JP3465727B2 - 導電性又は半導電性樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents
導電性又は半導電性樹脂成形体及びその製造方法Info
- Publication number
- JP3465727B2 JP3465727B2 JP15621695A JP15621695A JP3465727B2 JP 3465727 B2 JP3465727 B2 JP 3465727B2 JP 15621695 A JP15621695 A JP 15621695A JP 15621695 A JP15621695 A JP 15621695A JP 3465727 B2 JP3465727 B2 JP 3465727B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- polyaniline
- conductive
- solution
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアニリンと他の高
分子材料とのポリマーブレンドからなる成形体の表面に
含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を有し、導電性又は
半導電性性(以下、(半)導電性という。)を有すると
共に、固体表面エネルギーが小さい樹脂成形体とその製
造方法に関する。
分子材料とのポリマーブレンドからなる成形体の表面に
含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を有し、導電性又は
半導電性性(以下、(半)導電性という。)を有すると
共に、固体表面エネルギーが小さい樹脂成形体とその製
造方法に関する。
【0002】このような(半)導電性樹脂成形体は、例
えば、電磁シールド材、静電吸着フィルム、帯電防止
材、画像形成装置部品、電子デバイス等において好適に
用いることができる。
えば、電磁シールド材、静電吸着フィルム、帯電防止
材、画像形成装置部品、電子デバイス等において好適に
用いることができる。
【0003】
【従来の技術】従来、高分子材料を(半)導電性とする
方法として、カーボン、カーボン繊維、グラファイト、
金属粒子、金属酸化物粒子等の導電性充填材を高分子材
料中に分散させる方法が知られている。また、導電性高
分子であるポリアニリンを他の高分子材料と複合させ
て、(半)導電性材料を製造する方法も知られている
(特開平4−63865号公報) 。
方法として、カーボン、カーボン繊維、グラファイト、
金属粒子、金属酸化物粒子等の導電性充填材を高分子材
料中に分散させる方法が知られている。また、導電性高
分子であるポリアニリンを他の高分子材料と複合させ
て、(半)導電性材料を製造する方法も知られている
(特開平4−63865号公報) 。
【0004】これらの(半)導電性材料を種々の技術分
野において利用するに際して、表面の低表面エネルギー
性が要求される場合がある。例えば、電子写真複写機の
中間転写体や感光体等に用いられる(半)導電性材料
は、トナーを次工程部へ転写させる必要があり、また、
次の使用の前までに部品上の残留トナーを完全に除去す
る必要があり、これらのために、成形体の表面エネルギ
ーが低いことが要求される。
野において利用するに際して、表面の低表面エネルギー
性が要求される場合がある。例えば、電子写真複写機の
中間転写体や感光体等に用いられる(半)導電性材料
は、トナーを次工程部へ転写させる必要があり、また、
次の使用の前までに部品上の残留トナーを完全に除去す
る必要があり、これらのために、成形体の表面エネルギ
ーが低いことが要求される。
【0005】従来、樹脂成形体において、このような低
表面エネルギー性を得るために、ポリフッ化ビニリデ
ン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフ
ッ素系樹脂をマトリックスポリマーとして用いて、これ
にカーボン等の導電性充填材を分散させる方法が知られ
ている(特開平6−228335号公報、特開平6−2
40145号公報等)。
表面エネルギー性を得るために、ポリフッ化ビニリデ
ン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフ
ッ素系樹脂をマトリックスポリマーとして用いて、これ
にカーボン等の導電性充填材を分散させる方法が知られ
ている(特開平6−228335号公報、特開平6−2
40145号公報等)。
【0006】しかし、このようなフッ素系樹脂をマトリ
ックスポリマーとしてなる樹脂成形体によれば、これに
高電圧を繰り返して、又は長時間にわたって印加すると
き、成形体の体積抵抗率や表面抵抗が低下する問題があ
る。これは、フッ素系樹脂が表面エネルギーが小さく、
隣接しているカーボン等の導電性充填材を拘束する力が
小さいために、成形体への上述したような高電圧の印加
によって、カーボン等の導電性充填材が成形体内を移動
して通電パスを形成し、かくして、形成された通電パス
は、高電圧を解除してもそのままであり、その結果、高
分子材料自身の体積抵抗率や表面抵抗の抵抗値が低下し
たままとなってしまうのである。
ックスポリマーとしてなる樹脂成形体によれば、これに
高電圧を繰り返して、又は長時間にわたって印加すると
き、成形体の体積抵抗率や表面抵抗が低下する問題があ
る。これは、フッ素系樹脂が表面エネルギーが小さく、
隣接しているカーボン等の導電性充填材を拘束する力が
小さいために、成形体への上述したような高電圧の印加
によって、カーボン等の導電性充填材が成形体内を移動
して通電パスを形成し、かくして、形成された通電パス
は、高電圧を解除してもそのままであり、その結果、高
分子材料自身の体積抵抗率や表面抵抗の抵抗値が低下し
たままとなってしまうのである。
【0007】そのうえ、カーボン等の導電性充填材を高
分子マトリックス中へ分散させる方法によれば、所要の
体積抵抗率や表面抵抗を再現性よく、しかも、均一に付
与することは困難である。
分子マトリックス中へ分散させる方法によれば、所要の
体積抵抗率や表面抵抗を再現性よく、しかも、均一に付
与することは困難である。
【0008】他方、前述したように、導電性高分子であ
るポリアニリンを他の高分子材料と複合させる方法(特
開平4−63865号公報) によれば、カーボン等の導
電性充填材を高分子マトリックス中へ分散させる方法に
比べて、精度よく、しかも、均一に所要の体積抵抗率と
表面抵抗を得ることができる。しかしながら、この方法
では、ポリアニリンと共にマトリックス材料を有機溶剤
に溶解させる必要がある。一般に、フッ素系樹脂は有機
溶剤に不溶であるので、この方法によって、低表面エネ
ルギー性の(半)導電性材料を得ることは困難である。
るポリアニリンを他の高分子材料と複合させる方法(特
開平4−63865号公報) によれば、カーボン等の導
電性充填材を高分子マトリックス中へ分散させる方法に
比べて、精度よく、しかも、均一に所要の体積抵抗率と
表面抵抗を得ることができる。しかしながら、この方法
では、ポリアニリンと共にマトリックス材料を有機溶剤
に溶解させる必要がある。一般に、フッ素系樹脂は有機
溶剤に不溶であるので、この方法によって、低表面エネ
ルギー性の(半)導電性材料を得ることは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の
(半)導電性樹脂成形体における上述したような問題を
解決するためになされたものであって、(半)導電性を
有すると共に、表面エネルギーが小さく、しかも、繰り
返して、又は長時間にわたって、高電圧を印加しても、
体積抵抗率や表面抵抗の低下が極めて小さい(半)導電
性樹脂成形体とその製造方法を提供することを目的とす
る。
(半)導電性樹脂成形体における上述したような問題を
解決するためになされたものであって、(半)導電性を
有すると共に、表面エネルギーが小さく、しかも、繰り
返して、又は長時間にわたって、高電圧を印加しても、
体積抵抗率や表面抵抗の低下が極めて小さい(半)導電
性樹脂成形体とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による(半)導電
性樹脂成形体は、脱ドープ又はドープ状態のポリアニリ
ンと他の高分子材料とのポリマーブレンドからなる成形
体の表面に含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を有し、
表面の純水接触角が90゜以上であることを特徴とす
る。
性樹脂成形体は、脱ドープ又はドープ状態のポリアニリ
ンと他の高分子材料とのポリマーブレンドからなる成形
体の表面に含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を有し、
表面の純水接触角が90゜以上であることを特徴とす
る。
【0011】本発明によるこのような(半)導電性樹脂
成形体は、脱ドープ状態のポリアニリンと他の高分子材
料を共に有機溶剤に溶解し、得られた溶液から溶剤を除
去して、脱ドープ状態のポリアニリンと高分子材料とか
らなるポリマーブレンドを調製し、これを成形して得ら
れた成形体の表面に含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜
を形成することによって得ることができる。
成形体は、脱ドープ状態のポリアニリンと他の高分子材
料を共に有機溶剤に溶解し、得られた溶液から溶剤を除
去して、脱ドープ状態のポリアニリンと高分子材料とか
らなるポリマーブレンドを調製し、これを成形して得ら
れた成形体の表面に含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜
を形成することによって得ることができる。
【0012】本発明によれば、このようなポリマーブレ
ンドからなる樹脂成形体において、ポリアニリンの割合
は、0.1〜99重量%の範囲であることが好ましい。
ンドからなる樹脂成形体において、ポリアニリンの割合
は、0.1〜99重量%の範囲であることが好ましい。
【0013】ポリアニリンと他の高分子材料とのポリマ
ーブレンドからなる成形体は、特に、限定されるもので
はないが、例えば、次のような方法によって得ることが
できる。
ーブレンドからなる成形体は、特に、限定されるもので
はないが、例えば、次のような方法によって得ることが
できる。
【0014】即ち、適宜の有機溶媒中にポリアニリンと
他の高分子材料を溶解させて溶液を調製し、この溶液か
ら有機溶媒を除去して、ポリアニリンと他の高分子材料
とからなるポリマーブレンドを調製し、これを所要の形
状に成形すれば、目的とする成形体を得ることができ
る。ここに、他の高分子材料は、ポリアニリンのための
マトリックスを形成するものであり、マトリックスポリ
マーということがある。
他の高分子材料を溶解させて溶液を調製し、この溶液か
ら有機溶媒を除去して、ポリアニリンと他の高分子材料
とからなるポリマーブレンドを調製し、これを所要の形
状に成形すれば、目的とする成形体を得ることができ
る。ここに、他の高分子材料は、ポリアニリンのための
マトリックスを形成するものであり、マトリックスポリ
マーということがある。
【0015】しかし、本発明によれば、脱ドープ状態の
ポリアニリンと他の高分子材料を共に有機溶剤に溶解
し、得られた溶液を適宜の基材上にキャスティングし、
溶剤を除去することによって、脱ドープ状態のポリアニ
リンと高分子材料とのポリマーブレンドからなるフィル
ムを成形体として直ちに得ることができる。また、上記
脱ドープ状態のポリアニリンと他の高分子材料との溶液
を管状の基材の内面に塗布し、溶剤を除去することによ
って、脱ドープ状態のポリアニリンと高分子材料とのポ
リマーブレンドからなる管状の成形体、即ち、チューブ
を成形体として直ちに得ることができる。
ポリアニリンと他の高分子材料を共に有機溶剤に溶解
し、得られた溶液を適宜の基材上にキャスティングし、
溶剤を除去することによって、脱ドープ状態のポリアニ
リンと高分子材料とのポリマーブレンドからなるフィル
ムを成形体として直ちに得ることができる。また、上記
脱ドープ状態のポリアニリンと他の高分子材料との溶液
を管状の基材の内面に塗布し、溶剤を除去することによ
って、脱ドープ状態のポリアニリンと高分子材料とのポ
リマーブレンドからなる管状の成形体、即ち、チューブ
を成形体として直ちに得ることができる。
【0016】一般に、ポリアニリンは、これにドーピン
グすることによって高い電導性を発現するが、脱ドープ
状態においても、一般の高分子材料に比べるとき、低い
抵抗値を有している。従って、ドーピング状態のポリア
ニリンのみならず、脱ドープ状態のポリアニリンを用い
ても、半導電性を有するポリマーブレンドを得ることが
できる。このようなポリマーブレンドからなる成形体に
おけるポリアニリンをドーピングすることによって、更
に、低い体積抵抗率を示す(半)導電性樹脂成形体を得
ることができる。
グすることによって高い電導性を発現するが、脱ドープ
状態においても、一般の高分子材料に比べるとき、低い
抵抗値を有している。従って、ドーピング状態のポリア
ニリンのみならず、脱ドープ状態のポリアニリンを用い
ても、半導電性を有するポリマーブレンドを得ることが
できる。このようなポリマーブレンドからなる成形体に
おけるポリアニリンをドーピングすることによって、更
に、低い体積抵抗率を示す(半)導電性樹脂成形体を得
ることができる。
【0017】得られた成形体における脱ドープ状態のポ
リアニリンをドーピングするには、例えば、特開平4−
63865号公報に記載されているように、ドーパント
を含む溶液に浸漬し、又はドーパントを含む蒸気に成形
体を曝す方法、特開平5−247203号公報や特開平
5−247204号公報に記載されているように、ドー
パントと酸化剤を含む溶液に成形体を浸漬する方法等に
よることができる。更に、別の方法として、脱ドープ状
態のポリアニリンと他の高分子材料との溶液に予めドー
パントを溶解させておき、このような溶液を用いて、直
ちに、ドーピングされたポリアニリンを含むポリマーブ
レンドからなる成形体を得ることができる。この際、特
開平3−28229号公報に記載されているように、脱
ドープ状態のポリアニリンと他の高分子材料との溶液
に、例えば、トリエチルアミンのような塩基性物質をド
ーパントと共に加える方法も、好適に用いることができ
る。
リアニリンをドーピングするには、例えば、特開平4−
63865号公報に記載されているように、ドーパント
を含む溶液に浸漬し、又はドーパントを含む蒸気に成形
体を曝す方法、特開平5−247203号公報や特開平
5−247204号公報に記載されているように、ドー
パントと酸化剤を含む溶液に成形体を浸漬する方法等に
よることができる。更に、別の方法として、脱ドープ状
態のポリアニリンと他の高分子材料との溶液に予めドー
パントを溶解させておき、このような溶液を用いて、直
ちに、ドーピングされたポリアニリンを含むポリマーブ
レンドからなる成形体を得ることができる。この際、特
開平3−28229号公報に記載されているように、脱
ドープ状態のポリアニリンと他の高分子材料との溶液
に、例えば、トリエチルアミンのような塩基性物質をド
ーパントと共に加える方法も、好適に用いることができ
る。
【0018】本発明による方法において、ポリマーブレ
ンドを調製するための他の高分子材料、即ち、マトリッ
クスポリマーとしては、ポリアニリンを溶解できる有機
溶媒に溶解し得るポリマーであれば、特に限定されない
が、ポリアニリンとの相浴性や機械強度の面から、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド又はポリアミ
ドイミドが好ましく、なかでも、特に、ポリイミドが好
ましい。
ンドを調製するための他の高分子材料、即ち、マトリッ
クスポリマーとしては、ポリアニリンを溶解できる有機
溶媒に溶解し得るポリマーであれば、特に限定されない
が、ポリアニリンとの相浴性や機械強度の面から、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド又はポリアミ
ドイミドが好ましく、なかでも、特に、ポリイミドが好
ましい。
【0019】ポリイミドとポリアニリンとのポリマーブ
レンドを調製する方法としては、ポリイミド前駆体であ
るポリアミド酸を用いる方法を好ましく用いることがで
きる。この方法によれば、ポリアニリンとポリアミド酸
と、必要に応じて、ポリアニリンをドーピングして、導
電性とすることができるドーパントを含む溶液を調製
し、この溶液から溶剤を除去した後に、又は除去すると
同時に、ポリアミド酸をイミド化するものである。
レンドを調製する方法としては、ポリイミド前駆体であ
るポリアミド酸を用いる方法を好ましく用いることがで
きる。この方法によれば、ポリアニリンとポリアミド酸
と、必要に応じて、ポリアニリンをドーピングして、導
電性とすることができるドーパントを含む溶液を調製
し、この溶液から溶剤を除去した後に、又は除去すると
同時に、ポリアミド酸をイミド化するものである。
【0020】ポリアミド酸は、既に知られているよう
に、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミ
ンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶
液状態で反応させることによって、溶液として得ること
ができる。従って、ポリアミド酸は、ポリイミドの前駆
体として調製されるものであって、このようなポリアミ
ド酸を加熱することによって、不溶不融のポリイミドを
形成する。
に、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミ
ンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶
液状態で反応させることによって、溶液として得ること
ができる。従って、ポリアミド酸は、ポリイミドの前駆
体として調製されるものであって、このようなポリアミ
ド酸を加熱することによって、不溶不融のポリイミドを
形成する。
【0021】本発明によれば、このようなポリアミド酸
として、特に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香
族ジアミンとの反応によって得られるポリアミド酸が好
ましく用いられる。
として、特に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香
族ジアミンとの反応によって得られるポリアミド酸が好
ましく用いられる。
【0022】本発明によれば、上述したようにして、ポ
リアミド酸の溶液を調製し、別に、脱ドープ状態のポリ
アニリンの溶液か、又は脱ドープ状態のポリアニリンと
このポリアニリンをドーピングして導電性とすることが
できるドーパントを含む溶液を調製し、これらの溶液を
混合して、製膜溶液とし、これを適宜の基材、例えば、
ガラス、金属、樹脂等からなるシートの表面や、又はガ
ラス、金属、樹脂等からなる管状の基材の外表面又は内
表面上にキャスティングし、乾燥させ、加熱し、ポリア
ミド酸をイミド化することによって、ポリイミドとポリ
アニリンとのポリマーブレンドからなる(半)導電性樹
脂のフィルムやチューブを得ることができる。
リアミド酸の溶液を調製し、別に、脱ドープ状態のポリ
アニリンの溶液か、又は脱ドープ状態のポリアニリンと
このポリアニリンをドーピングして導電性とすることが
できるドーパントを含む溶液を調製し、これらの溶液を
混合して、製膜溶液とし、これを適宜の基材、例えば、
ガラス、金属、樹脂等からなるシートの表面や、又はガ
ラス、金属、樹脂等からなる管状の基材の外表面又は内
表面上にキャスティングし、乾燥させ、加熱し、ポリア
ミド酸をイミド化することによって、ポリイミドとポリ
アニリンとのポリマーブレンドからなる(半)導電性樹
脂のフィルムやチューブを得ることができる。
【0023】脱ドープ状態のポリアニリンを用いる場合
は、成形体を調製した後、必要に応じて、成形体をドー
パントの溶液に浸漬する等して、ポリアニリンをドーピ
ングしてもよい。
は、成形体を調製した後、必要に応じて、成形体をドー
パントの溶液に浸漬する等して、ポリアニリンをドーピ
ングしてもよい。
【0024】ポリアミド酸の調製において、上記芳香族
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で
用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で
用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
【0025】上記芳香族ジアミンとしては、例えば、4,
4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンチ
ジン、3,3'−ジメトキシベンチジン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフイ
ド、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等
を挙げることができる。これらも、単独で用いられても
よく、また、複数が併用されてもよい。
4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンチ
ジン、3,3'−ジメトキシベンチジン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフイ
ド、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等
を挙げることができる。これらも、単独で用いられても
よく、また、複数が併用されてもよい。
【0026】また、上記有機極性溶媒としては、例え
ば、N−メチル−2−ピリリドン、N,N'−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホス
ホルトリアミド等を挙げることができる。これらの有機
極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノー
ル、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素類等を混合することができ
る。これらの溶剤も、単独で、又は2種以上の混合物と
して用いられる。
ば、N−メチル−2−ピリリドン、N,N'−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホス
ホルトリアミド等を挙げることができる。これらの有機
極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノー
ル、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素類等を混合することができ
る。これらの溶剤も、単独で、又は2種以上の混合物と
して用いられる。
【0027】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳
香族ジアミンを上記溶媒中で溶液状態で反応させて、ポ
リアミド酸の溶液を得る際の有機溶媒中での上記無水物
とジアミンとからなる原料量の濃度は、通常、5〜30
重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。用
いる無水物とジアミンとにもよるが、通常、80℃以
下、好ましくは、5〜50℃の範囲の温度で約2〜10
時間反応させることによって、ポリアミド酸を溶液とし
て得ることができる。
香族ジアミンを上記溶媒中で溶液状態で反応させて、ポ
リアミド酸の溶液を得る際の有機溶媒中での上記無水物
とジアミンとからなる原料量の濃度は、通常、5〜30
重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。用
いる無水物とジアミンとにもよるが、通常、80℃以
下、好ましくは、5〜50℃の範囲の温度で約2〜10
時間反応させることによって、ポリアミド酸を溶液とし
て得ることができる。
【0028】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンとを溶液状態で反応させるとき、反応の進行と
共に、溶液の粘度が上昇するが、本発明においては、温
度30℃にてN−メチル−2−ピドリドン溶液として測
定した固有粘度が0.5以上のポリアミド酸溶液を調製
し、これを用いることが好ましい。このように、固有粘
度が0.5以上のポリアミド酸溶液を用いることによっ
て、機械強度の信頼性がすぐれるシートを得ることがで
きる。
ジアミンとを溶液状態で反応させるとき、反応の進行と
共に、溶液の粘度が上昇するが、本発明においては、温
度30℃にてN−メチル−2−ピドリドン溶液として測
定した固有粘度が0.5以上のポリアミド酸溶液を調製
し、これを用いることが好ましい。このように、固有粘
度が0.5以上のポリアミド酸溶液を用いることによっ
て、機械強度の信頼性がすぐれるシートを得ることがで
きる。
【0029】本発明において用いるポリアニリンは、一
般式(I)
般式(I)
【0030】
【化1】
【0031】(式中、m及びnはそれぞれ繰り返し単位
中のキノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構
造単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m
+n=1である。)で表されるキノンジイミン構造単位
及びフェニレンジアミン構造単位を主たる繰り返し単位
として有し、脱トープ状態において溶剤に可溶性のポリ
アニリンである。以下、このようなポリアミドをキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンというこ
とがある。このようなポリアニリンの性質と製造につい
ては、特開平3−28229号公報に詳細に記載されて
いる。
中のキノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構
造単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m
+n=1である。)で表されるキノンジイミン構造単位
及びフェニレンジアミン構造単位を主たる繰り返し単位
として有し、脱トープ状態において溶剤に可溶性のポリ
アニリンである。以下、このようなポリアミドをキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンというこ
とがある。このようなポリアニリンの性質と製造につい
ては、特開平3−28229号公報に詳細に記載されて
いる。
【0032】特に、本発明において用いるポリアニリン
は、特開平3−28229号公報に記載されているよう
に、脱ドープ状態において457.9nmの波長の光で励
起して得られるレーザー・ラマンスペクトルにおけるパ
ラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600cm-1よりも
高波数にあらわれる骨格延伸振動のラマン線の強度Ia
と1600cm-1よりも低波数にあらわれる骨格延伸振動
のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上であるこ
とが好ましい。更に、本発明において用いるポリアニリ
ンは、N−メチルピロリドン中、30℃で測定した極限
粘度〔η〕が0.40dl/g以上であることが好ましい。
かかるレーザー・ラマンスペクトル特性を有するポリア
ニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に記載さ
れているように、従来より知られているポリアニリンに
比べて、高分子量であり、溶剤可溶性である点で区別さ
れ、更に、構造的にも区別され得る。
は、特開平3−28229号公報に記載されているよう
に、脱ドープ状態において457.9nmの波長の光で励
起して得られるレーザー・ラマンスペクトルにおけるパ
ラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600cm-1よりも
高波数にあらわれる骨格延伸振動のラマン線の強度Ia
と1600cm-1よりも低波数にあらわれる骨格延伸振動
のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上であるこ
とが好ましい。更に、本発明において用いるポリアニリ
ンは、N−メチルピロリドン中、30℃で測定した極限
粘度〔η〕が0.40dl/g以上であることが好ましい。
かかるレーザー・ラマンスペクトル特性を有するポリア
ニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に記載さ
れているように、従来より知られているポリアニリンに
比べて、高分子量であり、溶剤可溶性である点で区別さ
れ、更に、構造的にも区別され得る。
【0033】本発明において用いる上記キノンジイミン
・フェニレンジアミン型ポリアニリンであって、脱ドー
プ状態において有機溶剤に可溶性であり、所定の極限粘
度と前述したレーザー・ラマンスペクトル特性を有する
ポリアニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に
記載されているように、酸解離定数 pKa値が3.0以下で
あるプロトン酸の存在下に溶剤中にてアニリンに温度を
5℃以下、好ましくは0℃以下の温度を保持しつつ、標
準水素電極を基準とする還元半電池反応における起電力
として定められる標準電極電位が0.6V以上である酸化
剤の水溶液をアニリン1モル当たりに、酸化剤の1モル
を、酸化剤1分子を還元するのに必要な電子数で割った
量として定義される当量で、2当量以上、好ましくは2
〜2.5当量徐々に加えて、上記プロトン酸にてドープさ
れたアニリンの酸化重合体(以下、ドープされたポリア
ニリンという。)を生成させ、次いで、このドープされ
たポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすること
によって得ることができる。
・フェニレンジアミン型ポリアニリンであって、脱ドー
プ状態において有機溶剤に可溶性であり、所定の極限粘
度と前述したレーザー・ラマンスペクトル特性を有する
ポリアニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に
記載されているように、酸解離定数 pKa値が3.0以下で
あるプロトン酸の存在下に溶剤中にてアニリンに温度を
5℃以下、好ましくは0℃以下の温度を保持しつつ、標
準水素電極を基準とする還元半電池反応における起電力
として定められる標準電極電位が0.6V以上である酸化
剤の水溶液をアニリン1モル当たりに、酸化剤の1モル
を、酸化剤1分子を還元するのに必要な電子数で割った
量として定義される当量で、2当量以上、好ましくは2
〜2.5当量徐々に加えて、上記プロトン酸にてドープさ
れたアニリンの酸化重合体(以下、ドープされたポリア
ニリンという。)を生成させ、次いで、このドープされ
たポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすること
によって得ることができる。
【0034】このように、プロトン酸の存在下にアニリ
ンを酸化重合して、ドープ状態のポリアニリンを得、次
いで、このポリアニリンを脱ドープして得られるポリア
ニリンは、高分子量を有し、しかも、種々の有機溶剤に
溶解する。かかる有機溶剤としては、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N −ジメチルアセトアミド、N,N −ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等を挙げるこ
とができる。このような脱ドープ状態のポリアニリンの
溶解度は、ポリアニリンの平均分子量や溶剤にもよる
が、重合体の0.5〜100%が溶解し、1〜30重量%
の溶液を得ることができる。本発明において用いるこの
ような脱ドープ状態のポリアニリンは、それ自体が半導
電性を有する。
ンを酸化重合して、ドープ状態のポリアニリンを得、次
いで、このポリアニリンを脱ドープして得られるポリア
ニリンは、高分子量を有し、しかも、種々の有機溶剤に
溶解する。かかる有機溶剤としては、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N −ジメチルアセトアミド、N,N −ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等を挙げるこ
とができる。このような脱ドープ状態のポリアニリンの
溶解度は、ポリアニリンの平均分子量や溶剤にもよる
が、重合体の0.5〜100%が溶解し、1〜30重量%
の溶液を得ることができる。本発明において用いるこの
ような脱ドープ状態のポリアニリンは、それ自体が半導
電性を有する。
【0035】本発明において、ポリアニリンをドーピン
グして、導電性とするためのドーパントとしては、プロ
トン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとし
て好ましいプロトン酸は、酸溶解定数 pKa値が4.8以下
であるプロトン酸である。そのようなプロトン酸とし
て、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水
素酸、リンフッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸のほか、
酸溶解定数 pKa値が4.8以下である有機酸を挙げること
ができる。
グして、導電性とするためのドーパントとしては、プロ
トン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとし
て好ましいプロトン酸は、酸溶解定数 pKa値が4.8以下
であるプロトン酸である。そのようなプロトン酸とし
て、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水
素酸、リンフッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸のほか、
酸溶解定数 pKa値が4.8以下である有機酸を挙げること
ができる。
【0036】本発明において用いる有機酸は、例えば、
有機カルボン酸又はフェノール類であって、好ましく
は、酸解離定数 pKa値が4.8以下であるものである。こ
のような有機酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪
族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このような有機
酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基等を有していてもよい。従って、かかる有機酸の具体
例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオ
ロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢
酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、ア
セチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸、ギ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安
息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o
−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジ
ニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安
息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チ
モールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o
−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェ
ノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフ
ェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブル
ー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コ
ハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリ
コール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N'
−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N' −四酢酸等を
挙げることができる。
有機カルボン酸又はフェノール類であって、好ましく
は、酸解離定数 pKa値が4.8以下であるものである。こ
のような有機酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪
族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このような有機
酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基等を有していてもよい。従って、かかる有機酸の具体
例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオ
ロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢
酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、ア
セチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸、ギ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安
息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o
−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジ
ニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安
息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チ
モールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o
−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェ
ノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフ
ェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブル
ー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コ
ハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリ
コール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N'
−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N' −四酢酸等を
挙げることができる。
【0037】また、有機酸は、スルホン酸又は硫酸基を
有するものであつてもよい。このような有機酸として
は、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル
酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫
酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンス
ルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホ
ン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン
酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1
−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼン
スルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベン
ゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチ
ルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、
ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン
酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタ
デシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン
酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼン
スルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフ
タレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブ
チルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホ
ン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタ
レンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニ
ルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン
酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタ
レンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、
オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレ
ンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロ
ピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホ
ン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナ
フタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン
酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、ト
リエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレ
ンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カン
フアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホ
ン酸等を挙げることができる。
有するものであつてもよい。このような有機酸として
は、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル
酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫
酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンス
ルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホ
ン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン
酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1
−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼン
スルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベン
ゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチ
ルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、
ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン
酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタ
デシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン
酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼン
スルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフ
タレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブ
チルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホ
ン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタ
レンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニ
ルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン
酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタ
レンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、
オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレ
ンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロ
ピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホ
ン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナ
フタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン
酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、ト
リエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレ
ンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カン
フアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホ
ン酸等を挙げることができる。
【0038】また、本発明においては、分子内に2つ以
上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用い
ることができる。このような多官能有機スルホン酸とし
ては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホ
ン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘ
キサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタン
ジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン
酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、
トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、
プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスル
ホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベン
ゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、
ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジス
ルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナ
フタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン
酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタ
レンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、
オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジ
スルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチ
ルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジス
ルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレ
ントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アン
トラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、
フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン
酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジス
ルホン酸、ビフエニルジスルホン酸、ターフェニルジス
ルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン
酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホル
マリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合
物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙
げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置
は任意である。
上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用い
ることができる。このような多官能有機スルホン酸とし
ては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホ
ン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘ
キサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタン
ジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン
酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、
トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、
プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスル
ホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベン
ゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、
ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジス
ルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナ
フタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン
酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタ
レンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、
オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジ
スルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチ
ルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジス
ルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレ
ントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アン
トラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、
フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン
酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジス
ルホン酸、ビフエニルジスルホン酸、ターフェニルジス
ルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン
酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホル
マリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合
物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙
げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置
は任意である。
【0039】更に、本発明において、有機酸はポリマー
酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例
えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリス
チレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン
酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレン
スルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核ス
ルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフイ
オン(米国デユポン社登録商標)として知られている含
フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例
えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリス
チレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン
酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレン
スルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核ス
ルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフイ
オン(米国デユポン社登録商標)として知られている含
フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
【0040】このようなプロトン酸は、前記一般式
(I)で表わされるポリアニリンのキノンジイミン構造
のイミン窒素へのプロトン化によって、ポリアニリンを
導電性とする。通常、前述したように、アニリンを溶液
中で酸化重合して得られる前記一般式(I)で表わされ
るキノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリ
ンにおいては、式中、mとnの値はほぼ相等しい。
(I)で表わされるポリアニリンのキノンジイミン構造
のイミン窒素へのプロトン化によって、ポリアニリンを
導電性とする。通常、前述したように、アニリンを溶液
中で酸化重合して得られる前記一般式(I)で表わされ
るキノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリ
ンにおいては、式中、mとnの値はほぼ相等しい。
【0041】このように、キノンジイミン・フェニレン
ジアミン型のポリアニリンは、キノンジイミン構造を多
く有するので、プロトン酸によるドーピングによって、
高導電性を有するポリアニリンを与える。本発明におい
ては、式
ジアミン型のポリアニリンは、キノンジイミン構造を多
く有するので、プロトン酸によるドーピングによって、
高導電性を有するポリアニリンを与える。本発明におい
ては、式
【0042】
【化2】
【0043】で表わされるイミノ−p−フェニレン構造
単位を主たる繰返し単位として有する溶剤可溶性のポリ
アニリン(以下、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンということがある。)は、上記キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型のポリアニリンに比べて、種々の有
機溶剤に一層よく溶解するので、上記キノンジイミン・
フェニレンジアミン型のポリアニリンと共に、又は上記
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
に代えて、用いることができる。
単位を主たる繰返し単位として有する溶剤可溶性のポリ
アニリン(以下、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンということがある。)は、上記キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型のポリアニリンに比べて、種々の有
機溶剤に一層よく溶解するので、上記キノンジイミン・
フェニレンジアミン型のポリアニリンと共に、又は上記
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
に代えて、用いることができる。
【0044】このようなイミノ−p−フェニレン型のポ
リアニリンは、特開平3−52929号公報に記載され
ているように、前記キノンジイミン・フェニレンジアミ
ン型のポリアニリンを還元剤にて還元することによって
得ることができる。本発明においては、このようなイミ
ノ−p−フェニレン型のポリアニリンも、N−メチルピ
ロリドン中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.40
dl/g以上であることが好ましい。
リアニリンは、特開平3−52929号公報に記載され
ているように、前記キノンジイミン・フェニレンジアミ
ン型のポリアニリンを還元剤にて還元することによって
得ることができる。本発明においては、このようなイミ
ノ−p−フェニレン型のポリアニリンも、N−メチルピ
ロリドン中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.40
dl/g以上であることが好ましい。
【0045】上記還元剤としては、フェニルヒドラジ
ン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム
アルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化
金属化合物等が好適に用いられる。還元反応後に残渣を
生じないので、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジ
ンが還元剤として特に好ましく用いられる。
ン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム
アルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化
金属化合物等が好適に用いられる。還元反応後に残渣を
生じないので、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジ
ンが還元剤として特に好ましく用いられる。
【0046】このようなイミノ−p−フェニレン型のポ
リアニリンを用いるときは、これを含むポリマーブレン
ドからなる成形体を空気酸化して、キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型のポリアニリンとしてもよいが、し
かし、ドーパントとして、電子受容体を好ましく用いる
ことができる。このような電子受容体としては、有機及
び無機電子受容体のいずれも用いることができる。本発
明において、好ましく用いられる有機電子受容体は、一
般式(III) Q−(A)p (III) (式中、Qは、
リアニリンを用いるときは、これを含むポリマーブレン
ドからなる成形体を空気酸化して、キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型のポリアニリンとしてもよいが、し
かし、ドーパントとして、電子受容体を好ましく用いる
ことができる。このような電子受容体としては、有機及
び無機電子受容体のいずれも用いることができる。本発
明において、好ましく用いられる有機電子受容体は、一
般式(III) Q−(A)p (III) (式中、Qは、
【0047】
【化3】
【0048】で表わされるキノン骨格、
【0049】
【化4】
【0050】(式中、Rはアルキル基を示し、sは1〜
4の整数である。)で表わされるキノジメタン骨格、
4の整数である。)で表わされるキノジメタン骨格、
【0051】
【化5】
【0052】で表わされるナフトキノジメタン骨格、又
は >C=C< で表わされるエチレン骨格を示し、Aは、相互に異なつ
ていてもよい一価の電子吸引性基を示し、pは1〜4の
整数である。)で表わされる。
は >C=C< で表わされるエチレン骨格を示し、Aは、相互に異なつ
ていてもよい一価の電子吸引性基を示し、pは1〜4の
整数である。)で表わされる。
【0053】上記において、電子吸引性基は、好ましく
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニト
ロ基又はトリフルオロメチル基である。
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニト
ロ基又はトリフルオロメチル基である。
【0054】従って、かかる電子受容体の具体例として
は、例えば、テトラクロロ−p−ベンゾキノン(クロラ
ニル)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾ
キノン、テトラブロモ−p−ベンゾキノン、テトラフル
オロ−p−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノ
ジメタン(TCNQ)、2−メチル−7,7,8,8−テトラ
シアノキノジメタン、2,5−ジメチル−7,7,8,8−テト
ラシアノキノジメタン、11, 11,12,12−テトラシアノ−
2,6−ナフトキノジメタン、テトラシアノエチレン、2,
5−ジニトロベンゾキノン、2−トリフルオロメチル−
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等を挙げることが
できる。
は、例えば、テトラクロロ−p−ベンゾキノン(クロラ
ニル)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾ
キノン、テトラブロモ−p−ベンゾキノン、テトラフル
オロ−p−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノ
ジメタン(TCNQ)、2−メチル−7,7,8,8−テトラ
シアノキノジメタン、2,5−ジメチル−7,7,8,8−テト
ラシアノキノジメタン、11, 11,12,12−テトラシアノ−
2,6−ナフトキノジメタン、テトラシアノエチレン、2,
5−ジニトロベンゾキノン、2−トリフルオロメチル−
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン等を挙げることが
できる。
【0055】無機電子受容体としては、本発明において
は、標準水素電極を基準とし、還元半電池反応の起電力
として定義される標準電極電位が−0.80V以上である
ものが好ましく用いられる。具体例としては(括弧内に
標準電極電位(E0)(CRCHandbook of Chemistry an
d Physics, 68th ed. (CRC Press), D151-D158によ
る。)を示す。)、例えば、塩化水銀(II)(0.92
V)、塩化鉄(III)(0.77V)、塩化アンチモン
(V)(0.75V)、ヨウ素(0.5355V)、ヘキサ
シアノ鉄(III)カリウム(0.358V)、塩化ルテニウ
ム(III)(0.2487V)、塩化銅(II)(0.153
V)、塩化スズ(IV)(0.15V)、塩化鉛(II)
(−0.126V)、塩化バナジウム(III)(−0.255
V)、塩化コバルト(II)(−0.28V)、塩化亜鉛
(II)(−0.7618V)等を挙げることができる。
は、標準水素電極を基準とし、還元半電池反応の起電力
として定義される標準電極電位が−0.80V以上である
ものが好ましく用いられる。具体例としては(括弧内に
標準電極電位(E0)(CRCHandbook of Chemistry an
d Physics, 68th ed. (CRC Press), D151-D158によ
る。)を示す。)、例えば、塩化水銀(II)(0.92
V)、塩化鉄(III)(0.77V)、塩化アンチモン
(V)(0.75V)、ヨウ素(0.5355V)、ヘキサ
シアノ鉄(III)カリウム(0.358V)、塩化ルテニウ
ム(III)(0.2487V)、塩化銅(II)(0.153
V)、塩化スズ(IV)(0.15V)、塩化鉛(II)
(−0.126V)、塩化バナジウム(III)(−0.255
V)、塩化コバルト(II)(−0.28V)、塩化亜鉛
(II)(−0.7618V)等を挙げることができる。
【0056】ドーパントとして、このように電子受容体
を用いる場合、ポリアニリンのドーピングは、酸化ドー
ピングによるものである。
を用いる場合、ポリアニリンのドーピングは、酸化ドー
ピングによるものである。
【0057】更に、本発明によれば、特開平5−247
203号公報や特開平5−247204号公報に記載さ
れているように、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンをプロトン酸、特に、有機酸と酸化剤とによって、
酸化ドーピングしてもよい。酸化剤としては、例えば、
過酸化水素やベンゾキノンのようなキノン系酸化剤を好
ましい具体例として挙げることができる。
203号公報や特開平5−247204号公報に記載さ
れているように、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンをプロトン酸、特に、有機酸と酸化剤とによって、
酸化ドーピングしてもよい。酸化剤としては、例えば、
過酸化水素やベンゾキノンのようなキノン系酸化剤を好
ましい具体例として挙げることができる。
【0058】本発明において、成形体の表面に皮膜を形
成する方法については、特に、限定されるものではな
く、例えば、フッ素樹脂皮膜を形成するには、テフロン
(登録商標、デュポン社 )のコーティング材やルミフロ
ン (旭硝子(株)) のようなフッ素樹脂塗料を成形体の
表面にコーティングすればよい。また、シリコーンから
なる皮膜を形成するには、例えば、縮合反応型や付加反
応型のシリコーンを触媒と共に有機溶剤に溶解して成形
体上にコーティングし、熱硬化させればよい。縮合反応
型や付加反応型のシリコーンも既によく知られており、
市販品として入手することができる。ここに、上記コー
ティング方法としては、スプレー法、デイッピング法、
スピンコート法等を挙げることができる。
成する方法については、特に、限定されるものではな
く、例えば、フッ素樹脂皮膜を形成するには、テフロン
(登録商標、デュポン社 )のコーティング材やルミフロ
ン (旭硝子(株)) のようなフッ素樹脂塗料を成形体の
表面にコーティングすればよい。また、シリコーンから
なる皮膜を形成するには、例えば、縮合反応型や付加反
応型のシリコーンを触媒と共に有機溶剤に溶解して成形
体上にコーティングし、熱硬化させればよい。縮合反応
型や付加反応型のシリコーンも既によく知られており、
市販品として入手することができる。ここに、上記コー
ティング方法としては、スプレー法、デイッピング法、
スピンコート法等を挙げることができる。
【0059】このような皮膜の形成に際して、熱処理を
要する場合には、熱処理温度が高ければ、ポリアニリン
が熱によって劣化し、ポリアニリンの導電性や機械強度
が劣化するので、熱処理温度は、好ましくは、300℃
以下、より好ましくは、200℃以下である。
要する場合には、熱処理温度が高ければ、ポリアニリン
が熱によって劣化し、ポリアニリンの導電性や機械強度
が劣化するので、熱処理温度は、好ましくは、300℃
以下、より好ましくは、200℃以下である。
【0060】本発明による樹脂成形体の形状は特に限定
されるものではなく、平板状、シート状、チューブ状等
任意である。また、成形体の表面に形成される含フッ素
樹脂又はシリコーン樹脂の皮膜層は、成形体の表面の全
面にわたってもよく、或いは一部であってもよい。
されるものではなく、平板状、シート状、チューブ状等
任意である。また、成形体の表面に形成される含フッ素
樹脂又はシリコーン樹脂の皮膜層は、成形体の表面の全
面にわたってもよく、或いは一部であってもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、脱ドー
プ状態又はドープ状態のポリアニリンとマトリックス高
分子材料とのポリマーブレンドからなる成形体の表面に
含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を形成することによ
って、(半)導電性を有すると共に、表面エネルギーが
小さい(半)導電性樹脂成形体を得ることができる。
プ状態又はドープ状態のポリアニリンとマトリックス高
分子材料とのポリマーブレンドからなる成形体の表面に
含フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を形成することによ
って、(半)導電性を有すると共に、表面エネルギーが
小さい(半)導電性樹脂成形体を得ることができる。
【0062】本発明によるこのような(半)導電性樹脂
成形体は、これに繰り返して、又は長期間にわたって、
高電圧を印加しても、成形体の体積抵抗率や表面抵抗の
低下が極めて小さく、かくして、本発明による成形体
は、画像形成装置部品をはじめ、電磁シールド材、静電
吸着用フィルム、帯電防止材、電子デバイス等において
好適に用いることができる。
成形体は、これに繰り返して、又は長期間にわたって、
高電圧を印加しても、成形体の体積抵抗率や表面抵抗の
低下が極めて小さく、かくして、本発明による成形体
は、画像形成装置部品をはじめ、電磁シールド材、静電
吸着用フィルム、帯電防止材、電子デバイス等において
好適に用いることができる。
【0063】
【実施例】以下に参考例と共に実施例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定され
るものではない。
説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定され
るものではない。
【0064】参考例1
(アニリンの酸化重合によるドープ状態のポリアニリン
の製造)攪拌装置、温度計及び直管アダプターを備えた
10リットル容量セパラブル・フラスコに蒸留水600
0g、36%塩酸360ml及びアニリン400g(4.
295モル)をこの順序にて仕込み、アニリンを溶解さ
せた。別に、氷水にて冷却しながら、ビーカー中の蒸留
水1493gに97%濃硫酸434g(4.295モル)
を加え、混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水
溶液を上記セパラブル・フラスコに加え、フラスコ全体
を低温恒温槽にて−4℃まで冷却した。次に、ビーカー
中にて蒸留水2293gにペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム980g(4.295モル)を加え、溶解させて、酸化
剤水溶液を調製した。
の製造)攪拌装置、温度計及び直管アダプターを備えた
10リットル容量セパラブル・フラスコに蒸留水600
0g、36%塩酸360ml及びアニリン400g(4.
295モル)をこの順序にて仕込み、アニリンを溶解さ
せた。別に、氷水にて冷却しながら、ビーカー中の蒸留
水1493gに97%濃硫酸434g(4.295モル)
を加え、混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水
溶液を上記セパラブル・フラスコに加え、フラスコ全体
を低温恒温槽にて−4℃まで冷却した。次に、ビーカー
中にて蒸留水2293gにペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム980g(4.295モル)を加え、溶解させて、酸化
剤水溶液を調製した。
【0065】フラスコ全体を低温恒温槽で冷却して、反
応混合物の温度を−3℃以下に保持しつつ、攪拌下にア
ニリン塩の酸性水溶液に、チュービングポンプを用い
て、直管アダプターから上記ペルオキソ二硫酸アンモニ
ウム水溶液を1ml/分以下の割合にて徐々に滴下し
た。最初、無色透明の溶液は、重合の進行に伴って緑青
色から黒緑色となり、次いで、黒緑色の粉末が析出し
た。
応混合物の温度を−3℃以下に保持しつつ、攪拌下にア
ニリン塩の酸性水溶液に、チュービングポンプを用い
て、直管アダプターから上記ペルオキソ二硫酸アンモニ
ウム水溶液を1ml/分以下の割合にて徐々に滴下し
た。最初、無色透明の溶液は、重合の進行に伴って緑青
色から黒緑色となり、次いで、黒緑色の粉末が析出し
た。
【0066】この粉末析出時に反応混合物において温度
の上昇がみられるが、反応系内の温度を−3℃以下に抑
えた。かくして、7時間を要して、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム水溶液の滴下を終了した後、更に1時間、−
3℃以下の温度にて攪拌を続けた。得られた粉末を濾別
し、水洗、アセトン洗浄し、室温で真空乾燥して、硫酸
にてドープされた導電性ポリアニリン430gを黒緑色
の粉末として得た。
の上昇がみられるが、反応系内の温度を−3℃以下に抑
えた。かくして、7時間を要して、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム水溶液の滴下を終了した後、更に1時間、−
3℃以下の温度にて攪拌を続けた。得られた粉末を濾別
し、水洗、アセトン洗浄し、室温で真空乾燥して、硫酸
にてドープされた導電性ポリアニリン430gを黒緑色
の粉末として得た。
【0067】(ドープ状態の導電性ポリアニリンのアン
モニアによる脱ドーピング)上記ドープ状態の導電性ポ
リアニリン粉末350gを2Nアンモニア水4リットル
中に加え、オートホモミキサーにて回転数5000rp
mにて5時間攪拌した。混合物は、黒緑色から青紫色に
変化した。ブフナー漏斗にて粉末を濾別し、ビーカー中
に攪拌しながら、蒸留水にて濾液が中性になるまで繰り
返し洗浄し、続いて、濾液が無色になるまでアセトンに
て洗浄した。この後、粉末を室温にて10時間真空乾燥
して、黒褐色の脱ドープされたポリアニリン粉末280
gを得た。
モニアによる脱ドーピング)上記ドープ状態の導電性ポ
リアニリン粉末350gを2Nアンモニア水4リットル
中に加え、オートホモミキサーにて回転数5000rp
mにて5時間攪拌した。混合物は、黒緑色から青紫色に
変化した。ブフナー漏斗にて粉末を濾別し、ビーカー中
に攪拌しながら、蒸留水にて濾液が中性になるまで繰り
返し洗浄し、続いて、濾液が無色になるまでアセトンに
て洗浄した。この後、粉末を室温にて10時間真空乾燥
して、黒褐色の脱ドープされたポリアニリン粉末280
gを得た。
【0068】参考例2
(ポリイミド前駆体溶液Aの調製)3,3',4,4' −ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミ
ンのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリドン溶
液(濃度20重量%)中で温度20〜60℃で12時間
反応させて、粘度1000ポイズ(温度25℃、B型粘
度計での測定値)、固定粘度2.1のポリアミド酸溶液を
調製した。
ニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミ
ンのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリドン溶
液(濃度20重量%)中で温度20〜60℃で12時間
反応させて、粘度1000ポイズ(温度25℃、B型粘
度計での測定値)、固定粘度2.1のポリアミド酸溶液を
調製した。
【0069】(ポリイミド前駆体溶液Bの調製)ピロメ
リット酸二無水物と3,3',4,4' −ジアミノジフェニルエ
ーテルのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリド
ン溶液(濃度20重量%)中で温度5〜20℃で10時
間反応させて、粘度2000ポイズ(温度25℃、B型
粘度計での測定値)、固有粘度2.5のポリアミド酸溶液
を調製した。
リット酸二無水物と3,3',4,4' −ジアミノジフェニルエ
ーテルのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリド
ン溶液(濃度20重量%)中で温度5〜20℃で10時
間反応させて、粘度2000ポイズ(温度25℃、B型
粘度計での測定値)、固有粘度2.5のポリアミド酸溶液
を調製した。
【0070】実施例1
N−メチル−2−ピロリドン180gにフェニルヒドラ
ジン2.98g を溶解させ、次いで、参考例1にて得られ
たポリアニリン粉末20gをこれに溶解させて、10重
量%濃度のポリアニリン溶液を得た。別に、ポリアミド
樹脂 (ユニチカ(株)製CX−3000) 20gをN−
メチル−2−ピロリドン180gに溶解させ、10重量
%濃度のポリアミド溶液を得た。
ジン2.98g を溶解させ、次いで、参考例1にて得られ
たポリアニリン粉末20gをこれに溶解させて、10重
量%濃度のポリアニリン溶液を得た。別に、ポリアミド
樹脂 (ユニチカ(株)製CX−3000) 20gをN−
メチル−2−ピロリドン180gに溶解させ、10重量
%濃度のポリアミド溶液を得た。
【0071】これらの溶液を混合して、ポリアニリンと
ポリアミドとの混合溶液を調製した。この溶液をガラス
板上にキャスティングし、150℃で30分間、加熱し
て、N−メチル−2−ピロリドンを除去して、ポリアニ
リン/ポリアミド(重量比1/1) のポリマーブレンド
からなるフィルム(厚さ約50μm)を得た。このフィ
ルムの体積抵抗率は5.7×109 Ω・cmであった。
ポリアミドとの混合溶液を調製した。この溶液をガラス
板上にキャスティングし、150℃で30分間、加熱し
て、N−メチル−2−ピロリドンを除去して、ポリアニ
リン/ポリアミド(重量比1/1) のポリマーブレンド
からなるフィルム(厚さ約50μm)を得た。このフィ
ルムの体積抵抗率は5.7×109 Ω・cmであった。
【0072】フッ素樹脂塗料(旭硝子(株)製LF40
0) をトルエンで10倍に希釈し、これに上記ポリアニ
リン/ポリアミドのポリマーブレンドからなるフィルム
を浸漬した後、150℃で10分間、加熱処理して、フ
ィルムの表面に厚さ約2μmのフッ素樹脂皮膜を形成し
た。このようにして、表面にフツ素樹脂の皮膜を有する
フィルムの体積抵抗率は1.1×1010Ω・cmであり、
純水接触角は92°であった。
0) をトルエンで10倍に希釈し、これに上記ポリアニ
リン/ポリアミドのポリマーブレンドからなるフィルム
を浸漬した後、150℃で10分間、加熱処理して、フ
ィルムの表面に厚さ約2μmのフッ素樹脂皮膜を形成し
た。このようにして、表面にフツ素樹脂の皮膜を有する
フィルムの体積抵抗率は1.1×1010Ω・cmであり、
純水接触角は92°であった。
【0073】実施例2
p−ベンゾキノン5.0gをエタノール95.0gに溶解し
て、5重量%濃度のp−ベンゾキノンのエタノール溶液
を調製した。別に、ポリビニルスルホン酸20gを蒸留
水80gに溶解させ、20重量%濃度のポリビニルスル
ホン酸水溶液を調製した。こさらの溶液を混合し、ドー
ピング溶液を調製した。
て、5重量%濃度のp−ベンゾキノンのエタノール溶液
を調製した。別に、ポリビニルスルホン酸20gを蒸留
水80gに溶解させ、20重量%濃度のポリビニルスル
ホン酸水溶液を調製した。こさらの溶液を混合し、ドー
ピング溶液を調製した。
【0074】このドーピング溶液に実施例1にて調製し
たポリアニリン/ポリアミドのポリマーブレンドからな
るフィルムを2時間浸漬して、ドーピング処理を施し
た。ドーピング処理後のフィルムの体積抵抗率は6.9×
10-2Ω・cmであった。このドーピング処理したフィ
ルムを実施例1と同様にフツ素樹脂コーテイングして、
表面に2μmの厚さのフッ素樹脂皮膜を形成した。この
フィルムの体積抵抗率は8.6×10-1Ω・cmであり、
純水接触角は91°であった。
たポリアニリン/ポリアミドのポリマーブレンドからな
るフィルムを2時間浸漬して、ドーピング処理を施し
た。ドーピング処理後のフィルムの体積抵抗率は6.9×
10-2Ω・cmであった。このドーピング処理したフィ
ルムを実施例1と同様にフツ素樹脂コーテイングして、
表面に2μmの厚さのフッ素樹脂皮膜を形成した。この
フィルムの体積抵抗率は8.6×10-1Ω・cmであり、
純水接触角は91°であった。
【0075】実施例3
実施例1にて得られた10重量%濃度のポリアニリン溶
液202.98gと参考例2にて得られたポリイミド前駆
体溶液100gとを混合し、ポリアニリンとポリイミド
前駆体とからなる混合溶液を得た。この混合溶液を管状
の基材の内面に塗布し、150℃で20分、200℃で
20分、250℃で20分、最後に300℃で20分処
理して、溶剤除去とイミド化を行なった後、基材から離
型して、ポリアニリン/ポリイミド(重量比1/1)の
ポリマーブレンドからなる厚さ60μm、直径100m
m、長さ500mmのチューブを得た。このチューブの
体積抵抗率は8.1×109 Ω・cm、表面抵抗は1.0×
1011Ω/□であった。また、純水接触角は75°であ
った。
液202.98gと参考例2にて得られたポリイミド前駆
体溶液100gとを混合し、ポリアニリンとポリイミド
前駆体とからなる混合溶液を得た。この混合溶液を管状
の基材の内面に塗布し、150℃で20分、200℃で
20分、250℃で20分、最後に300℃で20分処
理して、溶剤除去とイミド化を行なった後、基材から離
型して、ポリアニリン/ポリイミド(重量比1/1)の
ポリマーブレンドからなる厚さ60μm、直径100m
m、長さ500mmのチューブを得た。このチューブの
体積抵抗率は8.1×109 Ω・cm、表面抵抗は1.0×
1011Ω/□であった。また、純水接触角は75°であ
った。
【0076】付加型のシリコーン(信越シリコーン
(株)製KS−774)に白金型触媒を適量添加し、ト
ルエンで10倍に希釈して、シリコーン塗布液を調製し
た。上記ポリアニリン/ポリイミドのポリマーブレンド
からなるチューブの外側表面にスプレーガンで上記シリ
コーン塗布液を吹き付け、150℃で10分間、熱処理
し、シリコーンを硬化させて、ポリアニリン/ポリイミ
ドのポリマーブレンドからなるチューブ外側表面にの
み、厚さ約1μmのシリコーン皮膜を形成させた。
(株)製KS−774)に白金型触媒を適量添加し、ト
ルエンで10倍に希釈して、シリコーン塗布液を調製し
た。上記ポリアニリン/ポリイミドのポリマーブレンド
からなるチューブの外側表面にスプレーガンで上記シリ
コーン塗布液を吹き付け、150℃で10分間、熱処理
し、シリコーンを硬化させて、ポリアニリン/ポリイミ
ドのポリマーブレンドからなるチューブ外側表面にの
み、厚さ約1μmのシリコーン皮膜を形成させた。
【0077】このチューブの体積抵抗率は1.3×1010
Ω・cm、シリコーン皮膜を有する表面の表面抵抗は5.
1×1011Ω/□であった。また、このチューブのシリ
コーンコート皮膜を有する表面の純水接触角は108°
であった。このシリコーン皮膜を形成したポリアニリン
/ポリイミドのポリマーブレンドからなるチューブの厚
さ方向に500Vを30秒間印加する操作を100回繰
り返した後、体積抵抗率を測定したところ、1.0×10
10Ω・cmであった。
Ω・cm、シリコーン皮膜を有する表面の表面抵抗は5.
1×1011Ω/□であった。また、このチューブのシリ
コーンコート皮膜を有する表面の純水接触角は108°
であった。このシリコーン皮膜を形成したポリアニリン
/ポリイミドのポリマーブレンドからなるチューブの厚
さ方向に500Vを30秒間印加する操作を100回繰
り返した後、体積抵抗率を測定したところ、1.0×10
10Ω・cmであった。
【0078】実施例4
メタンスルホン酸500gを蒸留水4500gに溶解し
て、10重量%濃度のメタンスルホン酸水溶液からなる
ドーピング溶液を調製した。実施例3と同様にして、ポ
リアニリン/ポリイミドのポリマーブレンドからなるチ
ューブを調製し、上記ドーピング溶液に60分間浸漬し
て、ドーピング処理した。このようにドーピング処理し
たチューブの体積抵抗率は2.3×108 Ω・cm、チュ
ーブの外側の表面抵抗は3.3×104 Ω/□であった。
また、チューブの外側表面の純水接触角は、70°であ
った。
て、10重量%濃度のメタンスルホン酸水溶液からなる
ドーピング溶液を調製した。実施例3と同様にして、ポ
リアニリン/ポリイミドのポリマーブレンドからなるチ
ューブを調製し、上記ドーピング溶液に60分間浸漬し
て、ドーピング処理した。このようにドーピング処理し
たチューブの体積抵抗率は2.3×108 Ω・cm、チュ
ーブの外側の表面抵抗は3.3×104 Ω/□であった。
また、チューブの外側表面の純水接触角は、70°であ
った。
【0079】このドーピング処理したチューブに実施例
3と同じ方法でチューブの外側表面に厚さ約1μmのシ
リコーン皮膜を形成した。このチューブの抵抗値を測定
したところ、体積抵抗率は8.9×108 Ω・cm、シリ
コーン皮膜を形成したチューブの外側の表面抵抗は9.6
×104 Ω/□であった。また、このチューブの厚さ方
向に500Vの電圧を30秒間印加する操作を100回
繰り返した後、体積抵抗率を測定したところ、8.5×1
08 Ω/□であった。
3と同じ方法でチューブの外側表面に厚さ約1μmのシ
リコーン皮膜を形成した。このチューブの抵抗値を測定
したところ、体積抵抗率は8.9×108 Ω・cm、シリ
コーン皮膜を形成したチューブの外側の表面抵抗は9.6
×104 Ω/□であった。また、このチューブの厚さ方
向に500Vの電圧を30秒間印加する操作を100回
繰り返した後、体積抵抗率を測定したところ、8.5×1
08 Ω/□であった。
【0080】比較例1
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂にアセ
チレンブラックを12重量%となるように配合し、二軸
混練機を用いて混練した後、厚さ100μmのシートに
成形した。このシートの体積抵抗率は8.0×106 Ω・
cmであった。このシートの厚さ方向に500Vの電圧
を30秒間印加する操作を100回繰り返した後、体積
抵抗率を測定したところ、2.0×105 Ω・cmであっ
た。
チレンブラックを12重量%となるように配合し、二軸
混練機を用いて混練した後、厚さ100μmのシートに
成形した。このシートの体積抵抗率は8.0×106 Ω・
cmであった。このシートの厚さ方向に500Vの電圧
を30秒間印加する操作を100回繰り返した後、体積
抵抗率を測定したところ、2.0×105 Ω・cmであっ
た。
【0081】実施例5
実施例3と同じポリマーブレンドからなるチューブの外
側表面にテフロン(デュポン社登録商標)のコーティン
グ剤の四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体樹脂(PFA)塗料のプライマーをス
プレーガンで塗布し、150℃で15分間硬化させた。
その後、トップコート材 (水性) をスプレーガンで塗布
し、400℃で20分間硬化させて、厚さ約2μmの四
フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体樹脂の皮膜を形成した。
側表面にテフロン(デュポン社登録商標)のコーティン
グ剤の四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体樹脂(PFA)塗料のプライマーをス
プレーガンで塗布し、150℃で15分間硬化させた。
その後、トップコート材 (水性) をスプレーガンで塗布
し、400℃で20分間硬化させて、厚さ約2μmの四
フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体樹脂の皮膜を形成した。
【0082】そこで、このようなチューブの抵抗値を測
定したところ、体積抵抗率は4.5×1012Ω・cmであ
り、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体樹脂皮膜を形成したチューブの外側の表
面抵抗は、8.2 ×103 Ω/□であった。また、四フッ
化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体樹脂皮膜を形成した外側表面の純水接触角は、10
4°であった。
定したところ、体積抵抗率は4.5×1012Ω・cmであ
り、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体樹脂皮膜を形成したチューブの外側の表
面抵抗は、8.2 ×103 Ω/□であった。また、四フッ
化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体樹脂皮膜を形成した外側表面の純水接触角は、10
4°であった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−94096(JP,A)
特開 平4−63865(JP,A)
特開 平6−228335(JP,A)
特開 平6−240145(JP,A)
特開 平5−247203(JP,A)
特開 平5−247204(JP,A)
特開 平3−52929(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B32B 1/00 - 35/00
C08L 79/00 - 79/08
Claims (5)
- 【請求項1】式 【化1】 で表わされるイミノ−p−フェニレン構造単位を繰返し
単位とするポリアニリンと他の高分子材料を共に有機溶
剤に溶解し、得られた溶液から溶剤を除去して、上記ポ
リアニリンと他の高分子材料とからなるポリマーブレン
ドを調製し、これを成形して得られた成形体の表面に含
フッ素樹脂又はシリコーンの皮膜を形成し、その後、こ
のようにして得られた成形体をプロトン酸と酸化剤にて
酸化ドーピング処理することを特徴とする表面の純水接
触角が90゜以上である導電性又は半導電性樹脂成形体
の製造方法。 - 【請求項2】他の高分子材料がポリイミドである請求項
1に記載の電導性又は半電導性樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項3】ポリアニリンと他の高分子材料とからなる
ポリマーブレンドにおいて、ポリアニリンの割合が0.1
〜99重量%である請求項1又は2に記載の導電性又は
半導電性樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項4】プロトン酸が有機酸であり、酸化剤が過酸
化水素又はベンゾキノンである請求項1に記載の導電性
又は半導電性樹脂成形体の製造方法。 - 【請求項5】有機酸がスルホン酸基を有するものである
請求項4に記載の導電性又は半導電性樹脂成形体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15621695A JP3465727B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 導電性又は半導電性樹脂成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15621695A JP3465727B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 導電性又は半導電性樹脂成形体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091717A JPH091717A (ja) | 1997-01-07 |
JP3465727B2 true JP3465727B2 (ja) | 2003-11-10 |
Family
ID=15622902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15621695A Expired - Lifetime JP3465727B2 (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 導電性又は半導電性樹脂成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3465727B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7282261B2 (en) * | 2003-02-13 | 2007-10-16 | National University Of Singapore | Method of enhancing the stability of electroactive polymers and redox active materials |
JP4799922B2 (ja) * | 2005-06-24 | 2011-10-26 | 日東電工株式会社 | 半導電性樹脂組成物および配線回路基板 |
JP2007208191A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Nitto Denko Corp | 配線回路基板 |
JP5098251B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2012-12-12 | 富士ゼロックス株式会社 | 半導電性部材の製造方法。 |
-
1995
- 1995-06-22 JP JP15621695A patent/JP3465727B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH091717A (ja) | 1997-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3409232B2 (ja) | 導電性樹脂成形体とその製造方法 | |
EP0361429B1 (en) | Organic polymer, conducting organic polymer, production methods and uses of the same | |
JP3409226B2 (ja) | 半導電性樹脂シート及びその製造方法 | |
US5227092A (en) | Process for forming conjugated backbone block copolymers | |
JPH11504982A (ja) | 導電性ポリマーおよびその前駆体の解凝集のための酸化/還元法およびそれによる物品製造の方法 | |
US20130320268A1 (en) | Method for producing resin film using electroconductive resin composition | |
JP3465727B2 (ja) | 導電性又は半導電性樹脂成形体及びその製造方法 | |
JP3467345B2 (ja) | 半導電性樹脂シート及びその製造方法 | |
JP3721162B2 (ja) | 半導電性樹脂シートとその製造方法 | |
JPH05247204A (ja) | 導電性有機重合体の製造方法 | |
JP2661336B2 (ja) | 芳香族部分に共役したイミド基を有する化合物の誘導体の求核反応による製造法 | |
JP5649765B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂成形品 | |
JP2004296126A (ja) | 半導電性樹脂成形体 | |
Zhang et al. | Cross-linked polyimide–polythiophene composite films with reduced surface resistivities | |
JP4918989B2 (ja) | キノキサリンユニットを有するジアミン、ポリイミド前駆体及びポリイミド並びにその利用 | |
JP5133944B2 (ja) | 樹脂組成物および半導電性部材 | |
WO2012105097A1 (ja) | 導電性樹脂組成物を用いた樹脂フィルムの製造方法 | |
JP2999802B2 (ja) | ポリアニリン―繊維複合材料 | |
JP2004126372A (ja) | シームレスベルトおよびその製造方法 | |
KR102276094B1 (ko) | 폴리머 필름의 표면 전하 밀도 평가 방법, 표면 전하 밀도가 향상된 폴리이미드 필름 및 이를 이용한 플렉서블 소자 | |
JP3275061B2 (ja) | 有機重合体溶液組成物及びこれを用いる導電性有機重合体の製造方法 | |
JP3379998B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP2843938B2 (ja) | 導電性有機重合体組成物フイルム及びその製造方法 | |
JPH0388887A (ja) | 抵抗ローラ | |
JP4318154B2 (ja) | 帯電防止剤、その成形物、及び成形方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150829 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |