JP3436986B2 - 記録用紙 - Google Patents
記録用紙Info
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- JP3436986B2 JP3436986B2 JP23605594A JP23605594A JP3436986B2 JP 3436986 B2 JP3436986 B2 JP 3436986B2 JP 23605594 A JP23605594 A JP 23605594A JP 23605594 A JP23605594 A JP 23605594A JP 3436986 B2 JP3436986 B2 JP 3436986B2
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- Duplication Or Marking (AREA)
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾式電子写真方式の複写
機若しくはプリンタ−、水性インクを用いたプリンタ−
やコピ−、溶融方式の熱転写プリンタ−にわたる被記録
部材に関し、更に詳しくは優れた発色性、鮮明性、印字
の均一性に優れた特性を持つ改良された複数のマ−キン
グシステムに対応できる記録用紙に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、電子写真方式の複写機やプリンタ
−、インクジェット方式のプリンタ−や複写機、溶融方
式の熱転写プリンタ−等の複数の記録方式の機種がオフ
ィスを中心に、用途に応じて使用されるようになってき
ており、ユ−ザ−はこれらの各機種に対する記録紙をそ
れぞれ用意して使用している。 【0003】従来、電子写真方式の複写機には、例え
ば、特開昭61−67038号公報に、填料として炭酸
カルシウムを使用した電子写真用転写紙を用いることに
より、低コストで感光体の摩耗を改善し高品質の印字を
可能とすることが開示されている。また、特開昭57−
120487号公報には、填料として炭酸カルシウム等
の白色顔料と、ポリビニルピロリドンまたはポリビニル
ピロリドン−酢酸ビニルコポリマ−を使用してインクジ
ェット用紙のインク吸収性、ドットの広がりをおさえ、
高濃度記録を可能とした用紙が開示されている。さら
に、特開平2−88293号公報には、炭酸カルシウム
粒子と接着剤とを主成分とした画像受容層をシ−ト状基
材上に設け、表面のベック平滑度を1000秒以上とす
ることで熱溶融インク転写画像を均一高濃度、高解像度
で鮮明に記録することを可能とした記録用紙が開示され
ている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のような電子写真
方式、インクジェット方式、溶融熱転写方式の複写機や
プリンタ−におけるそれぞれの画像形成方法は、電子写
真方式では微小トナー粒子を画像信号に応じて用紙上に
付着、熱ロール等で定着させるものであり、インクジェ
ット方式では通常水性インクを画像信号に応じてオリフ
ィスより吐出し用紙上に付着させ、吸収乾燥して画像と
するものであるし、また、溶融熱転写方式ではインクリ
ボン上のインクをサ−マルヘッドにより用紙上に溶融熱
転写し、付着、固化することにより画像を形成するもの
であって、いずれの方式でもトナ−、インクが用紙に転
写され画像が形成されるものであるが、各記録用紙は、
それぞれの方式に向け別個に開発されているため互換性
がなく、ユ−ザ−は個々の方式に対応した用紙を別個に
購入、使用しなければならず不便であり、用紙の統一が
望まれていた。 【0005】本発明者等は前述のような複数の印字方式
で印字品位が良好で、紙粉発生量が少なく、用紙の搬送
性、水性インク吸収性が良好な用紙を開発するべく種々
の検討を重ねた結果、記録用紙の表面平滑性、液体吸収
性を特定の範囲とすることで従来の欠点を改善した複数
のマ−キングシステムに対応できる記録用紙が得られる
ことを見出し本発明を完成するに至った。 【0006】本発明は微小トナー粒子で画像構成される
電子写真方式、水性インクで画像構成されるインクジェ
ット方式、熱溶融インクで画像を構成される溶融熱転写
方式の各方式において、トナ−、熱溶融インクの定着性
が良好で、水性インクの吸収速度が早く、シャ−プな高
解像度の画像を、良好な用紙搬送性でプリント可能で、
しかも画像の濃度均一性に優れ、前記要望を満足する記
録用紙を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は微小トナ−粒子
で画像構成される電子写真方式、水性インクで画像構成
されるインクジェット方式、熱溶融インクで画像を構成
される溶融熱転写方式のいずれかの方式で印字した場合
にも、トナ−、熱溶融インクの定着性が良好で、水性イ
ンクの吸収速度が早く、シャ−プな高解像度の画像を、
良好な用紙搬送性でプリント可能で、しかも画像の濃度
均一性に優れている複数のマ−キングシステムに対応で
きる記録用紙であって、前記用紙が、セルロ−スパルプ
を主成分とする原紙の少なくとも一方の面の王研式平滑
度試験機による平滑度が40秒〜400秒で、かつJI
S P 8140に記載されるコブサイズ度法吸水試験
によるコブサイズ度が15ml/m2 〜50ml/m2
であることを特徴とする、従来の欠点を改善した複数の
マ−キングシステムに対応できる記録用紙である。 【0008】さらに、上記の複数のマ−キングシステム
に対応できる記録用紙において、前記原紙は、セルロ−
スパルプとして再生パルプを50重量%以上含有するも
のであるか、又は化学パルプを90重量%以上含有する
ものであり、かつ、填料として軽質炭酸カルシウムを4
重量%〜10重量%含有する原紙であることを特徴とす
るものであり、また、前記複数のマ−キングシステムに
対応できる記録用紙はJIS K 6911による表面
電気抵抗率が1×109 〜1×1011Ωであることを特
徴とするものである。 【0009】前記複数のマ−キングシステムに対応でき
る記録用紙は、記録紙の表面性として王研式平滑度測定
器により測定された用紙の平滑度が40秒〜400秒で
なければならない。前記記録紙の平滑度が40秒より小
さいと、溶融熱転写記録をした場合、インクの転写量が
用紙表面の凹凸により変化し、結果として濃度が不均一
となったり、細線の途切れなどが発生するため好ましく
ない。また、電子写真記録方式においてもトナ−付着量
の多い部分で、濃度均一性、モトルが低下する。平滑度
が400秒を上回ると、電子写真方式、インクジェット
方式、溶融熱転写方式で印字する場合、シ−ト状で給紙
する場合、給紙不良、複写機、プリンタ−内での搬送性
不良などが発生するため好ましくない。 【0010】また、用紙の液体吸収性は、JIS P
8140に記載されるコブサイズ度法吸水試験により測
定されるものであり、純水を用紙と30秒間接触させた
ときの吸水量として測定した用紙のコブサイズ度は15
ml/m2 〜50ml/m2である。コブサイズ度が1
5ml/m2 を下回るとインクジェット記録した場合イ
ンク吸収性が不足し、連続印字した場合にインクが裏面
に転写するといった問題が生ずる場合があるし、また、
コブサイズ度が50ml/m2 を上回るとインクジェッ
ト記録でドットがにじんだり、必要以上に拡大したりし
て、画質が低下するため問題となる。 【0011】前記記録用紙に使用する原紙は、セルロー
スパルプとして、再生パルプを50重量%以上含有する
ものであるか、又は化学パルプを90重量%以上含有す
るものであり、また、填料として軽質炭酸カルシウムを
4重量%以上10重量%未満含有する原紙であり、そし
て前記複数のマーキングシステムに対応できる記録用紙
は、JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×
109〜×1011Ωであることが複数のマーキングシス
テムに対応できる記録用紙として必要な条件である。 【0012】本発明に使用する原料セルロ−スパルプと
しては、各種のパルプが使用できるが、好適なパルプは
化学パルプ、脱墨古紙パルプが挙げられる。化学パルプ
は針葉樹、広葉樹のリグノセルロ−ス成分をアルカリ性
蒸解液によって蒸解して得られたパルプであり、未晒又
は晒パルプの状態で、適宜叩解して使用される。また、
脱墨古紙パルプとしては上質古紙や新聞古紙を離解、脱
墨して得られるものが使用される。原紙は、そのセルロ
−スパルプの内再生パルプであれば50重量%を下回る
配合量の場合、また化学パルプの場合には90重量%よ
り少ない配合量の場合には、何れの場合も、溶融熱転写
方式における濃度均一性や細線の連続性、電子写真記録
方式の濃度均一性の低下などといった印字適性が影響さ
れやすい。これは再生パルプはバ―ジンパルプに比べて
パルプ繊維長が短く、均一な紙表面が得られるためと考
えられる。 【0013】なお機械パルプの場合、その化学的本質は
原料の木材とほとんど同じでそのバ―ジンパルプはヘミ
セルロ―スやリグニンなどのセルロ―ス以外のものが多
量に含まれており、その繊維は長繊維や短繊維に比べフ
ァイン分(150メッシュスクリーンパス)が多いので
透気性、吸油性に優れ、このためインクジェット方式で
のインク吸収性に優れるが、パルプ自体の繊維のばらつ
きが大きいため再生パルプに比べ紙表面が不均一となり
平滑性が劣る。特にインクジェット方式で印字した場
合、機械パルプ繊維に沿ってインクが流れたり、ドット
のにじみによりドット径がばらついて画質に影響しやす
い。 【0014】また、化学パルプは機械パルプに比べてパ
ルプ自体の繊維のばらつきが小さいため、紙表面が均一
となることは既知の事実であり、再生パルプ、又は化学
パルプの使用は用紙の表面の均一性、クッション性を向
上し結果として熱転写記録方式、電子写真記録方式の溶
融インク、トナ−転写性の均一性に寄与すると考えられ
る。 【0015】原紙に添加する填料は軽質炭酸カルシウム
である。天然に産出する重質炭酸カルシウムは粉砕機に
より粉砕されるため形状が不定形となり、粒度分布も広
くなり、均質で平滑な表面を得ることは難しい。前記軽
質炭酸カルシウムを填料に使用することで、原紙の白色
度を高め、平滑な表面を得ることが可能であり、複数の
マ−キングに対して高画質な印字を可能とする。軽質炭
酸カルシウムの粒径は0.1〜10μm程度で、その形
状は紡錐型、立方型、針状型、柱状型、イガグリ状型、
球形、平板状などがあり、また結晶系はカルサイト型、
アラゴナイト型等の結晶系を有する軽質炭酸カルシウム
が好ましい。 【0016】軽質炭酸カルシウムの原紙中に含有される
配合量が4重量%を下回ると、インクジェット記録でイ
ンク吸収性が不足し、印字後インク乾燥時間が長くな
り、連続印字で、印字部が乱れるなどの障害となる。ま
た、填料の配合量が10重量%を越えて含有されると、
特に電子写真方式で連続印字/複写を行なった場合、用
紙の紙粉中に含まれる填料により、感光体、クリ−ニン
グブレ−ド、ゴムロ−ル、定着ロ−ル等への付着量が増
加し、摩耗、変質等の原因となり好ましくない。 【0017】また、原紙に内添されるサイズ剤としては
アルケニルコハク酸ソ−ダ、アルキルケテンダイマ−、
ロジン系サイズ剤などがあり、さらに紙力増強剤として
カチオン化澱粉、ポリアクリルアミドなどが使用され
る。原紙表面は表面サイズ処理されることが望ましく、
表面サイズには酸化澱粉、ポリビニルアルコ−ル、変性
澱粉、セルロ−ス系重合体などのバインダ−、アクリル
系、スチレン系などの表面サイズ剤のほか、電子写真方
式でのバックグラウンドの汚れ防止、給紙不良を防止す
るため、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ポリスチレン
スルホン酸塩、アクリル系四級アンモニウム塩等の導電
剤を添加することが好ましい。 【0018】またサイズ処理後の原紙の表面電気抵抗率
が1×109 より下回ると、電子写真記録方式で、例え
ば80%RHなどという湿度の高い条件下で記録する場
合にトナーの転写効率が低下し、結果として印字濃度が
低下する。逆に表面電気抵抗率が1×1011Ωを上回る
と例えば20%RHなどという湿度の低い条件下で記録
する場合には、画像周辺にトナーが飛散したり白紙部の
トナーによる汚れが生ずる。また、給紙時に用紙と給紙
ロール間または用紙間で静電気が発生し易くなったり、
コピ−後に用紙の静電気が除電されにくくなり排紙時に
用紙間付着するなどのトラブルが発生する。以下、実施
例によって本発明をさらに詳細に説明する。実施例で部
は固形分重量部を意味する。しかし、本発明はこれらの
例に限定されるものではない。 【0019】 【実施例】 実施例1 国内広葉樹チップを原料としてクラフト蒸解を行って未
晒パルプを製造し、塩素−苛性ソーダ−ハイポ−二酸化
塩素からなる多段漂白設備で漂白パルプ(LBKP)を
製造した。前記LBKP100重量部をフリーネス40
0ml(C.S.F)まで叩解し、アルケニル無水コハ
ク酸(王子ナショナル製、ファイブラン81)0.5重
量部、カチオン化澱粉(王子ナショナル製、CATO−
F)0.2重量部、変性ポリアクリルアマイド(荒川化
学工業製、ポリストロン)0.2重量部、填料として軽
質炭酸カルシウム6重量%を添加して抄紙原料として多
筒式長網抄紙機により、酸化澱粉(王子コーンスターチ
製、エースA)99重量部と合成サイズ剤系表面サイズ
剤(三洋化成工業製、サンサイザー)0.5重量部、ア
クリル系導電剤0.5(ダイセル化学工業社製、セビア
ン)からなる表面サイズ液で表面サイズし、マシンカレ
ンダー処理して坪量64g/m2 の用紙を製造した。こ
の用紙のコブサイズ度は30ml/m2 で、平滑度はフ
ェルト面で55秒、ワイヤー面が45秒、表面電気抵抗
率は8×109 Ωであった。 【0020】実施例2 用紙をスーパーカレンダー処理して平滑度を400秒と
した以外は実施例1と同一の処理を行った。この用紙の
コブサイズ度は30ml/m2 で、表面電気抵抗率は8
×109 Ωであった。 実施例3 表面サイズ液を酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エー
スA)98重量部と合成サイズ剤系表面サイズ剤(三洋
化成工業製、サンサイザー)2重量部、アクリル系導電
剤0.5(ダイセル化学工業社製、セビアン)からなる
表面サイズとしたほかは実施例1と同一の処理を行っ
た。この用紙のコブサイズ度は15ml/m2 で、平滑
度はフェルト面で55秒、ワイヤー面が45秒、表面電
気抵抗率は8×109 Ωであった。 【0021】実施例4 抄紙原料としてセルロースパルプが50重量%の再生パ
ルプ100重量部を用いた以外は実施例1と同一の処理
を行った。この用紙のコブサイズ度は50ml/m
2で、平滑度はフェルト面で45秒、ワイヤー面で35
秒、表面電気抵抗率は8×109Ωであった。参考例1 添加する軽質炭酸カルシウムを10重量%とした以外は
実施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ
度は50ml/m2で、平滑度はフェルト面で55秒、
ワイヤー面で45秒、表面電気抵抗率は8×109Ωで
あった。 【0022】実施例5 表面サイズ液のアクリル系導電剤を0.3重量部(ダイ
セル化学工業社製、セビアン)とした以外は実施例1と
同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は30m
l/m2で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面
で45秒、表面電気低効率は9×1010Ωであった。 実施例6 表面サイズ液のアクリル系導電剤を1重量部(ダイセル
化学工業社製、セビアン)とし、添加する軽質炭酸カル
シウムを4重量部とした以外は実施例1と同一の処理を
行った。この用紙のコブサイズ度は20ml/m2で、
平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面で45秒、表
面電気低効率は9×1010Ωであった。 【0023】比較例1 用紙の平滑度を30秒とした以外は実施例1と同一の処
理を行った。この用紙のコブサイズ度は30ml/m2
で、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 比較例2 用紙をスーパーカレンダー処理して平滑度を500秒と
した以外は実施例1と同一の処理を行った。この用紙の
コブサイズ度は30ml/m2 で、表面電気抵抗率は8
×109 Ωであった。 【0024】比較例3 表面サイズ液を酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エー
スA)97重量部と合成サイズ剤系表面サイズ剤(三洋
化成工業製、サンサイザー)3重量部、アクリル系導電
剤0.5(ダイセル化学工業社製、セビアン)とした以
外は実施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサ
イズ度は8ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55
秒、ワイヤー面が45秒、表面電気抵抗率は8×109
Ωであった。 【0025】比較例4 表面サイズ液を酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エー
スA)99.8重量部と合成サイズ剤系表面サイズ剤
(三洋化成工業製、サンサイザー)0.2重量部、アク
リル系導電剤0.5重量部(ダイセル化学工業社製、セ
ビアン)からなる表面サイズとした以外は実施例1と同
一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は70ml
/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面が
45秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 【0026】比較例5 抄紙原料をLBKP80重量%と木材をすり潰して得ら
れるグランドパルプ(GP)20重量%の配合からなる
パルプ100重量部とした以外は実施例1と同一の処理
を行った。この用紙のコブサイズ度は40ml/m
2 で、平滑度はフェルト面で40秒、ワイヤー面が30
秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 【0027】比較例6 抄紙原料としてセルロースパルプが40重量%の再生パ
ルプ100重量部を用いた以外は実施例1と同一の処理
を行った。この用紙のコブサイズ度は70ml/m
2 で、平滑度はフェルト面で45秒、ワイヤー面が35
秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 比較例7 填料として軽質炭酸カルシウム3重量%とした以外は実
施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度
は12ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワ
イヤー面が45秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであ
った。 【0028】比較例8 填料として軽質炭酸カルシウム12重量%とした以外は
実施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ
度は60ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、
ワイヤー面が45秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωで
あった。 比較例9 アクリル系導電剤を無添加とした以外は実施例1と同一
の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は30ml/
m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面が4
5秒、表面電気抵抗率は5×1012Ωであった。 【0029】比較例10 アクリル系導電剤の添加料を3重量%とした以外は実施
例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は
30ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイ
ヤー面が45秒、表面電気抵抗率は2×107 Ωであっ
た。 実施例1〜7および比較例1〜10にあげた用紙につい
て(1)富士ゼロックス社製Vivace670複写機
で電子写真学会テストチャートを複写しモトルを中心と
した画質、用紙500枚を複写し給紙/排紙性の評価、
用紙1000枚を複写したときの感光体への付着紙粉量
を観察した。(2)キヤノン社製インクジェットプリン
ターBJ−10Vで文字印字しフェザーリングの状態を
観察、またインク吸収時間を測定した。(3)富士ゼロ
ックス社製7026テレコピアで溶融熱転写記録印字し
ベタ部の白抜けを中心に画質を観察した。 【0030】複写機、インクジェットプリンター、熱転
写テレコピアの画質は良好なものを○、標準的なものを
△、不十分なものを×とした。また、複写機の走行性は
給/排紙不良枚数が5枚以下を○、6〜10枚を△、1
1枚以上を×とした。また、紙粉量が少ないものを○、
標準的なものを△、多いものを×とした。インクジェッ
トプリンターでのインク吸収性は9秒以下を○、10〜
19秒を△、20秒以上を×とした。 【0031】(4)表面電気抵抗値は(株)川口電機製
作所製の常温測定箱(RC−02)及び超絶縁計(R−
503)を使用し、印加電圧を100Vに設定し、JI
S8111の方法により試験片を前処理し、各々前処理
と同じ条件でJIS6911の表面抵抗率に準じた方法
により測定した。(5)コブサイズ度はJISP814
0に記載されるコブサイズ度法吸水試験に準拠して測定
したが、浸漬時間は30秒で行なった。これらの各記録
用紙の評価結果を表−1に示す。 【0032】 【表1】【0033】表1から明らかなように、本発明の記録用
紙は電子写真方式、インクジェット方式、溶融熱転写方
式のいずれで印字した場合でも印字品位が良好で、かつ
用紙の搬送性、紙粉発生量が少なく複写機の耐久性を維
持し、インク吸収性が良好であった。 【0034】 【発明の効果】本発明の記録用紙は印字品位が良好で、
かつ紙粉による複写機への影響がほとんど無く、用紙の
搬送性、インク吸収性が良好であり従来の記録紙では不
可能であった複数のマ−キングシステムに対応できる記
録用紙を提供することができた。
機若しくはプリンタ−、水性インクを用いたプリンタ−
やコピ−、溶融方式の熱転写プリンタ−にわたる被記録
部材に関し、更に詳しくは優れた発色性、鮮明性、印字
の均一性に優れた特性を持つ改良された複数のマ−キン
グシステムに対応できる記録用紙に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、電子写真方式の複写機やプリンタ
−、インクジェット方式のプリンタ−や複写機、溶融方
式の熱転写プリンタ−等の複数の記録方式の機種がオフ
ィスを中心に、用途に応じて使用されるようになってき
ており、ユ−ザ−はこれらの各機種に対する記録紙をそ
れぞれ用意して使用している。 【0003】従来、電子写真方式の複写機には、例え
ば、特開昭61−67038号公報に、填料として炭酸
カルシウムを使用した電子写真用転写紙を用いることに
より、低コストで感光体の摩耗を改善し高品質の印字を
可能とすることが開示されている。また、特開昭57−
120487号公報には、填料として炭酸カルシウム等
の白色顔料と、ポリビニルピロリドンまたはポリビニル
ピロリドン−酢酸ビニルコポリマ−を使用してインクジ
ェット用紙のインク吸収性、ドットの広がりをおさえ、
高濃度記録を可能とした用紙が開示されている。さら
に、特開平2−88293号公報には、炭酸カルシウム
粒子と接着剤とを主成分とした画像受容層をシ−ト状基
材上に設け、表面のベック平滑度を1000秒以上とす
ることで熱溶融インク転写画像を均一高濃度、高解像度
で鮮明に記録することを可能とした記録用紙が開示され
ている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のような電子写真
方式、インクジェット方式、溶融熱転写方式の複写機や
プリンタ−におけるそれぞれの画像形成方法は、電子写
真方式では微小トナー粒子を画像信号に応じて用紙上に
付着、熱ロール等で定着させるものであり、インクジェ
ット方式では通常水性インクを画像信号に応じてオリフ
ィスより吐出し用紙上に付着させ、吸収乾燥して画像と
するものであるし、また、溶融熱転写方式ではインクリ
ボン上のインクをサ−マルヘッドにより用紙上に溶融熱
転写し、付着、固化することにより画像を形成するもの
であって、いずれの方式でもトナ−、インクが用紙に転
写され画像が形成されるものであるが、各記録用紙は、
それぞれの方式に向け別個に開発されているため互換性
がなく、ユ−ザ−は個々の方式に対応した用紙を別個に
購入、使用しなければならず不便であり、用紙の統一が
望まれていた。 【0005】本発明者等は前述のような複数の印字方式
で印字品位が良好で、紙粉発生量が少なく、用紙の搬送
性、水性インク吸収性が良好な用紙を開発するべく種々
の検討を重ねた結果、記録用紙の表面平滑性、液体吸収
性を特定の範囲とすることで従来の欠点を改善した複数
のマ−キングシステムに対応できる記録用紙が得られる
ことを見出し本発明を完成するに至った。 【0006】本発明は微小トナー粒子で画像構成される
電子写真方式、水性インクで画像構成されるインクジェ
ット方式、熱溶融インクで画像を構成される溶融熱転写
方式の各方式において、トナ−、熱溶融インクの定着性
が良好で、水性インクの吸収速度が早く、シャ−プな高
解像度の画像を、良好な用紙搬送性でプリント可能で、
しかも画像の濃度均一性に優れ、前記要望を満足する記
録用紙を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は微小トナ−粒子
で画像構成される電子写真方式、水性インクで画像構成
されるインクジェット方式、熱溶融インクで画像を構成
される溶融熱転写方式のいずれかの方式で印字した場合
にも、トナ−、熱溶融インクの定着性が良好で、水性イ
ンクの吸収速度が早く、シャ−プな高解像度の画像を、
良好な用紙搬送性でプリント可能で、しかも画像の濃度
均一性に優れている複数のマ−キングシステムに対応で
きる記録用紙であって、前記用紙が、セルロ−スパルプ
を主成分とする原紙の少なくとも一方の面の王研式平滑
度試験機による平滑度が40秒〜400秒で、かつJI
S P 8140に記載されるコブサイズ度法吸水試験
によるコブサイズ度が15ml/m2 〜50ml/m2
であることを特徴とする、従来の欠点を改善した複数の
マ−キングシステムに対応できる記録用紙である。 【0008】さらに、上記の複数のマ−キングシステム
に対応できる記録用紙において、前記原紙は、セルロ−
スパルプとして再生パルプを50重量%以上含有するも
のであるか、又は化学パルプを90重量%以上含有する
ものであり、かつ、填料として軽質炭酸カルシウムを4
重量%〜10重量%含有する原紙であることを特徴とす
るものであり、また、前記複数のマ−キングシステムに
対応できる記録用紙はJIS K 6911による表面
電気抵抗率が1×109 〜1×1011Ωであることを特
徴とするものである。 【0009】前記複数のマ−キングシステムに対応でき
る記録用紙は、記録紙の表面性として王研式平滑度測定
器により測定された用紙の平滑度が40秒〜400秒で
なければならない。前記記録紙の平滑度が40秒より小
さいと、溶融熱転写記録をした場合、インクの転写量が
用紙表面の凹凸により変化し、結果として濃度が不均一
となったり、細線の途切れなどが発生するため好ましく
ない。また、電子写真記録方式においてもトナ−付着量
の多い部分で、濃度均一性、モトルが低下する。平滑度
が400秒を上回ると、電子写真方式、インクジェット
方式、溶融熱転写方式で印字する場合、シ−ト状で給紙
する場合、給紙不良、複写機、プリンタ−内での搬送性
不良などが発生するため好ましくない。 【0010】また、用紙の液体吸収性は、JIS P
8140に記載されるコブサイズ度法吸水試験により測
定されるものであり、純水を用紙と30秒間接触させた
ときの吸水量として測定した用紙のコブサイズ度は15
ml/m2 〜50ml/m2である。コブサイズ度が1
5ml/m2 を下回るとインクジェット記録した場合イ
ンク吸収性が不足し、連続印字した場合にインクが裏面
に転写するといった問題が生ずる場合があるし、また、
コブサイズ度が50ml/m2 を上回るとインクジェッ
ト記録でドットがにじんだり、必要以上に拡大したりし
て、画質が低下するため問題となる。 【0011】前記記録用紙に使用する原紙は、セルロー
スパルプとして、再生パルプを50重量%以上含有する
ものであるか、又は化学パルプを90重量%以上含有す
るものであり、また、填料として軽質炭酸カルシウムを
4重量%以上10重量%未満含有する原紙であり、そし
て前記複数のマーキングシステムに対応できる記録用紙
は、JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×
109〜×1011Ωであることが複数のマーキングシス
テムに対応できる記録用紙として必要な条件である。 【0012】本発明に使用する原料セルロ−スパルプと
しては、各種のパルプが使用できるが、好適なパルプは
化学パルプ、脱墨古紙パルプが挙げられる。化学パルプ
は針葉樹、広葉樹のリグノセルロ−ス成分をアルカリ性
蒸解液によって蒸解して得られたパルプであり、未晒又
は晒パルプの状態で、適宜叩解して使用される。また、
脱墨古紙パルプとしては上質古紙や新聞古紙を離解、脱
墨して得られるものが使用される。原紙は、そのセルロ
−スパルプの内再生パルプであれば50重量%を下回る
配合量の場合、また化学パルプの場合には90重量%よ
り少ない配合量の場合には、何れの場合も、溶融熱転写
方式における濃度均一性や細線の連続性、電子写真記録
方式の濃度均一性の低下などといった印字適性が影響さ
れやすい。これは再生パルプはバ―ジンパルプに比べて
パルプ繊維長が短く、均一な紙表面が得られるためと考
えられる。 【0013】なお機械パルプの場合、その化学的本質は
原料の木材とほとんど同じでそのバ―ジンパルプはヘミ
セルロ―スやリグニンなどのセルロ―ス以外のものが多
量に含まれており、その繊維は長繊維や短繊維に比べフ
ァイン分(150メッシュスクリーンパス)が多いので
透気性、吸油性に優れ、このためインクジェット方式で
のインク吸収性に優れるが、パルプ自体の繊維のばらつ
きが大きいため再生パルプに比べ紙表面が不均一となり
平滑性が劣る。特にインクジェット方式で印字した場
合、機械パルプ繊維に沿ってインクが流れたり、ドット
のにじみによりドット径がばらついて画質に影響しやす
い。 【0014】また、化学パルプは機械パルプに比べてパ
ルプ自体の繊維のばらつきが小さいため、紙表面が均一
となることは既知の事実であり、再生パルプ、又は化学
パルプの使用は用紙の表面の均一性、クッション性を向
上し結果として熱転写記録方式、電子写真記録方式の溶
融インク、トナ−転写性の均一性に寄与すると考えられ
る。 【0015】原紙に添加する填料は軽質炭酸カルシウム
である。天然に産出する重質炭酸カルシウムは粉砕機に
より粉砕されるため形状が不定形となり、粒度分布も広
くなり、均質で平滑な表面を得ることは難しい。前記軽
質炭酸カルシウムを填料に使用することで、原紙の白色
度を高め、平滑な表面を得ることが可能であり、複数の
マ−キングに対して高画質な印字を可能とする。軽質炭
酸カルシウムの粒径は0.1〜10μm程度で、その形
状は紡錐型、立方型、針状型、柱状型、イガグリ状型、
球形、平板状などがあり、また結晶系はカルサイト型、
アラゴナイト型等の結晶系を有する軽質炭酸カルシウム
が好ましい。 【0016】軽質炭酸カルシウムの原紙中に含有される
配合量が4重量%を下回ると、インクジェット記録でイ
ンク吸収性が不足し、印字後インク乾燥時間が長くな
り、連続印字で、印字部が乱れるなどの障害となる。ま
た、填料の配合量が10重量%を越えて含有されると、
特に電子写真方式で連続印字/複写を行なった場合、用
紙の紙粉中に含まれる填料により、感光体、クリ−ニン
グブレ−ド、ゴムロ−ル、定着ロ−ル等への付着量が増
加し、摩耗、変質等の原因となり好ましくない。 【0017】また、原紙に内添されるサイズ剤としては
アルケニルコハク酸ソ−ダ、アルキルケテンダイマ−、
ロジン系サイズ剤などがあり、さらに紙力増強剤として
カチオン化澱粉、ポリアクリルアミドなどが使用され
る。原紙表面は表面サイズ処理されることが望ましく、
表面サイズには酸化澱粉、ポリビニルアルコ−ル、変性
澱粉、セルロ−ス系重合体などのバインダ−、アクリル
系、スチレン系などの表面サイズ剤のほか、電子写真方
式でのバックグラウンドの汚れ防止、給紙不良を防止す
るため、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ポリスチレン
スルホン酸塩、アクリル系四級アンモニウム塩等の導電
剤を添加することが好ましい。 【0018】またサイズ処理後の原紙の表面電気抵抗率
が1×109 より下回ると、電子写真記録方式で、例え
ば80%RHなどという湿度の高い条件下で記録する場
合にトナーの転写効率が低下し、結果として印字濃度が
低下する。逆に表面電気抵抗率が1×1011Ωを上回る
と例えば20%RHなどという湿度の低い条件下で記録
する場合には、画像周辺にトナーが飛散したり白紙部の
トナーによる汚れが生ずる。また、給紙時に用紙と給紙
ロール間または用紙間で静電気が発生し易くなったり、
コピ−後に用紙の静電気が除電されにくくなり排紙時に
用紙間付着するなどのトラブルが発生する。以下、実施
例によって本発明をさらに詳細に説明する。実施例で部
は固形分重量部を意味する。しかし、本発明はこれらの
例に限定されるものではない。 【0019】 【実施例】 実施例1 国内広葉樹チップを原料としてクラフト蒸解を行って未
晒パルプを製造し、塩素−苛性ソーダ−ハイポ−二酸化
塩素からなる多段漂白設備で漂白パルプ(LBKP)を
製造した。前記LBKP100重量部をフリーネス40
0ml(C.S.F)まで叩解し、アルケニル無水コハ
ク酸(王子ナショナル製、ファイブラン81)0.5重
量部、カチオン化澱粉(王子ナショナル製、CATO−
F)0.2重量部、変性ポリアクリルアマイド(荒川化
学工業製、ポリストロン)0.2重量部、填料として軽
質炭酸カルシウム6重量%を添加して抄紙原料として多
筒式長網抄紙機により、酸化澱粉(王子コーンスターチ
製、エースA)99重量部と合成サイズ剤系表面サイズ
剤(三洋化成工業製、サンサイザー)0.5重量部、ア
クリル系導電剤0.5(ダイセル化学工業社製、セビア
ン)からなる表面サイズ液で表面サイズし、マシンカレ
ンダー処理して坪量64g/m2 の用紙を製造した。こ
の用紙のコブサイズ度は30ml/m2 で、平滑度はフ
ェルト面で55秒、ワイヤー面が45秒、表面電気抵抗
率は8×109 Ωであった。 【0020】実施例2 用紙をスーパーカレンダー処理して平滑度を400秒と
した以外は実施例1と同一の処理を行った。この用紙の
コブサイズ度は30ml/m2 で、表面電気抵抗率は8
×109 Ωであった。 実施例3 表面サイズ液を酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エー
スA)98重量部と合成サイズ剤系表面サイズ剤(三洋
化成工業製、サンサイザー)2重量部、アクリル系導電
剤0.5(ダイセル化学工業社製、セビアン)からなる
表面サイズとしたほかは実施例1と同一の処理を行っ
た。この用紙のコブサイズ度は15ml/m2 で、平滑
度はフェルト面で55秒、ワイヤー面が45秒、表面電
気抵抗率は8×109 Ωであった。 【0021】実施例4 抄紙原料としてセルロースパルプが50重量%の再生パ
ルプ100重量部を用いた以外は実施例1と同一の処理
を行った。この用紙のコブサイズ度は50ml/m
2で、平滑度はフェルト面で45秒、ワイヤー面で35
秒、表面電気抵抗率は8×109Ωであった。参考例1 添加する軽質炭酸カルシウムを10重量%とした以外は
実施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ
度は50ml/m2で、平滑度はフェルト面で55秒、
ワイヤー面で45秒、表面電気抵抗率は8×109Ωで
あった。 【0022】実施例5 表面サイズ液のアクリル系導電剤を0.3重量部(ダイ
セル化学工業社製、セビアン)とした以外は実施例1と
同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は30m
l/m2で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面
で45秒、表面電気低効率は9×1010Ωであった。 実施例6 表面サイズ液のアクリル系導電剤を1重量部(ダイセル
化学工業社製、セビアン)とし、添加する軽質炭酸カル
シウムを4重量部とした以外は実施例1と同一の処理を
行った。この用紙のコブサイズ度は20ml/m2で、
平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面で45秒、表
面電気低効率は9×1010Ωであった。 【0023】比較例1 用紙の平滑度を30秒とした以外は実施例1と同一の処
理を行った。この用紙のコブサイズ度は30ml/m2
で、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 比較例2 用紙をスーパーカレンダー処理して平滑度を500秒と
した以外は実施例1と同一の処理を行った。この用紙の
コブサイズ度は30ml/m2 で、表面電気抵抗率は8
×109 Ωであった。 【0024】比較例3 表面サイズ液を酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エー
スA)97重量部と合成サイズ剤系表面サイズ剤(三洋
化成工業製、サンサイザー)3重量部、アクリル系導電
剤0.5(ダイセル化学工業社製、セビアン)とした以
外は実施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサ
イズ度は8ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55
秒、ワイヤー面が45秒、表面電気抵抗率は8×109
Ωであった。 【0025】比較例4 表面サイズ液を酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エー
スA)99.8重量部と合成サイズ剤系表面サイズ剤
(三洋化成工業製、サンサイザー)0.2重量部、アク
リル系導電剤0.5重量部(ダイセル化学工業社製、セ
ビアン)からなる表面サイズとした以外は実施例1と同
一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は70ml
/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面が
45秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 【0026】比較例5 抄紙原料をLBKP80重量%と木材をすり潰して得ら
れるグランドパルプ(GP)20重量%の配合からなる
パルプ100重量部とした以外は実施例1と同一の処理
を行った。この用紙のコブサイズ度は40ml/m
2 で、平滑度はフェルト面で40秒、ワイヤー面が30
秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 【0027】比較例6 抄紙原料としてセルロースパルプが40重量%の再生パ
ルプ100重量部を用いた以外は実施例1と同一の処理
を行った。この用紙のコブサイズ度は70ml/m
2 で、平滑度はフェルト面で45秒、ワイヤー面が35
秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであった。 比較例7 填料として軽質炭酸カルシウム3重量%とした以外は実
施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度
は12ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワ
イヤー面が45秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωであ
った。 【0028】比較例8 填料として軽質炭酸カルシウム12重量%とした以外は
実施例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ
度は60ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、
ワイヤー面が45秒、表面電気抵抗率は8×109 Ωで
あった。 比較例9 アクリル系導電剤を無添加とした以外は実施例1と同一
の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は30ml/
m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイヤー面が4
5秒、表面電気抵抗率は5×1012Ωであった。 【0029】比較例10 アクリル系導電剤の添加料を3重量%とした以外は実施
例1と同一の処理を行った。この用紙のコブサイズ度は
30ml/m2 で、平滑度はフェルト面で55秒、ワイ
ヤー面が45秒、表面電気抵抗率は2×107 Ωであっ
た。 実施例1〜7および比較例1〜10にあげた用紙につい
て(1)富士ゼロックス社製Vivace670複写機
で電子写真学会テストチャートを複写しモトルを中心と
した画質、用紙500枚を複写し給紙/排紙性の評価、
用紙1000枚を複写したときの感光体への付着紙粉量
を観察した。(2)キヤノン社製インクジェットプリン
ターBJ−10Vで文字印字しフェザーリングの状態を
観察、またインク吸収時間を測定した。(3)富士ゼロ
ックス社製7026テレコピアで溶融熱転写記録印字し
ベタ部の白抜けを中心に画質を観察した。 【0030】複写機、インクジェットプリンター、熱転
写テレコピアの画質は良好なものを○、標準的なものを
△、不十分なものを×とした。また、複写機の走行性は
給/排紙不良枚数が5枚以下を○、6〜10枚を△、1
1枚以上を×とした。また、紙粉量が少ないものを○、
標準的なものを△、多いものを×とした。インクジェッ
トプリンターでのインク吸収性は9秒以下を○、10〜
19秒を△、20秒以上を×とした。 【0031】(4)表面電気抵抗値は(株)川口電機製
作所製の常温測定箱(RC−02)及び超絶縁計(R−
503)を使用し、印加電圧を100Vに設定し、JI
S8111の方法により試験片を前処理し、各々前処理
と同じ条件でJIS6911の表面抵抗率に準じた方法
により測定した。(5)コブサイズ度はJISP814
0に記載されるコブサイズ度法吸水試験に準拠して測定
したが、浸漬時間は30秒で行なった。これらの各記録
用紙の評価結果を表−1に示す。 【0032】 【表1】【0033】表1から明らかなように、本発明の記録用
紙は電子写真方式、インクジェット方式、溶融熱転写方
式のいずれで印字した場合でも印字品位が良好で、かつ
用紙の搬送性、紙粉発生量が少なく複写機の耐久性を維
持し、インク吸収性が良好であった。 【0034】 【発明の効果】本発明の記録用紙は印字品位が良好で、
かつ紙粉による複写機への影響がほとんど無く、用紙の
搬送性、インク吸収性が良好であり従来の記録紙では不
可能であった複数のマ−キングシステムに対応できる記
録用紙を提供することができた。
フロントページの続き
(72)発明者 加藤 勝
東京都江東区東雲1丁目10番6号 新王
子製紙株式会社 東京商品研究所内
(72)発明者 大橋 耐二
東京都千代田区神田小川町2−12進興ビ
ル 富士ゼロックス オフィス サプラ
イ株式会社内
(72)発明者 石田 博巳
東京都千代田区神田小川町2−12進興ビ
ル 富士ゼロックス オフィス サプラ
イ株式会社内
(72)発明者 時田 浩
東京都千代田区神田小川町2−12進興ビ
ル 富士ゼロックス オフィス サプラ
イ株式会社内
(56)参考文献 特開 昭63−21997(JP,A)
特開 平4−73298(JP,A)
特開 昭61−16885(JP,A)
特開 昭53−75940(JP,A)
特開 昭61−225396(JP,A)
特開 昭62−85980(JP,A)
特開 平2−50890(JP,A)
特開 昭62−204988(JP,A)
特開 昭62−15391(JP,A)
特開 平3−33298(JP,A)
特開 平1−120383(JP,A)
特開 平1−280579(JP,A)
特開 昭59−109061(JP,A)
特開 平6−27711(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41M 5/00
B41M 5/40
G03G 7/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 再生パルプを50重量%以上含有する
か、又は化学パルプを90重量%以上含有するセルロー
スパルプを主成分とし、填料としての軽質炭酸カルシウ
ムを4重量%以上10重量%未満含有し、かつ導電剤が
添加されている原紙よりなり、少なくとも一方の面の王
研式平滑度試験機による平滑度が40秒〜400秒で、
JIS K 6911による表面電気抵抗率が1×10
9 〜1×10 11 Ωであり、JIS P 8140に記載
されるコブサイズ度法吸水試験によるコブサイズ度が1
5ml/m2〜50ml/m2であることを特徴とする、
乾式電子写真方式、インクジェット方式及び溶融熱転写
方式からなる複数のマーキングシステムに対応できる記
録用紙。
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---|---|---|---|
JP23605594A JP3436986B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 記録用紙 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23605594A JP3436986B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 記録用紙 |
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---|---|
JPH0872394A JPH0872394A (ja) | 1996-03-19 |
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ID=16995077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23605594A Ceased JP3436986B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 記録用紙 |
Country Status (1)
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JP2006071948A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 画像記録材料用支持体及び画像記録材料 |
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---|---|---|---|
RVOP | Cancellation by post-grant opposition |