JP3537642B2 - 連続鋳造用ノズル - Google Patents
連続鋳造用ノズルInfo
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Description
に関し、特にノズル閉塞防止に効果があり、しかも成形
時に一体成形が可能な、ロングノズルや浸漬ノズル等の
連続鋳造用ノズルに関する。
りアルミナ−黒鉛質の材料が多く使用されている。即
ち、連続鋳造用ノズルとしては、取鍋とタンディッシュ
との間で使用されるロングノズルやエアーシールパイ
プ,タンディッシュとモールドとの間で使用される浸漬
ノズル等があり、これらのノズルは、その使用条件から
“溶鋼やスラグに対する耐食性および耐スポーリング
性”に対する要求が大変厳しいものになっている。そし
て、このような要求に対してアルミナ−黒鉛質の材料が
多用されているのが実状である。
ノズルを用いた場合、特に溶鋼中にAlを多く含むアル
ミキルド鋼の鋳造に用いると、Alが酸化して生成した
アルミナ(Al2O3)がノズル内壁に付着し、ノズル閉塞が
生じ易いという問題がある。
が進められているが、アルミナ付着によるノズル閉塞が
生じると、溶鋼の流量制御が不可能となり、鋳造の継続
が困難となる。また、鋳造途中に閉塞物が溶鋼の流れに
よって剥離する場合があり、この場合には、閉塞物がモ
ールド内に混入し、鋳片中に取り込まれ、鋳片の欠陥を
生成する要因の一つともなっている。
物との間には、一般的に次の式(1)〜式(3)に示すような
反応が生じ、ノズルへのアルミナ付着が進行していると
考えられる。 ・式(1)………SiO2(s) +C(s) =SiO(g) +CO(g) ・式(2)………3SiO(g)+2Al=Al2O3(s)+3Si ・式(3)………3CO(g) +2Al=Al2O3(s)+3C
とC(s)の間で、上記式(1)で示される反応が生じ、Si
O(g)とCO(g)が生成する。次に、溶鋼中のAlとこれ
らのSiO(g)やCO(g)との間で、上記式(2)および式
(3)で示される反応が生じ、Al2O3(s)が生成してノズ
ル内孔表面に付着する。そして、このようにして生成し
たアルミナを起点として、これに溶鋼中のアルミナが付
着し堆積してノズル閉塞が進行していくと考えられる。
て、従来より様々な方法が検討され提案されてきてい
る。例えば、ノズル閉塞を防止する効果的な方法として
は、一般的にガス吹きが行われている。このガス吹き法
は、浸漬ノズル等の内孔部を多孔質化し、気孔を通して
Arガス等を流す方法であって、該ガスの流れによって
アルミナの付着を防止する手法である。この方法は、ノ
ズル閉塞防止には効果的であり、多くの製鉄所でこの手
段が採用されている。
スを流すと、ガスの微細な気泡がモールド内に侵入して
鋳片中に取り込まれ、欠陥を生成するという欠点があ
る。また、モールド内での湯面変動が大きくなり、介在
物を巻き込み易くなるため、同様に鋳片中に欠陥が生成
し易くなるという欠点もある。
平2−23494号公報に開示されているように「CaO含有
ジルコニアクリンカーを使用することによる閉塞防止対
策」が知られている。これは、ジルコニアクリンカー中
に含まれるCaOと溶鋼中に析出したAl2O3粒子とを
反応させてCaO-Al2O3系の低融点化合物を生成さ
せ、溶鋼の流れによってその低融点化合物を取り除き、
アルミナ付着を防止しようとするものである。
あると考えられている。そして、このようなCaOを含
有するジルコニアクリンカーを用いた材料を内管部に配
設した浸漬ノズルは、実際に多くの連続鋳造機で使用さ
れているのが実状である。しかし、CaOを含有するジ
ルコニアクリンカーは熱膨張率が大きく、しかも、この
ジルコニアクリンカーを使用した材料は、ノズルの内孔
側に配設されるため、鋳造初期にノズルの外側に大きな
熱応力が発生し、耐スポーリング性に劣るという欠点が
ある。
154628号公報,特開平8−57601号公報及び特開平8−576
13号公報には、ノズルの内孔部や溶鋼との接触部に“カ
ーボンを含有しない、或いは含有していても1重量%未
満である酸化物系材料を用いる”ことについて記載され
ており、これによりノズル閉塞を防止することが開示さ
れている。即ち、これらの公報には、アルミナやマグネ
シア等の酸化物を浸漬ノズルの内孔部や溶鋼との接触部
位に配したものであって、アルミナ付着の防止やカーボ
ンピックアップの防止に効果があることが記載されてい
る。
いずれもカーボン源を殆ど含まない材料であり、従っ
て、その熱膨張率は必然的に大きくなり、耐スポーリン
グ性に劣るという欠点がある。
点」を解決する手段としては、前掲の特開平8−57601号
公報および特開平3−243258号公報には、ノズルの内孔
部や溶鋼との接触部位を“ノズル本体と別成形とする”
ことについて記載されており、そして、ノズル本体を完
成させた後、酸化物系材料を流し込みや圧入により施工
したり、或いはスリーブを挿入する方法が記載されてい
る。しかし、この方法では、連続鋳造用ノズルの製造工
程が大変複雑となり、また、工程数も増え、製造コスト
が大変高くなるという欠点がある。
も、カーボンを含有しない材料を内孔部に適用した浸漬
ノズルが開示されているが、これは、SiO2を90%以
上含むものであり、鋳造時の溶損が大きいという欠点が
ある。更に、特開昭63−203258号公報には、カーボン
(C)量が20重量%以下からなる材料について開示されて
いるが、この方法では、使用する原料の粒度構成や内孔
部の配設厚さ等について考慮されておらず、耐熱衝撃性
の点で満足すべきものではない。(なお、酸化物系以外
の材料のノズルへの適用については、特開昭56−139260
号公報に記載されており、窒化物として窒化硼素を5〜8
0%含有する発明が開示されている。)
策」として採用され提案されている従来技術では、いず
れも前記した問題点や欠点が内在する。
鑑み成されたものであって、その目的とするところは、
ノズル閉塞を防止する手段として従来から採用されてい
る前記した ・ガス吹きにより防止する方法、または、 ・溶鋼中のアルミナと耐火物中の成分(CaO成分)とを
反応させ、低融点化合物を生成させて付着を防止する方
法、さらには、 ・ノズルの内孔部に炭素源を含まない耐火材料を、流し
込みや圧入により成形する方法、 などにおける前記問題点,欠点を解消し、ノズル閉塞防
止に効果があり、しかも成形時に一体成形が可能な連続
鋳造用ノズルを提供することにある。
時におけるアルミナ付着によるノズル閉塞に対して、こ
の閉塞を防止することができる連続鋳造用ノズルであっ
て、 (1) 溶鋼と接する内孔部位が1〜10重量%のカーボン含
有耐火材料で構成され、かつカーボン以外の耐火材料が
1μm以下: 20 重量%以下, 1 〜 44 μm: 10 〜 85 重量
%, 44 〜 420 μm: 15 〜 90 重量%の粒度範囲からなる連
続鋳造用ノズルであり、内孔部位を形成する前記耐火材
料が、連続鋳造用ノズルの成形時において同時に成形さ
れた一体構造を有し、当該部分の厚さが2〜12mmの範
囲であることを特徴とする(請求項1)。
(2) 上記(1)において、内孔部位を形成する耐火材料
が、カーボン及び酸化物から構成されており(請求項
2)、この場合、該酸化物中にコーディエライトを5〜70
重量%含有すること(請求項3)、(3) 上記(1)におい
て、内孔部位を形成する耐火材料が、カーボン,酸化物
およびCa含有化合物からなり、該Ca含有化合物の含
有量がCaO換算で前記耐火材料中に1〜10重量%含ま
れていること(請求項4)、(4) 上記(1)において、内孔
部位を形成する耐火材料が、(A) カーボン及び窒化物、
(B) カーボン,窒化物及び酸窒化物、(C) カーボン,窒
化物,酸窒化物及び酸化物、のいずれか一種から構成さ
れていること(請求項5)、(5) 上記(1)〜(4)において、
内孔部位を形成する耐火材料の外側にスリット構造によ
る空間を設けること(請求項6)、を特徴とする。
て本発明を詳細に説明する。本発明者等は、ノズルの内
孔部位が1〜10重量%のカーボン含有耐火材料で構成さ
れ、かつカーボン以外の耐火材料が1μm以下: 20 重量
%以下, 1 〜 44 μm: 10 〜 85 重量%, 44 〜 420 μm: 15 〜
90 重量%の粒度範囲からなる連続鋳造用ノズルを鋼の連
続鋳造に用いた場合、ノズルの内孔へのアルミナ付着が
少なく、また、溶鋼による溶損も抑制されることを見い
出した。本発明では、このような内孔部位を連続鋳造用
ノズルの成形時に一体成形することを特徴としている。
は、カーボン量が1重量%以上で10重量%以下の耐火材
料が適している。前掲の式(1)からもわかるように、耐
火物中のC量が減少すると、式(1)の反応によって生じ
るSiO(g),CO(g)の生成が抑えられ、従って、Al
2O3の生成も抑制されるようになる[前掲の式(2),式
(3)参照]。このような点からみると、内孔部位の材質
中にカーボンを含まないほうが良いが、本発明において
は、次のような観点からカーボン量の範囲を限定するも
のである。
は、カーボン量として1〜10重量%(より好ましくは1〜8
重量%)が好ましい。その理由は、カーボン量が10重量
%を超えると、アルミナの付着防止効果が著しく低下す
るためであり、逆に、1重量%未満では、ノズルの耐熱
スポール性が著しく低下し、鋳造時の割れの危険性が高
くなるためである。
“アルミナ付着の程度が軽微となる傾向”が認められる
けれども、カーボン量が少なくなるにつれて耐熱スポー
ル性が低下するようになるため、使用する連続鋳造機の
鋳造条件やノズルの予熱条件等の使用条件を考慮して、
カーボン量を「1〜10重量%」の範囲内で適宜調節し、
耐スポール性を制御する必要がある。
ーボンブラック,ピッチ等を好適に用いることができ
る。これらのカーボン源は単独で、或いは組み合わせて
使用することもできる。また、原料の混練時にバインダ
ーとして用いた成分、例えばフェノール樹脂等が炭化し
て生成したカーボンもカーボン源として好適である。な
お、カーボンの粒度としては、600μm以下のものが好
ましい。その理由は、600μmを超える粒度のもので
は、酸化による脱炭が生じた時の組織変化が著しく大き
くなるためである。
には、酸化物,Ca含有化合物,窒化物,酸窒化物の各
耐火材料を挙げることができる。本発明では、これらの
材料を内孔部を形成する耐火材料として用いることによ
り、アルミナ付着が抑制されることが明らかになった。
グネシア,スピネル,ジルコニア,コーディエライト等
を使用することができるが、特にこれらの酸化物に限定
されるものではない。本発明において、酸化物としては
溶鋼温度より高い融点をもつ化合物が望ましいが、しか
し、溶鋼温度より低い融点の化合物、例えばコーディエ
ライト,ユークリプタイト,スポンジユーメン等も高融
点酸化物と組み合わせることによって使用可能である。
コーディエライトを用いると、アルミナ付着防止効果が
高いということを見い出した。コーディエライトは、2M
gO・2Al2O3・5SiO2の組成で示される化合物であり、その
融点は約1460℃であって、溶鋼温度より100℃程度低い
ものである。
式(1)〜式(3)で示されるが、コーディエライトが溶融す
ることにより内孔部材質表面や内部に液相が生成し、ノ
ズル本体部からのSiO(g)やCO(g)の拡散が抑えられ
るようになり、Al2O3生成が抑制されていると考えら
れる。コーディエライトは、溶融後はムライトと液相に
分解するため、生成する液相の量も過多にならず、従っ
て、内孔部全体が溶鋼流によって洗い流されるような危
険性はない。更に、コーディエライトは、その熱膨張率
がアルミナの4分の1程度と低く、その添加により内孔
部の耐熱衝撃性を向上させることができる。
0重量%の範囲が好適である。5重量%未満では、アル
ミナ付着防止効果が少なく、一方、70重量%を超える
と、生成する液相量が過多となり、内孔部の強度が低下
し、溶鋼流によって洗い流される危険性があるので好ま
しくない。コーディエライトは、理論組成は“2MgO・2Al
2O3・5SiO2”で示されるが、本発明で使用することがで
きるコーディエライトは、この理論組成で示される鉱物
以外に他の鉱物を少量伴っているものでも使用可能であ
る。
材質として、カーボン,酸化物とともにCa含有化合物
を用いると、アルミナ付着防止効果が高まるということ
を見い出した。これは、Ca含有化合物が溶鋼中のアル
ミナと反応することにより、CaO−Al2O3系の低融
点化合物を形成し、溶鋼流により洗い流されるためと考
えられる。
CO3,CaCO3・MgCO3,CaO・SiO2,2C
aO・SiO2,3CaO・SiO2,Ca2B6O11・5
H2O等を好適に用いることができるが、本発明では、
これらCaO含有化合物に限定するものではない。Ca
O含有化合物の含有量としては、CaO換算で、内孔部
を形成する耐火材料中1〜10重量%の範囲が好適であ
る。1重量%以下では付着防止効果が少なく、10重量%
以上では内孔部材料中に生成する液相量が過多となり、
内孔部の強度低下が大きくなるため好ましくない。
どが挙げられ、また、酸窒化物としては、サイアロンや
酸窒化珪素などが挙げられる。本発明において、窒化物
や酸窒化物を用いた場合にもアルミナ付着が抑制される
が、この点については、これらの化合物中にSiO2が
殆ど含まれておらず、従って、前掲の式(1)式で示され
る反応が抑制されるためと考えられる。また、窒化物の
熱膨張率は一般的に低く、例えば窒化珪素の熱膨張係数
は約3×10-6(25〜1000℃の平均)であり、浸漬ノズルの
母材に使われているAl2O3-カーボン材質のそれと比
較的近く、耐熱衝撃性という点からも有利である。
もできるが、焼成時に反応させて生成させることもでき
る。例えば、窒化珪素とAl2O3を用いると、焼成時に
反応によってβ−サイアロンを生成するようになり、一
方、窒化珪素,窒化アルミニウム及びイットリア等の希
土類元素の酸化物を用いると、α−サイアロンを生成す
るようになる。もちろん、鋼の鋳造時においても、それ
らの反応は進行する。
いることもできるが、その場合は、以下のような範囲が
好適である。 ・酸化物(Al2O3及び希土類元素の酸化物から選ばれ
た一種又は二種以上): 0〜50重量% ・窒化珪素 :50〜90重量% ・窒化アルミニウム : 0〜20重量% ・窒化硼素 : 0〜40重量% ・黒鉛 : 1〜10重量%
成することにより、あるいは鋼の鋳造時の加熱により、
酸化物,Ca含有化合物,窒化物,酸窒化物を含む内孔
部材質にすることができる。窒化物を用いた場合、窒素
のピックアップの問題があるが、本発明に係る連続鋳造
用ノズルの溶損は軽微であり、窒素のピックアップを最
小限に抑制することができる。
化合物は、420μm以下の粒度範囲のものを用いるのが
好ましいが、次に示す粒度範囲が好適である。 ・1μm以下 :20重量%以下 [より好ましくは15重量
%以下] ・1〜44μm :10〜85重量% [より好ましくは20〜75
重量%] ・44〜420μm:15〜90重量% [より好ましくは20〜80
重量%]
が420μmより大きい場合には、内孔部の肉厚に対する
最大粒径の比率が高くなりすぎて機械的強度が低下し、
鋳造時に粗粒の脱落が起きたりするようになるので好ま
しくない。一方、1μm以下の微粉が20重量%を超える
と、焼結性が高くなり、製品製造時の焼成段階や鋳造時
の溶鋼による加熱により焼結が進行して収縮をおこし、
内孔部位が本体部から剥離するようになる。また、1〜4
4μmの粒度のものについては、10重量%未満または85
重量%を超えると、各原料粒子間の粒度のギャップが大
きくなりすぎ、耐熱衝撃性の点で問題があり、44〜420
μmの粒度のものについても、15重量%未満または90重
量%を超えると、上記と同様の問題が生じるので、いず
れも好ましくない。
内孔部の厚さは2〜12mmの範囲が好適である。2mm未
満では、鋳造時に溶損が生じ、ノズル本体部の材質が露
出する場合があり、また、12mmを超えると、内孔部の
熱膨張が大きくなり、割れの危険性が高くなるので好ま
しくない。尚、本発明において、連続鋳造用ノズルの内
孔部以外の例えば吐出孔の周囲やその底部に配設する耐
火材料の厚さについては、特に限定するものではない。
低カーボン材質を用いた場合、それらの材料の熱膨張率
は必然的に大きくなり、耐熱スポール性に劣るようにな
る。そのため、特に鋳造初期においては、溶鋼通過時の
急激な温度上昇に伴う熱膨張によりノズルの外側に大き
な熱応力が発生し、耐火物が破壊に至ることが考えられ
る。これを防止するため、例えば前掲の特開平8−57601
号公報に記載の発明では、内孔部や溶鋼と接する部位
を、ノズル本体との同時成形とせず、後から流し込みや
圧入を行って成形し、そのとき本体材料との間に膨張吸
収代としての目地を設けている。
として、内孔部とノズル本体部の間に、該ノズル本体部
や内管材質との同時成形によるスリット構造(空隙部)の
形成が有効であることを見い出した。内孔部の材質とそ
の外側の材質とが直接接していると、内側の膨張の影響
が避けられないが、その間にスリット構造を設けること
により、それが膨張吸収代として働き、熱応力の緩和に
有効である。
断熱の効果が考えられる。アルミナ付着の要因の一つと
して“ノズル内孔部の温度低下による付着の促進”が考
えられるが、上記スリット構造により断熱層が形成され
ることで、ノズル外部への熱の拡散が抑えられ、アルミ
ナ付着が抑制されると推定される。
形時に同時に成形することが必要であり、例えばパラフ
ィン紙等の加熱により消失するような材料を用いて形成
することができる。本発明において、スリットの厚さは
0.3〜2.0mmが好適である。0.3mm未満では、熱膨張
吸収の効果が少なく、逆に2.0mmを超えると、ノズル
本体部との結合力が弱くなり、内孔部位への溶鋼の浸入
等が起きやすくなるので好ましくない。
部の全長の4分の1以上で10分の9以下が好ましい。
スリット長さが内孔部の全長の4分の1未満では、割れ
防止に対する効果が小さく、一方、10分の9を超える
と、内孔部を保持する力が弱くなり、内孔部の欠落等に
つながり易くなるので好ましくない。
分としては、ノズル本体部と内孔部とが部分的に接した
ブリッジ構造をとることもできる。それは、スリットの
長さが長くなれば、内孔部を保持する力が弱くなり、溶
鋼流の力によって内孔部が外側に押し出され、破壊する
危険性が生じるためである。このようなブリッジ構造と
しては、その接点の面積がスリットの全面積の3分の1
以下であることが好ましい。3分の1を超えると、スリ
ットの膨脹吸収代としての効果が減少し、耐熱衝撃性が
低下するからである。なお、本発明においては、このブ
リッジの形状について特に限定するものではない。
ミナ付着によるノズル閉塞の防止効果が極めて高いが、
一方では、カーボン含有量が“1〜10重量%”と通常の
ノズルと比較して低いので、溶損によるカーボンピック
アップが抑えられるという効果も生じる。従って、カー
ボンピックアップが問題となるような極低炭素鋼の鋳造
等においては、ロングノズルや浸漬ノズルの内孔部位に
本発明で使用する材料(1〜10重量%のカーボン含有耐火
材料)を適用することが効果的である。
方法としては、次のような方法を挙げることができる。
まず、カーボン,酸化物,Ca含有化合物,窒化物など
の配合物にバインダーを添加し、ウェットパン等のミキ
サーを用いて混練を行い、内孔部形成用混練物を得る。
ノズル本体部位についても同様な方法で混練を行い、成
形用混練物を得る。
填するが、配設厚さを調節するために成形用ジグを用い
て行う。そして、充填後にジグを除去し、その後、CI
P成形,機械プレス等により成形を行う。(なお、スリ
ット構造を形成する場合には、パラフィン紙などをジグ
のまわりにセットする。) 得られた成形体を乾燥し、続いて非酸化性雰囲気中で焼
成を行う。焼成後、必要であれば加工を行い、最終形状
とする。
本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施
例により限定されるものではない。
料として黒鉛,アルミナ,ムライト,マグネシア,コー
ディエライト,窒化珪素,BN(窒化ホウ素),CaF,
CaO・SiO2を用い、また、バインダーとしてフェ
ノール樹脂,糖蜜を用い、表1に示す配合割合でウェッ
トパンを用いて混練を行い、成形用練り土を得た。得ら
れた混練物を1.0t/cm2の圧力でCIP成形し、続い
てこの成形体を非酸化性雰囲気中1000℃で3時間焼成し
た。得られた焼成体から25×25×250(mm)の試料を作
製し、評価用試験片とした。これらの試料の特性(見掛
け気孔率,かさ比重,曲げ強度)を表1に併記した。
溶鋼中への浸漬を行い、アルミナの付着テストを実施し
た。付着テストは、Arガス雰囲気中で“Alを0.025
%含有するAl-キルド鋼”を高周波誘導炉を用いて溶
解し、更にアルミニウムを1重量%投入した。その中に
試験片を下端から12cm浸漬し、毎分10回転の速さで回
転させながら50分間行った。試験後、試料を縦方向に半
分に切断し、下端から5cmの位置の両側でのアルミナ
の付着厚みを測定し、平均して求めた。表1に付着厚み
の測定結果を併記した。
実施例1〜9(黒鉛含有量:1〜8重量%)では、比較例1
の黒鉛15%含有品と比べて付着厚みは約1/4以下であ
り、付着防止効果が大きいことが認められた。比較例2
では、付着厚みは実施例1〜9と同等であるが、試験
後、試料の内部に熱スポーリングによると考えられる亀
裂が発生しており、耐スポーリング性に問題があること
がわかった。
1の“粒度”の項参照)、強度が弱く、製造時や使用時
(溶鋼浸漬時)に粒子の脱落が生じていた。さらに、比較
例4では、微粉構成のため(表1の“粒度”の項参照)、
溶鋼浸漬時に焼結が起こり、亀裂が発生して試料が脱落
したため、アルミナの付着厚さを測定することができな
かった。
実施例1,2,3,6及び比較例1の配合組成(前掲の
“表1”参照)を内孔部に適用した実機形状の浸漬ノズ
ルを製作した。図1に浸漬ノズル内孔部への配設位置を
示す。図1において、10はノズル本体,11はノズル内孔
部,12はパウダ−ライン材質,13は溶鋼の吐出孔であ
る。
ノズル内孔部11とそれ以外の部位を同時に成形して一体
構造とし、ノズル内孔部11の厚さを約5mmとした。成
形手段としては、CIP成形法を採用し、1.0t/cm2
の圧力で成形した。この成形体を非酸化性雰囲気中、11
00℃で3時間焼成し、得られた焼成体を最終形状に加工
して図1に示す実炉テスト用浸漬ノズルを製作した。
鋳造テスト」を実施した。この鋳造テストにおいて、連
続鋳造機として2ストランド型を使用し、No.1ストラン
ド(1st)に本実施例品を、No.2ストランド(2st)に比較例
品を取り付け、5chまでの鋳造テストを合計4回行っ
た。テスト後の浸漬ノズルは、その後回収し、アルミナ
の付着状況を調査した。アルミナの付着厚さは、使用後
の浸漬ノズルを縦方向に半分に切断した後、浸漬ノズル
内管直胴部の三ケ所で測定し、平均して求めた。表2に
鋳造条件及び付着厚さの測定結果を示す。[なお、鋳造
した鋼種は各テストとも同一であり、その成分は、平均
的に約C:0.01,Mn:0.30,Al:0.03,N:0.004
(各重量%)であった。]
施例10〜13では、5ch鋳造後においてもアルミナ付
着は軽微であることが確認できた。これに対して、比較
例5〜8では、アルミナ付着が極めて大きいことが認め
られた。なお、テスト2における比較例6では、4chで
閉塞が大となり、鋳造を途中で中止した。
記実施例3,4,5及び比較例1の配合組成(前掲の
“表1”参照)の混練物を内孔部に適用した実機形状の
浸漬ノズルを作製した。この時、浸漬ノズルの内孔部の
周囲に、図2に示す位置にスリット24を設けた。(な
お、図2中の20はノズル本体,21はノズル内孔部,22は
パウダ−ライン材質,23は溶鋼の吐出孔である。)
うに、ノズル内孔部21の全長の3分の2“2/3A”とし
た。また、ノズル内孔部21の厚さを約7mmとし、スリ
ット24の空間部厚さを0.8mmとなるようにした。な
お、実施例14,16,18,比較例9(スリット構造の浸漬
ノズル)については、それぞれスリット構造を有しない
構造のものも製作し比較使用した(実施例15,17,19,
比較例10)。
鋳造テスト」を実施した。この鋳造テストで使用した連
続鋳造機は1ストランド型であり、各テストとも4chま
での鋳造を行った。テスト後の浸漬ノズルを回収し、ア
ルミナの付着状況を観察した。アルミナの付着厚さは、
使用後の浸漬ノズルを縦方向に半分に切断した後、浸漬
ノズル内管直胴部の三ケ所で測定し、平均して求めた。
表3に鋳造条件及び付着厚さの測定結果を示す。[な
お、鋳造した鋼種は各テストとも同一であり、成分は平
均的に約C:0.02,Mn:0.20,Al:0.04,N:0.00
4(各重量%)であった。]
施例14〜19では、アルミナ付着の軽減が確認できた。そ
して、内孔部が同一の配合組成であっても、スリット構
造を有する浸漬ノズル(実施例14,16,18)では、スリッ
ト構造を有しない浸漬ノズル(実施例15,17,19)に比
し、アルミナ付着が軽微な傾向が認められた。また、本
実施例16,17の配合は、カーボン量が1重量%と少な
く、スポーリングが懸念されたが、スリット構造を有す
る実施例16のものは、割れもなく無事使用された。一
方、スリットを有していない構造のもの(実施例17)は、
2ch目初期に縦割れが発生し、鋳造停止となった。比較
例9,10では、割れは起きていないが、アルミナ付着厚
さが大(閉塞大)であった。
詳記したとおり、溶鋼と接する内孔部位が1〜10重量%
のカーボン含有耐火材料で構成され、かつカーボン以外
の耐火材料が1μm以下: 20 重量%以下, 1 〜 44 μm: 1
0 〜 85 重量%, 44 〜 420 μm: 15 〜 90 重量%の粒度範囲か
らなる連続鋳造用ノズルであって、 ・内孔部位を形成する前記耐火材料が、連続鋳造用ノズ
ルの成形時において同時に成形された一体構造を有し、 ・当該部分の厚さが2〜12mmの範囲である、 ことを特徴とし、これにより、ノズル閉塞が生じない、
しかも成形時に一体成形が可能である連続鋳造用ノズル
を提供することができる。
る。
た図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 溶鋼と接する内孔部位が1〜10重量%の
カーボン含有耐火材料で構成され、かつカーボン以外の
耐火材料が1μm以下: 20 重量%以下, 1 〜 44 μm: 10
〜 85 重量%, 44 〜 420 μm: 15 〜 90 重量%の粒度範囲か
らなる連続鋳造用ノズルであって、内孔部位を形成する
前記耐火材料が、連続鋳造用ノズルの成形時において同
時に成形された一体構造を有し、当該部分の厚さが2〜1
2mmの範囲であることを特徴とする連続鋳造用ノズ
ル。 - 【請求項2】 内孔部位を形成する前記耐火材料が、カ
ーボン及び酸化物から構成されていることを特徴とする
請求項1記載の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項3】 前記酸化物中にコーディエライトを5〜7
0重量%含有することを特徴とする請求項2記載の連続
鋳造用ノズル。 - 【請求項4】 内孔部位を形成する前記耐火材料が、カ
ーボン,酸化物およびCa含有化合物からなり、該Ca
含有化合物の含有量が、CaO換算で前記耐火材料中に
1〜10重量%含まれていることを特徴とする請求項1記
載の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項5】 内孔部位を形成する前記耐火材料が、
(A)カーボン及び窒化物、(B)カーボン,窒化物及び酸窒
化物、(C)カーボン,窒化物,酸窒化物及び酸化物、の
いずれか1種から構成されていることを特徴とする請求
項1記載の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項6】 前記内孔部位が、該内孔部位を形成する
前記耐火材料の外側にスリット構造による空間を設けた
ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の
連続鋳造用ノズル。
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