JP3446559B2 - 車両用制動装置 - Google Patents
車両用制動装置Info
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Description
擦制動装置とを含む車両用制動装置に関するものであ
る。
液圧制動装置とを含む車両用制動装置の一例が、特開平
8─149606号公報に記載されている。回生制動装
置は、電動モータの回生制動による回生制動トルクを車
輪に加える装置であり、液圧制動装置は、車輪と共に回
転するブレーキ回転体に摩擦部材を液圧により摩擦係合
させることにより、車輪に液圧制動トルクを加える装置
である。駆動輪には、回生制動トルクと液圧制動トルク
とを含む総制動トルクが加えられ、非駆動輪には、液圧
制動トルクが加えられる。非駆動輪に加えられる総制動
トルクは、液圧制動トルクと同じ大きさとなるのであ
る。本車両用制動装置においては、液圧制動トルクが一
定に保たれた状態で回生制動トルクが減少させられるこ
とにより駆動輪の総制動トルクが減少させられる。この
車両用制動装置が搭載された車両は後輪駆動車であるた
め、制動時には、液圧制動トルクが後輪にも前輪にも加
えられるのに対して、回生制動トルクは後輪に加えられ
て前輪に加えられないため、前後制動力配分線が、理想
制動力配分線より後輪制動力が大きい側に位置すること
になり、後輪がロックし易くなる。そこで、後輪に加え
られる総制動トルクを回生制動トルクの減少に伴って減
少させれば、後輪に加えられる総制動トルクの前輪に加
えられる総制動トルクに対する比を減少させることがで
き、前後制動力配分線を理想制動力配分線に近づけるこ
とができる。
装置においては、駆動輪の総制動トルクが回生制動トル
クの減少により減少させられるのであるが、総制動トル
クが回生制動トルクの変化により変化させられるように
する場合には、応答遅れが大きく、総制動トルクの制御
を良好に行うことができない場合がある。回生制動トル
クの制御は、回生制動装置に備えられた電動モータの制
御により行われるが、電動モータおよびそれの負荷の慣
性が大きいため、応答性が悪く、回生制動トルクを速や
かに増加,減少させることができないのである。電動モ
ータを、余裕をもって車両を駆動し得る大容量のもの
(能力の大きなもの)とすれば、回生制動トルクを速や
かに増加,減少させることができる。しかし、電動モー
タの容量を十分大きくすると、重量が大きくなったり、
コストが高くなったりする等の別の問題が生じる。
効果】そこで、本発明の課題は、回生制動装置と摩擦制
動装置との両方を含む車両用制動装置において、コスト
アップを回避しつつ、総制動トルクの制御性の向上を図
ることである。上記課題は、以下の車両用制動装置によ
って解決される。なお、以下の説明において、本発明の
各態様をそれぞれ項に分け、項番号を付し、必要に応じ
て他の項の番号を引用して請求項と同じ形式で記載す
る。各項に記載の特徴を組み合わせて採用することの可
能性を明示するためである。 (1)車両の車輪に、電動モータの回生制動により回生
制動トルクを加える回生制動装置と、前記車輪と共に回
転するブレーキ回転体に摩擦部材を摩擦係合させること
により、車輪に摩擦制動トルクを加える摩擦制動装置
と、前記回生制動トルクと前記摩擦制動トルクとを含む
総制動トルクを大きな勾配で変化させる場合に、回生制
動トルクと摩擦制動トルクとの両方を同時に変化させ、
前記総制動トルクを小さな勾配で変化させる場合に、摩
擦制動トルクを一定に保った状態で回生制動トルクを変
化させ、回生制動トルクを上限値または0まで変化させ
た状態において、未だ前記総制動トルクを変化させる必
要がある場合に、摩擦制動トルクを変化させる総制動ト
ルク制御装置とを含むことを特徴とする車両用制動装置
(請求項1)。本項に記載の車両用制動装置において、
車輪には、回生制動トルクと摩擦制動トルクとを含む総
制動トルクが加えられる。この車輪に加えられる総制動
トルクは、回生制動トルクと摩擦制動トルクとの少なく
とも一方を変化させれば変化させられるが、回生制動ト
ルクと摩擦制動トルクとの両方を変化させれば、回生制
動トルクのみを変化させる場合に比較して、総制動トル
クの変化勾配を大きくすることができ、その分、応答遅
れを小さくすることができる。回生制動装置に備えられ
た電動モータを大容量のものとしなくても応答遅れを小
さくできるのであり、コストアップを回避しつつ制御性
の向上を図ることができる。ここで、摩擦制動トルクの
制御は、摩擦制動装置において、ブレーキ回転体に摩擦
部材を押し付ける際の押付力を制御することにより行わ
れる。摩擦部材とブレーキ回転体との間の摩擦係数等が
同じ場合には、押付力が大きい場合は小さい場合より摩
擦制動トルクが大きくなる。摩擦制動装置としては、液
圧制動装置や電動制動装置等が採用可能である。液圧制
動装置は、液圧の制御により摩擦部材のブレーキ回転体
への押付力を制御する液圧制御装置を含むものであり、
電動制動装置としては、圧電素子等の積層体に印加する
電圧を制御することにより、その積層体の伸縮を制御し
て押付力を制御する積層体制御装置を含む積層体制動装
置や、電動モータの制御により押付力を制御するモータ
制御装置を含むモータ制動装置等が存在する。前者の液
圧制動装置においては、液圧を速やかに増加,減少させ
ることが比較的容易であるため、押付力を速やかに増
加,減少させることができる。後者の積層体制動装置に
おいては、電圧の制御により積層体を速やかに伸縮させ
得るため、押付力の増減を速やかに行うことができる。
また、モータ制動装置においても、電動モータの制御に
より押付力の増減を速やかに行うことができる。モータ
制動装置においては、電動モータが倍力率の大きな倍力
装置を介して摩擦部材に作用させられるため、比較的容
易に慣性を小さくすることができるのである。いずれに
しても、摩擦制動トルクの制御においては、回生制動ト
ルクの制御における場合に比較して、応答性が良好なの
である。したがって、摩擦制動トルクの制御により総制
動トルクの制御を行えば応答性を良好にすることがで
き、摩擦制動トルクと回生制動トルクとの両方の制御に
より総制動トルクの制御を行えば応答性を一層良好にす
ることができる。総制動トルクが回生制動トルクのみの
変化に伴って変化させられる場合に比較して、総制動ト
ルクの増減の切換えを迅速に行い、また増減勾配を大き
くすることができるのである。それに対して、回生制動
トルクは、滑らかに変化させることができるため、総制
動トルクを緩やかに変化させるのに適している。総制動
トルクを緩やかに変化させる場合には、応答性が良好で
なくても差し支えないのである。また、摩擦制動装置が
液圧制動装置であり、ホイールシリンダの液圧の緩増が
電磁弁のデューティ制御等、電磁弁の切換えの繰返しに
より行われる場合には、電磁弁の作動騒音が大きくなる
問題があるのに対し、回生制動トルクの緩変にはこのよ
うな問題が発生しない利点がある。このように、回生制
動トルクと摩擦制動トルクとにおける制御性の相違を利
用すれば、総制動トルクの制御性の向上を図ることがで
きる。本項に記載の車両用制動装置における総制動トル
ク制御装置には、回生制動トルクと摩擦制動トルクとの
両方を変化させる両制動トルク変化手段と、摩擦制動ト
ルクを一定に保った状態で回生制動トルクを変化させる
回生制動トルク変化手段とが含まれると考えることがで
きる。ここで、回生制動トルク変化手段は、摩擦制動ト
ルク保持手段でもある。 (2)前記総制動トルク制御装置が、前記車輪の駆動ス
リップ状態がほぼ適正状態となるように前記総制動トル
クを制御するトラクション制御手段を含み、そのトラク
ション制御手段が、前記総制動トルクを急激に増加させ
る場合に、前記回生制動トルクと前記摩擦制動トルクと
の両方を同時に増加させる両制動トルク増加手段と、総
制動トルクを緩やかに減少させる場合に、摩擦制動トル
クを一定に保った状態で回生制動トルクを緩やかに減少
させる回生制動トルク緩減手段とを含む(1) 項に記載の
車両用制動装置。トラクション制御においては、総制動
トルクの増加は急激に行い、減少は緩慢に行うことが多
い。例えば、駆動スリップ状態が設定状態以上である場
合は、総制動トルクを急増させることにより駆動トルク
を急減させ、駆動スリップ状態が回復傾向となれば総制
動トルクを緩減させるのである。そこで、総制動トルク
を急増させる場合に、回生制動トルクと摩擦制動トルク
との両方を増加させ、緩減させる場合に、回生制動トル
クを緩やかに減少させれば、総制動トルクを速やかに増
加させ、滑らかに減少させることができ、トラクション
制御を良好に行うことができる。ここで、両制動トルク
増加手段は、回生制動トルクを上限値まで増加させるこ
とが望ましい。上限値については〔発明の実施の形態〕
において詳述するが、電動モータの回転数、蓄電装置に
おける充電状態,温度等、その時点におけるこれらの状
況下で出力し得る最大値である。回生制動トルクが上限
値にされれば、それを緩減させる余地が大きくなるとと
もに、エネルギ効率が向上する。 (3)前記トラクション制御手段が、前記回生制動トル
ク緩減手段により回生制動トルクが0まで減少させられ
た状態において、未だ総制動トルクを減少させる必要が
ある場合に、前記摩擦制動トルクを緩やかに減少させる
減少不足時摩擦制動トルク緩減手段を含む(2) 項に記載
の車両用制動装置(請求項2)。車輪に回生制動トルク
と摩擦制動トルクとの両方が加えられている状態から、
回生制動トルク緩減手段により、回生制動トルクが減少
させられるのであるが、回生制動トルクが0になって
も、まだ総制動トルクを減少させる必要がある場合、す
なわち、総制動トルクを保持したり、増加させたりする
状態に達しない場合は、摩擦制動トルクが減少させられ
ることになる。この場合には、回生制動トルク緩減手段
を、回生優先緩減手段と称することもできる。 (4)前記トラクション制御手段が、前記総制動トルク
の減少勾配を、前記両制動トルク増加手段によって回生
制動トルクと摩擦制動トルクとの両方が同時に増加させ
られたことによる前記駆動スリップ状態の回復状況に応
じて決定する減少勾配決定手段を含む(2) 項または(3)
項に記載の車両用制動装置(請求項3)。総制動トルク
の増加により駆動スリップ状態が回復に転じた場合に、
総制動トルクを緩減させるトラクション制御において
は、総制動トルクの減少勾配を、駆動スリップ状態の回
復状況に応じて決定することができる。例えば、回復状
況の一態様として回復速度があるが、駆動スリップ状態
の回復速度が大きい場合は、小さい場合より減少勾配を
大きくするのである。駆動スリップの変化勾配が大きい
場合は、総制動トルクの変化勾配も大きくする制御が行
われるのが普通である。換言すれば、駆動スリップ状態
の回復速度が大きい場合は、小さい場合より路面の摩擦
係数が大きいと推定することができ、大きな勾配で総制
動トルクを変化させることが望ましいのである。トラク
ション制御においては、総制動トルクは、回生制動トル
クの緩減に伴って緩減させられる場合と、(3) 項に記載
のように、摩擦制動トルクの緩減に伴って緩減させられ
る場合とがあるため、減少勾配決定手段によって決定さ
れた減少勾配は、回生制動トルクの減少勾配とされる場
合と、摩擦制動トルクの減少勾配とされる場合とがあ
る。 (5)前記総制動トルク制御装置が、前記車輪の制動ス
リップ状態がほぼ適正状態となるように前記総制動トル
クを制御するアンチロック制御手段を含み、そのアンチ
ロック制御手段が、総制動トルクを急激に減少させる場
合に、前記回生制動トルクと前記摩擦制動トルクとの両
方を同時に減少させる両制動トルク減少手段と、総制動
トルクを緩やかに増加させる場合に、摩擦制動トルクを
一定に保った状態で回生制動トルクを緩やかに増加させ
る回生制動トルク緩増手段とを含む(1) 項ないし(4) 項
のいずれか1つに記載の車両用制動装置。アンチロック
制御においては、総制動トルクの減少を急激に行い、増
加を緩やかに行うことが多い。例えば、制動スリップ状
態が設定状態に達すれば総制動トルクが急減させられ、
制動スリップ状態が回復に転ずれば緩増させられる。総
制動トルクを減少させる場合に回生制動トルクと摩擦制
動トルクとの両方を減少させ、総制動トルクを増加させ
る場合に回生制動トルクを緩増させれば、総制動トルク
を急減させ、緩増させることができ、アンチロック制御
を良好に行うことができる。 (6)前記アンチロック制御手段が、前記回生制動トル
ク緩増手段により回生制動トルクが上限値まで増加させ
られた状態において、未だ総制動トルクを増加させる必
要がある場合に、摩擦制動トルクを緩増させる増加不足
時摩擦制動トルク緩増手段を含む(5) 項に記載の車両用
制動装置(請求項5)。回生制動トルクが上限値に達し
ても、まだ総制動トルクを増加させる必要がある場合に
は、摩擦制動トルクが増加させられる。回生制動トルク
緩増手段を回生優先緩増手段と称することができる。 (7)前記アンチロック制御手段が、前記総制動トルク
の増加勾配を、運転者の意図する総制動トルクである目
標総制動トルクと、実際に得られた総制動トルクである
実総制動トルクとに基づいて決定する緩増勾配決定手段
を含む(5) 項または(6) 項に記載の車両用制動装置(請
求項6)。本項に記載の車両用制動装置においてアンチ
ロック制御が行われる場合には、駆動輪の総制動トルク
は、回生制動トルクの増加により増加させられるが、非
駆動輪には回生制動トルクが加えられていないため、摩
擦制動トルクの増加により増加させられることになる。
ここで、総制動トルクを緩増させる場合における車輪の
制動スリップ状態,総制動トルクの大きさ等が、駆動輪
と非駆動輪とで同じであれば、非駆動輪における総制動
トルクの増加勾配と、駆動輪における総制動トルクの増
加勾配とは同じ大きさとすることが望ましい。摩擦制動
装置が液圧制動装置の場合には、摩擦制動トルクとして
の液圧制動トルクはホイールシリンダの液圧に応じた大
きさとなる。非駆動輪において、摩擦制動トルクの緩増
が、ホイールシリンダのマスタシリンダへの短時間の連
通・遮断の繰返しにより行われる場合には、ホイールシ
リンダ液圧の増圧勾配は、マスタシリンダの液圧と、ホ
イールシリンダの液圧と、これらマスタシリンダとホイ
ールシリンダとの間に設けられた増圧開閉弁のデューテ
ィ比とに基づいて決まる。増圧開閉弁のデューティ比が
同じであれば、マスタシリンダ液圧とホイールシリンダ
液圧との差が大きい場合は小さい場合より増圧勾配が大
きくなり、液圧制動トルクの増加勾配が大きくなる。こ
の液圧制動トルクの増加勾配とほぼ同じ勾配で回生制動
トルクを増加させる場合には、回生制動トルクの増加勾
配を、運転者の意図に応じた目標総制動トルクと、車輪
に加わる実総制動トルクとの差に基づいて決定すること
ができる。上述のディーティ比に対応する値が予め決め
られていれば、これらのトルク差が上述の液圧差に対応
すると考えることができる。なお、増加勾配を決定する
際に、実際に得られた回生制動トルクである実回生制動
トルクや、電動モータの回転数等実回生制動トルクの大
きさを推定し得る情報等が考慮されるようにしてもよ
い。(8)前記トラクション制御手段によって最初に総制動
トルクが増加させられる場合に、前記両制動トルク増加
手段によって前記回生制動トルクと前記摩擦制動トルク
との両方が増加させられ、2回目以降においては、回生
制動トルクと摩擦制動トルクとのいずれか一方が増加さ
せられる(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車両
用制動装置(請求項4)。 (9)前記アンチロック制御手段によって最初に総制動
トルクが減少させられる場合に、前記両制動トルク減少
手段によって前記回生制動トルクと前記摩擦制動トルク
との両方が減少させられ、2回目以降においては、回生
制動トルクと摩擦制動トルクとのいずれか一方が減少さ
せられる(5)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両
用制動装置(請求項7)。
車両用制動装置について図面に基づいて詳細に説明す
る。図1に示すように、本車両用制動装置が搭載された
車両はハイブリッド車であり、駆動輪としての前輪1
0,12は、電気的駆動装置14と図示しない内燃駆動
装置とによって駆動される。電気的駆動装置14は、2
つの電動モータ16,18を含むものであり、電動モー
タ16,18の駆動トルクは、それぞれ車輪10,12
に加えられる。本実施形態においては、車輪毎に電動モ
ータが設けられており、これら電動モータ16,18を
別個に制御することにより、車輪10,12各々に加え
られるトルクの大きさを別個に制御することが可能であ
る。電気的駆動装置14は、電動モータ16,18の回
生制動により車輪10,12に回生制動トルクを加える
回生制動装置でもあり、以下、回生制動装置14と称す
る。
擦制動装置としての液圧制動装置20が設けられてい
る。上記車輪10,12各々と共に回転するブレーキ回
転体としてのロータに摩擦部材としてのパッドがホイー
ルシリンダ22,24に液圧が伝達されることにより押
し付けられ、車輪10,12に液圧制動トルクが加えら
れる。駆動輪としての車輪10,12には、液圧制動装
置20による液圧制動トルクと回生制動装置14による
回生制動トルクとの両方を加え得る。
6,18の他、電力変換装置30,32、変速器34,
36、蓄電装置38,電動モータ制御装置42等を含む
ものである。電動モータ16,18には、蓄電装置38
に蓄えられた直流電流が電力変換装置30,32により
交流に変換されて供給される。電力変換装置30,32
は、インバータ等を含むものであり、電動モータ制御装
置42によって制御される。インバータにおけるすべり
周波数制御やベクトル制御等の電流制御により、電動モ
ータ16,18によって出力される回生制動トルクの大
きさが制御される。電力変換装置30,32が電動モー
タ16,18各々に対応して設けられているため、電動
モータ16,18は電力変換装置30,32によって別
個に制御され、車輪10,12に加えられる回生制動ト
ルクの大きさが別個に制御されることになる。電動モー
タ制御装置42は、電動モータ16,18によって出力
される実回生制動トルクが総制動トルク制御装置46か
ら供給される情報で表される回生制動トルク目標値に近
づくように、電力変換装置30,32を制御する。回生
制動トルクの大きさは、変速器34,36における変速
段を変えることによっても制御し得る。
のホイールシリンダ22,24、液圧制動トルクを制御
するとともに回生制動トルクと液圧制動トルクとを含む
総制動トルクを制御する総制動トルク制御装置46、リ
ニアバルブ装置56、液圧制御弁装置58の他、図2に
示すように、後輪60,62のホイールシリンダ64,
66、マスタシリンダ68、定液圧源70等を含むもの
である。マスタシリンダ68は2つの加圧室72,74
を有するものであり、2つの加圧室72,74には、そ
れぞれ、ブレーキペダル76の操作力に応じたほぼ同じ
大きさの液圧が発生させられる。一方の加圧室72に
は、液通路80を介して駆動輪である前輪10,12の
ホイールシリンダ22,24が接続され、他方の加圧室
74には、液通路82を介して後輪60,62のホイー
ルシリンダ64,66が接続されている。定液圧源70
は、マスタリザーバ84,ポンプ86,アキュムレータ
88等を含むものであり、マスタリザーバ84の作動液
がポンプ86によって汲み上げられてアキュムレータ8
8に蓄えられる。アキュムレータ88には、設定圧力範
囲の作動液が常時蓄えられるようにされている。アキュ
ムレータ88には図示しない圧力スイッチが取り付けら
れており、この圧力スイッチのヒステリシスを有するO
N,OFFに応じてポンプ86が起動,停止させられる
ようになっているのである。定液圧源70は、上記加圧
室74に接続されており、ブレーキペダル76の踏込み
に伴って、加圧室74へ高圧の作動液が供給される。そ
れにより、ブレーキペダル76の操作ストロークの軽減
を図ることが可能となる。
0,92がそれぞれ設けられている。電磁開閉弁90,
92の開閉により、ホイールシリンダ22,24とマス
タシリンダ68とが連通させられたり、遮断されたりす
る。ホイールシリンダ22,24は、回生制動協調制
御,アンチロック制御,トラクション制御(アンチロッ
ク制御やトラクション制御は、回生制動協調制御と並行
して行われる場合もある)が行われる場合等に、マスタ
シリンダ68から遮断される。
ーバ84とを接続する液通路93の途中には、電磁開閉
弁94,96が設けられている。電磁開閉弁94,96
が開状態に切り換えられれば、ホイールシリンダ22,
24とマスタリザーバ84とが連通させられる。ホイー
ルシリンダ22,24の液圧が減圧させられ、液圧制動
トルクが減少させられる。また、ホイールシリンダ2
2,24とリニアバルブ装置56とを接続する液通路9
8の途中には、電磁開閉弁100,102が設けられて
いる。電磁開閉弁100,102は、通常制動時におい
て回生制動協調制御が行われる場合には開状態に保た
れ、ホイールシリンダ22,24とリニアバルブ装置5
6とが連通状態に保たれる。これら電磁開閉弁100,
102をそれぞれバイパスするバイパス通路の途中に
は、それぞれホイールシリンダ22,24からリニアバ
ルブ装置56へ向かう作動液の流れを許容するが、逆向
きの流れを阻止する逆止弁104,106が設けられて
おり、これら逆止弁104,106により、ブレーキペ
ダル76の踏込みが解除された場合に、ホイールシリン
ダ22,24の作動液がリニアバルブ装置56を経てマ
スタシリンダ68に早急に戻される。また、上記液通路
98のリニアバルブ装置56と電磁開閉弁100,10
2との間には、電磁開閉弁108が設けられている。電
磁開閉弁108は、回生制動協調制御やトラクション制
御が行われる場合、前輪10,12についてアンチロッ
ク制御が行われる場合等に開状態に保たれる。
74と後輪60,62のホイールシリンダ64,66と
を接続する液通路82の途中に設けられており、この液
通路82のリニアバルブ装置56のホイールシリンダ側
に前記液通路98が接続されることになる。リニアバル
ブ装置56とホイールシリンダ64,66との間には、
電磁開閉弁110が設けられ、電磁開閉弁110をバイ
パスするバイパス通路の途中には、ホイールシリンダ6
4,66からリニアバルブ装置56へ向かう方向の作動
液の流れを許容するが、逆向きの流れを阻止する逆止弁
112が設けられている。また、ホイールシリンダ6
4,66とマスタリザーバ84とを接続する液通路11
4の途中には、電磁開閉弁116が設けられている。液
通路82には、プロポーショニングバルブ118も設け
られ、後輪60,62のホイールシリンダ64,66の
液圧が前輪10,12のホイールシリンダ22,24の
液圧に対して大きくならないように制御されている。図
示するように、本実施形態においては、後輪64,66
のホイールシリンダ64,66の液圧は、共通に制御さ
れる。
6のホイールシリンダ側とを接続する液通路(リニアバ
ルブ装置56をバイパスする液通路)119の途中に
は、電磁開閉弁120が設けられている。電磁開閉弁1
20は、常には、閉状態に保たれるが、トクラクション
制御が行われる場合には開状態に切り換えられ、ホイー
ルシリンダに高圧の作動液が供給される。本実施形態に
おいては、駆動輪は前輪10,12であるため、トラク
ション制御が行われる場合には、電磁開閉弁120が開
状態に切り換えられるとともに、前記電磁開閉弁110
が閉状態に、電磁開閉弁108が開状態に切り換えられ
る。定液圧源70の作動液が、後輪側のホイールシリン
ダ64,66に供給されないで、前輪側のホイールシリ
ンダ22,24に供給される。前輪側のホイールシリン
ダ22,24の液圧は、電磁開閉弁90,92が閉状態
に保たれた状態において、電磁開閉弁100,94およ
び電磁開閉弁102,96の制御により、別個に制御さ
れる。前輪10,12には、ホイールシリンダ22,2
4の液圧の大きさに応じた大きさの液圧制動トルクが加
えられる。
スタシリンダ68との間には液圧センサ122が設けら
れ、リニアバルブ装置56のホイールシリンダ側の近傍
には液圧センサ124が設けられている。また、液圧セ
ンサ126,128により、ホイールシリンダ22,2
4の液圧が各々検出され、液圧センサ130によってホ
イールシリンダ64,66の液圧が共通に検出される。
液通路98の途中に設けられた液圧センサ132は、上
記液圧センサ124のフェールを検出するために設けら
れたものである。電磁開閉弁108が開状態に保たれた
場合に、液圧センサ132の出力信号と液圧センサ12
4の出力信号とが大きく異なる場合には、液圧センサ1
24が異常であるとされる。
ように、増圧リニアバルブ150,減圧リニアバルブ1
52,減圧用リザーバ154および逆止弁156,15
8を含むものである。増圧リニアバルブ150は液通路
82の途中に設けられ、減圧リニアバルブ152は液通
路82と減圧用リザーバ154とを接続する液通路16
0の途中に設けられている。増圧リニアバルブ150を
バイパスするバイパス通路の途中には、上述の逆止弁1
56が、ホイールシリンダからマスタシリンダ68に向
かう作動液の流れは許容し逆向きの流れは阻止する向き
に設けられている。減圧リニアバルブ152をバイパス
するバイパス通路の途中には、上記逆止弁158が減圧
用リザーバ154からマスタシリンダ68に向かう作動
液の流れは許容し逆向きの流れは阻止する向きに設けら
れている。
弁190と、電磁付勢装置194とを含むものである。
シーティング弁190は、弁子200,弁座202,弁
子200と一体的に移動する被電磁付勢体204,弁子
200が弁座202に着座する向きに被電磁付勢体20
4を付勢する付勢手段としての弾性部材としてのスプリ
ング206等を含むものである。また、電磁付勢装置1
94は、ソレノイド210,そのソレノイド210を保
持する樹脂製の保持部材212,第一磁路形成体21
4,第二磁路形成体216等を含むものである。ソレノ
イド210の巻線の両端に電圧が印加されると、ソレノ
イド210の巻線に電流が流れ、磁界が形成される。磁
束は、その多くが、第一磁路形成体214,被電磁付勢
体204,第二磁路形成体216と被電磁付勢体204
との間のエアギャップおよび第二磁路形成体216を通
る。ソレノイド210の巻線に印加される電圧を変化さ
せれば、被電磁付勢体204と第二磁路形成体216と
の間に作用する磁気力も変化する。この磁気力の大きさ
は、ソレノイド210の巻線に印加される電圧の大きさ
と共に増加し、それら印加する電圧と磁気力との関係は
予め知ることができる。したがって、印加電圧をその関
係に従って連続的に変化させることにより、被電磁付勢
体204を付勢する力の大きさを任意に変更することが
できる。この被電磁付勢体204を付勢する力は、上述
の磁気力のうちの被電磁付勢体204を第二磁路形成体
216に接近させる方向の力のことであり、以下、電磁
駆動力と称する。電磁駆動力は、スプリング206の付
勢力とは反対向きの力である。なお、被電磁付勢体20
4の第一磁路形成体216に対向する面には、係合突部
220が形成され、それに対する第一磁路形成体216
の被電磁付勢体204に対向する部分には、係合凹部2
22が形成されており、被電磁付勢体204と第一磁路
形成体216との相対位置の変化に応じて係合突部22
0と係合凹部222との間の対向部の面積が変化させら
れる。
6とによって形成される磁路の磁気抵抗は、被電磁付勢
体204と第二磁路形成体216との軸方向の相対的な
位置に依存して変化する。その結果、ソレノイド210
に印加される電圧がそれほど大きくない範囲内において
一定であれば、被電磁付勢体204を第二磁路形成体2
16方向へ付勢する電磁駆動力が、被電磁付勢体204
と第二磁路形成体216との軸方向の相対的な位置に関
係なくほぼ一定となる。一方、スプリング206による
被電磁付勢体204を第二磁路形成体216から離間す
る方向へ付勢する付勢力(スプリングの付勢力)は、被
電磁付勢体204と第二磁路形成体216との接近に伴
って増大する。したがって、弁子200に、入口側液圧
と出口側液圧との液圧差に基づく付勢力(差圧作用力)
が作用していない状態では、被電磁付勢体204の第二
磁路形成体216方向への移動が、上記スプリング20
6の付勢力と電磁駆動力とが等しくなることにより停止
することとなる。このように、印加電圧を増加させると
被電磁付勢体204に作用する弁子200を弁座202
に押し付ける向きの力(電磁駆動力とスプリングの付勢
力との合力)が小さくなり、弁子200が弁座202か
ら離間し易くなるのである。
あるが、これら増圧リニアバルブ150と減圧リニアバ
ルブ152とでは、弁子200を弁座202に接近させ
る方向に付勢するスプリングの付勢力が異なる。減圧リ
ニアバルブ152におけるスプリング224の方が増圧
リニアバルブ150におけるスプリング206より大き
くされている。ホイールシリンダ液圧が高くなっても、
作動液が、減圧リニアバルブ152を経て減圧用リザー
バ154へ流れることが回避されているのである。
0,減圧リニアバルブ152の各ソレノイド210に印
加される電圧に応じてリニアバルブ装置56によって出
力される液圧を制御することが可能となる。増圧リニア
バルブ150のソレノイド210に印加される電圧が大
きくされると、スプリング206の付勢力と反対方向の
電磁駆動力が大きくされ、シーティング弁190におい
て弁子200が弁座202から離間し易くなる。リニア
バルブ装置56から出力される液圧が増圧させられ、ホ
イールシリンダ22,54の液圧が大きくなる。同様
に、減圧リニアバルブ152のソレノイドに印加される
電圧が大きくされると、シーティング弁190が開き易
くなり、ホイールシリンダ液圧が小さくされる。このよ
うに、増圧リニアバルブ150,減圧リニアバルブ15
2の各ソレノイド210への印加電圧に応じてホイール
シリンダ液圧が制御されるのであり、増圧リニアバルブ
150のソレノイド210,減圧リニアバルブ152の
ソレノイド210への印加電圧を制御することを、本明
細書において、リニアバルブ装置56を制御すると略称
することとする。
路80の途中には液圧センサ226が設けられている。
液圧センサ226によって検出された液圧は、運転者の
意図する制動力に対応する液圧であるため、後述するよ
うに、この液圧センサ226によって検出された液圧に
基づいて目標総制動トルクが求められる。液通路80に
は、ストロークシミュレータ228が接続され、電磁開
閉弁90,92が共に閉状態とされた場合においてブレ
ーキペダル76のストロークが殆ど0になることが回避
される。
タを主体とするもので、入力部には、上記液圧センサ1
22〜132,226,ブレーキペダル76が踏み込ま
れたことを検出する踏力スイッチ250,各車輪10,
12,60,62の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速
センサ252〜258等の他、電動モータ16,18の
回転速度を検出する回転数検出装置260,262、蓄
電装置38の充電状況を検出する充電状況検出装置26
4,アクセルペダル266(図1参照)の操作量を検出
するアクセル操作量検出装置268等が接続され、出力
部には、電動モータ制御装置42が接続されるととも
に、各電磁開閉弁のソレノイド、リニアバルブ装置56
のソレノイド等が図示しない駆動回路を介して接続され
ている。アクセル操作量検出装置268によって検出さ
れた操作量が0より大きい場合には、アクセルペダル2
66が踏み込まれたとされる。アクセル操作量検出装置
268は、アクセルスイッチも兼ねているのである。R
OMには、図4のフローチャートで表されるトラクショ
ン制御プログラム、図6のフローチャートで表されるア
ンチロック制御プログラム、フローチャートの図示は省
略するが回生制動協調制御プログラム等種々のプログラ
ムが格納されている。
ピュータを主体とするもので、入力部には、上述の回転
数検出装置260,262、アクセル操作量検出装置2
68等が接続され、出力部には、電力変換装置30,3
2等が図示しない駆動回路を介して接続されている。電
力変換装置30,32は、アクセル操作量検出装置26
8によって検出された操作量に応じた駆動トルクが出力
されるように制御されたり、電動モータ16,18の出
力トルクが回生制動トルク目標値に近づくように制御さ
れたりする。この回生制動トルク目標値を表す情報は、
総制動トルク制御装置46から供給されるが、総制動ト
ルク制御装置46へは、実回生制動トルクを表す情報等
が供給される。実回生制動トルクの大きさは、電動モー
タ16,18の回転数等に基づいて検出される。総制動
トルク制御装置46は、電動モータ制御装置42から供
給された情報で表される実回生制動トルクに基づいて、
リニアバルブ装置56や複数の電磁開閉弁を含む液圧制
御弁装置58を制御する。
おける作動について説明する。ブレーキペダル76が踏
み込まれると、その踏込み力に応じた大きさの液圧が、
加圧室72,74に発生させられ、作動液がホイールシ
リンダ22,24,64,66に供給される。各車輪1
0,12,60,62には、ホイールシリンダ液圧に対
応した液圧制動トルクが加えられ、車輪の回転が抑制さ
れる。回生制動協調制御が行われる場合には、非駆動輪
としての後輪60,62には、液圧制動トルクが加えら
れ、駆動輪としての前輪10,12には、回生制動トル
クと液圧制動トルクとを含む総制動トルクが加えられ
る。運転者の意図に応じた目標総制動トルクが、液圧セ
ンサ226によって検出された液圧に応じた大きさに決
定される。また、回生制動トルク目標値が、エネルギ効
率が最も大きくなる大きさに決定される。本実施形態に
おいては、ブレーキペダル76の踏込み力に応じて決ま
る操作側上限値(目標総制動トルク)を越えない範囲内
における電動モータ16,18の回転速度の都合で決ま
る発電側上限値、蓄電装置38における充電状況の都合
で決まる充電側上限値の小さい方の上限値とされる。こ
のようにして決定された回生制動トルク目標値を表す情
報が電動モータ制御装置42に供給されるのである。ま
た、目標総制動トルクから、電動モータ制御装置42か
ら供給された情報で表される実回生制動トルクを引いた
値が目標液圧制動トルクとされる。リニアバルブ装置5
6が、液圧センサ124によって検出される出力液圧に
対応する液圧制動トルクが、上記目標液圧制動トルクに
近づくように制御されるのである。
や、各車輪10,12,60,62に加えられる総制動
トルクが路面の摩擦係数に対して過大になると、トラク
ション制御や、アンチロック制御が行われるが、ここで
は、便宜上、トラクション制御について先に説明する。
駆動輪としての前輪10,12の少なくとも一方の駆動
スリップ状態が設定状態以上になると、トラクション制
御が行われる。前輪10,12に加えられる総制動トル
クが、駆動スリップ状態がほぼ適正状態に保たれるよう
に制御される。総制動トルクの制御の他に、内燃機関の
制御等も行われることにより、前輪10,12に加えら
れる駆動トルクが制御されることになるが、ここでは、
総制動トルクの制御について説明する。また、トラクシ
ョン制御は、上述のように、両駆動輪10,12の少な
くとも一方について行われるが、以下、これら両駆動輪
10,12を区別することなく説明することにする。
件が満たされると開始され、トラクション終了条件が満
たされると終了させられる。本実施形態においては、ト
ラクション開始条件は、駆動輪速度が目標駆動輪速度を
越えた場合に満たされる。ここで、目標駆動輪速度は、
トラクション時推定車体速度に所定値を加えた大きさで
あるため、上述のトラクション開始条件は駆動スリップ
が所定値を越えた場合に満たされることになる。トラク
ション時推定車体速度は、たいていの場合には、非駆動
輪としての後輪60,62の車輪速度の小さい方に基づ
いた大きさに決定されるが、前回のトラクション時推定
車体速度に加速度の上限値,下限値を考慮して求められ
た大きさの範囲を越えないように制限されている。そし
て、トラクション終了条件は、両駆動輪10,12の駆
動スリップがともに設定値より小さくなった状態が設定
時間以上継続した場合に満たされる。
度,駆動加速度等に基づいて予め定められたテーブルに
従って急増モード,保持モード,緩減モードのうちの1
つが選択される。駆動輪速度が目標駆動輪速度より大き
く、かつ、駆動輪加速度が正の場合に、急増モードが選
択される。その後、駆動輪速度がピーク時から予め定め
られた量だけ減少した場合に、緩減モードが選択され
る。緩減モードが選択されることにより、駆動輪加速度
が0以上になり、駆動スリップが減少傾向から増加傾向
に転ずれば、保持モードが選択される。この場合に、駆
動輪速度が目標駆動輪速度より小さい間は保持モードに
保たれるが、目標駆動輪速度を越えると急増モードが選
択されることになる。トラクション制御中においては、
液圧制動装置20においては、電磁開閉弁90,92が
閉状態に切り換えられるとともに、電磁開閉弁120が
開状態に、電磁開閉弁108が開状態に、電磁開閉弁1
10が閉状態にそれぞれ切り換えられた状態で、電磁開
閉弁100,94、電磁開閉弁102,96が制御され
る。回生制動装置14においては、電動モータ16,1
8によって出力される実回生制動トルクが後述する回生
制動トルク目標値に近づくように、電力変換装置30,
32が制御される。
動トルクと液圧制動トルクとの両方が増加させられる。
トラクション制御開始時には、駆動輪10,12には、
制動トルクは加えられていないため、回生制動トルクと
液圧制動トルクとが新たに加えられることになる。回生
制動装置14においては、電力変換装置30,32が、
電動モータ16,18の回生制動トルクが上述の上限値
になるように制御される。回生制動トルク目標値が上限
値とされるのは、エネルギ効率を最大にしたり、回生制
動トルクの減少の余地を大きくしたりするためである。
液圧制動装置20においては、電磁開閉弁100,10
2が開状態に保たれ、電磁開閉弁94,96が閉状態と
される。駆動輪10,12のホイールシリンダ22,2
4には、定液圧源70の作動液が早急に流入させられる
ため、ホイールシリンダ22,24の液圧が直ちに増圧
させられ、液圧制動トルクが急増させられる。総制動ト
ルクは大きな勾配で増加させられることになる。
動トルクが小さくされるのに伴って総制動トルクが小さ
くされる。ここで、回生制動トルクの減少勾配は、急増
モードが選択されている間における駆動スリップ状態の
回復速度に応じて決定される。駆動スリップの回復速度
(低下速度)が大きい場合は小さい場合より路面の摩擦
係数が大きいと推定することができるため、総制動トル
クの減少勾配が大きくされるのである。また、駆動スリ
ップの変化速度が大きい場合は、小さい場合より総制動
トルクの変化勾配も大きくする制御が行われるのが普通
なのである。液圧制動トルクが一定に保たれた状態(電
磁開閉弁100,102.94,96が共に遮断状態に
保たれた状態)で実回生制動トルクが緩減させられ、総
制動トルクが緩減させられる。回生制動トルクは液圧制
動トルクに比較して滑らかに変化させることができるた
め、総制動トルクを滑らかに減少させることができる。
て駆動スリップ状態が回復に転じれば、保持モードある
いは急増モードが選択され、総制動トルクが保持あるい
は増加させられるが、回生制動トルクが緩減させられて
0になっても、緩減モードが設定されている場合には、
液圧制動トルクが緩減させられる。電磁開閉弁100,
102が閉状態に切り換えられ、電磁開閉弁94,96
が予め定められた比率で閉状態と開状態とに交互に切り
換えられる。ホイールシリンダ22,24の液圧が緩減
させられ、液圧制動トルクが緩減させられ、それに伴っ
て総制動トルクが緩減させられる。本実施形態において
は、電磁開閉弁94,96の切換え比率が、液圧制動ト
ルクの減少勾配が回生制動トルクの減少勾配とほぼ同じ
になるように決定されるため、液圧制動トルクは、回生
制動トルクとほぼ同じ勾配で減少させられることにな
り、緩減モードが設定されている間、総制動トルクの減
少勾配がほぼ一定に保たれる。
動トルクも液圧制動トルクもその値に保たれる。電動モ
ータ16,18は現状態が保持され、電磁開閉弁10
0,102および電磁開閉弁94,96は閉状態に保た
れる。
ャートに基づいて説明する。ステップ1(以下、S1と
略称する。他のステップについても同様とする)におい
て、アクセルペダル266が踏み込まれているか否かが
判定される。踏み込まれている場合には、S2,3にお
いて、駆動輪の車輪速度等が読み込まれ、トラクション
時推定車体速度等が演算により求められ、そのトラクシ
ョン時推定車体速度に基づいて駆動スリップが求められ
る。S4において、トラクション制御中フラグがセット
されているか否かが判定される。トラクション制御中フ
ラグがセットされていない場合には、S5において、ト
ラクション開始条件が満たされるか否かが判定される。
満たされる場合には、S6において、トラクション制御
中フラグがセットされ、S7において、制御モードが選
択される。トラクション開始条件が満たされた場合に
は、たいていの場合には、急増モードが選択される。S
8において、回生制動トルク目標値が上限値に決定さ
れ、その目標値を表す情報が電動モータ制御装置42に
供給される。また、液圧制御弁装置58が前述のように
制御される。総制動トルクが急増させられ、駆動トルク
が急減させられる。
ション制御中フラグはセットされているため、判定はY
ESとなり、S9においてトラクション終了条件が満た
されるか否かが判定される。満たされない場合には、ト
ラクション制御が継続して行われ、S7において、制御
モードの選択が行われる。緩減モードが選択された場合
には、S10において、トルク減少勾配が決定される。
前述のように、駆動スリップの回復速度に応じた大きさ
とされるのである。S11において、実回生制動トルク
が0か否かが判定される。急増モードが選択された場合
には、実回生制動トルクはほぼ上限値に対応する大きさ
に制御されているため、最初に、S11が実行される場
合には、判定はNOとなり、S12において、ホイール
シリンダ22,24の液圧が保持され、回生制動トルク
目標値が減少値だけ小さくされる。回生制動トルクの減
少勾配が、S10において決定された大きさとなるよう
に、減少させられるのであり、そのように決定された値
が減少値である。回生制動トルク目標値が減少値ずつ小
さくされれば、それに応じて、実回生制動トルクが緩減
させられ、総制動トルクが緩減させられる。
り、駆動スリップが増加傾向に転じれば、保持モードが
選択され、S14において、回生制動トルクおよび液圧
制動トルクがその値に保たれる。それに対して、回生制
動トルクが0まで減少させられても、緩減モードが設定
されている場合には、S13において、液圧制動トルク
が減少させられる。電磁開閉弁100,102が閉状態
に保たれた状態で、電磁開閉弁94,96が開状態と閉
状態とに交互に切り換えられる。回生制動トルクは0の
ままである。
9における判定がYESとなり、S15において、トラ
クション制御中フラグがリセットされ、S16におい
て、回生制動トルク目標値が0、ホイールシリンダ液圧
が大気圧とされる。開始条件が満たされない場合にも、
同様に、S16が実行される。ブレーキペダル76が踏
み込まれているわけではないため、回生制動トルクも液
圧制動トルクも0とされるのである。
御が行われた場合の一例を図5に示す。時間t1 におい
てトラクション制御が開始され、急増モードが選択され
ると、回生制動トルクと液圧制動トルクとの両方が増加
させられることにより総制動トルクが急増させられる。
駆動トルクが減少させられ、駆動スリップが減少させら
れる。時間t2 において、駆動スリップがピーク値より
設定値以上小さくなると、緩減モードが選択され、回生
制動トルクが緩減させられる。この場合の回生制動トル
クの減少勾配は、時間Δt12間の駆動スリップの低下勾
配に応じた大きさとされる。回生制動トルクが緩減させ
られ、時間t3 において0となるが、緩減モードが継続
して設定されているため、それ以降は、液圧制動トルク
が電磁開閉弁94,96の開閉に伴って、回生制動トル
クの減少勾配とほぼ同じ勾配で減少させられる。時間t
4 において保持モードが選択され、時間t5 において、
再び急増モードが選択される。ここで、回生制動トルク
の上限値の大きさが、最初に急増モードが選択された場
合と、次に急増モードが選択された場合とで異なるの
は、駆動輪の速度が異なること等に起因する。
クション制御において急増モードが選択された場合に
は、回生制動トルクと液圧制動トルクとの両方が増加さ
せられるため、総制動トルクを大きな勾配で早急に増加
させることができる。液圧制動トルクについては応答性
が良好であるため、回生制動トルクのみを増加させる場
合に比較して、増加初期時に、総制動トルクの増加勾配
を大きくすることができるのである。また、緩減モード
が選択された場合には、液圧制動トルクが一定とされた
状態で、回生制動トルクが減少させられることによって
総制動トルクが減少させられる。その結果、総制動トル
クを滑らかに減少させることができる。トラクション制
御においては、総制動トルクの増加は急激に行い、減少
は緩慢に行うことが多いため、本実施形態における車両
用制動装置によれば、総制動トルクの制御性の向上を図
ることができ、トラクション制御を良好に行うことがで
きるのである。
させる場合には、電磁開閉弁100,102および電磁
開閉弁94,96のいずれか一方を開状態に保てばよい
が、緩やかに変化させる場合には、電磁開閉弁100,
102および電磁開閉弁94,96のいずれか一方を開
状態と閉状態とに切り換える必要がある。そのため、液
圧制動トルクは、段階的に変化させられることになり、
滑らかに変化させることができない。しかも、電磁開閉
弁の開閉に伴って大きな作動音が発生するという問題も
あった。それに対して、回生制動トルクの緩減は、この
ような問題が生じることなく行うことができるのであ
り、作動音の軽減を図りつつ、総制動トルクを緩減させ
得る。なお、液圧制動装置20がドラムブレーキ装置を
含むものであり、電動モータ16,18をドラムの内部
に配設すれば、電動モータの設置スペースを小さくする
ことができる。この場合の電動モータをインホイールモ
ータと称することができる。
プ状態が設定状態以上になると、アンチロック制御が開
始される。各車輪10,12,60,62の総制動トル
クが、制動スリップ状態がほぼ適正状態に保たれるよう
に制御される。アンチロック制御は、駆動輪に対して
も、非駆動輪に対しても行われるが、ここでは、駆動輪
に対して行われる場合について説明する。アンチロック
制御は、アンチロック開始条件が満たされると開始さ
れ、アンチロック終了条件が満たされると終了させられ
る。本実施形態においては、開始条件は、前輪10,1
2の少なくとも1輪の制動スリップ量ΔVw が、車輪減
速度Gw が設定減速度G1 以上になった場合における基
準スリップ量ΔVsnよりさらに設定スリップ量ΔVR だ
け大きくなること(ΔVw >ΔVsn+ΔVR )であり、
終了条件は、ブレーキペダル76の踏込みが解除された
り、車両の走行速度が設定速度以下になったりすること
である。
車輪速度と減速度とに基づいて、予め定められたテーブ
ルに従って、急減モード,緩増モード,保持モード等が
選択される。車輪速度が小さく、減速度が大きい場合に
は、急減モードが選択され、車輪速度が大きく、減速度
が小さい場合には、緩増モードが選択される。回生制動
装置14においては、電力変換装置30,32が、後述
する回生制動トルク目標値が得られるように制御され、
液圧制動装置20においては、電磁開閉弁120が閉状
態に、電磁開閉弁90,92が閉状態に、電磁開閉弁1
08が開状態に保たれた状態で、電磁開閉弁100,1
02,94,96が制御されることにより、ホイールシ
リンダ22,24の液圧がそれぞれ独立に制御される。
動トルクと液圧制動トルクとの両方が減少させられる。
回生制動装置14においては、回生制動トルク目標値が
0となるように電力変換装置30,32が制御され、液
圧制動装置20においては、電磁開閉弁100,102
が閉状態に、電磁開閉弁94,96が開状態に切り換え
られる。ホイールシリンダ22,24の作動液はマスタ
リザーバ84に早急に流出させられ、液圧が早急に減圧
させられ、液圧制動トルクが急減させられる。
動トルクが緩増させられるのに伴って総制動トルクが緩
増させられる。回生制動トルク目標値の緩増に伴って実
回生制動トルクが緩増させられ、総制動トルクが緩増さ
せられる。この場合の増加勾配は、運転者の意図する目
標総制動トルクと、実総制動トルクとのトルク差等に基
づいて決定される。前輪10,12と後輪60,62と
で、総制動トルクの増加勾配がほぼ同じになるように決
定されるのである。後輪60,62に加えられる総制動
トルクの増加勾配は、マスタシリンダ68の液圧と、ホ
イールシリンダ64,66の液圧と、電磁開閉弁110
のデューティ比とに基づいて決定されるが、緩増モード
が選択された場合における電磁開閉弁110のデューテ
ィ比は予め決められている。そのため、前輪10,12
の総制動トルクの増加勾配が、目標総制動トルクと実総
制動トルクとのトルク差と、上記デューティ比に対応す
る値とに基づいて決定されるのである。回生制動トルク
を緩増させて上限値に達しても、緩増モードが設定され
ている場合には、液圧制動トルクが緩増させられる。電
磁開閉弁94,96が閉状態に保たれた状態で、電磁開
閉弁100,102が閉状態と開状態とに、液圧制動ト
ルクの増加勾配が回生制動トルクの増加勾配とほぼ同じ
大きさになるような比率で切り換えられる。保持モード
が選択された場合には、電動モータ16,18の状態が
原状態に保たれ、ホイールシリンダ液圧もその値に保持
される。
1において、ブレーキペダル76が踏み込まれているか
否かが判定される。踏み込まれている場合には、アンチ
ロック制御中フラグがセットされているか否か、アンチ
ロック開始条件が満たされるか否か、アンチロック終了
条件が満たされるか否か等が判定される。アンチロック
制御中においては、S37において制御モードが選択さ
れ、それに応じて、回生制動装置14においては電力変
換装置30,32が制御され、液圧制動装置20におい
ては、液圧制御弁装置58が制御される。
において、回生制動トルク目標値が0に決定され、電磁
開閉弁100,102が閉状態に、電磁開閉弁94,9
6が開状態に切り換えられる。ホイールシリンダ22,
24の作動液がマスタリザーバ84に早急に流出させら
れ、液圧が速やかに減少させられ、総制動トルクが急減
させられる。緩増モードが選択された場合には、S40
〜42において、実回生制動トルクが上限値以上か否か
が判定され、上限値より小さい場合には、ホイールシリ
ンダ液圧が保持された状態で回生制動トルク目標値が緩
増させられる。前述のように決定された勾配が得られる
ように、回生制動トルク目標値に増加値が加えられるの
である。実回生制動トルクが上限値に達しても、緩増モ
ードが選択されている場合には、液圧制動トルクが緩増
させられる。電磁開閉弁94,96が閉状態に保たれた
状態で、電磁開閉弁100,102が決定された比率で
開状態と閉状態とに切り換えられる。ホイールシリンダ
22,24の液圧の緩増に伴って、液圧制動トルクが緩
増させられ、総制動トルクが緩増させられる。保持モー
ドが選択された場合には、S44において、回生制動ト
ルクも液圧制動トルクも一定の大きさに保たれる。
間t1 においてアンチロック制御が開始されれば、急減
モードが選択され、回生制動トルクと液圧制動トルクと
の両方が減少させられる。制動スリップが回復し、時間
t2 において、緩増モードが選択される。回生制動トル
クが緩増させられるが、時間t3 において上限値に達す
る。しかし、この時点においては緩増モードが設定され
ているため、その後は、液圧制動トルクが緩増させられ
ることになる。ここで、アンチロック制御中における回
生制動トルクの上限値が、制御開始以前におけるそれよ
り小さいのは、車輪速度の低下等に起因する。時間t4
において保持モードが選択され、時間t5 において急減
モードが選択され、総制動トルクが再び急減させられ
る。
制動トルクを急減させる場合には、回生制動トルクと液
圧制動トルクとの両方が減少させられ、緩増させる場合
には、液圧制動トルクが一定に保たれた状態で、回生制
動トルクが緩やかに減少させられることになる。その結
果、総制動トルクを大きな勾配で速やかに減少させた
り、滑らかに増加させることができる。アンチロック制
御においては、総制動トルクを減少させる場合には急激
に、増加させる場合には緩慢に行うことが多いため、本
実施形態における車両用制動装置によれば、アンチロッ
ク制御を良好に行うことが可能となる。
制動トルク制御装置46に、トラクション制御手段とア
ンチロック制御手段とが含まれるが、総制動トルク制御
装置46のうちの、S8を実行する部分等により、両制
動トルク増加手段が構成され、S10〜13を実行する
部分等により、回生制動トルク緩減手段が構成される。
また、総制動トルク制御装置46のうちの、S38を実
行する部分等により、両制動トルク減少手段が構成さ
れ、S40〜43を実行する部分等により、回生制動ト
ルク緩増手段が構成される。
ョン制御開始直後に急増モードが選択された場合におい
ても、トラクション制御途中において急増モードが選択
された場合においても、回生制動トルクと液圧制動トル
クとの両方が増加させられるようにされていたが、開始
直後には両方が増加させられ、制御中には回生制動トル
クと液圧制動トルクとのいずれか一方のみが増加させら
れるようにしてもよい。この場合に、回生制動トルクが
優先的に増加させられるようにすれば、運動エネルギの
無駄な放出を抑制し得る。同様に、アンチロック制御に
おいても、開始直後に急減モードが選択された場合に回
生制動トルクと液圧制動トルクとの両方を減少させ、制
御途中においては、回生制動トルクと液圧制動トルクと
のいずれか一方のみが減少させられるようにしてもよ
い。この場合には、液圧制動トルクを優先的に減少させ
れば、エネルギ効率の低下を抑制し得る。
モード,緩減モード,保持モードのいずれか1つのモー
ドが選択されるようにされていたが、他に、急減モード
等が選択されるようにしてもよい。さらに、急増モード
と緩減モードとのいずれか一方が選択されるようにして
もよい。アンチロック制御についても、同様に、急減モ
ード,緩増モード,保持モードの他に、緩減モード等が
選択される制御、急減モードと緩増モードとのいずれか
一方が選択される制御とすることもできる。いずれにし
ても、上記実施形態におけるトラクション制御態様やア
ンチロック制御態様は、一例であり、限定するものでは
ない。
としての前輪10,12の回生制動トルクが、それぞれ
独立に制御されるようにされていたが、共通に制御され
るようにしてもよい。液圧制動トルクの大きさが右前輪
10と左前輪12とで独立に制御可能とされるため、回
生制動トルクの大きさが同じであっても差し支えないの
である。その場合には、電動モータ16,18を車輪1
0,12毎に設ける必要はなく、1つの電動モータが、
差動装置、ドライブシャフトを介して、前輪10,12
に接続されるようにすることができる。右前輪10,左
前輪12が異なる摩擦係数の路面に接しているのは稀で
あるため、共通に制御しても差し支えないというのも共
通にできる理由の1つである。
施形態に限らず、リニアバルブ装置56も不可欠ではな
く、液圧制御弁装置58の制御により、各車輪の液圧制
動トルクが制御されるようにすることもできる。さら
に、各ホイールシリンダ毎にリニアバルブ装置を設けて
もよく、その場合には、リニアバルブ装置の制御によ
り、各ホイールシリンダの液圧を制御することができ
る。さらに、ブレーキスイッチ250は不可欠ではな
く、液圧センサ122,226等によって検出された液
圧が0より大きくなれば、ブレーキペダル72が踏み込
まれたと検出することもできる。同様に、アクセル操作
量検出装置268の他に、アクセルスイッチを設けても
よい。また、摩擦制動装置は、液圧制動装置に限らず、
電動モータの制御により摩擦部材をブレーキ回転体に押
し付ける際の押付力を制御したり、圧電素子等の積層体
に印加する電圧を制御することにより積層体の伸縮を制
御して押付力を制御したりする電動制動装置とすること
もできる。
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
載された車両全体を表す概略図である。
回路図である。
の一部断面図である。
御装置のROMに格納されたトラクショント制御プログ
ラムを表すフローチャートである。
が行われた場合の一例を示す図である。
御装置のROMに格納されたアンチロック制御プログラ
ムを表すフローチャートである。
が行われた場合の一例を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 車両の車輪に、電動モータの回生制動に
より回生制動トルクを加える回生制動装置と、 前記車輪と共に回転するブレーキ回転体に摩擦部材を摩
擦係合させることにより、車輪に摩擦制動トルクを加え
る摩擦制動装置と、 前記回生制動トルクと前記摩擦制動トルクとを含む総制
動トルクを大きな勾配で変化させる場合に、回生制動ト
ルクと摩擦制動トルクとの両方を同時に変化させ、前記
総制動トルクを小さな勾配で変化させる場合に、摩擦制
動トルクを一定に保った状態で回生制動トルクを変化さ
せ、回生制動トルクを上限値または0まで変化させた状
態において未だ前記総制動トルクを変化させる必要があ
る場合に、摩擦制動トルクを変化させる総制動トルク制
御装置とを含むことを特徴とする車両用制動装置。 - 【請求項2】前記総制動トルク制御装置が、前記車輪の
駆動スリップ状態がほぼ適正状態となるように前記総制
動トルクを制御するトラクション制御手段を含み、その
トラクション制御手段が、前記総制動トルクを急激に増
加させる場合に、前記回生制動トルクと前記摩擦制動ト
ルクとの両方を同時に増加させる両制動トルク増加手段
と、総制動トルクを緩やかに減少させる場合に、摩擦制
動トルクを一定に保った状態で回生制動トルクを緩やか
に減少させ、その回生制動トルクを0まで減少させた状
態において未だ前記総制動トルクを減少させる必要があ
る場合に前記摩擦制動トルクを緩やかに減少させる回生
制動トルク緩減手段とを含むことを特徴とする請求項1
に記載の車両用制動装置。 - 【請求項3】前記トラクション制御手段が、前記総制動
トルクの減少勾配を、前記両制動トルク増加手段によっ
て回生制動トルクと摩擦制動トルクとの両方が同時に増
加させられたことによる前記駆動スリップ状態の回復状
況に応じて決定する減少勾配決定手段を含む請求項2に
記載の車両用制動装置。 - 【請求項4】前記トラクション制御手段によって最初に
総制動トルクが増加させられる場合に、前記両制動トル
ク増加手段によって前記回生制動トルクと前記摩擦制動
トルクとの両方が増加させられ、2回目以降において、
回生制動トルクと摩擦制動トルクとのいずれか一方が増
加させられる請求項2または3に記 載の車両用制動装
置。 - 【請求項5】 前記総制動トルク制御装置が、前記車輪の
制動スリップ状態がほぼ適正状態となるように前記総制
動トルクを制御するアンチロック制御手段を含み、その
アンチロック制御手段が、前記総制動トルクを急激に減
少させる場合に、前記回生制動トルクと前記摩擦制動ト
ルクとの両方を同時に減少させる両制動トルク減少手段
と、総制動トルクを緩やかに増加させる場合に、摩擦制
動トルクを一定に保った状態で回生制動トルクを緩やか
に増加させ、その回生制動トルクを上限値まで増加させ
た状態において未だ前記総制動トルクを増加させる必要
がある場合に前記摩擦制動トルクを緩やかに増加させる
回生制動トルク漸増手段とを含むことを特徴とする請求
項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用制動装置。 - 【請求項6】前記アンチロック制御手段が、前記総制動
トルクの増加勾配を、運転者の意図する総制動トルクで
ある目標総制動トルクと、実際に得られた総制動トルク
である実総制動トルクとに基づいて決定する緩増勾配決
定手段を含む請求項5に記載の車両用制動装置。 - 【請求項7】前記アンチロック制御手段によって最初に
総制動トルクが減少させられる場合に、前記両制動トル
ク減少手段によって前記回生制動トルクと前記摩擦制動
トルクとの両方が減少させられ、2回目以降において
は、回生制動トルクと摩擦制動トルクとのいずれか一方
が減少させられる請求項5または6に記載の車両用制動
装置。
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Family Applications (1)
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1997
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