JP3548535B2 - 半導体回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリ等に使用されるレベルシフトを行う半導体回路(レベルシフタ)に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レベルシフタは、例えば、CMOS回路で構成すると、図7のブロック図に示される構成となる。
この図7で示されるレベルシフタは、基本構成例であり、「H」レベルの電圧レベルの変換、例えば外部から電源電圧として供給される電圧Vccを、この電圧Vccを昇圧回路により昇圧した昇圧電圧の電圧Vppへ、電圧レベルの変換を行う回路であり、また、入力信号INの「H」レベルが電圧Vccであり、「L」レベルが接地電位である。
【0003】
トランジスタP101及びP102は、各々チャンネル幅Wp,チャンネル長Lのpチャンネル型MOS(金属/酸化膜/半導体)トランジスタであり、ソースが電源端子へ接続されている。
また、トランジスタP101及びP102は、基板が電源端子へ接続され、一方のトランジスタのゲートが他方のドレインへ接続されている。
すなわち、トランジスタP101のドレインがトランジスタP102のゲートに接続され、トランジスタP102のドレインがトランジスタP101のゲートに接続されている。
【0004】
トランジスタN101及びN102は、各々チャンネル幅Wn,チャンネル長Lのnチャンネル型MOSトランジスタであり、ソースが接地点(接地電圧の端子)へ接続されている。
ここで、トランジスタN101及びN102は、各々基板(あるいはウェル)も接地端子(接地点)へ接続されている。
【0005】
また、トランジスタN101のゲートには入力信号INが入力され、トランジスタN102のゲートには、入力信号INがインバータV101により反転された信号INBが入力されている。
そして、トランジスタP102のドレインとトランジスタN102のドレインとの接続点が端子TOUTに接続され、トランジスタP101のドレインとトランジスタN101のドレインとの接続点が端子BOUTに接続されている。
これにより、端子TOUTからは入力信号INと同様の論理値のレベルが出力され、端子BOUTからは入力信号INの論理値の反転されたレベルが出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、入力信号INが「L」レベルから「H」レベルへ変化すると、トランジスタN102がオフ状態となり、トランジスタN101がオン状態となり、出力端子BOUTの電圧が引き下げられるため、出力端子BOUTからの出力信号が「H」レベルから「L」レベルへ変化する。
そして、出力端子BOUTが「L」レベルへ遷移することにより、トランジスタP102がオン状態となり、出力端子TOUTが「L」レベルから「H」レベルへ遷移する。
【0007】
ここで、レベルシフタが「H」レベルを電圧Vccの「H」から電圧Vppへレベルシフトさせる場合のみの使用であれば、上述した図7のレベルシフタの構成で対応可能である。
しかしながら、フラッシュメモリ等のメモリセルトランジスタに電圧Vppをかけて書き込みを行ったり、電圧Vccレベルで読み出しを行ったりする場合があり、この2通りの電圧レベルにおいて、同様のスイッチング速度で動作するレベルシフタを設計することは非常に困難である。以下、この困難な理由を順次説明していく。
【0008】
従来例のレベルシフタにおいて、電圧Vppによる駆動の場合、電圧Vppと接地電圧VGNDとの間における、出力信号の電圧の遷移においては、pチャンネル型MOSトランジスタのゲート/ソース間電圧Vgsは、「Vpp−Vtp」となり、電圧Vccによる駆動の場合、電圧Vccと接地電圧VGNDとの間における、出力信号の電圧遷移においては、pチャンネル型MOSトランジスタのゲート/ソース間電圧Vgsは「Vcc−Vtp」となる。
【0009】
一方、入力信号レベルは常に電圧Vccと接地電圧VGND間であるから、nチャンネル型MOSトランジスタのゲート/ソース間電圧Vgsは、「Vcc−Vtn」となる。
MOSトランジスタの飽和領域のドレイン電流IDは、よく知られている以下に示す
ID=K・(V−Vt)2・(W/L)
の式により求められる。
【0010】
ここで、Kは半導体基板の移動度及び酸化膜の誘電率から求まる定数であり、WはMOSトランジスタのチャンネル幅であり、LはMOSトランジスタのチャンネル長である。
また、Vはトランジスタのゲート/ソース間に印加される電圧値を示し、Vtは各MOSトランジスタのしきい値電圧の値を示している。
【0011】
すなわち、レベルシフタの各トランジスタのトランジスタサイズ(チャンネル幅Wp,Wn)が電圧Vppの動作に対応して設計されていると、電圧Vccで駆動する場合(ゲート/ソース間電圧の差が小さくなるため)、上記ドレイン電流IDを求める式に基づいて、電圧Vpp時の動作に比較して大幅にpチャンネル型MOSトランジスタの電流量が減少する。
【0012】
したがって、nチャンネル型MOSトランジスタは、電圧Vcc及び電圧Vppの双方でゲート/ソース間電圧の変化が無く、流せる電流量が電圧Vccと電圧Vppとの動作時で変化しないため、電圧Vccの動作時において、pチャンネル型MOSトランジスタからの電流量が減少するために、電圧Vppの動作時に比較して出力の立ち上がりが遅くなる。
【0013】
反対に、従来のレベルシフタには、Vcc動作時に合わせて、各トランジスタを設計すると、Vpp動作時にnチャンネル型MOSトランジスタがpチャンネル型MOSトランジスタに比べて十分な電流量の電流を流せないため、出力信号の電圧レベルが「H」レベルから「L」レベルとなる状態で、pチャンネル型MOSトランジスタが「H」レベルとしようとし、nチャンネル型MOSトランジスタが「L」レベルとしようとする状態となり、Lレベルへの遷移時間が長くなるので、貫通電流が流れる時間が長く持続し、消費電流が増加する欠点がある。
さらに、従来のレベルシフタには、nチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅Wnが十分な駆動能力を有する値でなければ、出力信号を「L(接地電圧)」レベルに引き下げることができず、入力信号INの遷移に対応して、出力端子TOUT,BOUTからの出力信号の電圧レベルが完全に反転せずに、正常なレベル変換が行えなくなる問題がある。
【0014】
例えば、図8及び図9に示す波形図は、従来例のレベルシフタを、電圧Vpp/接地電圧VGND間の動作(Vppモード)に対してnチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅Wnを大きく設定した場合の、入力信号INの電圧レベル変化に対する、出力端子TOUTから出力される出力信号の電圧レベルの関係を示すSPICEのシュミレーション結果である。
ここで、シミュレーションに用いたレベルシフタの回路は、図10に示す実際に使用する構成であり、図7のレベルシフタにスナップバック防止やホットエレクトロン耐性を向上させるために、pチャンネル型MOSトランジスタのトランジスタP111及びP112と、nチャンネル型MOSトランジスタのトランジスタN111〜N116とが付加されている。
【0015】
しかしながら、図10のレベルシフタの実質的な動作は、図7のレベルシフタにおいて説明した動作と同様である。
ここで、例えば、トランジスタP101及びP102はチャンネル幅Wp/チャンネル長Lが5.0(μm)/1.2(μm)で形成され、トランジスタN101及びN102はチャンネル幅Wn/チャンネル長Lが240(μm)/1.2(μm)で形成されている。
また、この図8及び図9において、横軸は時刻を示し、縦軸は入力信号IN及び出力信号の電圧レベルを示している。
また、図8では、図7のレベルシフタの電圧Vcc(=1.5V)/接地電圧VGND(=0V)間の動作を示しており、図9では、図7のレベルシフタの電圧Vpp(=10.0V)/接地電圧VGND(=0V)間の動作を示している。
【0016】
図9から分かるように、電圧Vpp/接地電圧VGND間の動作において、出力端子TOUT,BOUTからの各々の出力信号の「L」レベルから「H」レベルへの遷移,及び「H」レベルから「L」レベルへの遷移のタイミングはそれほどは異なっていない。
しかしながら、電圧Vcc/接地電圧VGND間の動作において、図8で示されるように、出力端子TOUT,BOUTからの各々の出力信号の「L」レベルから「H」レベルへの遷移,及び「H」レベルから「L」レベルへの遷移のタイミングは大きくずれている。
【0017】
すなわち、電圧Vpp−接地電圧VGNDの動作に合わせて、nチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅Wnが大きく設計(設定)されており、このチャンネル幅Wnに応じてドレイン容量が大きくなっているため、電圧Vcc/接地電圧VGND間の動作におけるpチャンネル型MOSトランジスタの駆動能力が不十分な状態となっているのが分かる。
本発明はこのような背景の下になされたもので、nチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅を大きくすることなく、電源電圧が電圧Vccでも電圧Vppでも出力信号のレベル遷移が高速に行われることが可能なレベルシフタを提供する事にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のレベルシフタは、電源端子と接地点との間で、直列に接続されたpチャンネル型MOSトランジスタ(トランジスタP101とトランジスタP103の並列接続,またはトランジスタP102とトランジスタP104との並列接続)とnチャンネル型MOSトランジスタ(トランジスタN101またはN102)とが2組並列に介挿され、各々の組のpチャンネル型MOSトランジスタのゲートが他方の組のトランジスタの接続点である出力端子(出力端子TOUTまたはBOUT)に接続され、一方の組のnチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力される入力信号が反転されて他方の組のnチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力される構成のレベルシフタであって、前記電源端子の電圧レベルに応じて前記pチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅(合計チャンネル幅WT)が調整されることを特徴とする。
【0019】
本発明のレベルシフタは、前記pチャンネル型MOSトランジスタが第1(トランジスタP101またはトランジスタP102)及び第2のpチャンネル型MOSトランジスタ(トランジスタP103またはトランジスタP104から構成され、この第2のpチャンネル型MOSトランジスタを前記第1のpチャンネル型MOSトランジスタに並列に接続または非接続とすることにより、前記pチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅を調整することを特徴とする。
本発明のレベルシフタは、前記第2のpチャンネル型MOSトランジスタに直列に接続され、この第2のpチャンネル型MOSトランジスタを電流経路とするか否かのスイッチングを行う第3のpチャンネル型MOS(P105またはP106)を具備することを特徴とする。
【0020】
本発明のレベルシフタは、前記第3のpチャンネル型MOSトランジスタのゲートに、前記電源電圧に応じて、この第3のpチャンネル型MOSトランジスタをオン/オフする制御信号を出力する制御回路(ゲート制御回路2)を具備することを特徴とする。
本発明のレベルシフタは、前記制御回路が、前記電源電圧の電圧レベルが予め設定された電圧値を超えている場合、前記第3のpチャンネル型MOSトランジスタをオフする制御信号を出力し、予め設定された電圧値を超えていない場合、前記第3のpチャンネル型MOSトランジスタをオンする制御信号を出力することを特徴とする。
【0021】
本発明の半導体記憶装置(フラッシュメモリ)は、上述した本発明のレベルシフタが用いられた列デコーダ(列デコーダ10)を具備し、前記列デコーダが、格子状に配列された複数のメモリセル(メモリセル領域M)から、外部から与えられたアドレス信号に対応したメモリセル列(ビット線B1,B2,…,Bnにドレインが接続されている複数のメモリセルMS)を選択する選択信号(信号線Y1,Y2,…,Ynへ出力されるスイッチ制御信号)を、メモりセル(メモリセルMS)へのデータの書き込み,及びデータの読み出しの各々の動作に応じて、異なる電圧レベルで出力することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態によるレベルシフタ1の基本構成例を説明するブロック図である。
この図において、従来例の図7のレベルシフタと異なる構成は、新たにpチャンネル型MOSトランジスタP103〜P106が追加された点にある。他の構成については、本発明と従来例とは同様である。
すなわち、本発明の図1のレベルシフタ1には、トランジスタP101と並列に、直列に接続したトランジスタP103及びP105が電源端子とトランジスタN101のドレインとの間に介挿されている。
【0023】
また、同様に、レベルシフタ1には、トランジスタP102と並列に、直列に接続したトランジスタP104及びP106が電源端子とトランジスタN102のドレインとの間に介挿されている。
すなわち、従来例と同様に、電源端子と接地点(接地電圧の端子)との間において、直列に接続されたpチャンネル型MOSトランジスタとnチャンネル型MOSトランジスタとの2組(トランジスタP101及びN101の組と、トランジスタP102及びN101の組と)が並列に介挿されている。
【0024】
ここで、従来例と異なる点は、トランジスタP101,P102各々と並列に、それぞれ直列に接続されたトランジスタP103,P105とトランジスタP104,P106とが接続され、pチャンネル型MOSトランジスタを構成している点である。
すなわち、トランジスタP105はトランジスタP103を、トランジスタP101と並列の電流経路とするためのスイッチング用であり、トランジスタP106はトランジスタP104をトランジスタP102と並列の電流経路とするためのスイッチング用である。
【0025】
そして、上記各トランジスタのトランジスタサイズは、ゲート長が従来例のゲート長Lと同様であり、チャンネル幅が以下に示す値となっている。
トランジスタP101,P102のチャンネル幅は「Wp1」であり、トランジスタP103,P104のチャンネル幅は「Wp2」であり、トランジスタP105,P106のチャンネル幅は「Wp3」であり、トランジスタN101,N102のチャンネル幅は「Wn1」である。
【0026】
また、トランジスタP103のゲートはトランジスタP101のゲートと共に共通の配線により、トランジスタP102のドレインへ接続され、トランジスタP104のゲートはトランジスタP102のゲートと共に共通の配線により、トランジスタP101のドレインへ接続されている。
さらに、トランジスタP105及びP106のゲートには、トランジスタP105及びP106のオン/オフを制御する制御信号LSCNTがゲート制御回路2から供給されている。
【0027】
ゲート制御回路2には、図示しない電圧切換回路から、使用するモードに基づき、すなわちレベルシフタ1が電圧Vccで駆動されるVccモードまたは電圧Vppで駆動されるVppモードにより、外部から電源電圧として供給される電圧Vcc,または図示しない昇圧回路が上記電圧Vccを昇圧して出力する電圧Vppのいずれか一方が、各々切り替えられて入力される。
また、ゲート制御回路2は、入力される電圧により出力信号が制御され、入力される電圧が電圧Vccである場合、制御信号LSCNTを「L(接地電圧)」レベルで出力し、入力される電圧が電圧Vccを超える場合、制御電圧LSCNTを「H(電圧Vpp)」レベルで出力する。
【0028】
次に、図1を参照し、一実施形態の動作例を説明する。
Vppモードの場合、レベルシフタ1には、上記電圧切換回路から電圧Vppが駆動電圧として入力される。
そして、ゲート制御回路2は、入力される電圧レベルが予め設定されている電圧Vccの数値を超えているか否かの判定を行う。
このとき、ゲート制御回路2は、入力されている電圧レベルが電圧Vppであるため、制御信号LSCNTを「H(電圧Vpp)」レベルで出力する。
【0029】
これにより、トランジスタP105及びP106は、ゲートに「H(電圧Vpp)」レベルの制御信号LSCNTが入力されるため、オフ状態となる。
このため、Vppモードにおける以下の動作は、新たに付加したトランジスタP105及びP106がオフ状態のため、すでに説明した従来例と同様である。
そして、入力信号INが「H(電圧Vcc)」レベルで入力された状態のとき、トランジスタN101は、ゲートに「H」レベルの入力信号INが入力されるためオン状態であり、トランジスタN102は、ゲートに入力信号INの反転された信号INBが「L」レベルで入力されるためオフ状態となっている。
【0030】
このとき、トランジスタP101はオフ状態であり、電流が流れない状態となっており、一方、トランジスタP102はオン状態であり、電流が流れる状態となっている。
これにより、出力端子TOUTが「H(電圧Vpp)」に遷移し、出力端子BOUTが「L」レベルに遷移する。
この結果、レベルシフタ1においては、出力端子BOUTが「L」レベル、出力端子TOUTが「H(電圧Vpp)」レベルの出力信号を出力する電圧レベルとなる。
【0031】
トランジスタP101及びトランジスタN101と、トランジスタP102及びトランジスタN102とは、Vppモードの動作時において、各々流せる電流量のバランスが入力信号INの電圧Vcc/接地電圧間における「H」レベル及び「L」レベルの変化に対応する様にチャンネル幅Wn1が設定されている。
すなわち、トランジスタP101及びP102のチャンネル幅Wp1を、モードVppにおける動作で各出力端子の電圧レベルを入力信号INの電圧レベルの変化に対応して遷移させる電流量を満足させる値で設計すれば良く、Vccモードに対応させる必要がないため、従来例のチャンネル幅Wpに比較してチャンネル幅Wp1を小さく設計することが可能となる。
【0032】
これにより、上述したトランジスタP101及びP102のチャンネル幅Wp1を小さくした分、Nチャンネル型MOSトランジスタのトランジスタN101及びN102のチャンネル幅Wn1を、小さく設計できることとなる。
例えば、従来例の図10におけるトランジスタP101及びP102のトランジスタサイズはチャンネル幅Wpが5.0(μm),チャンネル長Lが1.2(μm)であり、トランジスタN101及びN102のトランジスタサイズはチャンネル幅Wnが240(μm),チャンネル長Lが1.2(μm)である。
【0033】
しかし、仮に、図1のトランジスタP101及びP102のトランジスタサイズを、チャンネル幅Wp1が2.5(μm),チャンネル長Lが1.2(μm)へと、すなわち、トランジスタP101及びP102のチャンネル幅Wp1を図10における半分とすると、チャンネル幅が半分となったことにより、各pチャンネル型MOSトランジスタに流れる電流の電流量も半分となる。
このため、nチャンネル型MOSトランジスタの流す必要のある電流量も半分となるため、レベルシフタ1のトランジスタN101及びN102のトランジスタサイズを、図10における従来例におけるトランジスタN101,N102の半分、すなわちチャンネル幅Wn1を120(μm),チャンネル長Lを1.2(μm)とすれば良い。
【0034】
したがって、本発明のレベルシフタ1においては、Vccモードでの動作に関係なく、レベルシフタ1のトランジスタサイズを設計できるため、トランジスタP101及びトランジスタN101と、トランジスタP102及びトランジスタN102との組み合わせにおいて、出力端子TOUT及びBOUTから出力される出力信号に対して、実際に必要とされる駆動能力の上記トランジスタサイズの設計が可能となる。
この結果、レベルシフタ1においては、nチャンネル型MOSトランジスタのトランジスタサイズを縮小しても、入力信号INの変化に対応して、出力端子TOUT及びBOUTからの出力信号の変化(特に、「H」レベルから「L」レベルへの遷移)の応答性を従来例と同様な速度で設計することが出来る。
【0035】
一方、Vccモードの場合、レベルシフタ1には、上記電圧切換回路から電圧Vccが駆動電圧として入力される。
そして、ゲート制御回路2は、入力される電圧レベルが予め設定されている電圧Vccの数値を超えているか否かの判定を行う。
このとき、ゲート制御回路2は、入力されている電圧レベルが電圧Vccであり、電圧Vccの数値を超えていないため、制御信号LSCNTを「L(接地電圧)」レベルで出力する。
【0036】
これにより、トランジスタP105及びP106は、ゲートに「L」レベルの制御信号LSCNTが入力されるため、オン状態となる。
このため、Vppモードにおける以下の動作は、新たに付加したトランジスタP105及びP106がオン状態のため、すでに説明した従来例と異なった動作となる。
すなわち、Vccモードにおいて、トランジスタP105及びP106が常時オン状態となるため、トランジスタP103及びP104が、各々のゲートに入力される入力信号INの「H」/「L」レベルの状態に基づき、オン状態/オフ状態となることにより、トランジスタP103及びP105と、トランジスタP104及びP106とに電流が流れるか否かのスイッチング動作を行わせることが可能となる。
【0037】
そして、入力信号INが「H(電圧Vcc)」レベルで入力された状態のとき、トランジスタN101は、ゲートに「H」レベルの入力信号INが入力されるためオン状態であり、トランジスタN102は、ゲートに入力信号INの反転された信号INBが「L」レベルで入力されるためオフ状態となっている。
このとき、トランジスタP101及びP103はオフ状態であり、電流が流れない状態となっており、一方、トランジスタP102及びP104はオン状態であり、双方のトランジスタP102,P104に各々流れる電流量を加算した電流量の電流が流れる状態となっている。
【0038】
ここで、トランジスタP104に流れる電流は、トランジスタP104及びP106とのオン抵抗で決まる電流である。このため、トランジスタP104及びP106とを1つのトランジスタとして見たとき、このトランジスタの実質的なチャンネル幅である合成チャンネル幅Wp23は、「Wp2・Wp3/(Wp2+Wp3)」と求まる。
すなわち、Vccモードにおいて、pチャンネル型MOSトランジスタは、トランジスタP102のチャンネル幅と、トランジスタP104及びP106の各々のチャンネル幅Wp2及びWp3から求まる合成チャンネル幅Wp23とを加算した合計チャンネル幅WTに対応した電流を流すことが可能となる。
これにより、出力端子TOUTが「H(電圧Vcc)」に遷移し、出力端子BOUTが「L」レベルに遷移する。
この結果、レベルシフタ1においては、出力端子BOUTが「L」レベル、出力端子TOUTが「H(電圧Vcc)」レベルの出力信号を出力する電圧レベルとなる。
【0039】
ここで、トランジスタP101,P103及びトランジスタN101と、トランジスタP102,P104及びトランジスタN102とは、Vccモードの動作時において、各々流れる電流量のバランスが入力信号INの電圧Vcc/接地電圧間における「H」レベル及び「L」レベルの変化に対応する様にチャンネル幅が設定されている。
このとき、トランジスタP101及びP103とトランジスタP102及びP104の各々のチャンネル幅Wp1,Wp23を、モードVccにおける動作において、各々トランジスタN101,N102のチャンネル幅Wn1に対応させて設計すれば良く、Vppモードの動作に対応させる必要がない。
【0040】
このため、トランジスタN101のチャンネル幅Wn1に対応して、Vccモードの動作時における電流量のバランスが取れるように、トランジスタP101のチャンネル幅Wp1と、トランジスタP103及びP105の直列接続による合成チャンネル幅Wp23とを加算した合計チャンネル幅を設計すれば良い。
実際には、トランジスタP101のチャンネル幅は決定されているため、対応の取れる合成チャンネル幅Wp23となるように、トランジスタP103及びP105の各々チャンネル幅Wp2,Wp3を設計する。
【0041】
また、トランジスタP102のチャンネル幅Wp1と、トランジスタP104及びトランジスタP106の直列接続によるチャンネル幅Wp23との合計チャンネル幅WTも、上述したトランジスタP101及びP103の場合と同様に設計する。
このとき、トランジスタP105及びP106のチャンネル幅Wp3は、各々トランジスタP103,P104のチャンネル幅Wp2と等しいかまたは小さい値に設計する。
【0042】
これにより、本発明のレベルシフタ1は、Vccモード時において、トランジスタP105及びP106が常時オン状態となり、トランジスタP103,P104が各々出力端子TOUT,BOUTに電流を供給するスイッチング動作を行うようになるため、pチャンネル型MOSトランジスタとnチャンネル型MOSトランジスタとのチャンネル幅を電流量(駆動能力)のバランスが取れるように設定することができ、出力信号の遷移速度をVccモードにおける動作に対応させることができ、入力信号INの変化に対応させて、上記各出力端子からの出力信号の遷移の速度を高速化することが可能である。
【0043】
すなわち、本発明のレベルシフタ1は、nチャンネル型MOSトランジスタ(トランジスタN101,N102)のチャンネル幅Wn1に合わせて、Vccモード時のみにおけるpチャンネル型トランジスタ(P103,P104)のチャンネル幅を設定することが可能なため、「L」レベルから「H」レベルへの遷移の速度を向上させることができる。
【0044】
上述してきたように、本発明のレベルシフタ1においては、Vccモード時のみに用いるトランジスタパス(トランジスタP103及びP105と、トランジスタP104及びP106とで各々構成される電流経路)を設け、制御回路2が電源電圧として供給される電圧が電圧Vccの場合、Vccモードとし、制御信号LSCNTを「L」レベルとし、トランジスタパスをオン状態として、入力される電圧がVccを超える場合、Vppモードとし、制御信号LSCNTを「H(電圧Vpp)」レベルとして、トランジスタパスをオフ状態とし、pチャンネル型MOSトランジスタの合計チャンネル幅をモードに応じて調整している。
【0045】
すなわち、Pチャンネル型MOSトランジスタの合計チャンネル幅WTは、Vccモード時において、トランジスタP101のチャンネル幅Wp1と、トランジスタP103及びP105の直列接続による合成チャンネル幅Wp23とを加算した値「Wp1+Wp23」となり、Vppモード時において、トランジスタP101のチャンネル幅Wp1そのものとなる。
【0046】
このため、上述してきたように、レベルシフタ1は、Vccモード時及びVppモード時において、各々の電源電圧の電圧レベルに応じて、pチャンネル型MOSトランジスタの合計チャンネル幅WTを調整して動作させることが可能なため(すなわち、Vccモード時にトランジスタP101(またはP102)の電流量に対して、トランジスタP103(またはP104)のチャンネル幅に対応した電流で電流量を補完することが可能なため)、各モード時の動作に対応して、pチャンネル型MOSトランジスタとnチャンネル型MOSトランジスタとの電流量のバランスを調整することができ、Vppモード時の動作に合わせて、nチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅Wn1を大きく設計し、Vccモード時の出力端子から出力される出力信号の電圧レベルの遷移の速度を低下させてしまうなどの従来の問題を解決し、2種類の異なった電圧で出力信号の遷移速度を満足させることができる。
【0047】
次に、従来例の図8,図9のシミュレーションと比較するため、本発明のレベルシフタ1のVccモード及びVppモードにおけるシミュレーション結果を、各々図2,図3に示す。
また、シミュレーションに用いたレベルシフタの回路には、図4に示す実際に使用する構成であり、図1のレベルシフタ1にスナップバック防止やホットエレクトロン耐性を向上させるために、pチャンネル型MOSトランジスタのトランジスタP111及びP112と、nチャンネル型MOSトランジスタのトランジスタN111〜N116とが付加されている。
【0048】
ここで、トランジスタP101のドレインとトランジスタN101との間に介挿されたトランジスタP111と、トランジスタP102のドレインとトランジスタN102との間に介挿されたトランジスタP112とは、スナップバック防止に設けられている。
トランジスタP111のゲートはトランジスタN101のゲートと接続され、トランジスタP112のゲートはトランジスタN102のゲートと接続されている。
【0049】
また、トランジスタP111及びトランジスタN101の間に並列に介挿されたトランジスタN115,N113と、トランジスタP112及びトランジスタN102の間に並列に介挿されたトランジスタN116,N114とは、ホットエレクトロン防止用に設けられている。
【0050】
トランジスタN113及びN114のゲートは電源端子に接続され、トランジスタN115のゲートはトランジスタN101のゲートと接続され、トランジスタN116のゲートはトランジスタN102のゲートと接続されている。
このとき、出力端子BOUTは、トランジスタP111のドレインとトランジスタN113のドレインとの接続点と接続され、出力端子TOUTは、トランジスタP112のドレインとトランジスタN114のドレインとの接続点と接続される。
【0051】
さらに、トランジスタN113のソースとトランジスタN101のゲートとの間に介挿されたトランジスタN111と、トランジスタN114のソースとトランジスタN102のゲートとの間に介挿されたトランジスタN112とは、スナップバック防止に設けられている。
トランジスタN111のゲートはトランジスタN101のゲートに接続され、トランジスタN112のゲートはトランジスタN102のゲートに接続されている。
【0052】
また、各トランジスタの近傍に書かれている数値、例えば、トランジスタN101の近傍に書かれている数値130/1.2は、チャンネル幅(μm)/チャンネル長(μm)を示している。
インバータV101は、CMOSで構成されたインバータであり、pチャンネル型トランジスタ及びnチャンネル型トランジスタのサイズ、すなわち、チャンネル幅(μm)/チャンネル長(μm)が各々「3.0/0.44」,「2/0.36」である。
【0053】
しかしながら、図4のレベルシフタの実質的な動作は、図1のレベルシフタにおいて説明した動作と同様である。
ここで、例えば、トランジスタP101及びP102はチャンネル幅Wp1/チャンネル長Lが2.6(μm)/1.2(μm)で形成され、トランジスタN101及びN102はチャンネル幅Wn1/チャンネル長Lが130(μm)/1.2(μm)で形成されている。
【0054】
また、この図2及び図3において、横軸は時刻を示し、縦軸は入力信号IN及び出力信号の電圧レベルを示している。
また、図2では、図4のレベルシフタの電圧Vcc(=1.5V)/接地電圧VGND(=0V)間の動作(Vccモード)を示しており、図3では、図4のレベルシフタの電圧Vpp(=10.0V)/接地電圧VGND(=0V)間の動作(Vppモード)を示している。
【0055】
図2及び図3から分かるように、Vccモード時及びVppモード時のいずれの動作においても、出力端子TOUT,BOUTからの各々の出力信号の「L」レベルから「H」レベルへの遷移,及び「H」レベルから「L」レベルへの遷移のタイミングはそれほどは異なっていない。
図8に示すように、従来のレベルシフタにおける電圧Vcc/接地電圧VGND間の動作において、出力端子TOUT,BOUTからの各々の出力信号の「L」レベルから「H」レベルへの遷移,及び「H」レベルから「L」レベルへの遷移のタイミングは大きくずれている。
【0056】
しかしながら、本願発明の図4におけるレベルシフタにおいては、Vccモードにおける出力端子TOUTからの出力信号の「L」レベルから「H(電圧Vcc)」への遷移の速度が大幅に向上しており、Vccモード,Vppモードの各モード毎のpチャンネル型MOSトランジスタの合計チャンネル幅WTの調整が有効に働き、Vppモード時及びVccモード時双方で、pチャンネル型MOSトランジスタとnチャンネル型MOSトランジスタとの電流量のバランスが取れていることが分かる。
【0057】
なお、図2及び図3のシミュレーションは、全て室温(Temp=25℃)で行われ、pチャンネル型MOSトランジスタ及びnチャンネル型トランジスタの各々のしきい値Vtp,Vtnを3種類に設定して行った。
図2及び図3の双方ともに、波線がしきい値が標準値に対して低い値(Vt=Low)の場合の結果であり、一転鎖線がしきい値が標準値(Vt=Typ)の場合の結果であり、2点鎖線がしきい値が標準値に対し高い値(Vt=High)の場合の結果を示している(すでに説明した図8及び図9も同様)。
【0058】
次に、図5を用いて、本願発明のレベルシフタをフラッシュメモリに適用した場合の構成を説明する。
図5は、フラッシュメモリの読み出し及び書き込みに必要なブロックの構成のみを示した概念図である。
メモリセル領域Mには、格子状にメモリセルMSが複数配置されている。このメモリセルMSの構成は、領域Kに1つのメモリセルMSを拡大して示しているが、通常のMOSトランジスタと異なる点として、フローティングゲートがゲート(コントロールゲート)とウェルとの間に絶縁膜を介して形成されていることが挙げられる。
このフローティングゲートに電荷を注入する(書き込む)ことにより、このメモリセルMSのトランジスタとしてのしきい値を変化させ、データの書き込みが行われる。
【0059】
メモリセル領域Mの列単位に配列した各メモリセルMSのドレインは、列選択スイッチYSからの各々ビットラインB1,B2,…,Bnに接続されている。また、メモリセル領域Mの行単位に配列した各メモリセルMSのゲートは、各々ワードラインX1,X2,…,Xmに接続されている。
さらに、メモリセル領域Mの全てのメモリセルMSのソースは、共通に接続されソースの電圧を制御する図示しない制御回路へ接続され、ウェルも共通に接続され基板の電圧を制御する図示しない制御回路へ接続されている。
【0060】
次に、メモリセルMSに対するデータの書き込みと読み出しとの動作の説明を行う。
説明を簡略化するため、メモリセルMS1を対象として、書き込み及び読み出しの動作を説明する。
データの書き込み時におけるメモリセルMSの各部分の電圧は、例えば、ゲート電圧「9V」、ウェル電圧「0V」、ソース電圧「0V」、ドレイン電圧「6V」である。
また、データの読み出し時におけるメモリセルMSの各部分の電圧は、例えば、ゲート電圧「5V」、ウェル電圧「0V」、ソース電圧「0V」、ドレイン電圧「1V」である。
【0061】
<書き込み動作>
書き込み回路14は、書き込み電圧「6V」を出力する。このとき、読み出し回路13の出力はフローティング状態となっている。
列デコーダ10は、外部から入力されたアドレス信号により信号線Y1を活性化し(信号線Y1へ出力するスイッチ制御信号を「H」レベルとし)、列選択スイッチ回路YSにおけるスイッチS1〜スイッチSnのうち、スイッチS1のみをオン状態とする。スイッチS1〜スイッチSnは、nチャンネル型MOSトランジスタである。
このとき、信号線Y1(出力されるスイッチ制御信号)は、列デコーダ10内部のレベルシフタにより、電圧Vcc(例えば、1.5V)を図示しない昇圧回路で昇圧した電圧Vpp(例えば、8V)の電圧レベルとされる。本発明のレベルシフタ1はこの列デコーダ10内に用いられている。
【0062】
また、行デコーダ11は、外部から入力されるアドレス信号によりワード線X1を活性化し、メモリセルMS1の行全てのメモリセルMSのゲートに書き込み電圧「9V」を与える。
これにより、スイッチS1を介して書き込み回路14から流れる電流により、ビット線B1の電圧レベルが「6V」にチャージアップされ、メモリセルMS1の列のメモリセルMS全てのドレインに「6V」の電圧が印加される。
この結果、メモリセル領域Mの中のメモリセルMSのなかからメモリセルMS1にのみ、ゲートに「9V」が印加され、ドレインに「6V」が印加され、メモリセルMS1は書き込み状態となり、フローティングゲートに電荷が注入され、データの書き込みが行われる。
【0063】
<読み出し動作>
読み出し回路13は、内部のセンスアンプから読み出し電圧「1.0V」を出力する。このとき、書き込み回路14の出力はフローティング状態となっている。
列デコーダ10は、外部から入力されたアドレス信号により信号線Y1を活性化し、列選択スイッチYSにおけるスイッチS1〜スイッチSnのうち、スイッチS1のみをオン状態とする。スイッチS1〜スイッチSnは、nチャンネル型MOSトランジスタである。
このとき、信号線Y1は、列デコーダ10内部のレベルシフタにより、外部から電源電圧として供給される電圧Vcc(例えば、1.5V)の電圧レベルとされる。
【0064】
また、行デコーダ11は、外部から入力されるアドレス信号によりワード線X1を活性化し、メモリセルMS1の行全てのメモリセルMSのゲートに読み出し電圧「5V」を与える。
これにより、スイッチS1を介して読み出し回路13から流れる電流により、ビット線B1の電圧レベルが「1.0V」にチャージアップされ、メモリセルMS1の列のメモリセルMS全てのドレインに「1.0V」の電圧が印加される。
【0065】
この結果、メモリセル領域Mの中のメモリセルMSのなかからメモリセルMS1にのみ、ゲートに「5V」が印加され、ドレインに「1.0V」が印加され、メモリセルMS1は読み出し状態となり、上記センスアンプはメモリセルMS1に流れる電流量により、フローティングゲートに電荷が注入されているか否か、すなわちデータが書き込まれているか否かの判定が行われる。
【0066】
上述したメモリセMSルに対する書き込み動作及び読み出し動作の各々が、前述したレベルシフタ1のVppモード,Vccモードにそれぞれ対応している。
図5に示す列デコーダの構成を図6に示す。図6は列デコーダの回路構成において、スイッチS1のゲートに接続されている信号線Y1に対応する構成のみを示したものである。
【0067】
また、本発明によるレベルシフタ1の出力端子TOUTはCMOS構成のバッファ30のゲートに接続されている。
そして、この信号線Y1が活性化される状態は、アドレス信号が全て「H」レベルとなり、NAND回路31の出力する入力信号INが「L」レベルとなる状態である。
このとき、レベルシフタ1の出力端子TOUTから出力信号が「H」レベルから「H」レベルに遷移し、信号線Y1はバッファ30により「L」レベルに遷移する。
【0068】
そして、レベルシフタ1の出力端子から出力される出力信号の「H」レベルから「L」レベルの遷移、また「L」レベルから「H」レベルへの遷移に時間がかかると、すなわち波形がなまると、スイッチS1のスイッチングのタイミングが遅くなり、読み出し及び書き込みの動作を遅延させる原因となる。
本発明のレベルシフタ1は、Vccモード及びVppモードの双方のモードにおいて、従来例に比較して出力端子TOUTから出力される出力信号の遷移の時間が改善されているため、読み出し及び書き込みのいずれかの動作が遅延されると言う従来例の問題を防止することができる。
【0069】
また、レベルシフタの出力信号の遷移に時間がかかると、出力信号の波形がなまり、レベルシフタの消費電力が増加するだけでなく、そのなまった出力信号がゲートに入力されることにより、バッファ30が信号線Y1に出力する出力信号の電圧レベルの変化の過渡状態の期間が長くなる。
このため、バッファ30に貫通電流が流れる時間が増加し、バッファ30の消費電力は大幅に増加することとなる。
しかしながら、本発明のレベルシフタ1は、従来例に比較して出力端子TOUTから出力される出力信号の遷移の時間が改善されているため、バッファ30の出力する出力信号の電圧レベルの遷移時間を減少させ、貫通電流による消費電力の増加を防止することが可能となる。
【0070】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、応用例としてフラッシュメモリの列デコーダ10に使用した場合を説明したが、フラッシュメモリの他の部分において、モード切り替えで2系統の電源電圧を用いるレベルシフタには当然利用することが可能である。
また、フラッシュメモリに限らず、高い電圧と、より低い電圧とを用いる回路でレベルシフトする電圧レベルを2系統で使用する場合、例えばEEPROM(電気的消去及び書き込み可能な読み出し専用メモリ)や、出力信号の「H」レベル側の電圧レベルを変更して用いるバッファ回路等に本発明は有効である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、レベルシフタが、Vccモード時及びVppモード時において、各々の電源電圧の電圧レベルに応じて、pチャンネル型MOSトランジスタの合計チャンネル幅WTを調整して動作させることが可能なため、各モード時の動作に対応して、pチャンネル型MOSトランジスタとnチャンネル型MOSトランジスタとの電流量のバランスを調整することができ、Vppモード時の動作に合わせて、nチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅Wn1を大きく設計し、Vccモード時の出力端子から出力される出力信号の電圧レベルの遷移の速度を低下させてしまうなどの従来の問題を解決し、2種類の異なった電圧で出力信号の遷移速度を満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるレベルシフタ1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるレベルシフタの動作例(Vccモード)を示すシミュレーション結果である。
【図3】本発明の一実施形態によるレベルシフタの動作例(Vppモード)を示すシミュレーション結果である。
【図4】図2及び図3のシミュレーションに用いた本発明のレベルシフタの実用回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明のレベルシフタを利用したフラッシュメモリの読み出し及び書き込みに必要なブロックの構成のみを示した概念図である。
【図6】図5に用いられる列デコーダ10の構成を説明するブロック図である。
【図7】従来例によるレベルシフタの構成を示すブロック図である。
【図8】従来例よるレベルシフタの動作例(Vccモード)を示すシミュレーション結果である。
【図9】従来例によるレベルシフタの動作例(Vppモード)を示すシミュレーション結果である。
【図10】図8及び図9のシミュレーションに用いた従来例のレベルシフタの実用回路の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 レベルシフタ
2 ゲート制御回路
10 列デコーダ
11 行デコーダ
13 読み出し回路
14 書き込み回路
30 バッファ
31 NAND回路
B1,B2,Bn ビット線
M メモリセル領域
MS,MS1 メモリセル
P101,P102,P103,P104 トランジスタ
P105,P106,P111,P112 トランジスタ
N101,N102,N111,N112 トランジスタ
N113,N114,N115,N116 トランジスタ
S1,S2,Sn スイッチ
V101 インバータ
Y1,Y2,Yn 信号線
X1,X2,Xm ワード線
YS 列選択スイッチ回路
Claims (6)
- 電源端子と接地端子との間で、直列に接続されたpチャンネル型MOSトランジスタとnチャンネル型MOSトランジスタとが2組並列に介挿され、各々の組のpチャンネル型MOSトランジスタのゲートが他方の組のトランジスタの接続点である出力端子に接続され、一方の組のnチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力される入力信号が反転されて他方の組のnチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力される構成のレベルシフタであって、前記電源端子の電圧レベルに応じて前記pチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅が調整されることを特徴とするレベルシフタ。
- 前記pチャンネル型MOSトランジスタが第1及び第2のpチャンネル型MOSトランジスタから構成され、この第2のpチャンネル型MOSトランジスタを前記第1のpチャンネル型MOSトランジスタに並列に接続または非接続とすることにより、前記pチャンネル型MOSトランジスタのチャンネル幅を調整することを特徴とする請求項1記載のレベルシフタ。
- 前記第2のpチャンネル型MOSトランジスタに直列に接続され、この第2のpチャンネル型MOSトランジスタを電流経路とするか否かのスイッチングを行う第3のpチャンネル型MOSを具備することを特徴とする請求項2記載のレベルシフタ。
- 前記第3のpチャンネル型MOSトランジスタのゲートに、前記電源電圧に応じて、この第3のpチャンネル型MOSトランジスタをオン/オフする制御信号を出力する制御回路を具備することを特徴とする請求項3に記載のレベルシフタ。
- 前記制御回路は前記電源電圧の電圧レベルが予め設定された電圧値を超えている場合、前記第3のpチャンネル型MOSトランジスタをオフする制御信号を出力し、予め設定された電圧値を超えていない場合、前記第3のpチャンネル型MOSトランジスタをオンする制御信号を出力することを特徴とする請求項4に記載のレベルシフタ。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のレベルシフタが用いられた列デコーダを具備し、
前記列デコーダが、格子状に配列された複数のメモリセルから、外部から与えられたアドレス信号に対応したメモリセル列を選択する選択信号を、メモりセルへのデータの書き込み,及びデータの読み出しの各々の動作に応じて、異なる電圧レベルで出力することを特徴とする半導体記憶装置。
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