JP3574682B2 - 新規な酵素、該酵素を製造する方法、該酵素をコードするdna、該dnaを含む形質転換体、該酵素による光学活性アルコール等の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アルコール、アルデヒド、ケトンの製造、特に光学活性アルコールの製造に有用な新規な2級アルコール脱水素酵素、該酵素の製造方法、該酵素をコードするDNA、該DNAにより形質転換された微生物、及び該酵素を用いてアルコール、アルデヒド、ケトン、特に光学活性アルコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物が産生する2級アルコール脱水素酵素としては、補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(以下、NADP+ と略す)を要求するサーモアナエロビウム・ブロッキー (Thermoanaerobium brockii) 由来のアルコール脱水素酵素(J.Am.Chem.Soc. 108, 162-169 (1986))が知られている。また、補酵素としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、NAD+ と略す)を要求する2級アルコール脱水素酵素としては、ピキア・エスピー NRRL-Y-11328 (Pichia sp. NRRL-Y-11328: Eur.J.Biochem. 101, 401-406 (1979) )、シュードモナス・エスピー SPD6 (Pseudomonas sp. SPD6: Bioorg.Chem. 19, 398-417 (1991) )、シュードモナス・フルオレッセンス NRRL B-1244(Pseudomonas fluorescens NRRL B-1244: 特開昭59-17982号)、シュードモナス・マルトフィラ MB11L(Pseudomonas maltophilia MB11L: FEMS Microbiol.Lett. 93, 49-56 (1992))、シュードモナス・エスピー PED(Pseudomonas sp. PED: J.Org.Chem. 57, 1526-1532 (1992) )、シュードモナス・エスピー ATCC 21439 (Pseudomonas sp. ATCC 21439: Eur.J.Biochem. 119, 359-364 (1981))、キャンディダ・ボイディニー SAHM (Candida boidinii SAHM: Biochim.Biophys.Acta 716, 298-307 (1992) )、ミコバクテリウム・バカエ JOB-5(Mycobacterium vaccae JOB-5: J.Gen.Microbiol. 131, 2901-2907 (1985))、ロドコッカス・ロドクロウス PNKb1(Rhodococcus rhodochrous PNKb1: Arch.Microbiol. 153, 163-168 (1990))、コマモナス・テリゲナ(Comamonas terrigena: Biochim.Biophys.Acta 661, 74-86 (1981) )、アースロバクター・エスピー SBA(Arthrobacter sp. SBA: 特開昭51-57882号)由来の酵素が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの2級アルコール脱水素酵素の立体選択性は満足できるものではない。例えば、2級アルコール脱水素酵素の基質として最も報告の多い2−ブタノールに対して、(S)−2−ブタノールを立体選択的に酸化し、2−ブタノンを生成する活性を有する酵素は知られていない(シュードモナス・エスピー ATCC 21439 、シュードモナス・エスピー SPD6 、コマモナス・テリゲナ、キャンディダ・ボイディニー SAHM 又はピキア・エスピー NRRL-Y-11328 が産生する酵素においてはR体が優先的に酸化され、シュードモナス・フルオレッセンス NRRL B-1244が産生する酵素においては立体選択性を示さず、ミコバクテリウム・バカエ JOB-5、ロドコッカス・ロドクロウス PNKb1、シュードモナス・エスピー PED又はシュードモナス・マルトフィラ MB11Lが産生する酵素においてはその立体選択性は記載されていない)。なお、パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来の1級アルコール脱水素酵素(SADH I)は、2−ブタノールに関してはS体を優先的に酸化するという報告があるが(Arch.Biochem.Biophys.,126,933-944(1968) 、J.Biol.Chem.,268,7792-7798(1993))、その相対活性はエタノールの1%程度と極めて低く、到底実用に耐えられるものではない。
【0004】
即ち、(S)−2−ブタノールを優先的に酸化する2級アルコール脱水素酵素はこれまで知られておらず、立体選択性の高い2級アルコール脱水素酵素を見い出すことが強く望まれていた。
【0005】
また、該酵素の遺伝子をクローニングできれば、遺伝子工学の手法を用いて該酵素を大量に製造することが可能となるので、該酵素をコードする遺伝子をクローニングすることが強く望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(S)−2−ブタノールを優先的に酸化する能力を有する微生物を広くスクリーニングし、キャンディダ属に属する微生物、特にキャンディダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis)が(S)−2−ブタノールを優先的に酸化する能力を有することを見いだした。更に、この微生物を培養し、その菌体より(S)−2−ブタノールを酸化する酵素を精製した。そして、その性質を検討した結果、該酵素が(S)−2−ブタノールを高い立体選択性を持って酸化すること、更に(S)−2−ブタノール以外の多くの2級アルコールを立体選択的に酸化することを見いだした。
【0007】
即ち、本発明は、次の(1)から(9)に示す理化学的性質を有する酵素を提供する。
(1)作用
NAD+ を補酵素として、アルコールを酸化し、ケトン又はアルデヒドを生成する。また、NADHを補酵素として、ケトン又はアルデヒドを還元し、アルコールを生成する。
【0008】
(2)基質特異性
芳香族置換を含む脂肪族アルコールを酸化反応の基質とする。1級アルコールに比較して2級アルコールに対して活性が高い。2−ブタノールのR体に比較し2−ブタノールのS体を優先的に酸化する。
【0009】
アルデヒド又は芳香族置換を含む脂肪族ケトンを還元反応の基質とする。
【0010】
(3)分子量
SDS−PAGEで測定した場合、4万。
なお、本発明の酵素の上記以外の理化学的性質、及び酵素学的性質は以下の通りである。
【0011】
(4)至適pH及び安定pH範囲
(S)−2−ブタノール酸化反応の至適pHは8.5〜9.5である。2−ブタノン還元反応の至適pHは5.5〜6.5である。
【0012】
pH8.0〜10.0で比較的安定である。
【0013】
(5)作用適温の範囲
25〜55℃で活性が高く、50℃が至適温度である。
【0014】
(6)温度による失活の条件
40℃10分間の熱処理後でも90%以上の残存活性を有する。
【0015】
(7)阻害及び安定化
パラヒドロキシ安息香酸、塩化水銀、塩化銅、塩化亜鉛、N−エチルマレイミドなどのSH試薬で阻害される。還元剤の2ーメルカプトエタノール、ジチオスレイトールで阻害され、o−フェナントロリンで阻害されるが、エチレンジアミン4酢酸では阻害されない。
【0016】
(8)精製方法
通常のタンパク質の精製方法を適当に組み合わせることにより精製することができる。例えば、菌体を破砕後、プロタミン硫酸沈澱を行い、その遠心分離上清を硫酸アンモニウムを用いて塩析し、更に、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過を組み合わせることにより、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、SDS−PAGEと略す)で単一バンドになるまで精製することができ
る。
【0017】
(9)等電点
等電点電気泳動に於いていくつかのバンドを生成するが、主要なバンドの等電点は、6.7であった。
【0018】
なお、本明細書中の実施例を含む全ての2級アルコール脱水素酵素活性の測定は、以下に示す方法により行った。即ち、トリス−塩酸緩衝液(pH9.0 )50μmol, NAD+ 2.5 μmol, (S)−2−ブタノール50μmol 及び酵素を含む反応液中30℃で反応させ、NADHの生成に由来する340nm の吸光度の増大を測定した。1Uは、1分間に 1μmol のNADHの生成を触媒する酵素量とした。
【0019】
また、本発明は、2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAを提供する。
即ち、本発明者らは、精製した2級アルコール脱水素酵素をリジルエンドペプチダーゼにより消化し、逆相HPLCにより切断された断片を精製後、プロテインシーケンサーによりアミノ酸配列の一部を決定した。得られたアミノ酸配列をもとにして、PCR(Polymerase Chain Reaction) 用プライマーを合成し、キャンディダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis)の染色体DNAを鋳型としたPCRを行い、2級アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子の一部を増幅し、その塩基配列(コア配列)を明らかにした。更に、得られたDNA配列(コア配列)の周辺領域の塩基配列を明らかにするために、キャンディダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis)の染色体DNAをコア配列中にその認識配列が存在しない制限酵素 HaeII により消化し、生成したDNA断片をT4リガーゼにより自己環化し、逆PCR(Nucleic Acids Res. 16, 8186 (1988))用の鋳型DNAを調製した。次に、コア配列をもとに、コア配列の外側に向かうDNA合成の開始点となるプライマーを合成し、逆PCRによりコア配列の周辺領域を増幅した。得られたDNAの塩基配列を明らかにした結果、自己環化したDNA中に、図6、7、8に示す2級アルコール脱水素酵素の全コード領域が含まれていることを確認した。更に、クローニングした遺伝子の大腸菌宿主中での発現産物が、キャンディダ・パラプシロシス由来の2級アルコール脱水素酵素と同様の活性を有することを確認した。
【0020】
本願発明の、2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAは、2級アルコール脱水素酵素の活性を有していて、アミノ酸配列が実質的に図6、7、8に示されているおよび配列番号:2に記載の蛋白質をコードする塩基配列を含むことを特徴とする。ここで「実質的」とは、2級アルコール脱水素酵素の活性を有する限り、図6、7、8に示したおよび配列番号:2に記載のアミノ酸配列についてアミノ酸のいくつかの欠失、挿入、置換等があってもよいことを示すものである。本発明のDNAには、図6、7、8に示したおよび配列番号:1に記載の1008塩基からなるDNAが含まれることはいうまでもないが、本願発明はこれに限られるものではない。なお、DNAがコードするアミノ酸配列についてアミノ酸のいくつかの欠失、挿入、置換等を生じるようにDNAを改変することは、合成オリゴヌクレオチドを用いた部位特異的変異導入法など、周知の方法で適宜行うことができる。また、図6、7、8に示したおよび配列番号:1に記載の1008塩基を含むDNAまたは該DNAを適宜改変したDNAを鋳型にして、PCR法をMn2+イオンの存在下(通常0.5〜10mMの濃度)または特定のヌクレオチドの濃度を低くして行うことによって、ランダムに変異が導入されたDNAを得ることができる。このようにして得られたDNAのうち、2級アルコール脱水素酵素の活性を有するタンパク質をコードするものが、本願発明に含まれることはいうまでもない。
【0021】
更に本発明は、アミノ酸配列が実質的に図6、7、8に示されている、および配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNAにより形質転換された、2級アルコール脱水素酵素生産能を有する微生物を提供する。
【0022】
本発明において形質転換の対象となる微生物は、2級アルコール脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAにより形質転換され、2級アルコール脱水素酵素活性を発現することができる微生物であればいかなるものでもよく、具体的には、イシェリヒア(Escherichia) 属,バチルス(Bacillus)属,シュードモナス(Pseudomonas) 属,セラチア(Serratia)属,ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属,コリネバクテリイウム(Corynebacterium) 属、ストレプトコッカス(Streptococcu)属、ラクトバチルス(Lactobacillus) 属など宿主,ベクター系の開発されている細菌、サッカロマイセス(Saccharomyces) 属,クライベロマイセス(Kluyveromyces) 属,シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces) 属,チゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces) 、ヤロウイア(Yarrowia)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida) 属などの酵母、ノイロスポラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、セファロスポリウム(Cephalosporium)属、トリコデルマ(Trichoderma) 属などに属するカビなどが含まれる。
【0023】
形質転換体の作製のための手順ないし、方法そのものは、分子生物学、生物工学、遺伝子工学の分野において慣用されている技術に準じて行うことができる。
【0024】
微生物中において、本発明の遺伝子を発現させるためには、まず微生物中において安定に存在するプラスミドベクターやファージベクター中にこの遺伝子を挿入する必要がある。また、本発明のDNAを微生物中で発現させるためには、それが有する遺伝情報を転写・翻訳させる必要がある。そのためには、転写・翻訳を制御するユニットにあたるプロモーターを本発明のDNAの5'- 側上流に、ターミネーターを3'- 側下流に、それぞれ組み込めばよい。このプロモーター、ターミネーターとしては、宿主として利用する微生物中において機能することが知られているプロモーター、ターミネーターを用いる必要がある。これら各種微生物において利用可能なベクター、プロモーター、ターミネータ−などに関して「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」、特に酵母に関しては「Adv.Biochem.Eng. 43, 75-102 (1990)」又は「Yeast 8, 423-488 (1992) 」 などに詳細に記述されている。
【0025】
例えば、イシェリヒア属特に大腸菌イシェリヒア・コリ(Escherichia coli)においては、プラスミドベクターとして、pBR, pUC 系プラスミドを利用することが可能であり、lac(β−ガラクトシダーゼ), trp( トリプトファンオペロン), tac(lac, trp の融合), λファージ PL, PR などに由来するプロモーターなどが利用できる。また、ターミネーターとしては、trpA 由来、ファージ由来 rrnB リボソーマルターミネーターなどを用いることができる。
【0026】
バチルス属においては、ベクターとしてpUB110系プラスミド、pC194 系プラスミドなどが利用可能であり、染色体に直接挿入させることもできる。また、プロモーター、ターミネーターとして apr( アルカリプロテアーゼ), npr(中性プロテアーゼ), amy( α−アミラーゼ) などが利用できる。
【0027】
シュードモナス属においては、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia) などで宿主ベクター系が開発されており、トルエン化合物の分解に関与するプラスミド TOL プラスミドを基本にした広宿主域ベクター(RSF1010 などに由来する自律的複製に必要な遺伝子を含む) pKT240 などが利用可能であり、プロモーター、ターミネーターとして、リパーゼ遺伝子(特開平5-284973号)などが利用できる。
【0028】
ブレビバクテリウム属、特にブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum) においては、pAJ43 (Gene 39, 281 (1985)) などのプラスミドベクターが利用可能であり、プロモーター、ターミネーターとしては、大腸菌で使用されているプロモーター、ターミネーターがそのまま利用可能である。
【0029】
コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)においては、pCS11 ( 特開昭57-183799 号), pCB101 (Mol.Gen.Genet. 196, 175 (1984))などのプラスミドベクターが利用可能である。
【0030】
ストレプトコッカス(Streptococcu)属においては、pHV1301 (FEMS Microbiol.Lett. 26, 239 (1985)),pGK1(Appl.Environ.MIcrobiol. 50, 94 (1985) )などがプラスミドベクターとして利用可能である。
【0031】
ラクトバチルス(Lactobacillus) 属においては、ストレプトコッカス属用に開発された pAMβ1 (J.Bacteriol. 137, 614 (1979))などが利用可能であり、プロモーターとして大腸菌で利用されるているものが利用可能である。
【0032】
サッカロマイセス(Saccharomyces) 属、特にサッカロマイセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisiae) においては、YRp 系,YEp 系,YCp 系,YIp 系プラスミドが利用可能であり、染色体内に多コピー存在するリボソームDNAとの相同組換えを利用したインテグレーションベクター(EP 537456 など)は、多コピーで遺伝子を導入でき、かつ安定に遺伝子を保持できるため極めて有用である。また、ADH(アルコール脱水素酵素), GAPDH( グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素), PHO( 酸性フォスファターゼ), GAL( β−ガラクトシダーゼ), PGK( ホスホグリセレートキナーゼ), ENO( エノラーゼ) などのプロモーター、ターミネーターが利用可能でる。
【0033】
クライベロマイセス属、特にクライベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)においては、サッカロマイセス・セレビジアエ由来 2μm 系プラスミド, pKD1 系プラスミド(J.Bacteriol. 145, 382-390 (1981)),キラー活性に関与する pGKl1 由来プラスミド, クライベロマイセス属における自律増殖遺伝子 KARS 系プラスミド,リボソームDNAなどとの相同組換えにより染色体中にインテグレート可能なベクタープラスミド(EP 537456 など)などが利用可能である。また、ADH, PGK などに由来するプロモーター、ターミネーターが利用可能である。
【0034】
シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces) 属においては、シゾサッカロマイセス・ポンベ由来の ARS (自律複製に関与する遺伝子) 及びサッカロマイセス・セレビジアエ由来の栄養要求性を相補する選択マーカーを含むプラスミドベクターが利用可能である(Mol.Cell.Biol. 6, 80 (1986) )。また、シゾサッカロマイセス・ポンベ由来の ADH プロモーターなどが利用できる(EMBO J. 6, 729 (1987) )。
【0035】
チゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces) においては、チゴサッカロマイセス・ロウキシ (Zygosaccharomyces rouxii) 由来の pSB3 (Nucleic Acids Res. 13, 4267 (1985))などに由来するプラスミドベクターが利用可能であり、サッカロマイセス・セレビシエ由来 PHO5 プロモーターや、チゴサッカロマイセス・ロウキシ由来 GAP-Zr(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素) のプロモーター(Agri.Biol.Chem. 54, 2521 (1990) )などが利用可能である。
【0036】
ハンゼヌラ(Hansenula) 属においては、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)において宿主ベクター系が開発されている。ベクターとしては、ハンゼヌラ・ポリモルファ由来自律複製に関与する遺伝子(HARS1, HARS2)も利用可能であるが、比較的不安定であるため、染色体への多コピーインテグレーションが有効である(Yeast 7, 431-443 (1991) )。また、メタノールなどで誘導される AOX(アルコールオキシダーゼ), FDH( ギ酸脱水素酵素) のプロモーターなどが利用可能である。
【0037】
ピキア(Pichia)属においては、ピキア・パストリス(Pichia pastoris) などにピキア由来自律複製に関与する遺伝子 (PARS1, PARS2) などを利用した宿主ベクター系が開発されており(Mol.Cell.Biol. 5, 3376 (1985) )、高濃度培養とメタノールで誘導可能な AOX など強いプロモーターが利用できる(Nucleic Acids Res. 15, 3859 (1987))。
【0038】
キャンディダ(Candida) 属においては、キャンディダ・マルトーサ(Candida maltosa) 、キャンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)などにおいて宿主ベクター系が開発されている。キャンディダ・マルトーサにおいてはキャンディダ・マルトーサ由来ARSがクローニングされ(Agri.Biol.Chem. 51, 51, 1587 (1987) )、これを利用したベクターが開発されている。
【0039】
アスペルギルス(Aspergillus) 属においては、カビの中で最もよく研究されており、プラスミドや染色体へのインテグレーションが利用可能であり、菌体外プロテアーゼやアミラーゼ由来のプロモーターが利用可能である(Trends in Biotechnology 7, 283-287 (1989) )。
【0040】
トリコデルマ(Trichoderma) 属においては、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)を利用したホストベクター系が開発され、菌体外セルラーゼ遺伝子由来プロモーターなどが利用できる(Biotechnology 7, 596-603 (1989) )。
【0041】
本発明の酵素は、キャンディダ(Candida)属に属する下記(1)から(3)に示す性質を有する酵素を産生する微生物もしくはその変異株、又は該酵素をコードする遺伝子を異種の微生物宿主に導入し該酵素生産能を付与された遺伝子組換え体を培養することなどにより製造することができる。
【0042】
(1)作用
NAD+ を補酵素として、アルコールを酸化し、ケトン又はアルデヒドを生成する。また、NADHを補酵素として、ケトン又はアルデヒドを還元し、アルコールを生成する。
【0043】
(2)基質特異性
芳香族置換を含む脂肪族アルコールを酸化反応の基質とする。1級アルコールに比較して2級アルコールに対して活性が高い。2−ブタノールのR体に比較し2−ブタノールのS体を優先的に酸化する。
【0044】
アルデヒド又は芳香族置換を含む脂肪族ケトンを還元反応の基質とする。
【0045】
(3)分子量
SDS−PAGEで測定した場合、4万。
【0046】
更に、本発明の2級アルコール脱水素酵素、又は該酵素を含む微生物(変異株や遺伝子組換え微生物を含む)もしくはその処理物を、芳香族で置換されてもよい脂肪族2級アルコール、例えば、2−ブタノール、2−オクタノール、フェニルエタノール、1,3−ブタンジオール、β−ヒドロキシ−n−酪酸エチルエステルなどのラセミ体アルコールに作用させ、光学異性体の一方(2−ブタノール、2−オクタノール、フェニルエタノール、1,3−ブタンジオール、β−ヒドロキシ−n−酪酸エチルエステルにおいてはそのS体)のみを酸化することにより、他方の光学活性アルコール(2−ブタノール、2−オクタノール、フェニルエタノール、1,3−ブタンジオール、β−ヒドロキシ−n−酪酸エチルエステルにおいてはそのR体)を生産することができる。この酸化反応により補酵素NAD+ は還元され、NADHが生成する。
【0047】
生成したNADHは、例えば、微生物の有するNADHをNAD+ に変換する能力により、NAD+ に変換(再生)されることができる。また、グルタミン酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、NADH脱水素酵素、NADHオキシダーゼなどのNADHをNAD+ に酸化する活性を有する酵素、又はこれら酵素を含有する微生物もしくはその処理物を反応系に添加することにより、NAD+ を再生することもできる。また、本発明の酵素の基質特異性を利用して、反応系にアセトン、2−ブタノンなどの安価な本酵素の還元反応の基質を共存させることにより、1種類の酵素でNAD+ の再生も同時に行うことができる。
【0048】
また、ケトン体に本発明の2級アルコール脱水素酵素、又は該酵素を産生する微生物(変異株や形質転換微生物を含む)もしくはその処理物を作用させ、光学活性なアルコールを生産することができる。例えば、2−ブタノンから(S)−2−ブタノール、2−オクタノンから(S)−2−オクタノール、アセトフェノンから(S)−1−フェニルエタノール、4−ヒドロキシ−2−ブタノンから(S)−1,3−ブタンジオール、アセト酢酸エステルから(S)−β−ヒドロキシ−n−酪酸エステルなどを生産することができる。この還元反応により補酵素NADHは酸化され、NAD+ が生成する。
【0049】
生成したNAD+ は、例えば、微生物の有するNAD+ をNADHに変換する能力により、NADHに変換(再生)されることができる。このNAD+ 還元活性は、反応系にグルコース、エタノール、ギ酸などを添加することにより促進することが可能である。また、反応系に、ギ酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素などのNAD+ をNADHへ還元する能力を有する酵素、又はこれら酵素を含む微生物もしくはその処理物を添加することにより、NAD+ の還元を行うこともできる。また、本発明の酵素の基質特異性を利用して、反応系にイソプロパノールやエタノールなどの酸化反応の基質を添加することにより、1種類の酵素でNADHの再生反応を同時に行うこともできる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
[実施例1](2級アルコール脱水素酵素の精製)
キャンディダ・パラプシロシス IFO 1396 株をYM培地(グルコース10g,バクトペプトン5g,酵母エキス3g,麦芽エキス3g/L, pH6.0)で培養し、遠心分離により菌体を調製した。
【0052】
得られた湿菌体を超高圧細胞破砕装置により菌体を破砕後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液にプロタミン硫酸を添加し、核酸及びミクロゾームを除去した。遠心分離により得られた上清に、硫安を添加して70%飽和において沈澱した画分を回収した。更に、Q−セファロースFFを用いたアニオン交換クロマトグラフィーを行い、塩化ナトリウムの濃度勾配溶出を行い、2級アルコール脱水素酵素活性を有するピークを回収した。得られた画分を1.62M硫安を含む緩衝液で平衡化したフェニル−セファロースに添加し、疎水クロマトグラフィーを行った。硫安濃度を0Mまで減少させ、2級アルコール脱水素酵素活性画分を回収した(酵素活性の測定法は前述の方法で行った)。この活性画分をレッド−セファロースのアフィニティーカラムに添加し、素通り画分をスーパーデックス200のゲルろ過カラムに添加し、ゲルろ過を行った。活性画分を回収し、モノQカラムに添加し、塩化ナトリウムの濃度勾配を用いて陰イオン交換クロマトグラフィーを行い、活性画分をSDS−PAGEで純度検定を行い、単一バンドを示す画分のみを回収した。
【0053】
得られた2級アルコール脱水素酵素標品は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Native-PAGE )において1本メジャーなバンドと近接する数本の薄いバンドがみられた。活性染色の結果、全てのバンドが2級アルコール脱水素酵素活性を有しており、この酵素標品をSDS−PAGEで解析した結果、単一バンドであった。
【0054】
SDS−PAGEにおけるバンドの分子量は、約40000であった(図1) 。
【0055】
精製の要約を表1に示したが、精製酵素の比活性は、1370U/mg−蛋白質であった。
【0056】
【表1】
[実施例2](2級アルコール脱水素酵素の至適pH)
2級アルコール脱水素酵素をカリウム−リン酸緩衝液(KPB)、トリス−塩酸緩衝液(Tris-HCl)、ブリットン−ロビンソン緩衝液を用いてpHを変化させて(S)−2−ブタノールの酸化活性、2−ブタノンの還元活性((S)−2−ブタノール 酸化活性測定時の条件でNAD+ をNADH(0.4 μmol )に代えて測定し、NADHの減少に伴う340nm の吸光度の減少を測定したもの)を測定した。最大活性を100とした相対活性で表し、図2、図3に示した。反応の至適pHは、(S)−2−ブタノール酸化反応が8.5〜9.5、2−ブタノンの還元反応が5.5〜6.5であった。
【0057】
[実施例3](2級アルコール脱水素酵素の作用至適温度)
2級アルコール脱水素酵素活性を標準反応条件のうち温度だけを変化させて測定した表2に示した。至適温度は50℃であった。
【0058】
【表2】
[実施例4](2級アルコール脱水素酵素のpH安定性)
トリス−塩酸緩衝液pH8.0−9.0、ブリットン−ロビンソン緩衝液pH5.0−12.0中で30℃, 30分間処理後の残存活性を測定し図4に示した。pH8.0〜10.0において最も安定であった。
【0059】
[実施例5](2級アルコール脱水素酵素の耐熱性)
2級アルコール脱水素酵素をpH8.0で10分間放置した後、残存活性を測定し図5に示した。40℃、10分間の熱処理後でも90%以上の残存活性を有していた。
【0060】
[実施例6](2級アルコール脱水素酵素の基質特異性)
2級アルコール脱水素酵素を種々のアルコール、アルデヒドと反応し、その酸化,還元反応の活性を (S)−2−ブタノールの酸化,2−ブタノンの還元をそれぞれ100とした相対活性で表し、表3及び表4に示した。
【0061】
【表3】
【表4】
[実施例7](2級アルコール脱水素酵素の阻害剤に対する挙動)
2級アルコール脱水素酵素を種々の試薬中で30℃、30分間処理し、処理後の活性を、未処理の活性を100とした残存活性で表し、表5に示した。
【0062】
【表5】
酵素活性は、ジチオスレイトール(DTT)、ヨードアセトアミド、パラクロロ水銀安息香酸、塩化水銀、塩化亜鉛、高濃度の金属キレーター、2−メルカプトエタノールによって顕著に阻害された。
【0063】
[実施例8](2級アルコール脱水素酵素の部分アミノ酸配列の解析)
精製した2級アルコール脱水素酵素 0.153mg を 50mM トリス−塩酸 pH9.0, 4M 尿素中において 0.53 μg のリジルエンドペプチダーゼで30℃, 6時間消化した。切断されたペプチド断片を逆相HPLC( 東ソー製 TSK ODS-120T カラム) を用い、0.1% トリフルオロ酢酸中におけるアセトニトリルの勾配溶出により分離し、分取した。
【0064】
分取したペプチドをABI製プロテインシーケンサー477Aによりアミノ酸配列を決定した。
【0065】
プロテインシーケンサーによって決定されたアミノ酸配列は、図6、7、8のアミノ酸配列にアンダーラインで示した。
【0066】
[実施例9](2級アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子のPCRクローニング)
2級アルコール脱水素酵素のN末端に近い部分のアミノ酸配列から予想されるDNA配列を縮重を考慮して合成し混合PCRプライマー(CpN) とした。また、C末端に近い部分のアミノ酸配列から予想されるDNA配列の相補配列をもう一方の混合PCRプライマー(CpT10) として合成した。これら配列を図9に示した。なお、DNAの合成は、ABI製DNAシンセサイザー381Aにより行った。
【0067】
[実施例10](キャンディダ・パラプシロシスからの染色体DNAの調製)
キャンディダ・パラプシロシス IFO 1396 をYEPD培地(1%酵母エキス、2%ポリペプトン、2%グルコース)100mL 中で培養し、遠心分離により菌体を回収した。菌体を 25mL の 1M ソルビトール, 0.1M エチレンジアミン4酢酸(EDTA)に澱懸し、再度遠心分離により菌体を回収した。回収した菌体を 10mL の 50mM リン酸カリウム緩衝液 pH7.5, 1M ソルビトール, 0.1M 2- メルカプトエタノールで懸濁し、更に、2.5mg/mL チモリアーゼを0.4mL 添加し、30℃でインキュベートすることによりプロトプラストを形成した。検鏡によりプロトプラスト形成を確認後、遠心分離により菌体を回収した。回収した菌体を、12mL の 50mM トリス−塩酸 pH7.4, 20mM EDTA に澱懸し、更に、1.2mL の 10% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を添加後よく混合した。この状態で65℃, 30分間インキュベートした後、3.6mL の 5M 酢酸カリウム pH5.0 を添加し、氷上で60分間放置し、タンパク質を変性沈殿させた。
【0068】
遠心分離により変性タンパク質を分離し、上清を回収後、等量のイソプロパノールを室温で添加し、ゆっくりと混合した。遠心分離により沈殿したDNAを回収し、乾燥後、15mL の 10mM トリス−塩酸緩衝液 pH7.4, 1mM EDTA に溶解し、1mg/mL RNase( リボヌクレアーゼ) 0.75mL を添加し、37℃, 1 時間インキュベートし、夾雑するRNAを分解した。RNA分解後、フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、クロロホルム抽出を行った後、エタノール沈殿によりDNAを回収し、実施例11におけるPCR反応の鋳型DNAとした。
【0069】
[実施例11](2級アルコール脱水素酵素遺伝子のPCR法によるクローニング)
実施例9において合成した2種類の混合PCRプライマー(CpN 及び CpT10) 100pmol, 実施例10において調製したキャンディダ・パラプシロシス染色体DNA 50ng を含むPCR用緩衝液(10mM トリス−塩酸緩衝液 pH8.3, 50mM 塩化カリウム, 1.5mM 塩化マグネシウム, 各 0.2mM dNTP, 0.01% ゼラチン, 2U TaqDNAポリメラーゼ( ロシュ社製) )を調製し、熱変性(94℃, 30秒)、アニーリング(45℃, 30秒)、伸長反応(60℃, 2 分)を30サイクル行い、4 ℃まで冷却後、アガロースゲル電気泳動により増幅DNAを確認した。
【0070】
[実施例12](PCR法によって増幅したDNAのサブクローニング)
実施例11においてPCR法により増幅されたDNAを SureClone Ligation Kit (ファルマシア社製)により pUC18 にサブクローニングし、その塩基配列をABI製DNAシーケンサー373Aにより決定した結果、PCRプライマー配列を含めて 971塩基からなっていた。その配列は図6、7、8に示したDNAのうち、プライマー CpN 及びCpT10 間に当たる部分である。以後この配列を「コア配列」と記す。
【0071】
[実施例13](逆PCR法によるコア配列周辺配列のクローニング)
コア配列の5'- 側に近い部分の相補配列 CAATTGACCCGCTTTGGGC (CPA-MUN)、及び、3'- 側に近い部分の配列 TTCGAATCTTGGGATGTTTTTG (CPA-NSP) を化学合成した。2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAにおける合成した逆PCRプライマーの位置を図6、7、8に示した。
【0072】
逆PCRのDNA鋳型として、まず、キャンディダ・パラプシロシスの染色体DNAを制限酵素 HaeII により消化し、消化物をT4DNAリガーゼを用いて自己環化した。この自己環化物 50ng 、化学合成したプライマー CPA-MUN 及び CPA-NSP をそれぞれ 20pmol 含むPCR用緩衝液(実施例11に記載のもの)を用い、熱変性(94℃, 30秒)、アニーリング(50℃, 30秒)、伸長反応(70℃, 2 分)のサイクルを30回行った。増幅されたDNA断片を実施例12と同様に SureClone Ligation Kit (ファルマシア社製)を用いて pUC18 にサブクローニングし、ABI製DNAシーケンサー373Aにより全塩基配列を決定した。
【0073】
PCR及び逆PCRにより得られた2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAの全塩基配列及び該DNAがコードするアミノ酸配列を図6、7、8にまとめた。
【0074】
[実施例14](2級アルコール脱水素酵素をコードする遺伝子のPCR法を用いた合成)
まず、プライマーを用いてPCR法により制限酵素部位の導入を行った。実施例10において得たDNAを鋳型とし、プライマーとしては、EcoRIの制限酵素部位を含む5´−プライマー「CPA-ATG 」(5'-TCGCGAATTCAATGTCAATTCCATCAAGCCAG-3')とBgIII部位を含む3´−プライマー「CPA-TAG 」(5'-AGATCTTACTATGGATTAAAAACAACTCTA-3')により約1030bpのDNA断片をPCR法により増幅し、遺伝子断片を得た。DNAの合成は、ABI社製DNAシンセサイザー381Aにより行い、PCR反応は実施例11と同様に行った。
【0075】
[実施例15](PCR法によって増幅したDNAのサブクローニング)
実施例14により増幅されたPCR断片を SureClone Ligation Kit (ファルマシア社製)にてプラスミドpUC18マルチクローニングサイトのSmal部位に連結した(図10)。構築されたプラスミド(pCPA6R)は、ラクトースプロモーター(図中「lacZ」で示す部分に含まれる)とは逆向きに挿入されていた。
【0076】
[実施例16](2級アルコール脱水素酵素遺伝子発現プラスミドpKK−CPA1の構築)
さらに、2級アルコール脱水素酵素を発現ベクターpKK223−3(ファルマシイ社製)にサブクローニングし、pKK−CPA1を構築した。pKK−CPA1の構築方法は以下の通りである。pCPA6RをEcolCRI(プロメガ社製)消化し、HindIIIリンカー(タカラ社製)を連結した上でEcoRI(タカラ社製)およびHindIII(タカラ社製)で切断後、2級アルコール脱水素酵素を有する断片を抽出し、発現ベクターpKK223−3を制限酵素EcoRIおよびHindIIIで切断したものと連結することにより、2級アルコール脱水素酵素遺伝子発現ベクターpKK−CPA1を構築した(図11)。
【0077】
[実施例17](2級アルコール脱水素酵素の生産)
イシェリヒア・コリ(Esherichia coli )JM109 のコンピテントセルを調製し、発現ベクターpKK−CPA1で形質転換することにより、2級アルコール脱水素酵素生産菌株を作成した。この菌株を、0.1mg/mlの濃度でアンピシリンを添加したLB培地(1.0%ポリペプトン、0.5%酵母エキス、1.0%塩化ナトリウム、pH7.2)中で30℃、3時間培養した。最終濃度1mMとなるようにイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を加えてさらに5時間培養し、培養液を遠心分離し、集菌した。
【0078】
[実施例18](酵素反応での活性評価)
実施例17に従って調製した菌体を 50mM Tris-HCl pH9.0、0.01%2- メルカプトエタノールに懸濁し、超音波粉砕して粗酵素溶液を得た。該酵素液を 50mm トリス塩酸緩衝液 pH9.0、50mM(S)-1,3-ブタンジオール、2.5mM NAD+ から成る30℃の反応液に加え、NAD+ の増加に伴う340nm の吸光度を測定することで(S)−1,3−ブタンジオール酸化活性を測定した。結果を表6に示す。なお、対照として、発現プラスミドpKK−CPA1で形質転換していない宿主イシェリヒア・コリを用い、実施例18と同様に行った結果を表6に同時に示す。
【0079】
【表6】
[実施例19](遺伝子組換え菌体による(R)−1,3−ブタンジオールの生産)
実施例17に従って調製した菌体に最終濃度5%となるようラセミ1,3−ブタンジオールと0.8%炭酸カルシウム水を加え、直径21mm試験管にて30℃、250rpmで17時間振とう反応させた。なお、反応開始時における菌体濃度を660nm におけるODが20となるようにした。反応終了後、遠心分離にて除菌し、得られた上澄液500μlを塩化ナトリウムで飽和させた後、酢酸エチル2ml を用いて残存する1,3−ブタンジオールを抽出した。抽出液を脱溶媒後、残渣に塩化アセチル100 μlを加えて、アセチル化した。これに1ml n−ヘキサンを加えてアセチル化した1,3−ブタンジオールを溶解し、光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー[カラム:キラルセルOB(ダイセル化学工業株式会社製)、溶媒:n−ヘキサン/2−プロパノール=19:1、波長220nm 、流速1.0ml/分、温度40℃]にて光学純度を測定した(保持時間:(S)体15分、(R)体19.3分)。また、先の上澄液を蒸溜水にて適宜希釈した後、ガスクロマトグラフィー[カラム:Thermon 3000 5% / chromosorb W 80 〜100 メッシュ(内径3mm ×長さ2.1m)(信和化工株式会社製)、温度130 ℃]にて1,3−ブタンジオール濃度を定量した。得られた1,3−ブタンジオールの光学純度、収率を表7に示す。なお、対照として、発現プラスミドpKK−CPA1で形質転換していない宿主イシェリア・コリを用い、実施例19と同様に行った結果を表7に同時に示す。なお、表7中で、収率とは「最初に添加したラセミ1,3−ブタンジオールに対する、反応終了後残存した1,3−ブタンジオールのモル比」を表す。
【0080】
【表7】
【0081】
【発明の効果】
本発明により、新規な、立体特異性を有する2級アルコール脱水素酵素、該酵素をコードするDNA、該酵素をコードするDNAにより形質転換された微生物を得ることが可能になった。
【0082】
本酵素又は本酵素を産生する微生物(変異株や形質転換微生物を含む)もしくはその処理物を用いることにより、ラセミ体アルコールからの光学活性アルコールの製造、非対称ケトンからの光学活性アルコールの製造などを効率的に行うことが可能となった。
【0083】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】精製した2級アルコール脱水素酵素のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動におけるパターンを示す図である。
【図2】2級アルコール脱水素酵素の(S)−2−ブタノール酸化反応のpH依存性を至適pHを100とした相対活性で示す図である。
【図3】2級アルコール脱水素酵素の2−ブタノン還元反応のpH依存性を至適pHにおける活性を100とした相対活性で示す図である。
【図4】2級アルコール脱水素酵素を各pHにおいて30℃、30分処理した後の残存活性を示す図である。
【図5】2級アルコール脱水素酵素を各温度で10分処理した後の残存活性を示す図である。
【図6】2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAの塩基配列、該塩基配列から予想されるアミノ酸配列、PCRプライマー及び逆PCRプライマーの部位を示す図である。
【図7】2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAの塩基配列、該塩基配列から予想されるアミノ酸配列、PCRプライマー及び逆PCRプライマーの部位を示す図である。
【図8】2級アルコール脱水素酵素をコードするDNAの塩基配列、該塩基配列から予想されるアミノ酸配列、PCRプライマー及び逆PCRプライマーの部位を示す図である。
【図9】PCR用混合プライマーCpN、CpT10の構造を示す図である。なお、図中同一部位に複数の塩基が記載してあるものは、混合プライマーがそれら複数の塩基を有するプライマーの混合物になっていることを示す。
【図10】プラスミドpCPA6Rの構成を示す図である。
【図11】発現ベクターpKK−CPA1の構成を示す図である。
Claims (16)
- 次の(1)から(7)に示す理化学的性質を有する酵素。
(1)作用
NAD+ (酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を補酵素として、アルコールを酸化し、ケトン又はアルデヒドを生成する。また、NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を補酵素として、ケトン又はアルデヒドを還元し、アルコールを生成する。
(2)基質特異性
芳香族置換を含む脂肪族アルコールを酸化反応の基質とする。1級アルコールに比較して2級アルコールに対して活性が高い。2−ブタノールのR体に比較し2−ブタノールのS体を優先的に酸化する。
アルデヒド又は芳香族置換を含む脂肪族ケトンを還元反応の基質とする。
(3)分子量
SDS−PAGEで測定した場合、4万。
(4)至適 pH 及び安定 pH 範囲
(S)−2−ブタノール酸化反応の至適pHは8.5〜9.5である。2−ブタノン還元反応の至適pHは5.5〜6.5である。安定 pH 範囲はpH8.0〜10.0である。
(5)作用適温の範囲
作用適温の範囲は25〜55℃である。
(6)温度による失活の条件
40℃10分間の熱処理後でも90%以上の残存活性を有する。
(7)阻害及び安定化
パラヒドロキシ安息香酸、塩化水銀、塩化銅、塩化亜鉛、N−エチルマレイミドなどのSH試薬で阻害され、還元剤の2ーメルカプトエタノール、ジチオスレイトールで阻害され、o−フェナントロリンで阻害されるが、エチレンジアミン4酢酸では阻害されない。 - キャンディダ(Candida)属に属し請求項1の酵素を産生する微生物を培養し、培養物から該酵素を取得することを特徴とする、請求項1記載の酵素の製造方法。
- 請求項2記載の方法において、キャンディダ属に属する微生物が、キャンディダ・パラプシロシス (Candida parapsilosis) であることを特徴とする方法。
- 配列番号:1に記載された塩基配列で表される請求項1記載の酵素をコードするDNA。
- 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、および/または付加したアミノ酸配列からなり、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNA。
- 請求項5記載のDNAにおいて、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNA。
- 配列番号:2に記載されたアミノ酸配列からなる蛋白質。
- 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、および/または付加したアミノ酸配列からなり、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋白質。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載のDNAを含むことを特徴とするベクター。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載のDNAによって形質転換された微生物。
- 請求項10に記載の微生物を培養し、培養物から請求項1記載の酵素を取得することを特徴とする、請求項1記載の酵素の製造方法。
- 請求項1に記載の酵素、又は該酵素を産生する微生物もしくはその処理物を、ケトン又はアルデヒドに作用させ、該ケトン又はアルデヒドを還元してアルコールを製造することを特徴とする、アルコールの製造方法。
- 請求項1に記載の酵素、又は該酵素を産生する微生物もしくはその処理物を、非対称ケトンに作用させ、該非対称ケトンを還元して光学活性アルコールを製造することを特徴とする、光学活性アルコールの製造方法。
- 請求項1に記載の酵素、又は該酵素を産生する微生物もしくはその処理物をアルコールに作用させ、該アルコールを酸化してケトン又はアルデヒドを製造することを特徴とする、ケトン又はアルデヒドの製造方法。
- 請求項1に記載の酵素、又は該酵素を産生する微生物もしくはその処理物をラセミ体アルコールに作用させ、光学異性体の一方を優先的に酸化し、残存する光学活性アルコールを取得することを特徴とする、光学活性アルコールの製造方法。
- 請求項10に記載の微生物由来の酵素、又は請求項10に記載の微生物もしくはその処理物を作用させることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
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