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JP3687938B2 - 噴射用組成物及びそれを含有する皮膚外用組成物 - Google Patents

噴射用組成物及びそれを含有する皮膚外用組成物 Download PDF

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JP3687938B2
JP3687938B2 JP33278896A JP33278896A JP3687938B2 JP 3687938 B2 JP3687938 B2 JP 3687938B2 JP 33278896 A JP33278896 A JP 33278896A JP 33278896 A JP33278896 A JP 33278896A JP 3687938 B2 JP3687938 B2 JP 3687938B2
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JP
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composition
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skin
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isobutane
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和子 神保
顕吉 松原
忠興 川島
尚子 谷
匡人 瀬戸
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Pola Orbis Holdings Inc
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Pola Chemical Industries Inc
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Publication date
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧料や皮膚外用医薬品に好適な、噴射用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
噴射剤形の皮膚外用剤、いわゆるエアゾール製剤は、広範囲の皮膚表面に手軽に一様に塗布できるというメリットがあるため、化粧料や医薬品で広く用いられてきた。この様な噴射剤形の皮膚外用剤の噴射剤としては、従来フロンガスが用いられていたが、オゾンホールの問題から、ノルマルブタン、イソブタン、プロパンの混合物である、LPGに置換されつつある。しかしながら、フロンガスをLPGに置き換えた場合、最も問題となることは、皮膚外用剤の皮膚刺激性が強くなることで、この為、剤形変更などを余儀なくされることが少なくなかった。しかしながら、この原因については何も解明されていなかった。即ち、皮膚外用剤の刺激を発現させにくい噴射剤が求められているにもかかわらず、未だ得られていなかった。
【0003】
一方、噴射剤として1気圧に於ける沸点が−5℃未満である炭化水素から選ばれる1種乃至は2種以上から構成される噴射用組成物を用いることは為されていなかったし、1気圧に於ける沸点が−5℃未満である炭化水素から選ばれる1種乃至は2種以上から構成される噴射用組成物を用いることにより、皮膚外用剤の皮膚刺激発現が抑制されることは全く知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な状況下為されたものであり、皮膚外用剤の刺激を発現させにくい噴射剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者等は皮膚外用剤の刺激を発現させにくい噴射剤を求めて、鋭意研究を重ねた結果、噴射剤形の皮膚外用剤の刺激発現に沸点或いは揮発点の高い成分が関与していることを見いだし、この様な現象の原因を見つけるに至った。従って、1気圧に於ける沸点が−5℃未満である炭化水素から選ばれる1種乃至は2種以上から構成される噴射用組成物が皮膚への刺激の発現をしにくい性質を有していることを見いだし、これを含有させることにより皮膚外用剤としての刺激が発現されにくいことを見いだし発明を完成させるに至った。以下、本発明について発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の噴射組成物
本発明の噴射用組成物は1気圧に於ける沸点が−5℃未満である炭化水素から選ばれる1種乃至は2種以上から構成されることを特徴とする。この様な炭化水素としては、例えば、イソブタン、プロパン、ターシャリーブタン、シクロブタン、シクロプロパン等が例示でき、中でも、イソブタンとプロパンが入手や経済性の面で好ましい。これらの炭化水素は唯一種でも用いることが出来るし、二種以上を組み合わせて用いることも可能である。本発明では二種以上を組み合わせることが好ましく、この組み合わせとしては、イソブタンとプロパンとを20:80〜80:20の比で用いるのが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30の比で用いることであり、更に好ましくは40:60〜70:30の比で用いることである。
【0007】
(2)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は上記噴射用組成物を含有することを特徴とする。皮膚外用剤としては、例えば、洗顔フォーム、フォーム状パック、頭髪用スプレー、頭髪用ムース、髭剃り用フォーム、リフレッシュスプレー等の化粧料、消毒フォーム、消毒スプレー、抗真菌スプレー、抗炎症スプレー、鎮痛スプレー等の医薬品が好ましく例示できる。これらの内最も好ましいものは、噴射剤による皮膚刺激の変化が大きいフォーム状パックである。本発明の皮膚外用剤に於ける噴射用組成物の好ましい含有量は0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜4重量%であり、更に好ましくは1〜3重量%である。この様な噴射用組成物とその他の成分はエアゾール缶等の耐圧容器に密閉し、圧力が20℃で2.0〜4.7気圧になるように調整するのが好ましい。
【0008】
本発明の皮膚外用剤には、上記噴射剤用組成物以外に通常皮膚外用剤で用いられる任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が例示できる。勿論、皮膚外用医薬組成物においては、抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、鎮痛薬等の薬効成分を含有することも可能である。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明は勿論これらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0010】
実施例1〜5
下記に示す処方に従って皮膚外用組成物(フォーム状パック)基剤を作成し、エアゾール缶に充填し、3重量部の表1に示す組成の本発明の噴射用組成物を充填し密閉し皮膚外用剤組成物である、フォーム状パックを得た。圧力を測定したところ4.5気圧であった。又、これらのパックについて、ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46の従来の噴射用組成物(比較例)を3重量部用いた場合と刺激の感じ方がどちらの方がより感じるかを専門パネラー5名で比較した。比較例より刺激を感じると答えた人の数を例数として表1に示す。これより、本発明の噴射用組成物を用いた、本発明の皮膚外用剤は刺激の発現が抑制されていることが判る。又、イソブタンとプロパンとを組み合わせて用いる場合には、20:80〜80:20の比で用いるのが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30の比で用いることであり、更に好ましくは40:60〜70:30の比で用いることであるが判る。
(皮膚外用組成物基剤)
セタノール 5 重量部
プロピレングリコール 15 重量部
POE(20)セチルエーテル 5 重量部
メチルパラベン 0.3重量部
水 76.7重量部
【0011】
【表1】
Figure 0003687938
【0012】
実施例6
上記実施例4のフォーム状パックと比較例のフォーム状パックについて、任意に選出した9名の女性パネラーを用いてどちらの方が刺激が強く感じるかを、両サンプルを半顔ずつに塗布して比較してた。結果を表2に示す。このテストにおいても本発明の噴射用組成物は刺激の発現が従来の噴射用組成物に比して少ないことが判る。又、この結果は実施例1〜5の結果と良く一致している。
【0013】
【表2】
Figure 0003687938
【0014】
実施例7
下記に示す処方に従って皮膚外用組成物(フォーム状パック)基剤を作成し、エアゾール缶に充填し、3重量部の表3に示す組成の本発明の噴射用組成物を充填し密閉し皮膚外用剤組成物である、フォーム状パックを得た。圧力を測定したところ4.5気圧であった。又、これらのパックについて、ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46の従来の噴射用組成物(比較例2)を3重量部用いた場合と刺激の感じ方がどちらの方がより感じるかを専門パネラー5名で比較した。比較例より刺激を感じると答えた人の数を例数として表3に示す。これより、本発明の噴射用組成物を用いた、本発明の皮膚外用剤は刺激の発現が抑制されていることが判る。又、イソブタンとプロパンとを組み合わせて用いる場合には、20:80〜80:20の比で用いるのが好ましく、より好ましくは30:70〜70:30の比で用いることであり、更に好ましくは40:60〜70:30の比で用いることであるが判る。
(皮膚外用組成物基剤)
セタノール 5 重量部
プロピレングリコール 15 重量部
ステアリン酸ナトウム 2 重量部
メチルパラベン 0.3重量部
水 79.7重量部
【0015】
【表3】
Figure 0003687938
【0016】
実施例12
下記に示す処方に従って基剤を作成し、これをエアゾール缶に充填し、3重量部のイソブタン:プロパン=60:40の本発明の噴射用組成物を充填して密閉して、洗浄剤を得た。このものは、従来の噴射用組成物(ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46)を用いた場合に比して、刺激を余り感じなかった。
(皮膚外用組成物基剤)
ラウリル硫酸ナトリウム 5 重量部
POE(20)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 5 重量部
グリセリン 5 重量部
プロピレングリコール 5 重量部
メチルパラベン 0.3重量部
水 76.7重量部
【0017】
実施例13
下記に示す処方に従って基剤を作成し、これをエアゾール缶に充填し、3重量部のイソブタン:プロパン=60:40の本発明の噴射用組成物を充填して密閉して、ヘアトニックを得た。このものは、従来の噴射用組成物(ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46)を用いた場合に比して、刺激を余り感じなかった。
(皮膚外用組成物基剤)
ビタミンEニコチネート 0.1重量部
トウガラシチンキ 0.1重量部
メントール 0.1重量部
エチニルエストラジオール 0.1重量部
エタノール 50 重量部
水 46.6重量部
【0018】
実施例14
下記に示す処方に従って基剤を作成し、これをエアゾール缶に充填し、3重量部のイソブタン:プロパン=60:40の本発明の噴射用組成物を充填して密閉して、整髪料を得た。このものは、従来の噴射用組成物(ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46)を用いた場合に比して、刺激を余り感じなかった。
(皮膚外用組成物基剤)
ビタミンEニコチネート 0.1重量部
タンパク質分解物 10 重量部
エタノール 50 重量部
水 36.9重量部
【0019】
実施例15
下記に示す処方に従って基剤を作成し、これをエアゾール缶に充填し、3重量部のイソブタン:プロパン=60:40の本発明の噴射用組成物を充填して密閉して、抗炎症剤を得た。このものは、従来の噴射用組成物(ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46)を用いた場合に比して、刺激を余り感じなかった。
(皮膚外用組成物基剤)
インドメタシン 1 重量部
メントール 0.1重量部
チモール 0.1重量部
エタノール 68.8重量部
イソプロパノール 27 重量部
【0020】
実施例16
下記に示す処方に従って基剤を作成し、これをエアゾール缶に充填し、3重量部のイソブタン:プロパン=60:40の本発明の噴射用組成物を充填して密閉して、抗真菌剤を得た。このものは、従来の噴射用組成物(ノルマルブタン:イソブタン:プロパン=36:18:46)を用いた場合に比して、刺激を余り感じなかった。
(皮膚外用組成物基剤)
ブテナフィン 1 重量部
メントール 0.1重量部
チモール 0.1重量部
エタノール 68.8重量部
イソプロパノール 27 重量部
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、皮膚外用剤の刺激を発現させにくい噴射剤を提供することができる。

Claims (2)

  1. イソブタン:プロパン=30:70〜70:30の混合物のみから構成される噴射用組成物を含有する皮膚外用組成物
  2. 皮膚外用組成物が化粧料又は医薬品である、請求項に記載の皮膚外用組成物
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