JP3617227B2 - 連続式タンデム圧延機における板材の板厚制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数台のミルをタンデムに配列した完全連続式タンデム圧延機を用いた板材の圧延において、溶接点近傍での板厚精度を向上させようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
タンデム圧延機、中でもロール組み替え時以外は圧延機を停止することなく圧延を継続する、いわゆる完全連続式のタンデム圧延機においては、板材の板厚を連続的に変更する必要があるため、先行材と後行材の接続点である溶接点等を判断基準にして、圧延モデルより計算した後行板の圧下位置およびロール速度に制御するという走間板厚変更制御が一般的であった(板圧延の理論と実際,p131 参照)。
【0003】
この走間板厚変更制御では、先行材と後行材との板厚スケジュールが同じ場合、すなわち溶接点が板厚変更点でない場合、圧延モデルによる計算は行っても、その計算結果を出力しないで圧延を継続する。
【0004】
つまり、この方法の場合、ミル入側の板厚には前工程(熱間仕上げ圧延機であれば熱間粗圧延、冷間圧延機であれば熱間仕上げ圧延)での圧延において生じた板厚偏差がそのまま残ることから、この影響を最小にするために、ミル入側に板厚計を設け、その検出値を第1スタンドまでトラッキングして第1スタンドの圧下位置を操作する、いわゆる圧下FF−AGC(板圧延の理論と実際,p301 参照)が適用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この制御と圧下FF−AGCの組合せによる方法が抱えている問題点として、板厚変更点でない溶接点が第1スタンドを通過する場合には、溶接点の前後は前工程でも非定常圧延部であることから板厚偏差が非常に大きく、板厚精度を従来の圧下FF−AGCによって十分に確保することは困難な状況にあることがあげられる。
【0006】
そこで本発明の目的は、上述したような従来の問題を解決するため、ミル入側直近の板厚計で入側板厚偏差を検出し、溶接点前後でミル入側板厚変動の影響を受けずに板厚精度を向上させることができる、新規な板厚制御方法を提案するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続式タンデム圧延機を用いて連続的な圧延を行うに当たり、板材の溶接点がタンデム圧延機の入側に配置した板厚計に到達するよりも前に、入側板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を計算して求める一方、板材の溶接点が板厚計を通過してから第1スタンドに到達する前に、板材の溶接点前後における入側板厚偏差を検出して求め、かかる入側板厚偏差と影響係数をもとに荷重の変動量を算出し、その変動量を補償する圧下位置変更量を計算して求め、被圧延材の溶接点が第1スタンドを通過した直後に、第1スタンドの圧下位置を上記圧下位置変更量分だけ変更することを特徴とする連続式タンデム圧延機における板材の板厚制御方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、連続タンデム式圧延機の入側直近に設置した板厚計で板材の入側板厚偏差を検出し、この板厚偏差に基づき、第1スタンドの圧下位置変更量を補正しようとするものであり、発明を実施するに当たっては図1に示したような例えば5スタンドのミルをタンデムに配列した構成になる圧延機 (図中第2、第3スタンドは省略) が適用でき、かかる圧延機を適用して圧延を行う場合の板厚制御の要領を図2に基づいて以下に説明する。
【0009】
図1において、被圧延材(板材)である先行材1a,後行材1bは図中左から右へ向かって移動し溶接点Pにおいて板厚をスケジュールs1からスケジュールs2に変更するものとする。
【0010】
入側板厚計2は第1スタンドの入側直近に設置してあり、溶接点Pが入側板厚計2に到達するよりも前の段階で、プロセスコンピュータ3にて図2の(a1)〜(a3)に従う計算を実施する。
【0011】
まず、先行材1a(添字S1で表す)の第1スタンドの圧延荷重Ps11 を計算する。
【数1】
とし、以降、添字がS1からS2に変わった場合は、後行板1bの当該量を表すこととする。
【0012】
次に、溶接点Pが第1スタンドを通過し、第1スタンドと第2スタンドの間にあるとき(添字Tで表す)の後行材1bの各スタンドの圧延荷重を計算する。
【数2】
【0013】
さらに、第1スタンド( i=1 )について、次に示す圧延荷重を、それぞれ計算する。
【数3】
【0014】
これらより、入側板厚に偏差が存在する場合の第1スタンドの圧延荷重への影響係数を計算する。
【数4】
【0015】
上記算出された影響係数は、圧下位置演算器4に送られ、次いで溶接点Pがミル入側板厚計2の地点を通過し第1スタンドに到達する前に、圧下位置演算器4にて、図2中の(b1)が計算される。
【0016】
すなわち、溶接点Pの前後における板厚の設定入側板厚に対する、先行材1aの偏差dH s11 および後行材1bの板厚偏差dHs21 は、入側板厚計2にて実測され、これらと式(5)(6)で計算した前述の影響係数より荷重変動分を下記の式(7) で計算する。
【0017】
【数5】
【0018】
次に、この荷重変動を補償するため、第1スタンドにおける圧下位置変動量ΔS′T1を下記式(8) にて計算する。
【数6】
【0019】
ここで、溶接点Pは板厚変更点ではないから、溶接点Pが第1スタンド通過直後に、図2の(c1)に示すように、上記圧下位置変動量ΔS ′T1が、圧下位置演算器4から第1スタンドの圧下制御装置5aに出力され、第1スタンドの圧下位置が変更される。
【0020】
【実施例】
図1に示したような構成になる、4段式のミルを配置した5スタンド冷間タンデム圧延を使用 (溶接機の直後に板厚計を設置) して、
材質:先行材,後行材とも低炭素鋼板
板厚スケジュール:先行材,後行材とも 2.3 mm → 0.5 mm
の条件のもとで、本発明に従う板厚制御を行いつつ圧延を実施し、得られた板の出側板厚について調査した。
その結果を、「板圧延の理論と実際」のp301 に開示のFF−AGC方式で板厚制御を行った場合の結果とともに、図3に示す。
【0021】
図3に示すように、入側板厚偏差が溶接点前後で存在した場合、本発明によれば板厚精度が従来方式に比較して格段に向上することが確認できた。
【0022】
また、上記の実施例と同様の圧延機を用いて、母板板厚を4.0 〜2.0 mm、ミル出側板厚を2.0 〜0.5 mm、ミル出側板幅700 〜1800mmとするスケジュールの圧延を実施 (圧延荷重式はHillの式使用) し、板厚が所定の範囲に収まる長さによる製品歩留り状況について調査した。
その結果、本発明に従う板厚制御を適用したものでは、品質を確保できたのが96%であったのに対して従来法では92%であり、製品歩留りが著しく改善されることも明らかとなった。
【0023】
なお、この実施例では4段式のミルを配置した5スタンドの圧延機を用いたが本発明はかかる圧延機に限るものではなく、また、板厚スケジュールや板幅、材質等の各事項についてもそれにのみ限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】
本発明においては、溶接点が圧延機の直近に設けた板厚計よりも前に存在するときに求めた影響係数と、溶接点が板厚計を通過したときに検出した入側板厚偏差とに基づいて第1スタンドの圧延位置を補正するようにしたので、板厚精度が改善され歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに好適な設備の構成を示した図である。
【図2】本発明に従う制御要領の説明図である。
【図3】実施例における先行材、後行材の板厚の変動状況を示した図である。
【符号の説明】
1a 先行材
1b 後行材
2 板厚計
3 プロセスコンピュータ
4 圧下位置演算器
5a 圧下制御装置
5d 圧下制御装置
5e 圧下制御装置
Claims (1)
- 連続式タンデム圧延機を用いて連続的な圧延を行うに当たり、
板材の溶接点がタンデム圧延機の入側に配置した板厚計に到達するよりも前に、入側板厚偏差に対する第1スタンドの圧延荷重の影響係数を計算して求める一方、板材の溶接点が板厚計を通過してから第1スタンドに到達する前に、板材の溶接点前後における入側板厚偏差を検出して求め、かかる入側板厚偏差と影響係数をもとに第1スタンドの荷重の変動量を算出し、その変動量を補償する第1スタンドの圧下位置変更量を計算して求め、被圧延材の溶接点が第1スタンドを通過した直後に、第1スタンドの圧下位置を上記圧下位置変更量分だけ変更することを特徴とする連続式タンデム圧延機における板材の板厚制御方法。
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JP00259797A JP3617227B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 連続式タンデム圧延機における板材の板厚制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10192934A JPH10192934A (ja) | 1998-07-28 |
JP3617227B2 true JP3617227B2 (ja) | 2005-02-02 |
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JP00259797A Expired - Fee Related JP3617227B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 連続式タンデム圧延機における板材の板厚制御方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3617227B2 (ja) |
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1997
- 1997-01-10 JP JP00259797A patent/JP3617227B2/ja not_active Expired - Fee Related
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