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JP3666830B2 - 油圧機械の油圧再生回路 - Google Patents

油圧機械の油圧再生回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の油圧機械に搭載され、アクチュエータからの戻油をアクチュエータに強制的に再供給できる油圧機械の油圧再生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧機械の油圧回路には、自然の力等を利用して油圧馬力を低減させる再生回路を有するものがある。詳しくは次の通り。
【0003】
例えば油圧ショベルは、例えば図2に示すように、下部走行体72に旋回可能に上部旋回体71を搭載すると共に、上部旋回体71にエンジン等の駆動源、運転室73及び作業機を搭載している。作業機は一例として、上部旋回体71に対して起伏自在に装着されたブーム74と、ブーム74の先端に揺動自在に装着されたアーム75と、アーム75の先端に揺動自在に装着されたバケット76とを有する。そしてブーム74、アーム75、バケット76は夫々、ブームシリンダ46、アームシリンダ26、バケットシリンダ77等のアクチュエータによって起伏自在又は揺動自在とされている。
【0004】
かかる油圧機械の油圧再生回路としては例えば図3が知られる。尚、同図は、上記油圧ショベルの全体油圧回路からバケットシリンダ77、旋回用油圧モータ等の油圧回路を省き、説明用として再編成したものである。以下、この油圧再生回路を基本回路と再生回路とに分け説明する。
【0005】
基本回路は、アームシリンダ26とブームシリンダ46との夫々のメータイン側に設けたクローズドセンタ式方向切換弁23、43を有する。さらにこれら方向切換弁23、43の上流側油圧(即ち、油圧ポンプ1の吐出圧PP )と、下流側油圧PLS1 、PLS2 との夫々の差圧ΔPが一定となるように、吐出量を制御された可変容量形の油圧ポンプ1とを有する。さらにアクチュエータ26、46の夫々のメータアウト側27、47に圧力補償弁29、49を有する。これら圧力補償弁29、49は、方向切換弁23、43の同時操作時、例えば当初の油圧PLS1 、PLS2 が「PLS1 <PLS2 」であるとき、直ちに、油圧PLS1 が油圧PLS2 に昇圧するまで、低圧側(油圧PLS1 )のアームシリンダ26のメータアウト側27を絞る機能を有している。
【0006】
ところでアクチュエータへの油量Qは、オペレータの操作によって作動する方向切換弁の開口面積Aと、方向切換弁の前後差圧ΔPの平方根との乗算値に比例する(Q∝A・ΔP1/2 )。
【0007】
即ち、上記基本回路は、上記した通り、差圧ΔPを一定制御されるため、アクチュエータへの油量Qが、アクチュエータの負荷の大小に係わりなく、開口面積Aの変化に比例する(Q∝A)。
【0008】
しかも各方向切換弁23、43は圧力補償弁29、49を有し、各圧力補償弁29、49の機能によって各方向切換弁23、43の下流側油圧PLS1 、PLS2 の内、高い油圧側で同値化(PLS1 =PLS2 となる)される。そこ上、上記の通り、油圧ポンプ1は差圧ΔPが一定となるように吐出量を制御される。このため、各アクチュエータ26、46への流量Q1 、Q2 も、各アクチュエータ26、46の負荷の大小に係わりなく、各方向切換弁23、43の開口面積A1 、A2 の変化に比例する(Q1 ∝A1 、Q2 ∝A2 、Q=(Q1 +Q2 ))。尚、上記符号ΔP、Q1 、Q2 、A1 、A2 は本文説明用であって図示されていない。
【0009】
再生回路は、上記基本回路において、次のように構成される。アームシリンダ26の戻り管路27での方向切換弁23と圧力補償弁29との間の戻り管路27aと、油圧ポンプ1からチェック弁22を介して方向切換弁23に至る管路21における前記チェック弁22の下流側とが管路39で連結されている。そして管路39は、戻り管路27aから管路21に向けて流通するチェック弁38を備えている。詳しくは次の通り。
【0010】
操作レバー31と操作レバー51とを同時操作(複合操作)してアームシリンダ26とブームシリンダ46とを同時作動(複合作動)させると、管路5、6、13をこの順で経た油圧ポンプ1からの吐出油圧PP は、LS減圧弁14によって方向切換弁23の下流側の油圧PLS1 と同じ圧力に変化する(即ち、LS減圧弁14の下流側管路15の油圧が油圧PLS1 となる)。一方、管路5、40、56をこの順で経た吐出油圧PP も、LS減圧弁55によって方向切換弁43の下流側の油圧PLS2 と同じ圧力に変化する(即ち、LS減圧弁55の下流側管路57の油圧も油圧PLS2 となる)。そして管路15、57に設けた流量制御弁7(詳細は後述する)に向けて流通するチェック弁17、59によって、またこれらチェック弁17、59の下流側が互いに管路61で接続されているため、両油圧PLS1 、PLS2 の内、いずれか高い側の油圧が両圧力補償弁29、49の図示左側に作用し、上記の通り、直ちに低圧側が高圧側まで昇圧するまで、低圧側のアクチュエータのメータアウト側を絞る。尚、油圧PLS1 、PLS2 をチェック弁17、59の上流側に直接導く方式では、前記管路13、56及びLS減圧弁14、55は無くても構わない。
【0011】
以下、上記従来の油圧再生回路の理解を早めるため、圧力補償弁29を図示右位置に維持するためのバネ29cの付勢力を省略して説明する。
【0012】
仮に複合操作時での当初油圧PLS1 、PLS2 の大小関係を「PLS1 <PLS2 」とすると、圧力補償弁29は、上記の通り、油圧PLS1 を油圧PLS2 まで昇圧させるが、そのため本例での圧力補償弁29、49は、オリフィス29aを有する図示左位置と、単なるタンクへ30へのドレン通路である図示右位置とを有する。即ち圧力補償弁29の左側には高い側の油圧PLS2 が導かれ、この油圧PLS2 によって圧力補償弁29が左位置となると、アームシリンダ26からの戻油がオリフィス29aで絞られるため、戻り管路27aの戻油の油圧PH ′が昇圧する(尚、上記した通り、油圧PLS1 も油圧PLS2 となるまで昇圧する)。そして油圧PH ′がチェック弁22の下流側の油圧PB ′よりも大きくなったとき(PH ′>PB ′)、アームシリンダ26のヘッド側からの戻油の一部が管路39のチェック弁38を経て管路21に流入し、アームシリンダ26のボトム側に強制的に再供給される。即ち、油圧強制再生回路となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の油圧機械の油圧再生回路には、次のような問題がある。
【0014】
(1)第1に、上記強制再生が生じても、基本回路は、方向切換弁23の前後差圧ΔPが一定となるように制御されているため、強制再生油の分だけ油圧ポンプ1の吐出量が減るだけで、方向切換弁23を経てアームシリンダ26のボトム側に流れ込む量は変化しない。即ち油圧ポンプ1にとって省エネとはなるが、アームシリンダ26に対しては流量増加とはならない。このため肝心の作業速度が向上しない。
【0015】
(2)第2に、複合操作でも「PLS1 >PLS2 」時は、圧力補償弁29は図示右方に移動せず、バネ29cの付勢力によってオリフィスの無い右位置を維持するため、「PH ′>PB ′」とならず、従って強制再生が生じない。
【0016】
(3)第3に、操作レバー31の単独操作では、圧力補償弁29が右方に全く移動せず、バネ29cの付勢力によってオリフィスの無い右位置を維持するだけであるため、上記(2)と同様、圧力補償弁29はオリフィスの無い図示右位置を維持して「PH ′>PB ′」とはならず、従って強制再生が生じない。
【0017】
上記問題点(1)〜(3)を具体的に説明する。例えばアーム75を前方に水平とした姿勢から、アームシリンダ26を伸ばすことによって運転室73側に引戻すと、アームシリンダ26のボトム側はアーム75の自重(即ち、前記「自然の力」)によって負圧となる。このような負圧状態では、上記チェック弁38は単なる真空防止弁であり、上記管路39も単に吸込み管路となる。即ち、強制的に戻油を再生させるものではない。つまり上記従来技術は、前述した通り、複合操作における「PLS2 >PLS1 」の場合にのみ、強制再生の効果が得られる。
【0018】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、総ての場合において強制再生でき、しかも従来技術のように、油圧ポンプの省エネとしてではなく、アクチュエータに対して強制再生でき、これにより作業効率を高めることのできる油圧機械の油圧再生回路を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段および効果】
上記目的を達成するため、本発明に係る油圧機械の油圧再生回路は、例えば図 1を参照して説明すれば、アクチュエータ26、46のメータイン側に設けたクローズドセンタ式方向切換弁23、43と、
前記方向切換弁23、43の上流側油圧と下流側油圧との差圧ΔPが一定となるように、吐出量を制御された可変容量形油圧ポンプ1と、
アクチュエータ26のメータアウト側に設けた圧力補償弁28であり、かつ前記アクチュータ26に対する方向切換弁23の下流側油圧PLS1 と、他のアクチュエータ46に対する方向切換弁43の下流側油圧PLS2 とを受け、前記アクチュータ26に対する方向切換弁23の下流側油圧PLS1 が各下流側油圧PLS1 、PLS2 の内の高い方の油圧となるように、前記アクチュエータ26のメータアウト側の油圧を高める圧力補償弁28とを有する油圧機械の油圧回路において、
圧力補償弁28の上流側の分岐点から分岐して方向切換弁23の下流側に接続された管路37であり、かつ内部に方向切換弁23の下流側に向けて流通するチェック弁38を有する管路37と、
前記分岐点から圧力補償弁28までの間と、圧力補償弁28の下流側と、圧力補償弁28の内部との少なくとも一箇所に設けたオリフィス28bとを有することを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、単独操作及び複合操作に係わらず、オリフィス28bでアクチュエータ26のメータアウト側を常時絞っている。このためメータアウト側を昇圧できる。そしてメータアウト側の油圧が方向切換弁23の下流側よりも高い場合、メータアウト側の圧油は方向切換弁23の下流側に流れ込んでアクチュエータ26に流入する(即ち、強制再生が生ずる)。しかもこの強制再生に基づく流量は、基本回路における方向切換弁23の前後差圧ΔPが一定となる制御に基づく油圧ポンプ1からの流量とは全く無関係であるから、方向切換弁23本来の流量と合流し、アクチュエータ26に最適流量の圧油を供給する。つまり作業速度を向上させることができる。またオリフィス28bは、単独操作及び複合操作に無関係で存在するため、従来技術のように、適用条件がなく、総ての場合に適用できる。尚、チェック弁38が真空防止作用を有することは勿論である。
【0021】
【発明の実施の形態および実施例】
次に、事例を図1を参照し説明する。図1は、本事例を備えた油圧ショベルの油圧再生回路の一部である。尚、図1の基本回路は、前記図3の基本回路と同じである。従って同じ要素には同一符号を附し、重複説明を省略する。
【0022】
先ず、前述した基本回路を補足説明しておく。同図において、図示しない駆動源によって駆動される可変容量形の油圧ポンプ1は、サーボシンダ2のピストンロッドに連結され、ピストンに作用する圧油によって斜軸角又は斜板角が変化し、これによって吐出流量を可変とされている。
【0023】
サーボシリンダ2には、油圧ポンプ1の吐出圧PP を受けて油圧ポンプ1の吐出量を増量側に作動させるヘッド側と、制御弁3とオリフィス4とをこの順で経た油圧ポンプ1の吐出圧PP を受けて油圧ポンプ1の吐出量を減少側に作動させるボトム側とを有する。
【0024】
制御弁3は、減圧弁10を経た油圧源9からの油圧と、アンロード弁を兼ねる流量制御弁7からの油圧と、油圧ポンプ1の吐出圧PP とをパイロット圧として受け、これらパイロット圧に応じて油圧ポンプ1からの吐出油をサーボシリンダ2のボトム側に流す機能を有する。尚、減圧弁10は、油圧ポンプ1の油圧馬力を一定化するトルク可変制御装置(TVC)からの信号を受けて油圧ポンプ1の油圧馬力が一定化するように、油圧源9から油圧を調整し、この調整済み油圧をパイロット圧として制御弁3に供給する。
【0025】
流量制御弁7は、図示左側に管路5、6、11及びオリフィス12をこの順で経た油圧ポンプ1の吐出圧PP を受け、一方図示右側に付勢バネ7aを有すると共に方向切換弁23、43の下流側油圧PLS1 、PLS2 のいずれか高い側の油圧PLSを受ける。そして「PP ≧(PLS+バネ力)」であるときは、左位置に切換わって吐出圧PP をパイロット圧として制御弁3に与え、油圧ポンプ1の吐出油量を減らす。一方「PP <(PLS+バネ力)」であるときは、右位置を維持する(従って油圧ポンプ1の吐出油量は増量側となっている)。ここで油圧ポンプ1の吐出圧PP と、油圧PLSとは互いに変量であるためこれらの値を特定できないが、バネ力は定数である。即ち仮に、アクチュエータの負荷PLSが増して「PP <(PLS+バネ力)」となると、流量制御弁7は右位置を維持し、油圧ポンプ1の吐出量を増加させる。すると、この増加に伴って吐出圧PP が高くなり、「PP ≧(PLS+バネ力)」となる。すると、流量制御弁7は直ちに右位置から左位置に切換わって吐出圧PP によって油圧ポンプ1の吐出量を減少させる。そしてこの減少に伴って吐出圧PP が低くなると、再び「PP <(PLS+バネ力)」となり、前記ルーチンを繰り返す。即ち流量制御弁7は、常時「PP =(PLS+バネ力)」となるように、シャトル運動する。ここで「PP =(PLS+バネ力)」は「バネ力=PP −PLS」と変形できることから明らかなように、「バネ力」が前記「ΔP」に相当する。即ち上記の通り、「可変容量形油圧ポンプは、方向切換弁の上流側PP と下流側PLSとの差圧ΔPが一定となるように、吐出量を制御されている」。
【0026】
アームシリンダ26側の方向切換弁23は、操作レバー31の操作量に比例したパイロット油圧を発生するPPC弁32(パイロット・プレッシャー・コントロール弁の英字の頭文字)からのパイロット油圧の大小に応じた開口面積となるように作動する。また方向切換弁23の下流側にはパイロット管路33が接続されている。そしてこのパイロット管路33の他端が圧力補償弁28の右側に接続されている。またパイロット管路33は途中で管路34に分岐し、管路34が減圧値を設定するバネとしてLS減圧弁14を付勢する。
【0027】
一方、ブームシリンダ46側の方向切換弁43も、操作レバー51の操作量に比例したパイロット油圧を発生するPPC弁52からのパイロット油圧の大小に応じた開口面積となるように作動する。また方向切換弁43の下流側にはパイロット管路53が接続され、このパイロット管路53の他端が圧力補償弁49の右側に接続されている。そしてパイロット管路53も途中で管路54に分岐し、管路54が減圧値を設定するバネとしてLS減圧弁55を付勢する。
【0028】
上記基本回路において、本発明に係わる第1事例は、同図に示す構成としてある。即ちアームシリンダ26側の回路において、圧力補償弁28の左位置はオリフィス28aを、一方右位置はオリフィス28bを備え、右側に付勢バネ28cを有している。尚、オリフィス28aは本来の絞り量であり、一方オリフィス28bはオリフィス28aの絞り量よりも弱い絞り量としてある。そして方向切換弁23の下流側の管路24と、戻り管路27(本例では方向切換弁23と、圧力補償弁28とに挟まれた管路27a)とを管路37で接続してある。そしてこの管路37に、戻り管路27から管路24へのみ流通するチェック弁38を備えている。
【0029】
尚、ブームシリンダ46側は、従来技術における基本回路と同じとしてある。また図中の符号25、45はリリーフ弁である。また図中のオリフィス4、8、12、16、58、36、62はいずれも、滑らかな作動を確保するための応答遅延用オリフィスであり、一方、オリフィス63は、制御弁3へのパイロット圧がタンク30内の圧力に落ちないように、所定圧を維持するためのオリフィスである。オリフィス63の絞り加減やその有無は、タンク30の水頭高さや加圧の有無で決定される。
【0030】
以下に、上記油圧再生回路の作用効果を説明する。
(1)1つのアクチュエータのみを単独操作したとき
操作レバー31だけを操作して方向切換弁23だけを、図1のアームシリンダ26側の状態とすると、方向切換弁23の下流側油圧PLS1 が管路33を介して圧力補償弁28の右側に作用する。一方、管路35を介して圧力補償弁28の左側にも同圧が作用する。従って圧力補償弁28は付勢バネ28cによっ右位置となる。ここで仮にこの状態を、例えばアーム75を前方に水平とした姿勢から、アームシリンダ26を伸ばすことによって運転室73側に引戻すとすると、アームシリンダ26のヘッド側にアーム75の自重が加わり、ヘッド側の油圧がボトム側の油圧よりも高くなろうとする。この結果、方向切換弁23からアームシリンダ26のボトム側への流量が不足しようとする。ところが上記事例によれば、圧力補償弁28の右位置にオリフィス28bが有るため、戻り管路27内の油圧PH が昇圧する。そして油圧PH が、油圧PB (=PLS1 )よりも大きくなると(PH >PB )、戻り管路27の戻り油量は管路37と、その内部のチェック弁38とを経て方向切換弁23の下流側の管路24を経てボトム側に流れ込む。このとき、方向切換弁23の前後差圧ΔP(=PP −PLS1 )は何ら変化しないため、操作レバー31の操作量(即ち、方向切換弁23の開口面積)に比例した油圧ポンプ1からの流量も確保される。
【0031】
(2)2つ以上の作業機を同時操作したとき
操作レバー31と操作レバー51とを同時操作して方向切換弁23と方向切換弁43とを、図1の状態とする。この場合は次の2つの場合が考えられる。
【0032】
(21)方向切換弁43の下流側油圧PLS2 が方向切換弁23の下流側油圧PLS1 よりも低い場合は(PLS1 >PLS2 )、方向切換弁23の下流側油圧PLS1 がチェック弁17、59によって圧力補償弁28、49の左側を付勢する。従ってこの場合は、アームシリンダ26側にとっては、前記(1)と同じ状態である。このため、上記(1)と同一の作用効果が得られる。
【0033】
(22)方向切換弁43の下流側の油圧PLS2 が方向切換弁23の下流側の油圧PLS1 よりも高い場合は(PLS1 <PLS2 )、方向切換弁43の下流側油圧PLS2 がチェック弁17、59によって圧力補償弁28、49の図示左側に加わる。そして油圧PLS2 が圧力補償弁28の付勢バネ28cに打勝つ圧力となると、圧力補償弁28は左位置に切換わる。ところがこの左位置にもオリフィス28aが有るため、戻り管路27内の油圧PH が昇圧する。そして油圧PH が、油圧PB よりも大きくなると、戻り管路27の戻り油量は管路37と、その内部のチェック弁38とを経て方向切換弁23の下流側の管路24を経てボトム側に流れ込む。またこの場合でも、方向切換弁23の前後差圧ΔP(=PP −PLS1 、但し、PLS1 =PLS2 )が変化しないため、操作レバー31の操作量(即ち、方向切換弁23の開口面積)に比例した油圧ポンプ1からの流量も確保される。
【0034】
尚、上記第1事例でのオリフィス28bは、圧力補償弁28の内部に設けたが、管路27aや圧力補償弁28の下流側に設けてもよい。勿論、これらの一部に設けてもよく、総てに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1事例の回路図である。
【図2】油圧ショベルの外観図である。
【図3】従来の油圧機械の油圧再生回路例の図である。
【符号の説明】
1 可変容量形油圧ポンプ
23 方向切換弁
26 アームシリンダ
28 圧力補償弁
28b オリフィス
37 管路
38 チェック弁
43 方向切換弁
46 ブームシリンダ
49 圧力補償弁
PP 油圧ポンプ吐出圧
PLS、PLS1 、PLS2 方向切換弁の下流側油圧
ΔP 方向切換弁の前後差圧

Claims (1)

  1. アクチュエータのメータイン側に設けたクローズドセンタ式方向切換弁と、
    前記方向切換弁の上流側油圧と下流側油圧との差圧が一定となるように、吐出量を制御された可変容量形油圧ポンプと、
    アクチュエータのメータアウト側に設けた圧力補償弁であり、かつ前記アクチュータに対する方向切換弁の下流側油圧と、他のアクチュエータに対する方向切換弁の下流側油圧とを受け、前記アクチュータに対する方向切換弁の下流側油圧が各下流側油圧の内の高い方の油圧となるように、前記アクチュエータのメータアウト側の油圧を高める圧力補償弁とを有する油圧機械の油圧回路において、
    圧力補償弁の上流側の分岐点から分岐して方向切換弁の下流側に接続された管路であり、かつ内部に方向切換弁の下流側に向けて流通するチェック弁を有する管路と、
    前記分岐点から圧力補償弁までの間と、圧力補償弁の下流側と、圧力補償弁の内部との少なくとも一箇所に設けたオリフィスとを有することを特徴とする油圧機械の油圧再生回路。
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