JP3485650B2 - 含フッ素ビニルエーテル共重合体 - Google Patents
含フッ素ビニルエーテル共重合体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に溶解し、常
温で硬化機能を有する、撥水・撥油性および耐薬品性の
優れた共重合体に関する。さらに、詳しくはビニルエー
テル、ビニルシランおよび含フッ素ビニルエーテル単量
体との共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術】ビニルエステル、アクリル酸エステルお
よびビニルエーテル単量体等の単独重合体および共重合
体は、例えば、炭化水素系溶媒への溶解性等が良く、ま
た、種々の基材に塗布したときに良好な接着性を有する
ため、塗料、表面コーティング剤などの様々な用途にお
いてそれぞれ有用な樹脂として広く使用されている。し
かし、これら単量体からなる樹脂は耐水性が低く、ま
た、吸水性が大きく、湿った空気中あるいは水中では耐
侯性やその他の諸物性が悪くなり、用途によっては大き
な問題となっていた。 【0003】一方、フッ素系重合体は熱的にも化学的に
も極めて安定であり、耐侯性、耐水性、耐薬品性および
耐溶剤性に優れているので、各種基材の表面処理剤とし
て好適である。しかし、従来知られているフッ素系重合
体は、前述の性質のため、有機溶剤に溶け難く、塗膜の
形成が困難で、塗料としては使用しにくい。 【0004】そこで、近年になり溶剤可溶性で塗布後は
耐侯性、撥水・撥油性、耐薬品性および耐溶剤性を有す
るフッ素系重合体の開発が試みられている。 【0005】例えば、特開昭57−34107号公報に
は、フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、アルキルビニルエーテルおよびヒドロキシルビニル
エーテルからなる4元共重合体が開示してあり、この共
重合体は有機溶剤に可溶であって、常温で硬化させるこ
とが可能であることも記載されている。しかしこれらの
共重合体は、フッ素原子はほとんど主鎖に存在している
ため、撥水・撥油性を発現させるまでには至っていない
という欠点を有する。 【0006】また、撥水・撥油性を付与するために含フ
ッ素単量体としてパーフルオロアルキル基を側鎖に有す
るアクリル酸エステルを用いることが提案されている
(特開昭49−6075号公報)が、この単量体はエス
テル結合を介してパーフルオロアルキル基を結合してい
るため、得られる共重合体は加水分解によりパーフルオ
ロアルキル基が共重合体より離脱し、撥水・撥油性が低
下し易く、耐薬品性、耐侯性に欠点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従って、これらビニル
単量体、フッ素系単量体から得られる樹脂本来の特性を
損なわずに、有機溶剤に可溶で、良好な塗膜形成能を有
し、且つ良好な耐侯性、撥水・撥油性、耐薬品性および
耐溶剤性等を有する共重合体の開発が望まれていた。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定構造の
含フッ素ビニルエーテル単量体、ビニルエーテル単量体
およびビニルシラン単量体を共重合させた共重合体が、
有機溶剤に可溶で塗膜形成能に優れ、また、この共重合
体により形成された塗膜は、耐侯性、撥水・撥油性、耐
薬品性および耐溶剤性等に優れた膜に硬化可能であるこ
とを見いだし、本発明を完成させるに至った。 【0009】即ち、本発明は、一般式(1) 【0010】 【化1】 【0011】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体単位20〜60モル%、一
般式(2) 【0012】 【化2】 【0013】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または 【0014】 【化3】 【0015】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体単位3
0〜70モル%、および一般式(3) 【0016】 【化4】 【0017】(但し、X1,X2,X3は、各々同一また
は相異なり、少なくとも一つは加水分解して水酸基へと
なりうる基である。)で示されるビニルシラン単量体単
位1〜25モル%とがランダムに配列した、数平均分子
量が2,000〜200,000である含フッ素ビニル
エーテル共重合体である。 【0018】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
を構成する単量体単位のうち、ビニルエーテル単量体単
位は一般式(1)で示されるものである。 【0019】 【化9】 【0020】(但し、Rは、アルキル基である。) かかる一般式(1)中、Rで示されるアルキル基は、特
に制限されるものではないが、重合性と実用性を勘案す
ると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert-ブチル基、n-オクチル基等の鎖状
アルキル基、また、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基等の環状アルキル基等の炭素数1〜10の範囲のもの
であることが好ましい。本発明の含フッ素ビニルエーテ
ル共重合体において、一般式(1)で示される単量体単
位は、同種のものだけでなく二種以上が併用して共重合
されていても良い。 【0021】次に、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体を構成する単量体単位のうち、含フッ素ビニルエ
ーテル単量体単位は一般式(2)で示される。 【0022】 【化10】 【0023】かかる一般式(2)中、Rfは、パーフル
オロアルキル基、または 【0024】 【化11】 【0025】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。上記Rfのうちパーフルオロアルキル基の炭素数は
特に制限されないが、撥水性の効果とコスト或いは原料
の入手の容易さを勘案すると1〜12の範囲であること
が好ましい。具体的には、−CF3,−CF2CF3,−
CF2CF2CF3,−CF2(CF2CF2)qCF3(q=
1〜4)等をあげることができる。また、特に撥油性を
向上させる場合は炭素数は6〜12が好ましい。また、
上記 【0026】 【化12】 【0027】で示される基のうち、pは、0以上の整数
であるが、好適には0〜3であるのが好ましい。 【0028】さらに、本発明の含フッ素ビニルエーテル
共重合体を構成する単量体単位のうち、ビニルシラン単
量体単位は一般式(3)で示される。 【0029】 【化13】 【0030】(但し、X1,X2,X3は、各々同一また
は相異なり、少なくとも一つは加水分解して水酸基へと
なりうる基である。) 一般式(3)中、X1,X2,X3で示される基は、少な
くとも一つは加水分解して水酸基へとなりうる基であ
る。具体的には、アルコキシ基、ハロゲン、置換アミノ
基等が好適である。アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜5のものが
好ましい。ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等が
挙げられるが、このうち塩素が好ましい。また、置換ア
ミノ基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基等の炭素数1〜5のものが挙げられる。こ
こで、硬化速度等を勘案するとアルコキシ基が好まし
い。これらの水酸基へとなりうる基は、珪素原子に少な
くとも一つ結合していれば良いが好適には2つ、さらに
好ましくはその全てが該基であるのが良好である。ま
た、X1,X2,X3で示される基のうち、上記加水分解
して水酸基へとなりうる基外の基は、特に制限されるも
のではないが、具体的には、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、ブチル基等の鎖状のアルキル基などが好ま
しい。架橋構造に有害に影響を与えないためにはその炭
素数は1から5の範囲のものが好適である。 【0031】本発明において、以上の一般式(1)で示
されるビニルエーテル単量体単位、および式(2)で示
される含フッ素ビニルエーテル単量体単位、および一般
式(3)で示されるビニルシラン単量体単位の含有量
は、一般式(1)で示されるビニルエーテル単量体単位
が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%の範
囲であり、式(2)で示される含フッ素ビニルエーテル
単量体単位が30〜70モル%、好ましくは40〜60
モル%の範囲であり、一般式(3)で示されるビニルシ
ラン単量体単位が1〜25モル%、好ましくは1.5〜
15モル%の範囲である。これらの含有量の関係を図示
すると図2のようになる。ここで、一般式(1)で示さ
れるビニルエーテル単量体単位の割合は共重合体中の含
フッ素ビニルエーテル単量体との割合のバランスから2
0モル%より小さいと、一般の溶媒に溶け難くなり、ま
た、60モル%より大きいと、本来の機能の撥水・撥油
性等の低下が起こってくる。また、一般式(2)で示さ
れる含フッ素ビニルエーテル単量体についても、30モ
ル%より小さいと、本来の機能の撥水・撥油性等の硬化
が小さくなり、70モル%より大きいと、一般の溶媒に
溶け難くなり、溶剤が限定されてくる。また、一般式
(3)で示されるビニルシラン単量体単位については、
この割合が1モル%より小さいと、塗膜を形成したとき
に、硬化が著しく遅く、また、25モル%より大きいと
塗膜が脆くなり、剥離が起こってくる。 【0032】なお、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体は、前記した各単量体単位がランダムに配列し
た、数平均分子量が2,000〜200,000である
含フッ素ビニルエーテル共重合体である。 【0033】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(以下、1H−NM
Rという)を測定することにより、化合物を容易に同定
することができる。即ち、本発明の含フッ素ビニルエー
テル共重合体は、まず、δ4.2ppm付近に一般式
(2) 【0034】 【化14】 【0035】で示される含フッ素ビニルエーテル単量体
単位のエーテル結合に隣接するメチレン基のプロトンに
基づくピークが観察される。 【0036】また、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体では、ビニルエーテル単量体単位およびビニルシ
ラン単量体単位 【0037】 【化15】 【0038】 【化16】 【0039】の各メチン基を構成するプロトンのピーク
がそれぞれ観察される。ここで、このピークは、ビニル
エーテル単量体単位およびビニルシラン単量体単位の各
々の前後に結合する単量体単位の種類により、観察され
る波長が異なってくる。即ち、該ビニルエーテル単量体
単位およびビニルシラン単量体単位の前後に含フッ素ビ
ニルエーテル単量体単位が配列した場合、このメチン基
のピークはそれぞれシフトする。従って、かかるピーク
は、下記ビニルエーテル単量体単位およびビニルシラン
単量体単位に対するその前後の他の単量体単位の配列の
仕方によって、各々4つの異なるものが観察される(こ
こで、含フッ素ビニルエーテル単量体単位の結合形態
は、 【0040】 【化17】 【0041】の2つの向きがあるが、1H−NMRのピ
ークは、この結合の向きの違いにはほとんど影響を受け
ない。)。 【0042】 1)A又はC−[A(C)]−A又はC A:ビニルエーテル単量体単位 2) B−[A(C)]−A又はC B:含フッ素ビニルエーテル単 3)A又はC−[A(C)]−B 量体単位 4) B−[A(C)]−B C:ビニルシラン単量体単位 そして、ビニルエーテル単量体単位のメチン基のピーク
においては、上記配列のうち1)の並びにあるもののピ
ークは3.5ppm付近に、同じく、上記配列のうち
2)の並びにあるもののピークは3.8ppm付近に、
また、上記配列のうち3)の並びにあるもののピークは
4.0ppm付近に、さらに、上記配列のうち4)の並
びにあるもののピークは4.4ppm付近にそれぞれ生
じる。 【0043】また、ビニルシラン単量体単位のメチン基
のピークにおいては、前記配列のうち1)の並びにある
もののピークは0.7ppm付近に、同じく、前記配列
のうち2)の並びにあるもののピークは1.0ppm付
近に、また、前記配列のうち3)の並びにあるもののピ
ークは1.2ppm付近に、さらに、前記配列のうち
4)の並びにあるもののピークは1.6ppm付近にそ
れぞれ生じる。 【0044】なお、本発明の共重合体では、こうしたビ
ニルエーテル単量体単位、ビニルシラン単量体単位のそ
れぞれのメチン基のピークの総積分値と前記含フッ素ビ
ニルエーテル単量体単位のメチレン基のピークの総積分
値を相対的に比較することにより、それぞれの単量体単
位の含有量を知ることができる。 【0045】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
の、数平均分子量は2,000〜200,000の範囲
である。さらに、5,000〜100,000の範囲で
あることが実用性の点で好ましい。数平均分子量が2,
000未満の共重合体は、末端基が相対的に増えるため
撥水性等の効果が低下し、本来の機能を示さない。ま
た、数平均分子量が200,000を越える共重合体は
一般の有機溶媒等への溶解性が悪くなるため使用方法が
限定されるため好ましくない。 【0046】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、下記の方法により製造することができる。 【0047】即ち、一般式(4) 【0048】 【化18】 【0049】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体20〜60モル%と、一般
式(5) 【0050】 【化19】 【0051】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または 【0052】 【化20】 【0053】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体30〜
70モル%、さらに、一般式(6) 【0054】 【化21】 【0055】(但し、X1,X2,X3は、各々同一また
は相異なり、少なくとも一つは加水分解して水酸基へと
なりうる基である。)で示されるビニルシラン単量体単
位1〜25モル%とを共重合する方法である。 【0056】本発明で使用されるビニルエーテル単量体
としては、一般式(4)を満足するものであれば公知の
化合物を何ら制限なく使用することができる。具体的に
例示すれば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル,n−ブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエ−テル、2−エチル
ヘキシルビニルエーテル、n-オクチルビニルエーテル
等である。これらビニルエーテル単量体は、一種あるい
は二種以上の混合物として使用しても本発明の効果は達
成される。 【0057】次に、本発明で使用される含フッ素ビニル
エーテルは、上記一般式(5)で示される化合物であ
る。この含フッ素ビニルエーテルは、記述のビニルエー
テル単量体およびビニルシラン単量体との共重合性が良
好である。これは、含フッ素ビニルエーテルの、エーテ
ル結合している、つまりパーフルオロアルキル基または 【0058】 【化22】 【0059】と結合している炭素原子が水素原子で置換
されており、二重結合の電子密度が高くなったため重合
性が良好になったものと解釈される。 【0060】上記の含フッ素ビニルエーテルにおいて、
Rfは炭素数は特に制限されないが、効果とコストを勘
案すると炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であ
ることが好ましく、具体的には、−CF3,−CF2CF
3,−CF2CF2CF3,−CF2(CF2CF2)qCF3
(q=1〜4),−CF(CF3){OCF2CF(CF
3)}rOCF2CF2CF3(r=0〜2)等をあげるこ
とができる。 【0061】なお、これらの含フッ素ビニルエーテルは
対応する含フッ素アルコールのアルカリ金属塩とテトラ
フルオロエチレンを反応することにより容易に得ること
ができる。以下に、それらを例示する。 【0062】 【化23】【0063】次に、本発明で使用されるビニルシラン単
量体としては、一般式(6)を満足するものであれば公
知の化合物を何ら制限なく使用することができる。具体
的に例示すれば、トリメトキシビニルシラン、トリエト
キシビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エ
チルジメトキシビニルシラン等のアルコキシビニルシラ
ン;クロロジメチルビニルシラン、ジクロロメチルビニ
ルシラン、ブロモジエチルビニルシラン等のハロゲン化
ビニルシラン等の加水分解可能な基を有するものであ
る。これらビニルシラン単量体は、一種あるいは二種以
上の混合物として使用しても本発明の効果は達成され
る。 【0064】本発明においては、ビニルエーテル単量体
と含フッ素ビニルエーテル、さらにビニルシラン単量体
をそれぞれ組成が(4):20〜60モル%、(5):
30〜70モル%、(6):1〜25モル%で共重合が
行なわれる。例えば、塊状重合、溶液重合等である。重
合に使用する重合開始剤も公知の化合物を用いることが
できる。例えば、オクタノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピル
パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネ
ート類;ブチルパーオキシアセテート、ブチルパーオキ
シピバレートなどのパーオキシエステル類、アゾビスブ
チロニトリルなどのアゾ系の過酸化物またフッ素系の過
酸化物としてパーフルオロブチルパーオキサイドなどで
ある。これらの重合開始剤を一種以上使用しても良い。 【0065】溶液重合を行なう場合には、使用する溶媒
は重合を阻害せず、また用いる単量体を溶解できるもの
であれば良い。例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪
族炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水
素類;塩化メチレン、四塩化炭素、1,1,2-トリクロロト
リフルオロエタンなどのハロゲン系溶媒などを用いるこ
とができる。 【0066】また、重合温度は重合開始剤の分解温度に
依存するが通常10〜100°Cであれば重合を進行さ
せることができる。 【0067】また分子量を調節するためにメルカプタン
などの連鎖移動剤も必要により用いることができる。 【0068】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、 【0069】 【化24】 【0070】で示されるビニルシラン単量体単位が有す
る、加水分解して水酸基へとなりうる基に起因して、シ
ラノール基を生じさせることができる。シラノール基
は、縮合して架橋するため、かかる含フッ素ビニルエー
テル共重合体は、硬化して強固な塗膜を形成する能力を
有する。こうした硬化は、該共重合体を空気中等の水の
存在する雰囲気に晒すことにより容易に生じさせること
ができる。通常は、該共重合体の有機溶液を塗布後、有
機溶剤を乾燥させることにより実施するのが好適であ
る。温度は、特に制限されるものではなく、常温下でも
充分である。有機溶剤としては、通常塗料分野に用いら
れており、フッ素系重合体を溶解し得るものであるなら
いかなるものでもよい、たとえば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類、ジエチルエ−テル、ジプロ
ピルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル類、ジ
クロルエタン、クロルベンゼン、1,1,2-トリクロロトリ
フルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が制限なく
しようできる。共重合体の溶解濃度は、5〜60wt%
が一般的である。また、必要に応じて硬化速度を早める
ためにシラノール硬化触媒を配合しても良い。ここでシ
ラノール硬化触媒は公知のものが使用できる。例えば、
ジブチル錫ジラウレート、酢酸第1錫、オクタン酸第一
錫、ナフテン酸鉛、2ーエチルヘキサン酸鉄などのカルボ
ン酸金属塩;エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチル
アミン、ピペリジンなどの有機塩基や鉱酸、有機脂肪酸
等を用いることができる。これらのシラノール縮合触媒
の配合量は、特に制限されるものではないがポリマー重
量に対して0.01〜5wt%が好ましい。 【0071】 【発明の効果】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合
体は、特定の含フッ素ビニルエ−テル単量体単位を有す
るため、通常のビニルエーテル単量体から得られる樹脂
に較べ、耐侯性および撥水・撥油性に優れている。ま
た、加水分解して水酸基へとなりうる基を有するビニル
シラン単量体も有するため、空気中で硬化し、優れた耐
薬品性、耐溶剤性を示す。このため、かかる共重合体
は、塗料、表面コーティング剤として、とくに耐侯性や
耐薬品性が問題となる分野で使用することができる。 【0072】 【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、これによって本発明が限定されるものではな
い。なお、本発明で得た共重合体の解析及び物性を以下
の方法により測定した。 【0073】(1)分子量の測定 得られた共重合体0.01gをテトラヒドロフラン10
mlに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法
(GPC)により標準ポリスチレンを 基準にして分子
量を測定した。 【0074】(2)接触角の測定 接触角測定機により水およびn-ヘキサデカンを使用し
て接触角を測定した。 【0075】(3)付着性試験 JIS K 5400-1990 塗料一般試験方法8.5.1碁盤目試験に
従って基材にガラスおよびアルミを用いて測定した。 【0076】(4)アセトン浸漬試験 基材に塗布したものを、アセトンに24時間浸漬し、塗
膜の表面の変化を調べた。 【0077】実施例1 内容積200ccの窒素置換した4つ口フラスコ中に、
液体酸素による固化、脱気を繰り返し、酸素を除去した
含フッ素ビニルエーテル(Rf= C2F5;以下FVEと
いう)36.8g,n−ブチルビニルエーテル(以下B
VEという)12.8g,トリメトキシビニルシラン
4.7g(以下TMOVSという),アゾビスイソブチ
ロニトリル0.26gを仕込み、それを60℃で8時間
重合した。次に反応器を冷却し、反応を停止させ、この
内容物をテトラヒドロフランに溶解し、大量のメタノー
ル中に沈澱させ、乾燥を行なった。ポリマー収量は5
4.5gで重合率80%であった。 【0078】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMR(図1参照)を測定したところ、
OCH2CF2CF3のCH2(4.2ppm)に基づくス
ペクトルが観察された。また、BVE単位のメチン基に
由来するプロトンのピークが、3.8,4.0および
4.4ppmに観察された。また、TMOVS単位のメ
チン基に由来するプロトンのピークは、BVEのシグナ
ルと重複しているため0.7ppmのシグナルしか直接
観察はできなかったが、BVE単量体に由来する他のプ
ロトンのシグナルから計算される積分値を考え合わす
と、1.0,1.2,および1.6ppmにTMOVS
のメチン基に由来する各ピークが存在することが確認さ
れた。この結果から各単量体単位はランダムに配列して
いることが解った。これより、算出した含フッ素ビニル
エーテル単量体単位含有量は46.7モル%で、n−ブ
チルビニルエーテル単量体単位含有量は45.7モル%
であった。この重合物の数平均分子量Mnは33,20
0であり、重量平均分子量Mwは69,000であっ
た。次に、重合で得られたポリマーをテトラヒドロフラ
ン:キシレン=4:1(v/v)混合溶液で約10wt
%に調整した溶液をそれぞれ基材に塗布し、室温で湿度
70%の恒湿状態に1日放置した後、塗膜試験を行っ
た。その結果を表1および表2に示した。 【0079】実施例2 内容積300ccののステンレス製攪拌機付きオートク
レーブに、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン50.
0g、FVE51.8g、プロピルビニルエーテル1
5.5g(PVE)、トリエトキシビニルシラン(TE
OVS)8.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.3
7gを仕込み、液体酸素による固化、脱気を繰り返し、
系内の酸素を除去する。その後、60℃で8時間重合し
た。次に反応器を冷却し、反応を停止させ、未反応モノ
マー及び溶媒を減圧下で除去した。次に内容物をテトラ
ヒドロフランに溶解し、大量のメタノール中に沈澱さ
せ、乾燥を行なった。ポリマー収量は58.7gで重合
率77%であった。 【0080】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMRを測定したところ、OCH2CF2
CF3のCH2(4.2ppm)に基づくスペクトルが観
察された。また、PVE単位のメチン基に由来するプロ
トンのピークが、3.8,4.0および4.4ppmに
観察された。また、TEOVS単位のメチン基に由来す
るプロトンのピークは、PVEのシグナルと重複してい
るため0.7ppmのシグナルしか直接観察はされない
が、PVE単量体に由来する他のプロトンのシグナルか
ら計算される積分値を考え合わすと、1.0,1.2,
および1.6ppmにTEOVSのメチン基に由来する
各ピークが存在することが確認された。この結果から各
単量体単位はランダムに配列していることが解った。こ
れより、算出した含フッ素ビニルエーテル単量体単位含
有量は51.2モル%で、プロピルビニルエーテル単量
体単位含有量は45.3モル%であった。この重合物の
数平均分子量Mnは32,100であり、重量平均分子
量Mwは67,000であった。次に、重合で得られた
ポリマーをテトラヒドロフラン:キシレン=4:1(v
/v)混合溶液で約10wt%に調整し、これにシラノ
ール硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートをポリマー
重量に対して0.1wt%加えた溶液をそれぞれ基材に
塗布し、室温で湿度70%の恒湿状態に1日放置した
後、塗膜試験を行った。その結果を表1および表2に示
した。 【0081】実施例3〜13 各種含フッ素ビニルエ−テル単量体単位、ビニルエーテ
ル単量体およびビニルシラン単量体を用い表1に示す組
成で、実施例1と同様にして共重合を行なった。重合
率、1H−NMR測定結果、塗膜試験結果を表1および
表2に示した。なお、製造された各含フッ素ビニルエー
テル共重合体の1H−NMR測定においては、シグナル
が重複して直接は観察されなかったが、1.0,1.
2,および1.6ppmにもビニルシラン単量体単位の
メチン基に由来するプロトンのピークが存在することが
確認された。 【0082】比較例 内容積300ccのステンレス製攪拌機付きオートクレ
ーブに、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン50.0
g、ブチルビニルエ−テル(BVE)24.0g、トリ
メトキシビニルシラン(TMOVS)8.9g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.5gを仕込み、液体酸素によ
る固化、脱気を繰り返し、系内の酸素を除去する。その
後、テトラフルオロエチレン(TFE)30.0gをオ
ートクレーブ中に導入し、昇温する。それを60℃で8
時間重合した。次に反応器を冷却し、反応を停止させ、
未反応モノマーを追い出した。その後、オートクレーブ
を開放し、この内容物を濃縮後、テトラヒドロフランに
溶解し、大量のメタノール中に沈澱させ、乾燥を行なっ
た。ポリマー収量は91.9gで重合率81%であっ
た。 【0083】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMRおよび19F−NMRの測定結果よ
り算出した含フッ素ビニルエーテル単量体単位含有量は
52.3モル%で、n−ブチルビニルエーテル単量体単
位含有量は41.7モル%であった。この重合物の数平
均分子量Mnは12,000であり、重量平均分子量M
wは25,000であった。次に、重合で得られたポリ
マーをテトラヒドロフラン:キシレン=4:1(v/
v)混合溶液で約10wt%に調整し、これにシラノー
ル硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートをポリマー重
量に対して0.1wt%加えた溶液をそれぞれ基材に塗
布し、室温で湿度70%の恒湿状態に1日放置した後、
塗膜試験を行った。その結果を表1および表2に示し
た。 【0084】 【表1】 【0085】 【表2】【0086】 【表3】
温で硬化機能を有する、撥水・撥油性および耐薬品性の
優れた共重合体に関する。さらに、詳しくはビニルエー
テル、ビニルシランおよび含フッ素ビニルエーテル単量
体との共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術】ビニルエステル、アクリル酸エステルお
よびビニルエーテル単量体等の単独重合体および共重合
体は、例えば、炭化水素系溶媒への溶解性等が良く、ま
た、種々の基材に塗布したときに良好な接着性を有する
ため、塗料、表面コーティング剤などの様々な用途にお
いてそれぞれ有用な樹脂として広く使用されている。し
かし、これら単量体からなる樹脂は耐水性が低く、ま
た、吸水性が大きく、湿った空気中あるいは水中では耐
侯性やその他の諸物性が悪くなり、用途によっては大き
な問題となっていた。 【0003】一方、フッ素系重合体は熱的にも化学的に
も極めて安定であり、耐侯性、耐水性、耐薬品性および
耐溶剤性に優れているので、各種基材の表面処理剤とし
て好適である。しかし、従来知られているフッ素系重合
体は、前述の性質のため、有機溶剤に溶け難く、塗膜の
形成が困難で、塗料としては使用しにくい。 【0004】そこで、近年になり溶剤可溶性で塗布後は
耐侯性、撥水・撥油性、耐薬品性および耐溶剤性を有す
るフッ素系重合体の開発が試みられている。 【0005】例えば、特開昭57−34107号公報に
は、フルオロオレフィン、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、アルキルビニルエーテルおよびヒドロキシルビニル
エーテルからなる4元共重合体が開示してあり、この共
重合体は有機溶剤に可溶であって、常温で硬化させるこ
とが可能であることも記載されている。しかしこれらの
共重合体は、フッ素原子はほとんど主鎖に存在している
ため、撥水・撥油性を発現させるまでには至っていない
という欠点を有する。 【0006】また、撥水・撥油性を付与するために含フ
ッ素単量体としてパーフルオロアルキル基を側鎖に有す
るアクリル酸エステルを用いることが提案されている
(特開昭49−6075号公報)が、この単量体はエス
テル結合を介してパーフルオロアルキル基を結合してい
るため、得られる共重合体は加水分解によりパーフルオ
ロアルキル基が共重合体より離脱し、撥水・撥油性が低
下し易く、耐薬品性、耐侯性に欠点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従って、これらビニル
単量体、フッ素系単量体から得られる樹脂本来の特性を
損なわずに、有機溶剤に可溶で、良好な塗膜形成能を有
し、且つ良好な耐侯性、撥水・撥油性、耐薬品性および
耐溶剤性等を有する共重合体の開発が望まれていた。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定構造の
含フッ素ビニルエーテル単量体、ビニルエーテル単量体
およびビニルシラン単量体を共重合させた共重合体が、
有機溶剤に可溶で塗膜形成能に優れ、また、この共重合
体により形成された塗膜は、耐侯性、撥水・撥油性、耐
薬品性および耐溶剤性等に優れた膜に硬化可能であるこ
とを見いだし、本発明を完成させるに至った。 【0009】即ち、本発明は、一般式(1) 【0010】 【化1】 【0011】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体単位20〜60モル%、一
般式(2) 【0012】 【化2】 【0013】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または 【0014】 【化3】 【0015】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体単位3
0〜70モル%、および一般式(3) 【0016】 【化4】 【0017】(但し、X1,X2,X3は、各々同一また
は相異なり、少なくとも一つは加水分解して水酸基へと
なりうる基である。)で示されるビニルシラン単量体単
位1〜25モル%とがランダムに配列した、数平均分子
量が2,000〜200,000である含フッ素ビニル
エーテル共重合体である。 【0018】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
を構成する単量体単位のうち、ビニルエーテル単量体単
位は一般式(1)で示されるものである。 【0019】 【化9】 【0020】(但し、Rは、アルキル基である。) かかる一般式(1)中、Rで示されるアルキル基は、特
に制限されるものではないが、重合性と実用性を勘案す
ると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert-ブチル基、n-オクチル基等の鎖状
アルキル基、また、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基等の環状アルキル基等の炭素数1〜10の範囲のもの
であることが好ましい。本発明の含フッ素ビニルエーテ
ル共重合体において、一般式(1)で示される単量体単
位は、同種のものだけでなく二種以上が併用して共重合
されていても良い。 【0021】次に、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体を構成する単量体単位のうち、含フッ素ビニルエ
ーテル単量体単位は一般式(2)で示される。 【0022】 【化10】 【0023】かかる一般式(2)中、Rfは、パーフル
オロアルキル基、または 【0024】 【化11】 【0025】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。上記Rfのうちパーフルオロアルキル基の炭素数は
特に制限されないが、撥水性の効果とコスト或いは原料
の入手の容易さを勘案すると1〜12の範囲であること
が好ましい。具体的には、−CF3,−CF2CF3,−
CF2CF2CF3,−CF2(CF2CF2)qCF3(q=
1〜4)等をあげることができる。また、特に撥油性を
向上させる場合は炭素数は6〜12が好ましい。また、
上記 【0026】 【化12】 【0027】で示される基のうち、pは、0以上の整数
であるが、好適には0〜3であるのが好ましい。 【0028】さらに、本発明の含フッ素ビニルエーテル
共重合体を構成する単量体単位のうち、ビニルシラン単
量体単位は一般式(3)で示される。 【0029】 【化13】 【0030】(但し、X1,X2,X3は、各々同一また
は相異なり、少なくとも一つは加水分解して水酸基へと
なりうる基である。) 一般式(3)中、X1,X2,X3で示される基は、少な
くとも一つは加水分解して水酸基へとなりうる基であ
る。具体的には、アルコキシ基、ハロゲン、置換アミノ
基等が好適である。アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜5のものが
好ましい。ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等が
挙げられるが、このうち塩素が好ましい。また、置換ア
ミノ基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基等の炭素数1〜5のものが挙げられる。こ
こで、硬化速度等を勘案するとアルコキシ基が好まし
い。これらの水酸基へとなりうる基は、珪素原子に少な
くとも一つ結合していれば良いが好適には2つ、さらに
好ましくはその全てが該基であるのが良好である。ま
た、X1,X2,X3で示される基のうち、上記加水分解
して水酸基へとなりうる基外の基は、特に制限されるも
のではないが、具体的には、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、ブチル基等の鎖状のアルキル基などが好ま
しい。架橋構造に有害に影響を与えないためにはその炭
素数は1から5の範囲のものが好適である。 【0031】本発明において、以上の一般式(1)で示
されるビニルエーテル単量体単位、および式(2)で示
される含フッ素ビニルエーテル単量体単位、および一般
式(3)で示されるビニルシラン単量体単位の含有量
は、一般式(1)で示されるビニルエーテル単量体単位
が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%の範
囲であり、式(2)で示される含フッ素ビニルエーテル
単量体単位が30〜70モル%、好ましくは40〜60
モル%の範囲であり、一般式(3)で示されるビニルシ
ラン単量体単位が1〜25モル%、好ましくは1.5〜
15モル%の範囲である。これらの含有量の関係を図示
すると図2のようになる。ここで、一般式(1)で示さ
れるビニルエーテル単量体単位の割合は共重合体中の含
フッ素ビニルエーテル単量体との割合のバランスから2
0モル%より小さいと、一般の溶媒に溶け難くなり、ま
た、60モル%より大きいと、本来の機能の撥水・撥油
性等の低下が起こってくる。また、一般式(2)で示さ
れる含フッ素ビニルエーテル単量体についても、30モ
ル%より小さいと、本来の機能の撥水・撥油性等の硬化
が小さくなり、70モル%より大きいと、一般の溶媒に
溶け難くなり、溶剤が限定されてくる。また、一般式
(3)で示されるビニルシラン単量体単位については、
この割合が1モル%より小さいと、塗膜を形成したとき
に、硬化が著しく遅く、また、25モル%より大きいと
塗膜が脆くなり、剥離が起こってくる。 【0032】なお、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体は、前記した各単量体単位がランダムに配列し
た、数平均分子量が2,000〜200,000である
含フッ素ビニルエーテル共重合体である。 【0033】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(以下、1H−NM
Rという)を測定することにより、化合物を容易に同定
することができる。即ち、本発明の含フッ素ビニルエー
テル共重合体は、まず、δ4.2ppm付近に一般式
(2) 【0034】 【化14】 【0035】で示される含フッ素ビニルエーテル単量体
単位のエーテル結合に隣接するメチレン基のプロトンに
基づくピークが観察される。 【0036】また、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体では、ビニルエーテル単量体単位およびビニルシ
ラン単量体単位 【0037】 【化15】 【0038】 【化16】 【0039】の各メチン基を構成するプロトンのピーク
がそれぞれ観察される。ここで、このピークは、ビニル
エーテル単量体単位およびビニルシラン単量体単位の各
々の前後に結合する単量体単位の種類により、観察され
る波長が異なってくる。即ち、該ビニルエーテル単量体
単位およびビニルシラン単量体単位の前後に含フッ素ビ
ニルエーテル単量体単位が配列した場合、このメチン基
のピークはそれぞれシフトする。従って、かかるピーク
は、下記ビニルエーテル単量体単位およびビニルシラン
単量体単位に対するその前後の他の単量体単位の配列の
仕方によって、各々4つの異なるものが観察される(こ
こで、含フッ素ビニルエーテル単量体単位の結合形態
は、 【0040】 【化17】 【0041】の2つの向きがあるが、1H−NMRのピ
ークは、この結合の向きの違いにはほとんど影響を受け
ない。)。 【0042】 1)A又はC−[A(C)]−A又はC A:ビニルエーテル単量体単位 2) B−[A(C)]−A又はC B:含フッ素ビニルエーテル単 3)A又はC−[A(C)]−B 量体単位 4) B−[A(C)]−B C:ビニルシラン単量体単位 そして、ビニルエーテル単量体単位のメチン基のピーク
においては、上記配列のうち1)の並びにあるもののピ
ークは3.5ppm付近に、同じく、上記配列のうち
2)の並びにあるもののピークは3.8ppm付近に、
また、上記配列のうち3)の並びにあるもののピークは
4.0ppm付近に、さらに、上記配列のうち4)の並
びにあるもののピークは4.4ppm付近にそれぞれ生
じる。 【0043】また、ビニルシラン単量体単位のメチン基
のピークにおいては、前記配列のうち1)の並びにある
もののピークは0.7ppm付近に、同じく、前記配列
のうち2)の並びにあるもののピークは1.0ppm付
近に、また、前記配列のうち3)の並びにあるもののピ
ークは1.2ppm付近に、さらに、前記配列のうち
4)の並びにあるもののピークは1.6ppm付近にそ
れぞれ生じる。 【0044】なお、本発明の共重合体では、こうしたビ
ニルエーテル単量体単位、ビニルシラン単量体単位のそ
れぞれのメチン基のピークの総積分値と前記含フッ素ビ
ニルエーテル単量体単位のメチレン基のピークの総積分
値を相対的に比較することにより、それぞれの単量体単
位の含有量を知ることができる。 【0045】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
の、数平均分子量は2,000〜200,000の範囲
である。さらに、5,000〜100,000の範囲で
あることが実用性の点で好ましい。数平均分子量が2,
000未満の共重合体は、末端基が相対的に増えるため
撥水性等の効果が低下し、本来の機能を示さない。ま
た、数平均分子量が200,000を越える共重合体は
一般の有機溶媒等への溶解性が悪くなるため使用方法が
限定されるため好ましくない。 【0046】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、下記の方法により製造することができる。 【0047】即ち、一般式(4) 【0048】 【化18】 【0049】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体20〜60モル%と、一般
式(5) 【0050】 【化19】 【0051】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または 【0052】 【化20】 【0053】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体30〜
70モル%、さらに、一般式(6) 【0054】 【化21】 【0055】(但し、X1,X2,X3は、各々同一また
は相異なり、少なくとも一つは加水分解して水酸基へと
なりうる基である。)で示されるビニルシラン単量体単
位1〜25モル%とを共重合する方法である。 【0056】本発明で使用されるビニルエーテル単量体
としては、一般式(4)を満足するものであれば公知の
化合物を何ら制限なく使用することができる。具体的に
例示すれば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル,n−ブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエ−テル、2−エチル
ヘキシルビニルエーテル、n-オクチルビニルエーテル
等である。これらビニルエーテル単量体は、一種あるい
は二種以上の混合物として使用しても本発明の効果は達
成される。 【0057】次に、本発明で使用される含フッ素ビニル
エーテルは、上記一般式(5)で示される化合物であ
る。この含フッ素ビニルエーテルは、記述のビニルエー
テル単量体およびビニルシラン単量体との共重合性が良
好である。これは、含フッ素ビニルエーテルの、エーテ
ル結合している、つまりパーフルオロアルキル基または 【0058】 【化22】 【0059】と結合している炭素原子が水素原子で置換
されており、二重結合の電子密度が高くなったため重合
性が良好になったものと解釈される。 【0060】上記の含フッ素ビニルエーテルにおいて、
Rfは炭素数は特に制限されないが、効果とコストを勘
案すると炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であ
ることが好ましく、具体的には、−CF3,−CF2CF
3,−CF2CF2CF3,−CF2(CF2CF2)qCF3
(q=1〜4),−CF(CF3){OCF2CF(CF
3)}rOCF2CF2CF3(r=0〜2)等をあげるこ
とができる。 【0061】なお、これらの含フッ素ビニルエーテルは
対応する含フッ素アルコールのアルカリ金属塩とテトラ
フルオロエチレンを反応することにより容易に得ること
ができる。以下に、それらを例示する。 【0062】 【化23】【0063】次に、本発明で使用されるビニルシラン単
量体としては、一般式(6)を満足するものであれば公
知の化合物を何ら制限なく使用することができる。具体
的に例示すれば、トリメトキシビニルシラン、トリエト
キシビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エ
チルジメトキシビニルシラン等のアルコキシビニルシラ
ン;クロロジメチルビニルシラン、ジクロロメチルビニ
ルシラン、ブロモジエチルビニルシラン等のハロゲン化
ビニルシラン等の加水分解可能な基を有するものであ
る。これらビニルシラン単量体は、一種あるいは二種以
上の混合物として使用しても本発明の効果は達成され
る。 【0064】本発明においては、ビニルエーテル単量体
と含フッ素ビニルエーテル、さらにビニルシラン単量体
をそれぞれ組成が(4):20〜60モル%、(5):
30〜70モル%、(6):1〜25モル%で共重合が
行なわれる。例えば、塊状重合、溶液重合等である。重
合に使用する重合開始剤も公知の化合物を用いることが
できる。例えば、オクタノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピル
パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネ
ート類;ブチルパーオキシアセテート、ブチルパーオキ
シピバレートなどのパーオキシエステル類、アゾビスブ
チロニトリルなどのアゾ系の過酸化物またフッ素系の過
酸化物としてパーフルオロブチルパーオキサイドなどで
ある。これらの重合開始剤を一種以上使用しても良い。 【0065】溶液重合を行なう場合には、使用する溶媒
は重合を阻害せず、また用いる単量体を溶解できるもの
であれば良い。例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪
族炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水
素類;塩化メチレン、四塩化炭素、1,1,2-トリクロロト
リフルオロエタンなどのハロゲン系溶媒などを用いるこ
とができる。 【0066】また、重合温度は重合開始剤の分解温度に
依存するが通常10〜100°Cであれば重合を進行さ
せることができる。 【0067】また分子量を調節するためにメルカプタン
などの連鎖移動剤も必要により用いることができる。 【0068】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、 【0069】 【化24】 【0070】で示されるビニルシラン単量体単位が有す
る、加水分解して水酸基へとなりうる基に起因して、シ
ラノール基を生じさせることができる。シラノール基
は、縮合して架橋するため、かかる含フッ素ビニルエー
テル共重合体は、硬化して強固な塗膜を形成する能力を
有する。こうした硬化は、該共重合体を空気中等の水の
存在する雰囲気に晒すことにより容易に生じさせること
ができる。通常は、該共重合体の有機溶液を塗布後、有
機溶剤を乾燥させることにより実施するのが好適であ
る。温度は、特に制限されるものではなく、常温下でも
充分である。有機溶剤としては、通常塗料分野に用いら
れており、フッ素系重合体を溶解し得るものであるなら
いかなるものでもよい、たとえば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類、ジエチルエ−テル、ジプロ
ピルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル類、ジ
クロルエタン、クロルベンゼン、1,1,2-トリクロロトリ
フルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が制限なく
しようできる。共重合体の溶解濃度は、5〜60wt%
が一般的である。また、必要に応じて硬化速度を早める
ためにシラノール硬化触媒を配合しても良い。ここでシ
ラノール硬化触媒は公知のものが使用できる。例えば、
ジブチル錫ジラウレート、酢酸第1錫、オクタン酸第一
錫、ナフテン酸鉛、2ーエチルヘキサン酸鉄などのカルボ
ン酸金属塩;エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチル
アミン、ピペリジンなどの有機塩基や鉱酸、有機脂肪酸
等を用いることができる。これらのシラノール縮合触媒
の配合量は、特に制限されるものではないがポリマー重
量に対して0.01〜5wt%が好ましい。 【0071】 【発明の効果】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合
体は、特定の含フッ素ビニルエ−テル単量体単位を有す
るため、通常のビニルエーテル単量体から得られる樹脂
に較べ、耐侯性および撥水・撥油性に優れている。ま
た、加水分解して水酸基へとなりうる基を有するビニル
シラン単量体も有するため、空気中で硬化し、優れた耐
薬品性、耐溶剤性を示す。このため、かかる共重合体
は、塗料、表面コーティング剤として、とくに耐侯性や
耐薬品性が問題となる分野で使用することができる。 【0072】 【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、これによって本発明が限定されるものではな
い。なお、本発明で得た共重合体の解析及び物性を以下
の方法により測定した。 【0073】(1)分子量の測定 得られた共重合体0.01gをテトラヒドロフラン10
mlに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法
(GPC)により標準ポリスチレンを 基準にして分子
量を測定した。 【0074】(2)接触角の測定 接触角測定機により水およびn-ヘキサデカンを使用し
て接触角を測定した。 【0075】(3)付着性試験 JIS K 5400-1990 塗料一般試験方法8.5.1碁盤目試験に
従って基材にガラスおよびアルミを用いて測定した。 【0076】(4)アセトン浸漬試験 基材に塗布したものを、アセトンに24時間浸漬し、塗
膜の表面の変化を調べた。 【0077】実施例1 内容積200ccの窒素置換した4つ口フラスコ中に、
液体酸素による固化、脱気を繰り返し、酸素を除去した
含フッ素ビニルエーテル(Rf= C2F5;以下FVEと
いう)36.8g,n−ブチルビニルエーテル(以下B
VEという)12.8g,トリメトキシビニルシラン
4.7g(以下TMOVSという),アゾビスイソブチ
ロニトリル0.26gを仕込み、それを60℃で8時間
重合した。次に反応器を冷却し、反応を停止させ、この
内容物をテトラヒドロフランに溶解し、大量のメタノー
ル中に沈澱させ、乾燥を行なった。ポリマー収量は5
4.5gで重合率80%であった。 【0078】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMR(図1参照)を測定したところ、
OCH2CF2CF3のCH2(4.2ppm)に基づくス
ペクトルが観察された。また、BVE単位のメチン基に
由来するプロトンのピークが、3.8,4.0および
4.4ppmに観察された。また、TMOVS単位のメ
チン基に由来するプロトンのピークは、BVEのシグナ
ルと重複しているため0.7ppmのシグナルしか直接
観察はできなかったが、BVE単量体に由来する他のプ
ロトンのシグナルから計算される積分値を考え合わす
と、1.0,1.2,および1.6ppmにTMOVS
のメチン基に由来する各ピークが存在することが確認さ
れた。この結果から各単量体単位はランダムに配列して
いることが解った。これより、算出した含フッ素ビニル
エーテル単量体単位含有量は46.7モル%で、n−ブ
チルビニルエーテル単量体単位含有量は45.7モル%
であった。この重合物の数平均分子量Mnは33,20
0であり、重量平均分子量Mwは69,000であっ
た。次に、重合で得られたポリマーをテトラヒドロフラ
ン:キシレン=4:1(v/v)混合溶液で約10wt
%に調整した溶液をそれぞれ基材に塗布し、室温で湿度
70%の恒湿状態に1日放置した後、塗膜試験を行っ
た。その結果を表1および表2に示した。 【0079】実施例2 内容積300ccののステンレス製攪拌機付きオートク
レーブに、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン50.
0g、FVE51.8g、プロピルビニルエーテル1
5.5g(PVE)、トリエトキシビニルシラン(TE
OVS)8.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.3
7gを仕込み、液体酸素による固化、脱気を繰り返し、
系内の酸素を除去する。その後、60℃で8時間重合し
た。次に反応器を冷却し、反応を停止させ、未反応モノ
マー及び溶媒を減圧下で除去した。次に内容物をテトラ
ヒドロフランに溶解し、大量のメタノール中に沈澱さ
せ、乾燥を行なった。ポリマー収量は58.7gで重合
率77%であった。 【0080】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMRを測定したところ、OCH2CF2
CF3のCH2(4.2ppm)に基づくスペクトルが観
察された。また、PVE単位のメチン基に由来するプロ
トンのピークが、3.8,4.0および4.4ppmに
観察された。また、TEOVS単位のメチン基に由来す
るプロトンのピークは、PVEのシグナルと重複してい
るため0.7ppmのシグナルしか直接観察はされない
が、PVE単量体に由来する他のプロトンのシグナルか
ら計算される積分値を考え合わすと、1.0,1.2,
および1.6ppmにTEOVSのメチン基に由来する
各ピークが存在することが確認された。この結果から各
単量体単位はランダムに配列していることが解った。こ
れより、算出した含フッ素ビニルエーテル単量体単位含
有量は51.2モル%で、プロピルビニルエーテル単量
体単位含有量は45.3モル%であった。この重合物の
数平均分子量Mnは32,100であり、重量平均分子
量Mwは67,000であった。次に、重合で得られた
ポリマーをテトラヒドロフラン:キシレン=4:1(v
/v)混合溶液で約10wt%に調整し、これにシラノ
ール硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートをポリマー
重量に対して0.1wt%加えた溶液をそれぞれ基材に
塗布し、室温で湿度70%の恒湿状態に1日放置した
後、塗膜試験を行った。その結果を表1および表2に示
した。 【0081】実施例3〜13 各種含フッ素ビニルエ−テル単量体単位、ビニルエーテ
ル単量体およびビニルシラン単量体を用い表1に示す組
成で、実施例1と同様にして共重合を行なった。重合
率、1H−NMR測定結果、塗膜試験結果を表1および
表2に示した。なお、製造された各含フッ素ビニルエー
テル共重合体の1H−NMR測定においては、シグナル
が重複して直接は観察されなかったが、1.0,1.
2,および1.6ppmにもビニルシラン単量体単位の
メチン基に由来するプロトンのピークが存在することが
確認された。 【0082】比較例 内容積300ccのステンレス製攪拌機付きオートクレ
ーブに、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン50.0
g、ブチルビニルエ−テル(BVE)24.0g、トリ
メトキシビニルシラン(TMOVS)8.9g、アゾビ
スイソブチロニトリル0.5gを仕込み、液体酸素によ
る固化、脱気を繰り返し、系内の酸素を除去する。その
後、テトラフルオロエチレン(TFE)30.0gをオ
ートクレーブ中に導入し、昇温する。それを60℃で8
時間重合した。次に反応器を冷却し、反応を停止させ、
未反応モノマーを追い出した。その後、オートクレーブ
を開放し、この内容物を濃縮後、テトラヒドロフランに
溶解し、大量のメタノール中に沈澱させ、乾燥を行なっ
た。ポリマー収量は91.9gで重合率81%であっ
た。 【0083】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMRおよび19F−NMRの測定結果よ
り算出した含フッ素ビニルエーテル単量体単位含有量は
52.3モル%で、n−ブチルビニルエーテル単量体単
位含有量は41.7モル%であった。この重合物の数平
均分子量Mnは12,000であり、重量平均分子量M
wは25,000であった。次に、重合で得られたポリ
マーをテトラヒドロフラン:キシレン=4:1(v/
v)混合溶液で約10wt%に調整し、これにシラノー
ル硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートをポリマー重
量に対して0.1wt%加えた溶液をそれぞれ基材に塗
布し、室温で湿度70%の恒湿状態に1日放置した後、
塗膜試験を行った。その結果を表1および表2に示し
た。 【0084】 【表1】 【0085】 【表2】【0086】 【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた本発明の含フッ素
ビニルエーテル共重合体のプロトン核磁気共鳴スペクト
ルのチャートである。 【図2】図2は、本発明の含フッ素ビニルエーテル共重
合体を構成する各単量体単位の含有量を示す図である。
ビニルエーテル共重合体のプロトン核磁気共鳴スペクト
ルのチャートである。 【図2】図2は、本発明の含フッ素ビニルエーテル共重
合体を構成する各単量体単位の含有量を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 216/14
C08F 216/16
C08F 230/08
C09D 1/00 - 201/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (但し、Rは、アルキル基である。)で示されるビニル
エーテル単量体単位20〜60モル%、一般式(2) 【化2】 (但し、Rfは、パーフルオロアルキル基、または 【化3】 (但し、pは0以上の整数である。)である。)で示さ
れる含フッ素ビニルエーテル単量体単位30〜70モル
%、および一般式(3) 【化4】 (但し、X1,X2,X3は、各々同一または相異なり、
少なくとも一つは加水分解して水酸基へとなりうる基で
ある。)で示されるビニルシラン単量体単位1〜25モ
ル%とがランダムに配列した、数平均分子量が2,00
0〜200,000である含フッ素ビニルエーテル共重
合体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28221594A JP3485650B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 含フッ素ビニルエーテル共重合体 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134143A JPH08134143A (ja) | 1996-05-28 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP28221594A Expired - Fee Related JP3485650B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 含フッ素ビニルエーテル共重合体 |
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JP (1) | JP3485650B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4816986B1 (ja) * | 2010-09-06 | 2011-11-16 | Jsr株式会社 | 硬化性組成物および反射防止用積層体 |
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-
1994
- 1994-11-16 JP JP28221594A patent/JP3485650B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3083234A4 (en) * | 2013-12-19 | 2017-08-23 | 3M Innovative Properties Company | Multilayer composite article |
US10213993B2 (en) | 2013-12-19 | 2019-02-26 | 3M Innovative Properties Company | Multilayer composite article |
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