JP3454585B2 - 太陽電池用封止材 - Google Patents
太陽電池用封止材Info
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- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
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- Photovoltaic Devices (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池モジュールを作
製する際、太陽電池素子と基板とを接合するのに好適に
用いられる太陽電池用封止材に関する。 【0002】 【従来の技術】新しいエネルギー資源の開発の必要性が
急速にクローズアップされているなかで、代替エネルギ
ー源として、太陽電池を用いた太陽光発電がクリーンで
且つ永久的であることから、近年特に注目されている。
上記太陽電池は、光が照射されると電流を生ずる機能を
有するシリコン半導体素子やセレン半導体素子のウエハ
ーをインターコネクターを用いて直列もしくは並列に接
続したものを、ガラス、(メタ)アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等から成る上部透明保護材とガラス、ス
テンレス、アルミニウム、プラスチック等から成る下部
基板保護材との間に挿入し保護することによってパッケ
ージ化したものであり、半導体素子と上下保護材との間
は、一般的に封止材を用いて接合されている。 【0003】上記封止材は、急激な外気条件の変化に伴
う半導体素子の損傷、封止材の亀裂や界面剥離現象等を
発生させないために、エラストマー的特性を有すること
が必要であると共に、太陽光を受ける側に使用される場
合には、太陽光の透過率が高く且つ長期間にわたる屋外
放置による光線透過率の低下等の物性面の変化(劣化)
の少ないことが要求される。 【0004】上記要求性能を満たすものとして、従来、
加熱架橋タイプの液状シリコーン樹脂が封止材として一
般的に用いられてきたが、液状シリコーン樹脂は高価で
あると共に、加熱架橋タイプであるので塗布及び接着の
工程が長く、自動化に適さないという問題点がある。 【0005】又、近年、自動車や建築物等の安全合わせ
ガラスに用いられる中間膜として実績のある可塑化され
たポリビニルブチラール樹脂のシートを太陽電池用封止
材として用いることが検討されている。 【0006】しかし、上記可塑化されたポリビニルブチ
ラール樹脂のシートは、自着性が強いため、ロール巻き
状態で保管する時、低温で保管したり、シート間に離型
紙等の離型層を介在させて保管する等のブロッキング防
止対策を採る必要があったり、封止材として用いる時、
オートクレーブによる高温高圧下での貼り合わせ加工を
行う必要があり、保管性や貼り合わせ加工性が煩雑であ
るという問題点がある。又、上記可塑化されたポリビニ
ルブチラール樹脂のシートは、必ずしも充分な耐水性を
有していないため、封止材として長時間高湿度下に放置
されると、接着強度が低下し、上部透明保護材や下部基
板保護材と太陽電池素子との間で界面剥離現象を生じ易
いという問題点もある。 【0007】上記問題点に対応するため、種々の方法に
よる封止材が検討されており、例えば、太陽電池素子を
有機過酸化物を含有するエチレン共重合体から成る少な
くとも2枚の充填材シートで挟み、更にその両側に上部
透明保護材及び下部基板保護材を重ねて貼り合わせるに
際し、接着すべき保護材の表面及び/又は充填材シート
の表面に予めプライマー処理を施し、モジュール貼り合
わせ過程で前記有機過酸化物の分解温度以上に加熱する
ことを特徴とする太陽電池用保護材と充填材との接着方
法(特開昭58−23870号公報)や、酢酸ビニル含
量が約20〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共
重合体の約10〜80重量%部分鹸化物を酸変性した樹
脂で太陽電池素子を封止した太陽電池モジュール(特開
昭60−137075号公報)等が提案されている。 【0008】しかし、上記前者の有機過酸化物を含有す
るエチレン共重合体から成る充填材シートを用いる方法
は、貼り合わせを行う際、保護材表面や充填材シート表
面に予めプライマー処理を施す必要があるため、工程が
煩雑であると共に、充填材シートそのものの耐光性も悪
いという問題点があり、又、上記後者のエチレン−酢酸
ビニル共重合体変性物を封止材として用いる方法は、上
部透明保護材や下部基板保護材との接着性が不充分であ
ると共に、耐熱性や耐湿性も悪いという問題点があり、
太陽電池用封止材として必要な優れた諸特性と良好な貼
り合わせ加工性や保管性を兼備する太陽電池用封止材は
未だ実用化されていないのが実態である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、太陽電池素子及び上下保護材と
の接着性、透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性等、太陽電
池用封止材として必要な諸特性に優れると共に、良好な
貼り合わせ加工性や保管性を有する太陽電池用封止材を
提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明による太陽電池用
封止材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はエ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体100重
量部に対し、五価以上の多価アルコールもしくはその誘
導体と、該多価アルコールもしくはその誘導体の水酸基
に対しアルデヒド基が1.8〜2.8倍当量のベンズア
ルデヒドもしくはその誘導体との縮合反応生成物0.0
1〜4重量部、及び、アミノ基、グリシジル基及びメル
カプト基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上
の官能基を有するシランカップリング剤0.01〜4重
量部が含有されて成ることを特徴とし、そのことにより
上記目的が達成される。 【0011】本発明による太陽電池用封止材に用いられ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と
記す)は、エチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーと
を、高圧重合法、乳化重合法等の従来公知の重合方法に
より共重合させて得られる共重合体である。 【0012】上記EVA中の酢酸ビニル含有量は、特に
限定されるものではないが、5〜50重量%であること
が好ましい。EVA中の酢酸ビニル含有量が5重量%未
満であると、得られる太陽電池用封止材の透明性が悪く
なることがあり、逆に50重量%を超えると、得られる
太陽電池用封止材の引張り特性が低下することがある。 【0013】本発明による太陽電池用封止材に用いられ
るエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以
下、「E(M)A」と記す)は、エチレンモノマーと
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとを、高圧重合
法、乳化重合法等の従来公知の重合方法により共重合さ
せて得られる共重合体である。尚、ここで言う「(メ
タ)アクリル酸エステル」とは「アクリル酸エステル」
又は「メタクリル酸エステル」を意味する。 【0014】上記(メタ)アクリル酸エステルの種類と
しては、特に限定されるものではないが、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。 【0015】上記E(M)A中の(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は、特に限定されるものではないが、5〜
50重量%であることが好ましい。E(M)A中の(メ
タ)アクリル酸エステル含有量が5重量%未満である
と、得られる太陽電池用封止材の透明性が悪くなること
があり、逆に50重量%を超えると、得られる太陽電池
用封止材の引張り特性が低下することがある。 【0016】又、前記EVA及び上記E(M)Aのメル
トインデックス(以下、「MI」と記す)は、特に限定
されるものではないが、ASTM 1238−65Tに
準拠して測定されたMIが0.1〜500g/10分で
あることが好ましく、なかでも1〜200g/10分で
あることがより好ましい。 【0017】EVA及びE(M)Aの上記MIが0.1
g/10分未満であると、得られる太陽電池用封止材の
流動性が乏しくなって貼り合わせ加工性が悪くなること
があり、逆に500g/10分を超えると、得られる太
陽電池用封止材の溶融粘度が低くなり過ぎて太陽電池の
端部に流出することがある。 【0018】さらに、本発明による太陽電池用封止材に
おいては、前記EAVと上記E(M)Aはそれぞれ単独
で用いられても良く、又、併用されても良い。 【0019】本発明による太陽電池用封止材において
は、上記EVA及び/又はE(M)A100重量部に対
し、五価以上の多価アルコールもしくはその誘導体と、
該多価アルコールもしくはその誘導体の水酸基に対しア
ルデヒド基が1.8〜2.8倍当量のベンズアルデヒド
もしくはその誘導体との縮合反応生成物(以下、単に
「縮合反応生成物」と記す)が0.01〜4重量部含有
されている。 【0020】上記縮合反応生成物の原料として用いられ
る五価以上の多価アルコールもしくはその誘導体の種類
としては、特に限定されるものではないが、ソルビトー
ル、キシリトール、マンニトール、ズルシトール、ソル
ボース、アラビニトール、リビトール、フルクトース等
の糖アルコールが挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が好適に用いられるが、なかでもソルビトール、キ
シリトール、マンニトール、ズルシトール等が、これら
から得られる縮合反応生成物を用いた太陽電池用封止材
は優れた透明性を発揮するので、より好適に用いられ
る。 【0021】又、上記縮合反応生成物の原料として用い
られるベンズアルデヒドもしくはその誘導体の種類とし
ては、特に限定されるものではないが、ベンズアルデヒ
ド、ベンズアルデヒドのベンゼン環の水素原子を塩素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等で置換し
た各種置換体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が好適に用いられる。 【0022】上記五価以上の多価アルコールもしくはそ
の誘導体とベンズアルデヒドもしくはその誘導体との縮
合反応方法は、特別なものではなく、例えば、特公昭4
0−15489号公報、特公昭47−7460号公報等
に記載されているような公知の方法で行うことが出来
る。 【0023】上記縮合反応方法をより具体的に述べる
と、例えば、攪拌機と冷却管を備えた反応容器中に、不
活性ガスの存在下、五価以上の多価アルコールもしくは
その誘導体とベンズアルデヒドもしくはその誘導体とを
投入し、硫酸、p−トルエンスルホン酸、燐酸、塩酸、
塩化亜鉛等の縮合酸触媒の1種もしくは2種以上を添加
して、加熱し、縮合反応させることにより所望の縮合反
応生成物を得ることが出来る。 【0024】本発明による太陽電池用封止材に用いられ
る上記縮合反応生成物においては、五価以上の多価アル
コールもしくはその誘導体の水酸基に対するベンズアル
デヒドもしくはその誘導体のアルデヒド基の割合が1.
8〜2.8倍当量であることが必要である。 【0025】五価以上の多価アルコールもしくはその誘
導体の水酸基に対するベンズアルデヒドもしくはその誘
導体のアルデヒド基の割合が1.8倍当量未満である
と、モノアセタール化物が大量に副生し、逆に2.8倍
当量を超えると、ヘミアセタール化物が大量に副生す
る。 【0026】又、本発明による太陽電池用封止材におい
ては、前記EVA及び/又はE(M)A100重量部に
対し上記縮合反応生成物が0.01〜4重量部含有され
ていることが必要である。 【0027】EVA及び/又はE(M)A100重量部
に対する上記縮合反応生成物の含有量が0.01重量部
未満であると、充分な透明性向上効果を得られず、逆に
4重量部を超えると、EVA及び/又はE(M)A中へ
の分散性が悪くなり、得られる太陽電池用封止材の透明
性が低下する。 【0028】本発明による太陽電池用封止材において
は、前記EVA及び/又はE(M)A100重量部に対
し、上記縮合反応生成物以外に、アミノ基、グリシジル
基及びメルカプト基からなる群より選ばれる1種もしく
は2種以上の官能基を有するシランカップリング剤が
0.01〜4重量部含有されている。 【0029】上記アミノ基、グリシジル基及びメルカプ
ト基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の官
能基を有するシランカップリング剤(以下、単に「シラ
ンカップリング剤」と記す)の種類としては、特に限定
されるものではないが、3−アミノプロピルジメチルエ
トキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエト
キシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、メルカプトメチルジメチルエトキシシラン、
(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。 【0030】本発明による太陽電池用封止材において
は、前記EVA及び/又はE(M)A100重量部に対
し上記シランカップリング剤が0.01〜4重量部含有
されていることが必要である。 【0031】EVA及び/又はE(M)A100重量部
に対する上記シランカップリング剤の含有量が0.01
重量部未満であると、充分な接着性向上効果を得られ
ず、逆に4重量部を超えると、得られる太陽電池用封止
材の透明性が低下する。 【0032】本発明による太陽電池用封止材において
は、前記縮合反応生成物及び上記シランカップリング剤
以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じ、
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤の1
種もしくは2種以上が含有されていても良い。 【0033】上記安定剤の種類としては、特に限定され
るものではないが、ステアリン酸カルシウム石鹸、ジア
ルカノール脂肪族第三級アミン等が挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が好適に用いられる。 【0034】又、上記酸化防止剤の種類としては、特に
限定されるものではないが、t−ブチルヒドロキシトル
エン(BHT)、商品名「イルガノックス1010」
(チバガイギー社製)等が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。 【0035】さらに、上記紫外線吸収剤の種類として
は、特に限定されるものではないが、商品名「チヌビン
p」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チ
ヌビン328」(以上、チバガイギー社製)等のベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤、商品名「LA−57」
(アデカアーガス社製)等のヒンダードアミン系紫外線
吸収剤、商品名「シーソーブ101」、「シーソーブ1
02」、「シーソーブ103」、「シーソーブ104」
(以上、シプロ化成社製)等のベンゾフェノン系紫外線
吸収剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。 【0036】本発明による太陽電池用封止材の製造方法
は、特に限定されるものではないが、例えば以下のよう
に行えば良い。 【0037】先ず、所定量のEVA及び/又はE(M)
A、縮合反応生成物、シランカップリング剤及び必要に
応じ含有させる各種添加剤等を均一に混合し、樹脂組成
物を作製する。上記混合方法としては、特に限定される
ものではないが、例えば、ロールミル等の混練機を用い
て溶融混練させる方法、EVA及び/又はE(M)Aと
それ以外の成分をそのまま混合するドライブレンド法、
EVA及び/又はE(M)A以外の成分を高濃度に含ん
だEVA及び/又はE(M)Aのマスターバッチのペレ
ットを予め準備しておき、これをEVA及び/又はE
(M)Aのペレットで希釈し、所定の配合組成の樹脂組
成物を得る高濃度マスターバッチ法等が挙げられ、いず
れも好適に用いられる。 【0038】次いで、上記で得られた均一な樹脂組成物
を、特に限定されるものではないが、例えば、押し出し
法、プレス法、カレンダー法等を用いてシート化するこ
とにより、所望のシート状太陽電池用封止材(以下、単
に「封止材シート」と記す)を得ることが出来る。 【0039】本発明による太陽電池用封止材を用いて行
う太陽電池モジュールの作製方法は、特に限定されるも
のではないが、例えば以下のように行えば良い。 【0040】太陽電池素子がシリコーンやセレンの半導
体ウエハーである場合には、これらの素子を少なくとも
2枚の封止材シートの間に挟み、その両側に保護材、即
ち上部透明保護材と下部基板保護材とを重ね合わせ、真
空下で加熱接着させて貼り合わせる。この時、太陽電池
素子を少なくとも2枚の封止材シートの間に挟み、予め
ラミネート化しておき、上部透明保護材と下部基板保護
材とを真空下で加熱接着させて貼り合わせても良い。 【0041】上記加熱接着時の加熱温度は、特に限定さ
れるものではないが、90〜110℃程度であることが
好ましく、この加熱処理によって、封止材シートと上部
透明保護材及び下部基板保護材とは強固に接着され、太
陽電池素子が2枚の封止材シートでラミネート化され、
且つ、それが上部透明保護材と下部基板保護材とに強固
に貼り合わされた所望の太陽電池モジュールを得ること
が出来る。 【0042】又、太陽電池素子がガラス、プラスチッ
ク、セラミック、ステンレス等の保護材上に形成されて
いる場合には、封止材シートを中間層とし、下部基板保
護材上面に形成されている太陽電池素子の上に封止材シ
ート及び上部透明保護材をそれぞれ順次重ね合わせる
か、もしくは、上部透明保護材下面に形成されている太
陽電池素子の下に封止材シート及び下部基板保護材をそ
れぞれ順次重ね合わせ、これを上述の場合と同様に真空
下で加熱接着させて貼り合わせることにより、太陽電池
素子が形成されている一方の保護材、封止材シート及び
他方の保護材が強固に貼り合わされた所望の太陽電池モ
ジュールを得ることが出来る。 【0043】 【作用】本発明による太陽電池用封止材は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体を主成分とし、五価以上の多価
アルコールもしくはその誘導体とベンズアルデヒドもし
くはその誘導体との縮合反応生成物が含有されているの
で、透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性等に優れる。 【0044】又、アミノ基、グリシジル基及びメルカプ
ト基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の官
能基を有するシランカップリング剤が含有されているの
で、太陽電池用半導体素子、上部透明保護材及び下部基
板保護材に対し、比較的低い加熱温度でも優れた接着性
を発揮する。 【0045】 【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
意味する。 【0046】(実施例1) 【0047】(1)縮合反応生成物の合成 撹拌機、還流冷却管を備えた3lフラスコに、D−ソル
ビトール182g(1.0モル)、ベンズアルデヒド2
12g(2.0モル)、トルエン800ml、及び濃硫
酸2.0mlを加え、80℃で3時間縮合反応を行っ
た。次いで、トルエンを留去し、水酸化カリウムで中和
した後、熱水での洗浄、濾過、乾燥の各工程を経て、縮
合反応生成物ジベンジリデンソルビトール347g(収
率97.0モル%)を得た。 【0048】(2)樹脂組成物の調製 表1に示すように、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商
品名「ウルトラセン751」、酢酸ビニル含有量28重
量%、MI6g/10分、東ソー社製)100部に対
し、縮合反応生成物として上記で得られたジベンジリデ
ンソルビトール0.3部及びシランカップリング剤とし
てN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン0.05部を配合し、ロールミルで
溶融混練して均一な樹脂組成物を得た。 【0049】(3)封止材シート及び太陽電池モジュー
ルの作製 上記で得られた樹脂組成物を、2枚のPETフィルム間
に挟んでプレスし、厚み400μの封止材シートを作製
した。次いで、得られた2枚の封止材シートの間に、複
数個の太陽電池用シリコン半導体ウエハーをインターコ
ネクターを用いて直列に配列し、その上面に透明平板ガ
ラスを、又、その下面にポリフッ化ビニル樹脂シート
(商品名「テドラーフィルム」、デュポン社製)をそれ
ぞれ重ね合わせ、真空ラミネーターを用い、加熱温度1
00℃、減圧度10mmHgで20分間加熱接着して、
太陽電池モジュールを作製した。 【0050】(4)評価 上記で得られた封止材シート及び太陽電池モジュールの
各種特性を以下の方法で評価した。その結果は表2に示
すとおりであった。 【0051】透明性:JIS K−6714「航空機
用メタクリル樹脂板」に準拠し、商品名「積分式濁度
計」(東京電色社製)を用いて、23℃−50%RHに
おける太陽電池モジュールの全光線透過率(%)とヘイ
ズ(曇価)を測定した。尚、測定はn=10で行い、そ
の平均値を求めた。 【0052】接着強度:上記で得られた封止材シート
を平板ガラス及びポリフッ化ビニル樹脂シートとそれぞ
れ個別に重ね合わせ、太陽電池モジュールを作製した時
と同様の条件で加熱接着して、接着強度測定用の試料を
作製した。次いで、幅2cm、長さ10cmに裁断され
た上記試料を、商品名「テンシロンUCE500」(オ
リエンテック社製)を用いて、引張り速度500mm/
分で引張り、封止材シートと平板ガラス及びポリフッ化
ビニル樹脂シートとの90度角剥離強度(kg/cm)
を測定した。 【0053】耐温湿度サイクル性:JIS C−89
17「太陽電池の評価方法」に準拠し、太陽電池モジュ
ールをー20℃で6時間放置した後、−20℃から+8
5℃まで1時間を要して昇温し、+85℃−85%RH
の雰囲気下に6時間放置した後、+85℃から−20℃
まで1時間を要して冷却する工程を1サイクルとして、
10サイクル経過後の太陽電池モジュールの外観を目視
で観察し、変色、剥離等の異常の有無を判定した。 【0054】耐光性:JIS C−8917に準拠
し、太陽電池モジュールをサンシャインカーボンアーク
灯式耐光性試験機内に入れ、温度63℃で500時間放
置した後の太陽電池モジュールの外観を目視で観察し、
変色、剥離等の異常の有無を判定した。 【0055】(実施例2) 【0056】縮合反応生成物の合成において、D−ソル
ビトールの代わりに、キシリトール152g(1.0モ
ル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、縮合反
応生成物ジベンジリデンキシリトール320g(収率9
5.0モル%)を得た。 【0057】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「EVA
−X505」、酢酸ビニル含有量28重量%、MI6g
/10分、三菱化学社製)100部に対し、縮合反応生
成物として上記で得られたジベンジリデンキシリトール
0.5部及びシランカップリング剤としてN−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン0.2部を配合したこと以外は実施例1と同様にし
て、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0058】(実施例3) 【0059】縮合反応生成物の合成において、D−ソル
ビトールの代わりに、D−マンニトール182g(1.
0モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、縮
合反応生成物ジベンジリデンマンニトール320g(収
率75.0モル%)を得た。 【0060】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「EVA
FLEX360」、酢酸ビニル含有量25重量%、MI
2g/10分、三井デュポン社製)100部に対し、縮
合反応生成物として上記で得られたジベンジリデンマン
ニトール0.03部及びシランカップリング剤として3
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン2部を配合し
たこと以外は実施例1と同様にして、封止材シート及び
太陽電池モジュールを作製した。 【0061】(実施例4) 【0062】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(商品名
「アクリフトWH202」、メタクリル酸メチル含有量
20重量%、MI3g/10分、住友化学工業社製)1
00部に対し、縮合反応生成物として実施例1で合成し
たジベンジリデンソルビトール0.3部及びシランカッ
プリング剤として3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン0.2部を配合したこと以外は実施例1と同様にし
て、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0063】(実施例5) 【0064】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(商品名
「アクリフトWK402」、メタクリル酸メチル含有量
25重量%、MI7g/10分、住友化学工業社製)1
00部に対し、縮合反応生成物として実施例1で合成し
たジベンジリデンソルビトール1.5部及びシランカッ
プリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン1部を配合したこと以外は実施例1と同様にし
て、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0065】(比較例1) 【0066】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、シランカップリング剤として、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
の代わりに、ビニルトリメトキシシラン0.5部を配合
したこと以外は実施例1と同様にして、封止材シート及
び太陽電池モジュールを作製した。 【0067】(比較例2) 【0068】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、縮合反応生成物ジベンジリデンキシリトールの配
合量を0.005部としたこと以外は実施例2と同様に
して、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製し
た。 【0069】(比較例3) 【0070】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、縮合反応生成物ジベンジリデンソルビトールの配
合量を5部としたこと以外は実施例4と同様にして、封
止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0071】(比較例4) 【0072】エチレン−酢酸ビニル共重合体「EVAF
LEX360」100部に対し、トリアリルイソシアヌ
レート(商品名「タイク」、日本化成社製)3部、有機
過酸化物として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(商品名「パ
ーヘキサ3M」、日本油脂社製)1部及びシランカップ
リング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン0.3部を配合した樹脂組成物を用い、実施例
1と同様にして封止材シートを作製した。次いで、得ら
れた封止材シートを用い、加熱温度を130℃としたこ
と以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを
作製した。 【0073】(比較例5) 【0074】エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名
「ウルトラセン750」、酢酸ビニル含有量32重量
%、東ソー社製)を加水分解し、鹸化度90重量%のE
VA部分鹸化物を得た。得られたEVA部分鹸化物18
0g、無水フタル酸104g及びピリジン40mlを
1.5lのキシレン中で混合し、110℃で4時間反応
を行って、EVA部分エステル化物を得た。得られたE
VA部分エステル化物の組成を赤外線分析法及び化学分
析法で確認したところ、エチレン成分68.0重量%、
酢酸ビニル成分3.2重量%、ビニルアルコール成分1
6.1重量%及びフタル酸ビニル成分12.7重量%で
あった。 【0075】上記で得られたEVA部分エステル化物を
用い、実施例1と同様にして、封止材シート及び太陽電
池モジュールを作製した。 【0076】実施例2〜5及び比較例1〜5で得られた
封止材シート及び太陽電池モジュールの各種特性を実施
例1と同様にして評価した結果は表2に示すとおりであ
った。 【0077】 【表1】【0078】 【表2】【0079】 【発明の効果】以上述べたように、本発明による太陽電
池用封止材は、優れた透明性、接着性、耐熱性、耐湿性
及び耐光性等を有すると共に、貼り合わせ加工性や保管
性も良好であり、太陽電池モジュールの作製に好適に用
いられる。 【0080】又、本発明による太陽電池用封止材を用い
て作製された太陽電池モジュールは、透明性、接着性、
耐熱性、耐湿性及び耐光性等に優れる高品質のものであ
る。
製する際、太陽電池素子と基板とを接合するのに好適に
用いられる太陽電池用封止材に関する。 【0002】 【従来の技術】新しいエネルギー資源の開発の必要性が
急速にクローズアップされているなかで、代替エネルギ
ー源として、太陽電池を用いた太陽光発電がクリーンで
且つ永久的であることから、近年特に注目されている。
上記太陽電池は、光が照射されると電流を生ずる機能を
有するシリコン半導体素子やセレン半導体素子のウエハ
ーをインターコネクターを用いて直列もしくは並列に接
続したものを、ガラス、(メタ)アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等から成る上部透明保護材とガラス、ス
テンレス、アルミニウム、プラスチック等から成る下部
基板保護材との間に挿入し保護することによってパッケ
ージ化したものであり、半導体素子と上下保護材との間
は、一般的に封止材を用いて接合されている。 【0003】上記封止材は、急激な外気条件の変化に伴
う半導体素子の損傷、封止材の亀裂や界面剥離現象等を
発生させないために、エラストマー的特性を有すること
が必要であると共に、太陽光を受ける側に使用される場
合には、太陽光の透過率が高く且つ長期間にわたる屋外
放置による光線透過率の低下等の物性面の変化(劣化)
の少ないことが要求される。 【0004】上記要求性能を満たすものとして、従来、
加熱架橋タイプの液状シリコーン樹脂が封止材として一
般的に用いられてきたが、液状シリコーン樹脂は高価で
あると共に、加熱架橋タイプであるので塗布及び接着の
工程が長く、自動化に適さないという問題点がある。 【0005】又、近年、自動車や建築物等の安全合わせ
ガラスに用いられる中間膜として実績のある可塑化され
たポリビニルブチラール樹脂のシートを太陽電池用封止
材として用いることが検討されている。 【0006】しかし、上記可塑化されたポリビニルブチ
ラール樹脂のシートは、自着性が強いため、ロール巻き
状態で保管する時、低温で保管したり、シート間に離型
紙等の離型層を介在させて保管する等のブロッキング防
止対策を採る必要があったり、封止材として用いる時、
オートクレーブによる高温高圧下での貼り合わせ加工を
行う必要があり、保管性や貼り合わせ加工性が煩雑であ
るという問題点がある。又、上記可塑化されたポリビニ
ルブチラール樹脂のシートは、必ずしも充分な耐水性を
有していないため、封止材として長時間高湿度下に放置
されると、接着強度が低下し、上部透明保護材や下部基
板保護材と太陽電池素子との間で界面剥離現象を生じ易
いという問題点もある。 【0007】上記問題点に対応するため、種々の方法に
よる封止材が検討されており、例えば、太陽電池素子を
有機過酸化物を含有するエチレン共重合体から成る少な
くとも2枚の充填材シートで挟み、更にその両側に上部
透明保護材及び下部基板保護材を重ねて貼り合わせるに
際し、接着すべき保護材の表面及び/又は充填材シート
の表面に予めプライマー処理を施し、モジュール貼り合
わせ過程で前記有機過酸化物の分解温度以上に加熱する
ことを特徴とする太陽電池用保護材と充填材との接着方
法(特開昭58−23870号公報)や、酢酸ビニル含
量が約20〜50重量%であるエチレン−酢酸ビニル共
重合体の約10〜80重量%部分鹸化物を酸変性した樹
脂で太陽電池素子を封止した太陽電池モジュール(特開
昭60−137075号公報)等が提案されている。 【0008】しかし、上記前者の有機過酸化物を含有す
るエチレン共重合体から成る充填材シートを用いる方法
は、貼り合わせを行う際、保護材表面や充填材シート表
面に予めプライマー処理を施す必要があるため、工程が
煩雑であると共に、充填材シートそのものの耐光性も悪
いという問題点があり、又、上記後者のエチレン−酢酸
ビニル共重合体変性物を封止材として用いる方法は、上
部透明保護材や下部基板保護材との接着性が不充分であ
ると共に、耐熱性や耐湿性も悪いという問題点があり、
太陽電池用封止材として必要な優れた諸特性と良好な貼
り合わせ加工性や保管性を兼備する太陽電池用封止材は
未だ実用化されていないのが実態である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、太陽電池素子及び上下保護材と
の接着性、透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性等、太陽電
池用封止材として必要な諸特性に優れると共に、良好な
貼り合わせ加工性や保管性を有する太陽電池用封止材を
提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明による太陽電池用
封止材は、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はエ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体100重
量部に対し、五価以上の多価アルコールもしくはその誘
導体と、該多価アルコールもしくはその誘導体の水酸基
に対しアルデヒド基が1.8〜2.8倍当量のベンズア
ルデヒドもしくはその誘導体との縮合反応生成物0.0
1〜4重量部、及び、アミノ基、グリシジル基及びメル
カプト基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上
の官能基を有するシランカップリング剤0.01〜4重
量部が含有されて成ることを特徴とし、そのことにより
上記目的が達成される。 【0011】本発明による太陽電池用封止材に用いられ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」と
記す)は、エチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーと
を、高圧重合法、乳化重合法等の従来公知の重合方法に
より共重合させて得られる共重合体である。 【0012】上記EVA中の酢酸ビニル含有量は、特に
限定されるものではないが、5〜50重量%であること
が好ましい。EVA中の酢酸ビニル含有量が5重量%未
満であると、得られる太陽電池用封止材の透明性が悪く
なることがあり、逆に50重量%を超えると、得られる
太陽電池用封止材の引張り特性が低下することがある。 【0013】本発明による太陽電池用封止材に用いられ
るエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以
下、「E(M)A」と記す)は、エチレンモノマーと
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとを、高圧重合
法、乳化重合法等の従来公知の重合方法により共重合さ
せて得られる共重合体である。尚、ここで言う「(メ
タ)アクリル酸エステル」とは「アクリル酸エステル」
又は「メタクリル酸エステル」を意味する。 【0014】上記(メタ)アクリル酸エステルの種類と
しては、特に限定されるものではないが、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。 【0015】上記E(M)A中の(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は、特に限定されるものではないが、5〜
50重量%であることが好ましい。E(M)A中の(メ
タ)アクリル酸エステル含有量が5重量%未満である
と、得られる太陽電池用封止材の透明性が悪くなること
があり、逆に50重量%を超えると、得られる太陽電池
用封止材の引張り特性が低下することがある。 【0016】又、前記EVA及び上記E(M)Aのメル
トインデックス(以下、「MI」と記す)は、特に限定
されるものではないが、ASTM 1238−65Tに
準拠して測定されたMIが0.1〜500g/10分で
あることが好ましく、なかでも1〜200g/10分で
あることがより好ましい。 【0017】EVA及びE(M)Aの上記MIが0.1
g/10分未満であると、得られる太陽電池用封止材の
流動性が乏しくなって貼り合わせ加工性が悪くなること
があり、逆に500g/10分を超えると、得られる太
陽電池用封止材の溶融粘度が低くなり過ぎて太陽電池の
端部に流出することがある。 【0018】さらに、本発明による太陽電池用封止材に
おいては、前記EAVと上記E(M)Aはそれぞれ単独
で用いられても良く、又、併用されても良い。 【0019】本発明による太陽電池用封止材において
は、上記EVA及び/又はE(M)A100重量部に対
し、五価以上の多価アルコールもしくはその誘導体と、
該多価アルコールもしくはその誘導体の水酸基に対しア
ルデヒド基が1.8〜2.8倍当量のベンズアルデヒド
もしくはその誘導体との縮合反応生成物(以下、単に
「縮合反応生成物」と記す)が0.01〜4重量部含有
されている。 【0020】上記縮合反応生成物の原料として用いられ
る五価以上の多価アルコールもしくはその誘導体の種類
としては、特に限定されるものではないが、ソルビトー
ル、キシリトール、マンニトール、ズルシトール、ソル
ボース、アラビニトール、リビトール、フルクトース等
の糖アルコールが挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が好適に用いられるが、なかでもソルビトール、キ
シリトール、マンニトール、ズルシトール等が、これら
から得られる縮合反応生成物を用いた太陽電池用封止材
は優れた透明性を発揮するので、より好適に用いられ
る。 【0021】又、上記縮合反応生成物の原料として用い
られるベンズアルデヒドもしくはその誘導体の種類とし
ては、特に限定されるものではないが、ベンズアルデヒ
ド、ベンズアルデヒドのベンゼン環の水素原子を塩素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等で置換し
た各種置換体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が好適に用いられる。 【0022】上記五価以上の多価アルコールもしくはそ
の誘導体とベンズアルデヒドもしくはその誘導体との縮
合反応方法は、特別なものではなく、例えば、特公昭4
0−15489号公報、特公昭47−7460号公報等
に記載されているような公知の方法で行うことが出来
る。 【0023】上記縮合反応方法をより具体的に述べる
と、例えば、攪拌機と冷却管を備えた反応容器中に、不
活性ガスの存在下、五価以上の多価アルコールもしくは
その誘導体とベンズアルデヒドもしくはその誘導体とを
投入し、硫酸、p−トルエンスルホン酸、燐酸、塩酸、
塩化亜鉛等の縮合酸触媒の1種もしくは2種以上を添加
して、加熱し、縮合反応させることにより所望の縮合反
応生成物を得ることが出来る。 【0024】本発明による太陽電池用封止材に用いられ
る上記縮合反応生成物においては、五価以上の多価アル
コールもしくはその誘導体の水酸基に対するベンズアル
デヒドもしくはその誘導体のアルデヒド基の割合が1.
8〜2.8倍当量であることが必要である。 【0025】五価以上の多価アルコールもしくはその誘
導体の水酸基に対するベンズアルデヒドもしくはその誘
導体のアルデヒド基の割合が1.8倍当量未満である
と、モノアセタール化物が大量に副生し、逆に2.8倍
当量を超えると、ヘミアセタール化物が大量に副生す
る。 【0026】又、本発明による太陽電池用封止材におい
ては、前記EVA及び/又はE(M)A100重量部に
対し上記縮合反応生成物が0.01〜4重量部含有され
ていることが必要である。 【0027】EVA及び/又はE(M)A100重量部
に対する上記縮合反応生成物の含有量が0.01重量部
未満であると、充分な透明性向上効果を得られず、逆に
4重量部を超えると、EVA及び/又はE(M)A中へ
の分散性が悪くなり、得られる太陽電池用封止材の透明
性が低下する。 【0028】本発明による太陽電池用封止材において
は、前記EVA及び/又はE(M)A100重量部に対
し、上記縮合反応生成物以外に、アミノ基、グリシジル
基及びメルカプト基からなる群より選ばれる1種もしく
は2種以上の官能基を有するシランカップリング剤が
0.01〜4重量部含有されている。 【0029】上記アミノ基、グリシジル基及びメルカプ
ト基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の官
能基を有するシランカップリング剤(以下、単に「シラ
ンカップリング剤」と記す)の種類としては、特に限定
されるものではないが、3−アミノプロピルジメチルエ
トキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエト
キシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、メルカプトメチルジメチルエトキシシラン、
(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。 【0030】本発明による太陽電池用封止材において
は、前記EVA及び/又はE(M)A100重量部に対
し上記シランカップリング剤が0.01〜4重量部含有
されていることが必要である。 【0031】EVA及び/又はE(M)A100重量部
に対する上記シランカップリング剤の含有量が0.01
重量部未満であると、充分な接着性向上効果を得られ
ず、逆に4重量部を超えると、得られる太陽電池用封止
材の透明性が低下する。 【0032】本発明による太陽電池用封止材において
は、前記縮合反応生成物及び上記シランカップリング剤
以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じ、
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤の1
種もしくは2種以上が含有されていても良い。 【0033】上記安定剤の種類としては、特に限定され
るものではないが、ステアリン酸カルシウム石鹸、ジア
ルカノール脂肪族第三級アミン等が挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が好適に用いられる。 【0034】又、上記酸化防止剤の種類としては、特に
限定されるものではないが、t−ブチルヒドロキシトル
エン(BHT)、商品名「イルガノックス1010」
(チバガイギー社製)等が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。 【0035】さらに、上記紫外線吸収剤の種類として
は、特に限定されるものではないが、商品名「チヌビン
p」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チ
ヌビン328」(以上、チバガイギー社製)等のベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤、商品名「LA−57」
(アデカアーガス社製)等のヒンダードアミン系紫外線
吸収剤、商品名「シーソーブ101」、「シーソーブ1
02」、「シーソーブ103」、「シーソーブ104」
(以上、シプロ化成社製)等のベンゾフェノン系紫外線
吸収剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が
好適に用いられる。 【0036】本発明による太陽電池用封止材の製造方法
は、特に限定されるものではないが、例えば以下のよう
に行えば良い。 【0037】先ず、所定量のEVA及び/又はE(M)
A、縮合反応生成物、シランカップリング剤及び必要に
応じ含有させる各種添加剤等を均一に混合し、樹脂組成
物を作製する。上記混合方法としては、特に限定される
ものではないが、例えば、ロールミル等の混練機を用い
て溶融混練させる方法、EVA及び/又はE(M)Aと
それ以外の成分をそのまま混合するドライブレンド法、
EVA及び/又はE(M)A以外の成分を高濃度に含ん
だEVA及び/又はE(M)Aのマスターバッチのペレ
ットを予め準備しておき、これをEVA及び/又はE
(M)Aのペレットで希釈し、所定の配合組成の樹脂組
成物を得る高濃度マスターバッチ法等が挙げられ、いず
れも好適に用いられる。 【0038】次いで、上記で得られた均一な樹脂組成物
を、特に限定されるものではないが、例えば、押し出し
法、プレス法、カレンダー法等を用いてシート化するこ
とにより、所望のシート状太陽電池用封止材(以下、単
に「封止材シート」と記す)を得ることが出来る。 【0039】本発明による太陽電池用封止材を用いて行
う太陽電池モジュールの作製方法は、特に限定されるも
のではないが、例えば以下のように行えば良い。 【0040】太陽電池素子がシリコーンやセレンの半導
体ウエハーである場合には、これらの素子を少なくとも
2枚の封止材シートの間に挟み、その両側に保護材、即
ち上部透明保護材と下部基板保護材とを重ね合わせ、真
空下で加熱接着させて貼り合わせる。この時、太陽電池
素子を少なくとも2枚の封止材シートの間に挟み、予め
ラミネート化しておき、上部透明保護材と下部基板保護
材とを真空下で加熱接着させて貼り合わせても良い。 【0041】上記加熱接着時の加熱温度は、特に限定さ
れるものではないが、90〜110℃程度であることが
好ましく、この加熱処理によって、封止材シートと上部
透明保護材及び下部基板保護材とは強固に接着され、太
陽電池素子が2枚の封止材シートでラミネート化され、
且つ、それが上部透明保護材と下部基板保護材とに強固
に貼り合わされた所望の太陽電池モジュールを得ること
が出来る。 【0042】又、太陽電池素子がガラス、プラスチッ
ク、セラミック、ステンレス等の保護材上に形成されて
いる場合には、封止材シートを中間層とし、下部基板保
護材上面に形成されている太陽電池素子の上に封止材シ
ート及び上部透明保護材をそれぞれ順次重ね合わせる
か、もしくは、上部透明保護材下面に形成されている太
陽電池素子の下に封止材シート及び下部基板保護材をそ
れぞれ順次重ね合わせ、これを上述の場合と同様に真空
下で加熱接着させて貼り合わせることにより、太陽電池
素子が形成されている一方の保護材、封止材シート及び
他方の保護材が強固に貼り合わされた所望の太陽電池モ
ジュールを得ることが出来る。 【0043】 【作用】本発明による太陽電池用封止材は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体を主成分とし、五価以上の多価
アルコールもしくはその誘導体とベンズアルデヒドもし
くはその誘導体との縮合反応生成物が含有されているの
で、透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性等に優れる。 【0044】又、アミノ基、グリシジル基及びメルカプ
ト基からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の官
能基を有するシランカップリング剤が含有されているの
で、太陽電池用半導体素子、上部透明保護材及び下部基
板保護材に対し、比較的低い加熱温度でも優れた接着性
を発揮する。 【0045】 【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
意味する。 【0046】(実施例1) 【0047】(1)縮合反応生成物の合成 撹拌機、還流冷却管を備えた3lフラスコに、D−ソル
ビトール182g(1.0モル)、ベンズアルデヒド2
12g(2.0モル)、トルエン800ml、及び濃硫
酸2.0mlを加え、80℃で3時間縮合反応を行っ
た。次いで、トルエンを留去し、水酸化カリウムで中和
した後、熱水での洗浄、濾過、乾燥の各工程を経て、縮
合反応生成物ジベンジリデンソルビトール347g(収
率97.0モル%)を得た。 【0048】(2)樹脂組成物の調製 表1に示すように、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商
品名「ウルトラセン751」、酢酸ビニル含有量28重
量%、MI6g/10分、東ソー社製)100部に対
し、縮合反応生成物として上記で得られたジベンジリデ
ンソルビトール0.3部及びシランカップリング剤とし
てN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン0.05部を配合し、ロールミルで
溶融混練して均一な樹脂組成物を得た。 【0049】(3)封止材シート及び太陽電池モジュー
ルの作製 上記で得られた樹脂組成物を、2枚のPETフィルム間
に挟んでプレスし、厚み400μの封止材シートを作製
した。次いで、得られた2枚の封止材シートの間に、複
数個の太陽電池用シリコン半導体ウエハーをインターコ
ネクターを用いて直列に配列し、その上面に透明平板ガ
ラスを、又、その下面にポリフッ化ビニル樹脂シート
(商品名「テドラーフィルム」、デュポン社製)をそれ
ぞれ重ね合わせ、真空ラミネーターを用い、加熱温度1
00℃、減圧度10mmHgで20分間加熱接着して、
太陽電池モジュールを作製した。 【0050】(4)評価 上記で得られた封止材シート及び太陽電池モジュールの
各種特性を以下の方法で評価した。その結果は表2に示
すとおりであった。 【0051】透明性:JIS K−6714「航空機
用メタクリル樹脂板」に準拠し、商品名「積分式濁度
計」(東京電色社製)を用いて、23℃−50%RHに
おける太陽電池モジュールの全光線透過率(%)とヘイ
ズ(曇価)を測定した。尚、測定はn=10で行い、そ
の平均値を求めた。 【0052】接着強度:上記で得られた封止材シート
を平板ガラス及びポリフッ化ビニル樹脂シートとそれぞ
れ個別に重ね合わせ、太陽電池モジュールを作製した時
と同様の条件で加熱接着して、接着強度測定用の試料を
作製した。次いで、幅2cm、長さ10cmに裁断され
た上記試料を、商品名「テンシロンUCE500」(オ
リエンテック社製)を用いて、引張り速度500mm/
分で引張り、封止材シートと平板ガラス及びポリフッ化
ビニル樹脂シートとの90度角剥離強度(kg/cm)
を測定した。 【0053】耐温湿度サイクル性:JIS C−89
17「太陽電池の評価方法」に準拠し、太陽電池モジュ
ールをー20℃で6時間放置した後、−20℃から+8
5℃まで1時間を要して昇温し、+85℃−85%RH
の雰囲気下に6時間放置した後、+85℃から−20℃
まで1時間を要して冷却する工程を1サイクルとして、
10サイクル経過後の太陽電池モジュールの外観を目視
で観察し、変色、剥離等の異常の有無を判定した。 【0054】耐光性:JIS C−8917に準拠
し、太陽電池モジュールをサンシャインカーボンアーク
灯式耐光性試験機内に入れ、温度63℃で500時間放
置した後の太陽電池モジュールの外観を目視で観察し、
変色、剥離等の異常の有無を判定した。 【0055】(実施例2) 【0056】縮合反応生成物の合成において、D−ソル
ビトールの代わりに、キシリトール152g(1.0モ
ル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、縮合反
応生成物ジベンジリデンキシリトール320g(収率9
5.0モル%)を得た。 【0057】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「EVA
−X505」、酢酸ビニル含有量28重量%、MI6g
/10分、三菱化学社製)100部に対し、縮合反応生
成物として上記で得られたジベンジリデンキシリトール
0.5部及びシランカップリング剤としてN−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン0.2部を配合したこと以外は実施例1と同様にし
て、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0058】(実施例3) 【0059】縮合反応生成物の合成において、D−ソル
ビトールの代わりに、D−マンニトール182g(1.
0モル)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、縮
合反応生成物ジベンジリデンマンニトール320g(収
率75.0モル%)を得た。 【0060】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「EVA
FLEX360」、酢酸ビニル含有量25重量%、MI
2g/10分、三井デュポン社製)100部に対し、縮
合反応生成物として上記で得られたジベンジリデンマン
ニトール0.03部及びシランカップリング剤として3
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン2部を配合し
たこと以外は実施例1と同様にして、封止材シート及び
太陽電池モジュールを作製した。 【0061】(実施例4) 【0062】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(商品名
「アクリフトWH202」、メタクリル酸メチル含有量
20重量%、MI3g/10分、住友化学工業社製)1
00部に対し、縮合反応生成物として実施例1で合成し
たジベンジリデンソルビトール0.3部及びシランカッ
プリング剤として3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン0.2部を配合したこと以外は実施例1と同様にし
て、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0063】(実施例5) 【0064】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(商品名
「アクリフトWK402」、メタクリル酸メチル含有量
25重量%、MI7g/10分、住友化学工業社製)1
00部に対し、縮合反応生成物として実施例1で合成し
たジベンジリデンソルビトール1.5部及びシランカッ
プリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン1部を配合したこと以外は実施例1と同様にし
て、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0065】(比較例1) 【0066】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、シランカップリング剤として、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
の代わりに、ビニルトリメトキシシラン0.5部を配合
したこと以外は実施例1と同様にして、封止材シート及
び太陽電池モジュールを作製した。 【0067】(比較例2) 【0068】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、縮合反応生成物ジベンジリデンキシリトールの配
合量を0.005部としたこと以外は実施例2と同様に
して、封止材シート及び太陽電池モジュールを作製し
た。 【0069】(比較例3) 【0070】樹脂組成物の調整において、表1に示すよ
うに、縮合反応生成物ジベンジリデンソルビトールの配
合量を5部としたこと以外は実施例4と同様にして、封
止材シート及び太陽電池モジュールを作製した。 【0071】(比較例4) 【0072】エチレン−酢酸ビニル共重合体「EVAF
LEX360」100部に対し、トリアリルイソシアヌ
レート(商品名「タイク」、日本化成社製)3部、有機
過酸化物として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(商品名「パ
ーヘキサ3M」、日本油脂社製)1部及びシランカップ
リング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン0.3部を配合した樹脂組成物を用い、実施例
1と同様にして封止材シートを作製した。次いで、得ら
れた封止材シートを用い、加熱温度を130℃としたこ
と以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュールを
作製した。 【0073】(比較例5) 【0074】エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名
「ウルトラセン750」、酢酸ビニル含有量32重量
%、東ソー社製)を加水分解し、鹸化度90重量%のE
VA部分鹸化物を得た。得られたEVA部分鹸化物18
0g、無水フタル酸104g及びピリジン40mlを
1.5lのキシレン中で混合し、110℃で4時間反応
を行って、EVA部分エステル化物を得た。得られたE
VA部分エステル化物の組成を赤外線分析法及び化学分
析法で確認したところ、エチレン成分68.0重量%、
酢酸ビニル成分3.2重量%、ビニルアルコール成分1
6.1重量%及びフタル酸ビニル成分12.7重量%で
あった。 【0075】上記で得られたEVA部分エステル化物を
用い、実施例1と同様にして、封止材シート及び太陽電
池モジュールを作製した。 【0076】実施例2〜5及び比較例1〜5で得られた
封止材シート及び太陽電池モジュールの各種特性を実施
例1と同様にして評価した結果は表2に示すとおりであ
った。 【0077】 【表1】【0078】 【表2】【0079】 【発明の効果】以上述べたように、本発明による太陽電
池用封止材は、優れた透明性、接着性、耐熱性、耐湿性
及び耐光性等を有すると共に、貼り合わせ加工性や保管
性も良好であり、太陽電池モジュールの作製に好適に用
いられる。 【0080】又、本発明による太陽電池用封止材を用い
て作製された太陽電池モジュールは、透明性、接着性、
耐熱性、耐湿性及び耐光性等に優れる高品質のものであ
る。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−299125(JP,A)
特開 平6−177412(JP,A)
特開 昭59−4179(JP,A)
特開 昭58−23870(JP,A)
特開 昭60−137075(JP,A)
特開 昭47−29434(JP,A)
特開 昭48−8860(JP,A)
特開 昭48−44332(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 31/04 - 31/06
C08L 23/00 - 101/16
C09J 4/00 - 201/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又
はエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体10
0重量部に対し、五価以上の多価アルコールもしくはそ
の誘導体と、該多価アルコールもしくはその誘導体の水
酸基に対しアルデヒド基が1.8〜2.8倍当量のベン
ズアルデヒドもしくはその誘導体との縮合反応生成物
0.01〜4重量部、及び、アミノ基、グリシジル基及
びメルカプト基からなる群より選ばれる1種もしくは2
種以上の官能基を有するシランカップリング剤0.01
〜4重量部が含有されて成ることを特徴とする太陽電池
用封止材。
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- 1994-11-15 JP JP28050994A patent/JP3454585B2/ja not_active Expired - Fee Related
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