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JP3657649B2 - 建設機械の冷却装置 - Google Patents

建設機械の冷却装置 Download PDF

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JP3657649B2
JP3657649B2 JP08125095A JP8125095A JP3657649B2 JP 3657649 B2 JP3657649 B2 JP 3657649B2 JP 08125095 A JP08125095 A JP 08125095A JP 8125095 A JP8125095 A JP 8125095A JP 3657649 B2 JP3657649 B2 JP 3657649B2
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  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、油圧ショベルなどの建設機械等に備えられ、冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の建設機械の冷却装置を示す平面図である。この従来技術は油圧ショベルに備えられる冷却装置を示しており、同図4は本体を形成する旋回体を上方から見た図である。
【0003】
この図4に示す油圧ショベルの旋回体には、原動機であるエンジン1と、このエンジン1によって駆動する油圧ポンプ4と、この油圧ポンプ4から吐出される圧油によって駆動するアクチュエータ、例えば図示しないブームを回動させるブームシリンダ24,25と、油圧ポンプ4からブームシリンダ24,25等のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切換弁9と、この方向切換弁9とブームシリンダ24,25とを連絡するシリンダ配管13,14、及び方向切換弁9と図示しない他のアクチュエータを連絡するシリンダ配管15,16と、エンジン1に燃料を供給する燃料タンク10と、油圧ポンプ4に吸い込まれる作動油を蓄える作動油タンク3と、この作動油タンク3と油圧ポンプ4とを接続するサクション配管11、及び油圧ポンプ4と方向切換弁9とを接続するデリベリホース12とを備えている。なお、方向切換弁9と作動油タンク3とを接続する戻り管路には、リリーフバルブ19を設けてある。
【0004】
また、旋回体上の前方位置には、運転室20を備え、後方位置にはカウンタウエイト2を備えている。
【0005】
そして、上述のように構成される油圧ショベルには、以下に示す冷却装置が備えられている。すなわち、エンジン1の前方位置には、エンジン1を冷す冷却水を作製するラジエータ6と、風の流れに対してこのラジエータ6の後方位置に配置され、エンジン1によって駆動し、ラジエータ6を冷却させる風を吸い込む空冷用ファン8と、ラジエータ6の前方位置に配置され、作動油を冷却するオイルクーラ7とが配置されている。上述した方向切換弁9とオイルクーラ7とは、オイルクーラ配管17で接続され、オイルクーラ7と作動油タンク3とはオイルクーラ配管18で接続されている。
【0006】
また、エンジン1、油圧ポンプ4、空冷用ファン8、ラジエータ6、及びオイルクーラ7等が配置される第1の空間部と、方向切換弁9及び作動油タンク3等が配置される第2の空間部とは、仕切板23によって仕切られており、この仕切板23により、これらの第1の空間部、第2の空間部相互間の風の流通が規制されている。
【0007】
また、オイルクーラ7の前方位置には、このオイルクーラ7の両側部に配置した仕切板21,22と、前述した仕切板23等により、空冷用吸気ダクト5が設けられている。
【0008】
このように構成される冷却装置では、エンジン1の駆動に伴って、空冷用ファン8が回転すると、空冷用吸気ダクト5を介して空気が上述した第1の空間部内に吸い込まれ、その風でオイルクーラ7を冷すことにより、オイルクーラ配管17から流入する作動油を冷却してオイルクーラ配管18に流出させ、また、ラジエータ6を冷すことにより図示しない管路を流れるエンジン1の冷却用の水を冷却する。このような冷却に伴って生じた温風は仕切板23で仕切られることにより、前述した第2の空間部への流通が規制され、この第2の空間部内に配置される方向切換弁9及び作動油タンク3等の昇温が防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで昨今、ディーゼルエンジンの排ガス規制が段階的に強化されつつあり、上述した図4に示す構成の冷却装置にあっても、空冷式インタクーラを設けることが必要になってきている。しかしながら、上述した図4に示す冷却装置の配置構成において、単に空冷式インタクーラを追加配置することは、配置スペース上の難しさがあり、また、吸気抵抗の問題があり、実質的に困難である。このことから、空冷式インタクーラを含む冷却装置の望ましい配置構成が要望されている。
【0010】
本発明は、上記した従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、空冷式インタクーラを含めた望ましい配置を実現させることができる建設機械の冷却装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、
本発明の請求項1に係る発明は、運転と、エンジンと、このエンジンによって駆動する油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動するアクチュエータと、上記油圧ポンプから上記アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切換弁と、上記油圧ポンプに吸い込まれる作動油を蓄える作動油タンクとを有する建設機械に備えられ、
上記エンジンを冷す冷却水を作製するラジエータと、上記エンジンによって駆動し、上記ラジエータを冷却させる風を吸い込む空冷用ファンと、上記作動油を冷却するオイルクーラとを含む建設機械の冷却装置において、
上記ラジエータと直列に空冷式インタクーラを配置し、これらのインタクーラ及びラジエータの前方に空冷用吸気ダクトを設け、
上記インタクーラ及びラジエータと、上記運転との間に位置する空間部に上記オイルクーラを配置し、このオイルクーラの前方にオイルクーラ吸気ダクトを設け、上記オイルクーラの後方に、このオイルクーラを冷却させる風を吸い込むオイルクーラ冷却用ファン、及びこのオイルクーラ冷却用ファンを駆動する駆動手段を設けるとともに、
上記空冷用吸気ダクト、上記インタークーラ、上記ラジエータ、上記空冷用ファン、上記エンジン、及び上記油圧ポンプが配置される第1の空間部と、上記オイルクーラ吸気ダクト、上記オイルクーラ、上記オイルクーラ冷却用ファン、及び上記駆動手段が配置される第2の空間部との間の風の流通を規制する仕切板を設け
上記オイルクーラ吸気ダクトを、上記仕切板と、この仕切板に対向し、上記運転室から離隔させて配置した別の仕切板とによって形成した構成してある。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記方向切換弁を、上記オイルクーラ冷却用ファンで吸い込まれる風の流れに対して、上記第2の空間部内の上記オイルクーラの後方位置に配置した構成してある。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記オイルクーラ吸気ダクトを、上記方向切換弁の付近まで延設させた構成してある。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記作動油タンクを、上記オイルクーラ冷却用ファンで吸い込まれる風の流れに対して、上記第2の空間部内の上記オイルクーラの後方位置に配置した構成してある。
【0015】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに係る発明において、上記駆動手段が、電動モータ及び油圧モータのうちの一方から成る構成してある。
【0016】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、上記作動油の油温を検出する油温センサを設け、この油温センサによって所定油温以上の油温が検出されたとき、この油温センサから出力される信号に応じて上記駆動手段を作動させる構成してある。
【0017】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに係る発明において、上記駆動手段が、上記空冷用ファンと上記オイルクーラ冷却用ファンとを連動させる連動手段から成る構成してある。
【0018】
本発明の請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、上記連動手段が、上記空冷用ファンに装着した第1のプーリと、上記オイルクーラ冷却用ファンに装着した第2のプーリと、これらの第1のプーリと第2のプーリを連動させるベルトとを含む構成してある。
【0019】
本発明の請求項9に係る発明は、請求項7または8に係る発明において、上記オイルクーラ冷却用ファンにファンクラッチを装着するとともに、上記オイルクーラ吸気ダクト内を流れる空気の温度を検出する気温センサを設け、この気温センサによって所定気温以上の気温が検出されたとき、この気温センサから出力される信号に応じて上記ファンクラッチを上記オイルクーラ冷却用ファンの駆動が可能な状態に切換え、上記気温センサによって上記所定気温よりも低い気温が検出されたとき、この気温センサから出力される信号に応じて上記ファンクラッチを上記オイルクーラ冷却用ファンの駆動が不能な状態に切換える構成してある。
【0021】
【作用】
本発明の請求項1に係る発明は、ラジエータと空冷式インタクーラとを直列に配置し、仕切板を挾んで、運転室と仕切板との間に位置する第2の空間部内にオイルクーラを配置するようにしたので、基本的に第1の空間部にはラジエータと空冷式インタクーラだけ配置すれば済み、これらのラジエータ、空冷式インタクーラ、及びオイルクーラを無理なく配置することができる。また、第1の空間部と第2の空間部とを仕切る仕切板を設けたことにより、オイルクーラにおいて生じた温風がラジエータ、空冷式インタクーラ側に流れることがない。また、ラジエータ、空冷式インタクーラの冷却はエンジンの駆動によりおこない、オイルクーラの冷却は駆動手段によりおこなうことから、それぞれの冷却制御を互いに独立しておこなうことができる。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、オイルクーラ冷却用ファンで吸い込まれる風で方向切換弁を冷却させることができ、方向切換弁を流れる作動油の冷却に貢献する。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、オイルクーラ吸気ダクトによって吸い込まれた風を方向切換弁の位置まで案内させることができ、方向切換弁をより効率的に冷却させることができる。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明は、オイルクーラ冷却用ファンで吸い込まれる風で作動油タンクを冷却させることができ、作動油の冷却に貢献する。
【0025】
本発明の請求項5に係る発明は、該当する電動モータ及び油圧モータの一方を駆動させることにより、オイルクーラ冷却用ファンが駆動し、これによりオイルクーラ吸気ダクトから風が吸い込まれ、その風によりオイルクーラを冷し、オイルクーラを流れる作動油を冷却することができる。
【0026】
本発明の請求項6に係る発明は、経験的に考えられる作動油の冷却を開始すべき油温を、あらかじめ油温センサにおいて所定油温として設定しておくことにより、該当する所定油温以上になったら駆動手段が駆動してオイルクーラ冷却用ファンが駆動し、これによりオイルクーラ吸気ダクトから風が吸い込まれ、その風によりオイルクーラを冷し、オイルクーラを流れる作動油を冷却して油温を下げることができ、また、作動油の油温が所定油温よりも低いときには、オイルクーラ冷却用ファンが停止状態に保たれ、オイルクーラの特別な冷却操作がおこなわれず、これにより作動油の必要以上の冷却はおこなわれない。
【0027】
本発明の請求項7に係る発明は、連動手段を介して、空冷用ファンと、オイルクーラ冷却用ファンとを駆動させることができ、空冷用ファンの駆動に伴って空冷用吸気ダクトから第1の空間部内に風が吸い込まれ、空冷式インタクーラとラジエータとを冷し、エンジン1の冷却水を作製することができ、また、オイルクーラ冷却用ファンの駆動に伴ってオイルクーラ吸気ダクトから第2の空間部内に風が吸い込まれ、オイルクーラを冷し、このオイルクーラを流れる作動油を冷却することができる。
【0028】
本発明の請求項8に係る発明は、エンジン1の駆動に伴って空冷用ファンに装着した第1のプーリが回転し、ベルトを介して第2のプーリが回転し、この第2のプーリの回転に伴ってオイルクーラ冷却用ファンが回転する。これにより、請求項7に係る発明と同様に、冷却水の作製と作動油の冷却とを同時に実現できる。
【0029】
本発明の請求項9に係る発明は、経験的に考えられる作動油の冷却を開始すべき空気の温度、すなわち気温を、あらかじめ気温センサにおいて所定気温として設定しておくことにより、該当する所定気温以上になったら、ファンクラッチがオイルクーラ冷却用ファンの駆動が可能な状態に切換えられ、エンジンの駆動に伴う空冷用ファンの回転と連動してオイルクーラ冷却用ファンが回転し、所望の連動動作をおこなわせることができ、また、作動油の冷却をすべきでない気温であるときは、ファンクラッチがオイルクーラ冷却用ファンの駆動が不能な状態に切換えられ、エンジンの駆動に伴って空冷用ファンが回転するものの、オイルクーラ冷却用ファンは回転せず、ラジエータ及び空冷式インタクーラの冷却だけがおこなわれ、作動油の冷却はおこなわれない。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の建設機械の冷却装置の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の請求項1,2,4,5に対応する第1の実施例を示す平面図である。この図1に示す第1の実施例も、例えば油圧ショベルに備えられるものである。この図1は、前述した図4に対応させて描いてあり、図4に示したものと同等のものは、同一符号で示してある。すなわち、この図1に示す第1の実施例が備えられる油圧ショベルも、本体を形成する旋回体上に、エンジン1と、油圧ポンプ4と、アクチュエータ例えばブームシリンダ24,25と、方向切換弁9と、方向切換弁9とブームシリンダ24,25とを連絡するシリンダ配管13,14、及び方向切換弁9と図示しない他のアクチュエータとを連絡するシリンダ配管15,16と、燃料タンク10及び作動油タンク3と、サクション配管11及びデリベリホース12とを備えるとともに、方向切換弁9と作動油タンク3とを接続する戻り管路にリリーフバルブ19を備え、また、旋回体上の前方位置に運転室20を備え、後方位置にカウンタウエイト2を備えている。以上の構成を備えた点については、前述した図4に示す従来技術と同様である。
【0032】
そして特に、この第1の実施例では、仕切板23によって、2つの配置空間に区分けさせてある。エンジン1及び油圧ポンプ4が配置されるカウンタウエイト2側の第1の空間部には、最前方位置に空冷用吸気ダクト5を配置してあり、この空冷用吸気ダクト5の下流に空冷式インタクーラ21を配置してある。この空冷式インタクーラ21の両側部には、仕切板21,22を接続してある。これらの仕切板21,22と前述した仕切板23等によって、空冷用吸気ダクト5が形成される。また、インタクーラ21の下流に、直列にラジエータ6を配置してある。風の流れに対してラジエータ6の後方位置には、エンジン1によって駆動し、ラジエータ6を冷す空気を吸い込む空冷用ファン8を配置してある。なお、同図1において、28はインタクーラ入口部、29はインタクーラ出口部、27はターボを示している。
【0033】
また、仕切板23を挾んで隣合う第2の空間部には、最前方位置にオイルクーラ吸気ダクト32を配置してあり、このオイルクーラ吸気ダクト32の下流にオイルクーラ7を配置してある。運転室20側に位置する仕切板33と、この仕切板33とオイルクーラ7の一方の側部を接続する仕切板34と、オイルクーラ7の他方の側部と仕切板23とを接続する仕切板35等によって、上述したオイルクーラ吸気ダクト32が形成されている。また、前述したオイルクーラ7は、結局、インタクーラ26及びラジエータ6に対して、並列に配置されるとともに、インタクーラ26及びラジエータ6と、運転室20との間の、それまではデッドスペースとして十分には活用されていなかった所に配置してある。
【0034】
また、風の流れに対してオイルクーラ7の後方位置には、このオイルクーラ7を冷す空気を吸い込むオイルクーラ冷却用ファン30を配置してある。このオイルクーラ冷却用ファン30は駆動手段、例えば電動モータ31で駆動する。風の流れに対して電動モータ31の後方位置、すなわちオイルクーラ7の後方位置には、前述した方向切換弁9を配置してある。この方向切換弁9の後方位置、すなわちオイルクーラ7の後方位置には、前述した作動油タンク3を配置してある。なお、17,18はオイルクーラ7と作動油タンク3とを接続するオイルクーラ配管である。
【0035】
この第1の実施例では、エンジン1を駆動することにより、油圧ポンプ4が駆動し、方向切換弁9を適宜に切換え操作することにより、油圧ポンプ4から吐出される圧油が、デリベリホース12、方向切換弁9、シリンダ配管13または14、シリンダ配管15または16を介して、ブームシリンダ24,25、あるいは図示しないアクチュエータに供給され、また、これらのブームシリンダ24,25、あるいは図示しないアクチュエータからの戻り油は、シリンダ配管14または13、シリンダ配管16または15、方向切換弁9、オイルクーラ配管17、オイルクーラ7、オイルクーラ配管18を介して作動油タンク3に戻され、これらの圧油の流れに応じて上述したブームシリンダ24,25、あるいは図示しないアクチュエータが駆動し、図示しないブームあるいは他の作動体を作動させることができる。同図1では図示省略したアームを駆動するアームシリンダ、バケットを駆動させるバケットシリンダ、旋回体を旋回させる旋回モータ、走行体を走行させる走行モータ等の他のアクチュエータを操作する場合も、上述と同様である。
【0036】
また、エンジン1の駆動に伴って空冷用ファン8が回転し、これにより空冷用吸気ダクト5から風が吸い込まれてインタクーラ26及びラジエータ6が冷され、エンジン1に冷却水が供給されて、このエンジン1が冷される。
【0037】
また、電動モータ31を駆動させることにより、オイルクーラ冷却用ファン30が回転し、これによりオイルクーラ吸気ダクト32から空気が吸い込まれ、オイルクーラ7が冷され、オイルクーラ配管17から流入した作動油を冷却し、オイルクーラ配管18から流出させる。また、上述のようにオイルクーラ吸気ダクト32から吸い込まれた風により、方向切換弁9と作動油タンク3も冷される。したがって、方向切換弁9を流れる作動油が冷却されるとともに、作動油タンク3内に蓄えられる作動油も冷却される。
【0038】
このように構成した第1の実施例にあっては、基本的に、エンジン1、油圧ポンプ4が配置される第1の空間部には、インタクーラ26とラジエータ6だけを直列に配置し、仕切板23と運転室20の間に位置する第2の空間部には、オイルクーラ7を配置するので、これらのラジエータ6、インタクーラ26、及びオイルクーラ7を旋回体上に無理なく配置させることができる。特に、オイルクーラ7は、従来ではデッドスペースを形成していた仕切板23と運転室20との間に配置させてあることから、このデッドスペースの有効活用を図ることができる。
【0039】
また、仕切板23を設けたことによって、オイルクーラ7側で生じた温風が、第1の空間部のラジエータ6、インタクーラ26側に流れることがない。これにより、オイルクーラ7の冷却の影響をラジエータ6、インタクーラ26側に及ぼすことがない。また、ラジエータ6、インタクーラ26の冷却はエンジン1の駆動によりおこない、オイルクーラ7の冷却は電動モータ31の駆動によりおこなうことから、ラジエータ6、インタクーラ26の冷却制御と、オイルクーラ7の冷却制御とを互いに独立しておこなうことができる。これらのことから、ラジエータ6とインタクーラ26の冷却、及びオイルクーラ7の冷却の双方を高い精度で実現でき、優れた冷却性能が得られる。
【0040】
また、オイルクーラ7の後方位置に方向切換弁9と作動油タンク3を配置してあることから、オイルクーラ冷却用ファン30で吸い込まれた風により、上述のようにオイルクーラ7の冷却とともに、方向切換弁9の冷却と作動油タンク3の冷却とを併せておこなうことができ、これらの相乗作用によって作動油を冷却することができる。これにより、特に作動油の優れた冷却性能が得られる。
【0041】
また、電動モータ31の駆動を制御することによりオイルクーラ冷却用ファン30の駆動を容易に制御できる。したがって、作動油の油温が上昇した適切な時機にのみ、オイルクーラ冷却用ファン30を回転させるように電動モータ31の駆動を制御することにより、安定した作動油冷却性能を保持できる。
【0042】
さらに、オイルクーラ7の後方位置に作動油タンク3を配置したことから、オイルクーラ7から流出した作動油を作動油タンク3に導くオイルクーラ配管18を従来よりも短くすることができ、この点で費用を低減できる。
【0043】
図2は本発明の請求項1,2,4,5,7,8に対応する第2の実施例を示す平面図である。
【0044】
この第2の実施例は、ラジエータ6及びインタクーラ26を冷却する風を吸い込むオイルクーラ冷却用ファン30を回転させる連動手段を備えている。この連動手段は、例えば、空冷用ファン8に装着した第1のプーリ38と、オイルクーラ冷却用ファン30に装着した第2のプーリ37と、これらのプーリ38,37間を掛け回されるベルト36とを含む構成にしてある。その他の構成については、前述した第1の実施例と同等である。
【0045】
この第2の実施例では、エンジン1を駆動させると、空冷用ファン6が回転し、この空冷用ファン8と一体的に第1のプーリ38が回転する。この第1のプーリ38の回転に伴ってベルト36が移動し、第2のプーリ37が回転する。この第2のプーリ37の回転と一体的にオイルクーラ冷却用ファン30が回転する。上述した空冷用ファン6の回転に伴って空冷用吸気ダクト5から風が吸い込まれ、この風によりインタクーラ26及びラジエータ6が冷され、エンジン1を冷却する冷却水が作製される。また、上述したオイルクーラ冷却用ファン30の回転に伴って、オイルクーラ吸気ダクト32から風が吸い込まれ、その風によりオイルクーラ37が冷され、また同時に、方向切換弁9及び作動油タンク3が冷され、ブームシリンダ24,25等のアクチュエータに供給される作動油が冷却され、昇温が抑えられる。
【0046】
このように構成した第2の実施例では特に、エンジン1の冷却水の作製と作動油の冷却とを同時に実現できるとともに、オイルクーラ冷却用ファン30の駆動源としてエンジン1を活用でき、すなわち駆動源が1つで済み、これにより設備費用を抑えることができる。また、連動手段を第1のプーリ38、第2のプーリ37、及びベルト36によって構成してあるが、これらは構造の簡単な安定した力伝達系を形成し、したがってオイルクーラ冷却用ファン30と、空冷用ファン8とを高い精度で連動させることができる。その他の作用効果については、前述した第1の実施例と同じである。
【0047】
図3は本発明の請求項1,2,3,4,5に対応する第3の実施例を示す平面図である。
【0048】
この第3の実施例では、前述した図1に示す第1の実施例における仕切板34,35を取り除き、オイルクーラ吸気ダクト32を形成する運転室20側に位置する仕切板33に連設する仕切板39を設け、この仕切板39を方向切換弁9付近まで、すなわち方向切換弁9を囲むように延設させてある。その他の構成については、前述した第1の実施例と同等である。
【0049】
このように構成した第3の実施例では、オイルクーラ吸気ダクト32によって吸い込まれた風を仕切板39を介して、方向切換弁9及び作動油タンク3をより効率的に冷却させることができ、これらの方向切換弁9及び作動油タンク3の冷却性能を高めることができる。したがって、より優れた作動油の冷却性能が得られる。その他の作用効果については、前述した第1の実施例と同じである。
【0050】
なお、上述した第1,第3の実施例では、オイルクーラ冷却用ファン30を駆動する駆動手段として電動モータ31を設けたが、この電動モータ31に代えて油圧モータを設ける構成にしてもよい。
【0051】
また、上述した第1,第3の実施例において、作動油の油温を検出する油圧センサを設け、この油温センサによって所定油温が検出されたとき、この油温センサから出力される信号に応じてオイルクーラ冷却用ファン30を駆動する電動モータ31を作動させる構成にしてもよい。この構成は、本発明の請求項6に係る発明に相当する。
【0052】
このように、油温センサを備えたものは、経験的に考えられる作動油の冷却を開始すべき油温を、あらかじめ油温センサにおいて所定油温として設定しておくことにより、該当する所定油温以上になったら駆動手段すなわち電動モータ31が駆動してオイルクーラ冷却用ファン30が駆動し、これによりオイルクーラ吸気ダクト32から風が吸い込まれ、その風によりオイルクーラ7を冷し、オイルクーラ7を流れる作動油を冷却して油温を下げることができ、また、作動油の油温が所定油温よりも低いときには、オイルクーラ冷却用ファン30が停止状態に保たれ、オイルクーラ7の特別な冷却操作がおこなわれず、これにより作動油の必要以上の冷却はおこなわれない。
【0053】
これにより、作動油の油温を高い精度で一定の温度領域内に保つことができ、この作動油の供給によって駆動するブームシリンダ24,25等のアクチュエータの円滑な駆動を実現させることができる。
【0054】
また、上述した第2の実施例において、オイルクーラ冷却用ファン30にファンクラッチを装着するとともに、オイルクーラ吸気ダクト32内を流れる風の温度を検出する気温センサを設け、この気温センサによって所定気温以上の気温が検出されたとき、この気温センサから出力される信号に応じ、ファンクラッチをオイルクーラ冷却用ファン30の駆動が可能な状態に切換え、気温センサによって所定気温よりも低い気温が検出されたとき、この気温センサから出力される信号に応じてファンクラッチをオイルクーラ冷却用ファン30の駆動が不能な状態に切換える構成にしてもよい。この構成は本発明の請求項9に係る発明に相当する。
【0055】
このように、オイルクーラ冷却用ファン30にファンクラッチを装着するとともに、オイルクーラ吸気ダクト32内の気温を検出する気温センサを備えたものは、経験的に考えられる作動油の冷却を開始すべき空気の温度、すなわち気温を、あらかじめ気温センサにおいて所定気温として設定しておくことにより、該当する所定気温以上になったら、ファンクラッチがオイルクーラ冷却用ファン30の駆動が可能な状態に切換えられ、エンジン1の駆動に伴う空冷用ファン8の回転と連動してオイルクーラ冷却用ファン30が回転し、所望の連動動作をおこなわせることができ、また、作動油の冷却をすべきでない気温であるときは、ファンクラッチがオイルクーラ冷却用ファン30の駆動が不能な状態に切換えられ、エンジン1の駆動に伴って空冷用ファン8が回転するものの、オイルクーラ冷却用ファン30は回転せず、ラジエータ6及び空冷式インタクーラ26の冷却だけがおこなわれ、作動油の冷却はおこなわれない。
【0056】
これにより、ラジエータ6、インタクーラ26を冷却する空冷用ファン8だけの駆動と、この空冷用ファン8とオイルクーラ冷却用ファン30の連動とを選択的におこなわせることができ、安定したエンジン1の冷却性能を確保できるとともに、請求項6に係る発明と同様に、作動油の油温を高い精度で一定の温度領域内に保つことができ、この作動油の供給によって駆動するブームシリンダ24,25等のアクチュエータの円滑な駆動を実現させることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る発明によれば、運転室と、ラジエータを冷却する空冷用ダクトとの間に位置する空間部にオイルクーラを配置することにより、空冷式インタクーラをラジエータに直列に配置することができ、空冷式インタクーラを含めた望ましい配置構成を実現できる。また、従来ではデッドスペースとなていた運転室と空冷用ダクトとの間の空間部を、オイルクーラの配置スペースとして有効活用させることができる。さらに、ラジエータ及び空冷式インタクーラの冷却制御と、オイルクーラの冷却制御とを互いに独立しておこなうことができ、これらのラジエータ、空冷式インタクーラの冷却、及びオイルクーラの冷却の双方を高い精度で実現でき、優れた冷却性能が得られる。
【0058】
本発明の請求項2に係る発明によれば、オイルクーラの冷却と方向切換弁の冷却の相乗作用により作動油を冷却することができ、作動油の優れた冷却性能が得られる。
【0059】
本発明の請求項3に係る発明によれば、方向切換弁の冷却性能が高まるので、より優れた作動油の冷却性能が得られる。
【0060】
本発明の請求項4に係る発明によれば、オイルクーラの冷却と作動油タンクの冷却の相乗作用により作動油を冷却することができ、請求項2に係る発明とは別の観点から優れた作動油の冷却性能が得られる。
【0061】
本発明の請求項5に係る発明によれば、オイルクーラ冷却用ファンの駆動制御が容易であり、安定した作動油の冷却性能の保持に貢献する。
【0062】
本発明の請求項6に係る発明によれば、作動油の油温を高い精度で一定の温度領域内に保つことができ、この作動油の供給によって駆動するアクチュエータの円滑な駆動を実現させることができる。
【0063】
本発明の請求項7に係る発明によれば、オイルクーラ冷却用ファンの駆動源としてエンジンを活用でき、すなわち、駆動源が1つで済み、これにより設備費用を抑えることができる。
【0064】
本発明の請求項8に係る発明によれば、2つのプーリと、これらのプーリに掛け回されるベルトによって構造の簡単な安定した力伝達系を形成でき、したがって、オイルクーラ冷却用ファンを、ラジエータ、インタクーラを冷却する空冷用ファンと高い精度で連動させることができる。
【0065】
本発明の請求項9に係る発明によれば、ラジエータ、インタクーラを冷却する空冷用ファンだけの駆動と、この空冷用ファンとオイルクーラ冷却用ファンの連動とを選択的におこなわせることができ、安定したエンジン冷却性能を確保できるとともに、請求項6に係る発明と同様に、作動油の油温を高い精度で一定の温度領域内に保つことができ、この作動油の供給によって駆動するアクチュエータの円滑な駆動を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設機械の冷却装置の第1の実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す平面図である。
【図4】従来の建設機械の冷却装置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 作動油タンク
4 油圧ポンプ
5 空冷用吸気ダクト
6 ラジエータ
7 オイルクーラ
8 空冷用ファン
9 方向切換弁
20 運転
21 仕切板
22 仕切板
23 仕切板
26 空冷式インタクーラ
30 オイルクーラ冷却用ファン
31 電動モータ(駆動手段)
32 オイルクーラ吸気ダクト
33 仕切板
34 仕切板
35 仕切板
36 ベルト
37 第2のプーリ
38 第1のプーリ
39 仕切板

Claims (9)

  1. 運転と、エンジンと、このエンジンによって駆動する油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動するアクチュエータと、上記油圧ポンプから上記アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切換弁と、上記油圧ポンプに吸い込まれる作動油を蓄える作動油タンクとを有する建設機械に備えられ、
    上記エンジンを冷す冷却水を作製するラジエータと、上記エンジンによって駆動し、上記ラジエータを冷却させる風を吸い込む空冷用ファンと、上記作動油を冷却するオイルクーラとを含む建設機械の冷却装置において、
    上記ラジエータと直列に空冷式インタクーラを配置し、これらのインタクーラ及びラジエータの前方に空冷用吸気ダクトを設け、
    上記インタクーラ及びラジエータと、上記運転との間に位置する空間部に上記オイルクーラを配置し、このオイルクーラの前方にオイルクーラ吸気ダクトを設け、上記オイルクーラの後方に、このオイルクーラを冷却させる風を吸い込むオイルクーラ冷却用ファン、及びこのオイルクーラ冷却用ファンを駆動する駆動手段を設けるとともに、
    上記空冷用吸気ダクト、上記インタクーラ、上記ラジエータ、上記空冷用ファン、上記エンジン、及び上記油圧ポンプが配置される第1の空間部と、上記オイルクーラ吸気ダクト、上記オイルクーラ、上記オイルクーラ冷却用ファン、及び上記駆動手段が配置される第2の空間部との間の風の流通を規制する仕切板を設け
    上記オイルクーラ吸気ダクトを、上記仕切板と、この仕切板に対向し、上記運転室から離隔させて配置した別の仕切板とによって形成したことを特徴とする建設機械の冷却装置。
  2. 上記方向切換弁を、上記オイルクーラ冷却用ファンで吸い込まれる風の流れに対して、上記第2の空間部内の上記オイルクーラの後方位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の建設機械の冷却装置。
  3. 上記オイルクーラ吸気ダクトを、上記方向切換弁の付近まで延設させたことを特徴とする請求項2記載の建設機械の冷却装置。
  4. 上記作動油タンクを、上記オイルクーラ冷却用ファンで吸い込まれる風の流れに対して、上記第2の空間部内の上記オイルクーラの後方位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の建設機械の冷却装置。
  5. 上記駆動手段が、電動モータ及び油圧モータのうちの一方であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建設機械の冷却装置。
  6. 上記作動油の油温を検出する油温センサを設け、この油温センサによって所定油温以上の油温が検出されたとき、この油温センサから出力される信号に応じて上記駆動手段を作動させることを特徴とする請求項5記載の建設機械の冷却装置。
  7. 上記駆動手段が、上記空冷用ファンと上記オイルクーラ冷却用ファンとを連動させる連動手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建設機械の冷却装置。
  8. 上記連動手段が、上記空冷用ファンに装着した第1のプーリと、上記オイルクーラ冷却用ファンに装着した第2のプーリと、これらの第1のプーリと第2のプーリを連動させるベルトとを含むことを特徴とする請求項7記載の建設機械の冷却装置。
  9. 上記オイルクーラ冷却用ファンにファンクラッチを装着するとともに、上記オイルクーラ吸気ダクト内を流れる空気の温度を検出する気温センサを設け、この気温センサによって所定気温以上の気温が検出されたとき、この気温センサから出力される信号に応じて上記ファンクラッチを上記オイルクーラ冷却用ファンの駆動が可能な状態に切換え、上記気温センサによって上記所定気温よりも低い気温が検出されたとき、この気温センサから出力される信号に応じて上記ファンクラッチを上記オイルクーラ冷却用ファンの駆動が不能な状態に切換えることを特徴とする請求項7または8記載の建設機械の冷却装置。
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