JP3927540B2 - 車体組付方法 - Google Patents
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Description
本発明は車体組付方法に係り、特に、▲1▼アンダーボディに左右のサイドメンバーを溶接する際の組付方法(請求項1及び2)、▲2▼アンダーボディの左右にサイドメンバーを溶接する工程と、両サイドメンバーの上端部間にルーフなどの横断部材を載置し溶接する工程を完全に分離した組付方法(請求項3)、及び、▲3▼アンダーボディの左右に立設したサイドメンバー上端部間にルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材を仮付けする際の組付方法(請求項4)に関する。
背景技術
自動車の車体は、アンダーボディ、左右一対のサイドメンバー及びルーフを主要部材として構成される。これら主要部材は各種位置決め治具を使用して相対的に位置決めされ、この位置決め状態で溶接ロボットによるスポット溶接で仮付けされ、その後増し打ち溶接される。
ところで、従来の車体組付方法では、前記主要部材を位置決めするために一般的に大掛かりな位置決め治具を使用している。例えば、サイドメンバー用とルーフ用の治具として、これら部材よりも一回り大きな屏風状の治具を使用する場合がある。このような大きな治具を使用した車体組付方法では、サイドメンバー用治具を車体組立ラインの左右両側に進退自在に配設すると共に、ルーフ用治具を車体組立ラインの上方で昇降自在に配設する。そしてサイドメンバーを搬送装置によって左右の治具の前面に搬送してセットした後、当該治具を前進させてアンダーボディの所定位置に位置決めし、この状態でアンダーボディとサイドメンバー間を溶接する。その後、サイドメンバー用治具をそのままにして当該治具で支持したサイドメンバーの上端部間に別の治具で支持したルーフを載置し、このルーフの左右溶接縁とサイドメンバーの上位溶接縁との間を溶接していた。
このような屏風状治具は大型かつ大重量のため、初期設備投資が嵩むことは勿論のこと、生産車種切替え(段替え)の際は別の治具に交換するため治具の進退駆動機構と脱着しなければならないが、この脱着作業に非常な手間が掛かり、その間生産ラインを完全にストップしなければならないという不都合がある。
また、段替えを迅速に行うため回転式の治具を使用した車体組立方法もあるが、この回転式治具は三車種対応では三角柱状、四車種対応では四角柱状となるため、大きさ重量共に屏風状治具をさらに上回り、初期設備投資が一層高騰する結果となる。
また、左右一対のサイドメンバー用治具とルーフ用治具とは相互独立であり、これら3つの治具の車体側振込み位置が地上側静止系に対して正確に位置決めされることを前提としてサイドメンバーとルーフとの正確な位置決めと溶接がなされるのであるが、サイドメンバー用治具もルーフ用治具も前後ないし上下に移動する駆動手段に取付けられており、これら駆動手段の位置決め精度がそのままサイドメンバーとルーフとの相互溶接精度に影響してくる。前記駆動手段は大型で重量物の治具をかなりの高速で昇降させたり前後動させる必要があるから、厳格な位置決め精度を維持するには高度の技術と不断のメンテナンスが欠かせない。
しかし、現実には駆動手段の可動部分の磨耗等が原因で前記位置決め精度が次第に低下する場合がある。
また、左右一対のサイドメンバー用治具とルーフ用治具は相互独立であるが、これら3つの治具が一斉に車体側に振込まれて左右のサイドメンバーとルーフが各溶接縁で相互に当接するため、3つの治具間で力の干渉が発生しやすい。この力の干渉が車体左右方向でバランスを保っていれば問題はないが、各治具の位置決め精度のバラツキや治具上のクランプ治具の不具合等が原因でサイドメンバーに右又は左方向の偏った力が作用する場合がある。このような偏った力が作用すると、サイドメンバーが正規縦置き姿勢から左右方向に面倒れし、フロントウィンド又はリヤウィンドの開口形状が歪み、ウィンドシールドの嵌合性に支障が出る。
また、ルーフとサイドメンバーとの間の位置決め精度は、特にフロントとリヤのウィンド開口形状の歪みとなって現れてくるので、わずかな誤差でもウィンドシールドの嵌合性良否に大きく影響する。従来の大型治具を使用したルーフの位置決めでは、左右のサイドメンバに溶接縁を同時かつ均等に押付けることは不可能であり、左右いずれかのサイドメンバにルーフの溶接縁が先に当接する。このような左右不均一の当りが発生すると、ルーフとサイドメンバとの位置決め精度に微妙なズレが発生する可能性がある。
このような不都合は試作によって事前にチェックされて各治具が再調整されるが、不都合の原因を解析究明するにはかなりの時間と手間を要する。
発明の開示
本発明の第1の目的は、アンダーボディの左右両側にサイドメンバーを溶接(仮付け)する際に使用するサイドメンバー用治具の軽量コンパクト化を図り、もって初期設備投資の低減と段替作業の容易迅速化を達成することにある。
本発明の第2の目的は、サイドメンバー用及びルーフ用の各治具の軽量コンパクト化が可能で、初期設備投資の低減と段替作業の容易迅速化を達成でき、かつ、サイドメンバーとルーフとの組付性に関する問題の解析を容易にする車体組付方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、ルーフ用治具の軽量コンパクト化を図り、もって初期設備投資の低減と段替作業の容易迅速化を達成し、かつ、治具昇降用の大掛かりな駆動手段を使用することなくルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材をサイドメンバーに正確に位置決めして仮付けすることのできる車体組付方法を提供することにある。
本発明の第1の車体組付方法は、車体組立ラインの所定位置に位置決めされたアンダーボディに対して左右一対のサイドメンバーをその下位溶接縁をアンダーボディの左右溶接縁に合わせた状態で縦置きし、この縦置き状態の左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを、所定位置に配置した少なくとも4つのクランプ治具で連結固定し、この連結固定状態でアンダーボディとサイドメンバーとを溶接するようにしたことを特徴とする。
サイドメンバーの搬送と縦置きには汎用ロボットを使用することができ、汎用ロボットの近傍まで搬送されてきたサイドメンバーを汎用ロボットで取上げ、そのままアンダーボディの所定位置まで移動させて縦置きし、この状態で4つのクランプ治具で左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを連結固定し、両者を溶接ロボットにより溶接するのである。
従来のサイドメンバー用治具は、サイドメンバーを全体的にクランプする考え方であったため、サイドメンバーよりも一回りも二回りも大型にならざるを得なかったが、本発明はサイトメンバー全体をクランプするのではなく、サイドメンバーの横倒れ方向規制は搬送用の汎用ロボットなどに受持たせ、サイドメンバーの下位溶接縁の前後部だけの前後・左右・上下方向規制を4つのクランプ治具で受持たせるようにした。このため、4つのクランプ治具を軽量コンパクトに構成でき、初期設備投資の大幅低減が可能になると共に、クランプ治具自体が軽量コンパクトであるためこれを汎用ロボット等を使用して簡単に移動でき、段替作業の容易迅速化と段替用設備の低コスト化を実現できる。また、クランプ治具がコンパクトであるため車体組立ラインの側方に適当なラック設備などを設けることにより省スペースのクランプ治具用待機エリアを容易に確保することができる。
本発明の第2の車体組付方法は、車体組立ラインの所定位置に位置決めされたアンダーボディに対して左右一対のサイドメンバーをその下位溶接縁をアンダーボディの左右溶接縁に合わせた状態で縦置きし、この縦置き状態の左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを、所定位置に配置した少なくとも4つのクランプ治具で連結固定し、この連結固定状態でアンダーボディとサイドメンバーとを仮付け溶接する車体組付方法であって、前記アンダーボディが位置決めされる車体組立ラインの所定位置の左右両側に、車体組立ラインに向って前後動可能で前記クランプ治具を着脱自在に搭載可能な前後各2基のスライド台と、各スライド台の後退位置にあって前記クランプ治具を着脱自在に搭載して昇降可能な昇降台とを配設し、前記昇降台を上昇させて当該昇降台上に前記クランプ治具をロボット等で搬送(全くの人力による搬送、ホイスト等の補助具を使用した半自動の搬送、及びロボット等の搬送装置による完全自動搬送を含む。以下同様。)して搭載し、前記昇降台を下降させることにより前記クランプ治具を後退位置にある前記スライド台上に移載し、前記スライド台を前進させて前記クランプ治具で前記アンダーボディとサイドメンバーとを連結固定し、前記昇降台は再度上昇させて当該昇降台上に段替用の別のクランプ治具をあらかじめロボット等で搬送しておき、段替時に前進位置にある前記スライド台上のクランプ治具をロボット等で取上げて空のスライド台を後退させた後、前記昇降台を下降させてスライド台上に次のクランプ治具を移載するようにしたことを特徴とする。
サイドメンバーの搬送と縦置きには汎用ロボットを使用することができ、汎用ロボットの近傍まで搬送されてきたサイドメンバーを汎用ロボットで取上げ、そのままアンダーボディの所定位置まで移動させて縦置きし、この状態で4つのクランプ治具で左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを連結固定し、両者を溶接ロボットにより溶接するのである。
従来のサイドメンバー用治具は、サイドメンバーを全体的にクランプする考え方であったため、サイドメンバーよりも一回りも二回りも大型にならざるを得なかったが、本発明はサイドメンバー全体をクランプするのではなく、サイドメンバーの横倒れ方向規制は搬送用の汎用ロボットなどに一時的に受持たせ、サイドメンバーの下位溶接縁の前後部だけの前後・左右・上下方向規制を4つのクランプ治具で受持たせるようにした。このため、4つのクランプ治具を軽量コンパクトに構成でき、初期設備投資の大幅低減が可能になると共に、クランプ治具自体が軽量コンパクトであるためこれを汎用ロボットを使用して簡単に移動でき、段替作業の容易迅速化と段替用設備の低コスト化を実現できる。また、クランプ治具がコンパクトであるため車体組立ラインの側方に適当なラック設備などを設けることにより、省スペースのクランプ治具用待機エリアを確保することができる。
また、昇降台の上に段替用治具をあらかじめ搭載しておくことで、スライドガイドの前側に出ている用済み治具をロボット等で取上げた後はスライド台を後退させて昇降台を下降させれば、後はスライド台を前進させるだけで次の車種のクランプ動作に即入れるのでタクトタイムが非常に短くてすむ。
本発明の第3の車体組付方法は、車体組立ラインの所定位置に位置決めされたアンダーボディに対して左右一対のサイドメンバーを第1治具を使用して位置決めすると共にその下位溶接縁をアンダーボディの左右溶接縁に合わせて溶接する第1工程と、前記第1治具を開放した後に左右のサイドメンバーの上位溶接縁間にルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材をその左右溶接縁をサイドメンバーの上位溶接縁に合わせて載置すると共に第2治具を使用して位置決めしてこの位置決め状態で前記上位溶接縁と左右溶接縁とを溶接する第2工程とを有することを特徴とする。
前記第1工程では左右のサイドメンバーがアンダーボディに対して位置決めされて溶接され、第2工程では第1工程で使用された第1治具が開放された後ルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材が第2治具を使用して位置決めされて溶接されるから、第1治具と第2治具とが力の干渉を起こすことがなく、サイドメンバと横断部材との組付性に関する問題の解析を短期間で完了することができるようになる。また、このように治具間での力の干渉が発生しないので各治具の小型軽量化が可能となり、初期設備投資の低減と段替作業の容易迅速化に貢献することができる。
本発明の第4の車体組付方法は、車体組立ラインの所定位置に位置決めされたアンダーボディに対して左右一対のサイドメンバーをその下位溶接縁をアンダーボディの左右溶接縁に合わせて溶接した後、左右のサイドメンバーの上位溶接縁間にルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材をその左右溶接縁をサイドメンバーの上位溶接縁に合わせて仮置きし、この仮置きした横断部材の前後2箇所に、地上側から立設された矢倉状フレームに左右両端を着脱自在に支持され前記横断部材の上方を横断した梁状治具を配置し、この梁状治具に配設した駆動源を共通にする左右一対のクランプ治具でサイドメンバーの上位溶接縁前後部と横断部材の左右溶接縁前後部とを連結固定し、この連結固定状態でサイドメンバーと横断部材の溶接縁相互を仮付け溶接するようにしたことを特徴とする。
サイドメンバーの上端部間に仮置きされたルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材とサイドメンバーとが梁状治具によって互い連結されると、当該横断部材とサイドメンバーの溶接縁部分が矢倉状フレーム体を介して静止系に位置決め固定されるので、サイドメンバーの上位及び下位の溶接縁が全て静止系に対して位置決めされ、かつ、横断部材の四隅ないし両端計4箇所の溶接縁も全て地面側に対して位置決めされ、この位置決め状態においてサイドメンバーと横断部材が仮付けされるから、フロントウィンド開口及びリヤウィンド開口の歪みが発生せず、所期のフロントウィンド開口形状及びリヤウィンド開口形状が得られる。
また、梁状治具は今までのルーフ用治具に比べて軽量コンパクトであるから、初期設備投資の大幅削減が可能となると共に、その段替用ストックエリアと治具搬送ロボットをルーフ仮付けステーションの側方に配設しておくことで治具搬送ラインを使用しない迅速な段替が可能となる。
さらに、梁状治具に配設した左右一対のクランプ治具を共通の駆動源で駆動するようにしたので、左右のサイドメンバーの上位溶接縁前部又は後部と、横断部材の左右溶接縁前部又は後部とが、左右方向でタイミングを同期して連結固定されることになる。これにより、連結固定のタイミングのずれに起因するフロント又はリヤのウィンド開口形状の歪み発生を可及的に防止することができる。
前述した第1〜第4の発明の効果を纏めると以下のようになる。
第1の発明は前述の如く、アンダーボディにセットされた左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを、所定位置に配置した少なくとも4つのクランプ治具で連結固定し、この連結固定状態でアンダーボディとサイドメンバーとを溶接するようにしたから、サイドメンバー全体をクランプする大型治具を使用した従来の組付方法に比べて治具の著しい小型化が図られ、初期設備投資の大幅低減と段替動作の迅速化が図られ、かつ、従来は▲1▼治具に対するサイドメンバーのセット、▲2▼治具によるサイドメンバーのクランプ、▲3▼治具の前進によるサイドメンバーのアンダーボディへのセットの3動作が必要であったが、本発明では▲1▼サイドメンバーのアンダーボディへのセット、▲2▼治具によるサイドメンバーのクランプの2動作で済むから、サイドメンバー受渡し回数が1回少なくなってタクトタイムが大幅に向上し、また受渡し回数が1回少なくなることでサイドメンバーが受渡しにより受ける損傷の可能性を少なくすることができる。
第2の発明は前述の如く、アンダーボディにセットされた左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを、所定位置に配置した少なくとも4つのクランプ治具で連結固定し、この連結固定状態でアンダーボディとサイドメンバーとを溶接するようにしたから、サイドメンバー全体をクランプする大型治具を使用した従来の組付方法に比べて治具の著しい小型化が図られ、初期設備投資の大幅低減と段替動作の迅速化が図られ、特にクランプ治具の軽量コンパクト化に合わせて車種切替に伴うクランプ治具の交換をロボット等で行い、かつ、クランプ治具を搭載するスライド台と昇降台の組合わせ構造により、段替用治具をあらかじめ昇降台に搭載しておくことで、スライドガイドの前側に出ている用済み治具をロボット等で取上げた後はスライド台を後退させて昇降台を下降させれば、後はスライド台を前進させるだけで次の車種のクランプ動作に即入れるのでタクトタイムを大幅短縮することができる。
第3の発明は前述の如く、第1工程でアンダーボディに対して第1治具を使用して左右一対のサイドメンバーを溶接し、続く第2工程で第1治具を開放した状態で左右のサイドメンバーに対して第2治具を使用してルーフを溶接するようにしたので、サイドメンバー用の第1治具とルーフ用の第2治具との間で力の干渉が発生せず、これにより各治具を小型軽量化することが可能となり、初期設備投資の低減と段替作業の容易迅速化に貢献することができる。また、第1治具によってサイドメンバーの前後上下方向の位置決めがなされ、第2治具によってサイドメンバーの左右倒れ方向の位置決めがなされるので、フロントとリヤのウィンド開口形状に歪みが発生した場合に、当該歪みと第1治具又は第2治具との因果関係を比較的簡単に解析することができる。
第4の発明は前述の如く、サイドメンバーの上端部間に仮置きされたルーフとサイドメンバーとを梁状治具のクランプ治具で互い連結固定すると共にこれら連結部分を地上側静止系に対して位置決めするようにしたから、サイドメンバーの上位及び下位の溶接縁が全て静止系に対して位置決めされ、かつ、ルーフの四隅4箇所の溶接縁も全て地上側に対して位置決めされ、この位置決め状態においてサイドメンバーとルーフが仮付けされるから、フロントウィンド開口及びリヤウィンド開口の歪みが発生せず、所期のフロントウィンド開口形状及びリヤウィンド開口形状が得られる。また、梁状治具は従来のルーフ用治具に比べて軽量コンパクトに構成でき、初期設備投資の低減と段替作業の容易迅速化を図れ、また梁状治具の段替交換は汎用ロボットなどで充分間に合うから、従来の治具昇降用の大掛かりな駆動手段自体を必要とせず、この点でも初期設備投資の大幅削減が可能となる。また、本発明は梁状治具の左右のクランプ治具を共通の駆動源を使用して開閉させることで左右のクランプ治具の開閉タイミングを完全同期させるようにしたから、ルーフに対して左右のサイドメンバーを同時にクランプして連結固定でき、左右のクランプ時期のズレに伴うルーフないしサイドメンバーの位置決め精度の誤差発生を防止してフロントとリヤのウィンド開口形状の歪み発生を可及的に防止することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1はサイドメンバー仮付けステーション1の概略を示したもので、このサイドメンバー仮付けステーション1は、図5のように車体組立ライン2の中の所定位置に配置される。車体組立ライン2は、サイドメンバー仮付けステーション1の上流側にアンダーボディ組付ラインを具備し、このアンダーボディ組付ラインによって図2のように組付られたアンダーボディ3が、例えば車体後部を先頭にして車体組立ライン2によってサイドメンバー仮付けステーション1に搬送されてくる。また、サイドメンバー仮付けステーション1の下流側には、図5のようにサイドメンバー4下位溶接縁の増し打ち兼用のルーフ仮置きステーション5と、ルーフ仮付けステーション6が順番に配置されている。なお、ルーフ仮付けステーション6の下流側にはルーフ増し打ちステーションが配設される。
サイドメンバー仮付けステーション1には、図1に示すように複数のロボット10−1〜6及びクランプ治具11−1〜4が配設され、車体組立ライン2上で位置決めされたアンダーボディ3の左右両側にサイドメンバー4が仮付けされ、また前部にカウルアウタ12が溶接される。サイドメンバー仮付けステーション1は、詳しくは、車体組立ライン2の左右両側に対称配置されスライド台13を案内する前後一式のスライドガイド14、これらスライドガイド14の後端部に配設された昇降台15、昇降台15上に使用予定の4つの治具11−1〜4を搭載すると共にスライド台13上の用済治具11−1〜4を取上げる治具交換ロボット10−1,10−2、治具交換ロボット10−1,10−2間に配設されサイドメンバー4を搬送する第1搬送ロボット10−3、スライドガイド14相互間の一段低い位置に配設された溶接ロボット10−4、スライドガイド14の前側に配設された別の溶接ロボット10−5、スライドガイド14の後側に配設され車体前後部にカウルアウタ12をセットする第2搬送ロボット10−6などで構成されている。
スライドガイド14は、詳しくは図4のように車体組立ライン2と治具交換ロボット10−1,10−2との間で車体組立ライン2と直角に配設されている。スライドガイド14にはスライド駆動手段にて前後動するスライド台13が配設され、このスライド台13上に治具11−1〜4が着脱自在に配設される。これら治具11−1〜4はアンダーボディ3の左右両側の溶接縁前後部と、サイドメンバー4の下位溶接縁の前後部をクランプし、両者の相対的位置決めと地面を含む静止系に対する位置決めを同時に行うもので、クランプ部分の詳細は省略している。スライド台13上面には治具11−1〜4のクランプ部分の駆動源となるエア系統や制御用電気系統のカプラが配設され(図示省略)、このカプラに対して治具11−1〜4側のカプラが着脱自在に連結されることで治具11−1〜4のクランプ機能が作動可能となる。
スライドガイド14後端部に配設された昇降台15は、図6に示すように上向き垂直シリンダ20のロッド21上端に固定され、ロッド21の伸縮によって昇降するようになっている。昇降台15の上には複数の位置決めピン22が配設され、次に使用する治具11−1〜4を治具交換ロボット10−1,10−2によって昇降台15上に搭載すると、位置決めピン22が治具台座23の中央寄りの孔24に嵌合するようになっている。一方、スライドガイド14はその中央に昇降台15よりも一回り大きな貫通孔25が形成され、この貫通孔25の周囲にロック機能付きの複数の位置決めピン26が配設されている。そして、スライド台13をスライドガイド14の端部まで後退させて昇降台15を下降させると、スライド台13上に治具11−1〜4が移載されると共に位置決めピン26が治具台座23の縁沿いの孔27に嵌合するようになっている。なお、昇降台15を下降させると昇降台15はスライド台13の貫通孔25を上から下に通り抜けてスライド台13の水平移動軌跡よりもやや下側位置まで移動して停止する。
治具交換ロボット10−1,10−2の近傍には、段替用として複数種の治具11−1〜4がストック配置され、これら治具11−1〜4の一つが図7の▲1▼で示すように治具交換ロボット10−1,10−2によって取上げられて昇降台15上に搭載される。昇降台15に搭載された治具11−1〜4は、▲2▼のように昇降台15が下降することによりスライドガイド14端部で待機しているスライド台13上に移載され、同時にエア系統と電気系統がカプラ接続される。治具11−1〜4が移載されたスライド台13は、▲5▼のようにスライド駆動手段にて前進し、サイドメンバー仮付けステーション1まで搬送されてきたアンダーボディ3と、このアンダーボディ3に対して第1搬送ロボット10−3で搬送されてきたサイドメンバー4とを、互いに接する溶接縁の前後部2箇所計4箇所でクランプする。このクランプ状態でアンダーボディ3とサイドメンバー4が溶接ロボット10−4,10−5によって仮付けされた後、治具11−1〜4はクランプを解除してスライド台13と共に図7鎖線位置から実線位置まで少し後退する。そして次のアンダーボディ3とサイドメンバー4の仮付けのために待機する。段替時はこの待機位置で治具交換ロボット10−1,10−2によって▲2▼のように治具11−1〜4が取上げられ、取上げられた治具11−1〜4は治具交換ロボット10−1,10−2の近傍の治具ストックエリアの所定位置に戻される。治具交換ロボット10−1,10−2は昇降台15に治具11−1〜4を搭載した後は用済みとなるため、▲2▼のように同じロボット10−1,10−2を使用して治具11−1〜4を取上げる。このように1つの治具に対して1台の治具交換ロボット10−1(10−2)を使用して段替を行っているが、次の治具11−1〜4は既に昇降台15の上に搭載されて段替に備えているので、用済み治具11−1〜4を▲2▼のように取上げた後はスライド台13を後退させて昇降台15を下降させれば、後はスライド台13を前進させるだけで次の車種のクランプ動作に即入れるので、タクトタイムが非常に短くてすむ。
治具11−1〜4は従来のものに比べて非常にコンパクトであるため、段替用のストック治具11−1〜4を治具交換ロボット10−1,10−2の近傍に常備しておくことができ、段替時は治具交換ロボット10−1,10−2で即座に必要な治具11−1〜4を取上げることができる。この点、従来の大型治具は車体組立ライン2のすぐ横に常備することがスペース的に困難であり、通常は車体組立ライン2から少し離れた位置に待機させ、専用の搬送ラインを使ってサイドメンバー仮付けステーション1まで搬送している。従って、本実施形態のようにコンパクトな治具11−1〜4を使用すれば従来のような治具搬送ラインは必要なくなる。
第1搬送ロボット10−3は図1に示すように図示しないワーク搬送手段によって搬送されてきたサイドメンバー4を受取り、図2のようにサイドメンバー仮付けステーション1に搬送されてきたアンダーボディ3の所定位置にサイドメンバー4をセットする。このサイドメンバー4のセットによって、サイドメンバー4の下位溶接縁とアンダーボディ3の左右両側溶接縁とが当接する。この段階でサイドメンバー4は第1搬送ロボット10−3によってある程度の精度で位置決めされるが、ロボットでは位置決め精度に限界があるため、前述の如く4つの治具11−1〜4を使用したサイドメンバー4の精密位置決めを行う。
従来は、▲1▼治具に対するサイドメンバー4のセット、治具によるサイドメンバー4のクランプ、▲3▼治具の前進によるサイドメンバー4のアンダーボディ3へのセットの3動作が必要であったが、本実施形態では▲1▼サイドメンバー4のアンダーボディ3へのセット、▲2▼治具によるサイドメンバー4のクランプの2動作で済むから、サイドメンバー4受渡し回数が1回少なくなってタクトタイムが大幅に向上し、また受渡し回数が1回少なくなることでサイドメンバー4が受渡しにより損傷される可能性を少なくすることができる。
次に、ルーフ仮置きステーション5について図8を参照して説明する。このステーション5はアンダーボディ3の左右両側に仮付けされたサイドメンバー4の上端部に、ルーフ31を掛渡すように仮置きすると共に、アンダーボディ3とサイドメンバー4間を増し打ちするためのものである。ルーフ仮置きステーション5は、ルーフ31を搬送してサイドメンバー4上にセットする第3搬送ロボット32と、サイドメンバー4下位溶接縁の増し打ち用の片側2台両側4台の溶接ロボット33−1,33−2で構成される。なお、ルーフ31とサイドメンバー4との間には相互の前後方向の位置ずれを防止するために従来通りの凹凸関係による係合構造が設けられている。
なお、本実施形態はルーフ31の他にヘッダーやフレームバックなどのいわゆる横断部材を左右のサイドメンバー4間に取付ける場合にも適用可能である。すなわち、ヘッダーやフレームバックは予めルーフ31下面に取付けられる場合と、サイドメンバー4に対するルーフ31取付け前にサイドメンバー4間のフロント側とリヤ側に取付けられる場合とがあり、後者の場合にも本実施形態を適用可能である。
次に、ルーフ仮付けステーション6を図9〜図12に基づき説明する。このステーション6はルーフ仮置きステーション5でサイドメンバー4間に仮置きされたルーフ31をサイドメンバー4に位置決めして仮付けするもので、車体組立ライン2を跨いで配設された矢倉状フレーム体34、このフレーム体34上に着脱自在に掛渡される前後一対の梁状治具35,36、梁状治具35,36を搬送する第4搬送ロボット37−1,37−2、サイドメンバー4とルーフ31とをスポット溶接する溶接ロボット38−1,38−2などで構成される。
矢倉状フレーム体34は左右一対の門形部34aと、この門形部34aの中央部を車体組立ライン2を跨ぐ形で互いに連結する連結部34bとで構成され、門形部34aの上面所定位置に梁状治具35,36の両端部を着脱自在に載置するための位置決め部が形成されている。連結部34bはフレーム体34の横方向剛性を向上させるためのものであって、門形部34aだけで充分な横方向剛性が確保されれば必ずしも必要ではない。すなわち、ここで「矢倉状」という用語は必ずしも連結部34bを必須要件とするものではないし、門形部34aについても実質的に充分な剛性が確保される限り「矢倉状」の厳密な意味に縛られることなく任意の構造を採用可能である。梁状治具35,36の両端部近傍の下面には、図11(A)のように左右一対のクランプ治具39が配設されている。これらクランプ治具39は図11(B)のようにエアシリンダ51で駆動される開閉爪52によってサイドメンバー4の上位溶接縁の前後部とルーフ31の左右両側溶接縁の前後部とを互いに連結するもので、左右2つのクランプ治具39は開閉のタイミングを同期させるために共通の動力源としてのエア系統と制御用電気系統に接続され、これらエア系統と電気系統は梁状治具35,36の両端部下面の位置決め部に配設されたカプラに連結され、梁状治具35,36を矢倉状フレーム体34に載せると同時に、このカプラが矢倉状フレーム体34側のエア系統と電気系統のカプラに着脱自在に接続されるようになっている。なお、図11(B)で53はエアリザーバ、54はタンデム型電磁弁、55はクランプ開用エア通路、56はクランプ閉用エア通路である。
アンダーボディ3とサイドメンバー4は前工程で溶接されて一体とされ、かつ、アンダーボディ3を載せている台車7は地面を含む静止系に位置決め固定されている。この状態でサイドメンバー4の上端部間に仮置きされたルーフ31とサイドメンバー4とが梁状治具35,36によって互い連結されると、ルーフ31とサイドメンバー4の計4箇所の溶接縁部分が矢倉状フレーム体34を介して静止系に位置決め固定される。従って、サイドメンバー4の片側4箇所両側8箇所の上位及び下位の溶接縁前後部が全て静止系に対して位置決めされ、かつ、ルーフ31の四隅4箇所の溶接縁も全て地面側に対して位置決めされ、この位置決め状態においてサイドメンバー4とルーフ31が仮付けされるから、フロントウィンド開口40及びリヤウィンド開口41の歪みが発生せず、所期のフロントウィンド開口40形状及びリヤウィンド開口41形状が得られる。
ところで、従来のルーフ31仮付け方法では左右のサイドメンバー4をそれぞれ大型治具でクランプした状態でルーフ31を載せるので、左サイドメンバー4の上位溶接縁とルーフ31が同時に当接し、右サイドメンバー4の上位溶接縁とルーフ31が同時に当接することになる。しかし、これではルーフ31に対する左右のサイドメンバー4のクランプタイミングが微妙にずれる可能性があり、このクランプタイミングのずれに起因してフロントウィンド開口40やリヤウィンド開口41に歪みが発生しやすくなる。この点、本実施形態では一つの梁状治具35,36の左右2つのクランプ治具39を共通のエア系統で駆動することでフロントウィンド開口40又はリヤウィンド開口41の上側左右コーナー部近傍を同時にクランプすることができるので、フロントウィンド開口40及びリヤウィンド開口41の歪み発生を可及的に低減することができる。
また、従来のサイドメンバー4及びルーフ31の組付け方法では、左右サイドメンバー4がアンダーボディ3に到達するまでの2回の受渡しでサイドメンバー4が微妙に歪んでしまうおそれがあり、かつ、このような歪に起因してルーフ31に対するクランプ位置が微妙にずれてしまう可能性もある。一方、ルーフ31は大型治具の下面にクランプ支持された状態で下降してサイドメンバー4上縁にセットされるのであるが、このような大型重量体の治具の上下動を寸法的に精密制御するには複雑な機構と高度なメンテナンス技術を要する。そして、最終的には試作においてフロントウィンド開口40やリヤウィンド開口41に対するウィンドシールドの嵌合性がチェックされるのであるが、嵌合不良が発生した場合の修正のための各治具の点検調整では、不具合の原因がアンダーボディ3、サイドメンバー4、又はルーフ31のうちいずれの位置決め不良によるものか、精密機器を使用した解析でもなかなか見極めるのが困難である。
この点、本実施形態はサイドメンバー4の受渡し回数が最低1回で歪みを受ける可能性が少なく、かつ、ルーフ31四隅とサイドメンバー4上位溶接縁前後部を静止系を基準としてクランプするから、フロントとリヤの各ウィンド開口40,41の形状的・寸法的信頼性が非常に高くなる。特に、ルーフ31は上凸形状で弾性的にある程度展張・屈縮可能であるから、サイドメンバー4の上位溶接縁前後部を梁状治具35,36と矢倉状フレーム体34を介して地上側静止系に対して正確に位置決めさえしておけば、プレス後のルーフ31形状に開口40,41の縁部以外で多少の歪みや反りが残存していたとしても、それによって前後ウィンドの開口40,41形状はまったく影響を受けないから、たとえウィンドシールド嵌合不良の不具合が発生した場合でも、その原因究明のための解析作業と修正作業は従来に比べて格段に容易である。
梁状治具35,36に設けられたクランプ治具39は車種毎の専用品であり、段替があると新しいクランプ治具39が必要になる。ここではクランプ治具39を含む梁状治具35,36全体を車種専用品とし、複数種の梁状治具35,36を第4搬送ロボット37−1,37−2の近傍にストックとして待機させている。梁状治具35,36は高さ的に高い矢倉状フレーム体34の上に取付けられるから、梁状治具35,36のストックエリアとこれを搬送するロボット37−1,37−2は、図11(A)のように車体組立ライン2に隣接して矢倉状フレーム体34とほぼ同じ高さの架台42−1,42−2を構築し、この架台42−1,42−2上に配設するのが望ましい。梁状治具35,36のストックエリアと搬送ロボット37−1,37−2は、いずれか一方の架台42−1又は42−2上に配設すればよいが、段替数の増加や段替タクトタイムの短縮化に対応可能とするために、反対側にも架台42−2を構築してこの架台42−2上に図12のようにストックエリアと搬送ロボット37−1,37−2を設けてもよい。段替は基本的には1台の搬送ロボット37−1(37−2)が梁状治具35(36)の取付けと取外しの両方を受持つが、段替タクトタイムを短縮するためには梁状治具35,36の取付けと取外しを例えば反対側架台42−2上の別の搬送ロボットなどで受持つ方が合理的である。
なお、梁状治具35,36はルーフ31の前後部に配設されるから、前後の梁状治具35,36相互間にはサイドメンバー4に正対した状態でルーフ31とサイドメンバー4間の溶接縁にアクセス可能な比較的広いスペースが生まれる。このため、搬送ロボット相互間に溶接ロボットを配設した場合は比較的短いリーチでルーフ31とサイドメンバー4の仮付けが可能であるため、溶接ロボット38−1,38−2の小型化と溶接治具構造の単純化が可能となる。また、ルーフ31・サイドメンバー4間のアクセス性が良好であるため、仮付け溶接ロボットの他に増し打ち溶接ロボットを配設することも可能となり、1つのステーションで行える作業量アップにより車体組立ライン2全体のステーション数を削減して車体組立ライン2の短縮化を図ることが可能となる。
ところで、梁状治具35,36を従来のルーフ用治具と比較した場合、サイドメンバー4用治具と同様に従来のルーフ用治具もルーフ31の大きさより一回り大型であり、初期設備投資が大きく段替時間が長くかかっていた。この点、本実施形態のルーフ用治具は細長くて場所を取らず、搬送ロボット37−1,37−2の近傍に適当なラック設備などを設ければ極めてコンパクトなエリアで多種類の梁状治具35,36をストックしておくことができ、段替時間の短縮、治具搬送設備の省略を図ることができる。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であり、例えば前記実施形態ではサイドメンバー4を第1搬送ロボット10−3でアンダーボディ3にセットしたが、搬送ロボット10−3と実質的に同等機能があれば搬送ロボット10−3以外のトランスファーマシン等を使用してもよいし、また4つの治具11−1〜4は車種などに応じて4以上の個数で使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、サイドメンバーの仮付けステーションの斜視図である。
第2図は、車体のアンダーボディとサイドメンバーの斜視図である。
第3図は、サイドメンバーの仮付けステーションでのサイドメンバーの側面図である。
第4図は、サイドメンバーの仮付けステーションの平面図である。
第5図は、車体組立ラインの概略平面図である。
第6図は、治具搭載用スライド台と昇降台の側面図である。
第7図は、サイドメンバー用治具の移動交換動作を示す側面図である。
第8図は、ルーフ仮置きステーションの斜視図である。
第9図は、ルーフ仮付けステーションの斜視図である。
第10図は、ルーフ仮付けステーションの側面図である。
第11(A)図は、ルーフの仮付けステーションの正面図である。
第11(B)図は、クランプ治具の駆動系の概略図である。
第12図は、ルーフの仮付けステーションの平面図である。
Claims (2)
- 車体組立ラインの所定位置に位置決めされたアンダーボディに対して左右一対のサイドメンバーをその下位溶接縁をアンダーボディの左右溶接縁に合わせた状態で縦置きし、この縦置き状態の左右のサイドメンバーの下位溶接縁の少なくとも前後部計4箇所とアンダーボディとを、所定位置に配置した少なくとも4つのクランプ治具で連結固定し、この連結固定状態でアンダーボディとサイドメンバーとを仮付け溶接する車体組付方法であって、前記アンダーボディが位置決めされる車体組立ラインの所定位置の左右両側に、車体組立ラインに向って前後動可能で前記クランプ治具を着脱自在に搭載可能な前後各2基のスライド台と、各スライド台の後退位置にあって前記クランプ治具を着脱自在に搭載して昇降可能な昇降台とを配設し、前記昇降台を上昇させて当該昇降台上に前記クランプ治具をロボット等で搬送して搭載し、前記昇降台を下降させることにより前記クランプ治具を後退位置にある前記スライド台上に移載し、前記スライド台を前進させて前記クランプ治具で前記アンダーボディとサイドメンバーとを連結固定し、前記昇降台は再度上昇させて当該昇降台上に段替用の別のクランプ治具をあらかじめロボット等で搬送しておき、段替時に前進位置にある前記スライド台上のクランプ治具をロボット等で取上げて空のスライド台を後退させた後、前記昇降台を下降させてスライド台上に次のクランプ治具を移載するようにしたことを特徴とする車体組付方法。
- 車体組立ラインの所定位置に位置決めされたアンダーボディに対して左右一対のサイドメンバーをその下位溶接縁をアンダーボディの左右溶接縁に合わせて溶接した後、左右のサイドメンバーの上位溶接縁間にルーフ、ヘッダー又はフレームバックなどの横断部材をその左右溶接縁をサイドメンバーの上位溶接縁に合わせて仮置きし、この仮置きした横断部材の前後2箇所に、地上側から立設された矢倉状フレームに左右両端を着脱自在に支持され前記横断部材の上方を横断した梁状治具を配置し、この梁状治具に配設した駆動源を共通にする左右一対のクランプ治具でサイドメンバーの上位溶接縁前後部と横断部材の左右溶接縁前後部とを連結固定し、この連結固定状態でサイドメンバーと横断部材の溶接縁相互を仮付け溶接するようにしたことを特徴とする車体組付方法。
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