JP3645443B2 - 遠隔画像形成装置管理システムと監視端末装置と制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の複写機等の画像形成装置とサービスセンタ内の監視端末装置とを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システム(「画像形成装置遠隔管理システム」ともいう)、上記監視端末装置,およびその監視端末装置における制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠隔画像形成装置管理システムとしては、不特定多数のユーザ(顧客)のオフィス等に設置された複数の画像形成装置(遠隔診断を前提としている複写機等)をデータ通信装置及び公衆回線網を利用して、販売,サービス等の拠点(以下「サービスセンタ」という)と接続可能にしたものが一般に知られている。
【0003】
このような遠隔画像形成装置管理システムは、遠隔地に設置されている複数の画像形成装置を1ヶ所に設けたサービスセンタによって集中的に管理することにより、各画像形成装置の使用状況を集計したり、その管理情報を画像形成装置のメンテナンス等に利用したりしている。使用状況の内容としてはコピー枚数等があり、メンテナンスの内容としては画像形成装置の自己診断によるサービスセンタへの自動発呼や、サービスセンタ側からのアクセスによる画像形成装置の各部調整等がある。
【0004】
また、このような遠隔画像形成装置管理システムとしては、サービスセンタ内の端末装置(監視端末装置)が、複数の画像形成装置からそれぞれ受信した通報情報の内容(通報内容)を表示し、その端末装置のオペレータ(センタオペレータ)が通報内容を認識して顧客先に納入された画像形成装置へ遠隔地から適切な処置を行なえるようにしたものが一般的であり、例えば特開平3−161763号公報,特開平3−161766号公報,特開平3−162055号公報などに見られるように、異常等の通報要因の発生を直ちに告知できると共に、異常の告知を端末装置の数に限定されることなく安価に行なえるようにしたものも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遠隔画像形成装置管理システムにおいて、画像形成装置の設置台数の増加に伴い、サービスセンタ内の端末装置が多量の通報情報をある期間に集中的に受信した場合、サービスセンタの設備およびセンタオペレータの処理能力によっては、受信した通報情報を長時間放置するという状況が発生することもある。
【0006】
そのため、長時間放置された通報情報が緊急性の高い通報情報(異常事象を示す情報)の場合、画像形成装置の異常事象発生に対して緊急に対応できない可能性があり、より緊急性の高い新たな異常事象が発生しても、この新たな異常事象に対する対応を迅速にできなくなり、顧客に対するサービスの低下につながる。そこで、今までは端末装置の設置台数を増設し、センタオペレータを増員で対応してきたが、サービスセンタの設備投資へのコスト増および運用コストの増加につながっていた。
【0007】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、遠隔画像形成装置管理システムの監視端末装置(サービスセンタ)で受信される遠隔地の画像形成装置からの通報情報の長時間放置を解消し、円滑な報知スケジュール(画像形成装置の異常事象発生に対する緊急な対応)を可能にすると共に、新たに増設する設備(監視端末装置,通信回線)の投資コストと運用コストの増加を抑え、サービスセンタの設備を有効に効率的に使用できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下に示す遠隔画像形成装置管理システム,監視端末装置,および制御方法を提供する。
【0009】
請求項1の発明は、複数の画像形成装置と監視端末装置とを通信回線を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムにおいて、複数の画像形成装置にそれぞれ、通報要因が発生した場合に、その旨を示す通報情報を監視端末装置へ送信する通報情報送信手段を設け、監視端末装置に、複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報を受信する通報情報受信手段と、該手段によって受信された通報情報に対する未処置経過時間を予め設定された第1所定時間および該第1所定時間より短い第2所定時間とそれぞれ比較し、上記通報情報に対する未処置経過時間が、第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行う報知手段とを設けたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置に、通報情報受信手段によって受信された通報情報の送信先の画像形成装置へ該情報を受信した旨を示す確認情報を送信する確認情報送信手段を設けたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、複数の画像形成装置にそれぞれ、通報情報送信手段によって監視端末装置への通報情報の送信が行なわれた後、サービスマンが当該画像形成装置の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始又は終了された旨の作業関連情報が入力されたとき、該作業関連情報を監視端末装置へ送信する作業関連情報送信手段を設け、監視端末装置に、複数の画像形成装置のいずれかから送信された作業関連情報を受信する作業関連情報受信手段と、該手段によって受信された作業関連情報の送信元の画像形成装置から通報情報受信手段によって受信された通報情報を削除する通報情報削除手段とを設けたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、第一次報知方法,第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する報知方法指示手段を設け、監視端末装置の報知手段を、報知方法指示手段によって第一次報知方法および第二次報知方法が指示された場合に、上記通報情報に対する未処置経過時間を第1所定時間および第2所定時間とそれぞれ比較し、上記通報情報に対する未処置経過時間が、第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行う手段と、第一次報知方法のみが指示された場合には、上記通報情報に対する未処置経過時間を第1所定時間と比較し、上記通報情報に対する未処置経過時間が第1所定時間を超えた場合に第一次報知方法に従って通報を行う手段と、第二次報知方法のみが指示された場合には、上記通報情報に対する未処置経過時間を第2所定時間と比較し、上記通報情報に対する未処置経過時間が第2所定時間を超えた場合に第二次報知方法に従って通報を行う手段とによって構成されたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置の報知方法指示手段を、外部から入力されるコマンドにより、各画像形成装置の顧客別に第一次報知方法,第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する手段としたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置の報知方法指示手段を、外部から入力されるコマンドにより、各画像形成装置の機種別に第一次報知方法,第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する手段としたものである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報に対する処置を行なうサービスマンを派遣するサービスステーションを複数設け、監視端末装置の報知方法指示手段を、外部から入力されるコマンドにより、上記各サービスステーション別に上記第一次報知方法,上記第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する手段としたものである。
【0016】
請求項8の発明は、請求項5の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、各画像形成装置の顧客別に第1所定時間および第2所定時間を変更する変更手段を設けたものである。
請求項9の発明は、請求項6の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、各画像形成装置の機種別に第1所定時間および第2所定時間を変更する変更手段を設けたものである。
【0017】
請求項10の発明は、請求項7の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、上記各サービスステーション別に第1所定時間および第2所定時間を変更する変更手段を設けたものである。
【0018】
請求項11の発明は、請求項4〜10のいずれかの遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置に、上記通報情報を表示する通報情報表示手段を設け、監視端末装置の報知手段が、報知方法指示手段によって第一次報知方法が指示されている場合には、上記通報情報に対する未処置経過時間を第1所定時間と比較し、該未処置経過時間が第1所定時間を超えた場合に、該通報情報の通報情報表示手段による表示色を該未処置経過時間に従って動的に変化させるようにしたものである。
【0019】
請求項12の発明は、請求項4〜10のいずれかの遠隔画像形成装置管理システムにおいて、監視端末装置の報知手段が、報知方法指示手段によって第二次報知方法が指示されている場合には、上記通報情報に対する未処置経過時間を第2所定時間と比較し、該未処置経過時間が第2所定時間を超えた場合に、該通報情報を通信回線を介して遠隔地の端末装置へ送信するようにしたものである。
【0020】
請求項13の発明は、請求項12の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、上記遠隔地の端末装置を表示装置を有するパーソナルコンピュータとしたものである。
請求項14の発明は、請求項12の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、上記遠隔地の端末装置をファクシミリ装置としたものである。
請求項15の発明は、複数の画像形成装置に通信回線を介して接続された監視端末装置において、複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報を受信する通報情報受信手段と、該手段によって受信された通報情報に対する未処置経過時間を予め設定された第1所定時間および該第1所定時間より短い第2所定時間とそれぞれ比較し、上記通報情報に対する未処置経過時間が、上記第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、上記第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行う報知手段とを設けたものである。
請求項16の発明は、複数の画像形成装置に通信回線を介して接続された監視端末装置における制御方法において、複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報を受信し、その受信した通報情報に対する未処置経過時間を予め設定された第1所定時間および該第1所定時間より短い第2所定時間とそれぞれ比較し、上記通報情報に対する未処置経過時間が、第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行うものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明を適用する遠隔画像形成装置管理システムの構成例を示す図である。
【0022】
この遠隔画像形成装置管理システムでは、サービスセンタ200に設置されている複数のクライアント(統括的な管理を行なう監視端末装置)201a,201b,……,201nと、複数のユーザ地域(顧客先)220にそれぞれ設置されている複写機(画像形成装置)1と、複数のサービスステーション210にそれぞれ設置されているパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」と略称する)211等の機器とを通信回線である公衆回線網(以下「公衆回線」ともいう)17を介して接続している。
【0023】
サービスセンタ200には、この発明に係わる処理をそれぞれ実行する複数のクライアント201a,201b,……,201n、その各クライアント201a,201b,……,201nによってそれぞれ受信される情報,後述する各種管理テーブル,マスタ情報を格納する外部記録装置203の制御を行なうファイルサーバ204、各種情報の印刷出力を行なう印刷装置205、各クライアント201a,201b,……,201nからそれぞれサービスステーション210に送信される情報の制御を行なうFAX(ファクシミリ)サーバ206が設置されており、それらは各種情報(データ及び制御信号)の送受信を行なうLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)207によって接続されている。
【0024】
複数のユーザ地域220にはそれぞれ、複数の複写機1、及びその各複写機1でそれぞれ発生する障害(異常)等の通報要因を示す通報情報等の各種情報を公衆回線17を介してサービスセンタ200へ送信したり、サービスセンタ200から公衆回線17を介して送られてくる各種情報を受信する制御(通信制御)を行なう通信コントロール装置18等が設置されている。
【0025】
複数のサービスステーション210にはそれぞれ、サービスセンタ200から公衆回線17を介して送られてくる各種情報の受信及びサービスセンタ200への各種情報の送信を制御するパソコン(他の情報処理装置でもよい)211、サービスセンタ200との間の情報の送受信を行なうFAX装置(ファクシミリ装置)212、及び電話機213等が設置されている。
この各サービスステーション210では、顧客先の複写機1等の画像形成装置の通報情報に対する処置を行なうサービスマンを派遣する。
【0026】
ここで、各複写機1がそれぞれ、以下の(A1)(A2)にそれぞれ示す各手段としての機能を有する。
(A1)機(装置)内の異常等の通報要因が発生した場合に、その旨を示す通報情報をサービスセンタ200へ送信する通報情報送信手段
【0027】
(A2)通報情報送信手段によってサービスセンタ200への通報情報の送信が行なわれた後、サービスマンがこの複写機1の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始又は終了された旨の作業関連情報が入力されたとき、その作業関連情報をサービスセンタ200へ送信する作業関連情報送信手段
【0028】
また、サービスセンタ200内の各クライアント201a,201b,……,201n,外部記録装置203を有するファイルサーバ204,FAXサーバ206が、以下の(B1)〜(B14)に示す各手段としての機能を有する。
(B1)各複写機1からそれぞれ送信される通報情報を受信する通報情報受信手段
【0029】
(B2)該手段によって受信された通報情報を蓄積する通報情報蓄積手段
(B3)該手段によって蓄積された通報情報の内容を表示する通報情報表示手段
(B4)通報情報蓄積手段によって蓄積された通報情報毎に未処置経過時間を計数する未処置経過時間計数手段
【0030】
(B5)該手段によって計数された通報情報蓄積手段によって蓄積された通報情報毎の未処置経過時間を予め設定された所定時間と順次比較し、いずれかの通報情報に対する未処置経過時間が所定時間を超えた場合に、その旨あるいはその通報情報を報知する報知手段
(B6)通報情報受信手段によって受信された通報情報の送信先の画像形成装置へ該情報を受信した旨を示す確認情報を送信する確認情報送信手段
【0031】
(B7)各複写機1のいずれかから送信された作業関連情報を受信する作業関連情報受信手段
(B8)該手段によって受信された作業関連情報の送信元の画像形成装置から通報情報受信手段によって受信され、通報情報蓄積手段によって蓄積されている通報情報を削除する通報情報削除手段
【0032】
なお、上記報知手段を、未処置経過時間計数手段によって計数された通報情報蓄積手段によって蓄積された通報情報毎の未処置経過時間を予め設定された所定時間と順次比較し、いずれかの通報情報に対する未処置経過時間が所定時間を超えた場合に、その旨あるいはその通報情報を第一次報知方法あるいは第二次報知方法に従って報知する手段とする。
【0033】
(B9)外部(クライアント201a,201b,……,201nのキーボード等の入力装置)から入力されるコマンドにより、各複写機1の顧客別に第一次報知方法あるいは第二次報知方法を指示する報知方法指示手段
(B10)外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の機種別に第一次報知方法あるいは第二次報知方法を指示する報知方法指示手段
【0034】
(B11)外部から入力されるコマンドにより、各サービスステーション210別に第一次報知方法あるいは第二次報知方法を指示する報知方法指示手段
(B12)外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の顧客別に上記予め設定された所定時間を変更する変更手段
【0035】
(B13)外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の機種別に上記予め設定された所定時間を変更する変更手段
(B14)外部から入力されるコマンドにより、各サービスステーション210別に上記予め設定された所定時間を変更する変更手段
【0036】
なお、上記報知手段が、報知方法指示手段によって第一次報知方法が指示されている場合には、未処置経過時間計数手段によって計数された通報情報蓄積手段によって蓄積された通報情報毎の未処置経過時間を予め設定された所定時間と順次比較し、いずれかの通報情報に対する未処置経過時間が所定時間を超えた場合に、その通報情報の通報情報表示手段による表示色をその未処置経過時間に従って動的に変化させる。
【0037】
また、上記報知手段が、報知方法指示手段によって第二次報知方法が指示されている場合には、未処置経過時間計数手段によって計数された通報情報蓄積手段によって蓄積された通報情報毎の未処置経過時間を予め設定された所定時間と順次比較し、いずれかの通報情報に対する未処置経過時間が所定時間を超えた場合に、その通報情報を公衆回線17を介して遠隔地の端末装置(この実施形態ではサービスステーション210内の表示装置を有するパソコン211およびFAX装置212とするが、他の端末装置でもよい)へ送信する。
【0038】
この実施形態では、各複写機1およびサービスセンタ200内の各部が、上述した各手段としての機能を全て備えるが、必ずしもそうする必要はなく、上述した各手段を必要に応じて選択的に備えるようにしてもよい。
図2は、図1に示した遠隔画像形成装置管理システムにおけるユーザ地域220内の具体的構成例を示すブロック図である。
【0039】
ユーザ地域220には、サービスセンタ200に設置されている各クライアント201a,201b,……,201nとの通信を制御するためのインタフェース装置としての通信コントロール装置18が設置されており、各複写機(PPC)1はこの通信コントロール装置18に接続されている。この通信コントロール装置18には、電話機19やFAX装置20等の外部通信機器が接続可能になっており、ユーザの既存の回線に挿入する形で設置が可能になっている。
【0040】
そして、この通信コントロール装置18には複数の複写機1が接続可能になっているが、もちろん単数の場合もある。これらの複写機1は同型のものである必要はなく異なる機種でもかまわず、複写機以外のプリンタ等の画像形成装置でもかまわない。ここでは説明の便宜上、1台の通信コントロール装置18に最大5台の複写機1が接続可能であるものとする。そして、通信コントロール装置18と複数の複写機1はRS−485規格によりマルチドロップ接続されている。
【0041】
通信コントロール装置18と各複写機1との間の通信制御は基本型データ伝送制御手順(BSC)により行なわれる。つまり、通信コントロール装置18を制御局としたセントラライズド制御のポーリング/セレクティング方式でデータリンクの確立を行なうことにより、任意の複写機との通信が可能になっている。各複写機1はアドレス設定スイッチによって固有の値を設定できるようになっており、これによって各複写機のポーリングアドレス及びセレクティングアドレスが決定される。
【0042】
図3は、図1の通信コントロール装置18の構成例を示すブロック図である。公衆回線17からの信号は、まず切替部180に入力される。ここでは、公衆回線17側からの通信が通信コントロール装置18に接続されている電話機19(または図2のFAX装置20)宛のものであれば、公衆回線17側を電話機19(または図2のFAX装置20)に接続し、サービスセンタ200からの通信であれば、公衆回線17側のモデム181に接続する。
【0043】
また、RS−485用のトランシーバを用いた通信インタフェース183によって複写機1側との通信を行なう。これらの制御・処理は、ROM185内の制御プログラムに従ってCPU184を中心に行なわれる。RAM186には処理の中間結果などを格納するほか、通信テキストを一時的に格納しておくためにも用いる。また、サービスセンタ200側から通信コントロール装置18の動作に必要な各種パラメータもRAM186に書き込まれている。
【0044】
通常、この通信コントロール装置18は、24時間連続通電を行なって常にサービスセンタ200と通信可能な状態にしておくが、不慮の電源断,安全のための電源断等でこれらのパラメータの内容及び通信テキストが失われることがないように、バッテリ187によりRAM186をバックアップしている。さらに、時計188とトータルカウンタ値自動発呼許可スイッチ189も備えている。
【0045】
図4は、図3の通信コントロール装置18のRAM186に記憶(セット)されている各種パラメータの一覧を示す図である。各アドレスの複写機1毎に、その複写機1の機種番号とシリアル番号(機番)とが登録されており、複写機1からの通報(送信)時にこれを付加してサービスセンタ200へ送信したり、サービスセンタ200からのアクセス時に選択すべき複写機1のアドレスを決定するために用いる。
【0046】
また、各遠隔通報理由毎に通報先(連絡先)電話番号、リダイヤルの回数や間隔、サービスセンタ200へ送信するデータ(通報情報)の種類(ジャム発生回数,コピー枚数等),サービスセンタ200への通報日時が設定されている。パラメータの各ブロックにはチェックサムが付加されており、通信コントロール装置18の誤動作や、バックアップ用のバッテリ187の消耗や、通信上のエラーなどによってパラメータの値が書き変わったり失われた場合にこれを検知することができる。
【0047】
これらのパラメータはサービスセンタ200側から公衆回線17を通して書き込まれるが、パラメータ設定用の携帯装置を通信コントロール装置18に直接接続して書き込んだり、通信コントロール装置18上に操作手段を設けて設定する構成にしてもよいし、複写機1から設定する構成にしてもよい。
【0048】
この場合、パラメータの設定は重要であるため、通信データにID(パスワード)を付加することによって機密性を高めている。
このIDは各通信コントロール装置18固有に決めておらず、第1回目のパラメータを指定する時(図4のパラメータが未設定の時)に決め、それ以降は通信等での変更はできず、通信コントロール装置18を手動で初期化することによって可能となる。
【0049】
IDは通信する毎に確認するため、誤ったデータや異なるシステムから入り込むことができないようになっている。異なるIDを所定回数受けると、このエラーを内部に記憶すると共に、サービスセンタ200へ自動通報してシステムの管理者に知らせるようにしている。このIDを通信する毎に確認してハッカー等を防止している。
なお、上記IDは上述したように通信等では変更できないようにしているが、例えば別のID(ID変更用)を用いて変更できるようにしてもよい。
【0050】
図5は、図1の複写機1の制御系の構成を示すブロック図である。
複写機1の本体の制御は、CPU100を中心としてROM101に記憶されている制御プログラムやデータに基づいて行なわれる。また、処理の中間結果や各種設定値,装置の状態を示すデータなどを蓄えるためにRAM102を使用する。
【0051】
A/Dコンバータ103は、露光ランプへの供給電圧(ランプ電圧),Pセンサの発光電圧と受光電圧,電位センサの出力,ADSセンサの出力,露光ランプの光量を検出するランプ光量センサの出力,感光体ドラムに流れる電流を検出するドラム電流センサの出力,定着ユニット内のサーミスタ(定着サーミスタ)電圧等を入力するために使用する。
【0052】
光学系制御ユニット104は、露光ランプの駆動制御を行なう。
高圧電源ユニット105は、帯電チャージャ,分離チャージャ,転写チャージャ,転写前チャージャ(PTC)にそれぞれ印加する高電圧、及び現像ユニット内の現像ローラに印加する現像バイアス電圧を供給する。
モータ制御ユニット106は、感光体ドラム及び各給紙ユニットや搬送ユニットのローラ等を駆動するメインモータのコントロールを行なう。
【0053】
ヒータ制御ユニット107は、定着ユニットの定着ローラを加熱する定着ヒータへの通電を制御して、定着ローラの表面温度を所定範囲に保持する。
センサ感度制御ユニット108は、ランプ光量センサの受光ゲイン,ADSセンサの受光ゲイン,Pセンサの受光ゲイン,PセンサのLEDの発光電圧等を可変するために使用する。
【0054】
通信インターフェースユニット109は、通信コントロール装置18との通信を行なうユニットである。アドレス設定スイッチ110により複写機固有のアドレス(デバイスコード)を1〜5の範囲で設定できる。また、通信許可スイッチ111により通信コントロール装置18との通信の許可/禁止を設定することができる。
【0055】
この通信許可スイッチ111はディップスイッチであり、それを備えた複写機を画像形成装置管理システム(遠隔診断システム)につなげた時にサービスマンがON状態にするが、一般のユーザは原則として触れることはできない。したがって、この通信許可スイッチ111はそれを備えた複写機が画像形成装置管理システムにつながっている時にはON状態を維持する。
【0056】
図6は、複写機1のドラム回りの一例を示す概略構成図である。
この複写機1において、41は有機光導電体によって構成された感光体ドラムであり、その回りに帯電チャージャ42,露光ユニット(スキャナユニット)43,現像ユニット44,転写チャージャ45,分離チャージャ46,および定着ユニット47等の画像形成プロセス機器が順次配置されている。
【0057】
感光体ドラム41は図示しないメインモータによって回転され、その表面を露光ユニット43からの原稿画像に応じた光により露光して静電潜像を形成し、その潜像を現像バイアス印加電源48によって一定の現像バイアスが印加された現像ユニット44の現像ローラ44aによりトナーを付着して顕像化(トナー像を形成)した後、給紙カセット49からレジストローラ50を介して送られてくる転写紙上に転写チャージャ45により転写する。
【0058】
その後、その転写紙を分離チャージャ46によって感光体ドラム41から剥離して定着ユニット(定着ローラ)47へ向けて搬送し、そこでトナー像を加熱定着した後、図示しない排紙トレイに排出する。
感光体ドラム41上の残留トナーは、図示しないクリーニンクユニットによって除去される。
【0059】
また、この複写機1には、画像コントロールに係わる電位センサ(表面電位計)51,トナー濃度計52,画像濃度センサ53,温度センサ54,湿度センサ55等の各種センサ(検出部)、および露光時間カウンタ56,トータルカウンタ57,ドラム回転数カウンタ58等の各種カウンタが備えられている。
【0060】
電位センサ51は感光体ドラム41の表面電位(帯電チャージャ42による帯電電位と露光ユニット43による露光部分の電位)を、トナー濃度計52は現像ユニット44内のトナー濃度を、画像濃度センサ53は感光体ドラム41上に残留したトナー像(画像)の濃度を、温度センサ54は感光体ドラム41近傍の温度を、湿度センサ55は感光体ドラム41近傍の湿度をそれぞれ検出する。
【0061】
露光時間カウンタ56は露光ユニット43による露光時間を、トータルカウンタ57はレジストローラ50の回転に同期して積算コピー枚数(トータルコピー枚数)を、ドラム回転数カウンタ58は感光体ドラム41の回転数をそれぞれカウントする。
【0062】
図7は、複写機1の操作部70の構成例を示すレイアウト図である。
この操作部70は、テンキー71,クリア/ストップキー72,コピースタートキー73,エンタキー74,割り込みキー75,予熱/モードクリアキー76,モード確認キー77,画面切り替えキー78,呼び出しキー79,登録キー80,ガイダンスキー81,表示用コントラストボリューム82,及び文字表示器83を備えている。
【0063】
テンキー71は、コピー枚数や倍率等の数値を入力するためのキーである。
クリア/ストップキー72は、コピー枚数(置数)をクリアしたり、コピー動作をストップさせたりするためのキーである。
コピースタートキー73は、コピー動作をスタートさせるためのキーである。エンタキー74は、ズーム倍率や綴じ代寸法用置数等の数値の指定を確定させるためのキーである。
【0064】
割り込みキー75は、コピー中に割り込んで別の原稿をコピーする時などに使用するキーである。
予熱/モードクリアキー76は、設定した全てのコピーモードの内容を取り消したり、予熱モードを設定して節電状態にしたりするためのキーである。
モード確認キー77は、文字表示器83に選択的に表示される各コピーモードを一覧表示で確認するためのキーである。
【0065】
画面切り替えキー78は、文字表示器83の表示形態を使用者の熟練度に応じて切り替えるためのキーである。
呼び出しキー79は、ユーザプログラムを呼び出すためのキーである。
登録キー80は、ユーザプログラムを登録するためのキーである。
ガイダンスキー81は、文字表示器83にガイダンスメッセージ等を表示するためのキーである。
【0066】
表示用コントラストボリューム82は、文字表示器83のコントラストを調整するためのものである。
文字表示器83は、液晶(LCD),蛍光表示管等のフルドット表示素子を用い、その上に多数のタッチセンサを内蔵した透明シート状のマトリックスタッチパネルを重ねており、電源投入により、複写機1の状態(「コピーできます」「コピー中です」「転写紙がありません」等),コピー枚数,各種キーを示すコピーモード設定画面を表示する。
【0067】
このコピーモード設定画面が表示されている時は、通常のコピーモードを設定することができる。つまり、コピーモード設定画面上のキーを押下(タッチ)することにより、給紙カセット(転写紙サイズ),自動用紙(原稿サイズと設定倍率により最適な転写紙が収納されている給紙カセットが自動選択される),画像濃度(コピー濃度),自動濃度(原稿の濃度に応じて画像濃度が自動選択される),変倍率(等倍,縮小,拡大,用紙指定変倍,ズーム変倍,寸法変倍),両面モード(転写紙の表裏面に原稿の画像をコピーするモード),綴じ代モード,ソートモード等の各種のコピーモードを任意に設定することができ、押下されたキーは白黒反転表示に切り替わる。
【0068】
また、複写機1は、通常のコピーモードとは別に、サービスマンが修理,保守作業時に使用するサービスマンモードを設定することもできる。この場合、例えばサービスマンが予熱/モードクリアキー76を押下し、次にテンキー71の「1」「0」「7」の各キーを順次押下し、最後にクリア/ストップキー72を3秒以上押下することにより、サービスマンモードに移行して、文字表示器83にサービスマンモード画面を表示し、サービスマンモード下で、サービスマンは各種センサの状態および各モータ,クラッチ等の負荷の動作などのチェックを行ない、修理および保守作業を実施することができる。
【0069】
次に、この遠隔画像形成装置管理システムの概略機能について説明する。
この遠隔画像形成装置管理システムにおける一般の制御には、大きく分けて以下の(1)〜(3)に示す3種類の制御がある。
(1)サービスセンタ200からのテキストによる制御
(2)複写機1からのテキストによる制御
(3)通信コントロール装置18独自の制御
【0070】
(1)のサービスセンタ200からのテキストによる制御には、例えば特定の複写機1の各ユニットの制御電圧,電流,抵抗,タイミング等の調整値の設定および読み取り、トータルコピー枚数,ミスフィード回数等のカウンタの読み取り及び初期化(リセット)などがある。
【0071】
これらの制御は、サービスセンタ200からのテキスト(指令信号)を受信して、通信コントロール装置18から複写機1へのセレクティングによって行なう。セレクティングとは、接続されている複数の複写機1のいずれかを選択して通信する機能をいう。
【0072】
各複写機1はそれぞれ特有のデバイスコードを持ち、通信コントロール装置18は予め設定されたセレクティングを示す特定コードと選択すべき複写機1のデバイスコードとをシリアル通信インタフェースRS−485上に送出する。
各複写機1はそれぞれ、セレクティングを示す特定コードにより、次に続くデバイスコードと自己のデバイスコードとを比較し、両コードが一致した時に自分がセレクティングされたことを知る。
【0073】
(2)の複写機1からのテキストによる制御には、自己診断異常通報であるサービスマンコール(SC)の発生(この発生により即時に自発呼する)、交換部品の交換指定回数,指定時間への接近、センサの規格レベルへの到達など、予防保全を必要とする事前警告通報(アラーム)の発生(この発生日の指定時刻に自発呼する)、複写機1側のオペレータ(顧客)が操作部70で予め定められた特定の操作を実行(マニュアルスイッチを押下)することによって直接サービスセンタ200を呼び出す遠隔通報キーコール(これに対するサービスセンタ200からの応答は一般電話による)がある。
【0074】
これらの制御は、通信コントロール装置18からのポーリング時に行なう。ポーリングとは、接続されている複数の複写機1を順番に指定し、その指定された複写機1からの通信要求の有無を確認する機能をいう。
通信コントロール装置18は、予め定められたポーリングを示す特定コードと選択すべき複写機1のデバイスコードとをシリアル通信インタフェースRS−485上に送出する。
【0075】
各複写機1はそれぞれ、ポーリングを示す特定コードにより、次に続くデバイスコードと自己のデバイスコードとを比較し、両コードが一致した時に自分がポーリングされたことを知る。
通信コントロール装置18は、そのポーリングに対する複写機1の応答によって、その複写機1へのセレクティング動作に移行するか、次の複写機1へのポーリングに移行するかを選択する。
【0076】
(3)の通信コントロール装置18独自の制御には、トータルカウンタ値(積算コピー枚数)の読み出しがある。
この制御は、通信コントロール装置18から複写機1への1日1回定時(0時0分、但しこの時刻に複写機の電源がOFFになっている場合は、この時刻以降に初めて電源がONになった時)のセレクティングによって行なう。
【0077】
通信コントロール装置18は、自機に接続されている複写機1毎にトータルカウンタ用のメモリを2個(仮にこれらをそれぞれA,Bとする)用意してあり、上記1日1回のセレクティングによって読み取ったトータルカウンタ値をメモリAに書き込む。したがって、メモリAは毎日(但し例えば休日のように1日中複写機1の電源がON状態にならない場合を除く)前日の値が書き換えられることになる。
【0078】
また、毎月1回予め決められた日時(これはサービスセンタ200により設定され、通信コントロール装置18内のRAM186の図4の対応するパラメータ領域に記憶される)にメモリAに記憶されているトータルカウンタ値をメモリBにコピーする。
【0079】
そして、サービスセンタ200が上記日時(メモリAの内容がメモリBにコピーされる日時)以降にトータルカウンタ値を読みに行くと、通信コントロール装置18はメモリBに記憶されたトータルカウンタ値を公衆回線17を介してサービスセンタ200へ送出する。
【0080】
なお、通信コントロール装置18は、自機に接続されている複写機1毎にメモリA,Bを組み合わせたメモリを複数組用意している。これは、例えば白黒コピー用,アプリケーションコピー用,カラーコピー用等の種々のトータルカウンタ値が考えられるためである。
【0081】
図8は、通信コントロール装置18におけるポーリングおよびセレクティングに係わる処理の一例を示すフローチャートである。
通信コントロール装置18は、サービスセンタ200からの公衆回線17経由の着信がない限り、常に接続されている複数の複写機1に対して順次ポーリング動作を行なう。このポーリング動作は、前述したように、複写機1からの接続要求を確認するためのものである。
【0082】
ポーリング動作によって指定された複写機1は、自己のデバイスコードが指定されたとき、これに対する応答を行なうが、サービスセンタ200に対する発信要求がない(送出データがない)場合には予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)による否定応答を、発信要求がある場合には予め定められた別の特定コード(又はコードの組み合わせ)による肯定応答をそれぞれ出力する。
【0083】
通信コントロール装置18は、ポーリング動作によって指定した(ポーリングされた)複写機1から否定応答を受信すると、ポーリングの順番を次の複写機1に移し、上述と同様の制御を継続する。肯定応答を受信すると、ポーリング動作を一旦中断してセレクティング動作に移る。
肯定応答の受信によってセレクティング動作が行なわれると、その肯定応答を送信した複写機1は、セレクティングに対応可能な場合には肯定応答を、対応不可能な場合には否定応答をそれぞれ出力する。
【0084】
通信コントロール装置18は、肯定応答を受信すると、その応答を送信した複写機1に予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)による通信許可信号を出力して、その複写機1との通信を開始する。
そして、通信手順に従った複写機1との通信が終了すると、中断していたポーリング動作を再開する。
【0085】
また、上記ポーリング動作において、通信コントロール装置18が出力するデバイスコードに対応する複写機1が、電源OFFになっている場合や接続されていない場合等があり、肯定応答,否定応答のいずれも得られない場合は、予め定められた時間経過後にポーリングの順番を次の複写機1に移し、上述と同様の制御を継続する。
【0086】
なお、通信コントロール装置18からサービスセンタ200への自発呼には、前述したように故障発生により即時に自発呼する項目と発生日の指定時刻に自発呼する項目があり、それぞれに担当する項目を予め設定しておく。
また、通信コントロール装置18は、サービスセンタ200から公衆回線17経由の着信発生により、ポーリング動作を一旦中断して複写機1に予め定められた特定コード(又はコードの組み合わせ)による通信許可信号を出力して、その複写機1との通信を開始する。そして、通信手順に従った複写機1との通信が終了すると、中断していたポーリング動作を再開する。
【0087】
図9は、複写機1におけるポーリングおよびセレクティングに係わる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、複写機1の電源がONになってから定期的に行なわれるものである。
各複写機1はそれぞれ、ステップS1,S2で通信コントロール装置18からポーリング又はセレクティングされたか否かをチェックする。
【0088】
そして、ポーリングされた場合は、ステップS7に分岐して送出データ(発信要求)の有無をチェックし、送出データがある場合にはステップS8で肯定応答を出力し、処理を終了して通信コントロール装置18からのセレクティングを待つ。送出データがない場合には、ステップS9で否定応答を出力し、処理を終了する。
【0089】
一方、通信コントロール装置18からセレクティングされると、ステップ3でセレクティングに対応可能か否かをチェックし、対応可能な場合にはステップS4で肯定応答を出力し、ステップS5でセレクティング処理(通信)を実行し、処理を終了する。コピー中などでセレクティングに対応不可能な場合には、ステップS6で否定応答を出力し、処理を終了する。
【0090】
図10は、通信コントロール装置18と複写機1との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
同図において、通番は1回の送信(ポーリングまたはセレクティング)の中での通信ブロック番号であり、最初のブロックは「01」で始まり、以降1ずつ増加させて「99」の次は「00」とする。
【0091】
デバイスコードは、各複写機1毎にアドレス設定スイッチ110(図5参照)によって設定された値と比較参照し、ポーリング又はセレクティングが自複写機1に対するものなのかどうかを判定するために使用する。
処理コードは、通信目的の種類を示すコードであり、表1に示すように決められている。
【0092】
【表1】
【0093】
情報レコードは情報コード,データ部桁数,およびデータ部からなり、情報コードは具体的な通報情報の種別コード(例えば転写紙ジャムトータル回数,種類別SC回数)を表わす。
データ部桁数は、データ部のデータ長で、ASCIIコードを表わし、データ部がない場合は「00」とする。
【0094】
最後に、データ部は各情報コードの詳細な内容を表わすデータ(例えば転写紙ジャムトータル回数の場合はカウンタ値、種類別SC回数の場合は自己診断異常(SC)が発生した箇所および部品名称)を表わす。
デバイスコードと処理コードとの間、処理コードと情報コードとの間、情報レコードと情報レコードとの間には、それぞれセミコロン(;)によるセパレータが挿入される。
【0095】
図11は複写機1の通信インターフェースユニット109とCPU100との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図であり、図10に示した通信コントロール装置18と複写機1との間で授受されるテキストデータからヘッダ,デバイスコード,及びパリティ部分を取り除いたものである。
【0096】
図12は、サービスセンタ200と通信コントロール装置18との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
同図のIDコードは、通信コントロール装置18及びその通信コントロール装置18に接続された複数の複写機1から1台の複写機1を特定する目的を持っている。
【0097】
このIDコードと図10のデバイスコードは、通信コントロール装置18内のRAM186のパラメータ領域に記憶されており、テキストデータの送出方向により適宜変換される。
識別コードは、図10の処理コードにテキストデータの発信元,受信先を付加したものであり、これも、テキストデータの送出方向により、通信コントロール装置18によって適宜付加,削除される。
【0098】
図13は、この遠隔画像形成装置管理システムを構成するサービスセンタ200および複写機1におけるこの発明に係わる各出力信号値と時間との関係の一例を示す線図である。
【0099】
各複写機1のCPU100はそれぞれ、図6に示した電位センサ51,画像濃度センサ53,温度センサ54,湿度センサ55等の各センサの出力信号値Vがそれぞれ予め設定された限界値(Va,Vb,Vc,Vd)を超えた時点の各種通報情報(機能情報,履歴情報,および状態情報(トナー,オイル,コピー用紙である転写紙等の消耗品の状況や各種センサの出力値,各種調整箇所の設定値,各種ユニットの接続状態))および発生年月日を作成する。
【0100】
ここで、電位センサ51,画像濃度センサ53,温度センサ54,湿度センサ55等の各センサの出力信号値(電圧値)Vが、図13に示すように、時間tの経過と共に変化しているものと仮定する。
Vaは複写機1の動作限界(自己診断異常)の上限値を、Vdは複写機1の動作限界の下限値をそれぞれ示す。
【0101】
各複写機1のCPU100はそれぞれ、稼動(コピー動作)中に、上記の各センサの出力信号値Vがそれぞれ動作限界値Va,Vdの範囲を超えると、自己診断異常通報(SC)の処理コード(例えばSCコール「30」)を付加した自己診断異常通報情報を通信インターフェースユニット109を経由して通信コントロール装置18へ送信する。
【0102】
通信コントロール装置18は、各複写機1のいずれかから自己診断異常通報情報を受信すると、RAM186のパラメータ領域に記憶されている連絡先電話番号(図4参照)に基づいて、自発呼によりサービスセンタ200を呼び出し、先に受信した自己診断異常通報情報を公衆回線17を介してサービスセンタ200へ送信する。
Vbは複写機1の動作事前警告(事前警告)の上限値を、Vcは複写機1の事前警告の下限値をそれぞれ示す。
【0103】
各複写機1のCPU100はそれぞれ、出力信号値Vが事前警告値Vb,Vcの範囲を超えて時間tnを経過すると、事前警告通報(アラーム)の発生時点の機能情報,履歴情報,および状態情報(トナー,オイル,転写紙等の消耗品の状況や各種センサの出力値,各種調整箇所の設定値,各種ユニットの接続状態)および発生年月日に事前警告通報の処理コード(アラームコール「32」)を付加した事前警告通報情報を通信インターフェースユニット109を経由して通信コントロール装置18へ送信する。
【0104】
通信コントロール装置18は、事前警告通報情報を受信すると、それをRAM186に一旦記憶し、そのRAM186のパラメータ領域に記憶されている通報日時(図4参照)になった時点で、他のパラメータ領域に記憶されている連絡先電話番号に基づいて、サービスセンタ200を自発呼により呼び出し、RAM186に記憶しておいた事前警告通報情報を公衆回線17を介してサービスセンタ200へ送信する。
【0105】
次に、この遠隔画像形成装置管理システムにおける管理テーブルについて、図14および図15を参照して説明する。
図14および図15は、この遠隔画像形成装置管理システムにおける管理テーブルを説明するための図である。
顧客別複写機(画像形成装置)テーブル1600の各エントリはそれぞれ、以下の(A1)〜(A6)にそれぞれ示す各項目から構成される。
【0106】
(A1)顧客先に設置されている複写機1の機種番号(図4参照)とシリアル番号(機番)を記憶する機種機番項目1600a(1600a1〜1600an)
(A2)顧客名を記憶する顧客名項目1600b(1600b1〜1600bn)
(A3)複写機1の保守(又は修理)を担当するサービスステーション210の端末装置(パソコン211又はFAX装置212)のタイプを記憶する端末タイプ項目1600c(1600c1〜1600cn)
【0107】
(A4)複写機1の保守を担当するサービスステーション210の端末装置の呼び出し用電話番号を記憶する電話番号項目1600d(1600d1〜1600dn)
(A5)顧客先に設置されている通信コントロール装置18の呼び出し用電話番号を記憶する電話番号項目1600e(1600e1〜1600en)
(A6)機種機番項目1600aに記憶されている機種機番の複写機1の保守を担当するサービスステーション210の識別を行なうssIDコードを記憶するssIDコード項目1600f(1600f1〜1600fn)
【0108】
この顧客別複写機テーブル1600は、顧客先への複写機1の設置時に、センタオペレータによるクライアント201a,201b,……,201nのキーボード等の入力装置上の操作によって入力される(外部から入力される)コマンドにより設定され、サービスセンタ200のファイルサーバ204の外部記録装置203上に常駐される。
【0109】
顧客別複写機テーブル1600は、サービスセンタ200で通報情報が受信された時、通報情報の受信確認の報知が行なわれる時、および遠隔地の端末装置に報知が行なわれる時に、それぞれ参照される。
サービスセンタ200の各クライアント201a,201b,……,201nはそれぞれ、受信した通報情報のIDコードとしての機種番号(図4参照)およびシリアル番号から顧客別複写機テーブル1600を検索し、顧客先および複写機1を確定することができる。
【0110】
通報蓄積テーブル1700は、通報別蓄積ファイルに蓄積した通報情報の管理情報を記憶するテーブルであり、その各エントリはそれぞれ以下の(B1)〜(B9)にそれぞれ示す各項目から構成される。
(B1)通報情報を送信した複写機1の機種番号(図4参照)とシリアル番号(機番)を記憶する機種機番項目1700a(1700a1〜1700an)
(B2)送信した通報情報の通報別報知テーブルのポインタを記憶する通報別報知ポインタ項目1700b(1700b1〜1700bn)
【0111】
(B3)通報情報を通報別蓄積ファイルに蓄積した日時を記憶する開始時間項目1700c(1700c1〜1700cn)
(B4)通報情報を通報別蓄積ファイルに蓄積してからの経過時間(通報情報に対応する未処置経過時間)を記憶する経過時間項目1700d(1700d1〜1700dn)
(B5)蓄積した通報情報の実際の通報内容を記憶した通報別蓄積ファイルの物理的なポインタを記憶するポインタ項目1700e(1700e1〜1700en)
【0112】
(B6)蓄積した通報情報の内容を表示しているクライアント番号を記憶するクライアント番号項目1700f(1700f1〜1700fn)
(B7)蓄積した通報情報の報知方法の指示を記憶する報知指示項目1700g(1700g1〜1700gn)
(B8)通報情報の識別コードに続く、具体的な通報情報の種別コードが記憶されている情報レコードの情報コードを記憶する種別コード項目1700h(1700h1〜1700hn)
【0113】
(B9)通報情報が現在処置中であることを示す情報を記憶する処置項目1700i(1700i1〜1700in)
通報蓄積テーブル1700の各エントリは通報情報の受信毎に作成され、またサービスマンが遠隔地の複写機1の修理を開始した時に該当するエントリは削除される。この通報蓄積テーブル1700は、サービスセンタ200のファイルサーバ204の外部記録装置203に常駐される。
【0114】
通報別報知テーブル1800は、通報情報の種別コードの報知方法と指定値を定義し、通報情報の報知方法を表わす管理テーブルであり、その各エントリはそれぞれ以下の(C1)〜(C4)にそれぞれ示す各項目から構成される。
(C1)具体的な通報情報の種別コードを記憶する種別コード項目1800a(1800a11〜1800ann)
【0115】
(C2)種別コード項目1800aに記憶されている種別コードの報知方法の指示を記憶する指示項目1800b(1800b11〜1800bnn)
(C3)予め設定を行なう第一次報知方法に関する指定値(所定時間)を記憶する指定値1項目1800c(1800c11〜1800cnn)
(C4)予め設定を行なう第二次報知方法に関する指定値(所定時間)を記憶する指定値2項目1800d(1800d11〜1800dnn)
【0116】
指示項目1800bは、第一次報知方法,第二次報知方法,又は両報知方法の指定が可能である。また、この通報別報知テーブル1800は複数定義することが可能である。例えば、顧客a社には第1の通報別報知テーブル1800、またはb機種には第nの通報別報知テーブル1800nと定義することにより、報知方法を顧客別または機種別に選択することが可能になる。
【0117】
このような通報別報知テーブル1800は、センタオペレータによるクライアント201a,201b,……,201nの入力装置上の操作によって入力されるコマンドにより設定され、ファイルサーバ204の外部記録装置203に常駐される。また、通報別蓄積ファイルは外部記録装置203に格納される。
【0118】
顧客別報知テーブル1900は、顧客別の通報情報の報知方法を定義する管理テーブルであり、その各エントリはそれぞれ以下の(D1)(D2)にそれぞれ示す項目から構成される。
(D1)顧客先に設置されている複写機1の機種機番を記憶する機種機番項目1900a(1900a1〜1900an)
(D2)機種機番項目1900aに記憶されている機種機番の複写機1から送信された通報情報の報知方法を示す通報別報知テーブル1800のポインタを記憶するポインタ項目1900b(1900b1〜1900bn)
【0119】
機種別報知テーブル2000は、機種別の通報情報の報知方法を定義する管理テーブルであり、その各エントリはそれぞれ以下の(E1)(E2)にそれぞれ示す項目から構成される。
(E1)顧客先に設置されている複写機1の機種機番を記憶する機種機番項目2000a(2000a1〜2000an)
(E2)機種機番項目2000aに記憶されている機種機番の複写機1から送信された通報情報の報知方法を示す通報別報知テーブル1800のポインタを記憶するポインタ項目2000b(2000b1〜2000bn)
【0120】
サービスステーション別報知テーブル2100は、サービスステーション別の通報情報の報知方法を定義する管理テーブルであり、その各エントリはそれぞれ以下の(F1)(F2)にそれぞれ示す項目から構成される。
(F1)サービスステーション210の識別を行なうssIDコードを記憶するssIDコード項目2100a(2100a1〜2100an)
【0121】
(F2)ssIDコード項目2100aに記憶されているssIDコードのサービスステーション210が保守(又は修理)を担当する複写機1から送信された通報情報の報知方法を示す通報別報知テーブル1800のポインタを記憶するポインタ項目2100b(2100b1〜2100bn)
【0122】
サービスステーションマスタテーブル2200は、顧客の複写機1の保守担当区を定義する管理テーブルであり、その各エントリはそれぞれ以下の(G1)〜(G2)にそれぞれ示す各項目から構成される。
(G1)サービスステーション210の識別を行なうssIDコードを記憶するssIDコード項目2200a(2200a1〜2200an)
【0123】
(G2)ssIDコード項目2200aに記憶されているssIDコードのサービスステーション210が保守を担当する複写機1の機種機番を記憶する機種機番項目2210am(2210a11〜2210anm)
【0124】
このサービスステーションマスタテーブル2200は、サービスステーション210別に第一次報知又は第二次報知の指示を行なう時に参照される。また、上述した各管理テーブルは、センタオペレータによる各クライアント201a,201b,……,201nの入力装置上の操作によって入力されるコマンドにより設定され、ファイルサーバ204の外部記録装置203に常駐される。
【0125】
次に、上述した各管理テーブルの関係について具体的に説明する。
サービスセンタ200の各クライアント201a,201b,……,201nはそれぞれ、図12に示したフォーマットの通報情報(テキストデータ)の受信処理が終了すると、そのIDコードとして付加された機種番号(図4参照)およびシリアル番号からファイルサーバ204の外部記録装置203内の顧客別複写機テーブル1600を検索する。
【0126】
次いで、検索した顧客別複写機テーブル1600の機種機番項目1600aから顧客先および複写機1の妥当性のチェックを行ない、正当な場合には上記機種番号およびシリアル番号を通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの機種機番項目1700aに格納した後、受信した通報情報の識別コードのチェックを行ない、その識別コードに対応する通報別蓄積ファイルに通報情報を格納(蓄積)する。
【0127】
そして、通報情報の格納が正常に終了した時に、通報情報の実際の通報内容を格納した通報別蓄積ファイルの物理的なポインタをポインタ項目1700eに、通報情報を通報別蓄積ファイルに格納した日時を開始時間項目1700cに、通報情報の識別コードに続く、具体的な通報情報の種別コードが記憶されている情報レコードの情報コードを種別コード項目1700hにそれぞれ格納する。
【0128】
次に、機種機番項目1700aに格納した機種番号およびシリアル番号をキーに顧客別複写機テーブル1600に対する検索処理を実施し、一致したテーブルエントリのポインタのssIDコード項目1600fにサービスステーション210の識別を行なうssIDコードが格納されているか否かをチェックし、ssIDコードが格納されていればそのssIDコードをキーに検索処理を実施する。
【0129】
そして、一致したテーブルエントリのポインタのポインタ項目2100bから通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを取得し、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの通報別報知ポインタ1700bに格納する。
サービスステーション210の識別を行なうssIDコードが格納されていない場合は、機種機番項目1700aに格納した機種番号およびシリアル番号をキーに顧客別報知テーブル1900に対する検索処理を実施する。
【0130】
そして、一致したテーブルエントリのポインタ項目1900bに格納されている通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの通報別報知ポインタ1700bに格納する。
また、一致したテーブルエントリが存在しない場合は、機種別報知テーブル2000に対する検索処理を行ない、以後上述と同様の処理を行なう。
【0131】
上述のサービスステーション別報知テーブル2100,顧客別報知テーブル1900,および機種別報知テーブル2000の順の検索処理により、一致したテーブルエントリが見つからなかった場合は、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの通報別報知ポインタ項目1700bにゼロ「0」を格納する。
【0132】
また、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの処置項目1700iに通報情報が処置中であることを示す情報(遠隔処置フラッグ)を設定(格納)し、通報情報の内容を表示エリアに表示してセンタオペレータに知らせた後、センタオペレータにより何らかの処置(キーボードの操作)が行なわれると、処置中のフラッグ設定を行なう。この項目が設定されている場合は、経過時間の計数を行なわない。
【0133】
次に、この実施形態におけるサービスセンタ200側の主要部について、説明する。
図16は、サービスセンタ200の具体的構成例を示す図である。
【0134】
サービスセンタ200内に設置されている各クライアント201a,201b,201c,201d,201e,……,201nには、それぞれ各モデム202a,202b,202c,202d,202e,……,202nが接続され、その各モデムが顧客先の通信コントロール装置18と公衆回線17を介して接続されている。
【0135】
その各モデム202a,202b,202c,202d,202e,……,202nは、それぞれ各クライアント201a,201b,201c,201d,201e,……,201nと接続されている。ここでは、1台のクライアントに1台又は複数台のモデムが接続されている。
【0136】
クライアント1台にモデムを1台だけ接続する場合は、そのクライアントのシリアルポート(COM1)にモデムが直接接続され、クライアント1台にモデムを複数台接続する場合は、そのクライアントのMCAスロットに挿入されたRICボードを介してモデムが接続されている。
【0137】
RICボードは、それ自体小さなOS(オペレーティングシステム)を搭載しており、自メモリ上に後述するプロトコルドライバ301(図18参照)をダウンロードする。そのプロトコルドライバ301は、それぞれマルチタスクで非同期に動作可能である。通常、複数ポート使用時のクライアントのCPUの負荷を低減するため、RICボード内に通信プロトコルを実現するプログラムをダウンロードする。
【0138】
図17は、サービスセンタ200の主要部の具体的構成例を示す機能ブロック図である。
サービスセンタ200は、後述する送受信部250,蓄積部251,表示部252,計数部253,報知部254,受信確認部255,削除部256,変更部257の機能を有し、これらが前述したこの発明に係わる各手段を実現する。
【0139】
図18は、図17の送受信部250の具体的構成例を示す図である。
この送受信部250は、クライアント201a〜201nにおける通信コントロール装置18との間のデータの送受信を行なうものであり、3層アーキテクチャで構成されている。そのうちのプロトコル層300は、通信コントロール装置18との間の通信プロトコルを実現するものであり、シリアルドライバの上位に位置し、通信ハードウエア毎に実装され、セッション層310から見たとき、通信ハードウエアの違いを吸収する。
【0140】
このプロトコル層300はプロトコルドライバ301とプロトコルスタック302とによって構成され、そのうちのプロトコルドライバ301はポート(モデム)の数だけロードされる。RICボードの場合、プロトコルドライバ301はRICボードの内部メモリにダウンロードされ、このプロトコルドライバ301は発呼要求を受け取ると、次のような制御を行なう。
【0141】
すなわち、モデム(202a〜202n)に対して通信コントロール装置18との一連のプロトコルシーケンスを開始する。また、常時モデムを監視し、通信コントロール装置18からのデータの送信があった場合、速やかにプロトコルシーケンスに従って通信コントロール装置18からのデータを受信する。その受信が完了すると、プロトコルスタック302を介して受信完了をセッション層310に通知する。
【0142】
プロトコルスタック302は、プロトコルドライバ301と発呼被呼制御部311との間に位置し、送信データ,受信データ,及び制御データの受け渡しを行なう。
【0143】
次のセッション層310は、プロトコル層300にて実現されている複数のPP(物理ポート)303を管理し、プレゼンテーション層320からの通信要求(発呼処理,被呼処理)に対してPP30の検索を行ない、通信を開始する。
また、通信コントロール装置18からの受信完了を監視し、受信完了時にプレゼンテーション層320にその旨を通知してデータを渡す。
【0144】
プレゼンテーション層320は、PP303を直接参照することはなく、あくまでもセッション層310にてリンクされたVP(仮想ポート)312をアクセスする。
最後のプレゼンテーション層320は、セッション層310の上位にあって、次の機能によって構成される。
【0145】
すなわち、VP312をハンドリングするVPハンドラ321と、クライアント本体からの送信要求の処理を行なう送信要求部322と、VP312をポーリングし、受信データを上位機能に渡す受信監視部323とによって構成され、通信コントロール装置18との間のデータの授受を実現する。
【0146】
送信要求部322は、VP312に対して送信通信を行なう。上位機能からは実際に実装されているプロトコルドライバ301を意識する必要がなく、使用可能なPP303の管理をセッション層310に任せることにより、物理的なポートの意識が不要になる。受信処理は、VP312をポーリングすることにより、物理的な受信ポートを意識する必要が全くなくなる。
【0147】
図19は図17の送受信部250および蓄積部251による受信データの流れを示すブロック図、図20は送受信部250によるデータ受信処理の一例を示すフロー図、図21は蓄積部251によるデータ蓄積処理の一例を示すフロー図である。
【0148】
送受信部250のプレゼンテーション層320に位置する受信監視部323が、まず被呼VP312のポート数の確保等のイニシャル処理を実行し、次に複写機1が接続されている通信コントロール装置18(又はパソコン211)からのデータを読み込むための読込領域を確保し、被呼VP312のオープンを行ない、通信コントロール装置18(又はパソコン211)からのデータの受信監視を開始する(ステップS11〜S14)。
【0149】
そして、通信コントロール装置18(又はパソコン211)からのデータの受信が正常に終了したか、異常事象が発生したかの受信状況の監視を続け、被呼VP312が受信完了状態となり、その被呼VP312のバッファに受信データが存在する場合、その受信データを被呼VP312のバッファからステップS12で確保した読込領域に読み込む(ステップS15,S16)。
【0150】
次いで、その読込領域に読み込んだ受信データを受信データファイル324に書き込み、その書き込み処理が正常に終了した時に、次の受信データを処理するために受信状況の監視を続ける(ステップS17,S18,S14,S15)。書き込み処理が正常に終了できなかった(エラーが発生した)場合には、被呼VP312をクローズし、クライアント(201a,201b,……,201nのいずれか)の表示装置にエラー表示を行ない、リトライ指定がある場合には再び被呼VP312のオープンを行ない、受信状況の監視を続ける(ステップS19〜S21,S13〜S15)。
【0151】
一方、蓄積部251は上述した受信監視部323と非同期に動作を行ない、まず共有メモリの確保等の内部データのイニシャル処理(顧客先受信データイニシャル処理)を実行し、このイニシャル処理が正常に終了できなかった(エラーが発生した)場合には、クライアントの表示装置にエラー表示を行なって処理を終了する(ステップS31,S32,S42)。
【0152】
イニシャル処理が正常に終了した場合には、受信監視部323で作成された受信データファイル324が存在する(受信データが格納されている)か否かのチェックを行ない、存在すればその受信データファイル324の受信データを読み込み、その読み込み中にエラーが発生した(読み込みが異常終了の場合)場合には、エラー表示を行なって処理を終了する(ステップS33〜S35,S40〜S42)。
【0153】
受信データの読み込みが正常に終了した場合には、読み込んだ受信データのIDコード(図12参照)として付加された機種番号及びシリアル番号から顧客先および複写機(画像形成装置)の妥当性のチェックを行ない、次に識別コードが遠隔通報キーによる遠隔通報を示すか、自己診断異常による遠隔通報を示すか、事前警告の遠隔通報を示すかの種別のチェックを行なう(ステップS35,S36)。
【0154】
そして、識別コードが遠隔通報キーによる遠隔通報、自己診断異常による遠隔通報、あるいは事前警告の遠隔通報を示す場合、対応する通報別データである通報別蓄積ファイル331および通報蓄積テーブル1700の更新処理および受信データ(通報情報)の蓄積件数の計数処理(更新処理)を行ない(但し識別コードが遠隔通報キーによる作業開始時刻および作業終了時刻の通報を示す場合、後述する処理を行なう)、この更新処理中にエラーが発生した場合(更新処理が異常終了の場合)には、クライアントの表示装置にエラー表示を行なって処理を終了する(ステップS37,S38,S40〜S42)。
【0155】
更新処理が正常終了の場合には、読み込んだ受信データのファイル324の削除を行なった後、再び受信監視部323で作成された受信データファイル324が存在するか否かのチェックを行ない、その受信データファイル324が存在しなければクライアントのキーボード等の入力装置上の操作によって終了指示が指定されたか否かのチェックを行ない、終了指示が指定された場合には終了が正常終了か異常終了かのチェックを行なう(ステップS38,S39,S33,S40,S41)。
【0156】
そして、正常終了の場合には処理を終了するが、異常終了の場合にはクライアントの表示装置にエラー表示を行なって処理を終了する(ステップS41,S42)。
終了指示が指定されない場合は、再び受信監視部323で作成された受信データファイル324が存在するか否かのチェックに戻り、上述と同様の判断及び処理を続ける(ステップS40,S33)。
【0157】
図22は、図17の表示部252および報知部254によるデータ表示処理の一例を示すフロー図である。
表示部252は、上述した蓄積部251と非同期に動作を行ない、まず蓄積部251によって通報別蓄積ファイル331に蓄積された通報情報が表示装置に表示されているか否かのチェックのために、通報蓄積テーブル1700の各エントリのクライアント番号項目1700fの検索を開始する(ステップS51,S52)。
【0158】
ここで、通報別蓄積ファイル331に蓄積された通報情報の内容がクライアントの表示装置に表示されている場合、そのクライアント番号が該当するエントリのクライアント番号項目1700fに格納される。
次に、表示すべき通報情報が存在するか否かのチェックを行ない、存在する場合にはクライアントの表示装置に表示可能なエリア(表示エリア)が存在するか否かのチェックを行なう(ステップS53,S54)。
【0159】
そして、表示エリアが存在する場合は、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリのポインタ項目1700eに格納されている通報別蓄積ファイル331の物理的なポインタ(アドレス)に基づいて、その通報別蓄積ファイル331から通報情報を読み出して表示用データに編集すると共に、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの報知指示項目1700gをチェックし、その結果に基づいて表示用データに編集した通報情報をクライアントの表示装置の表示エリアに表示する(ステップS55,S56)。
【0160】
ここで、報知指示項目1700gに第一次報知方法の指示が格納されている(未処置経過時間が予め設定された指定値を超えた)場合は、報知部254が上記表示用データに編集した通報情報の上記表示エリアへの表示色を変化させる。報知指示項目1700gに第二次報知方法の指示が格納されている(未処置経過時間が予め設定された指定値を超えた)場合は、報知部254が上記表示エリアに上記表示用データに編集した通報情報の転送先も表示する。
【0161】
次に、表示部252は、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリのクライアント番号項目1700fに表示を行なったクライアントの番号を格納し、受信確認部255が該当する複写機(クライアントの表示装置の表示エリアに表示した通報情報の送信元の複写機)1へ通報情報を受信した旨を示す受信確認情報を返送(送信)する受信確認処理(追って詳細に説明する)を行なった後(ステップS57,S58)、ステップ51に戻る。
【0162】
また、表示エリアが存在しない場合も、ステップ51に戻る。
表示部252は、ステップ51でクライアントの入力装置上の操作によって終了指示が指定されたか否かをチェックし、終了指示が指定された場合は処理を終了するが、終了指示が指定されていない場合は上述と同様の処理および判断を続ける。
【0163】
この実施形態では、第一次報知方法は、通報情報が長時間未処理であることをセンタオペレータに知らせる方法であり、クライアントの表示装置に表示を行なうとき、赤の表示色で表示を行なう。但し、通報別報知テーブル1800の各エントリの指定値項目(指定値1項目1800c,指定値2項目1800d)の定義を増やすことにより、段階的に(未処置経過時間に従って)表示色又は表示方法を動的に変化(黄色→赤色→表示フラッシング)させることも可能である。
【0164】
図23は図17の送受信部250及び報知部254(又は受信確認部255)による送信データの流れを示すブロック図、図24は送受信部250によるデータ送信処理の一例を示すフロー図である。
【0165】
送受信部250のプレゼンテーション層320に位置する送信要求部322は、まず発呼VP312のポート数の確保等のイニシャル処理を実行し、次にプレゼンテーション層320の上位機能(報知部254および受信確認部255)からのデータを送信するために、発呼VP312のオープン(確保)を行ない、送信要求を開始する(ステップS61〜S63)。
【0166】
そして、通信コントロール装置18(又はパソコン211)へのデータの送信が正常に終了したか、異常事象が発生したかの監視と、上位機能からの送信要求があるか否かを検証し、上位機能から送信要求があった場合、送信データファイル341から送信データを読み込み、その読み込み処理が正常に終了できた(エラーが発生した)か否かを検証する(ステップS64〜S66)。
【0167】
そして、読み込み処理が正常に終了できた場合は、読み込んだ送信データをステップS62でオープンした発呼VP312のバッファに書き込む(ステップS67,S68)。
その後、ステップS65に戻り、送信データがなくなるまで上述と同様の処理を続ける。
【0168】
また、読み込み処理で正常に終了できなかった場合は、ステップS62でオープンした発呼VP312をクローズし、エラー表示を行ない、リトライ指定がある場合には再び発呼VP312のオープンを行ない、送信要求を続ける(ステップS69〜S71,S62〜S63)。
送信データがなくなった場合は、次の送信データを処理するため、通信要求を続ける。
【0169】
図25は、図17の受信確認部255による受信確認処理(図22の受信確認処理のサブルーチン)の一例を示すフロー図である。
受信確認部255は、表示部252によって表示が行なわれた通報情報のIDコード(図12参照)として付加された機種機番(機種番号およびシリアル番号)を取得し、その機種機番をキーに顧客別複写機テーブル1600の検索を行ない、機種機番が一致したエントリの電話番号項目1600eから顧客先に設置されている通信コントロール装置18の呼び出し(発呼)用電話番号を取得する(ステップS81〜S83)。
【0170】
次いで、通報情報を受信した旨を示す受信確認情報として、例えば「通報情報は現在センタで処置中です。暫くお待ち下さい。」の受信確認メッセージを作成し、その受信確認メッセージを送信データファイル341に書き込み、取得した電話番号に基づいて送受信部250に送信要求の発呼を行なわせ、送信データファイル341に書き込んだ受信確認メッセージを公衆回線17および取得した電話番号の通信コントロール装置18を介して通報情報の送信元の複写機1へ送信させ、処理を終了する。
【0171】
ここで、実際の遠隔地の通信コントロール装置18への発呼は送受信部250で行なわれ、サービスセンタ200からのテキストによる制御によって受信確認メッセージを受信した通信コントロール装置18は、自機に接続されている複写機1(通報情報の送信元の複写機1)に受信した受信確認メッセージを送信する。受信確認メッセージを受信した複写機1は、それを図7に示した操作部70の文字表示器83に表示してユーザ(顧客)に知らせる。
【0172】
図26および図27は、図17の計数部253による蓄積計数・報知指定処理の一例を示すフロー図である。
計数部253は、まずクライアントの入力装置上の操作によって終了指示が指定されたか否かをチェックし、終了指示が指定されない場合は前回の処理からN秒経過したか否かのチェックを行なう(ステップS91,S92)。
【0173】
ここで、システムへの負荷減少対策として、処理間隔N秒は、サービスセンタ200内に設置されている各クライアント201a〜201nの表示装置の表示可能なエリア(表示エリア)および通報別蓄積ファイル331への通報情報の蓄積件数により動的に調整される。つまり、サービスセンタ200内に設置されている全てのクライアント201a〜201nの表示装置の表示エリアと通報情報の蓄積件数とを比較し、通報情報の蓄積件数を全て表示可能な場合は処理間隔N秒を長く調整し、表示エリアが減少した場合は処理間隔N秒を短く調整する。
【0174】
前回の処理からN秒経過していない場合は、N秒経過するまで待った後、通報蓄積テーブル1700の検索を行ない、通報別蓄積ファイル331に未処置の通報情報(通報蓄積テーブル1700にエントリ)が存在するか否かのチェックを行ない、未処置の通報情報が存在する場合は現在の時刻(日時)から通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの開始時間項目1700cに格納されている蓄積開始時刻(未処置の通報情報が通報別蓄積ファイル331に蓄積された時刻)を減算し、未処置の通報情報が通報別蓄積ファイル331に蓄積されてからの経過時間(未処置経過時間)を計数し、経過時間項目1700dに格納する(ステップS93〜S95)。
【0175】
次に、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの通報別報知ポインタ1700bに通報別報知テーブル1800のポインタが格納されているか否かのチェックを行ない、そのポインタが格納されていない場合はステップS93に戻って上述と同様の処理を続けるが、格納されている場合はそのポインタから通報別報知テーブル1800のエントリを確定し、種別コード項目1700hに格納されている情報コードに対応する種別コードをキーに先に確定したエントリの種別コード項目1800aの検索を行なう(ステップS96,S97)。
【0176】
そして、種別コードが一致した通報別報知テーブル1800のエントリから指示項目1800bに格納されている報知方法の指示を取得して報知方法のチェックを行ない、報知方法が第一次報知方法の場合は種別コードが一致した通報別報知テーブル1800のエントリから指定値1項目1800cに格納されている指定値(報知指定値Aとする)と算出した経過時間とを比較し、その経過時間が報知指定値Aを超えている場合に通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの報知指示項目1700gに第一次報知方法の指示を格納する(ステップS98〜S102)。
【0177】
報知方法が第二次報知方法の場合は、一致した通報別報知テーブル1800のエントリから指定値2項目1800dに格納されている指定値(報知指定値Bとする)と算出した経過時間とを比較し、その経過時間が報知指定値Bを超えている場合に通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの報知指示項目1700gに第二次報知方法の指示を格納する(ステップS103〜S106)。
【0178】
報知方法が第一次報知方法,第二次報知方法の両方の場合は、一致した通報別報知テーブル1800のエントリから指定値1項目1800c,指定値2項目1800dにそれぞれ格納されている報知指定値A,Bと算出した経過時間とを比較し、その経過時間が報知指定値Aを超えている場合には通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの報知指示項目1700gに第一次報知方法の指示を格納する(ステップS107〜S109,S102)。
【0179】
算出した経過時間が報知指定値Aは超えていないが、報知指定値Bを超えている場合には、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの報知指示項目1700gに第二次報知方法の指示を格納する(ステップS109,S105,S106)。
算出した経過時間が報知指定値A,Bのいずれも超えていない場合は、ステップS93に戻って上述と同様の処理を続ける。
【0180】
一方、通報別蓄積ファイル331に未処置の通報情報(エントリ)が存在しない場合は、ステップS91に戻って終了指示が指定されたか否かのチェックを行ない、終了指示が指定された場合は処理を終了するが、終了指示が指定されない場合は上述と同様の処理を続ける。
【0181】
図28は、サービスマンによる作業手順の一例を示すフロー図である。
サービスマンは、修理又は保守の依頼を受け、顧客先の複写機1の設置場所に到着すると、図7に示した操作部70上の前述したキー操作によって複写機1の操作モードをサービスマンモードに設定する(ステップS111)。
【0182】
次いで、サービスマンモード下で、操作部70上のキー操作(図示しない遠隔通報キーの押下を含む)によって複写機1に作業開始時刻通報コマンドを発行させる(サービスマンが複写機1の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始された旨の作業関連情報を入力させる)。
【0183】
ここで、複写機1は、作業開始時刻通報コマンドが発行されると、作業開始時刻(作業を開始した現在の時刻)を示す通報情報(入力された作業関連情報)をサービスセンタ200へ送信する。
【0184】
サービスマンは、操作部70上のキー操作によって作業開始時刻通報コマンドを発行させた後、作業中に発生する自己診断異常による通報情報(SC情報)がサービスセンタ200へ送信されないように、複写機1の通報機能を停止させる(ステップS112)。
【0185】
その後、複写機1の修理又は保守作業を開始し、その作業が終了した時点で、操作部70上のキー操作によって通報機能を起動させ、更に操作部70上のキー操作(遠隔通報キーの押下を含む)によって作業終了時刻通報コマンドを発行させる(サービスマンが発生した通報要因を解除するための処置が終了(完了)された旨の作業関連情報を入力させる)。
【0186】
ここで、複写機1は、作業終了時刻通報コマンドが発行されると、作業終了時刻(作業を終了した現在の時刻)を示す通報情報(入力された作業関連情報)をサービスセンタ200へ送信する。
サービスマンは、操作部70上のキー操作によって作業終了時刻通報コマンドを発行させた後、サービスマンモードの設定を解除(停止)し、複写機1の操作モードをユーザモードに戻す(ステップS113〜S115)。
【0187】
図29は、図17の削除部256による削除処理の一例を示すフロー図である。
削除部256は、図21のステップS37の更新処理時に作業開始時刻を示す通報情報の格納が行なわれた場合(その通報情報の識別コードが作業開始時刻の通報を示す場合)に図29の処理を開始する。
【0188】
そして、作業開始時刻を示す通報情報のIDコード(図12参照)として付加された機種機番(機種番号およびシリアル番号)を取得し、その機種機番をキーに通報蓄積テーブル1700の各エントリの機種機番項目1700aの検索を行ない、機種機番(IDコード)が一致した通報蓄積テーブル1700のエントリのポインタ項目1700eから、実際に通報情報が書き込まれている通報別蓄積ファイル331の物理的なポインタ(物理アドレス)を取得し、その取得した物理アドレスに基づいて通報別蓄積ファイル331より該当する通報情報を削除する(ステップS121〜S125)。
【0189】
その後、図21のステップS37の更新処理時に作業終了時刻を示す通報情報の格納が行なわれた場合に、その通報情報のIDコードとして付加された機種機番を取得し、その機種機番をキーに通報蓄積テーブル1700の各エントリの機種機番項目1700aの検索を行ない、機種機番(IDコード)が一致した通報蓄積テーブル1700のエントリを削除する(ステップS126〜S129)。
【0190】
なお、この実施形態では、削除部256が、送受信部250によって作業開始時刻を示す通報情報(サービスマンが複写機1の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始された旨の作業関連情報)が受信された時に、その情報の送信元の複写機1から受信されて蓄積されている通報別蓄積ファイル331(通報情報)を削除し、更に作業終了時刻を示す通報情報(発生した通報要因を解除するための処置が終了された旨の作業関連情報)が受信された時に、上記通報別蓄積ファイル331に対応する通報蓄積テーブル1700のエントリも削除するようにしたが、次のようにしてもよい。
【0191】
すなわち、送受信部250によって作業開始時刻を示す通報情報が受信された時に、その情報の送信元の複写機1から受信されて蓄積されている通報別蓄積ファイル331およびそれに対応する通報蓄積テーブル1700のエントリを削除したり、作業終了時刻を示す通報情報が受信された時に、その情報の送信元の複写機1から受信されて蓄積されている通報別蓄積ファイル331およびそれに対応する通報蓄積テーブル1700のエントリを削除するなど、作業開始時刻又は作業終了時刻を示す通報情報の送信先の複写機1から受信されて蓄積されている通報別蓄積ファイル331およびそれに対応する通報蓄積テーブル1700のエントリを削除するタイミングを任意に異ならせてもよい。
【0192】
図30〜図34は、図17の変更部257による変更処理の一例を示すフロー図である。
変更部257は、センタオペレータによるクライアントの入力装置上の操作によって所定のコマンド、例えばCMD CHG 指示コマンド(図35の(a)に示す画面A参照)が入力されると、クライアントの表示装置上の画面を図35の(b)に示す画面Bに切り替える。
【0193】
ここで、センタオペレータは、画面B上の変更したい項目にマウスを移動してクリックを行なう。
このとき、「報知方法変更」の「顧客別」がクリックされると、対応するコマンドが入力されるため、変更部257は、クライアントの表示装置上の画面を図35の(c)に示す画面Cに切り替え、センタオペレータに対して報知方法変更(登録も含む)の対象となる顧客先に設置されている複写機1の機種機番の入力を要求し、その機種機番が入力されると、次のような処理を行なう。
【0194】
すなわち、入力された機種機番をキーに顧客別複写機テーブル1600の各エントリの機種機番項目1600aの検索を行ない、入力された機種機番の妥当性(顧客先登録済みか否か)をチェックし、入力された機種機番が不当な場合(顧客先が登録済みでない場合)は表示装置上にエラーメッセージを表示し、処理を終了する(ステップS132,S136,S137,S143)。
【0195】
入力された機種機番が正当な場合(顧客先が登録済みの場合)は、入力された機種機番をキーに顧客別報知テーブル1900の各エントリの機種機番項目1900aの検索を行ない、入力された機種機番を含むエントリが既に登録されているか否かを判断し、登録されている場合はそのポインタ項目1900bから通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを取得し、そのエントリの内容を図35の(d)に示す画面Dのように編集し、表示装置上の画面を画面Dのような画面に切り替える(ステップS137〜S140)。
【0196】
ここで、センタオペレータは、クライアントの表示装置上の画面の変更したい報知指定値の項目にマウスを移動して、キーボード上の操作によって対応するコマンドを入力することにより通報情報の種類毎に報知方法および報知指定値A又はBを変更することができる。
【0197】
そして、その変更操作が終了し、クライアントの入力装置上の操作によって終了コマンドが発行されると、画面上で変更した内容に基づいて通報別報知テーブル1800の該当するエントリを書き換えると共に、入力された機種機番を含む顧客別報知テーブル1900のエントリのポインタ項目1900bに変更した通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを格納し、処理を終了する(ステップS141,S142)。
【0198】
入力された機種機番を含む顧客別報知テーブル1900のエントリが登録されていない場合は、デフォルトの通報別報知テーブルの内容を図35の(d)に示す画面Dのように編集し、表示装置上の画面を画面Dのような画面に切り替える(ステップS139,S144)。
【0199】
ここで、センタオペレータは、クライアントの表示装置上の画面の登録したい報知指定値の項目にマウスを移動して、キーボード上の操作によって対応するコマンドを入力することにより通報情報の種類毎に報知方法および報知指定値A又はBを登録することができる。
【0200】
そして、その変更操作が終了し、クライアントの入力装置上の操作によって終了コマンドが発行されると、通報別報知テーブル1800に新たなエントリを追加し、画面上で登録した内容をその新たなエントリに格納すると共に、顧客別報知テーブル1900に新たなエントリを追加し、その機種機番項目1900aには入力された機種機番を、ポインタ項目1900bには新たに追加した通報別報知テーブル1800のエントリのポインタをそれぞれ格納し、処理を終了する(ステップS145,S146)。
【0201】
クライアントの表示装置上に図35の(b)に示した画面Bが表示されている時に「報知方法変更」の「機種別」がクリックされると、対応するコマンドが入力されるため、変更部257は、クライアントの表示装置上の画面を図35の(c)に示した画面Cに類似する画面に切り替え、センタオペレータに対して報知方法変更の対象となる機種コードの入力を要求し、その機種コード(機種番号)が入力されると、次のような処理を行なう。
【0202】
すなわち、入力された機種コードをキーに機種別報知テーブル2000の各エントリの機種項目2000aの検索を行ない、入力された機種コードを含むエントリが既に登録されているか否かを判断し、登録されている場合はそのポインタ項目2000bから通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを取得し、そのエントリの内容を図35の(d)に示した画面Dのように編集し、クライアントの表示装置上の画面を画面Dのような画面に切り替える(ステップS133,S161〜S163)。
【0203】
ここで、センタオペレータは、クライアントの表示装置上の画面の変更したい報知指定値の項目にマウスを移動して、キーボードの操作によって対応するコマンドを入力することにより通報情報の種類毎に報知方法および報知指定値A又はBを変更することができる。
【0204】
そして、その変更操作が終了し、クライアントの入力装置上の操作によって終了コマンドが発行されると、画面上で変更した内容に基づいて該当する通報別報知テーブル1800のエントリの内容を変更すると共に、入力された機種コードを含む機種別報知テーブル2000のエントリのポインタ項目2000bに変更した通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを格納し、処理を終了する(ステップS164,S165)。
【0205】
入力された機種コードを含む機種別報知テーブル2000のエントリが登録されていない場合は、デフォルトの機種別報知テーブルの内容を図35の(d)に示した画面Dのように編集し、表示装置上を画面Dのような画面に切り替える(ステップS162,S166)。
【0206】
ここで、センタオペレータは、クライアントの表示装置上の画面の登録したい報知指定値の項目にマウスを移動して、キーボードの操作によって対応するコマンドを入力することにより通報情報の種類毎に報知方法および報知指定値A又はBを登録することができる。
【0207】
そして、その変更操作が終了し、クライアントの入力装置の操作によって終了コマンドが発行されると、通報別報知テーブル1800に新たなエントリを追加し、画面上で登録した内容をその新たなエントリに格納すると共に、機種別報知テーブル2000に新たなエントリを追加し、その機種項目2000aには入力された機種コードを、ポインタ項目2000bには新たに追加した通報別報知テーブル1800のエントリのポインタをそれぞれ格納し、処理を終了する(ステップS167,S168)。
【0208】
クライアントの表示装置上に図35の(b)に示した画面Bが表示されている時に「報知方法変更」の「サービスステーション別」がクリックされると、対応するコマンドが入力されるため、変更部257は、クライアントの表示装置上の画面を図35の(c)に示した画面Cに類似する画面に切り替え、センタオペレータに対して報知方法変更の対象となるサービスステーションのIDコード(ssIDコード)の入力を要求し、そのssIDコードが入力されると、次のような処理を行なう。
【0209】
すなわち、入力されたssIDコードをキーにサービスステーション別報知テーブル2100の各エントリのssID項目2100aの検索を行ない、入力されたssIDコードを含むエントリが既に登録されているか否かを判断し、登録されている場合はそのポインタ項目2100bから通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを取得し、そのエントリの内容を図35の(d)に示した画面Dのように編集し、クライアントの表示装置上の画面を画面Dのような画面に切り替える(ステップS134,S151〜S153)。
【0210】
ここで、センタオペレータは、クライアントの表示装置上の画面の変更したい報知指定値の項目にマウスを移動して、キーボードの操作によって対応するコマンドを入力することにより通報情報の種類毎に報知方法および報知指定値A又はBを変更することができる。
【0211】
そして、その変更操作が終了し、クライアントの入力装置の操作によって終了コマンドが発行されると、画面上で変更した内容に基づいて該当する通報別報知テーブル1800のエントリの内容を変更すると共に、入力されたssIDコードを含むサービスステーション別報知テーブル2100のエントリのポインタ項目2100bに変更した通報別報知テーブル1800のエントリのポインタを格納し、処理を終了する(ステップS154,S155)。
【0212】
入力されたssIDコードを含むサービスステーション別報知テーブル2100のエントリが登録されていない場合は、デフォルトのサービスステーション別報知テーブルの内容を図35の(d)に示した画面Dのように編集し、表示装置上を画面Dのような画面に切り替える(ステップS152,S156)。
【0213】
ここで、センタオペレータは、クライアントの表示装置上の画面の登録したい報知指定値の項目にマウスを移動して、キーボードの操作によって対応するコマンドを入力することにより通報情報の種類毎に報知方法および報知指定値A又はBを登録することができる。
【0214】
そして、その変更操作が終了し、クライアントの入力装置の操作によって終了コマンドが発行されると、通報別報知テーブル1800に新たなエントリを追加し、画面上で登録した内容をその新たなエントリに格納すると共に、サービスステーション別報知テーブル2100に新たなエントリを追加し、そのssID項目2100aには入力されたssIDコードを、ポインタ項目2100bには新たに追加した通報別報知テーブル1800のエントリのポインタをそれぞれ格納し、処理を終了する(ステップS157,S158)。
【0215】
クライアントの表示装置上に図35の(b)に示した画面Bが表示されている時に「報知指示変更」の「サービスステーション別」がクリックされると、対応するコマンドが入力されるため、変更部257は、クライアントの表示装置上の画面を図35の(c)に示した画面Cに類似する画面に切り替え、センタオペレータに対して報知指示変更の対象となるサービスステーションのIDコード(ssIDコード)の入力を要求し、そのssIDコードが入力されると、次のような処理を行なう。
【0216】
すなわち、入力されたssIDコードをキーにサービスステーションマスタテーブル2200の各エントリのssID項目2200aの検索を行ない、入力されたssIDコードの妥当性(入力されたssIDコードを含むエントリが登録済みか否か)をチェックし、入力されたssIDコードが不当な場合、つまり入力されたssIDコードを含むエントリが登録済みでない場合は表示装置上にエラーメッセージを表示し、処理を終了する(ステップS131,S171,S176,S177,S175)。
【0217】
入力されたssIDコードが正当な場合、つまり入力されたssIDコードを含むエントリが登録済みの場合は、その機種機番項目2200amから機種機番を取得し、その機種機番をキーに顧客別複写機テーブル1600の各エントリの機種機番項目1600aを検索し、機種機番が一致するエントリのssIDコード項目1600fに入力されたssIDコードを格納した後、ステップ178に戻って上述と同様の処理を続ける(ステップS177〜S183)。
【0218】
図36は、図17の報知部254による報知処理の一例を示すフロー図である。
報知部254は、上述した各部と非同期に動作を行ない、まずクライアントの入力装置上の操作によって終了指示が指定されたか否かをチェックし、終了指示が指定された場合は処理を終了する(ステップS191)。
【0219】
終了指示が指定されていない場合は、通報蓄積テーブル1700の該当する(現在表示中の通報情報に対応する)エントリの報知指示項目1700gの検索を行なう(ステップS192)。このとき、通報蓄積テーブル1700の各エントリのクライアント番号項目1700fの検索を行ない、通報情報を表示しているクライアントを認識し、その通報情報に対応するエントリを認識する処理も行なう。
【0220】
そして、該当するエントリの報知指示項目1700gに報知方法の指示が格納されている(報知指定がある)か否かの検証を行ない、格納されていない場合はステップS191に戻って上述と同様の処理を続けるが、格納されている場合はその報知方法が第一次報知方法(第一次報知指示)か第二次報知方法(第二次報知指示)かの検証を行なう(ステップS193,S194)。
【0221】
そして、報知方法が第一次報知方法の場合は、ステップS191に戻って上述と同様の処理を続けるが、第二次報知方法の場合は、通報情報を遠隔地の端末装置(各サービスステーション210のパソコン211又はFAX装置212)に送信するため、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリのポインタ項目1700eから通報情報の実際の通報内容が蓄積されている通報別蓄積ファイル331の物理アドレス(物理的なポインタ)を取得し、その通報別蓄積ファイル331から通報内容を読み込む(ステップS195)。
【0222】
次いで、読み込んだ通報内容を第二次報知用に編集して送信データファイル341を作成し、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの処置項目1700iに通報情報が処置中であることを示す情報である遠隔処置フラッグを設定(格納)した後、通報蓄積テーブル1700の該当するエントリの機種機番項目1700aから機種機番を取得し、その機種機番に基づいて顧客別複写機テーブル1600のエントリの検索を行なう(ステップS196〜S198)。
【0223】
そして、機種機番が一致したエントリの端末タイプ項目1600cから複写機1の保守(又は修理)を担当するサービスステーション210の端末装置のタイプ(端末タイプ)を取得すると共に、機種機番が一致したエントリの電話番号項目1600dから複写機1の保守を担当するサービスステーション210の端末装置の呼び出し用電話番号(端末呼出用電話番号)を取得する(ステップS199〜S201)。
【0224】
次いで、取得した端末タイプの検証を行ない、その端末タイプがFAX装置の場合はステップS196で作成した送信データファイル341およびステップS201で取得した端末呼出用電話番号をFAXサーバ206に送出し、処理を終了する(ステップS202,S203)。FAXサーバ206は、受け取った端末呼出用電話番号に基づいて発呼を行ない、受け取った送信データファイル341(通報情報)を公衆回線17を介して発呼先のFAX装置212へ送信する。
【0225】
また、取得した端末タイプがパソコンの場合は、ステップS201で取得した端末呼出用電話番号に基づいて送受信部250に送信要求の発呼を行なわせ、ステップS196で作成した送信データファイル341(通報情報)を公衆回線17を介して発呼先のパソコン211へ送信させ、処理を終了する(ステップS202,S204)。
【0226】
この実施形態の遠隔画像形成装置管理システムにおけるこの発明に係わる処理をまとめると、複数の複写機1はそれぞれ、機内の異常等の通報要因が発生した場合に、その旨を示す通報情報を予め規定された通信プロトコルにより通信コントロール装置18および公衆回線17を介してサービスセンタ200へ送信する。
【0227】
サービスセンタ200の各クライアント201〜201nは、複数の複写機1からそれぞれ送信される通報情報を受信すると、その通報情報をファイルサーバ204の外部記録装置203に蓄積し、その通報情報の内容を表示装置上に表示する。また、外部記録装置203に蓄積した通報情報毎に未処置経過時間を計数し、その各未処置経過時間を予め設定された所定時間(報知指定値)と順次比較し、いずれかの通報情報に対する未処置経過時間が所定時間を超えた場合に、その旨あるいはその通報情報を所定の方法(第一次報知方法あるいは第二次報知方法)に従って報知する。
【0228】
このとき、第一次報知方法が指示されている場合には、未処置経過時間が所定時間を超えた通報情報の表示色を変化させる(未処置経過時間に従って動的に変化させてもよい)。第二次報知方法が指示されている場合には、未処置経過時間が所定時間を超えた通報情報を予め規定された通信プロトコルにより公衆回線17を介して遠隔地の端末装置(表示装置を有するパソコン211又はFAX装置212)に送信する。
【0229】
なお、外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の顧客別,機種別,各サービスステーション210別にそれぞれ第一次報知方法あるいは第二次報知方法を指示することができる。また、外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の顧客別,機種別,各サービスステーション210別に上記予め設定された所定時間を変更することもできる。
【0230】
サービスセンタ200の各クライアント201〜201nは、受信した通報情報の送信先の複写機1へその情報を受信した旨を示す確認情報を送信する。
各複写機1はそれぞれ、サービスセンタ200への通報情報の送信を行なった後、サービスマンが当該複写機1の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始又は終了された旨の作業関連情報が入力されたとき、その作業関連情報を予め規定された通信プロトコルにより通信コントロール装置18および公衆回線17を介してサービスセンタ200へ送信する。
【0231】
サービスセンタ200の各クライアント201〜201nはそれぞれ、複数の複写機1のいずれかから送信された作業関連情報を受信すると、その作業関連情報の送信元の複写機1から受信され、外部記録装置203に蓄積されている通報情報を削除する。
【0232】
したがって、この実施形態の遠隔画像形成装置管理システムによれば、以下の(1)〜(12)に示すような各効果を得ることができる。
(1)サービスセンタ200の各クライアント(監視端末装置)201〜201nが、各複写機1からの多量の通報情報をある期間に集中的に受信した場合でも、その各通報情報に対する未処置経過時間がそれぞれ予め設定された所定時間を超えた場合に、その旨あるいはその各通報情報を報知するので、その各通報情報の中に緊急性の高い通報情報が含まれている場合、その通報情報が長時間放置されるようなことがなくなる。
【0233】
そのため、複写機1の異常事象発生に対して緊急に対応でき、顧客に対するサービスの向上につながる。また、複写機の設置台数の増加に伴うクライアントの設置台数の増設及びオペレータの増員等を行なう必要がないため、サービスセンタ200の設備投資へのコスト増と運用コストの増加を抑えることができると共に、サービスセンタ200の設備を有効に効率的に使用することができる。
【0234】
(2)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、受信した通報情報の送信先の複写機1へその情報を受信した旨を示す確認情報を送信し、その確認情報を受信した複写機1がその内容を操作部70上に表示するので、その複写機1の顧客は通報情報がサービスセンタ200で受信されたことを確認することができ、そのことが複写機1で障害が発生した場合における顧客の障害に対する不安の解消につながり、顧客に対するサービスの向上につながる。
【0235】
(3)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、いずれかの複写機1から送信された通報情報を受信した後、サービスマンがその複写機1の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始又は終了された旨の作業関連情報を受信した時に、その作業関連情報の送信元の複写機1から受信され、外部記録装置203に蓄積されている通報情報を削除するので、外部記録装置203を有効に活用することができる。また、外部記録装置203に蓄積されている通報情報を自動的に削除できるため、センタオペレータの作業負荷の低減につながる。
【0236】
(4)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、上記報知を第一次報知方法あるいは第二次報知方法に従って行なうので、サービスセンタ200のクライアントの起動台数に応じて、動的に受信した通報情報に対する処置を分散して実行することができる。
【0237】
(5)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の顧客別に第一次報知方法あるいは第二次報知方法の指示を行なえるため、受信した通報情報に対する処置を顧客単位で実行することができる。また、受信した通報情報を顧客によって判別し、顧客に応じた報知方法の選択を行なうことができる。
【0238】
(6)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の機種別に第一次報知方法あるいは第二次報知方法の指示を行なえるため、受信した通報情報に対する処置を機種単位で実行することができる。また、受信した通報情報を機種によって判別し、機種に応じた報知方法の選択を行なうことができる。
【0239】
(7)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、外部から入力されるコマンドにより、各サービスステーション210別に第一次報知方法あるいは第二次報知方法の指示を行なえるため、受信した通報情報に対する処置をサービスステーション210単位で実行することができる。また、受信した通報情報をサービスステーション210によって判別し、サービスステーション210に応じた報知方法の選択を行なうことができる。
【0240】
(8)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の顧客別に上記予め設定された所定時間の変更を行なえるため、受信した通報情報の報知状況を顧客単位で把握することができる。また、受信した通報情報を顧客によって判別し、顧客に応じた処置方法の選択を行なうことができる。
【0241】
(9)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、外部から入力されるコマンドにより、各複写機1の機種別に上記予め設定された所定時間の変更を行なえるため、受信した通報情報の報知状況を機種単位で把握することができる。また、受信した通報情報を機種によって判別し、機種に応じた処置方法の選択を行なうことができる。
【0242】
(10)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、外部から入力されるコマンドにより、各サービスステーション210別に上記予め設定された所定時間の変更を行なえるため、受信した通報情報の報知状況をサービスステーション210単位で把握することができる。また、受信した通報情報をサービスステーション210によって判別し、サービスステーション210に応じた処置方法の選択を行なうことができる。
【0243】
(11)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、第一次報知方法が指示されている場合には、未処置経過時間が所定時間を超えた通報情報の表示色を変化させるので、受信した通報情報の報知状況をセンタオペレータ又はサービスマンが感覚的に把握することができる。なお、未処置経過時間が所定時間を超えた通報情報の表示色をその処置経過時間に従って動的に変化させるようにすれば、受信した通報情報の報知状況をセンタオペレータ又はサービスマンが感覚的に細かく把握することができる。
【0244】
(12)サービスセンタ200の各クライアント201〜201nが、第二次報知方法が指示されている場合には、未処置経過時間が所定時間を超えた通報情報を公衆回線17を介して遠隔地の端末装置(パソコン211又はFAX装置212)に送信するので、通報情報の受信受付の集中的な管理を行なうことができる。また、個々の通報情報に対する処置を分散して行なうことができ、複数の複写機1の通報要因に対して迅速に対応することができる。なお、遠隔地の端末装置は、パソコン211又はFAX装置212以外のものでもよい。
【0245】
以上、この発明を複数の複写機とセンタシステムとを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムに適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、複数のプリンタ等の他の画像形成装置とセンタシステムとを公衆回線網を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムにも適用し得るものである。
【0246】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、遠隔画像形成装置管理システムの監視端末装置が、各画像形成装置からの多量の通報情報をある期間に集中的に受信した場合でも、その各通報情報に対する未処置経過時間がそれぞれ予め設定された第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、第1所定時間より短い第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行うので、上記各通報情報の中に緊急性の高い通報情報が含まれている場合、その通報情報が長時間放置されるようなことがなくなる。
【0247】
したがって、画像形成装置の異常事象発生に対して緊急に対応でき、顧客に対するサービスの向上につながる。
また、複写機の設置台数の増加に伴うクライアントの設置台数の増設及びオペレータの増員等を行なう必要がないため、サービスセンタの設備投資へのコスト増と運用コストの増加を抑えることができると共に、サービスセンタの設備を有効に効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用する遠隔画像形成装置管理システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示した遠隔画像形成装置管理システムにおけるユーザ地域220内の具体的構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の通信コントロール装置18の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の通信コントロール装置18にセットされている各種パラメータの一覧を示す図である。
【図5】図1の複写機1の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】図1の複写機1のドラム回りの一例を示す概略構成図である。
【図7】図5の操作部70の構成例を示すレイアウト図である。
【図8】図3に示した通信コントロール装置18におけるポーリングおよびセレクティングに係わる処理の一例を示すフロー図である。
【図9】図5に示した複写機1におけるポーリングおよびセレクティングに係わる処理の一例を示すフロー図である。
【図10】図1の通信コントロール装置18と複写機1との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
【図11】図5に示した複写機1の通信インターフェースユニット109とCPU100との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
【図12】図1のサービスセンタ200と通信コントロール装置18との間で授受されるテキストデータの構成例を示す図である。
【図13】図1に示した遠隔画像形成装置管理システムを構成するサービスセンタ200および複写機1におけるこの発明に係わる各出力信号値と時間との関係の一例を示す線図である。
【図14】図1の外部記録装置203に格納されている管理テーブルを説明するための図である。
【図15】同じく他の図である。
【図16】図1に示したサービスセンタ200の具体的構成例を示す図である。
【図17】図16に示したサービスセンタ200の主要部の具体的構成例を示す機能ブロック図である。
【図18】図17の送受信部250の具体的構成例を示す図である。
【図19】図17の送受信部250および蓄積部251による受信データの流れを示すブロック図である。
【図20】図17の送受信部250によるデータ受信処理の一例を示すフロー図である。
【図21】図17の蓄積部251によるデータ蓄積処理の一例を示すフロー図である。
【図22】図17の表示部252および報知部254によるデータ表示処理の一例を示すフロー図である。
【図23】図17の送受信部250及び報知部254(又は受信確認部255)による送信データの流れを示すブロック図である。
【図24】図17の送受信部250によるデータ送信処理の一例を示すフロー図である。
【図25】図17の受信確認部255による受信確認処理(図22の受信確認処理のサブルーチン)の一例を示すフロー図である。
【図26】図17の計数部253による蓄積計数・報知指定処理の一例を示すフロー図である。
【図27】その続きを示すフロー図である。
【図28】図1の複写機に対するサービスマンによる作業手順の一例を示すフロー図である。
【図29】図17の削除部256による削除処理の一例を示すフロー図である。
【図30】図17の変更部257による変更処理の一例を示すフロー図である。
【図31】その続きを示すフロー図である。
【図32】その続きを示すフロー図である。
【図33】その続きを示すフロー図である。
【図34】その続きを示すフロー図である。
【図35】図30〜図34の処理に係わるセンタオペレータによって報知方法,報知指示,報知指定値を変更する際の操作手順を説明するための図である。
【図36】図17の報知部254による報知処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:複写機 17:公衆回線網
18:通信コントロール装置 70:操作部
200:サービスセンタ
201a〜201n:クライアント
202a〜202n:モデム 203:外部記録装置
204:ファイルサーバ 205:印刷装置
206:FAXサーバ 207:LAN
210:サービスステーション 211:パソコン
212:FAX装置 220:ユーザ地域
250:送受信部 251:蓄積部
252:表示部 253:計数部
254:報知部 255:受信確認部
Claims (16)
- 複数の画像形成装置と監視端末装置とを通信回線を介して接続した遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記複数の画像形成装置にそれぞれ、通報要因が発生した場合に、その旨を示す通報情報を前記監視端末装置へ送信する通報情報送信手段を設け、
前記監視端末装置に、
前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報を受信する通報情報受信手段と、
該手段によって受信された通報情報に対する未処置経過時間を予め設定された第1所定時間および該第1所定時間より短い第2所定時間とそれぞれ比較し、前記通報情報に対する未処置経過時間が、前記第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、前記第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行う報知手段と
を設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項1記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置に、前記通報情報受信手段によって受信された通報情報の送信先の画像形成装置へ該情報を受信した旨を示す確認情報を送信する確認情報送信手段を設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項1又は2記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記複数の画像形成装置にそれぞれ、前記通報情報送信手段によって前記監視端末装置への通報情報の送信が行なわれた後、サービスマンが当該画像形成装置の設置場所に到着した旨あるいは発生した通報要因を解除するための処置が開始又は終了された旨の作業関連情報が入力されたとき、該作業関連情報を前記監視端末装置へ送信する作業関連情報送信手段を設け、
前記監視端末装置に、前記複数の画像形成装置のいずれかから送信された前記作業関連情報を受信する作業関連情報受信手段と、該手段によって受信された作業関連情報の送信元の画像形成装置から前記通報情報受信手段によって受信された通報情報を削除する通報情報削除手段とを設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、前記第一次報知方法,前記第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する報知方法指示手段を設け、
前記監視端末装置の報知手段は、前記報知方法指示手段によって前記第一次報知方法および前記第二次報知方法が指示された場合に、前記通報情報に対する未処置経過時間を前記第1所定時間および前記第2所定時間とそれぞれ比較し、前記通報情報に対する未処置経過時間が、前記第1所定時間を超えた場合には前記第一次報知方法に従って、前記第2所定時間を超えた場合には前記第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行う手段と、前記第一次報知方法のみが指示された場合には、前記通報情報に対する未処置経過時間を前記第1所定時間と比較し、前記通報情報に対する未処置経過時間が前記第1所定時間を超えた場合に前記第一次報知方法に従って通報を行う手段と、前記第二次報知方法のみが指示された場合には、前記通報情報に対する未処置経過時間を前記第2所定時間と比較し、前記通報情報に対する未処置経過時間が前記第2所定時間を超えた場合に前記第二次報知方法に従って通報を行う手段とからなることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項4記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置の報知方法指示手段は、外部から入力されるコマンドにより、前記各画像形成装置の顧客別に前記第一次報知方法,前記第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する手段であることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項4記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置の報知方法指示手段は、外部から入力されるコマンドにより、前記各画像形成装置の機種別に前記第一次報知方法,前記第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する手段であることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項4記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報に対する処置を行なうサービスマンを派遣するサービスステーションを複数設け、
前記監視端末装置の報知方法指示手段は、外部から入力されるコマンドにより、前記各サービスステーション別に前記第一次報知方法,前記第二次報知方法,あるいはその2つの報知方法を指示する手段であることを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項5記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、前記各画像形成装置の顧客別に前記第1所定時間および第2所定時間を変更する変更手段を設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項6記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、前記各画像形成装置の機種別に前記第1所定時間および第2所定時間を変更する変更手段を設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項7記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置に、外部から入力されるコマンドにより、前記各サービスステーション別に前記第1所定時間および第2所定時間を変更する変更手段を設けたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項4乃至10のいずれか一項に記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置に、前記通報情報を表示する通報情報表示手段を設け、
前記監視端末装置の報知手段が、前記報知方法指示手段によって前記第一次報知方法が指示されている場合には、前記通報情報に対する未処置経過時間を前記第1所定時間と比較し、該未処置経過時間が第1所定時間を超えた場合に、該通報情報の前記通報情報表示手段による表示色を該未処置経過時間に従って動的に変化させるようにしたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 請求項4乃至10のいずれか一項に記載の遠隔画像形成装置管理システムにおいて、
前記監視端末装置の報知手段が、前記報知方法指示手段によって前記第二次報知方法が指示されている場合には、前記通報情報に対する未処置経過時間を前記第2所定時間と比較し、該未処置経過時間が第2所定時間を超えた場合に、該通報情報を前記通信回線を介して遠隔地の端末装置へ送信するようにしたことを特徴とする遠隔画像形成装置管理システム。 - 前記遠隔地の端末装置が、表示装置を有するパーソナルコンピュータであることを特徴とする請求項12記載の遠隔画像形成装置管理システム。
- 前記遠隔地の端末装置が、ファクシミリ装置であることを特徴とする請求項12記載の遠隔画像形成装置管理システム。
- 複数の画像形成装置に通信回線を介して接続された監視端末装置において、
前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報を受信する通報情報受信手段と、
該手段によって受信された通報情報に対する未処置経過時間を予め設定された第1所定時間および該第1所定時間より短い第2所定時間とそれぞれ比較し、前記通報情報に対する未処置経過時間が、前記第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、前記第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行う報知手段と
を設けたことを特徴とする監視端末装置。 - 複数の画像形成装置に通信回線を介して接続された監視端末装置における制御方法において、
前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信される通報情報を受信し、その受信した通報情報に対する未処置経過時間を予め設定された第1所定時間および該第1所定時間より短 い第2所定時間とそれぞれ比較し、前記通報情報に対する未処置経過時間が、前記第1所定時間を超えた場合には第一次報知方法に従って、前記第2所定時間を超えた場合には第二次報知方法に従ってそれぞれ通報を行うことを特徴とする制御方法。
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