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JP3664753B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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JP3664753B2
JP3664753B2 JP17004394A JP17004394A JP3664753B2 JP 3664753 B2 JP3664753 B2 JP 3664753B2 JP 17004394 A JP17004394 A JP 17004394A JP 17004394 A JP17004394 A JP 17004394A JP 3664753 B2 JP3664753 B2 JP 3664753B2
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敦士 池口
康之 小坂
享治 桑田
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Ashimori Industry Co Ltd
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Ashimori Industry Co Ltd
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両衝突時の乗員を保護するエアバッグ装置に係り、特に助手席や後席の乗員を保護するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
助手席用のエアバッグ装置は、助手席に面するインストルメントパネルに設けられた空間部内に嵌入して収納されている。
従来、この種のエアバッグ装置として、実開平2−68250号公報に記載のものが提供されている。このものは、エアバッグ作動用のインフレータとして、ガス発生剤を内蔵すると共に筒状の周壁に多数のガス噴出口を設け、これらガス噴出口より高温ガスを噴出してエアバッグを膨張展開させる、所謂パイロ型のものが使用されていた。そして、ハウジング内に収納されるエアバッグとインフレータとを連通構成したものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例のエアバッグ装置においては、パイロ型のインフレータを使用するものなので、発生ガスが高温となりエアバッグを損傷するおそれがあった。
ところで、近年、エアバッグに影響のない低温ガスを噴出するハイブリッド型のインフレータが用いられるようになってきた。このハイブリッド型インフレータは、アルゴンを主成分とする圧縮ガスを使用したもので、エアバッグの膨張展開に十分なガスを蓄圧する蓄圧容積部が必要なため、円柱状インフレータ本体の長手方向の一端部にしかガス噴出口を設けられない。
このハイブリッド型インフレータを使用すると、ガス噴出口がインフレータ本体の長手方向一端部に正背面の2箇所しかないため、従来のパイロ型インフレータを使用した場合のようにエアバッグを均一に膨張展開できず、乗員を確実に保護することができないという問題点を有していた。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハイブリッド型インフレータを使用して、エアバッグを均一に膨張展開することができ、乗員の保護を確実なものとするエアバッグ装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明におけるエアバッグ装置は、車室側に開いた開口部を有するハウジングと、ハウジング内に収納されるエアバッグ及び一端部にガス噴出口を有するインフレータと、ガス吐出口を有する仕切プレートと、流出口を有しインフレータと仕切プレートとの間に介在させた中間隔壁板とを備え、仕切プレートからインフレータ方向に見て、仕切プレートのガス吐出口と中間隔壁板の流出口の開口位置をずらせてある。
【0006】
【作用】
車両衝突時、インフレータの作動に伴い、ガス噴出口より圧縮ガスが噴出される。
ハイブリッド型インフレータにおいては、ガス噴出口が長手方向一端部に設けられているが、ガス噴出口を仕切プレートの壁面又はハウジング内壁に向けてインフレータを配置してあるので、噴出ガスはハウジングと仕切プレートとにより構成される空間内で拡散されて、仕切プレートのガス吐出口を通過する。
しかも、インフレータのガス噴出口を設けた一端部に対応する仕切プレートの一端部側を長手方向他端部側より開口面積が小さくなるようにガス吐出口を形成してあるので、インフレータのガス噴出口の遠近にかかわらず、エアバッグ内に吐出されるガスが仕切プレートの長手方向に均一化され、エアバッグは均一に膨張展開することとなる。
また、インフレータと仕切プレートとの間に中間隔壁板を介在させると、インフレータから噴出されるガスは、ハウジングと中間隔壁板とで構成される空間内に一旦留められ、インフレータのガス噴出口の遠近にかかわらず、噴出ガスの勢いが安定化して仕切プレートのガス吐出口を経てエアバッグ内に吐出され、エアバッグはより均一に膨張展開することとなる。
【0007】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明する。
本発明に係るエアバッグ装置は、車両衝突時、乗員を保護するためのものであり、図1は助手席用として取り付けた状態の断面図である。
【0008】
11は、円柱形状を呈するインフレータ12及び折り畳まれたエアバッグ13を収納するハウジングである。
ハウジング11は、図1に示すように、インストルメントパネル14の内部に配置され、ブラケット15を介してインストルメントパネル14内に固定されている。
【0009】
ハウジング11は中空箱形状を呈し、その乗員に面する側(車室側)に開いた開口部16を形成してある。この開口部16は、インストルメントパネル14の一部を兼ねる蓋体17により閉鎖されている。
ハウジング11には、例えば、その下面壁18の端縁部等に、開口部16の口端に略平行にビーディングを施して凹窪条19を形成すると、エアバッグ13の膨張展開時に加わるガス圧によるハウジング11の変形を抑えることができ、インストルメントパネル14の損傷を防止することができる。
【0010】
蓋体17の上端部及び下端部には、夫々取付片20,21を突出形成してある。そして、これら取付片20,21は、夫々ハウジング11の上面壁22及び下面壁18に取着されている。
蓋体17の所望部位、図1に示す実施例においては取付片21には、インフレータ12作動時に、蓋体17を破断しやすくしてエアバッグ13が速やかに膨張展開できるように、その肉厚を薄くして溝状の脆弱部23を形成してある。
【0011】
インフレータ12は、アルゴンを主成分とする圧縮ガスを使用したハイブリッド型のものを使用する。
24は、インフレータ12の長手方向の一端部の正背両面に設けた、蓄圧容積部25内で蓄圧された圧縮ガスをハウジング11内に噴出させるための、ガス噴出口である。これら両方のガス噴出口24,24からガスを噴出することによって、インフレータ12の取付部に反力が加わらないようになっている。
【0012】
26は、ハウジング11内のインフレータ12とエアバッグ13との間に介在させて、ハウジング11に取り付けた横長形状の仕切プレートである。
仕切プレート26は、図1に示すように、断面コ字状に形成してもよいし、図2に示すように、その中心部がエアバッグ13側に突出するように曲面を持たせて形成してもよい。仕切プレート26に曲面を持たせると、エアバッグ13上下方向に噴出ガスが仕切プレート26より吐出しやすくなり、エアバッグ13を均一に膨張展開させることができる。
【0013】
仕切プレート26には、インフレータ12から噴出されるガスがエアバッグ13内に吐出されるように、ガス吐出口27を形成してある。
そして、インフレータ12は、ガス噴出口24を直接ガス吐出口27に向けないで、仕切プレート26の壁面又はハウジング11の内壁に向けて配置せしめてある。これは、噴出ガスをエアバッグ13内に均一に吐出させるためである。
尚、ガス噴出口24を上下方向(ハウジング11の上面壁22と下面壁18方向)に向けると、噴出ガスがハウジング11と仕切プレート26の接合部より漏出するおそれがあるので、図1に示すようにガス噴出口24を配置するのが好ましい。
【0014】
また、仕切プレート26に形成したガス吐出口27も、インフレータ12から噴出されるガスがエアバッグ13内に均一に吐出されるように構成してある。
図3に示すガス吐出口は、ガス噴出口24を設けたインフレータ12の一端部に対応する仕切プレート26の一端部に開口面積の小さなガス吐出口28aを、仕切プレート26の長手方向他端部にこれより開口面積の大きいガス吐出口28bを夫々形成して成るものである。
【0015】
ガス吐出口28aとガス吐出口28bとの開口面積比は、1:1.5〜1:3にすれば均一にエアバッグ13を膨張させることができる。
そして、ガス吐出口28aとガス吐出口28bとを含む仕切プレート26の全面積が150〜350平方センチメートルのとき、ガス吐出口28aとガス吐出口28bとの全開口面積を20〜100平方センチメートルとすればよい。
開口面積が20平方センチメートル以下であると、ハウジング11と仕切プレート26とで囲まれた空間の圧力が高くなって、ハウジング11等にかかる負荷が大きくなる。また、エアバッグ13の展開時間が長くなってしまう。更に、開口面積が100平方センチメートルを超えると、仕切プレート26から吐出するガスが不均一になって、エアバッグ13が均一に膨張しない。
【0016】
図4に示すガス吐出口は、仕切プレート26の一端部と長手方向他端部に、複数個の小孔状のガス吐出口29a、ガス吐出口29bを夫々形成して成るものである。そして、ガス噴出口24を設けたインフレータ12の一端部に対応する側に形成したガス吐出口29aの個数を他端部側のガス吐出口29bの個数より少なくして、ガス吐出口29aの全開口面積をガス吐出口29bの全開口面積より小さくしてある。
ガス吐出口29aとガス吐出口29bとの開口面積比や、ガス吐出口29aとガス吐出口29bとの全開口面積については、前記ガス吐出口28aとガス吐出口28bの場合と同様に構成すればよい。
【0017】
図5に示すガス吐出口は、ガス噴出口24を設けたインフレータ12の一端部に対応する仕切プレート26の一端部より長手方向他端部に向けて、漸次開口が大きくなるように、ガス吐出口30を形成して成るものである。
このようにガス吐出口30を形成すると、エアバッグ13上下方向に噴出ガスがガス吐出口30より吐出しやすくなり、エアバッグ13を均一に膨張展開させることができる。
【0018】
図6に示すガス吐出口は、ガス噴出口24を設けたインフレータ12の一端部に対応する仕切プレート26の一端部の上端部と下端部に開口面積の小さいガス吐出口31aを、仕切プレート26の長手方向他端部の上端部と下端部にこれより開口面積の大きいガス吐出口31bを夫々形成して成るものである。
ガス吐出口31aとガス吐出口31bとの開口面積比や、ガス吐出口31aとガス吐出口31bとの全開口面積については、前記ガス吐出口28aとガス吐出口28bの場合と同様に構成すればよい。
【0019】
図7に示すガス吐出口は、ガス噴出口24を設けたインフレータ12の一端部に対応する仕切プレート26の一端部に、中心部より上下両端部が開口の大きい形状で開口面積の小さいガス吐出口32aを、仕切プレート26の長手方向他端部に、中心部より上下両端部が開口の大きい形状でガス吐出口32aより開口面積の大きいガス吐出口32bを夫々形成して成るものである。このような開口形状にすると、仕切プレート26の上下方向に吐出されるガスが増して、エアバッグ13の上下方向の展開を速めることができる。
ガス吐出口32aとガス吐出口32bとの開口面積比や、ガス吐出口32aとガス吐出口32bとの全開口面積については、前記ガス吐出口28aとガス吐出口28bの場合と同様に構成すればよい。
【0020】
また、インフレータ12と仕切プレート26との間に、中間隔壁板34を介在させてもよい。
この中間隔壁板34は、ハウジング11と一体的に形成してもよいし、別体に形成してハウジング11に取り付けてもよい。
また、中間隔壁板34は、図8に示すように、平面状に形成してもよいし、図9に示すように、インフレータ12を囲繞するようにその中心部が仕切プレート26側に突出する曲面状に形成してもよい。このように曲面状に形成することによって、中間隔壁板34の耐圧力を高めることができる。
【0021】
35は、中間隔壁板34に設けた流出口である。
この流出口35は、図10にその一例を示すように、仕切プレート26のガス吐出口33a,33bとずれた位置に形成してある。そして、インフレータ12からの噴出ガスは、ハウジング11と中間隔壁板34とで構成される空間内に一旦留められるので、仕切プレート26に形成するガス吐出口33a,33bは同じ開口面積としてある。
かくして、インフレータ12から噴出されるガスは、インフレータ12の背面側のガス噴出口から噴出されるガスも拡散して、ハウジング11と中間隔壁板34とで構成される空間内に一旦留められ、仕切プレート26のガス吐出口を経てエアバッグ13内に吐出されるので、インフレータ12のガス噴出口24の遠近にかかわらず、エアバッグ13をより均一に膨張展開させることができる。
【0022】
36は、エアバッグ13を仕切プレート26とにより挟持するバッグ固定プレートである。
本装置によると、車両衝突時、インフレータ12の作動に伴い、ガス噴出口24より圧縮ガスが噴出される。この噴出ガスは、仕切プレート26のガス吐出口や中間隔壁板34によりエアバッグ13内への吐出方向や吐出流量が調整され、インフレータ12のガス噴出口24の遠近にかかわらず、エアバッグ13が均一に膨張展開することとなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されており、ガス噴出口を仕切プレートの壁面又はハウジング内壁に向けてインフレータを配置すると共に、インフレータのガス噴出口を設けた一端部に対応する仕切プレートの一端部側を長手方向他端部側より開口面積が小さくなるようにガス吐出口を形成してあるので、ガス噴出口を一端部に設けてあるハイブリッド型インフレータでも、ガス吐出口よりエアバッグ内に吐出されるガスが均一化され、エアバッグが均一に膨張展開し、車両衝突時に乗員を確実に保護することができる。
また、インフレータと仕切プレートとの間に中間隔壁板を介在させることにより、インフレータから噴出されるガスは、ハウジングと中間隔壁板とで構成される空間内に一旦留められるので、ハイブリッド型インフレータでも、噴出ガスの勢いが安定化して仕切プレートのガス吐出口を経てエアバッグ内に吐出され、エアバッグがより均一に膨張展開し、車両衝突時の乗員保護を確実にすることができる。
更に、同一のインフレータであっても、仕切プレートのガス吐出口の開口位置、開口形状、開口面積を所望に応じて定めることにより、エアバッグの展開スピード及び展開形状を容易に設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグ装置の断面図である。
【図2】他の実施例のエアバッグ装置要部の断面図である。
【図3】エアバッグ装置の要部の斜視図である。
【図4】他の実施例のエアバッグ装置要部の斜視図である。
【図5】他の実施例のエアバッグ装置要部の斜視図である。
【図6】他の実施例のエアバッグ装置要部の斜視図である。
【図7】他の実施例のエアバッグ装置要部の斜視図である。
【図8】中間隔壁板を設けたエアバッグ装置要部の断面図である。
【図9】他の実施例の中間隔壁板を設けたエアバッグ装置要部の断面図である。
【図10】中間隔壁板を設けたエアバッグ装置要部の正面図である。
【符号の説明】
11 ハウジング
12 インフレータ
13 エアバッグ
16 開口部
24 ガス噴出口
26 仕切プレート
27,28a,28b,29a,29b,30,31a,31b,32a,32b,33a,33b ガス吐出口
34 中間隔壁板
35 流出口

Claims (1)

  1. 車室側に開いた開口部を有するハウジングと、ハウジング内に収納されるエアバッグ及び一端部にガス噴出口を有するインフレータと、ガス吐出口を有する仕切プレートと、流出口を有しインフレータと仕切プレートとの間に介在させた中間隔壁板とを備え、仕切プレートからインフレータ方向に見て、仕切プレートのガス吐出口と中間隔壁板の流出口の開口位置をずらせたことを特徴とするエアバッグ装置。
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