JP3540956B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場内において、加工対象品であるワークを搬送する搬送装置に関し、特に、ワーク搬送時に往復運動を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、搬送装置として、例えば、特公昭63−51911号公報に記載されたものが公知である。この従来の搬送装置は、第1の作業を行う第1工程から、第2の作業を行う第2工程にワークを搬送する装置であって、これら2つの工程の間を、ワークを支持して行き来するスキーと呼ばれる構成を有している。すなわち、第1工程と第2工程とには、それぞれ、スキーをスライド可能に支持するレール部材が設置され、このレール部材が昇降機構により昇降可能に支持されている。また、第1・第2各工程には、作業実行時にワークを把持して固定するポストと呼ばれる構成が設けられている。
【0003】
この従来装置によれば、第1工程においてレール部材およびこれに支持されたスキーをポストに対して下降させた状態で、第1工程にワークを送り込み、このワークをポストにより把持して固定し、例えば、溶接などの作業を行う。この第1工程の作業終了後、ポストによる把持を解除して、レール部材およびスキーを上昇させると、ワークがポストからスキーに乗り移り、この状態で、外部の動力装置によりスキーに操作力を入力して、スキーおよびワークをレール部材に沿って移動させ、第1工程のレール部材から第2工程のレール部材に乗り移らせる。このようにしてスキーおよびワークが第2工程のレールに乗り移ったら、レール部材を下降させて、ワークをレールからポストに乗り移らせてポストで把持して固定し、この状態でワークに対して、作業を行う、という手順で作業を実行するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来装置は、例えば、自動車のボディのサイドパネルの製造工程において用いられる。このサイドパネルは、通常、インナパネルとアウタパネルとの2枚のパネルを両者の間に空間を形成して接合させて、いわゆる「もなか」構造に形成するものであり、また、これらパネルの内面にレインフォースなどの部材を溶接するのが一般的である。
【0005】
このようなサイドパネルを上記従来技術を用いて製造する場合、例えば、第1工程において、インナパネルをポストで把持した状態でインナパネルに対してレインフォースなどの付属構成を溶接などにより取り付ける作業を行った後、このインナパネルをスキーに載せて第2工程に搬送させ、このインナパネルに対してアウタパネルを重ね合わせた後、両者を溶接して一体とし、サイドパネルとして完成させるという作業を行う。
【0006】
しかしながら、近年、上記のようなサイドパネルのバリエーションとして、アウタパネルを途中から車室側に変位させて、この変位部分をインナパネルとして用い、このインナパネル部分の外側にアウタパネルに相当する例えばフェンダパネルを溶接する構造が提案されている。
【0007】
すなわち、近年では、サイドパネルの外観形状として、多様な造形が望まれているが、サイドパネルの外表面全体を1枚のアウタパネルで形成する構成では、プレス成形における型開き上の制約を受けることになり、設計自由度が低くなる。それに対して、上記のように、アウタパネルの一部をインナパネルとして用い、このインナパネル部分の外側にフェンダパネルを溶接する構造とすると、サイドパネルが車体の前面や後面に回り込んだ形状としても、フェンダパネルをそのように造形することで成形が可能となり、設計自由度が高くなるものである。
【0008】
しかしながら、上述のような構造を採用した場合、アウタパネルの両面に部材を接合する必要があるため、すなわち、アウタパネルの一部の内面にインナパネルを、一部の外面にフェンダパネルを接合する必要があるため、その製造工程において、以下の述べるような問題が生じる。
【0009】
すなわち、第1工程においてアウタパネルの上側にインナパネルを接合する作業を実行する作業手順とした場合、第2工程にあっては、アウタパネルの下側にフェンダパネルを接合させる必要がある。しかしながら、従来のスキーを用いた搬送の場合、アウタパネルの下側にはスキーを支持するレール部材が下降するスペースが必要である。よって、このレール部材と干渉することなくフェンダパネルを配置させることができなかった。
このため、従来は、第1工程から第2工程にアウタパネルを搬送させてフェンダパネルの上に配置させるにあたり、アウタパネルを、第1工程からいったん置き台に搬送させ、この置き台から上方に吊り上げて第2工程のフェンダパネルの上方位置まで移動させてから、下降させてフェンダパネルの上に設置するという搬送となるため、第1工程と第2工程との間に置き台ならびにオーバヘッドタイプの搬送装置が新たに必要となるもので、設備投資が嵩むという問題が有った。特に、オーバヘッドタイプの搬送装置は、ラインの上方に充分な支持強度を持った構成を設ける必要が有り、コスト的に嵩むものであった。
【0010】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、従来のスキーを用いてワークを搬送する搬送装置を用いながら、ワークの組付対象となる部材の上側にワークを搬送することを可能として、上述のような構造のワークを搬送することを少ない設備投資で達成可能とすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、第1ワークに対して所定の作業を行う第1工程と、待機状態の第2ワークに対して第1ワークを搬送させて両者を組み付ける第2工程と、の間で前記第1ワークを搬送させる搬送装置であって、前記第1工程に設けられて作業時に前記第1ワークを支持する第1ポストと、前記第2工程に設けられて作業時に前記第1ワークおよび第2ワークを支持する第2ポストと、前記第1工程に設けられ、第1昇降装置により昇降可能に構成された第1レール部材と、この第1レール部材と同軸で第2工程に設けられ、第2昇降装置により昇降可能に構成された第2レール部材と、前記第1ワークを支持する複数の受具を有し、前記第1レール部材から第2レール部材に乗り移り可能に構成されたスキーと、を備えている搬送装置において、前記スキーに設けられた複数の受具のうちで、前記第1ワークの第2ワークに重なる部分を支持するよう配置されている受具が、第2ワークと上下方向で重なる位置で第1ワークを保持する正規支持位置から、前記第2レール部材の下降時に待機状態の第2ワークと干渉することのない非干渉位置に移動可能にスキーに保持され、前記スキーに移動可能に保持された受具を、スキーの下降に伴って正規位置から非干渉位置に移動させるとともに、スキーの次動作に伴って非干渉位置から正規位置に移動させる連動機構が設けられていることを特徴とする。
本発明の作業の流れを説明すると、第1工程において第1ポストにより第1ワークを支持して作業を行い、この作業が終了したら、第1昇降装置を作動させて第1レール部材およびこの第1レール部材に支持されたスキーを上昇させる。これにより、第1ワークはスキーの複数の受具に支持される。
次に、第2工程の第2レール部材を第1レール部材と同じ高さに配置させるとともに、第2工程において第2ワークを第2ポストにより支持して待機状態としておいて、スキーを第2工程に向けて移動させる。これにより、スキーが第1レール部材から第2レール部材に乗り移って、第1ワークが第2工程に移動する。この時、第1ワークの一部は、第2ワークと上下方向に重なっているとともに、第1ワークのこの部分を支持する受具が、正規位置に配置されて第2ワークと上下方向で重なっている。
この状態で第2昇降装置を下降作動させて第2レール部材を移動させると、スキーとともに第1ワークが下降し、この下降に伴う連動機構の作動により、正規支持位置に配置されていた受具が、非干渉位置に移動し、これにより、受具が第2ワークに干渉することなく、第1ワークが第2ワークに重なり、この状態で両ワークが第2ポストに支持される。
この状態で、第1ワークと第2ワークとを組み付ける作業を実行する。
【0012】
以上のように、本発明では、従来からのスキーを用い、オーバヘッド構造を用いない簡単な構成でありながら、第2工程で待機状態の第2ワークの上側に第1ワークを搬送することができる。よって、安価な設備投資により第2ワークの上に第1ワークを重ねる搬送を可能とする。
【0013】
また、請求項2に記載のように、請求項1に記載の搬送装置において、前記連動機構を、前記受具をスキーに対してスライド可能に支持するスライド支持機構と、前記受具を正規支持位置方向に付勢する付勢手段と、前記第2工程に立設され、前記第2レール部材の下降に伴う受具に対する相対変位により受具に対してスライド方向に分力を与えるカム面を有したガイド部材と、を備えている構成とするのが好ましい。
したがって、請求項2記載の発明では、第2レール部材が上方に位置している状態では受具は付勢手段により正規支持位置に配置されており、この状態から、第2昇降装置により第2レール部材を下降させると、ガイド部材のカム面に対する受具の相対変位により、受具のスライド方向に分力が生じ、受具は付勢手段の付勢力に抗して非干渉位置に移動する。また、スキーを第1工程に戻すなどの次動作を行わせると、受具がカム面から離れ、受具は付勢手段の付勢力により正規支持位置に戻る。
このように、受具を移動させる駆動手段および駆動手段を作動させる制御手段をを新たに設けることなく、第2レール部材の昇降に連動して受具が正規支持位置と非干渉位置に移動するもので、安価な手段により受具の移動を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態を説明するにあたり、まず、搬送の対象となるワークについて説明する。
ワークは、従来技術で述べたとおりのアウタパネル1であって、図6にその分解正面図を示している。すなわち、このアウタパネル1は、自動車のサイドパネルを構成するものであり、フロントドア用開口部1a,リヤドア用開口部1bおよび窓用開口部1cが形成されている。このアウタパネル1のリヤドア用開口部1bの後端縁近傍よりも前側の内側に図外のインナパネルが接合され、かつ、リヤドア用開口部1bの後端縁近傍よりも後側の外側にフェンダパネル2が接合されてサイドパネルが構成される。
【0015】
次に、実施の形態の搬送装置について説明する。
図2は実施の形態の搬送装置の概略を示す側面図、図3は実施の形態の搬送装置の概略を示す平面図である。
【0016】
図2において、101は第1工程、102は第2工程である。
前記第1工程101は、アウタパネル1の内側面に対して図外のインナパネルやレインフォースを組み付けて固定する工程であって、第1ポスト11,第1レール部材12および第1昇降機構13を備えている。前記第1ポスト11は、基台14の上に複数設置されており、各ポスト11には、アウタパネル1を支持する支持面(図示は省略するが第3図においてp1で示す丸がこれら支持面の位置を示している)と、エアや油圧などで駆動するシリンダ11a(このシリンダ11aは各ポスト11に設けられているが、一部のみ図示している)により作動して支持面との間にアウタパネル1を把持するクランプ装置(図示省略)が設けられている。なお、図2において想像線aで示すのが、アウタパネルがポストのクランプ装置により把持された場合の位置である。
前記第1レール部材12は、図3に示すように、2本のレール12aがラインの流れる方向(矢印の向き)に平行に設けられ、かつ、前記第1昇降装置13により上下に移動可能に支持されている。そして、前記第1レール部材12には、前記レール12aに沿ってスライドするとともに、前記アウタパネル1を下側から支持する受具32,33,34が複数設けられたスキー3が、ラインの流れる方向にスライド可能に支持されている。なお、前記第1昇降装置13により、第1レール部材12を上昇させると、図2において想像線bで示す位置までアウタパネル1がスキー3に支持された状態で上昇し、また、第1レール部材12を下降させると、スキー3は、想像線aで示すアウタパネル1の位置よりも下降するよう構成されている。
【0017】
次に、第2工程102について説明すると、この第2工程102にあっても第1工程101と同様の第2レール部材22が設けられ、前記スキー3が第1工程101の第1レール部材12から第2工程102の第2レール部材22に乗り移り可能に構成されている。また、前記第2レール部材22は、第1工程101と同様の第2昇降装置23により昇降可能に支持されている。さらに、第2工程102には、基台24に複数の第2ポスト21が設けられている。なお、この第2ポスト21は、アウタパネル1を支持するものとリヤフェンダパネル2を支持するものとが存在し、図3においてp2の丸で示すように、リヤフェンダパネル2を支持するもの(この上に載置されたアウタパネル1も支持する)は、リヤフェンダパネル2の後端縁,ホイルハウスの周縁,窓用開口部の周縁を支持するよう配置され、また、アウタパネル1を支持するものは、図においてp3の丸で示すように、フロントドア用開口部1aおよびリヤドア用開口部1bの上縁部および下縁部と、フロントドア用開口部1aの前縁のフロントピラーを支持するよう配置されている。
【0018】
前記第1昇降装置13および第2昇降装置23は、同様の構造であり、周知の構造であるので詳細な説明は省略するが、図4に示すように、X状に交差し、一端が基台14(24)と第1レール部材12(第2レール部材22)の一方に回動可能に取り付けられているとともに、他端が基台14(24)と第1レール部材12(第2レール部材22)の他方にスライドレール13c,13dにスライド可能に支持された2本のリンク13a,13bと、リンク13aに対して回動力を与えるシリンダ13eとを備えている。
【0019】
次に、前記スキー3について詳細に説明する。
図5は、スキー3に設けられた受具32,33,34の支持点を示す説明図であって、フロントドア用開口部1aの前縁のフロントピラーの部分を支持する受具32と、両開口部1a,1bの間に設けられたセンタピラーを支持する受具33と、リヤドア用開口部1bの後縁に設けられたリヤピラーを支持する受具34とが設けられている。これら受具32〜34のうち、受具32〜33は、図2に概略を示すようにチャンネル状の部材により構成されており、スキー3に対して固定されている。
【0020】
それに対して、スキー3の先端に設けられている受具34,34は、ラインの流れる方向にスライド可能に支持されている。すなわち、図1は前記受具34を示す側面図であり、受具34の先端には、アウタパネル1の縁部を支持する受面34aが形成され、かつ、受具34の基端部が、前記スキー3の先端に固定されているブラケット35に対して、例えば、レールとスライダ、あるいはベアリングとスライダなどからなるスライド支持機構36によりラインの流れる方向(図中左右方向)にスライド可能に支持されている。さらに、前記受具34とブラケット35とは2本のリンク37a,37bを回動可能に連結した連動リンク機構37により連結されている。また、前記受具34の基端部に設けられたブラケット34bとブラケット35との間には、受具34がブラケット35に対して突出する方向に付勢するリターンスプリング39が設けられている。
【0021】
そして、前記連動リンク機構37の中央に設けられているピン37cは、側方に延長されていて、この延長部分と上下で重なる位置にガイド部材38が設けられている。このガイド部材38は、基台24に立設されていて、前記ピン37cを図中左方向にガイドするカム面38aが設けられている。
【0022】
以上説明した連動リンク機構37とガイド部材38とリターンスプリング39とにより連動機構300が構成されている。
【0023】
次に、実施の形態の作用を説明する。
まず、アウタパネル1は、他の工程から第1工程101に運ばれてきて、第1ポスト11に支持される。なお、この時点で、第1昇降装置13は下降作動を行っており、第1レール部材12およびスキー3は、第1工程101に搬送されてきたアウタパネル1の下方位置に配置されている。この状態で、第1ポスト11のクランプ装置を作動させてアウタパネル1をしっかりと保持し、図外のインナパネルなどをアウタパネル1に溶接する作業を実行する。
【0024】
第1工程101において作業を終了したら、第1ポスト11のクランプ装置による把持を解除して、第1昇降装置13を所定量だけ昇降作動させて第1レール部材12およびスキー3を上昇させる。これにより、アウタパネル1は、スキー3の受具31,32,33,34に支持されて、図2の想像線aで示す位置から想像線bで示す高さに移動する。
【0025】
一方、第2工程102にあっては、予めフェンダパネル2を第2ポスト21により支持した状態とするとともに、第2昇降装置23を下降作動させて第2レール部材22を、第1工程101の第1レール部材12と同じ高さ、すなわち図2において想像線で示す高さに上昇させておく。
【0026】
この状態で、スキー3に対して、エアシリンダやチェーンなどの駆動装置により第2工程102に向けて駆動力を与えると、スキー3はスライドして第1レール部材12から第2レール部材22に乗り移る。そして、スキー3が予め決められている所定の位置までスライドしたら、スライドを停止させ、第2昇降装置23を下降作動させる。
【0027】
この時点において、スキー3の先端の受具34は、図1(a)に示すように、受面34aによりアウタパネル1のリヤドア用開口部1bの後端縁の部分のフランジを支持している。なお、このときの受具34の位置を正規位置とする。
【0028】
そして、上述のように第2昇降装置23の下降作動により、スキー3が下降すると、図1(b)に示すように、基台24に立設されているガイド部材38のカム面38aが、連動リンク機構37のピン37cに当たって、連動リンク機構37が折り畳まれ、受具34が図示のようにリターンスプリング39の付勢力に抗してアウタパネル1のフランジから離れる。なお、この時、受具34は、第2ポスト21に支持されたリヤフランジ2と上下方向で重なることがなく、この位置を非干渉位置とする。また、受具34が非干渉位置に移動するのは、アウタパネル1のフランジが、リヤフェンダパネル2の同様のフランジ(図示省略)に重なる直前であって、よって、受具34が、第2ポスト21に支持されているリヤフェンダパネル2に衝突することがないとともに、アウタパネル1をリヤフェンダパネル2と精度高く重ねることができる。
【0029】
また、第2工程102において作業を実行している間に、スキー3が下降している状態でスキー3を第1工程に戻すもので、この時、ピン37cがガイド面38aから離れるのに連動して、受具34は、リターンスプリング39の付勢力で図1(a)に示す正規位置に戻る。
【0030】
以上説明したように、実施の形態の搬送装置にあっては、スキー3の先端に設けられた受具34をスライド可能に構成するとともに、第2工程102においてスキー3を下降させた時にスライド作動を行ってリヤフェンダパネル2と衝突することがないように構成したため、アウタパネル1を第1工程101から第2工程102に搬送するにあたり、アウタパネル1を上方から吊り下げるオーバヘッド形式の搬送装置を設けることなく、従来のスキーを用いる搬送装置に小改良を加えるだけで、本実施の形態のような構造のサイドパネルの製造ラインに適用することができ、上述のような構造のワーク(アウタパネル1)を搬送させることを少ない設備投資で達成可能となる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0032】
例えば、実施の形態では、連動機構として動力源を持たない手段を用い、安価に構成したが、受具34をエアシリンダなどのアクチュエータによりスライドさせるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の搬送装置にあっては、従来からのスキーを用い、オーバヘッド構造を用いない簡単な構成でありながら、第2工程で待機状態の第2ワークの上側に第1ワークを搬送することを可能とするものであり、これにより、安価な設備投資により第2ワークの上に第1ワークを重ねる搬送を可能とするという効果が得られる。
【0034】
また、請求項2に記載の発明にあっては、受具を移動させる駆動手段および駆動手段を作動させる制御手段をを新たに設けることなく、第2レール部材の昇降に連動して受具が正規支持位置と非干渉位置に移動するもので、安価な手段により受具の移動を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置の要部の作動を示す側面図である。
【図2】実施の形態の搬送装置の概略を示す側面図である。
【図3】実施の形態の搬送装置の概略を示す平面図である。
【図4】実施の形態の搬送装置の要部を示す側面図である。
【図5】実施の形態の搬送装置の要部の概略を示す平面図である。
【図6】実施の形態で搬送するサイドパネルの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 アウタパネル(第1ワーク)
1a フロントドア用開口部
1b リヤドア用開口部
1c 窓用開口部
2 リヤフェンダパネル(第2ワーク)
11 第1ポスト
12 第1レール部材
12a レール
13 第1昇降装置
13a,13b リンク
13c,13d スライドレール
13e シリンダ
14 基台
21 第1ポスト
22 第1レール部材
23 第1昇降装置
24 基台
3 スキー
32,33,34 受具
34a 受面
34b ブラケット
35 ブラケット
37 連動リンク機構
37a,37b リンク
37c ピン
38 ガイド部材
38a ガイド面
39 リターンスプリング
300 連動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場内において、加工対象品であるワークを搬送する搬送装置に関し、特に、ワーク搬送時に往復運動を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、搬送装置として、例えば、特公昭63−51911号公報に記載されたものが公知である。この従来の搬送装置は、第1の作業を行う第1工程から、第2の作業を行う第2工程にワークを搬送する装置であって、これら2つの工程の間を、ワークを支持して行き来するスキーと呼ばれる構成を有している。すなわち、第1工程と第2工程とには、それぞれ、スキーをスライド可能に支持するレール部材が設置され、このレール部材が昇降機構により昇降可能に支持されている。また、第1・第2各工程には、作業実行時にワークを把持して固定するポストと呼ばれる構成が設けられている。
【0003】
この従来装置によれば、第1工程においてレール部材およびこれに支持されたスキーをポストに対して下降させた状態で、第1工程にワークを送り込み、このワークをポストにより把持して固定し、例えば、溶接などの作業を行う。この第1工程の作業終了後、ポストによる把持を解除して、レール部材およびスキーを上昇させると、ワークがポストからスキーに乗り移り、この状態で、外部の動力装置によりスキーに操作力を入力して、スキーおよびワークをレール部材に沿って移動させ、第1工程のレール部材から第2工程のレール部材に乗り移らせる。このようにしてスキーおよびワークが第2工程のレールに乗り移ったら、レール部材を下降させて、ワークをレールからポストに乗り移らせてポストで把持して固定し、この状態でワークに対して、作業を行う、という手順で作業を実行するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来装置は、例えば、自動車のボディのサイドパネルの製造工程において用いられる。このサイドパネルは、通常、インナパネルとアウタパネルとの2枚のパネルを両者の間に空間を形成して接合させて、いわゆる「もなか」構造に形成するものであり、また、これらパネルの内面にレインフォースなどの部材を溶接するのが一般的である。
【0005】
このようなサイドパネルを上記従来技術を用いて製造する場合、例えば、第1工程において、インナパネルをポストで把持した状態でインナパネルに対してレインフォースなどの付属構成を溶接などにより取り付ける作業を行った後、このインナパネルをスキーに載せて第2工程に搬送させ、このインナパネルに対してアウタパネルを重ね合わせた後、両者を溶接して一体とし、サイドパネルとして完成させるという作業を行う。
【0006】
しかしながら、近年、上記のようなサイドパネルのバリエーションとして、アウタパネルを途中から車室側に変位させて、この変位部分をインナパネルとして用い、このインナパネル部分の外側にアウタパネルに相当する例えばフェンダパネルを溶接する構造が提案されている。
【0007】
すなわち、近年では、サイドパネルの外観形状として、多様な造形が望まれているが、サイドパネルの外表面全体を1枚のアウタパネルで形成する構成では、プレス成形における型開き上の制約を受けることになり、設計自由度が低くなる。それに対して、上記のように、アウタパネルの一部をインナパネルとして用い、このインナパネル部分の外側にフェンダパネルを溶接する構造とすると、サイドパネルが車体の前面や後面に回り込んだ形状としても、フェンダパネルをそのように造形することで成形が可能となり、設計自由度が高くなるものである。
【0008】
しかしながら、上述のような構造を採用した場合、アウタパネルの両面に部材を接合する必要があるため、すなわち、アウタパネルの一部の内面にインナパネルを、一部の外面にフェンダパネルを接合する必要があるため、その製造工程において、以下の述べるような問題が生じる。
【0009】
すなわち、第1工程においてアウタパネルの上側にインナパネルを接合する作業を実行する作業手順とした場合、第2工程にあっては、アウタパネルの下側にフェンダパネルを接合させる必要がある。しかしながら、従来のスキーを用いた搬送の場合、アウタパネルの下側にはスキーを支持するレール部材が下降するスペースが必要である。よって、このレール部材と干渉することなくフェンダパネルを配置させることができなかった。
このため、従来は、第1工程から第2工程にアウタパネルを搬送させてフェンダパネルの上に配置させるにあたり、アウタパネルを、第1工程からいったん置き台に搬送させ、この置き台から上方に吊り上げて第2工程のフェンダパネルの上方位置まで移動させてから、下降させてフェンダパネルの上に設置するという搬送となるため、第1工程と第2工程との間に置き台ならびにオーバヘッドタイプの搬送装置が新たに必要となるもので、設備投資が嵩むという問題が有った。特に、オーバヘッドタイプの搬送装置は、ラインの上方に充分な支持強度を持った構成を設ける必要が有り、コスト的に嵩むものであった。
【0010】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、従来のスキーを用いてワークを搬送する搬送装置を用いながら、ワークの組付対象となる部材の上側にワークを搬送することを可能として、上述のような構造のワークを搬送することを少ない設備投資で達成可能とすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、第1ワークに対して所定の作業を行う第1工程と、待機状態の第2ワークに対して第1ワークを搬送させて両者を組み付ける第2工程と、の間で前記第1ワークを搬送させる搬送装置であって、前記第1工程に設けられて作業時に前記第1ワークを支持する第1ポストと、前記第2工程に設けられて作業時に前記第1ワークおよび第2ワークを支持する第2ポストと、前記第1工程に設けられ、第1昇降装置により昇降可能に構成された第1レール部材と、この第1レール部材と同軸で第2工程に設けられ、第2昇降装置により昇降可能に構成された第2レール部材と、前記第1ワークを支持する複数の受具を有し、前記第1レール部材から第2レール部材に乗り移り可能に構成されたスキーと、を備えている搬送装置において、前記スキーに設けられた複数の受具のうちで、前記第1ワークの第2ワークに重なる部分を支持するよう配置されている受具が、第2ワークと上下方向で重なる位置で第1ワークを保持する正規支持位置から、前記第2レール部材の下降時に待機状態の第2ワークと干渉することのない非干渉位置に移動可能にスキーに保持され、前記スキーに移動可能に保持された受具を、スキーの下降に伴って正規位置から非干渉位置に移動させるとともに、スキーの次動作に伴って非干渉位置から正規位置に移動させる連動機構が設けられていることを特徴とする。
本発明の作業の流れを説明すると、第1工程において第1ポストにより第1ワークを支持して作業を行い、この作業が終了したら、第1昇降装置を作動させて第1レール部材およびこの第1レール部材に支持されたスキーを上昇させる。これにより、第1ワークはスキーの複数の受具に支持される。
次に、第2工程の第2レール部材を第1レール部材と同じ高さに配置させるとともに、第2工程において第2ワークを第2ポストにより支持して待機状態としておいて、スキーを第2工程に向けて移動させる。これにより、スキーが第1レール部材から第2レール部材に乗り移って、第1ワークが第2工程に移動する。この時、第1ワークの一部は、第2ワークと上下方向に重なっているとともに、第1ワークのこの部分を支持する受具が、正規位置に配置されて第2ワークと上下方向で重なっている。
この状態で第2昇降装置を下降作動させて第2レール部材を移動させると、スキーとともに第1ワークが下降し、この下降に伴う連動機構の作動により、正規支持位置に配置されていた受具が、非干渉位置に移動し、これにより、受具が第2ワークに干渉することなく、第1ワークが第2ワークに重なり、この状態で両ワークが第2ポストに支持される。
この状態で、第1ワークと第2ワークとを組み付ける作業を実行する。
【0012】
以上のように、本発明では、従来からのスキーを用い、オーバヘッド構造を用いない簡単な構成でありながら、第2工程で待機状態の第2ワークの上側に第1ワークを搬送することができる。よって、安価な設備投資により第2ワークの上に第1ワークを重ねる搬送を可能とする。
【0013】
また、請求項2に記載のように、請求項1に記載の搬送装置において、前記連動機構を、前記受具をスキーに対してスライド可能に支持するスライド支持機構と、前記受具を正規支持位置方向に付勢する付勢手段と、前記第2工程に立設され、前記第2レール部材の下降に伴う受具に対する相対変位により受具に対してスライド方向に分力を与えるカム面を有したガイド部材と、を備えている構成とするのが好ましい。
したがって、請求項2記載の発明では、第2レール部材が上方に位置している状態では受具は付勢手段により正規支持位置に配置されており、この状態から、第2昇降装置により第2レール部材を下降させると、ガイド部材のカム面に対する受具の相対変位により、受具のスライド方向に分力が生じ、受具は付勢手段の付勢力に抗して非干渉位置に移動する。また、スキーを第1工程に戻すなどの次動作を行わせると、受具がカム面から離れ、受具は付勢手段の付勢力により正規支持位置に戻る。
このように、受具を移動させる駆動手段および駆動手段を作動させる制御手段をを新たに設けることなく、第2レール部材の昇降に連動して受具が正規支持位置と非干渉位置に移動するもので、安価な手段により受具の移動を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態を説明するにあたり、まず、搬送の対象となるワークについて説明する。
ワークは、従来技術で述べたとおりのアウタパネル1であって、図6にその分解正面図を示している。すなわち、このアウタパネル1は、自動車のサイドパネルを構成するものであり、フロントドア用開口部1a,リヤドア用開口部1bおよび窓用開口部1cが形成されている。このアウタパネル1のリヤドア用開口部1bの後端縁近傍よりも前側の内側に図外のインナパネルが接合され、かつ、リヤドア用開口部1bの後端縁近傍よりも後側の外側にフェンダパネル2が接合されてサイドパネルが構成される。
【0015】
次に、実施の形態の搬送装置について説明する。
図2は実施の形態の搬送装置の概略を示す側面図、図3は実施の形態の搬送装置の概略を示す平面図である。
【0016】
図2において、101は第1工程、102は第2工程である。
前記第1工程101は、アウタパネル1の内側面に対して図外のインナパネルやレインフォースを組み付けて固定する工程であって、第1ポスト11,第1レール部材12および第1昇降機構13を備えている。前記第1ポスト11は、基台14の上に複数設置されており、各ポスト11には、アウタパネル1を支持する支持面(図示は省略するが第3図においてp1で示す丸がこれら支持面の位置を示している)と、エアや油圧などで駆動するシリンダ11a(このシリンダ11aは各ポスト11に設けられているが、一部のみ図示している)により作動して支持面との間にアウタパネル1を把持するクランプ装置(図示省略)が設けられている。なお、図2において想像線aで示すのが、アウタパネルがポストのクランプ装置により把持された場合の位置である。
前記第1レール部材12は、図3に示すように、2本のレール12aがラインの流れる方向(矢印の向き)に平行に設けられ、かつ、前記第1昇降装置13により上下に移動可能に支持されている。そして、前記第1レール部材12には、前記レール12aに沿ってスライドするとともに、前記アウタパネル1を下側から支持する受具32,33,34が複数設けられたスキー3が、ラインの流れる方向にスライド可能に支持されている。なお、前記第1昇降装置13により、第1レール部材12を上昇させると、図2において想像線bで示す位置までアウタパネル1がスキー3に支持された状態で上昇し、また、第1レール部材12を下降させると、スキー3は、想像線aで示すアウタパネル1の位置よりも下降するよう構成されている。
【0017】
次に、第2工程102について説明すると、この第2工程102にあっても第1工程101と同様の第2レール部材22が設けられ、前記スキー3が第1工程101の第1レール部材12から第2工程102の第2レール部材22に乗り移り可能に構成されている。また、前記第2レール部材22は、第1工程101と同様の第2昇降装置23により昇降可能に支持されている。さらに、第2工程102には、基台24に複数の第2ポスト21が設けられている。なお、この第2ポスト21は、アウタパネル1を支持するものとリヤフェンダパネル2を支持するものとが存在し、図3においてp2の丸で示すように、リヤフェンダパネル2を支持するもの(この上に載置されたアウタパネル1も支持する)は、リヤフェンダパネル2の後端縁,ホイルハウスの周縁,窓用開口部の周縁を支持するよう配置され、また、アウタパネル1を支持するものは、図においてp3の丸で示すように、フロントドア用開口部1aおよびリヤドア用開口部1bの上縁部および下縁部と、フロントドア用開口部1aの前縁のフロントピラーを支持するよう配置されている。
【0018】
前記第1昇降装置13および第2昇降装置23は、同様の構造であり、周知の構造であるので詳細な説明は省略するが、図4に示すように、X状に交差し、一端が基台14(24)と第1レール部材12(第2レール部材22)の一方に回動可能に取り付けられているとともに、他端が基台14(24)と第1レール部材12(第2レール部材22)の他方にスライドレール13c,13dにスライド可能に支持された2本のリンク13a,13bと、リンク13aに対して回動力を与えるシリンダ13eとを備えている。
【0019】
次に、前記スキー3について詳細に説明する。
図5は、スキー3に設けられた受具32,33,34の支持点を示す説明図であって、フロントドア用開口部1aの前縁のフロントピラーの部分を支持する受具32と、両開口部1a,1bの間に設けられたセンタピラーを支持する受具33と、リヤドア用開口部1bの後縁に設けられたリヤピラーを支持する受具34とが設けられている。これら受具32〜34のうち、受具32〜33は、図2に概略を示すようにチャンネル状の部材により構成されており、スキー3に対して固定されている。
【0020】
それに対して、スキー3の先端に設けられている受具34,34は、ラインの流れる方向にスライド可能に支持されている。すなわち、図1は前記受具34を示す側面図であり、受具34の先端には、アウタパネル1の縁部を支持する受面34aが形成され、かつ、受具34の基端部が、前記スキー3の先端に固定されているブラケット35に対して、例えば、レールとスライダ、あるいはベアリングとスライダなどからなるスライド支持機構36によりラインの流れる方向(図中左右方向)にスライド可能に支持されている。さらに、前記受具34とブラケット35とは2本のリンク37a,37bを回動可能に連結した連動リンク機構37により連結されている。また、前記受具34の基端部に設けられたブラケット34bとブラケット35との間には、受具34がブラケット35に対して突出する方向に付勢するリターンスプリング39が設けられている。
【0021】
そして、前記連動リンク機構37の中央に設けられているピン37cは、側方に延長されていて、この延長部分と上下で重なる位置にガイド部材38が設けられている。このガイド部材38は、基台24に立設されていて、前記ピン37cを図中左方向にガイドするカム面38aが設けられている。
【0022】
以上説明した連動リンク機構37とガイド部材38とリターンスプリング39とにより連動機構300が構成されている。
【0023】
次に、実施の形態の作用を説明する。
まず、アウタパネル1は、他の工程から第1工程101に運ばれてきて、第1ポスト11に支持される。なお、この時点で、第1昇降装置13は下降作動を行っており、第1レール部材12およびスキー3は、第1工程101に搬送されてきたアウタパネル1の下方位置に配置されている。この状態で、第1ポスト11のクランプ装置を作動させてアウタパネル1をしっかりと保持し、図外のインナパネルなどをアウタパネル1に溶接する作業を実行する。
【0024】
第1工程101において作業を終了したら、第1ポスト11のクランプ装置による把持を解除して、第1昇降装置13を所定量だけ昇降作動させて第1レール部材12およびスキー3を上昇させる。これにより、アウタパネル1は、スキー3の受具31,32,33,34に支持されて、図2の想像線aで示す位置から想像線bで示す高さに移動する。
【0025】
一方、第2工程102にあっては、予めフェンダパネル2を第2ポスト21により支持した状態とするとともに、第2昇降装置23を下降作動させて第2レール部材22を、第1工程101の第1レール部材12と同じ高さ、すなわち図2において想像線で示す高さに上昇させておく。
【0026】
この状態で、スキー3に対して、エアシリンダやチェーンなどの駆動装置により第2工程102に向けて駆動力を与えると、スキー3はスライドして第1レール部材12から第2レール部材22に乗り移る。そして、スキー3が予め決められている所定の位置までスライドしたら、スライドを停止させ、第2昇降装置23を下降作動させる。
【0027】
この時点において、スキー3の先端の受具34は、図1(a)に示すように、受面34aによりアウタパネル1のリヤドア用開口部1bの後端縁の部分のフランジを支持している。なお、このときの受具34の位置を正規位置とする。
【0028】
そして、上述のように第2昇降装置23の下降作動により、スキー3が下降すると、図1(b)に示すように、基台24に立設されているガイド部材38のカム面38aが、連動リンク機構37のピン37cに当たって、連動リンク機構37が折り畳まれ、受具34が図示のようにリターンスプリング39の付勢力に抗してアウタパネル1のフランジから離れる。なお、この時、受具34は、第2ポスト21に支持されたリヤフランジ2と上下方向で重なることがなく、この位置を非干渉位置とする。また、受具34が非干渉位置に移動するのは、アウタパネル1のフランジが、リヤフェンダパネル2の同様のフランジ(図示省略)に重なる直前であって、よって、受具34が、第2ポスト21に支持されているリヤフェンダパネル2に衝突することがないとともに、アウタパネル1をリヤフェンダパネル2と精度高く重ねることができる。
【0029】
また、第2工程102において作業を実行している間に、スキー3が下降している状態でスキー3を第1工程に戻すもので、この時、ピン37cがガイド面38aから離れるのに連動して、受具34は、リターンスプリング39の付勢力で図1(a)に示す正規位置に戻る。
【0030】
以上説明したように、実施の形態の搬送装置にあっては、スキー3の先端に設けられた受具34をスライド可能に構成するとともに、第2工程102においてスキー3を下降させた時にスライド作動を行ってリヤフェンダパネル2と衝突することがないように構成したため、アウタパネル1を第1工程101から第2工程102に搬送するにあたり、アウタパネル1を上方から吊り下げるオーバヘッド形式の搬送装置を設けることなく、従来のスキーを用いる搬送装置に小改良を加えるだけで、本実施の形態のような構造のサイドパネルの製造ラインに適用することができ、上述のような構造のワーク(アウタパネル1)を搬送させることを少ない設備投資で達成可能となる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0032】
例えば、実施の形態では、連動機構として動力源を持たない手段を用い、安価に構成したが、受具34をエアシリンダなどのアクチュエータによりスライドさせるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の搬送装置にあっては、従来からのスキーを用い、オーバヘッド構造を用いない簡単な構成でありながら、第2工程で待機状態の第2ワークの上側に第1ワークを搬送することを可能とするものであり、これにより、安価な設備投資により第2ワークの上に第1ワークを重ねる搬送を可能とするという効果が得られる。
【0034】
また、請求項2に記載の発明にあっては、受具を移動させる駆動手段および駆動手段を作動させる制御手段をを新たに設けることなく、第2レール部材の昇降に連動して受具が正規支持位置と非干渉位置に移動するもので、安価な手段により受具の移動を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置の要部の作動を示す側面図である。
【図2】実施の形態の搬送装置の概略を示す側面図である。
【図3】実施の形態の搬送装置の概略を示す平面図である。
【図4】実施の形態の搬送装置の要部を示す側面図である。
【図5】実施の形態の搬送装置の要部の概略を示す平面図である。
【図6】実施の形態で搬送するサイドパネルの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 アウタパネル(第1ワーク)
1a フロントドア用開口部
1b リヤドア用開口部
1c 窓用開口部
2 リヤフェンダパネル(第2ワーク)
11 第1ポスト
12 第1レール部材
12a レール
13 第1昇降装置
13a,13b リンク
13c,13d スライドレール
13e シリンダ
14 基台
21 第1ポスト
22 第1レール部材
23 第1昇降装置
24 基台
3 スキー
32,33,34 受具
34a 受面
34b ブラケット
35 ブラケット
37 連動リンク機構
37a,37b リンク
37c ピン
38 ガイド部材
38a ガイド面
39 リターンスプリング
300 連動機構
Claims (2)
- 第1ワークに対して所定の作業を行う第1工程と、待機状態の第2ワークに対して第1ワークを搬送させて両者を組み付ける第2工程と、の間で前記第1ワークを搬送させる搬送装置であって、
前記第1工程に設けられて作業時に前記第1ワークを支持する第1ポストと、前記第2工程に設けられて作業時に前記第1ワークおよび第2ワークを支持する第2ポストと、
前記第1工程に設けられ、第1昇降装置により昇降可能に構成された第1レール部材と、
この第1レール部材と同軸で第2工程に設けられ、第2昇降装置により昇降可能に構成された第2レール部材と、
前記第1ワークを支持する複数の受具を有し、前記第1レール部材から第2レール部材に乗り移り可能に構成されたスキーと、
を備えている搬送装置において、
前記スキーに設けられた複数の受具のうちで、前記第1ワークの第2ワークに重なる部分を支持するよう配置されている受具が、第2ワークと上下方向で重なる位置で第1ワークを保持する正規支持位置から、前記第2レール部材の下降時に待機状態の第2ワークと干渉することのない非干渉位置に移動可能にスキーに保持され、
前記スキーに移動可能に保持された受具を、スキーの下降に伴って正規位置から非干渉位置に移動させるとともに、スキーの次動作に伴って非干渉位置から正規位置に移動させる連動機構が設けられていることを特徴とする搬送装置。 - 前記連動機構は、前記受具をスキーに対してスライド可能に支持するスライド支持機構と、前記受具を正規支持位置方向に付勢する付勢手段と、前記第2工程に立設され、前記第2レール部材の下降に伴う受具に対する相対変位により受具に対してスライド方向に分力を与えるカム面を有したガイド部材と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
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