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JP3633249B2 - グラフ表示装置、グラフ表示制御方法 - Google Patents

グラフ表示装置、グラフ表示制御方法 Download PDF

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JP3633249B2
JP3633249B2 JP34958797A JP34958797A JP3633249B2 JP 3633249 B2 JP3633249 B2 JP 3633249B2 JP 34958797 A JP34958797 A JP 34958797A JP 34958797 A JP34958797 A JP 34958797A JP 3633249 B2 JP3633249 B2 JP 3633249B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたデータに応じたグラフを描画するグラフ表示装置、グラフ表示方法、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、関数計算機能を備えた電子計算機において、関数式を入力してグラフの描画を指示すると、入力された関数式に対応するグラフが描画表示されるものが実用化されている。
【0003】
例えば、Y=X という関数式を入力すると、予め設定されたXの座標範囲において、それぞれのX値に対応するY値が算出され、グラフとして描画表示される。
【0004】
このような従来のグラフ表示装置では、入力された関数式(例えば、Y=X +AX+B)において、変数Aを指定し、この変数Aに代入する値を任意の範囲、任意の間隔で変化させた場合のグラフを順次描画表示するようにしたダイナミックグラフと呼ばれるグラフ表示機能を備えたものが考えられている。
【0005】
ダイナミックグラフを利用することで、ある関数式の変数を変化させた場合に、グラフがどのように変化するかを容易に把握することができるので、グラフの変化について学習するのに非常に有効となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のグラフ表示装置におけるダイナミックグラフ機能では、変数を順次変化させた場合のそれぞれの関数式に対応するグラフ全体の変化を容易に理解できるものの、グラフ全体の変化に伴って変化するその他の要素について把握することができる機能を有していなかったために、グラフ全体の変化以外の要素について学習するには適していなかった。グラフ全体の変化に伴って変化するその他の要素としては、例えば、他のグラフとの交点などの幾何学的数値変化や、グラフで表される面積や微分係数等がある。
【0007】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、グラフ全体の変化に伴って変化するその他の要素についても容易に把握することが可能なグラフ表示装置、グラフ表示制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、関数式に含まれている変数の値を変化させて当該関数式に対応するグラフを順次切り替えて表示するグラフ表示装置において、前記順次切り替えて表示されるグラフに従って変化する項目について表示することが設定されると、この設定された項目の数値を、順次切り替えてグラフを表示する際に、順次切り替えられたグラフと共に表示するように制御されるので、関数式中の変数の値の変化に伴ってグラフ全体が変化する様子と同時に、グラフの変化と共に変化する項目の数値についても確認することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わるグラフ表示装置の電子回路の構成を示すブロック図である。本グラフ表示装置は、各種の記録媒体に記録されたグラフ表示制御用プログラムを読み込み、この読み込んだグラフ表示制御用プログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成することができる。
【0012】
図1に示すように、本実施形態におけるグラフ表示装置は、CPU11、キー入力部12、ROM13、RAM14、表示駆動回路15、表示部16、及び記録媒体読取り部20によって構成されている。
【0013】
CPU11は、装置全体の制御を司るもので、キー入力部12からのキー操作信号に応じて、ROM13に予め記憶されているシステムプログラムを起動させ、このシステムプログラムに従ってグラフ表示処理を実行し、各種の動作モードに応じた動作制御を行なうものである。CPU11には、キー入力部12、ROM13の他、RAM14が接続されると共に、表示駆動回路15を介して表示部16が接続され、また記録媒体読取り部20が接続される。
【0014】
なお、CPU11は、ROM13に記憶されたプログラムに限らず、記録媒体読取り部20によって記録媒体21に記録されているプログラムを読み込み、RAM14に記憶させて実行することもできる。
【0015】
キー入力部12は、グラフ表示装置の動作を規定する指示やデータを入力するもので、数値キー、文字キー、記号キー等が含まれるデータ入力キー12a、計算機モードやグラフモード等の動作モードを選択するためのモード選択画面を表示させるためのモードキー12b(「モード」)、各種のデータ選択やデータ入力の実行を指示するための実行キー12c(「実行」)、グラフ用の関数式を入力する関数式入力画面を表示させるための式キー12d、グラフ表示の形態を示す条件の設定を行なう条件設定入力画面を表示させるための設定キー12e(「設定」)、グラフモードにおいて入力された関数及びデータに対応するグラフの描画の開始を指示するためのグラフキー12f(「グラフ」)、グラフ表示する際の座標範囲(レンジ)を入力するレンジ入力画面を表示させるためのレンジキー12h(「レンジ」)、各種選択や指定を行なうための上下左右のそれぞれの方向に対応するカーソルキー12i,12j,12k,12mが設けられている。なお、図示していないが、各種の機能を実行するためのファンクションキーの他、各種のキーが設けられているものとする。
【0016】
ROM13は、グラフ表示装置の全体の制御を司るシステムプログラムの他、各種の動作モードに対応した制御処理プログラム等が予め記憶される。
RAM14は、グラフ表示装置において扱われる各種のデータを記憶するもので、表示レジスタ14a、式レジスタ14b、設定レジスタ14c、データレジスタ14d、グラフ管理レジスタ14e、グラフレジスタ14f、グラフ描画レジスタ14g等が設けられている。
【0017】
表示レジスタ14aには、表示部16に表示すべき表示データがビットマップデータとして展開されて記憶される。
式レジスタ14bには、キー入力部12に対する操作によって入力されたデータに応じて求められた、グラフ表示のための関数式のデータが記憶される。
【0018】
設定レジスタ14cには、グラフ表示の形態を示す条件として設定された内容(設定条件)が記憶される。
データレジスタ14dには、グラフ表示を行なうために入力されたデータが記憶されるもので、例えば式レジスタ14bに記憶された関数式における変数の値を示す数値データが記憶される。データレジスタ14dには、グラフ表示の関数式と共に指定された数値データの他に、この指定された数値データの間を所定数で分割した数値のデータが記憶される。
【0019】
グラフ管理レジスタ14eは、グラフ表示を行なうための各種データが記憶されるもので、例えばグラフ表示に用いられる関数式の変数、式レジスタ14bに記憶された関数式の座標範囲の初期値(始点)及び最終値(終点)、式レジスタ14bに記憶された関数式のグラフを表示する際の座標の変化間隔(ピッチ)を含んでいる。
【0020】
グラフレジスタ14fは、式レジスタ14bに記憶された関数式の変数の値を変化させることによって作成されるグラフが、各変数値に対応してそれぞれ記憶される。
【0021】
グラフ描画レジスタ14gは、式レジスタ14bに記憶された関数式データに応じて、グラフを描画(展開)するために利用されるワークエリアである。
表示駆動回路15は、CPU11の制御のもとでRAM14に記憶された各種データに基づいて、表示部16におけるグラフや関数式等の表示を駆動制御する。
【0022】
表示部16は、例えばカラー表示が可能な液晶ディスプレイで構成され、表示駆動回路15の制御のもとで各種表示を行なう。
記録媒体読取り部20は、記録媒体21に対してプログラムやデータの書き込み/読出しを行なう。記録媒体21としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどの各種のものが利用できる。
【0023】
次に、前述した構成によるグラフ表示装置の動作について説明する。
図2はグラフ表示装置における全体処理を示すフローチャートである。
グラフ表示装置のシステム電源が投入され、キー入力部12のモードキー12bが操作されると(ステップS1)、CPU11は、計算機モードやグラフモード等の動作モードを選択するためのモード選択画面を表示部16において表示させる(ステップS2)。モード選択画面では、例えば実行可能なモードの一覧が表示されており、任意に選択することができる。
【0024】
モード選択画面が表示された状態において、カーソルキー12i,12j,12k,12mが選択的に操作され、実行すべき動作モードが指定された状態で実行キー12cが操作されると、CPU11は、ROM13に記憶されている選択された動作モードに対応する制御プログラムを起動し、この動作モードに応じた初期画面を表示部16において表示させる(ステップS3,S4,S5,S6,S7)。
【0025】
ここで選択された動作モードがグラフモードであった場合(ステップS8)、CPU11は、グラフモード実行用の制御プログラムを起動して、グラフモードに移行する(ステップS10)。
【0026】
図3乃至図5は、本実施形態におけるグラフ表示装置によるグラフモードの処理を示すフローチャートである。まず、図3に示すグラフモードにおける全体処理を示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0027】
グラフモードにおいてキー入力部12の式キー12dが押下され(ステップA1)、ダイナミックグラフを表示させるための関数式の入力の実行が指示されると、CPU11は、関数式入力用の画面を表示させる(ステップA2)。
【0028】
この関数式入力画面が表示された状態で、データ入力キー12aから関数式を示す文字が入力されると(ステップA7)、CPU11は、入力された文字によって表される式を表示部16に表示させる。任意に関数式が入力され、実行キー12cが押下されると、CPU11は、関数式の入力が完了したものと判別し、入力された関数式の式データを式レジスタ14bにおいて記憶させると共に、関数式中から、ダイナミックグラフを表示する際の変数を検出して、グラフ管理レジスタ14eに記憶させる(ステップA8)。
【0029】
ここでは、任意の数の関数式を入力することができる。また、関数式に含まれるダイナミックグラフを表示する際の変数に対して、数値データを入力することができる。この変数値に対して数値データが入力された関数式がダイナミックグラフの表示対象となる。CPU11は、数値データが入力された場合、入力された数値データをデータレジスタ14dに記憶させておく。
【0030】
図6(a)には、入力された関数式が表示された状態の一例を示している。図6に示す例では、2つの関数式「Y1=X+2」「Y2=AX 」が入力されている。また、2番目の関数式の変数「A」に対して、数値データ「A=1,2,3」が入力されている。従って、関数式「Y2=AX 」がダイナミックグラフの表示対象となる。
【0031】
一方、グラフモードにおいてキー入力部12の設定キー12eが押下され(ステップA3)、グラフ表示の形態を示す条件の設定を行なう条件設定の実行が指示されると、CPU11は、条件設定入力用の画面を表示させる(ステップA4)。
【0032】
この条件設定入力用の画面には、条件設定用の複数の項目が設けられている。図6(b)(c)には、条件設定入力用画面の一例を示している。図6(b)(c)に示す例では、グラフ表示した際にグラフの交点位置のXY座標値を表示するか否かを設定するための「交点座標表示」、グラフ表示した際にグラフの交点位置を所定のシンボルによって表示するか否かを設定するための「交点プロット表示」、指定した座標値でのグラフの微分係数値を表示するか否かを設定するための「微分係数」、グラフによって特定される範囲(例えば、グラフによって囲まれた領域)における面積を表示するか否かを設定するための「面積表示」が設けられている。
【0033】
この条件設定入力用の画面が表示された状態で、データ入力キー12aから各項目について「ON」または「OFF」を選択するカーソルキー12iによる指示が入力されると(ステップA7)、CPU11は、指示に応じて対象とする項目について「ON」または「OFF」に設定し、実行キー12cによる設定完了の指示に応じて、設定レジスタ14cにおいて設定内容(設定条件)を記憶させる(ステップA8)。また「微分係数」の項目に対しては、微分係数を算出すべき任意のX座標値(図6中では「5」)が指定され、この数値も設定レジスタ14cに記憶させる。
【0034】
また、グラフモードにおいてキー入力部12のレンジキー12hが押下され(ステップA9)、グラフを表示する際の座標範囲(レンジ)の指定入力が指示されると、CPU11は、座標範囲(レンジ)入力用の画面を表示させ、データ入力キー12aからの入力に応じて座標範囲(レンジ)を設定する。すなわち、グラフを表示させる際の、例えばXY座標系でのX座標の最大値と最小値、Y座標の最大値と最小値が設定される。CPU11は、実行キー12cの押下によって座標範囲の設定の完了が指示されると、選択された座標範囲をグラフ管理レジスタ14eに記憶させると共に、指定された座標範囲をもとに座標の変化間隔(ピッチ)を算出してグラフ管理レジスタ14eに記憶させる。
【0035】
また、グラフモードにおいてキー入力部12のグラフキー12fが押下され(ステップA5)、関数式のグラフ表示の実行が指示されると、CPU11は、グラフ描画処理を実行する。
【0036】
以下、グラフ描画処理について、図4及び図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、グラフ描画処理の実行が指示されると、CPU11は、RAM14の式レジスタ14bを参照して、グラフ表示のために先に入力されている関数式を検出する(ステップB1)。
【0037】
CPU11は、式レジスタ14bに記憶された関数式について、ダイナミックグラフを表示すべき関数式があるか、すなわち関数式中の変数について数値データが入力されている関数式があるかを判別する。
【0038】
ここで、ダイナミックグラフが無い場合、CPU11は、式レジスタ14bに記憶されている関数式に基づいて、グラフ管理レジスタ14eに記憶された各データ(座標範囲、ピッチ)に従って、グラフ描画レジスタ14gにおいてグラフを作成し(ステップB13)、表示部16において表示させる(ステップB14)。
【0039】
一方、式レジスタ14bにダイナミックグラフを表示すべき関数式があった場合、まず、CPU11は、ダイナミックグラフの表示対象ではない関数式について、グラフ管理レジスタ14eに記憶された各データに従って、グラフ描画レジスタ14gにおいてグラフを作成し(ステップB3)、表示部16において表示させる(ステップB4)。
【0040】
さらに、CPU11は、ダイナミックグラフの表示対象とする関数式に対して、データレジスタ14dに記憶された変数の初期値を用いた時の関数式に基づいてグラフを作成する(ステップB5)。
【0041】
また、CPU11は、現在の変数Aの数値データにおいて、設定レジスタ14cに記憶されている設定条件に応じて、必要なデータの値を計算して求め、RAM14に記憶する(ステップB6)。すなわち、条件設定入力用の画面において、「ON」が設定された項目に関する値、例えばグラフの交点座標、指定されたX座標値における微分係数、グラフで特定される領域の面積などを算出する。
【0042】
CPU11は、ステップB5において作成したダイナミックグラフを、設定条件に応じて算出した値の表示パターンと共に、グラフレジスタ14fに記憶させる(ステップB7)。
【0043】
CPU11は、データレジスタ14dを参照して、変数に対して入力されている数値データが他にあれば(ステップB9)、前述と同様にして、次の数値データをもとにした関数式のダイナミックグラフを作成して、グラフレジスタ14fに記憶させる(ステップB12,B6,B7)。
【0044】
以下、同様にして、変数に対して入力されている数値データのそれぞれについて、ダイナミックグラフを作成して、グラフレジスタ14fに記憶させておく。
こうして全ての数値データに対応するダイナミックグラフが作成されると(ステップB9)、CPU11は、グラフレジスタ14fに記憶された複数のダイナミックグラフを、キー入力によって表示すべきダイナミックグラフが指定されるまで、一定時間が経過するごとに順番に表示させる(ステップB10,B11)。
【0045】
図7には、ダイナミックグラフの表示の具体例を示している。
図7に示すグラフの表示例は、図6(a)に示すように2つの関数式が入力され、図6(b)に示すような設定条件がされた場合について示している。すなわち、「交点座標表示」「交点プロット表示」「微分係数」について「ON」が設定された場合である。
【0046】
この場合、まず図7(a)に示すように「Y1=X+2」のグラフy1と、変数Aの初期値「1」をもとに作成された「Y2=AX 」のダイナミックグラフy2が表示される。表示されるグラフ中には、2つのグラフの交点位置に交点を示す所定のシンボル「+」が示されると共に、その交点のX座標値(「X=2,X=−1」)が右下部において表示されている。また、X座標値が「5」の位置でのダイナミックグラフy2の微分計数値(「d/dx=10」)が表示されている。
【0047】
このグラフの表示が一定時間経過すると、図7(b)に示すグラフの表示に切換えられる。図7(b)に示すグラフ表示では、変数Aの値「2」をもとに作成されたダイナミックグラフy2が、2つのグラフの交点位置を示すシンボル、交点のX座標値(「X=1.281,X=−0.781」、微分計数値(「d/dx=20」)と共に表示されている。
【0048】
さらに、グラフの表示が一定時間経過すると、図7(c)に示すグラフの表示に切換えられる。図7(c)に示すグラフ表示では、変数Aの値「3」をもとに作成されたダイナミックグラフy2が、2つのグラフの交点位置を示すシンボル、交点のX座標値(「X=1,X=−0.667」、微分計数値(「d/dx=30」)と共に表示されている。
【0049】
ダイナミックグラフy2を表示する関数式「Y2=AX 」の変数Aに対しては、3つの数値データが指定されているので、さらに一定時間が経過した場合には、図7(a)に示す表示に切換えられる。以下、一定時間が経過する毎に、繰り返して変数Aの値を変更して生成されたダイナミックグラフy2の表示に切換えられる。
【0050】
一定時間経過する毎にダイナミックグラフy2が切換え表示されている間に、表示すべきダイナミックグラフy2を指定するキー入力があった場合(ステップB11)、CPU11は、キー入力に応じたダイナミックグラフy2の表示に直ちに切換える。
【0051】
すなわち、上向きのカーソルキー12iが押下された場合、CPU11は、現在表示の前の変数値によるダイナミックグラフy2の表示に切換え、また、下向きのカーソルキー12kが押下された場合、CPU11は、現在表示の次の変数値によるダイナミックグラフy2の表示に切換える(ステップB15,B16)。
【0052】
例えば、図8(a)に示すように、変数Aの値を「3」とする関数式によるダイナミックグラフy2が表示された状態でカーソルキー12kを押下すると、図8(b)に示すように、変数Aの値を「1」とする関数式によるダイナミックグラフy2の表示に切換えられる。この際、設定条件に従う表示も同様にして切換えられる(図8では微分係数の表示を省略している)。
【0053】
さらに、カーソルキー12kを押下すると、図8(c)に示すように、変数Aの値を「2」とする関数式によるダイナミックグラフy2の表示に切換えられる。また、図8(c)に示すグラフが表示された状態で、逆向きのカーソルキー12iを押下すると、図8(d)に示すように、変数Aの値を「1」とする関数式によるダイナミックグラフy2の表示に戻る。
【0054】
このように、カーソルキーによる指示に応じて、所望するダイナミックグラフy2を任意に表示させることができ、その時、ダイナミックグラフy2の切換えに伴って変化する設定条件の内容、例えば交点位置や微分係数も同時に切換えて表示させることができるため、その変化を容易に把握することができる。
【0055】
また、一定時間経過する毎にダイナミックグラフy2が切換え表示されている間に、左右方向のカーソルキー12j,12mが押下された場合、CPU11は、ダイナミックグラフy2の表示対象とする関数式の変数Aについて、予め指定されている数値データよりも小さい数値にしてダイナミックグラフy2を表示させる。
【0056】
例えば、右向きのカーソルキー12jが押下された場合、CPU11は、現在表示中のダイナミックグラフy2の関数式における変数Aの数値と、次に表示されるダイナミックグラフy2の関数式における変数Aの数値との差を所定数で分割し、その分割値(分割値b)をデータレジスタ14dに記憶させる(ステップB18)。
【0057】
そして、CPU11は、現在表示中のダイナミックグラフy2の関数式の変数に、分割値bの値を加算した数値データを用いた時の関数式に基づいてグラフを作成する(ステップB19)。
【0058】
また、CPU11は、現在の変数Aの数値データにおいて、設定レジスタ14cに記憶されている設定条件に応じて、必要なデータの値を計算して求め、RAM14に記憶する(ステップB20)。
【0059】
CPU11は、ステップB19において作成したダイナミックグラフy2を、設定条件に応じて算出した値の表示パターンと共に、グラフレジスタ14fに記憶させると共に、表示部16において表示させる(ステップB21)。
【0060】
一方、左向きのカーソルキー12mが押下された場合には、CPU11は、前述と同様にして分割値bを求め、現在表示中のダイナミックグラフy2の関数式の変数に、分割値bの値を減算した数値データを用いた時の関数式に基づいてグラフを作成すると共に、設定条件に応じて必要なデータの値を計算して求め、ダイナミックグラフy2と共に表示させる。
【0061】
以下、カーソルキー12j,12mが押下される毎に、分割値bを変数Aに対して加算あるいは減算した関数式からダイナミックグラフy2を生成し、その時の設定条件に従って求めた数値と共に表示させる。
【0062】
図6(a)に示すように、変数Aに対して数値データが、A=1,2,3のように指定されている場合、分割の所定数を10とすると、数値データの差分値1を10分割した値0.1を分割値とし、変数Aのの値に加算あるいは減算することによってダイナミックグラフy2を作成する。
【0063】
図9には、右向きカーソルキー12jが押下された場合のダイナミックグラフy2の表示例を示している。図8(d)に示す表示状態において、カーソルキー12jを押下すると、図9(a)に示すように、変数Aの値を1.1にした時の関数式から生成されるダイナミックグラフと、設定条件に応じた内容の表示が行われる(図9では微分係数の表示を省略している)。
【0064】
続いて、カーソルキー12jを押下すると、図9(b)に示すように、変数Aの値を1.2にした時のダイナミックグラフy2が表示され、さらにカーソルキー12jを押下すると、図9(c)に示すように、変数Aの値を1.3にした時のダイナミックグラフy2が表示される。
【0065】
このようにして、ダイナミックグラフ表示のために関数式と共に入力された数値データ以外の数値データをもとにしてダイナミックグラフを表示することができ、そのダイナミックグラフy2の変化に伴って設定条件の内容に応じた表示を行なうことができる。このため、数値データを入力する手間を少なくしても、設定条件の内容の変化を容易に確認することができる。
【0066】
なお、前述した説明では、入力された数値データの差分の値を等分割した値を加減算して新たな数値データを生成し、微小なダイナミックグラフy2の変化を確認できるようにしているが、入力された数値データの差分の値を整数倍して求まる値を加減算して新たな数値データを生成し、ダイナミックグラフy2の変化範囲を広げるようにしても良い。
【0067】
また、図10には、条件設定入力用画面において、図6(c)に示すように、「面積表示」の項目について「ON」が設定されている場合のダイナミックグラフy2の表示例を示している。
【0068】
この場合、CPU11は、一般のグラフ表示のために入力された関数式「Y1=X+2」と、ダイナミックグラフ表示のために入力された関数式「Y2=AX 」との関係より、2つのグラフによって囲まれた領域の面積(図10では塗りつぶした領域)を算出する。
【0069】
図10(a)は、変数Aの初期値「1」をもとに作成されたダイナミックグラフy2が表示された状態を示している。表示されるグラフ中には、設定条件の内容の一つとして、2つのグラフによって囲まれた領域の面積(「S=7.5」)が表示されると共に、面積の算出対象となった領域が塗り潰しなどの形態によって表示されている。
【0070】
図10(a)に示すグラフが表示された状態において、前述したように一定時間が経過した場合、あるいはカーソルキー12kによって表示するグラフの変更が指示された場合には、図10(b)に示すように、変数Aの値「2」をもとに作成されたダイナミックグラフy2が表示され、グラフの変化に伴って変化した面積の表示が変更されている(「S=4.4679835」)。
【0071】
さらに、一定時間が経過した場合、あるいはカーソルキー12kによって表示するグラフの変更が指示された場合には、図10(c)に示すように、変数Aの値「3」をもとに作成されたダイナミックグラフが表示され、グラフの変化に伴って変化した面積の表示が変更されている(「S=3.487654」)。
【0072】
このように、グラフによって特定される領域の面積をダイナミックグラフy2の変化と共に表示させることができるので、グラフ表示装置を学習に利用した場合に非常に有効となる。
【0073】
なお、前述した説明では、2つのグラフによって囲まれた領域の面積を対象としているが、面積の算出対象部分は任意に指定できるものとする(例えば座標軸とグラフによって囲まれる領域など)。また、2つのグラフの関係だけでなく、3つ以上のグラフの関係より決定される領域を対象とすることもできる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係わるグラフ表示装置、グラフ表示制御方法によれば、関数式に含まれている変数の値を変化させて当該関数式に対応するグラフを順次切り替えて表示するグラフ表示装置において、前記順次切り替えて表示されるグラフに従って変化する項目について表示することが設定されると、この設定された項目の数値を、順次切り替えてグラフを表示する際に、順次切り替えられたグラフと共に表示するように制御されるので、関数式中の変数の値の変化に伴ってグラフ全体が変化する様子と同時に、グラフの変化と共に変化する項目の数値についても確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるグラフ表示装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるグラフ表示装置における全体処理を示すフローチャート。
【図3】グラフ表示装置のグラフモードにおける全体処理を示すフローチャート。
【図4】グラフモードのグラフ描画処理について説明するためのフローチャート。
【図5】グラフモードのグラフ描画処理について説明するためのフローチャート。
【図6】ダイナミックグラフ表示のために入力される関数式及び条件設定の一例を示す図。
【図7】ダイナミックグラフの表示の具体例を示す図。
【図8】上下方向のカーソルキーによる入力があった場合のダイナミックグラフの表示の具体例を示す図。
【図9】左右方向のカーソルキーによる入力があった場合のダイナミックグラフの表示の具体例を示す図。
【図10】面積表示を行なった場合のダイナミックグラフの表示の具体例を示す図。
【符号の説明】
11…CPU
12…キー入力部
13…ROM
14…RAM
14b…式レジスタ
14c…設定レジスタ
14d…データレジスタ
14e…グラフ管理レジスタ
14f…グラフレジスタ
15…表示駆動回路
16…表示部
20…記録媒体読取り部
21…記録媒体

Claims (5)

  1. 関数式に含まれている変数の値を変化させて当該関数式に対応するグラフを順次切り替えて表示するグラフ表示装置において、
    前記順次切り替えて表示されるグラフに従って変化する項目について表示するか否かを設定する表示項目設定手段と、
    この表示項目設定手段により設定された項目の数値を、順次切り替えてグラフを表示する際に、順次切り替えられたグラフと共に表示するように制御する設定項目数値順次表示制御手段と、
    を具備したことを特徴とするグラフ表示装置。
  2. 前記関数式に含まれている変数の値をユーザ操作により変化させるために操作される変数値操作手段を有することを特徴とする請求項1記載のグラフ表示装置。
  3. 前記変数値操作手段は、
    ユーザ操作により前記変数の値を変化させて順次切り替える順次切替操作手段と、
    ユーザ操作により前記変数の値よりも細かい変化をさせて順次切り替える微少切替操作手段と、
    を有することを特徴とする請求項2記載のグラフ表示装置。
  4. 前記表示項目設定手段により設定される項目は、幾何学的数値、グラフで表わされる面積及び微分係数の項目を含むことを特徴とする請求項1記載のグラフ表示装置。
  5. 関数式に含まれている変数の値を変化させて当該関数式に対応するグラフを順次切り替えて表示装置に表示させるグラフ表示制御方法において、
    前記順次切り替えて表示されるグラフに従って変化する項目について表示するか否かを設定する表示項目設定ステップと、
    この表示項目設定ステップにより設定された項目の数値を、順次切り替えてグラフを表示する際に、順次切り替えられたグラフと共に表示するように制御する設定項目数値順次表示制御ステップと、
    を具備したことを特徴とするグラフ表示制御方法。
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