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JP3672766B2 - 情報記録媒体の原盤、該原盤製造方法、および該原盤作製用の露光装置 - Google Patents

情報記録媒体の原盤、該原盤製造方法、および該原盤作製用の露光装置 Download PDF

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JP3672766B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
CD−R(Compact Disk Recordable)等の情報記録媒体(光ディスク)、その型であるスタンパ、原盤、及びその製造方法と製造装置である露光装置に係わる。特に、深さの異なるピットとグルーブを同一面上に持つ情報記録媒体とその型であるスタンパ、原盤及びその製造方法と製造装置である露光装置に係わる。
【0002】
【従来技術】
従来、CD−R(Compact Disk Recordable)等の光ディスクは、円盤状のガラス板にフォトレジスト膜を形成し、これを露光装置で回転させながらレーザー光を照射してフォトレジスト膜にらせん状の潜像を形成し、これを現像して潜像部分を溶解して、ピット、グルーブを形成し、これに導電膜をつけ電鋳してスタンパを作る。スタンパを型として成形板を多量に複製する。これに色素等の記録剤を塗布し、反射層、保護層を形成して光ディスクは作成される。
【0003】
一般のCD−Rの場合、情報領域にグルーブのみが形成され、ここにCDライターで情報が後で記録されるが、ハイブリッドCD−Rは、一部に露光装置で情報が予め記録される。このハイブリッドCD−Rの作成法を図1に説明する。
中間層を問に挟んでガラス枚1上に2層のフォトレジスト2,12を形成し、深いピットと浅いグルーブを露光光量で作り分け、上層フォトレジスト12の上面から下層フォトレジスト2の下面までの探さの深いピットと、上層フォトレジスト12の上面から下層フォトレジスト2の上面までの深さの浅いグルーブを持つスタンパ7を作成する。これを成形して図1と同様に全面に記録剤9を塗布し、反射層10、保護層11を形成して一部に露光装置で情報が予め記録されたハイブリッドCD−Rが作成される(図1参照)。
【0004】
ハイブリッドCD−Rの場合、ピッチ1.6μm、幅約0.3〜0.7μm、フォトレジスト膜と同じ深さの台形状のグルーブが情報領域15に形成され、情報領域15の内側の内周ミラー面16と外側の外周ミラー面は露光されず、グルーブは形成されない。また、ハイブリッドCD−R記録領域10に台形状のグルーブが形成され、ROM13は、予め記録される情報の変調信号が、デジタル変調器20に入力され、ピット13が形成される。
【0005】
露光装置について図3に説明する。レーザー光3をアナログ変調器22で光量制御信号21により光量を調整し、デジタル変調器24でデジタル信号23によりパルス光に変調し(ピットの場合。)、ビームエキスパンダー27で太くしたレーザー光3を対物レンズ20で集光してガラス板1上のフォトレジスト2に照射する。ガラス板1はターンテーブル29で回転しながら一定速度で移動するので、図3のように一定ピッチでらせん状に潜像4が形成される。これを現像すれば、ピット、グルーブが形成する。
【0006】
CD−Rの場合、ピッチ1.6μmで幅約0.3〜0.7μm、フォトレジスト膜厚と同じ探さの台形状のグルーブが情報領域15に形成され、情報領域15の内側の内周ミラー面16と、外側の外周ミラー面17は露光されず、グルーブは形成されない。また、ハイブリッドCD−RCD−Rは、記録領域19に台形状のグルーブ14が形成され、ROM領域18は、予め記録される情報の変調信号が、デジタル変調器24に入力され、ピット13が形成される。
【0007】
次に、他の従来例について説明する。この特許のハイブリッドCD−Rに関する部分は、図1のように原盤のミラー面のレジストを露光と現像で取り除いてしまい、ミラー面の平坦化とスタンパ剥錐後のレジスト除去の簡略化を実現している。中間層6を介して2層レジストを形成した原盤では、ガラス剥離時に図2のようにスタンパの情報領域15との境界のミラー面にレジストが残る。このような場合この残ったレジストをアセトン等の溶剤で除去しようとすると、図2のように境界にレジスト、中間層材料が残ってしまう場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来法では、ミラー面のレジストの除去を露光と現像で実現しているが、実際に露光で完全に除去するためには大きな露光光量が必要でまた、ピッチを小さくしなければならないため、ミラー面全体のレジストを完全に除去する、ためには長大な露光時間が必要であった。
【0009】
すなわち、本発明の目的は下記課題を解決することにある。
1.前記ミラー面のレジストの除去(特にミラー面と情報領域の境界にレジストが残りやすい問題)の問題を解決し、かつ、上記の露光時間の短縮を実現し、さらにはスタンパ剥離時のレジスト除去がしやすく、ミラー面と情報領域の境界の欠陥が少ない情報記録媒体の原盤、および該情報記録媒体の原盤の作成方法を提供すること、および
2.スタンパ剥離時のレジスト除去がしやすく、ミラー面と情報領域の境界の欠陥が少ない情報記録媒体の原盤を作成できる露光装置を提供すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記情報記録媒体の原盤、情報記録媒体の原盤作製用の露光装置、および情報記録媒体の原盤の製造方法を提供することにより、解決することができた。
1.深さの異なるピット及びグルーブが形成された円盤状の基板上に記録層を有する情報記録媒体作製用の原盤であって、内周ミラー面および/または外周ミラー面と情報領域の間にミラー面と情報領域を分離する深い溝が作成されたものであることを特徴とする情報記録媒体の原盤。
.フォトレジスト膜が形成された円盤状のガラス基板を回転させながら集光したレーザー光をらせん状に露光して前記フォトレジスト膜に情報を記録し、かつ内周ミラー面、情報領域、外周ミラー面を、情報領域のピッチの1/2以下のピッチ、情報領域のピッチ、情報領域のピッチの1/2以下とピッチを切り換えて連続的に露光することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報記録媒体の原盤の製造方法。
.前記の「深い溝」とは、ピットと同じ深さが望ましいが、グルーブ深さより深ければ効果がある。フォトレジスト膜が形成された円盤状のガラス基板を回転させながら集光したレーザー光をらせん状に露光して前記フォトレジスト膜に情報を記録し、かつ内周ミラー面、情報領域、外周ミラー面を、情報領域のピッチの1/2以下のピッチ、情報領域のピッチ、情報領域のピッチの1/2以下とピッチを切り換えて連続的に露光する機能を有し、更にピッチとピッチを切り替える際に所定時間円盤状のガラス基板の送りを停止させる手段を有することを特徴とする情報記録媒体の原盤作製用の露光装置。
【0011】
以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明する。
本発明の第1の実施例を図4に示す。露光工程以外の情報記録媒体の作成工程は、従来例(図1参照)と同様である。Niスタンパ7上に下層ポジ型フォトレジスト膜2として、ポジ型フォトレジストを塗布して形成し、中間層としてPVA6を形成し、さらに上層フォトレジスト膜12としてポジ型フォトレジストを塗布する。これを内周からグルーブは低い光量で、ピットは高い光量で露光する。この時、最内周グルーブ露光開始時に3秒間以上横送りを停止させたまま回転させながら露光し、その後グルーブの露光を開始する。また、最外周グルーブ終了後にも、回転させながら3秒間以上横送りを停止させたまま露光する。これにより、光量をそのままでも、同じトラックを繰り返し露光することになるので、ガラス板面まで露光され、ミラー面と、情報領域を分離する深い溝35、36を作成できる。これにより、図4のように、ガラス剥維後のレジスト除去でミラー面と情報領域の境界にレジスト残りが発生することを抑えられる。この方法により作成されたCD−Rハイブリッドディスクを図7に示す。ミラー面と情報領域の境界、特に内側の境界33にレジスト残りが発生すると塗布ムラを発生させる原因になっていたが、これをなくすことができる。
【0012】
本発明の第2の実施例を図5に示す。2層のフォトレジストが形成された原盤を内周ミラー面16の途中から情報記録媒体のピッチの約1/2以下で露光開始する。露光開始位置は、ミラー面と情報領域の境界のレジスト残りをなくすためだけであれば、最内周グルーブより1mm以上内周からスタートすればよいが、記録剤の塗布性をよくするため、記録剤が塗布される半径より内側からスタートする。CD−Rの場合には約20mmから記録材が塗布され、20mmの少し内側から情報領域のピッチの約1/2以下で露光開始し、情報領域でピッチを切り換える。これにより、グルーブと同じ深さのミラー面17を情報領域の開始位置まで作成することができる。
【0013】
情報領域露光終了後、再度ピッチを情報記録媒体のピッチの約1/2以下にしで情報領域の終了位置から1mm以上露光する。これにより、グルーブと同じ探さのミラー面を外周に作成することができる。倍速露光した場合、半径19mmから61mmまで露光すると、ミラー面作成に要する時間は、約9分増加するだけである。図5のように、ガラス剥離後のレジスト除去で境界部33、34中間層が除去されているので、ミラー面と情報領域の境界にレジスト残りが発生することを抑えられる。この方法により作成されたCD−Rハイブリッドディスクは、ミラー面と情報領域の境界、特に内側の境界35にレジスト残りがなく、また、平坦性が良い。
【0014】
本発明の第3の実施例を図6に示す。2層のフォトレジスト2、12が形成された原盤を第2の実施例と同様に内周ミラー面の途中から情報記録媒体のピッチの約1/2以下で露光開始する。情報領域との境界まで露光し、ここでピッチを情報領域のピッチに切り換える前に3秒間以上横送りを停止させたまま回転させながら露光し、その後グルーブの露光を開始する。これにより、情報領域と内周ミラー面の境界にギャップ35を作成でき、さらに、グルーブと同じ深さのミラー面を内周に作成することができる。
【0015】
また、最外周グルーブ終了後にも、回転させながら3秒間以上横送りを停止させたまま露光し、その後ピッチを情報記録媒体のピッチの約1/2以下に切り換えて情報領域の終了位置から1以上露光する。これにより、情報領域と外周ミラー面の境界にギャップ36を作成でき、さらに、グルーブと同じ探さのミラー面を外周に作成することができる。この時の露光機のピッチの制御を図9に示す。この制御方法により、第2の実施例と同様10分以下の露光時間の増加でグルーブ探さのミラー面とギャップを作成でき、レジスト除去時のレジスト残りをなくし、高品質なCD−Rハイブリッドディスクを作成できる。
【0016】
【効果】
請求項1
ミラー面と情報領域の間に深い溝を設けたので、ガラス基板剥離時のレジスト除去工程でスタンパのミラー面の情報領域との境界にレジストが残りにくく、スタンパのレジスト除去後にレジスト等が残ることを防げる。これにより、スタンパ歩留まりの改善と、情報記録媒体の高品質化が計れる。
請求項2
ピットと略同じ探さの溝を設けたので、ガラス基板剥離時のレジスト除去工程で境界部に中間層が残らないので、スタンパのレジスト除去後にレジスト等が残ることを防げ、かつ、ピットと略同じ深さの溝なのでその作成が容易である。
請求項3
情報領域との境界部のミラー面をグルーブと略同じ深さにしたので、ガラス剥離時にスタンパのミラー面の情報領域との境界に中間層が残らないので、スタンパのレジスト除去後にレジスト等が残ることを防げる。かつ、グルーブと略同じ深さのミラー面をレジストが残る可能性のある境界部だけにしたので、短時間で作成できる。
請求項4〜5
グルーブ深さのミラー面と、ピット深さのミラー面と情報領域を分離するギャップを短時間で作製できる。
請求項6
短時間に情報領域の境界部の上層レジストと中間層を現像工程で除去できる原盤を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例のCD−Rの作製工程を説明した図である。
【図2】従来例のCD−Rの作製工程において、レジスト、中間層材料が残存することを説明した図である。
(a)ガラス板剥離時の状態。
(b)レジストの除去途中工程の状態。
(c)情報領域境界にレジスト、中間層材料が残存した状態。
【図3】露光装置を説明した図である。
【図4】第一の実施例を説明した図である。
【図5】第二の実施例を説明した図である。
【図6】第三の実施例を説明した図である。
【図7】請求項3で作製された原盤から作られた情報記録媒体〔ミラー面16の情報領域との境界部にグルーブと同じ深さのミラー面37(通常のミラー面は深さ0)と深い溝35(ピットと同じ深さを有する。)〕。
【図8】分離する溝を有する原盤から作られた情報記録媒体。
【図9】第三の実施例の露光機によるピッチ制御を説明した図である。
【符号の説明】
1 ガラス板
2 下層フォトレジスト膜
3 レーザー光
4 潜像
6 中間層
7 Niスタンパ
8 成形板
9 記録剤
10 反射層
11 保護層
12 上層フォトレジスト層
13 ピット
14 グルーブ
15 情報領域
16 内周ミラー面
17 外周ミラー面
18 ROM領域
19 記録領域
20 レーザー
21 光量制御信号
22 アナログ変調器
23 デジタル信号
24 デジタル変調器
26 ミラー
27 ビームエキスパンダー
28 対物レンズ
29 ターンテーブル
33 情報領域と内周ミラー面の境界
34 情報領域と外周ミラー
35 内周のギャップ
36 外周のギャップ
37 グルーブ深さの内周ミラー
38 グルーブ深さの外周ミラー

Claims (6)

  1. 深さの異なるピット及びグルーブが形成された円盤状の基板上に記録層を有する情報記録媒体作製用の原盤であって、内周ミラー面および/または外周ミラー面と情報領域の間にミラー面と情報領域を分離する深い溝が作成されたものであることを特徴とする情報記録媒体の原盤。
  2. ミラー面と情報領域を分離する深い溝の探さが、ピットと略同じ探さである請求項1記載の情報記録媒体の原盤。
  3. 深さの異なるピット及びグルーブが形成された円盤状の基板上に記録層を有する情報記録媒体の原盤であって、内周ミラー面および/または外周ミラー面の少なくとも一部をグルーブと略同じ探さにする請求項1〜2のいずれかに記載の情報記録媒体の原盤。
  4. フォトレジスト膜が形成された円盤状のガラス基板を回転させながら集光したレーザー光をらせん状に露光して前記フォトレジスト膜に情報を記録し、かつ内周ミラー面、情報領域、外周ミラー面を、情報領域のピッチの1/2以下のピッチ、情報領域のピッチ、情報領域のピッチの1/2以下とピッチを切り換えて連続的に露光することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報記録媒体の原盤の製造方法。
  5. ピッチとピッチを切り換える際に所定時間送りを停止する請求項記載の情報記録媒体の原盤の製造方法。
  6. フォトレジスト膜が形成された円盤状のガラス基板を回転させながら集光したレーザー光をらせん状に露光して前記フォトレジスト膜に情報を記録し、かつ内周ミラー面、情報領域、外周ミラー面を、情報領域のピッチの1/2以下のピッチ、情報領域のピッチ、情報領域のピッチの1/2以下とピッチを切り換えて連続的に露光する機能を有し、更にピッチとピッチを切り替える際に所定時間円盤状のガラス基板の送りを停止させる手段を有することを特徴とする情報記録媒体の原盤作製用の露光装置。
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