JP3514656B2 - 表面平滑配線板およびその製造方法 - Google Patents
表面平滑配線板およびその製造方法Info
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Description
と絶縁層の表面が同じ高さに配置され平滑面を形成して
いる表面平滑配線板およびその製造方法に関する。
さを揃えて平滑面を形成するようにした表面平滑配線板
が知られている。これらは平滑プリント配線板、フラッ
シュプリント配線板またはフラッシュサーキット板とも
別称されている。
表面が絶縁層表面と同一平面を形成するように埋め込ま
れているので、配線板の表面は滑らかな平面または可撓
(フレキシブル)性のある場合は曲面を形成し、例えば
ロータリースイッチ、チューナー、整流子などといった
部品が接触する摺動面用の配線板として適するものであ
る。
ガラスエポキシ樹脂のプリプレグ上に銅箔を積層接着
(積層プレス工程)した後、回路形成し、さらに鏡面ス
テンレス板に挟み込み加圧加熱(平滑プレス工程)して
製造する方法や、平滑プレス工程前の回路形成後にエポ
キシ樹脂の架橋度合を熱処理により制御し、量産性や信
頼性を改善する方法(特公平10−242621号公
報)が知られているが、前者の製造方法では、架橋度合
の制御が不均一になりやすく、プリント配線表面の導体
部と絶縁部に段差が残りやすく、平滑性が充分な基板を
製造できない。また、後者の製造方法では熱処理工程が
新たに必要になり、生産性に劣ると共にエポキシ樹脂の
架橋度合の制御が非常に困難の製造方法であった。
を製造する方法としては、特開平3−35588号公
報、特開平4−299892号公報、特開平5−182
805号公報、特開平7−45159号公報に、絶縁材
料として高粘度で熱可塑性の飽和ポリエステル樹脂を用
いる記述がある。これらの製造方法は、作製する配線板
によって何らかの工程差はあるが、例えば特開平3−3
5588号公報に記載されているように、非結晶の絶縁
基板の接着シートを50℃、10kg/cm2、20分の熱圧
条件で仮接着し、これを銅箔と70℃、10分の条件で
熱ロールプレスしてラミネートした後、エッチングによ
りパターンを形成し、その後、180℃で30kg/cm2の
圧力で熱プレスすることにより、銅箔を樹脂中に押し込
んで基板の滑化加工を行ない、同時に熱可塑性の飽和ポ
リエステル樹脂の結晶化を進め、耐熱性などを向上させ
るという方法である。
321992号公報にも記載されているように、熱可塑
性の飽和ポリエステル樹脂などの比較的弾力性のある熱
可塑性の絶縁材料は、導体パターンを押し込んで平滑基
板を作製する際に、前記導体パターンの周辺に前記接着
剤または導体パターンの厚さだけ絶縁基板が変形し、こ
の変形を元に戻そうとする力(残留応力)が発生すると
いう問題があり、甚だしい場合には、局部的な歪みが生
じて基板に「波打ち」と呼ばれるような変形が生じる。
用いた従来の表面平滑基板の場合には、平滑プレス工程
前までのエポキシ樹脂の架橋度合の管理が難しく、信頼
性、量産性の面で満足できるものではなかった。また、
ガラス布を用いているために、基材のフレキシブル性に
欠けるので、その用途は限られていた。
エステル樹脂の熱可塑性樹脂を用いて表面平滑基板を製
造する場合には、樹脂の品質管理の面でガラスエポキシ
樹脂に比較して有利であるという点も考えられるが、平
滑プレス後に残留応力が発生して基板が歪みやすいとい
う問題があり、熱可塑性樹脂を用いた表面平滑基板は存
在していないのが実情である。
点を解決して、耐熱性の高い熱可塑性樹脂を用いた表面
平滑基板について、平滑プレス後の導体箔が埋め込まれ
た状態で残留応力が発生せず、基板が歪まないものを提
供することである。
できるだけ低い加熱温度で絶縁層に導体箔を埋め込んで
表面平滑化することが可能であり、しかもハンダ耐熱
性、耐薬品性、電気特性を兼ね備えた表面平滑配線板を
製造することである。
め、この発明においては、絶縁層の表面と、この絶縁層
に埋め込んで固定された導体回路の表面とが同じ高さに
配置されている表面平滑配線板において、前記絶縁層
が、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリアリールケ
トン樹脂65〜35重量%と、非晶性ポリエーテルイミ
ド樹脂35〜65重量%とを含有する熱可塑性樹脂組成
物からなり、この熱可塑性樹脂組成物は、示差走査熱量
測定で昇温した時に測定されるガラス転移温度が150
〜230℃、結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化によ
り発生する結晶化熱量ΔHcとの関係が下記の式(A) で
示される関係を満たすものであることを特徴とする表面
平滑配線板としたのである。
ケトン樹脂65〜35重量%と非晶性ポリエーテルイミ
ド樹脂35〜65重量%とを含有し、示差走査熱量測定
で昇温した時に測定されるガラス転移温度が150〜2
30℃の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム状絶縁体
を設け、このフィルム状絶縁体に導体箔を重ねて前記熱
可塑性樹脂組成物が下記の式(I) で示される結晶融解熱
量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱量Δ
Hcとの関係を満たすように熱融着し(積層プレス)、
次いで熱融着された導体箔をエッチングして導体回路を
形成し、次いで前記熱可塑性樹脂組成物が下記の式(II)
で示される関係を満たすように加熱加圧し(平滑プレ
ス)、その際に前記導体回路の表面に平滑版を圧接して
導体回路の表面と前記フィルム状絶縁体の表面とを同じ
高さに均すことからなる表面平滑配線板の製造方法とし
たのである。
は、結晶性のポリアリールケトン樹脂と非晶性のポリエ
ーテルイミド樹脂を所定量配合したフィルム状絶縁体か
らなる絶縁層を有し、この絶縁層は両樹脂の優れた諸特
性により、銅箔製の導体回路を確実に接着固定するため
の熱融着性と、ポリイミド樹脂に特有の優れた耐薬品
性、機械的強度および電気絶縁性を有している。
物は、前記式(A) を満足するものであるから、この絶縁
層はハンダ付けの際の260℃の加熱に耐えるハンダ耐
熱性を有する。
は、フィルム状絶縁体の片面または両面に熱融着された
導体箔は、熱可塑性樹脂組成物の熱融着性によって強固
に接着されており、この導体箔はエッチングされて精密
な導体回路に形成された際にも強固に接着されており、
導体回路の剥離強度は高い。なお、通常に導体箔の素材
として使用される表面粗化銅箔は、導体回路と絶縁層と
の接着強度が大きくて好ましいものである。
解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱
量ΔHcとの関係が前記式(I) で示される関係を満たす
熱可塑性樹脂組成物からなり、絶縁層の一成分であるポ
リアリールケトン樹脂の結晶化の進行状態は適当な程度
に調整されている。
線板に対し、その表面に表面平滑なステンレス鋼板その
他の平板などからなる平滑版を当てて、加熱加圧を行な
うとき、250℃未満、通常は230℃付近の低温の条
件を採用する。そのような比較的低温の加熱条件でも前
記式(I) で示される関係を満たす熱可塑性樹脂はガラス
転移点(Tg)を越える状態となり、精密に形成された
導体回路が絶縁層に各所均等な深さで埋め込まれて表面
平滑な配線板を形成できる。
は、絶縁層の熱可塑性樹脂組成物が前記式(II)で示され
る結晶性の進んだ状態になり、260℃に耐えるハンダ
耐熱性を有するものになる。
は、層間にエポキシ樹脂などの接着剤を介在させないで
熱融着するので、耐熱性、耐薬品性、電気特性などの諸
特性は接着剤の特性に支配されることがなく、絶縁層の
優れた諸特性が充分に活かされ、また効率良く表面平滑
配線板を製造することができる。
形態を、その製造方法の実施形態と共に、以下に添付図
面に基づいて説明する。
形態の表面平滑配線板Aは、結晶融解ピーク温度260
℃以上のポリアリールケトン樹脂65〜35重量%と非
晶性ポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからな
り、示差走査熱量測定で昇温した時に測定されるガラス
転移温度が150〜230℃の熱可塑性樹脂組成物から
なる絶縁層1´の表面と、この絶縁層1´に埋め込んで
固定された導体箔2(図1(d)参照)からなる導体回
路2´の表面とが同じ高さに配置され、平滑面を形成し
ている表面平滑配線板Aである。
程は、先ず図1(a)に示すように、ポリアリールケト
ン樹脂と非晶性ポリエーテルイミド樹脂とを所定割合で
配合した熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム状絶縁体
1を作製する。
ム状絶縁体1の要所に内層ブラインドホール(IVH)
形成用の孔3をレーザーまたはドリルで形成し、これに
導電性ペースト4を充填し(図1(c))、乾燥させた
後、両面に銅箔2を重ねて真空熱プレス機を用いて加熱
加圧し、両面銅張積層板5を作製する。なお、孔3は必
要に応じて形成するものであり、孔3を有しないフィル
ム状絶縁体1を用いて同様に両面銅張積層板5を作製し
てもよい。
組成物のガラス転移点を越えるがポリエーテルイミド樹
脂の結晶融解ピーク温度は越えないように、すなわち熱
可塑性樹脂組成物の非晶性が維持されるように加熱して
フィルム状絶縁体1の両面に銅箔2を熱融着し、このと
き熱可塑性樹脂組成物が下記の式(I) で示される関係を
満たす両面銅張積層板5を作製する。
し、図1(e)に示すプリント配線板6にする。
加圧成形機を用いてプリント配線板6の両面にステンレ
ス鋼板等からなる硬質の平滑版7を圧接すると共に両面
から加熱し、絶縁層1´を形成している熱可塑性樹脂組
成物が下記の式(II)で示される関係を満たすように結晶
化温度(Tc)付近(例えば220〜250℃)で加熱
加圧プレス(例えば230℃、50kgf/cm2 、10分
間)を実施して結晶化を進め、ハンダ耐熱性のある表面
平滑配線板Aを製造する。
(II)で示される熱可塑性樹脂組成物の熱特性は、結晶融
解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱
量ΔHcとの関係である。
IS K7122に準じた示差走査熱量測定で昇温した
ときのDSC曲線に現れる2つの転移熱の測定値、結晶
融解熱量ΔHm(J/g)と結晶化熱量ΔHc(J/
g)の値から上記式(I)または(II)によって算出され
る。
分子量、組成物の配合比率にも依存しているが、フィル
ム状絶縁体の成形・加工条件の大きく影響する。すなわ
ち、フィルム状に製膜する際に、原料ポリマーを溶融さ
せた後、速やかに冷却することにより、前記式の値を小
さくすることができる。また、これらの数値は、各工程
でかかる熱履歴を調整することにより、制御することが
できる。ここでいう熱履歴とは、フィルム状絶縁体の温
度と、その温度になっていた時間を指し、温度が高いほ
ど、この数値は大きくなる傾向がある。
前に0.5を越えていると、熱可塑性樹脂組成物はすで
に結晶性が高い状態にあるため、その後の平滑プレス
(例えば230℃、50kgf/cm2 、10分間)加圧条件
で導体回路2´を絶縁層2の表面に完全に埋め込むこと
が困難になり、効率よく短時間で完全な平滑面を形成す
ることができない。また、加熱加圧を熱可塑性樹脂組成
物の結晶融解温度を越える高温にする必要があれば、回
路パターンが流れて位置ずれが生じ、製造効率も低下す
ることになる。
面平滑化のための加熱加圧後は、前記式(II)の関係を満
たす必要がある。
の低い値では、絶縁層の結晶化が不充分であり、ハンダ
耐熱性(通常260℃)を保てないからである。
ィルム状絶縁体1の製造方法は、例えばTダイを用いた
押出キャスト法やカレンダー法などの周知の製膜方法を
採用すればよく、特に限定された製造方法を採る必要は
ない。なお、製膜性や安定生産性の面からTダイを用い
た押出キャスト法を採用することが好ましい。押出キャ
スト法の成形温度は、組成物の流動特性や製膜特性によ
って適宜に調節するが、概ね組成物の融点以上、430
℃以下である。
は絶縁層)の第1の成分であるポリアリールケトン樹脂
は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結合およびケ
トン結合を含む熱可塑性樹脂であり、すなわち、フェニ
ルケトンとフェニルエーテルの組み合わせ構造からなる
耐熱性の結晶性高分子である。
は、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルケトンケトンなどがあり、この発明で
は、下記の化1の式に示されるポリエーテルエーテルケ
トンを好適に使用できる。
ある非晶性ポリエーテルイミド樹脂は、その構造単位に
芳香核結合、エーテル結合およびイミド結合を含む非晶
性熱可塑性樹脂であり、この発明において下記の化2の
式に示されるポリエーテルイミド樹脂を適用できる。
体(または絶縁層)は、上記した2種類の耐熱性樹脂を
前記所定の割合でブレンドした熱可塑性樹脂組成物から
なり、示差走査熱量測定で昇温した時に測定されるガラ
ス転移温度が150〜230℃のものである。
理由は、ポリアリールケトン樹脂が65重量%を越えて
多量に配合されたり、ポリエーテルイミド樹脂の配合割
合が35重量%未満の少量の配合割合では、組成物の結
晶化速度が速くなり、導体箔と熱融着性が低下するから
であり、結晶性ポリアリルエーテルケトン樹脂が35重
量%未満であったり、非晶性ポリエーテルイミド樹脂が
65重量%を超えると、組成物の結晶化度が低くなり、
たとえ結晶融解ピーク温度が260℃以上であってもハ
ンダ耐熱性が低下するので、好ましくないからである。
する樹脂組成物には、この発明の効果を阻害しない程度
に、他の樹脂その他の添加剤を配合してもよく、その具
体例としては、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着
色剤、滑剤、難燃剤、無機フィラーなどが挙げられる。
また、フィルム状絶縁体の表面に、ハンドリング性改良
等のためのエンボス化工やコロナ処理などを施してもよ
い。
銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫などのように
厚さ8〜70μm程度の金属箔が挙げられる。このう
ち、表面を黒色酸化処理などの化成処理した銅箔が特に
好ましい。
は、この発明に用いる導体箔の2倍以上の厚みをもつこ
とが好ましい。2倍未満では、平滑プレス工程(例えば
230℃、50kgf/cm2 、10分間)の加圧条件で導体
回路2´を絶縁層2の表面に完全に埋め込むことが困難
になり、完全な平滑面を短時間で効率よく形成できない
からである。
ルム状絶縁体との接触面(重ねる面)側を予め化学的ま
たは機械的に粗化したものを用いることが好ましい。表
面粗化処理された導体箔の具体例としては、電解銅箔を
製造する際に電気化学的に処理された粗化銅箔などが挙
げられる。
縁体の条件を満足するフィルム状絶縁体の製造例1〜3
およびこれに対比する参考例1、2の製造方法およびこ
れらの物性について以下に説明する。
テルエーテルケトン樹脂(ビクトレックス社製:PEE
K381G)(以下の文中または表1、2において、P
EEKと略記する。)60重量%と、ポリエーテルイミ
ド樹脂(ゼネラルエレクトリック社製:Ultem−1
000)(以下の文中または表1、2において、PEI
と略記する。)40重量%をドライブレンドした。この
混合組成物を押出成形し、厚さ25μmのフィルム状絶
縁体を製造した。
において、混合組成物の配合割合をPEEK40重量
%、PEI60重量%としたこと以外は、同様にしてフ
ィルム状絶縁体を製造した。
において、混合組成物の配合割合をPEEK30重量
%、PEI70重量%としたこと以外は、同様にしてフ
ィルム状絶縁体を製造した。
例1において、混合組成物の配合割合をPEEK100
重量%(参考例1)、またはPEI100重量%(参考
例2)としたこと以外は、同様にしてそれぞれのフィル
ム状絶縁体を製造した。
ム状絶縁体の物性を調べるため、以下の(1) および(2)
に示す項目を測定し、または測定値から計算値を算出し
た。これらの結果は、表1にまとめて示した。
(℃)、結晶融解ピーク温度(℃) JIS K7121に準じ、試料10mgを使用し、パ
ーキンエルマー社製:DSC−7を用いて加熱速度を1
0℃/分で昇温した時の上記各温度をサーモグラムから
求めた。
ーキンエルマー社製:DSC−7を用いて加熱速度を1
0℃/分で昇温した時のサーモグラムから結晶融解熱量
ΔHm(J/g)と結晶化熱量ΔHc(J/g)を求
め、上記式の値を算出した。
μmのフィルム状絶縁体の両面に、厚さ12μmの電気
化学的に表面を粗面化した電解銅箔を積層し、真空雰囲
気下760mmHg、プレス温度200℃、プレス圧力
30kg/cm2 、プレス時間10分の条件で熱融着さ
せ、両面銅張積層板を作製した。
体に対し、前記 (2)(ΔHm−ΔHc)/ΔHmの測定
試験を前記した同じ方法で行ない、式値を表2に示し
た。
積層板に対して、後述する(3) の方法で接着強度を調
べ、この結果を表2中に併記した。
積層板にサブトラクティブ法によって回路パターンを形
成し、導電性回路をエッチングにより形成したプリント
配線板を製造した。
配線板の表裏両面に、図1(e)に示すように、ステン
レス鋼製の平滑板7を重ねると共に真空雰囲気下760
mmHgでプレス温度220℃、プレス圧力30kg/c
m2、プレス時間20分の熱圧条件で平滑プレスを実施
し、絶縁層1´が前記の式(II)で示される関係を満たす
熱可塑性樹脂組成物である表面平滑基板を製造した。
て、前記 (2)(ΔHm−ΔHc)/ΔHmの測定試験を
行なうと共に、室温における銅箔回路とフィルム状絶縁
体との接着強度を以下の(3) の試験方法で調べ、さらに
ハンダ耐熱性を下記の試験方法で調べ、これらの結果を
表2中に示した。
て、FPC素板の銅箔の銅箔の引き剥がし強さを測定
し、その平均値をkgf/10cmで示した。
60℃のハンダ浴に試験片の銅箔側がハンダ浴に接触す
る状態で10秒間浮かべた後、浴から取り出して室温ま
で放冷し、試験片の膨れや剥がれ箇所の有無を目視観察
し、良否を評価した。
状絶縁体として製造例2を使用し、両面銅張積層板を作
製する際のプレス温度を225℃、平滑基板を作製する
際の熱プレス条件を温度240℃、プレス時間を30分
に変更したこと以外は実施例1と同様にして平滑プリン
ト配線板を作製し、試験(3) 〜(4) の評価を表2中に併
記した。
積層板を作製する際のプレス温度を215℃に変更した
こと以外は実施例1と同様にして平滑プリント配線板を
作製し、これに対する試験(3) 〜(4) の評価を表2中に
併記した。
ント配線板のプレス温度を230℃、プレス時間を10
分に変更したこと以外は実施例2と同様にして平滑プリ
ント配線板を作製し、試験(3) 〜(4) の評価を表2中に
併記した。
状絶縁体として製造例3を使用し、両面銅張積層板を作
製する際のプレス温度を240℃、プレス時間を20分
に変更したこと以外は実施例1と同様にして平滑プリン
ト配線板を作製し、これに対する試験(3)〜(4) の評価
を表2中に併記した。
1の両面銅張積層板の接着強度は、0.7kgf/10cmと
いう良好な値であり、(ΔHm−ΔHc)/ΔHmの値
も0.31という適正値であった。また、平滑プリント
配線板は、導体回路が均一な深さに埋め込まれた精密な
ものであり、(ΔHm−ΔHc)/ΔHmの値も0.9
6という適正値であり、接着密度は、1.5kgf/10cm
という良好な値であった。また、ハンダ耐熱性試験の結
果は、基板に膨れや剥がれが一切観察されないという良
好な結果であった。
1.3kgf/10cmという良好な値であり、ハンダ耐熱性
試験の結果も良好であり、回路パターン近傍への樹脂の
回り込みの状態も良好であった。
線板は、層間の密着性が不充分であり、ハンダ耐熱性も
膨れや剥がれが観察されて不良であった。
層間の密着性はあったが、ハンダ耐熱性は不良であっ
た。
とフィルムの接着強度は、0.2kgf/10cmという低い
値であり、エッチング工程において回路が剥離した。
したように、耐熱性に優れた所定の熱可塑性樹脂組成物
からなる絶縁層に導体回路が平滑面を形成するように加
熱加圧して埋め込まれており、ハンダ溶解温度に耐える
耐熱性、耐薬品性および電気絶縁性を有すると共に、平
滑プレス後に導体箔が埋め込まれた状態で残留応力が発
生せず、基板が歪まないという利点がある。
方法は、250℃未満の可及的に低い加熱温度でも絶縁
層に導体箔を埋め込んで表面平滑化することが可能な製
造方法であり、しかも耐熱性(ハンダ耐熱性)、耐薬品
性、電気特性が備わっている表面平滑配線板を簡略な製
造工程で効率良く製造できるという利点がある。
式図
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁層の表面と、この絶縁層に埋め込ん
で固定された導体回路の表面とが同じ高さに配置されて
いる表面平滑配線板において、 前記絶縁層が、結晶融解ピーク温度260℃以上のポリ
アリールケトン樹脂65〜35重量%と、非晶性ポリエ
ーテルイミド樹脂35〜65重量%とを含有し、示差走
査熱量測定で昇温した時に測定されるガラス転移温度が
150〜230℃の熱可塑性樹脂組成物からなり、前記
絶縁層に導体箔を重ねて下記の式 (I) で示される結晶融
解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶化熱
量ΔHcとの関係を満たすように熱融着し、さらに熱融
着された導体箔をエッチングして形成された導体回路を
結晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結
晶化熱量ΔHcとの関係が下記の式(II)で示される関係
を満たすように加熱加圧して絶縁層の表面と導体回路の
表面を同じ高さに配置したことを特徴とする表面平滑配
線板。式 (I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5 式 (II) : 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≧0.7 - 【請求項2】 結晶融解ピーク温度260℃以上のポリ
アリールケトン樹脂65〜35重量%と非晶性ポリエー
テルイミド樹脂35〜65重量%とを含有し、示差走査
熱量測定で昇温した時に測定されるガラス転移温度が1
50〜230℃の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム
状絶縁体を設け、このフィルム状絶縁体に導体箔を重ね
て前記熱可塑性樹脂組成物が下記の式(I) で示される結
晶融解熱量ΔHmと昇温中の結晶化により発生する結晶
化熱量ΔHcとの関係を満たすように熱融着し、次いで
熱融着された導体箔をエッチングして導体回路を形成
し、次いで前記熱可塑性樹脂組成物が下記の式(II)で示
される関係を満たすように加熱加圧し、その際に前記導
体回路の表面に平滑版を圧接して導体回路の表面と前記
フィルム状絶縁体の表面とを同じ高さに均すことからな
る表面平滑配線板の製造方法。 式(I): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≦0.5 式(II): 〔(ΔHm−ΔHc)/ΔHm〕≧0.7 - 【請求項3】 フィルム状絶縁体に重ねる導体箔が、表
面粗化されている導体箔である請求項2に記載の表面平
滑配線板の製造方法。 - 【請求項4】 ポリアリールケトン樹脂が、ポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂である請求項2または3に記載の
表面平滑配線板の製造方法。
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