molten steel at the end of casting can be prevented, and stable operation is possible. Further, the slab to be subjected to the method of the present invention may be a slab or a bloom (billet), but is particularly suitable for continuous casting of a slab which is a material for a thick steel plate.
[0077]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing an example of an apparatus for carrying out a bulging-reducing continuous casting method.
FIG. 2 is a schematic view showing a roll position and a slab cross section when a bulging-reducing continuous casting method is performed.
FIGS. 3A and 3B are diagrams showing an example of an open state of a bulging roll and a rolling roll in the continuous casting method of the present invention, FIG. The state at the time of one drawing is shown, (c) shows the state where the release of each roll is completed.
FIG. 4 illustrates the above symbols in detail.
FIG. 5 is a diagram showing a constraint condition when opening a bulging roll.
FIG. 6 is a diagram showing an example of a method for opening a bulging roll.
FIGS. 7A and 7B are diagrams showing an opening form of a bulging roll during casting, in which FIG. 7A shows stepped bulging and FIG. 7B shows collective bulging.
[Explanation of symbols]
1. Tundish Molten steel Immersion nozzle 4. 4. Mold Slab
6). Solid phase crater end 7a ~ 7n. Guide roll 8a ̄8n. Rolling roll
9.
Claims (3)
V≦10 …▲1▼
S>0 …▲2▼
但し、上記の▲1▼式中のVは下記の▲3▼式、▲5▼式および▲6▼式から求められる値であり、▲2▼式中のSは下記の▲4▼式、▲5▼式および▲6▼式から求められる値である。
V=(V1−V2)/(t1・W1) …▲3▼
S=∫(V1−V2)dt/(t1・W1) …▲4▼
V1=W1・Σ{Ln・α(t)}+W1・Σ{Lm・β(t)} …▲5▼
V2=Vc(t)・δ(t)・W1 …▲6▼
なお、上記の▲3▼〜▲6▼式中の記号の意味は下記のとおりである。
V1:鋳片引抜中において、単位時間当たりに吸い込まれる鋳片未凝固部の体積変化量(mm3/sec)
V2:鋳片引抜中において、単位時間当たりに押し出される鋳片未凝固部の体積変化量(mm3/sec)
t1:鋳型厚さ(鋳型短辺長さ)(mm)
W1:鋳型幅(鋳型長辺長さ)(mm)
Ln:バルジングゾーンのガイドロールセグメントのうち、鋳片引抜中に開放される範囲のガイドロールセグメントの鋳片方向長さ(mm)
n:バルジングゾーンにおけるガイドロールセグメントについて、上流側より順に付与した番号
Lm:圧下ゾーンの圧下ロールセグメントのうち、鋳片引抜中に開放される範囲の圧下ロールセグメントの鋳片方向長さ(mm)
m:圧下ゾーンにおける圧下ロールセグメントについて、上流側より順に付与した番号
α(t):ガイドロールセグメントの開放速度(mm/sec)
β(t):圧下ロールセグメントの開放速度(mm/sec)
Vc(t):鋳片の引抜速度(mm/sec)
δ(t):圧下ロールによる鋳片圧下量(mm)The guide roll is spread over a predetermined range from the position corresponding to the liquid phase crater end of the slab to the position corresponding to the solid phase crater end. This is a continuous casting method in which the rolling is reduced by a considerable amount or less. After the casting is finished, the change rate V (mm / sec) of the unsolidified molten metal surface in the slab during slab drawing is expressed by the following formula (1). Continuously characterized by opening the gap between the guide rolls or the rolling rolls under the condition that the amount of change S (mm) of the unsolidified molten metal surface in the slab that satisfies and satisfies the following formula (2): Casting method.
V ≦ 10… ▲ 1 ▼
S> 0… ▲ 2 ▼
However, V in the above formula (1) is a value obtained from the following formulas (3), (5) and (6), and S in formula (2) is the following formula (4), This is a value obtained from the equations (5) and (6).
V = (V 1 −V 2 ) / (t 1 · W 1 ) (3)
S = ∫ (V 1 −V 2 ) dt / (t 1 · W 1 ) (4)
V 1 = W 1 · Σ {Ln · α (t)} + W 1 · Σ {Lm · β (t)} (5)
V 2 = Vc (t) · δ (t) · W 1 (6)
The meanings of symbols in the above formulas (3) to (6) are as follows.
V 1 : Volume change amount (mm 3 / sec) of the slab unsolidified portion sucked per unit time during slab drawing
V 2 : Volume change amount (mm 3 / sec) of the unsolidified portion of the slab extruded per unit time during slab drawing
t 1 : Mold thickness (mold short side length) (mm)
W 1 : mold width (mold long side length) (mm)
Ln: Of the guide roll segments in the bulging zone, the length in the slab direction (mm) of the guide roll segment that is open during slab drawing
n: Number assigned to the guide roll segment in the bulging zone in order from the upstream side Lm: Out of the reduction roll segment in the reduction zone, the length in the slab direction of the reduction roll segment in the range opened during slab drawing (mm)
m: Number α (t) assigned in order from the upstream side for the rolling roll segment in the rolling zone: Release speed (mm / sec) of the guide roll segment
β (t): Reduction speed of the rolling roll segment (mm / sec)
Vc (t): slab drawing speed (mm / sec)
δ (t): Amount of slab reduction by a reduction roll (mm)
0<S≦500 …▲7▼The continuous casting method according to claim 1, wherein the guide roll or the rolling roll is opened under a condition that the amount of change S (mm) of the unsolidified molten metal surface satisfies the following expression (7).
0 <S ≦ 500… ▲ 7 ▼
S≦L …▲8▼3. The continuous casting according to claim 1, wherein after the slab is drawn, the final end portion of the slab is cut off so that a length L (mm) satisfies the following formula (8): Method.
S ≦ L… ▲ 8 ▼
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