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JP3496509B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法

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JP3496509B2
JP3496509B2 JP06889698A JP6889698A JP3496509B2 JP 3496509 B2 JP3496509 B2 JP 3496509B2 JP 06889698 A JP06889698 A JP 06889698A JP 6889698 A JP6889698 A JP 6889698A JP 3496509 B2 JP3496509 B2 JP 3496509B2
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forming
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クマール ラジェシュ
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Denso Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置の製造方法に関し、特に絶縁ゲート型電界効果トラン
ジスタ、とりわけ大電力用の縦型パワーMOSFETに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溝の側面に薄膜半導体層(側
壁チャネル膜)を形成し、この薄膜半導体層によって蓄
積チャネルが形成できるようにした蓄積チャネルタイプ
の炭化珪素半導体装置がある。この蓄積チャネルタイプ
の炭化珪素半導体装置の一例として、特開平9−741
91号公報に示される溝ゲート型パワーMOSFETが
ある。この溝ゲート型パワーMOSFETを図9に示し
て説明する。
【0003】溝ゲート型パワーMOSFETには、n+
型の単結晶炭化珪素(SiC)半導体基板(以下、n+
型炭化珪素基板という)1とn- 型エピタキシャル層2
とp型エピタキシャル層3によって構成された六方晶系
の単結晶炭化珪素からなる半導体基板4が用いられてい
る。そして、この半導体基板4の上面(主表面)を略
(0001−)カーボン面として、半導体デバイスが形
成されている。
【0004】p型エピタキシャル層3の表層部の所定領
域には、n+ 型ソース領域5が形成されており、n+
ソース領域5の所定位置には溝(トレンチ)7が形成さ
れている。この溝7は、n+ 型ソース領域5とp型エピ
タキシャル層3を貫通してn - 型エピタキシャル層2に
達し、p型エピタキシャル層3の表面に略垂直な側面7
a及びp型エピタキシャル層3の表面に平行な底面7b
を有している。
【0005】この溝7の側面7aには、エピタキシャル
成長法によってn+ 型ソース領域5、p型エピタキシャ
ル層3、及びn- 型エピタキシャル層2の表面に形成さ
れたn- 型の炭化珪素からなる薄膜半導体層80が備え
られている。溝7の内部には、ゲート絶縁膜(ゲート酸
化膜)9が形成され、このゲート酸化膜9内にはゲート
電極層10が充填されており、ゲート電極層10上には
層間絶縁膜11が配置されている。さらに、層間絶縁膜
11上を含めたn+ 型ソース領域5の表面及びp型エピ
タキシャル層3の表面には、ソース電極層12が形成さ
れ、このソース電極層12はn+ 型ソース領域5とp型
エピタキシャル層3に共に接している。また、n+ 型炭
化珪素半導体基板1の表面(半導体基板4の裏面)に
は、ドレイン電極層13が形成されている。
【0006】このように構成された溝ゲート型パワーM
OSFETは、薄膜半導体層80をチャネル形成領域と
し、ゲート電極層10に電圧を印加してゲート酸化膜9
に電界を加えることにより、薄膜半導体層80に蓄積型
チャネルを誘起させて、ソース電極層12とドレイン電
極層13の間に電流を流すようになっている。このよう
にすることで、p型エピタキシャル層3の不純物濃度と
チャネルが形成されるn型薄膜半導体層80の不純物濃
度を独立に制御できるようにし、p型エピタキシャル層
3の不純物濃度を高くすると共に、n+ 型ソース領域5
とn-型エピタキシャル層2に挟まれたp型エピタキシ
ャル層3の厚さを小さくして、チャネル長を短くし、溝
ゲート型パワーMOSFETを高耐圧でかつ低オン抵抗
なものにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の溝ゲート型
パワーMOSFETでは、蓄積チャネル形成用の薄膜半
導体層80を、溝7を掘ってからエピタキシャル成長に
よって形成している。このため、薄膜半導体層80を形
成するためのエピタキシャル成長が必要となり、製造工
程が長くなる等の問題がある。
【0008】本発明は上記点に鑑みて成され、エピタキ
シャル成長によらないで、溝側面に備えられる蓄積チャ
ネル形成用のチャネル層を形成できるようにすることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、以下の技術的手段を採用する。請求項1乃至4に記
載の発明においては、溝(7)を含む半導体基板(4)
の主表面に酸化膜(33)を成膜すると共に、この酸化
膜(33)をマスクとしてイオン注入を行い、溝(7)
の側面(7a)に第1導電型の薄膜半導体層(8)を形
成することを特徴としている。
【0010】このように、溝(7)を含む半導体基板
(4)の主表面に酸化膜(33)を成膜すると、酸化膜
(33)は溝(7)の側面(7a)では薄く、それ以外
の部分では厚く形成される。このため、この酸化膜(3
3)をマスクとしてイオン注入を行えば、エピタキシャ
ル成長によらなくても蓄積チャネル形成用の薄膜半導体
層(8)を形成することができる。
【0011】請求項3に記載の発明においては、溝
(7)の側面(7a)がテーパ形状となるようにするこ
とを特徴としている。このように、溝(7)をテーパ形
状とすれば、薄膜半導体層(8)を形成するためのイオ
ン注入を半導体基板(4)の表面の法線方向から行うこ
とができるため、イオン注入の簡略化を図ることができ
る。
【0012】なお、このように薄膜半導体層(8)の厚
みを制御することによって、半導体装置の特性をノーマ
リオフ型にすることができる。請求項4に記載の発明に
よれば、溝の底面の酸化膜の厚みを側面の厚みより厚く
することができる。これにより、側面のみにイオン注入
により蓄積チャネル形成用の薄膜半導体層を確実に形成
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1に、本実施の形態におけるノー
マリオフ型のnチャネルタイプ溝ゲート型パワーMOS
FET(以下、縦型パワーMOSFETとする。)の断
面図を示す。本デバイスは、インバータや車両用オルタ
ネータのレクチファイヤに適用すると好適なものであ
る。
【0014】図1に基づいて縦型パワーMOSFETの
構造について説明する。但し、本実施形態における縦型
パワーMOSFETは、上述した図9に示すMOSFE
Tとほぼ同様の構造を有しているため、異なる部分につ
いてのみ説明する。なお、本実施形態における縦型パワ
ーMOSFETのうち、図9に示すMOSFETと同様
の部分については同様の符号を付してある。
【0015】図9に示すMOSFETでは、蓄積チャネ
ル形成用の薄膜半導体層80をエピタキシャル成長によ
って形成していたが、この薄膜半導体層80と同様の役
割を果たすものとして、本実施形態では薄膜半導体層8
をイオン注入で形成している。この図1に示す縦型パワ
ーMOSFETの製造工程を、図2〜図4を用いて説明
する。
【0016】〔図2(a)に示す工程〕まず、主表面が
(0001−)カーボン面である400μm程度のn+
型炭化珪素基板1を用意し、その表面に10μm程度の
- 型エピタキシャル層2を成長させ、さらにn- 型エ
ピタキシャル層2上に2.5μm程度のp型エピタキシ
ャル層3を成長させる。このようにして、n+ 型炭化珪
素基板1とn- 型エピタキシャル層2とp型エピタキシ
ャル層3とからなる半導体基板4が形成される。なお、
+ 型炭化珪素基板1のの結晶軸を3.5°〜8°傾け
てn- 型エピタキシャル層2、p型エピタキシャル層3
を形成しているため、半導体基板4の主表面の面方位は
略(0001−)カーボン面となる。
【0017】〔図2(b)に示す工程〕次に、p型エピ
タキシャル層3の表層部の所定領域に、n型不純物(例
えば窒素)をイオン注入し、n+ 型ソース領域5を形成
する。 〔図2(c)に示す工程〕n+ 型ソース領域を含むp型
エピタキシャル層3上にシリコン窒化膜(Si3
4 膜)31を成膜したのち、さらにシリコン窒化膜31
上にLTO膜32を成膜する。そして、フォト・エッチ
ングを行って、溝形成予定領域におけるシリコン酸化膜
31及びLTO膜32を除去する。このとき、フォト・
エッチングでは、後に形成される溝7が[112−0]
方向と略平行となるようにマスク合わせしている。この
[112−0]方向は界面準位密度が最小であるため、
界面準位密度の低減に基づく耐圧の向上を図ることがで
きる。このような条件で溝7を形成しているため、溝7
を上面から見ると溝7の側面7aの平面形状は各内角が
等しい六角形となる。
【0018】なお、溝7が[112−0]方向ではな
く、[11−00]方向と略平行となるようにすれば、
カーボン原子密度を低減することができ、この方向を選
択することにより、カーボン原子に起因する界面準位密
度の低減を図ることも可能である。引き続き、ドライエ
ッチング法としてRIEを用いて、n+ 型ソース領域5
及びp型エピタキシャル層3を共に貫通してn- 型エピ
タキシャル層2に達する溝7を形成する。このとき、R
IEのガスの成分(比率)やエッチング時間を制御する
ことによって、溝7の側面7aが底面7b(半導体基板
4の面方向)に対して所定角度を成すようにしている。
本実施形態では、溝7の側面7aが底面7bに対して1
05°となるように、つまり溝7の側面7aがテーパ形
状を成すようにしている。
【0019】一例として、エッチング液にSF6 +O2
を採用し、O2 の比率を変化させた場合において、溝7
の側面7aの傾斜がどのように変化するかを図5に示
す。なお、この図に示される溝7の側面7aの角度は、
半導体基板4の法線方向に対して成す角度を示してお
り、溝7の側面7aが底面7bに対して成す角度を90
+α°と表した場合のαに相当する。この図に基づき、
本実施形態では、溝7の側面7aが底面7bに対して1
05°となるように、O2 の比率を約50%にしてい
る。
【0020】〔図3(a)に示す工程〕熱処理により、
溝7の内部を含むウェハ上面全面に酸化膜33を形成す
る。このとき、酸化膜33は溝7の側面7a上では薄
く、それ以外の部分上では厚く形成される。酸化膜33
の具体的な膜厚は、熱処理の条件によって異なるが、例
えばウェット酸化雰囲気下で1080℃、6時間の熱処
理を行った場合には溝7の側面7a上では60nm程
度、それ以外の部分上では300nm程度となる。
【0021】〔図3(b)に示す工程〕そして、酸化膜
33をマスクとして、半導体基板4の法線方向(紙面上
方)からn型不純物をイオン注入する。これにより、酸
化膜33のうち膜厚が薄くなっている溝7の側面7aの
部分を透過して、n型不純物イオンが溝7の側面に注入
され、薄膜半導体層8が形成される。
【0022】このとき、上述したように溝7の側面7a
をテーパ形状としており、また(0001−)C面を主
表面としていることにより酸化の異方性から側面7aに
選択的に薄い酸化膜を形成でき、半導体基板4の法線方
向からのイオン注入によって薄膜半導体層8が形成する
ことができるため、イオン注入の方向設定が容易にでき
る。
【0023】なお、このときのイオン注入の条件は酸化
膜33の膜厚に応じて異なるが、少なくとも酸化膜33
のうち溝7の側面7a以外の部分をn型不純物イオンが
透過せず、かつ溝7の側面7aに形成される薄膜半導体
層8が所望の厚みとなるようにエネルギーを設定する必
要がある。例えば、本実施形態では薄膜半導体層8の厚
みが200〜300nmとなるようにしている。
【0024】ここで、縦型パワーMOSFETをノーマ
リオフ型にするために、薄膜半導体層8の厚みは以下の
数式に基づいて決定している。縦型パワーMOSFET
をノーマリオフ型とするためには、ゲート電圧を印加し
ていない状態の際に、n- 型層に広がる空乏層が電気伝
導を妨げるように十分なバリア高さを有している必要が
ある。この条件は次式にて示される。
【0025】
【数1】
【0026】但し、Tepi はn- 型層に広がる空乏層の
大きさである。この数式2に示される右辺第1項は薄膜
半導体層8とp型エピタキシャル層3とのPN接合のビ
ルトイン電圧Vbuilt による空乏層の伸び量、すなわち
p型エピタキシャル層3から薄膜半導体層8に広がる空
乏層の伸び量であり、第2項はゲート絶縁膜7の電荷と
φmsによる空乏層の伸び量、すなわちゲート絶縁膜7か
ら薄膜半導体層8に広がる空乏層の伸び量である。従っ
て、p型エピタキシャル層3から広がる空乏層の伸び量
と、ゲート絶縁膜7から広がる空乏層の伸び量との和が
薄膜半導体層8の厚み以上となるようにすれば縦型パワ
ーMOSFETをノーマリオフ型にすることができるた
め、この条件を満たすようなイオン注入条件で薄膜半導
体層8を形成している。
【0027】このようなノーマリオフ型の縦型パワーM
OSFETは、故障などによってゲート電極に電圧が印
加できないような状態となっても、電流が流れないよう
にすることができるため、ノーマリオン型のものと比べ
て安全性を確保することができる。また、図1に示すよ
うに、p型エピタキシャル層3は、ソース電極10と接
触していて接地状態となっている。このため、薄膜半導
体層8とp型エピタキシャル層3とのPN接合のビルト
イン電圧Vbuilt を利用して薄膜半導体層8をピンチオ
フすることができる。例えば、p型エピタキシャル層3
が接地されてなくてフローティング状態となっている場
合には、ビルトイン電圧Vbuilt を利用してp型エピタ
キシャル層3から空乏層を延ばすということができない
ため、p型エピタキシャル層3をソース電極10と接触
させることは、薄膜半導体層8をピンチオフするのに有
効な構造であるといえる。なお、p型エピタキシャル層
3の不純物濃度を高くすることで、よりビルトイン電圧
Vbuilt を大きく利用することも可能である。
【0028】また、本実施形態では炭化珪素によって縦
型パワーMOSFETを製造しているが、これをシリコ
ンを用いて製造しようとすると、p型エピタキシャル層
3や薄膜半導体層8等の不純物層を形成する際における
熱拡散の拡散量の制御が困難であるため、上記構成と同
様のノーマリオフ型のMOSFETを製造することが困
難となる。このため、本実施形態のようにSiCを用い
ることにより、シリコンを用いた場合と比べて精度良く
縦型パワーMOSFETを製造することができる。
【0029】また、ノーマリオフ型の縦型パワーMOS
FETにするためには、上記数式1の条件を満たすよう
に薄膜半導体層8の厚みを設定する必要があるが、シリ
コンを用いた場合にはVbuilt が低いため、薄膜半導体
層8の厚みを薄くしたり不純物濃度を薄くして形成しな
ければならず、不純物イオンの拡散量の制御が困難なこ
とを考慮すると、非常に製造が困難であるといえる。し
かしながら、SiCを用いた場合にはVbuilt がシリコ
ンの約3倍と高く、n- 型層の厚みを厚くしたり不純物
濃度を濃くして形成できるため、ノーマリオフ型の蓄積
型MOSFETを製造することが容易であるといえる。
【0030】なお、参考として、図6にイオン注入のエ
ネルギーと薄膜半導体層8の厚みとの関係を示す。この
図に示されるように、イオン注入のエネルギーを変化さ
せることによって薄膜半導体層8の厚みを変化させるこ
とができ、薄膜半導体層8の濃度との関係を考慮して薄
膜半導体層8の厚みを設定するようにしている。但し、
図6は酸化膜等が形成されていない炭化珪素表面に直接
イオン注入を行ったときのデータであるため、図3
(c)に示される酸化膜33の膜厚を考慮して、イオン
注入のエネルギーを選択するようにしている。
【0031】〔図3(c)に示す工程〕次に、酸化膜を
除去して溝7を含むウェハ表面を全面露出させる。 〔図4(a)に示す工程〕そして、溝7の側面を含むウ
ェハ全面にゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)9を成膜す
る。
【0032】〔図4(b)に示す工程〕、さらに,溝7
内のゲート酸化膜9の内側に、ゲート電極層10を充填
する。このゲート電極層10の構成材料には、p型のポ
リシリコンあるいはn型のポリシリコンを用いている。 〔図4(c)に示す工程〕さらに、ゲート電極層10の
上面にLTO等からなる層間絶縁膜11を形成したの
ち、ゲート酸化膜9と共に層間絶縁膜11の所定領域を
エッチング除去して、n+ 型ソース領域5及びp型エピ
タキシャル層3の表層部を選択的に露出させるコンタク
トホールを形成する。
【0033】その後、層間絶縁膜11上を含むn+ 型ソ
ース領域5と低抵抗p型炭化珪素領域6の上に、Ni等
によりソース電極層12を形成する。また、n+ 型炭化
珪素半導体基板1の裏面に、ドレイン電極層13を形成
して、溝ゲート型パワーMOSFETを完成する。この
ように、酸化膜33(図3(c)参照)が溝7の側面7
a上において薄くなっていることを利用してイオン注入
を行うことによって、エピタキシャル成長によらずに蓄
積チャネル形成用の薄膜半導体層8を形成することが可
能となる。
【0034】さらに、溝7の側面7aをテーパ形状にす
ることによって、上記イオン注入を半導体基板4の法線
方向から行えるようにでき、イオン注入の効率化を図る
ことができる。次に、この縦型パワーMOSFETの作
用(動作)を説明する。本MOSFETはノーマリオフ
型の蓄積モードで動作するものであって、ゲート電極層
10に電圧を印加しない場合は、薄膜半導体層8におい
てキャリアは、p型エピタキシャル層3と薄膜半導体層
8との間の静電ポテンシャルの差、及び薄膜半導体層8
とゲート電極層10との間の仕事関数の差により生じた
電位によって全域空乏化される。ゲート電極層10に電
圧を印加することにより、薄膜半導体層8とゲート電極
層10との間の仕事関数の差と外部からの印加電圧の和
により生じる電位差を変化させる。このことにより、チ
ャネルの状態を制御することができる。
【0035】つまり、ゲート電極層10の仕事関数を第
1の仕事関数とし、p型エピタキシャル層3の仕事関数
を第2の仕事関数とし、薄膜半導体層8の仕事関数を第
3の仕事関数としたとき、第1〜第3の仕事関数の差を
利用して、薄膜半導体層8のn型のキャリアを空乏化す
る様に第1〜第3の仕事関数と薄膜半導体層8の不純物
濃度及び膜厚を設定することができる。
【0036】また、オフ状態において、空乏領域は、p
型エピタキシャル層3及びゲート電極層10により作ら
れた電界によって、薄膜半導体層8内に形成される。こ
の状態からゲート電極層10に対して正のバイアスを供
給すると、ゲート絶縁膜(SiO2 )9と薄膜半導体層
8との間の界面においてn+ 型ソース領域5からn-
エピタキシャル層2の方向へ延びるチャネル領域が形成
され、オン状態にスイッチングされる。このとき、電子
は、n+ 型ソース領域5から薄膜半導体層8を経由し薄
膜半導体層8からn- 型エピタキシャル層2に流れる。
そして、n- 型エピタキシャル層2(ドリフト領域)に
達すると、電子は、n+ 型炭化珪素基板1(n+ ドレイ
ン)へ垂直に流れる。
【0037】このようにゲート電極層10に正の電圧を
印加することにより、薄膜半導体層8に蓄積型チャネル
を誘起させ、ソース電極10とドレイン電極11との間
にキャリアが流れる。 (第2実施形態)上記第1実施形態では、本発明の一実
施形態を蓄積チャネル型の溝ゲート型パワーMOSFE
Tに適用した場合について説明したが、本実施形態のよ
うにMC−SIT(MOS Controlled S
tatic InductionTransisto
r)に適用することもできる。
【0038】図7に、本実施形態におけるMC−SIT
の模式図を示す。このMC−SITは第1実施形態にお
けるMOSFETとほぼ同様の構成をしているため、異
なる部分についてのみ説明し、同様の部分については同
じ符号を付して説明を省略する。図7に示されるよう
に、p型エピタキシャル層3の上面には、p型エピタキ
シャル層3と電気的に接続されたゲート電極層41が備
えられている。このゲート電極層41は、p型エピタキ
シャル層3とn+ 型ソース領域5との境界部上に形成さ
れたシリコン酸化膜42によってソース電極層12と電
気的に分離されている。また、シリコン酸化膜42によ
ってp型エピタキシャル層3はソース電極層12と電気
的に分離されている。
【0039】このように構成されたMC−SITはゲー
ト電極層10を第1のゲートとし、ゲート電極層41を
第3のゲートとして、これら第1、第2のゲートへの印
加電圧を制御することによって薄膜半導体層8に形成さ
れる空乏領域の幅を制御し、ソース電極層12とドレイ
ン電極層13との間に電流が流れるようになっている。
【0040】このように構成されるMC−SITにおい
ても溝7を含む半導体基板4の上面全面に酸化膜を形成
し、この酸化膜をマスクとしてイオン注入を行うことに
よりエピタキシャル成長によらないで薄膜半導体層8を
形成することができる。 (第3実施形態)上記第1実施形態では、本発明の一実
施形態を蓄積チャネル型の溝ゲート型パワーMOSFE
Tに適用した場合について説明したが、本実施形態のよ
うにSIT(Static Induction Tr
ansistor)に適用することもできる。
【0041】図8に、本実施形態におけるSITの模式
図を示す。以下、図8に基づいてSITの説明を行う。
なお、図1に示す溝ゲート型パワーMOSFETと異な
る部分についてのみ説明を行い、同様の部分については
同様の符号を付して説明を省略する。SITは、溝7の
内部にはポリシリコンからなる第1のゲート電極50が
+型ソース領域5と側壁チャネル膜との界面で終端す
るように形成されており、p型ベース領域3の上面には
第1のゲート電極層50と電気的に接続された第2のゲ
ート電極層51が形成されている。これら第1、第2の
ゲート電極層50、51に等電圧が印加されるようにな
っている。
【0042】第1のゲート電極層50の上にはLTO等
からなる層間絶縁膜52が形成されており、さらに層間
絶縁膜52の上にはソース電極層53が形成されてい
る。第2のゲート電極層51は、n+ 型ソース領域5及
びp型ベース領域3の境界部に備えられたシリコン酸化
膜54によってソース電極層53から電気的に分離され
ている。
【0043】このように構成されたSITは、第1、第
2のゲート電極層50、51に電圧を印加し、第1のゲ
ート電極層51とp型エピタキシャル層3との間におけ
る仕事関数差に基づいて薄膜半導体層8に生じる空乏層
幅を制御することで、ソース電極層53からドレイン電
極層13に向けて電流を流すようになっている。なお、
このとき第1、第2のゲート電極層50、51への印加
電圧は、仕事関数差によって決定されるショットキー電
圧を超えない程度にする必要がある。
【0044】このように構成されるMC−SITにおい
ても溝7を含む半導体基板4の上面全面に酸化膜を形成
し、この酸化膜をマスクとしてイオン注入を行うことに
よりエピタキシャル成長によらないで薄膜半導体層8を
形成することができる。 (他の実施形態)上記実施形態では、薄膜半導体層8を
形成するに際し、溝7の側面7aをテーパ形状にすると
共に、半導体基板4の法線方向からイオン注入を行うよ
うにしているが、溝7の側面7aの角度やイオン注入の
角度は上記実施形態に限定されるものではない。
【0045】すなわち、溝7の側面7aを底面7bに対
して垂直にしてもよい。この場合においても、イオン注
入を斜めに行うことによって薄膜半導体層8を形成する
ことができるからである。このように、溝7の側面7a
の角度、イオン注入の条件等を変化させても薄膜半導体
層8を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における縦型パワーMOS
FETの断面図である。
【図2】図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図3】図2に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図4】図3に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図5】溝7の角度とエッチング条件との関係を示す図
である。
【図6】イオン注入のエネルギー条件とイオン注入深さ
の関係を示す図である。
【図7】第2実施形態におけるMC−SITを説明する
ための断面図である。
【図8】第3実施形態におけるSITを説明するための
断面図である。
【図9】従来における縦型パワーMOSFETの構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…n+ 型半導体基板、2…n- 型エピタキシャル層、
3…p- 型ベース層、5…n+ 型ソース領域、7…溝、
7a…側面、7b…底面、8…薄膜半導体層、9…ゲー
ト酸化膜、10…ゲート電極層、11…層間絶縁膜、1
2…ソース電極層、13…ドレイン電極層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−74191(JP,A) 特開 平2−91976(JP,A) 特開 平9−260653(JP,A) 特開 昭63−98124(JP,A) 特開 昭58−184767(JP,A) 特開 平9−172187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 652 H01L 29/78 653

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝(7)の側面(7a)に形成された薄
    膜半導体層(8)をチャネル領域として、ソース電極層
    (12)とドレイン電極層(13)との間に流す電流の
    スイッチングを行う炭化珪素半導体装置の製造方法にお
    いて、 第1導電型の低抵抗層(1)上に該低抵抗層よりも高抵
    抗の第1導電型の高抵抗層(2)が成膜されると共に、
    この高抵抗層(2)上に第2導電型の第1半導体層
    (3)が成膜されて構成され、この第1半導体層(3)
    側を主表面とする半導体基板(4)を用意する工程と、 前記第1半導体層(3)の表層部の所定領域に、前記ソ
    ース電極層(12)と電気的に接続される第1導電型の
    ソース領域(5)を形成する工程と、 前記主表面から前記ソース領域(5)及び前記第1半導
    体層(3)を貫通する溝(7)を形成する工程と、 前記溝(7)を含む前記半導体基板(4)の主表面に酸
    化膜(33)を成膜すると共に、この酸化膜(33)を
    マスクとしてイオン注入を行い、前記溝(7)の側面
    (7a)に第1導電型の薄膜半導体層(8)を形成する
    工程と、 前記酸化膜(33)を除去する工程と、を含むことを特
    徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1導電型の低抵抗層(1)上に該低抵
    抗層よりも高抵抗の第1導電型の高抵抗層(2)が成膜
    され、この高抵抗層(2)上に第2導電型の第1半導体
    層(3)が成膜されて構成され、この第1半導体層
    (3)側を主表面とする半導体基板(4)を用意する工
    程と、 前記第1半導体層(3)の表層部の所定領域に第1導電
    型のソース領域(5)を形成する工程と、 前記主表面から前記ソース領域(5)及び前記第1半導
    体層(3)を貫通する溝(7)を形成する工程と、 前記溝(7)を含む前記半導体基板(4)の主表面に酸
    化膜(33)を成膜すると共に、この酸化膜(33)を
    マスクとしてイオン注入を行い、前記溝(7)の側面
    (7a)に第1導電型の薄膜半導体層(8)を形成する
    工程と、 前記酸化膜(33)を除去する工程と、 前記溝(7)を含む前記半導体層(2)の上面にゲート
    絶縁膜(9)を形成する工程と、 前記薄膜半導体層(8)をチャネル領域として、少なく
    ともこのチャネル領域上に前記ゲート絶縁膜(9)を介
    してゲート電極層(10)を形成する工程と、 前記ゲート電極層(10)を含む前記半導体基板(4)
    の上に層間絶縁膜(11)を形成する工程と、 前記層間絶縁膜(11)及び前記ゲート絶縁膜(9)の
    所定領域に、前記ベース領域(3)に連通するコンタク
    トホールを形成する工程と、 前記層間絶縁膜(11)上に前記コンタクトホールを介
    して前記ベース領域(3)と電気的に導通するソース電
    極層(12)を形成する工程と、 前記半導体基板(4)のうち、前記主表面とは反対側の
    面にドレイン電極層(13)を形成する工程と、を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装
    置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溝(7)を形成する工程では、該溝
    (7)の側面(7a)がテーパ形状となるように行うこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素半導体
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記主表面が(0001−)C面である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載
    の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜半導体層(8)上に、第1のゲ
    ート電極(50)を形成する工程と、 該第1のゲート電極(50)上に層間絶縁膜(52)を
    介して、前記ソース領域(5)と接続するソース電極
    (53)を形成し、また前記第1半導体層(3)と接触
    し、かつ前記第1のゲート電極(50)と電気的に接続
    する第2のゲート電極とを形成することを特徴とする請
    求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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