JP3666844B2 - 粉末化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塗擦により液化する粉末化粧料に関する。さらに詳しくは、使用時に塗擦すると液化して乳液様の特性が生じる粉末化粧料であって、特に低温保存安定性に優れ、みずみずしい使用性を有するとともに、水の存在下で不安定な成分や、水に溶解した状態で製品の物性に悪影響を及ぼしたりする成分(以下、「水存在下不安定成分」と総称)を配合した場合でも、これら成分を安定に配合し、該成分の機能を十分に発揮し得る粉末化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆるドライウォーターと称される粉末化粧料では、水や、水以外の水性成分を、疎水化処理した粉末等で被覆して粉末化し、使用時に塗擦すると液化するようになされている。これら粉末化粧料として、白粉、美白パウダー等が知られているが、仕上がりが粉っぽく、肌が乾燥しやすい等の問題があった。
【0003】
また、一般に化粧料には、薬剤など種々の有効成分が配合されているが、この薬剤の肌への浸透性促進、保湿性、エモリエント性の付与等を目的として、粉末化粧料を水、油、液状化粧料等と混合して使用する方法も行われているが、使用性などの点で問題があった。さらに、この有効成分が、水の存在下で容易に分解、変質するなど不安定で製品の物性に悪影響を及ぼしたりするような場合、その配合は、化粧料の剤型のみならず、容器形態、保存条件、取り扱い等において種々の制約を受ける。
【0004】
このような問題に対処すべく種々の技術が提案されている。例えば、特開平6−211620号公報には、特定の表面積を有する疎水化無水ケイ酸、フッ素化合物被覆処理化粧料粉体、油性成分、水性成分、および不安定有効成分(水存在下不安定成分)を特定量配合することによって、これら水存在下不安定成分の安定な配合を図った粉末化粧料が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記公報に記載の粉末化粧料においては、0℃若しくはそれ以下の低温で保存した際に水性成分が凍結するため、室温に戻すと融解に伴い離水が生じることから、製品の低温保存安定性の点において問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、粉末形態の化粧料でありながら使用時に塗擦すると液化して化粧水または乳液様の特性が生じる粉末化粧料であって、優れた低温保存安定性を有するとともに、みずみずしい使用性を有し、さらに、水存在下不安定成分を配合した場合でもこれら成分を安定に配合し、それらの機能を十分に発揮し得る塗擦により液化する粉末化粧料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸、(b)微生物系水溶性高分子、セルロース系水溶性高分子、アルギン酸系水溶性高分子の中から選ばれる1種または2種以上、および(c)水を含有し、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩から選択される、分子量が300以上であるパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理した粉体を含む場合、その配合量が1重量%未満である、塗擦により液化する粉末化粧料に関する。
【0008】
また本発明は、上記粉末化粧料にさらに(d)水存在下不安定成分を含有する、塗擦により液化する粉末化粧料に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0010】
本発明に用いられる(a)成分としての疎水化無水ケイ酸は、微粒子無水ケイ酸表面を疎水化処理したものである。
【0011】
疎水化処理の方法としては、無水ケイ酸に撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。
【0012】
例えば疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キシレン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉末表面上で重合させる方法(特公平1−54380号)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)等も用いることができる。
【0013】
疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度〜高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
【0014】
本発明では、例えば微粒子無水ケイ酸の表面をオルガノシラン系化合物、シリコーン化合物等で覆うことにより調製することができる。具体的には、トリメチルシロキシル化無水ケイ酸、ジメチルシロキシル化無水ケイ酸、オクチルシロキシル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸、メチルポリシロキサン処理無水ケイ酸等が例示される。
【0015】
本発明では、疎水化無水ケイ酸は表面積が60m2/g以上であることが必要であり、表面積がこれより小さいと、疎水化無水ケイ酸の粒径が大きくなり、(c)成分である水の表面に多量に配向することができず、水を安定に粉末化することが難しくなる。
【0016】
(a)成分の配合量は、その上限が好ましくは20重量%であり、特には10重量%である。またその下限が好ましくは2重量%であり、特には3重量%である。配合量が少なすぎると、(c)成分である水を十分に粉末化できず、意図する粉末形態を得ることができなくなるおそれがあり、一方、配合量が多すぎると、多量の水を粉末化することができるようにはなるが、使用時塗擦しても液化が困難となり、官能上好ましくない。
【0017】
(b)成分は、微生物系水溶性高分子、セルロース系水溶性高分子、アルギン酸系水溶性高分子の中から選ばれる1種または2種以上であり、これらは本発明粉末化粧料の低温保存安定性の向上のためのものである。
【0023】
(b)成分において、微生物系水溶性高分子としてはキサンタンガム、ヒアルロン酸、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、プルラン等が好ましく用いられる。セルロース系水溶性高分子としてはメチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等が好ましく用いられる。アルギン酸系水溶性高分子としてはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が好ましく用いられる。
【0024】
(b)成分は、後述する(c)成分中に溶解した後、(a)成分と均一混合して用いる。
【0025】
(b)成分の配合量は、その上限が好ましくは10重量%であり、特には5重量%である。またその下限が好ましくは0.001重量%であり、特には0.1重量%である。配合量が少なすぎると、低温安定性が得られ難くなり、一方、配合量が多すぎると、使用時塗擦しても液化が困難となり、官能上好ましくない。
【0026】
(c)成分としては、通常の化粧料に用いられる水であれば特に限定することなく用いることができる。
【0027】
(c)成分の配合量は、本発明化粧料に含まれる他の必須成分、任意添加成分の総配合量の残量分配合することができるが、本発明では、その上限が好ましくは98重量%であり、特には90重量%であり、また、その下限が好ましくは70重量%であり、特には80重量%である。配合量が少なすぎると塗擦した時に液化が困難となり、一方、配合量が多すぎると粉末化が難しくなり、官能上好ましくない。
【0028】
上記(a)〜(c)成分を必須成分として含有する本発明粉末化粧料は、優れた低温保存安定性を有し、また粉末化が良好で、塗擦時に容易に液化し、良好な使用感を与え、みずみずしさに優れる。
【0029】
本発明では、上記(a)〜(c)成分に加えて、さらに(d)成分として水存在下不安定成分を配合してもよい。
【0030】
(d)成分としての水存在下不安定成分は、例えば、化粧料、医薬品等に薬剤等として配合され、その機能を発揮するためには水の介在が不可欠である水溶性の成分であるが、水との接触、光、熱等の影響により分解、失活、結晶析出、変退色、異臭を生じる等、水の存在下で不安定で、そのまま水性ないし乳化型化粧料に配合すると分離、凝集、増粘等を生じさせるものをいう。このような成分としては、例えば、美白剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、酵素などの薬剤が挙げられる。具体的には、アルブチン等のハイドロキノン誘導体、コウジ酸、ビタミンC、L−アスコルビン酸−2−グリコシドやリン酸L−アスコルビルマグネシウム、ビタミンCジパルミテート、ビタミンCステアレート等のビタミンC誘導体、パントテニールエチルエーテル、トラネキサム酸およびその誘導体、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸誘導体、レゾルシン、イオウ、サリチル酸およびその誘導体、エストラジオール、ビタミンB6、ビタミンB6塩酸塩等のビタミンB6誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体、トリプシンやヒアルロニダーゼ等の酵素などが例示される。
【0031】
(d)成分の配合量は、その上限が10重量%が好ましく、より好ましくは7重量%であり、特には5重量%である。またその下限が0.001重量%が好ましく、より好ましくは0.005重量%であり、特には0.01重量%である。配合量が少なすぎると、有効成分たる(d)成分の機能を十分に発揮することが難しく、一方、配合量が必要以上に多すぎても、配合量の増加に見合った効果の増強を見込むことが困難となる。本発明粉末化粧料では、(d)成分を配合した場合でも、これら成分の安定化を図ることができ、それらの機能を十分に発揮し得る。
【0032】
本発明の粉末化粧料には、上記成分以外に、通常の化粧料に用いられる各種の任意成分、例えば、多価アルコール(グリセリンなど)等の保湿剤、香料、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、各種粉末、上記以外の水溶性高分子等を、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
【0033】
本発明化粧料は、粉末の化粧料であるが、塗擦により液化するものであり、みずみずしさを有し、きわめて良好な使用性を示し、かつ優れた低温保存安定性を有するとともに、水存在下不安定成分を安定に保持することができる。
【0034】
本発明の粉末化粧料は、(a)成分により、(b)〜(c)成分、さらには(d)成分を粉末化したものであり、塗擦により力を加えると、この吸着状態が破壊され、粉末化されていた(b)〜(c)、(d)成分がにじみ出て液化するとともに、(b)成分の添加効果である使用感触の向上、および(d)成分の有効性が発揮されるものである。
【0035】
本発明の粉末化粧料は、(a)成分により(b)〜(c)成分、(d)成分を粉末化するものであれば特にその製造方法は限定されるものでない。例えば、(b)成分を(c)成分に溶解したもの、あるいはここにさらに(d)成分を溶解したものに(a)成分を添加、混合する;(c)成分中に(d)成分を溶解したものに(b)成分を溶解させ、ここに(a)成分を添加、混合する、等の製造方法が挙げられるが、これらの例示に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて重量%で示す。
【0037】
実施例に先立ち、本発明で用いた試験法および評価法を説明する。
【0038】
[製品の保存安定性試験]
各実施例品、比較例品を、−10℃、0℃、室温、露光(日光照射)下、40℃で6ヵ月間保存したサンプルについて下記基準により評価した。
(評価)
◎: 化粧料は変化しなかった
○: 容器に粉末または水滴が若干付着した
△: 若干離水を起こした
×: 離水が著しく製剤破壊が起こった
[薬剤(水存在下不安定成分)安定性試験]
【0039】
各実施例品について、40℃で保存(1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月)したときの水存在下不安定成分の残存量を、HPLCにより測定し、これから残存率を調べた。
【0040】
(実施例1、比較例1)
下記表1に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例1、比較例1の保存安定性を評価した。なお、表1中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR−812S」(日本アエロジル社製;表面積220m2/g)を用いた。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
(製法)
(1)〜(7)を混合、溶解し、ここに(8)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0043】
表1の結果より明らかなように、実施例1の粉末化粧料は、比較例1に比べ特に低温での保存安定性に極めて優れた効果を示し、各保存条件下いずれにおいても6ヵ月間経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、経時の製品安定性において問題のないものであった。
【0044】
(実施例2、比較例2)
下記表2に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例2、比較例2の保存安定性を評価した。なお、表2中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(**)は、「アエロジルR−202」(日本アエロジル社製;表面積100m2/g)を用いた。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
(製法)
(1)〜(6)を混合、溶解し、ここに(7)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0047】
表2の結果より明らかなように、実施例1の粉末化粧料は、比較例2に比べ特に低温での保存安定性に極めて優れた効果を示し、各保存条件下いずれにおいても6ヵ月間経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、経時の製品安定性において問題のないものであった。
【0048】
(実施例3、比較例3)
下記表3に示す組成で粉末化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例3、比較例3の保存安定性を評価した。なお、表3中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(*)は、「アエロジルR−812S」(日本アエロジル社製;表面積220m2/g)を用いた。結果を表3に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
(製法)
(1)〜(6)を混合、溶解し、ここに(7)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0051】
表3の結果より明らかなように、実施例3の粉末化粧料は、比較例3に比べ特に低温での保存安定性に極めて優れた効果を示し、各保存条件下いずれにおいても6ヵ月間経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、経時の製品安定性において1問題のないものであった。
【0052】
〈薬剤(水存在下不安定成分)の安定性〉
実施例1〜3で調製した本発明粉末化粧料について、上記した薬剤(水存在下不安定成分)安定性試験方法により、水存在下不安定成分の安定性を評価した。結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
表4から明らかなように、実施例1〜3の粉末化粧料のいずれにおいても、40℃で6ヵ月経過後も不安定有効成分がほとんど残存しており、経時の薬剤安定性において問題のないものであった。
【0055】
(実施例4)
(配 合 成 分) (重量%)
(1)キサンタンガム 0.2
(2)1,3−ブチレングリコール 5.0
(3)クエン酸 0.05
(4)クエン酸ナトリウム 0.05
(5)防腐剤 0.2
(6)水酸化カリウム 0.02
(7)精製水 残 余
(8)L−アスコルビン酸−2−グリコシド 1.0
(9)ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸 5.0
(「アエロジルR-202」、表面積100m2/g)
(製法)
(1)〜(8)を混合、溶解し、ここに(9)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0056】
実施例4の粉末化粧料は、特に低温での保存安定性に極めて優れた効果を示すものであった。
【0057】
(実施例5)
(配 合 成 分) (重量%)
(1)ヒドロキシエチルセルロース 0.2
(2)トレハロース 2.0
(3)クエン酸 0.05
(4)クエン酸ナトリウム 0.05
(5)防腐剤 0.2
(6)水酸化カリウム 0.02
(7)精製水 残 余
(8)L−アスコルビン酸−2−グリコシド 1.0
(9)ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸 5.0
(「アエロジルR-202」、表面積100m2/g)
(製法)
(1)〜(8)を混合、溶解し、ここに(9)を加え、混合、攪拌し、容器に充填した。
【0058】
実施例5の粉末化粧料は、特に低温での長期保存安定性に極めて優れた効果を示すものであった。
【0059】
なお、上記実施例1〜5の粉末化粧料は、いずれも良好な粉末化が得られ、また塗擦時の液化も良好で、みずみずしい使用性を示した。
【0060】
【発明の効果】
本発明の粉末化粧料は、粉末でありながら、使用時塗擦によって液化し、使用中に清涼感、しっとり感を与え、しかも肌への親和性に優れ、エモリエント性、水分等を付与することができるとともに、特に低温での保存安定性に優れ、みずみずしさのある、きわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができる。また、従来化粧品への配合が難しいとされていた水存在下不安定成分を組成中に長期間に亘り安定に保持することができるので、新しいタイプの化粧料として広く利用が可能である。
Claims (10)
- (a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸、(b)微生物系水溶性高分子、セルロース系水溶性高分子、アルギン酸系水溶性高分子の中から選ばれる1種または2種以上、および(c)水を含有し、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩から選択される、分子量が300以上であるパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理した粉体を含む場合、その配合量が1重量%未満である、塗擦により液化する粉末化粧料。
- (b)成分としての微生物系水溶性高分子が、キサンタンガム、ヒアルロン酸、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、プルランの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の粉末化粧料。
- (b)成分としてのセルロース系水溶性高分子が、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の粉末化粧料。
- (b)成分としてのアルギン酸系水溶性高分子が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の粉末化粧料。
- (a)成分を2〜20重量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
- (b)成分を0.001〜10重量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
- さらに(d)水存在下不安定成分を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
- (d)成分が、美白剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、酵素の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項7記載の粉末化粧料。
- (d)成分が、ハイドロキノン誘導体、コウジ酸、ビタミンCおよびその誘導体、パントテニールエチルエーテル、トラネキサム酸およびその誘導体、グリチルリチン酸およびその酸誘導体、レゾルシン、イオウ、サリチル酸およびその誘導体、エストラジオール、ビタミンB6およびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体、トリプシン、ヒアルロニダーゼの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項7または8記載の粉末化粧料。
- (d)成分を0.001〜10重量%含有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の粉末化粧料。
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