JP3467574B2 - 光磁気記録媒体及びデータの記録方法 - Google Patents
光磁気記録媒体及びデータの記録方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録/再生装置
に適応される光磁気ディスク,光磁気テープ,光磁気カ
ード等の光磁気記録媒体、及び、光磁気記録媒体に対す
るデータの記録方法に関するものである。
に適応される光磁気ディスク,光磁気テープ,光磁気カ
ード等の光磁気記録媒体、及び、光磁気記録媒体に対す
るデータの記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている3.5 インチ光磁気
ディスクは、半径24mm〜40mmの間に、1.6 μmピッチの
トラックを設け、円周方向に最小0.78μmのピットを書
くことにより、ディスク片面で約128 メガバイトの記録
容量を有しており、3.5 インチフロッピディスクの1枚
の記録容量は約1.3 メガバイトであるので、3.5 インチ
光磁気ディスク1枚でフロッピディスク100 枚分の記録
容量を有することができる。このように光磁気ディスク
は記録密度が非常に高い可換記録媒体である。
ディスクは、半径24mm〜40mmの間に、1.6 μmピッチの
トラックを設け、円周方向に最小0.78μmのピットを書
くことにより、ディスク片面で約128 メガバイトの記録
容量を有しており、3.5 インチフロッピディスクの1枚
の記録容量は約1.3 メガバイトであるので、3.5 インチ
光磁気ディスク1枚でフロッピディスク100 枚分の記録
容量を有することができる。このように光磁気ディスク
は記録密度が非常に高い可換記録媒体である。
【0003】このような光磁気ディスクにおいては、記
録された情報を不法に複写することの防止が必要であ
る。各光磁気ディスク毎に固有の番号(以下、メディア
IDという)を付けた媒体は、不法な複写の防止に役立
つ。しかしながら、このメディアIDの条件としては、
信号を容易に再生できる、受給者(ユーザ)側で消
去できない、ユーザが書換えを行えない、供給者側
で各媒体毎に異ならせて記録できる、外因によって自
然に消えてはいけない等がある。このような条件を満足
する方法として、非晶質磁性膜を用いた光磁気ディスク
の一部分を高温にて結晶化させ、結晶化させた部分と非
晶質の部分との違いによって1,0のデータを記録し
て、メディアIDを記録する方法がある。
録された情報を不法に複写することの防止が必要であ
る。各光磁気ディスク毎に固有の番号(以下、メディア
IDという)を付けた媒体は、不法な複写の防止に役立
つ。しかしながら、このメディアIDの条件としては、
信号を容易に再生できる、受給者(ユーザ)側で消
去できない、ユーザが書換えを行えない、供給者側
で各媒体毎に異ならせて記録できる、外因によって自
然に消えてはいけない等がある。このような条件を満足
する方法として、非晶質磁性膜を用いた光磁気ディスク
の一部分を高温にて結晶化させ、結晶化させた部分と非
晶質の部分との違いによって1,0のデータを記録し
て、メディアIDを記録する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法により、
高温にて結晶化させてメディアIDを形成した場合に
は、メディアID領域の信号出力レベルが結晶化してい
ない領域の信号出力レベルより低くて、メディアIDを
読み出せないことがあるという問題点がある。
高温にて結晶化させてメディアIDを形成した場合に
は、メディアID領域の信号出力レベルが結晶化してい
ない領域の信号出力レベルより低くて、メディアIDを
読み出せないことがあるという問題点がある。
【0005】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、光磁気記録媒体の供給者側でメディアIDを容
易に形成でき、光磁気記録媒体の受給者側での不法な複
写を防止することができる光磁気記録媒体及びデータの
記録方法を提供することを目的とする。
であり、光磁気記録媒体の供給者側でメディアIDを容
易に形成でき、光磁気記録媒体の受給者側での不法な複
写を防止することができる光磁気記録媒体及びデータの
記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、垂直な方向に磁化容易軸を有する磁性膜からなる第
1層と、非磁性膜からなる第2層と、垂直な方向に磁化
容易軸を有する磁性膜からなる第3層とをこの順に積層
してなり、第1層よりキュリー温度が高い第3層にその
媒体を特徴付けるデータを記録するようにしたことを特
徴とする。
は、垂直な方向に磁化容易軸を有する磁性膜からなる第
1層と、非磁性膜からなる第2層と、垂直な方向に磁化
容易軸を有する磁性膜からなる第3層とをこの順に積層
してなり、第1層よりキュリー温度が高い第3層にその
媒体を特徴付けるデータを記録するようにしたことを特
徴とする。
【0007】また、第1層の組成をTbX (FeY Co
100-Y )100-X ,第3層の組成をTbS (FeT Co
100-T )100-S とした場合、19≦X≦24,90≦Y≦100
,19≦S≦24,0≦T≦80であることを特徴とする。
また、第1層よりキュリー温度が高くて磁気光学効果が
大きい磁性膜を基板と第1層との間に設けてあることを
特徴とする。更に、この磁性膜の組成をGdW (FeC
o)100-W とした場合、21≦W≦27であることを特徴と
する。
100-Y )100-X ,第3層の組成をTbS (FeT Co
100-T )100-S とした場合、19≦X≦24,90≦Y≦100
,19≦S≦24,0≦T≦80であることを特徴とする。
また、第1層よりキュリー温度が高くて磁気光学効果が
大きい磁性膜を基板と第1層との間に設けてあることを
特徴とする。更に、この磁性膜の組成をGdW (FeC
o)100-W とした場合、21≦W≦27であることを特徴と
する。
【0008】図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の基
本構成を示す断面図であり、垂直な方向に磁化容易軸を
有する磁性膜からなる第1層1と、非磁性膜からなる第
2層2と、垂直な方向に磁化容易軸を有する磁性膜から
なる第3層3とを基板側からこの順に積層した構成をな
す。そして、第1層1のキュリー温度(Tc1)は、第
3層3のキュリー温度(Tc3)より低くなっており、
高パワーのレーザ光を用いて第3層3にメディアIDを
記録できるようになっている。図1に示す光磁気記録媒
体には、第3層3にメディアIDを記録するメディアI
D領域と、第1層1にユーザがデータを記録するユーザ
領域とが、区別されて存在する。なお、メディアID領
域にはユーザはデータを記録することができない。
本構成を示す断面図であり、垂直な方向に磁化容易軸を
有する磁性膜からなる第1層1と、非磁性膜からなる第
2層2と、垂直な方向に磁化容易軸を有する磁性膜から
なる第3層3とを基板側からこの順に積層した構成をな
す。そして、第1層1のキュリー温度(Tc1)は、第
3層3のキュリー温度(Tc3)より低くなっており、
高パワーのレーザ光を用いて第3層3にメディアIDを
記録できるようになっている。図1に示す光磁気記録媒
体には、第3層3にメディアIDを記録するメディアI
D領域と、第1層1にユーザがデータを記録するユーザ
領域とが、区別されて存在する。なお、メディアID領
域にはユーザはデータを記録することができない。
【0009】
【作用】本発明の光磁気記録媒体では、第1層1のキュ
リー温度(Tc1)を低くして、第3層3のキュリー温
度(Tc3)を高くしてある。よって、一般ユーザが使
用する低パワーのレーザ光を用いた光ディスククドライ
ブでは第1層1のみに情報を記録でき、第3層3には記
録できない。よって、供給者側が使用する高パワーのレ
ーザ光を用いた光ディスククドライブによってのみ第3
層3にメディアIDを記録できる。また、第1層1と第
3層3との間に非磁性膜からなる第2層2を介装してい
るので、第1層1と第3層3とが交換結合することはな
い。
リー温度(Tc1)を低くして、第3層3のキュリー温
度(Tc3)を高くしてある。よって、一般ユーザが使
用する低パワーのレーザ光を用いた光ディスククドライ
ブでは第1層1のみに情報を記録でき、第3層3には記
録できない。よって、供給者側が使用する高パワーのレ
ーザ光を用いた光ディスククドライブによってのみ第3
層3にメディアIDを記録できる。また、第1層1と第
3層3との間に非磁性膜からなる第2層2を介装してい
るので、第1層1と第3層3とが交換結合することはな
い。
【0010】以下、この本発明の光磁気記録媒体にてメ
ディアID形成の前述した諸条件を十分に満足すること
を、図1に示した光磁気記録媒体の磁化方向を示す図2
を参照して説明する。まず、全域のデータを消去して、
図2(a)に示すように、第1層1と第3層3との磁化
方向を何れも下向きとする。次いで、供給者(メーカ)
が高出力レーザを利用してメディアIDをメディアID
領域に記録する。このとき、図2(b)に示すように、
データ“1”が記録された部分は第1層1と第3層3と
の磁化方向が何れも上向きになる。ここで、通常の消去
処理を行って、図2(c)に示すように、第1層1の磁
化方向をすべて下向きとする。このとき、第3層3に記
録されたメディアIDは消去されない。そして、メディ
アID領域以外のユーザ領域にユーザ側で通常の記録処
理を行う。このとき、図2(d)に示すように、ユーザ
領域において、データ“1”が記録された部分の第1層
1の磁化方向が上向きとなるが、第3層3には記録され
ずにその磁化方向は下向きのままである。以上のように
すると、メディアID形成の前述した諸条件を満たすと
共に、メディアIDが記録されていてもユーザは通常の
記録及び再生を行える。
ディアID形成の前述した諸条件を十分に満足すること
を、図1に示した光磁気記録媒体の磁化方向を示す図2
を参照して説明する。まず、全域のデータを消去して、
図2(a)に示すように、第1層1と第3層3との磁化
方向を何れも下向きとする。次いで、供給者(メーカ)
が高出力レーザを利用してメディアIDをメディアID
領域に記録する。このとき、図2(b)に示すように、
データ“1”が記録された部分は第1層1と第3層3と
の磁化方向が何れも上向きになる。ここで、通常の消去
処理を行って、図2(c)に示すように、第1層1の磁
化方向をすべて下向きとする。このとき、第3層3に記
録されたメディアIDは消去されない。そして、メディ
アID領域以外のユーザ領域にユーザ側で通常の記録処
理を行う。このとき、図2(d)に示すように、ユーザ
領域において、データ“1”が記録された部分の第1層
1の磁化方向が上向きとなるが、第3層3には記録され
ずにその磁化方向は下向きのままである。以上のように
すると、メディアID形成の前述した諸条件を満たすと
共に、メディアIDが記録されていてもユーザは通常の
記録及び再生を行える。
【0011】また、基板と第1層との間に、第1層より
キュリー温度が高くて磁気光学効果が大きい磁性膜を備
えておくと、これがない場合と比較して、カー回転角が
大きくなって再生信号の出力を大きくできる。
キュリー温度が高くて磁気光学効果が大きい磁性膜を備
えておくと、これがない場合と比較して、カー回転角が
大きくなって再生信号の出力を大きくできる。
【0012】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて具体的に説明する。
いて具体的に説明する。
【0013】(第1実施例)図3は、本発明の光磁気記
録媒体の第1実施例の構成図であり、図中10は例えば1.
2 μmのトラックピッチを有するポリカーボネート製の
基板を示す。基板10には、SiNからなる保護膜11(膜
厚:70nm)、組成がTb20Fe75Co5 (キュリー温
度:160 ℃)である第1層1(膜厚:20nm)、SiN
からなる第2層2(膜厚:20nm)、組成がTb20Fe
65Co15(キュリー温度:220 ℃)である第3層3(膜
厚:30nm)、SiNからなる保護膜12(膜厚:100 n
m)がこの順に積層されている。
録媒体の第1実施例の構成図であり、図中10は例えば1.
2 μmのトラックピッチを有するポリカーボネート製の
基板を示す。基板10には、SiNからなる保護膜11(膜
厚:70nm)、組成がTb20Fe75Co5 (キュリー温
度:160 ℃)である第1層1(膜厚:20nm)、SiN
からなる第2層2(膜厚:20nm)、組成がTb20Fe
65Co15(キュリー温度:220 ℃)である第3層3(膜
厚:30nm)、SiNからなる保護膜12(膜厚:100 n
m)がこの順に積層されている。
【0014】次に、この光磁気記録媒体の製造工程につ
いて説明する。スパッタ装置内に、Tb20Fe75C
o5 ,Tb20Fe65Co15及びSiの各ターゲットと、
ポリカーボネート製の基板10とを準備し、スパッタ装置
のチャンバ内を5×10-5Paまで真空引きする。そし
て、以下の条件で基板10上に膜厚70nmのSiN層(保
護膜11)をDCスパッタ法にて成膜する。この保護膜11
は、各磁性層の酸化を防止する役割だけでなく、光磁気
信号を増大させる役割(所謂エンハンス効果)も有して
いる。 ガス圧:0.3 Pa スパッタガス:アルゴン, 窒素 分圧:アルゴン:窒素=6:4 投入電力:0.8 kW
いて説明する。スパッタ装置内に、Tb20Fe75C
o5 ,Tb20Fe65Co15及びSiの各ターゲットと、
ポリカーボネート製の基板10とを準備し、スパッタ装置
のチャンバ内を5×10-5Paまで真空引きする。そし
て、以下の条件で基板10上に膜厚70nmのSiN層(保
護膜11)をDCスパッタ法にて成膜する。この保護膜11
は、各磁性層の酸化を防止する役割だけでなく、光磁気
信号を増大させる役割(所謂エンハンス効果)も有して
いる。 ガス圧:0.3 Pa スパッタガス:アルゴン, 窒素 分圧:アルゴン:窒素=6:4 投入電力:0.8 kW
【0015】次に、チャンバ内を再び5×10-5Paまで
真空引きし、以下に示す条件で、このSiN層(保護膜
11)の上に厚さ20nmのTb20Fe75Co5 層(第1層
1)を成膜する。 ガス圧:0.5 Pa スパッタガス:アルゴン 投入
電力:1kW
真空引きし、以下に示す条件で、このSiN層(保護膜
11)の上に厚さ20nmのTb20Fe75Co5 層(第1層
1)を成膜する。 ガス圧:0.5 Pa スパッタガス:アルゴン 投入
電力:1kW
【0016】次に、連続して上述した条件で、このTb
20Fe75Co5 層(第1層1)の上に厚さ20nmのSi
N層(第2層2)をDCスパッタ法にて成膜する。
20Fe75Co5 層(第1層1)の上に厚さ20nmのSi
N層(第2層2)をDCスパッタ法にて成膜する。
【0017】次に、チャンバ内を再び5×10-5Paまで
真空引きし、上述したTb20Fe75Co5 層と同じ条件
で、このSiN層(第2層2)の上に厚さ30nmのTb
20Fe65Co15層(第3層3)をDCスパッタ法にて成
膜する。
真空引きし、上述したTb20Fe75Co5 層と同じ条件
で、このSiN層(第2層2)の上に厚さ30nmのTb
20Fe65Co15層(第3層3)をDCスパッタ法にて成
膜する。
【0018】最後に、連続して上述した条件で、このT
b20Fe65Co15層(第3層3)の上に厚さ100 nmの
SiN層(保護膜12)をDCスパッタ法にて成膜する。
このSiN層(保護膜12)は各磁性膜を酸化から防止す
る役割を有する。
b20Fe65Co15層(第3層3)の上に厚さ100 nmの
SiN層(保護膜12)をDCスパッタ法にて成膜する。
このSiN層(保護膜12)は各磁性膜を酸化から防止す
る役割を有する。
【0019】このような光磁気記録媒体の記録特性を調
べた。ここで用いるレーザ光の波長は780 μmである。
まず、パワー15mWのレーザ光により光磁気記録媒体の
全面を消去した。次に、パワー14mWのレーザ光によ
り、0.78μmのマーク(マークピッチは1.56μm)を第
1層1と第3層3とに記録した。次に、パワー7mWの
レーザ光により第1層1の記録データを消去した。この
ときの光磁気信号出力は49dBであった。次に、パワー
6mWのレーザ光により、0.78μmのマーク(マークピ
ッチは1.56μm)を第1層1に記録した。この際、レー
ザ光のパワーが低いので、第3層3は消去状態である。
このときの光磁気信号出力も49dBであった。
べた。ここで用いるレーザ光の波長は780 μmである。
まず、パワー15mWのレーザ光により光磁気記録媒体の
全面を消去した。次に、パワー14mWのレーザ光によ
り、0.78μmのマーク(マークピッチは1.56μm)を第
1層1と第3層3とに記録した。次に、パワー7mWの
レーザ光により第1層1の記録データを消去した。この
ときの光磁気信号出力は49dBであった。次に、パワー
6mWのレーザ光により、0.78μmのマーク(マークピ
ッチは1.56μm)を第1層1に記録した。この際、レー
ザ光のパワーが低いので、第3層3は消去状態である。
このときの光磁気信号出力も49dBであった。
【0020】つまり、第1層1に記録したデータに対し
ても第3層3に記録したデータに対しても同一の出力
(49dB)が得られた。また、通常の低パワーのレーザ
光を用いるディスクドライブの最高出力であるパワー11
mWでは、第3層3のデータが消去されることはなかっ
た。
ても第3層3に記録したデータに対しても同一の出力
(49dB)が得られた。また、通常の低パワーのレーザ
光を用いるディスクドライブの最高出力であるパワー11
mWでは、第3層3のデータが消去されることはなかっ
た。
【0021】以上のことから、本実施例の光磁気記録媒
体はメディアID形成の条件を備えていることがわか
る。
体はメディアID形成の条件を備えていることがわか
る。
【0022】ここで、請求項2に記載した本発明の光磁
気記録媒体における第1層1及び第3層3の組成につい
て説明する。
気記録媒体における第1層1及び第3層3の組成につい
て説明する。
【0023】 第1層1の組成
上述の実施例において、第2層2(SiN)及び第3層
3(Tb20Fe65Co 15)は同じとして、第1層1の組
成をTbX (FeY Co100-Y )100-X としてこのX及
びYの値を変化させて種々の光磁気記録媒体を作製し
た。室温において大きな保磁力を示す組成は19≦X≦24
であった。次に、X=20に固定してYの値を変化させた
場合のDC消去パワーの関係を調べた。その結果を図4
に示す。図4に示す特性から分かるように、Yが90より
小さくなると、第1層1を消去するために比較的大きな
パワーを必要とするので、ユーザ側にて小さなパワーに
て消去が可能となるように、Yの値は90以上が好まし
い。
3(Tb20Fe65Co 15)は同じとして、第1層1の組
成をTbX (FeY Co100-Y )100-X としてこのX及
びYの値を変化させて種々の光磁気記録媒体を作製し
た。室温において大きな保磁力を示す組成は19≦X≦24
であった。次に、X=20に固定してYの値を変化させた
場合のDC消去パワーの関係を調べた。その結果を図4
に示す。図4に示す特性から分かるように、Yが90より
小さくなると、第1層1を消去するために比較的大きな
パワーを必要とするので、ユーザ側にて小さなパワーに
て消去が可能となるように、Yの値は90以上が好まし
い。
【0024】 第3層3の組成
上述の実施例において、第1層1(Tb20Fe75C
o5 )及び第2層2(SiN)は同じとして、第3層3
の組成をTbS (FeT Co100-T )100-S としてこの
S及びTの値を変化させて種々の光磁気記録媒体を作製
した。第1層1の場合と同様に、室温において大きな保
磁力を示す組成は19≦S≦24であった。次に、S=20に
固定してTの値を変化させた場合のDC消去パワーの関
係を調べた。その結果を図5に示す。図5に示す特性か
ら分かるように、Tの値を80より大きくすると比較的小
さなパワーにて消去が可能であるので、ユーザ側にて小
さなパワーでは消去ができないように、Tの値は80以下
が好ましい。
o5 )及び第2層2(SiN)は同じとして、第3層3
の組成をTbS (FeT Co100-T )100-S としてこの
S及びTの値を変化させて種々の光磁気記録媒体を作製
した。第1層1の場合と同様に、室温において大きな保
磁力を示す組成は19≦S≦24であった。次に、S=20に
固定してTの値を変化させた場合のDC消去パワーの関
係を調べた。その結果を図5に示す。図5に示す特性か
ら分かるように、Tの値を80より大きくすると比較的小
さなパワーにて消去が可能であるので、ユーザ側にて小
さなパワーでは消去ができないように、Tの値は80以下
が好ましい。
【0025】(第2実施例)図6は、本発明の光磁気記
録媒体の第2実施例の構成図であり、図3と同一部分に
は同一番号を付している。ポリカーボネート製の基板10
には、SiNからなる保護膜11(膜厚:70nm)、組成
がGd20Fe54Co26(キュリー温度:360℃)である
磁化層21(膜厚:5nm)、組成がTb20Fe75Co5
(キュリー温度:160 ℃)である第1層1(膜厚:20n
m)、SiNからなる第2層2(膜厚:20nm)、組成
がTb20Fe65Co15(キュリー温度:220 ℃)である
第3層3(膜厚:30nm)、SiNからなる保護膜12
(膜厚:100 nm)がこの順に積層されている。
録媒体の第2実施例の構成図であり、図3と同一部分に
は同一番号を付している。ポリカーボネート製の基板10
には、SiNからなる保護膜11(膜厚:70nm)、組成
がGd20Fe54Co26(キュリー温度:360℃)である
磁化層21(膜厚:5nm)、組成がTb20Fe75Co5
(キュリー温度:160 ℃)である第1層1(膜厚:20n
m)、SiNからなる第2層2(膜厚:20nm)、組成
がTb20Fe65Co15(キュリー温度:220 ℃)である
第3層3(膜厚:30nm)、SiNからなる保護膜12
(膜厚:100 nm)がこの順に積層されている。
【0026】なお、この6層膜構成をなす第2実施例の
光磁気記録媒体も、前述の5層膜構成をなす第1実施例
の光磁気記録媒体と同様の工程にて製造可能である。
光磁気記録媒体も、前述の5層膜構成をなす第1実施例
の光磁気記録媒体と同様の工程にて製造可能である。
【0027】第2実施例では、光磁気効果(カー回転角
効果)が大きい磁化層21を更に備えているので、第1実
施例に比べて再生信号出力を大きくすることが可能であ
る。そして、この第2実施例の光磁気記録媒体に対し
て、前述の第1実施例の光磁気記録媒体と同様に記録特
性を調べると、第3層3にメディアIDを記録した場合
にも、また、第1層1のみにデータを記録した場合に
も、何れも信号出力52dBを得ることができた。
効果)が大きい磁化層21を更に備えているので、第1実
施例に比べて再生信号出力を大きくすることが可能であ
る。そして、この第2実施例の光磁気記録媒体に対し
て、前述の第1実施例の光磁気記録媒体と同様に記録特
性を調べると、第3層3にメディアIDを記録した場合
にも、また、第1層1のみにデータを記録した場合に
も、何れも信号出力52dBを得ることができた。
【0028】ここで、請求項4に記載した本発明の光磁
気記録媒体における磁化層21の組成について説明する。
磁化層21がGd,Fe及びCoの合金から構成される場
合、カー回転角はFeとCoとの組成比には無関係であ
った。そこで、磁化層21の組成をGdW (FeCo)
100-W として、Wの値を変化させてカー回転角との関係
を求めた。この結果を図7に示す。図7の特性から分か
るように、大きなカー回転角を得るためには、21≦W≦
27とすることが好ましい。
気記録媒体における磁化層21の組成について説明する。
磁化層21がGd,Fe及びCoの合金から構成される場
合、カー回転角はFeとCoとの組成比には無関係であ
った。そこで、磁化層21の組成をGdW (FeCo)
100-W として、Wの値を変化させてカー回転角との関係
を求めた。この結果を図7に示す。図7の特性から分か
るように、大きなカー回転角を得るためには、21≦W≦
27とすることが好ましい。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の光磁気記録媒体
では、キュリー温度が低い第1層,非磁性体の第2層及
びキュリー温度が高い第3層の積層構造としたので、光
磁気記録媒体の供給者側でメディアIDを第3層に容易
に形成でき、光磁気記録媒体の受給者側での不法な複写
を防止することが可能となる。
では、キュリー温度が低い第1層,非磁性体の第2層及
びキュリー温度が高い第3層の積層構造としたので、光
磁気記録媒体の供給者側でメディアIDを第3層に容易
に形成でき、光磁気記録媒体の受給者側での不法な複写
を防止することが可能となる。
【0030】上述した構成に加えて、更に、第1層の上
に、第1層よりキュリー温度が高くて磁気光学効果が大
きい磁性膜を備えておくので、再生信号の出力をより大
きくできる。
に、第1層よりキュリー温度が高くて磁気光学効果が大
きい磁性膜を備えておくので、再生信号の出力をより大
きくできる。
【図1】本発明の光磁気記録媒体の基本構成図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体における第1層及び第
3層の磁化方向を示す図である。
3層の磁化方向を示す図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の第1実施例の構成図
である。
である。
【図4】本発明の光磁気記録媒体における第1層の組成
と消去パワーとの関係を示すグラフである。
と消去パワーとの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の光磁気記録媒体における第3層の組成
と消去パワーとの関係を示すグラフである。
と消去パワーとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の光磁気記録媒体の第2実施例の構成図
である。
である。
【図7】本発明の光磁気記録媒体における磁性層の組成
とカー回転角との関係を示すグラフである。
とカー回転角との関係を示すグラフである。
1 第1層(Tb20Fe75Co5 )
2 第2層(SiN)
3 第3層(Tb20Fe65Co15)
10 基板(ポリカーボネート)
11 保護膜(SiN)
12 保護膜(SiN)
21 磁性層(Gd20Fe54Co26)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G11B 11/105
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上に第1層,第2層及び第3層がこ
の順に積層され、前記第1層及び第3層は層面に垂直な
方向に磁化容易軸を有する磁性膜であり、前記第2層は
非磁性膜であり、前記第1層及び第3層のキュリー温度
をそれぞれTc1,Tc3としたときにTc1<Tc3
の関係があり、一般ユーザが使用する光ディスクドライ
ブのレーザ光のパワーで前記第1層は記録ができるが前
記第3層は記録ができない光磁気記録媒体において、第
1パワーのレーザ光を用いて前記第3層にその媒体を特
徴付ける特徴データを記録する第1記録領域と、前記第
1パワーより小さい第2パワーのレーザ光を用いて前記
第1層に前記特徴データ以外のデータを記録する第2記
録領域とを有することを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記第1層及び第3層は構成材料として
Tb,Fe及びCoを含んでおり、前記第1層の組成を
Tb X (Fe Y Co 100-Y ) 100-X とした場合、19≦X
≦24,90≦Y≦100 であり、前記第3層の組成をTb S
(Fe T Co 100-T ) 100-S とした場合、19≦S≦24,
0≦T≦80であることを特徴とする請求項1記載の光磁
気記録媒体。 - 【請求項3】 前記第1層よりキュリー温度が高くて磁
気光学効果が大きい磁性膜を前記基板と前記第1層との
間に設けてあることを特徴とする請求項1記載の光磁気
記録媒体。 - 【請求項4】 前記磁性膜は構成材料としてGd,Fe
及びCoを含んでおり、前記磁性膜の組成をGd W (F
eCo) 100-W とした場合、21≦W≦27であることを特
徴とする請求項3記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項5】 基板上に第1層,第2層及び第3層がこ
の順に積層され、前記第1層及び第3層は層面に垂直な
方向に磁化容易軸を有する磁性膜であり、前記第2層は
非磁性膜であり、前記第3層のキュリー温度が前記第1
層のキュリー温度より高い光磁気記録媒体へデータを記
録する方法において、第1パワーのレーザ光を用いて、
前記光磁気記録媒体を特徴付ける特徴データを前記光磁
気記録媒体の所定領域の前記第1層及び第3層に記録
し、前記第1層に記録された前記特徴データを前記第1
パワーより小さい第2パワーのレーザ光を用いて消去す
る ことを特徴とするデータの記録方法。 - 【請求項6】 基板上に第1層,第2層及び第3層がこ
の順に積層され、前記第1層及び第3層は層面に垂直な
方向に磁化容易軸を有する磁性膜であり、前記第2層は
非磁性膜であり、前記第3層のキュリー温度が前記第1
層のキュリー温度より高い光磁気記録媒体へデータを記
録する方法において、第1パワーのレーザ光を用いて、
前記光磁気記録媒体を特徴付ける特徴データを前記光磁
気記録媒体の第1記録領域の前記第1層及び第3層に記
録し、前記第1層に記録された前記特徴データを前記第
1パワーより小さい第2パワーのレーザ光を用いて消去
し、前記第1記録領域とは異なる第2記録領域の前記第
1層に、前記第2パワーのレーザ光を用いて前記特徴デ
ータ以外のデータを記録することを特徴とするデータの
記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30651394A JP3467574B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 光磁気記録媒体及びデータの記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30651394A JP3467574B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 光磁気記録媒体及びデータの記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08167184A JPH08167184A (ja) | 1996-06-25 |
JP3467574B2 true JP3467574B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=17957937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30651394A Expired - Fee Related JP3467574B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 光磁気記録媒体及びデータの記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3467574B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP30651394A patent/JP3467574B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08167184A (ja) | 1996-06-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030408 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030805 |
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