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JP4668666B2 - 光情報記憶媒体用原盤の製造方法、光情報記憶媒体用スタンパの製造方法、スタンパ、光情報記憶媒体用成形基板の製造方法及び光情報記憶媒体用成形基板 - Google Patents

光情報記憶媒体用原盤の製造方法、光情報記憶媒体用スタンパの製造方法、スタンパ、光情報記憶媒体用成形基板の製造方法及び光情報記憶媒体用成形基板 Download PDF

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Description

本発明は、光ディスクなどの製造に用いられる光情報記憶媒体用原盤、特に、1つのディスク内に深さの異なるグルーブとプリピットの両方を合わせ持つ光情報記憶媒体用原盤の製造方法、光情報記憶媒体用スタンパの製造方法、スタンパ、光情報記憶媒体用成形基板の製造方法及び光情報記憶媒体用成形基板に関する。
従来、光ディスク原盤の製作の工程では、まず精密に研磨、洗浄されたガラス基板にフォトレジストを均一になるように塗布する。そして、フォトレジストが塗布されたガラス基板を、所定のフォーマットにしたがって光変調されたレーザ集光ビームで露光し、プリピットや案内溝などの潜像をフォトレジスト上に形成する。この露光された原盤を現像処理、洗浄処理することにより、ガラス基板表面にフォトレジストの凸凹を作る。それを元に、表面に導電性の金属にてスパッタ処理を行い、メッキ作業を行ってスタンパを作製する。これがディスク基板のレプリカ用の型となる。
追記型、書き換え型の光ディスクでは、案内溝上又は案内溝間上にレーザを照射し、データの書き込み、読み取りを行う。ここで、案内溝は、データの書き込み及び読み取りを行う際でのガイドとなる。そのため、案内溝の深さはプッシュプル方式のトラッキングエラー信号が最大となるλ/8n(λ:再生レーザ波長、n:基板の屈折率)付近に設定されることになる。
この追記型、書き換え型の光ディスクにも様々な理由から、記録膜上にマークを形成できるだけでなく、書き換え不可能なプリピットがあらかじめ形成されていることが要求される場合もある。一例としては、ROM(Read Only Memory)データをある領域にあらかじめ持つ追記型や、書き換え型光ディスクなどが挙げられる。また、あらかじめある特定領域に書き換えられない情報をプリピットとして入れておくことにより、そのメディアが元のROMメディアであるか、コピーされたメディアであるかという識別の手段として用いることが可能になる。ここで、このようなプリピットを再生するには、レーザビームを照射した時の反射光量を信号として取り出すことから、ピット深さはλ/4n付近に設定することになる。
したがって、このような再生専用領域と、追記、書き換え可能領域と、の両方を1枚のメディア上で利用可能にするためには、光ディスク原盤作製の工程において異なる深さのパターンを形成する必要が出てくる。しかし現状では、パターンの深さはフォトレジストの膜厚で決定するため、通常、全面に渡って同一深さのパターンが形成されることになる。
1枚のメディアの中で異なる深さを持たせる光ディスク原盤の作製方法としては、従来技術として、特許文献1から4に記載の発明が公知である。特許文献1には、吸収端の異なる2種類のフォトレジストを重ねて、波長の異なる2種類の光の照射により露光して2種類の深さを持たせる方法が開示されている。
また、特許文献2には、下層に高感度層、上層に低感度層、それらの混合を防止する中間層を設け、案内溝形成時には低パワー、プリピット形成時には高パワーで露光することにより2種類の深さを持たせる方法が開示されている。
また、特許文献3には、あらかじめ高さの異なる領域を有するガラス基板を用意し、その上にフォトレジストを表面が平坦になるように塗布し、そのレジスト原盤に露光、現像を行うことによって、1枚の原盤内に深さの異なるパターンを形成可能にする方法が開示されている。
また、特許文献4には、フォトレジストパターンによる形状とエッチングによるパターン形状とを使うことにより、深さの異なるパターンを有する原盤を作成する方法が開示されている。
特開平6−150391号公報 特公平6−038299号公報 特開2002−092978号公報 特開2001−344832号公報
しかし、従来の技術には、以下に述べるような問題があった。
特許文献1の方法の場合、下層レジストの上に上層レジストを形成する際、上層レジストに含まれる溶媒成分が下層レジストをわずかに溶解してしまい、上層レジストと下層レジストとの境界があいまいになってしまう。したがって、ピットやグルーブの底として利用する場合は、粗さや深さにばらつきが発生してしまう、という問題が生じる。
また、特許文献2の方法の場合、照射光が中間層を通過する場合と通過しない場合とにおける照射光の強度によって形成する深さを決定しているため、中間層の条件設定等が厳しく、また、パターンの幅の調節も難しいという問題が生じる。
また、フォトレジスト塗布前に基板上に段差があると、通常表面を平坦に塗布することは難しい。特許文献3、4に開示された方法では、高さの低い部分にあらかじめ充填するようにフォトレジストを塗布した後に、全面にフォトレジストを塗布して平坦性を保つようにしている。このようにフォトレジストの平坦性を得るために工程が一つ増えるのに加え、高さの差をあらかじめ有する原盤用基板を作製するという工程が加わるため、時間のかかる方法になっている。またフォトレジストとエッチングによる溝形状では差が生じ、エッチング工程でフォトレジスト層に欠陥などが生じてしまう。
このような課題に鑑み、本発明は、1枚のディスク上に異なる深さを持つ領域を容易に作製することが可能な光情報記憶媒体用原盤の製造方法、光情報記憶媒体用スタンパの製造方法、スタンパ、光情報記憶媒体用成形基板の製造方法及び光情報記憶媒体用成形基板を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、原盤となる基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、前記フォトレジスト層上にビームを集光して所定のパターンを露光する露光工程と、露光された前記フォトレジスト層に現像する現像工程と、現像された前記フォトレジスト層を洗浄する洗浄工程とを行い、前記所定のパターンを形成するフォトレジスト層パターン形成工程と、前記フォトレジスト層パターン形成工程で露出した部分をエッチングして第1の深さを持つ前記所定のパターンを前記基板に形成した後、該パターンの一部領域について前記フォトレジスト層上にマスクを被覆してエッチングを行い、第1の深さの領域と前記第1の深さより深い第2の深さの領域とを持つ前記所定のパターンを前記基板に形成する基板パターン形成工程と、前記基板に前記所定のパターンを形成した後、前記基板上から前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程と、を有し、前記基板に深さの異なる領域を形成する光情報記憶媒体用原盤の製造方法であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記フォトレジスト層上に設置される前記マスクによりエッチング領域を変更することによって、前記基板に深さの異なる領域を形成することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記基板に深さの異なる前記領域を複数形成する場合には、該複数形成される前記領域に対応する複数の前記マスクを設置することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記マスクは、前記基板に形成する前記領域の数だけ設置されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記マスクは、深さの異なる前記領域を1つ形成する毎に、対応する前記マスクを設置することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記基板に形成する前記領域の深さを2水準化して、該深さの深い前記領域にピット部を形成し、該深さの浅い前記領域にグルーブ部を形成することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記深さの深い領域は、光情報記憶媒体の形態を判別する情報を含む前記領域であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、光情報記憶媒体の形態を判別する前記情報は、プリピット部として露光されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、前記基板パターン形成工程は、前記基板の記録領域外の領域に同心円状の連続グルーブ部を形成する連続グルーブ形成工程をさらに有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法において、マスクは、前記基板に所望の深さを有する前記領域が形成された後にエッチングによって除去されることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法を用いて形成された前記光情報記憶媒体用原盤の表面に導電性皮膜を形成する工程と、前記導電性皮膜を電極として第1の電鋳を行う工程とを有し、前記電鋳を行った前記光情報記憶媒体用原盤を剥離させて凹凸形状を有するスタンパを形成することを特徴とする光情報記憶媒体用スタンパの製造方法であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の光情報記憶媒体用スタンパの製造方法において、前記スタンパの表面に、酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜が形成された前記スタンパに第2の電鋳を行う工程と、前記第2の電鋳を行った前記スタンパから前記酸化膜を剥離する工程とをさらに有し、前記凹凸形状が反転した前記スタンパを形成することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の光情報記憶媒体用スタンパの製造方法において、前記凹凸形状が反転した前記スタンパの裏面を研磨する工程と、前記凹凸形状が反転した前記スタンパの内径及び外径を加工する工程とをさらに有することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項11から13のいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用スタンパの製造方法によって製造されたスタンパであることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、互いに接合可能な一対の金型が接合した際に形成される空間に、請求項14に記載のスタンパを設置する工程と、前記スタンパが設置された前記空間に樹脂を射出する工程と、射出された前記樹脂を冷却する工程とを有し、前記金型から前記樹脂を離反して基板を形成することを特徴とする光情報記憶媒体用成形基板の製造方法であることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の光情報記憶媒体用成形基板の製造方法を用いて製造された光情報記憶媒体用成形基板であることを特徴とする。
このように、本発明の光情報記憶媒体用原盤の製造方法、光情報記憶媒体用スタンパの製造方法、スタンパ、光情報記憶媒体用成形基板の製造方法及び光情報記憶媒体用成形基板によれば、深さを異ならせる領域の作成が、原盤露光機でフォトレジストによるパターンを形成したあとのエッチング工程で行うことができる。したがって、1枚のディスク上に異なる深さを持つ領域を容易に作製することが可能となる。
以下に、本実施形態における光情報記憶媒体用原盤の製造方法を、図面を用いて説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
[実施例1]
本実施例では、深さが2水準(段階)であり、深い領域にピット、浅い領域にグルーブ、を形成した実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は、実施例1におけるのスタンパの製造方法を示すブロック図である。
まず、表面が精密に研磨された原盤用基板11を用意し、表面の洗浄を行う。本実施例では、基板の材料に石英ガラスを用いる。表面が洗浄された原盤用基板11をスピナーにのせ、ポジ型のフォトレジスト層12を原盤用基板11上の基板面内における膜厚が均一になるように、スピンコート法により塗布する(図1−a参照)。本実施例では、フォトレジスト膜厚を200nmとした。その後、クリーンオーブンを用いて100℃でプリベークを行う。
このようにして作製された原盤用基板11を、原盤露光機のターンテーブルに載せ、レーザビーム13を対物レンズ14を通して、フォトレジスト層12上に集光させて原盤露光を行う(図1−b参照)。ここでの露光は、図4に示すように、半径r1まではピットを形成して書き換え不可能なROM情報を入れる領域42とした。一方、半径r1より外側にはグルーブを形成し、通常の記録再生用領域43とした。
露光を終えた原盤は、スピナーにより低速回転で現像、純水リンス(純水によって洗浄)を行い、高速回転させて乾燥させる。ポジ型レジストを使用しているため、露光部分が現像により除去され、レジストパターン15が形成される。このようにして、ピットとグルーブとのパターンが形成されたフォトレジスト原盤が作成される(図1−c参照)。
その後、フォトレジスト原盤の全面に対して、レジストパターンにより石英ガラスが露出した部分のドライエッチングを行う(図1−d参照)。反応ガスはCHF3を使用し、ガス圧5Paとして20nmの深さになるようにリアクティブイオンエッチング16を行った。これにより、原盤用基板11上にレジストパターン15が転写されたピット形状又はグルーブ形状のパターン17が形成される(図1−e参照)。
ここで、深さの浅い領域(第1水準)、つまり、図4における半径r1より外周側に反応性エッチングを遮蔽するための平板マスク18を設置する(図1−f参照)。このエッチング用の平板マスク18には、材質にNi(ニッケル)を使用した。エッチング用の平板マスク18は、深さを浅くする部分に対してプラズマによるエッチングが行われないように、フォトレジスト表面にコンタクトさせる。本実施形態においては、フォトレジスト表面は最終的に除去されるため、コンタクトさせることに特に問題はない。この状態で、深さを、深くする領域(第2水準)の深さ、つまり、ピット部に最適な深さまでエッチングを行う(図1−g参照)。
その後、原盤用基板11表面に残ったフォトレジストを除去するために、ドライエッチングを行う(図1−h参照)。本実施例では、エッチングガスにO2を使用し、ガス圧は10Paとして除去した。
このようにして作製された原盤用基板11を、Niでスパッタして導電性を持たせる。その後、導電性を有する原盤用基板11上にニッケル電鋳を行って、全体の厚さを300μmにする(図1−i参照)。その後、Niを原盤用基板11から剥離し、表面洗浄、裏面研磨を行ってNiスタンパ19を作成する(図1−j参照)。
なお、本実施形態においては、深さが低い領域(第1水準)にはピットが形成され、ディスクの形態を判別する情報を含んでいる。こうすることによって、プリピットを形成する領域にディスクの形態を判別する情報が入るため、ドライブがプリピットの情報を読み込むことにより情報の判別が可能となる。それに加えて、この情報はプリピットで形成されているため、後から書き換えることができず、不正コピーなどを防止に利用することができる。
[実施例2]
次に、実施例2では、深さが3水準の場合を、図面を参照しながら説明する。図2は、実施例2における光情報記憶媒体用原盤の製造方法を示すブロック図である。
まず、実施例2においても、原盤用基板21上にフォトレジスト層22を形成して(図2−a参照)、原盤露光機で露光、現像を行い所定のレジストパターン23を形成する(図2−b参照)。原盤用基板21の材料には石英ガラスを用い、フォトレジスト層22はスピンコート法により塗布されるものとする。また、原盤用基板21への露光方法や、露光後のレジストパターン23の形成方法なども、実施例1と同様に行われるものとする。
次に、原盤用基板21の表面から全面に1回目のリアクティブイオンエッチングを行う。このエッチングによって、全面の原盤用基板21の露出した部分が一番浅いパターン(第1段階の深さ)まで、ピット形状又はグルーブ形状のパターン24が形成される(図2−c参照)。
次に、浅いパターン(第1段階の深さ)の部分に、エッチングを遮蔽するためのNiでできたマスク25Aを設置し、2回目のリアクティブイオンエッチングを行う。このエッチングにより、浅い深さ(第1段階の深さ)の領域以外の部分が、中間の深さ(第2段階の深さ)までエッチングされることになる(図2−d参照)。
さらに続いて、深いパターン(第3段階の深さ)の領域以外の部分に、エッチングを遮蔽するためのマスク25Bを設置し、3回目のリアクティブイオンエッチングを行う。このエッチングにより、深いパターン(第3段階の深さ)の領域のみがエッチングされ、3水準の深さを得ることができる(図2−e参照)。
その後、全面のフォトレジストパターンをO2でドライエッチングして除去し、最終的に3水準の深さを有する原盤用基板21が作製されることになる(図2−f参照)。
ここで、マスク25Aとマスク25Bとの正確な位置合わせを行うため、図5に示すように、原盤露光時に記録領域外半径地70mmの位置に露光を行った。さらにマスク25A,25Bは外径70mmとなるように精密に作製しておき、マスクを設置する時には正確に70mmの露光位置に位置合わせをした。
また、本実施例では、最終的にマスクはエッチングによって除去されるため、マスク25A,25Bはフォトレジスト層22に密着させることができる。
このように、フォトレジストパターンに対して、まず最初に、最も浅くなる領域の深さまで全面をエッチングする。次に、最も浅くする領域にマスクをして、2番目に浅い領域の深さになるまでエッチングを行う。すなわち、浅い深さの部分から、マスクを使いながら順番に、各領域を適切な深さに形成している。これにより、エッチングを複数回行なうことにより、同一面内に複数の深さを有する原盤を作製することができる。
さらに、本実施形態においては、マスクの外径を原盤上に形成された溝にあわせることができる。したがって、位置ずれがなく、容易にマスクを設置することを可能にしている。
また、マスクの設置位置を変更することにより、図3に示すように、深いパターンの領域から形成することも可能である。
この場合も、まず、原盤用基板31上にフォトレジスト層32を形成して(図3−a参照)、原盤露光機で露光、現像を行い所定のレジストパターン33を形成する(図3−b参照)。原盤用基板31の材料には石英ガラスを用い、フォトレジスト層32はスピンコート法により塗布されるものとする。また、原盤用基板31への露光方法や、露光後のレジストパターン33の形成方法なども、実施例1と同様に行われるものとする。
次に、原盤用基板31の表面に、深いパターン(第3段階の深さ)を形成する領域以外の部分に、エッチングを遮蔽するためのマスク35Aを設置し、1回目のリアクティブイオンエッチングを行う。このエッチングによって、原盤用基板31の露出した部分が浅いパターン(第1段階の深さ)まで、ピット形状又はグルーブ形状のパターン34が形成される(図3−c参照)。
次に、浅いパターン(第1段階の深さ)を形成する領域部分にのみマスク35Bを設置し、2回目のリアクティブイオンエッチングを行う。このエッチングによって、深いパターン(第3段階の深さ)を形成する領域が中間の深さまでエッチングされ、中間のパターン(第2段階の深さ)を形成する領域が浅い深さ(第1段階の深さ)までエッチングされる(図3−d参照)。
最後に、この2段階のパターンが形成された原盤用基板31上の全面に、3回目のリアクティブイオンエッチングを行う。これにより、3段階のパターンの領域が形成され、3水準の深さを得ることができる(図3−e参照)。
その後、全面のフォトレジストパターンをO2でドライエッチングして除去し、最終的に3水準の深さを有する原盤用基板31が作製されることになる(図3−f参照)。
このように、初めにエッチングを遮蔽するマスク設置して、深さの深いほうから順番にエッチングを行なうことにより、複数の深さを有する光ディスク用の原盤を作成することもできる。
[実施例3]
本実施例では、図6に示す射出成形装置を用いて光情報記録媒体の成形基板を作製した。
まず、固定金型61と可動金型63との接合部に形成されるキャビティ65内に、光情報記録媒体用スタンパ62を固定する。次に、キャビティ65内に、可動金型63に設けられたノズル64から溶融樹脂を射出充填して、固定金型61と可動金型63との間で圧縮する。その後、固定金型61と可動金型63とを分離して冷却固化後、キャビティ65内の樹脂を取り出す。このようにして、光情報記録媒体用の成形基板が得られる。この成形基板には、スタンパに形成されている複数深さのパターンが形成されていることになる。
このように、本実施例によれば、光情報記録媒体用スタンパ62をキャビティ65内に設置することによって、実施例1、2と同様に複数の深さを有する光ディスク用の原盤を作成することができる。
実施例1におけるスタンパの製造方法を示すブロック図である。 実施例2における光情報記憶媒体用原盤の製造方法を示すブロック図である。 実施例2における光情報記憶媒体用原盤の製造方法を示すブロック図である。 本実施形態における、光情報記憶媒体用原盤と、記録領域、ピット形成領域、使用する平板マスクとを模式的に示す図である。 実施例2における光情報記憶媒体用原盤に設置するマスクA,Bと、マスクA,Bを設置するためのマークとを示す図である。 実施例3に実施例2における光情報記憶媒体用原盤の製造方法の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11,21,31,41,51 原盤用基板
12,22,32 フォトレジスト層
13 レーザビーム
14 対物レンズ
15,23,33 レジストパターン
16 リアクティブイオンエッチング(反応ガス)
17,24,34 パターン
18,25A,25B,35A,35B,45 平板マスク
19,62 Ni(ニッケル)スタンパ
42 ピット形成領域
43 グルーブ形成領域
44 未露光部
52 露光領域
53 位置合わせ用マーク
61 固定金型
63 可動金型
64 ノズル
65 キャビティ

Claims (16)

  1. 原盤となる基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
    前記フォトレジスト層上にビームを集光して所定のパターンを露光する露光工程と、
    露光された前記フォトレジスト層に現像する現像工程と、現像された前記フォトレジスト層を洗浄する洗浄工程とを行い、前記所定のパターンを形成するフォトレジスト層パターン形成工程と、
    前記フォトレジスト層パターン形成工程で露出した部分をエッチングして第1の深さを持つ前記所定のパターンを前記基板に形成した後、該パターンの一部領域について前記フォトレジスト層上にマスクを被覆してエッチングを行い、第1の深さの領域と前記第1の深さより深い第2の深さの領域とを持つ前記所定のパターンを前記基板に形成する基板パターン形成工程と、
    前記基板に前記所定のパターンを形成した後、前記基板上から前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程と、を有し、
    前記基板に深さの異なる領域を形成することを特徴とする光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  2. 前記フォトレジスト層上に設置される前記マスクによりエッチング領域を変更することによって、前記基板に深さの異なる領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  3. 前記基板に深さの異なる前記領域を複数形成する場合には、該複数形成される前記領域に対応する複数の前記マスクを設置することを特徴とする請求項1又は2に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  4. 前記マスクは、前記基板に形成する前記領域の数だけ設置されることを特徴とする請求項3に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  5. 前記マスクは、深さの異なる前記領域を1つ形成する毎に、対応する前記マスクを設置することを特徴とする請求項3に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  6. 前記基板に形成する前記領域の深さを2水準化して、
    該深さの深い前記領域にピット部を形成し、
    該深さの浅い前記領域にグルーブ部を形成することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  7. 前記深さの深い領域は、光情報記憶媒体の形態を判別する情報を含む前記領域であることを特徴とする請求項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  8. 光情報記憶媒体の形態を判別する前記情報は、プリピット部として露光されることを特徴とする請求項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  9. 前記基板パターン形成工程は、
    前記基板の記録領域外の領域に同心円状の連続グルーブ部を形成する連続グルーブ形成工程をさらに有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  10. 前記マスクは、前記基板に所望の深さを有する前記領域が形成された後にエッチングによって除去されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用原盤の製造方法を用いて形成された前記光情報記憶媒体用原盤の表面に導電性皮膜を形成する工程と、
    前記導電性皮膜を電極として第1の電鋳を行う工程とを有し、
    前記電鋳を行った前記光情報記憶媒体用原盤を剥離させて凹凸形状を有するスタンパを形成することを特徴とする光情報記憶媒体用スタンパの製造方法。
  12. 前記スタンパの表面に、酸化膜を形成する工程と、
    前記酸化膜が形成された前記スタンパに第2の電鋳を行う工程と、
    前記第2の電鋳を行った前記スタンパから前記酸化膜を剥離する工程とをさらに有し、
    前記凹凸形状が反転した前記スタンパを形成することを特徴とする請求項11記載の光情報記憶媒体用スタンパの製造方法。
  13. 前記凹凸形状が反転した前記スタンパの裏面を研磨する工程と、前記凹凸形状が反転した前記スタンパの内径及び外径を加工する工程とをさらに有することを特徴とする請求項11又は12に記載の光情報記憶媒体用スタンパの製造方法。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の光情報記憶媒体用スタンパの製造方法によって製造されたスタンパ
  15. 互いに接合可能な一対の金型が接合した際に形成される空間に、請求項16に記載のスタンパを設置する工程と、
    前記スタンパが設置された前記空間に樹脂を射出する工程と、
    射出された前記樹脂を冷却する工程とを有し、
    前記金型から前記樹脂を離反して基板を形成することを特徴とする光情報記憶媒体用成形基板の製造方法。
  16. 請求項15に記載の光情報記憶媒体用成形基板の製造方法を用いて製造された光情報記憶媒体用成形基板
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