JPH07205800A - 電気自動車の制動装置 - Google Patents
電気自動車の制動装置Info
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- JPH07205800A JPH07205800A JP6005400A JP540094A JPH07205800A JP H07205800 A JPH07205800 A JP H07205800A JP 6005400 A JP6005400 A JP 6005400A JP 540094 A JP540094 A JP 540094A JP H07205800 A JPH07205800 A JP H07205800A
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- braking
- hydraulic
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- Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 フェイルセーフが確実、装置構成が簡素でか
つエネルギ回収率及びブレーキフィーリングが良好な制
動装置を得る。 【構成】 ブレーキペダル22の踏込みを待つことなく
アクセルオフに応じ油圧バルブ54に制御信号を与え、
その開弁値P0を十分高い値に制御する。油圧バルブ5
4は、制御オフ状態ではマスタシリンダ26の油圧(M
/C圧)をフロントホイールシリンダ28に伝達させ
る。制御をオフするのみで確実なフェイルセーフを実現
でき、装置構成が簡素になる。M/C圧に対して遅れな
しに制動開始されるため、エネルギ回収率及びブレーキ
フィーリングが良好になる。
つエネルギ回収率及びブレーキフィーリングが良好な制
動装置を得る。 【構成】 ブレーキペダル22の踏込みを待つことなく
アクセルオフに応じ油圧バルブ54に制御信号を与え、
その開弁値P0を十分高い値に制御する。油圧バルブ5
4は、制御オフ状態ではマスタシリンダ26の油圧(M
/C圧)をフロントホイールシリンダ28に伝達させ
る。制御をオフするのみで確実なフェイルセーフを実現
でき、装置構成が簡素になる。M/C圧に対して遅れな
しに制動開始されるため、エネルギ回収率及びブレーキ
フィーリングが良好になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液圧制動及び回生制動
により電気自動車を制動する電気自動車の制動装置に関
する。
により電気自動車を制動する電気自動車の制動装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両の制動装置としては、車両操縦者の
ブレーキ操作に応じて発生させた液圧(一般には油圧)
を車輪側に伝達して制動する液圧(油圧)制動装置が一
般に用いられている。また、電気自動車においては車両
駆動用モータにより電力を回生することによっても、車
両を制動することができる。電気自動車においては、こ
れら液圧(油圧)制動及び回生制動を併用することがで
きる。
ブレーキ操作に応じて発生させた液圧(一般には油圧)
を車輪側に伝達して制動する液圧(油圧)制動装置が一
般に用いられている。また、電気自動車においては車両
駆動用モータにより電力を回生することによっても、車
両を制動することができる。電気自動車においては、こ
れら液圧(油圧)制動及び回生制動を併用することがで
きる。
【0003】これら、液圧(油圧)制動及び回生制動に
おける制動力は、いずれも制御可能である。すなわち、
液圧(油圧)制動力は液路(油路)上にソレノイドバル
ブ等の弁を設けることにより制御でき、回生制動力は電
力変換動作の制御によって制御することができる。従っ
て、これら2種類の制動手段を共に搭載する電気自動車
においては、液圧(油圧)制動力及び回生制動力を共に
制御可能な制動装置を構成することができる。このよう
な制御は、従来から、制動力配分の最適化や、ブレーキ
フィーリングの改善といった視点で、様々に検討されて
いる。
おける制動力は、いずれも制御可能である。すなわち、
液圧(油圧)制動力は液路(油路)上にソレノイドバル
ブ等の弁を設けることにより制御でき、回生制動力は電
力変換動作の制御によって制御することができる。従っ
て、これら2種類の制動手段を共に搭載する電気自動車
においては、液圧(油圧)制動力及び回生制動力を共に
制御可能な制動装置を構成することができる。このよう
な制御は、従来から、制動力配分の最適化や、ブレーキ
フィーリングの改善といった視点で、様々に検討されて
いる。
【0004】図12には、一従来例に係る制動装置の構
成が示されている。この図に示される装置は特開平5−
161211号公報に開示されている装置を一部簡略化
し又は変更した構成である。
成が示されている。この図に示される装置は特開平5−
161211号公報に開示されている装置を一部簡略化
し又は変更した構成である。
【0005】この図において符号10で示されている部
材は車両駆動用の交流モータである。モータ10の出力
軸は、駆動輪(この図の場合前輪)に連結されたドライ
ブシャフト12に連結されている。また、モータ10
は、インバータ14を介し車載のバッテリ16から電力
供給を受けて回転駆動する。インバータ14は、モータ
ECU18から供給される制御信号に応じ、バッテリ1
6の放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、モータ
10に供給する。
材は車両駆動用の交流モータである。モータ10の出力
軸は、駆動輪(この図の場合前輪)に連結されたドライ
ブシャフト12に連結されている。また、モータ10
は、インバータ14を介し車載のバッテリ16から電力
供給を受けて回転駆動する。インバータ14は、モータ
ECU18から供給される制御信号に応じ、バッテリ1
6の放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、モータ
10に供給する。
【0006】モータECU18は、インバータ14と共
にモータ10の出力トルクを制御する手段を構成してい
る。例えばモータ10を力行させる際には、モータEC
U18は、アクセルペダルの踏込量を示す信号やモータ
10の回転数を示す信号を入力し、これらに基づきイン
バータ14における電力変換動作を制御する。これによ
り、アクセルペダルの踏込量等に応じた出力トルクをモ
ータ10から得ることができる。
にモータ10の出力トルクを制御する手段を構成してい
る。例えばモータ10を力行させる際には、モータEC
U18は、アクセルペダルの踏込量を示す信号やモータ
10の回転数を示す信号を入力し、これらに基づきイン
バータ14における電力変換動作を制御する。これによ
り、アクセルペダルの踏込量等に応じた出力トルクをモ
ータ10から得ることができる。
【0007】モータECU18は、回生ECU20等と
共に、回生制動手段を構成している。すなわち、ブレー
キペダル22の踏込み開始が踏力センサ24によって検
出されると、これに応じ、回生ECU20は回生制動制
御を開始する。回生制動制御に当たって、回生ECU2
0はモータECU18と交信する。モータECU18
は、回生ECU20との交信結果に応じ、踏力センサ2
4によって検出される踏力に応じた制動エネルギがバッ
テリ16に回生されるよう、モータ10の回生出力トル
クを制御する。
共に、回生制動手段を構成している。すなわち、ブレー
キペダル22の踏込み開始が踏力センサ24によって検
出されると、これに応じ、回生ECU20は回生制動制
御を開始する。回生制動制御に当たって、回生ECU2
0はモータECU18と交信する。モータECU18
は、回生ECU20との交信結果に応じ、踏力センサ2
4によって検出される踏力に応じた制動エネルギがバッ
テリ16に回生されるよう、モータ10の回生出力トル
クを制御する。
【0008】油圧制動手段は、マスタシリンダ(以下、
M/C)26からフロント(以下、Fr)ホイールシリ
ンダ(以下、W/C)28及びリア(以下、Rr)W/
C30に亘って配設された油路によって構成されてい
る。M/C26は、ブレーキペダル22の踏込量に応じ
た油圧(以下、M/C圧)を発生させ、これを差圧バル
ブ32又は34を介してFrW/C28及びRrW/C
30に供給する。FrW/C28及びRrW/C30
は、それぞれ、Frブレーキロータ36又はRrブレー
キロータ38に油圧(以下、W/C圧)を加えるよう設
けられている。従って、差圧バルブ32及び34が開く
と、これによってFr及びRrの各車輪に油圧制動力が
働くことになる。なお、図中、39はリザーバタンクで
ある。
M/C)26からフロント(以下、Fr)ホイールシリ
ンダ(以下、W/C)28及びリア(以下、Rr)W/
C30に亘って配設された油路によって構成されてい
る。M/C26は、ブレーキペダル22の踏込量に応じ
た油圧(以下、M/C圧)を発生させ、これを差圧バル
ブ32又は34を介してFrW/C28及びRrW/C
30に供給する。FrW/C28及びRrW/C30
は、それぞれ、Frブレーキロータ36又はRrブレー
キロータ38に油圧(以下、W/C圧)を加えるよう設
けられている。従って、差圧バルブ32及び34が開く
と、これによってFr及びRrの各車輪に油圧制動力が
働くことになる。なお、図中、39はリザーバタンクで
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来例の装置は、
M/C圧に対する制動トルクの応答を直線的な特性とす
るよう動作させることができる。その場合、各部動作は
次のようなものとなる。まず、回生ECU20は、バッ
テリ16に付設されているセンサ40を用いてバッテリ
16の状態を検出する。例えば、バッテリ16の残存容
量や温度等を検出する。回生ECU20は、検出結果に
基づき回生能力を判断する。例えばバッテリ16の放電
が進んでいる場合には回生能力が大きいと判断し、満充
電に近い場合には回生能力が小さいと判断する。
M/C圧に対する制動トルクの応答を直線的な特性とす
るよう動作させることができる。その場合、各部動作は
次のようなものとなる。まず、回生ECU20は、バッ
テリ16に付設されているセンサ40を用いてバッテリ
16の状態を検出する。例えば、バッテリ16の残存容
量や温度等を検出する。回生ECU20は、検出結果に
基づき回生能力を判断する。例えばバッテリ16の放電
が進んでいる場合には回生能力が大きいと判断し、満充
電に近い場合には回生能力が小さいと判断する。
【0010】回生ECU20は、このように判断した回
生能力に応じ、差圧バルブ32及び34の開弁値P0を
決定する。差圧バルブ32はスプリング42及びリニア
ソレノイド44から、差圧バルブ34はスプリング46
及びリニアソレノイド48から、それぞれ構成されてお
り、リニアソレノイド44及び48の駆動制御によって
その開弁値P0を制御することができる。回生ECU2
0は、M/C圧に応じかつモータECU18との協働に
よって回生制動制御を行う一方で、回生制動に係る制動
エネルギが最大値Eに至るM/C圧において差圧バルブ
32及び34が開くよう、リニアソレノイド44及び4
8を制御し、開弁値P0を設定する。
生能力に応じ、差圧バルブ32及び34の開弁値P0を
決定する。差圧バルブ32はスプリング42及びリニア
ソレノイド44から、差圧バルブ34はスプリング46
及びリニアソレノイド48から、それぞれ構成されてお
り、リニアソレノイド44及び48の駆動制御によって
その開弁値P0を制御することができる。回生ECU2
0は、M/C圧に応じかつモータECU18との協働に
よって回生制動制御を行う一方で、回生制動に係る制動
エネルギが最大値Eに至るM/C圧において差圧バルブ
32及び34が開くよう、リニアソレノイド44及び4
8を制御し、開弁値P0を設定する。
【0011】このような制御の結果、回生制動及び油圧
制動において図13に示されるような制動エネルギが発
生し、図14に示されるように回生、油圧合計でM/C
圧に対してリニアな制動トルクが実現される。このよう
な特性は、ブレーキフィーリングの改善に資する。
制動において図13に示されるような制動エネルギが発
生し、図14に示されるように回生、油圧合計でM/C
圧に対してリニアな制動トルクが実現される。このよう
な特性は、ブレーキフィーリングの改善に資する。
【0012】また、このような制御を行うことにより、
バッテリ16への回生能力が変化した場合にも対処でき
る。すなわち、上述の制御においては、回生能力が低下
し回生に係る最大制動エネルギが図15に示されるよう
にEからE´へと低下した場合、油圧制動力が作用し始
めるM/C圧、すなわち差圧バルブ32及び34の開弁
値を、回生に係る最大制動エネルギの低下に対応してP
0からP0´へと変更制御できるため、後述するように
回生能力が顕著に低下した場合を除き、回生能力の変化
にもかかわらず良好なブレーキフィーリングを維持する
ことができる。
バッテリ16への回生能力が変化した場合にも対処でき
る。すなわち、上述の制御においては、回生能力が低下
し回生に係る最大制動エネルギが図15に示されるよう
にEからE´へと低下した場合、油圧制動力が作用し始
めるM/C圧、すなわち差圧バルブ32及び34の開弁
値を、回生に係る最大制動エネルギの低下に対応してP
0からP0´へと変更制御できるため、後述するように
回生能力が顕著に低下した場合を除き、回生能力の変化
にもかかわらず良好なブレーキフィーリングを維持する
ことができる。
【0013】上述の従来例では、差圧バルブ32及び3
4における開弁値P0の可変設定が、スプリング42又
は46の荷重をリニアソレノイド44及び48を用いて
調整することにより、行われている。この差圧バルブ3
2及び34において、スプリング42又は46はある程
度のプリセット荷重を有している。すなわち、この従来
例においては、M/C圧PM/Cが発生していても、こ
のM/C圧PM/Cがスプリング42又は46のプリセ
ット荷重に相当する値を越えない間はM/C圧PM/C
がW/C28及び30には伝達されない。このM/C圧
PM/CのW/C28及び30への伝達遅れにより、制
動時に回生ECU20からの制御信号(駆動電流)の供
給の遅れが生じても、その間差圧を好適に発生すること
ができる。すなわち、車両操縦者がブレーキペダル22
を踏み込んでから回生ECU20からの制御信号(駆動
電流)が差圧バルブ32及び34に供給されその開弁圧
が所定の値に設定されるまでは、M/C圧PM/CのW
/C28及び30への伝達は遮断されているので、ブレ
ーキペダル22の踏み込みと同時にM/C圧PM/ Cが
W/C28及び30へ伝達されることはない。ただし、
これは車両操縦者がブレーキペダル22を踏み込んだ際
に、油圧制動力の応答遅れΔp0となって現れる。
4における開弁値P0の可変設定が、スプリング42又
は46の荷重をリニアソレノイド44及び48を用いて
調整することにより、行われている。この差圧バルブ3
2及び34において、スプリング42又は46はある程
度のプリセット荷重を有している。すなわち、この従来
例においては、M/C圧PM/Cが発生していても、こ
のM/C圧PM/Cがスプリング42又は46のプリセ
ット荷重に相当する値を越えない間はM/C圧PM/C
がW/C28及び30には伝達されない。このM/C圧
PM/CのW/C28及び30への伝達遅れにより、制
動時に回生ECU20からの制御信号(駆動電流)の供
給の遅れが生じても、その間差圧を好適に発生すること
ができる。すなわち、車両操縦者がブレーキペダル22
を踏み込んでから回生ECU20からの制御信号(駆動
電流)が差圧バルブ32及び34に供給されその開弁圧
が所定の値に設定されるまでは、M/C圧PM/CのW
/C28及び30への伝達は遮断されているので、ブレ
ーキペダル22の踏み込みと同時にM/C圧PM/ Cが
W/C28及び30へ伝達されることはない。ただし、
これは車両操縦者がブレーキペダル22を踏み込んだ際
に、油圧制動力の応答遅れΔp0となって現れる。
【0014】このような応答遅れは、特に、回生制動が
フェイルした場合(回生制動機能に何等かの異常が生じ
回生制動を行い得ない状態となった場合)に好ましくな
い。すなわち、回生制動がフェイルしている時に油圧制
動力の作用が遅れると、好適な制動とはならない。ま
た、対応する差圧バルブ32又は34がフェイルする場
合もある。そこで、この従来例においては、差圧バルブ
32及び34と並列にフェイルセーフ用ソレノイドバル
ブ50及び52が設けられている。このソレノイドバル
ブ50及び52は、常時においてはM/C圧を遮断し、
フェイル時には開いてM/C圧をそのまま伝達させるよ
う、回生ECU20により制御される。このような構成
及び制御により、従来例においては、フェイル時に好適
に対処できる。
フェイルした場合(回生制動機能に何等かの異常が生じ
回生制動を行い得ない状態となった場合)に好ましくな
い。すなわち、回生制動がフェイルしている時に油圧制
動力の作用が遅れると、好適な制動とはならない。ま
た、対応する差圧バルブ32又は34がフェイルする場
合もある。そこで、この従来例においては、差圧バルブ
32及び34と並列にフェイルセーフ用ソレノイドバル
ブ50及び52が設けられている。このソレノイドバル
ブ50及び52は、常時においてはM/C圧を遮断し、
フェイル時には開いてM/C圧をそのまま伝達させるよ
う、回生ECU20により制御される。このような構成
及び制御により、従来例においては、フェイル時に好適
に対処できる。
【0015】このように、従来例の構成を応用すること
により、良好なブレーキフィーリングを実現しかつ回生
のフェイルに対応することができる。しかし、フェイル
に対応するために2個のソレノイドバルブ50及び52
が必要であり、装置構成が複雑となる。また、回生能力
が非常に低く、回生制動トルクが最大に至るM/C圧が
スプリング42及び46のプリセット荷重Δp0より小
さい場合には、図17に示されるようにM/C圧対制動
トルク特性に段差が生じてしまい、ブレーキの利き具合
の不安定化やブレーキフィーリングの悪化が生じる。
により、良好なブレーキフィーリングを実現しかつ回生
のフェイルに対応することができる。しかし、フェイル
に対応するために2個のソレノイドバルブ50及び52
が必要であり、装置構成が複雑となる。また、回生能力
が非常に低く、回生制動トルクが最大に至るM/C圧が
スプリング42及び46のプリセット荷重Δp0より小
さい場合には、図17に示されるようにM/C圧対制動
トルク特性に段差が生じてしまい、ブレーキの利き具合
の不安定化やブレーキフィーリングの悪化が生じる。
【0016】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、差圧バルブの開弁
圧制御の応答遅れを補償してプリセット荷重の設定をな
くすことにより、回生能力が非常に小さい場合であって
も安定な制動能力及び良好なブレーキフィーリングが得
られる制動装置を実現することを目的とする。本発明
は、また、フェイルに対応するためのソレノイドバルブ
が不要で装置構成が簡素、小形、軽量な装置を実現する
ことを目的とする。
とを課題としてなされたものであり、差圧バルブの開弁
圧制御の応答遅れを補償してプリセット荷重の設定をな
くすことにより、回生能力が非常に小さい場合であって
も安定な制動能力及び良好なブレーキフィーリングが得
られる制動装置を実現することを目的とする。本発明
は、また、フェイルに対応するためのソレノイドバルブ
が不要で装置構成が簡素、小形、軽量な装置を実現する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、供給される液圧制御信号の値に応
じた差圧をその前後に発生させる弁を有し車両操縦者の
ブレーキ操作に応じて発生した液圧をこの差圧分だけ低
減した上で液圧制動力として作用させる液圧制動手段
と、回生制御信号の値に応じた電力を車両駆動用のモー
タによって回生することにより回生制動力を作用させる
回生制動手段と、車両操縦者のブレーキ操作に対し液圧
制動力及び回生制動力合計の制動力が所定の関係となる
よう、液圧制御信号及び回生制御信号を生成する制動制
御手段と、を備え、液圧制動力及び回生制動力により電
気自動車を制動する制動装置において、制動制御手段
が、車両操縦者のアクセル操作の停止に応じかつブレー
キ操作の開始に先立ち、液圧制御信号を準備的に生成す
ることを特徴とする。
るために、本発明は、供給される液圧制御信号の値に応
じた差圧をその前後に発生させる弁を有し車両操縦者の
ブレーキ操作に応じて発生した液圧をこの差圧分だけ低
減した上で液圧制動力として作用させる液圧制動手段
と、回生制御信号の値に応じた電力を車両駆動用のモー
タによって回生することにより回生制動力を作用させる
回生制動手段と、車両操縦者のブレーキ操作に対し液圧
制動力及び回生制動力合計の制動力が所定の関係となる
よう、液圧制御信号及び回生制御信号を生成する制動制
御手段と、を備え、液圧制動力及び回生制動力により電
気自動車を制動する制動装置において、制動制御手段
が、車両操縦者のアクセル操作の停止に応じかつブレー
キ操作の開始に先立ち、液圧制御信号を準備的に生成す
ることを特徴とする。
【0018】本発明は、さらに、液圧制動手段が、液圧
制御信号の供給を受けていない状態では弁による差圧を
発生させることなく車両操縦者のブレーキ操作に応じて
発生した液圧を液圧制動力として作用させることを特徴
とする。
制御信号の供給を受けていない状態では弁による差圧を
発生させることなく車両操縦者のブレーキ操作に応じて
発生した液圧を液圧制動力として作用させることを特徴
とする。
【0019】
【作用】本発明においては、液圧制御信号が、車両操縦
者のアクセル操作の停止に応じかつブレーキ操作の開始
に先立ち生成される。液圧制動手段の弁は、供給される
液圧制御信号の値に応じて差圧を発生させる。従って、
ブレーキ操作が開始される時点では、液圧制動手段は、
その弁により必要な差圧を発生可能な状態にすでに至っ
ている。従って、本発明においては、差圧を発生させる
弁として、スプリングの荷重をソレノイドによって調整
するといった構成を使用する必要がなくなる。これは、
スプリングを廃止でき従ってそのプリセット荷重に起因
した遅れをなくすることができることを意味しており、
その結果、回生能力が非常に小さい場合であっても安定
な制動能力及び良好なブレーキフィーリングが得られ
る。
者のアクセル操作の停止に応じかつブレーキ操作の開始
に先立ち生成される。液圧制動手段の弁は、供給される
液圧制御信号の値に応じて差圧を発生させる。従って、
ブレーキ操作が開始される時点では、液圧制動手段は、
その弁により必要な差圧を発生可能な状態にすでに至っ
ている。従って、本発明においては、差圧を発生させる
弁として、スプリングの荷重をソレノイドによって調整
するといった構成を使用する必要がなくなる。これは、
スプリングを廃止でき従ってそのプリセット荷重に起因
した遅れをなくすることができることを意味しており、
その結果、回生能力が非常に小さい場合であっても安定
な制動能力及び良好なブレーキフィーリングが得られ
る。
【0020】また、本発明においては、液圧制御信号の
供給を受けていない状態では、車両操縦者のブレーキ操
作に応じて発生した液圧がそのまま液圧制動力として作
用する。すなわち、この状態では弁は差圧を発生させな
い。従って、制動装置の他の部位がフェイルしたとして
も、単に液圧制御信号の供給を断つのみで、液圧制動力
が応答遅れなしに作用することとなるから、確実なフェ
イルセーフが実現される。その際、フェイルに対応する
ためのソレノイドバルブが不要であるから、装置構成が
簡素、小形、軽量になる。
供給を受けていない状態では、車両操縦者のブレーキ操
作に応じて発生した液圧がそのまま液圧制動力として作
用する。すなわち、この状態では弁は差圧を発生させな
い。従って、制動装置の他の部位がフェイルしたとして
も、単に液圧制御信号の供給を断つのみで、液圧制動力
が応答遅れなしに作用することとなるから、確実なフェ
イルセーフが実現される。その際、フェイルに対応する
ためのソレノイドバルブが不要であるから、装置構成が
簡素、小形、軽量になる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図12乃至図17に示される従
来例と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略す
る。
基づき説明する。なお、図12乃至図17に示される従
来例と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略す
る。
【0022】第1実施例の構成 図1には、本発明の第1実施例に係る制動装置の構成が
示されている。この実施例においては、従来例における
差圧バルブ32及びフェイルセーフ用ソレノイドバルブ
50に代えて油圧バルブ54が設けられている。この油
圧バルブ54は、制動時において回生ECU20によっ
て制御されるバルブであり、後述するように増圧側ポペ
ット弁及び減圧側ポペット弁を有している。油圧バルブ
54は、M/C圧PM/Cが回生ECU20によって与
えられる開弁値P0を越えると開く。すなわち、M/C
圧PM/CとFrW/C28のW/C圧の差がP0を越
えると開く。逆に、M/C圧PM/Cが開弁値P0を越
えるにいたっていないときは閉じた状態をとり、M/C
26からFrW/C28に至る油路を遮断する。さら
に、回生ECU20による制御を受けていない状態(オ
フ状態)では、油圧バルブ54は、M/C圧をほぼその
ままFrW/C28に伝達させる。
示されている。この実施例においては、従来例における
差圧バルブ32及びフェイルセーフ用ソレノイドバルブ
50に代えて油圧バルブ54が設けられている。この油
圧バルブ54は、制動時において回生ECU20によっ
て制御されるバルブであり、後述するように増圧側ポペ
ット弁及び減圧側ポペット弁を有している。油圧バルブ
54は、M/C圧PM/Cが回生ECU20によって与
えられる開弁値P0を越えると開く。すなわち、M/C
圧PM/CとFrW/C28のW/C圧の差がP0を越
えると開く。逆に、M/C圧PM/Cが開弁値P0を越
えるにいたっていないときは閉じた状態をとり、M/C
26からFrW/C28に至る油路を遮断する。さら
に、回生ECU20による制御を受けていない状態(オ
フ状態)では、油圧バルブ54は、M/C圧をほぼその
ままFrW/C28に伝達させる。
【0023】また、この実施例においては、従来例にお
ける差圧バルブ34及びフェイルセーフ用ソレノイドバ
ルブ52に代えてPバルブ56が設けられており、M/
C26において発生した油圧はこのPバルブ56を介し
てRrW/C30に伝達される。
ける差圧バルブ34及びフェイルセーフ用ソレノイドバ
ルブ52に代えてPバルブ56が設けられており、M/
C26において発生した油圧はこのPバルブ56を介し
てRrW/C30に伝達される。
【0024】さらに、M/C26と油圧バルブ54の間
には、ストロークシミュレータ58が配設されている。
このストロークシミュレータ58は、油圧バルブ54に
よってM/C26からFrW/C28への油路が遮断さ
れている状態でブレーキペダル22のペダルストローク
が自然なものとなるよう、油量を消費する。M/C26
と油圧バルブ54の間には、さらに、油圧センサ60が
設けられており、この油圧センサ60によりM/C圧P
M/Cが検出される。検出されたM/C圧PM /Cはモ
ータECU18に供給され、回生制動の際にモータ10
の出力トルク(回生トルク)をM/C圧PM/Cに応じ
た値に制御するために用いられる。
には、ストロークシミュレータ58が配設されている。
このストロークシミュレータ58は、油圧バルブ54に
よってM/C26からFrW/C28への油路が遮断さ
れている状態でブレーキペダル22のペダルストローク
が自然なものとなるよう、油量を消費する。M/C26
と油圧バルブ54の間には、さらに、油圧センサ60が
設けられており、この油圧センサ60によりM/C圧P
M/Cが検出される。検出されたM/C圧PM /Cはモ
ータECU18に供給され、回生制動の際にモータ10
の出力トルク(回生トルク)をM/C圧PM/Cに応じ
た値に制御するために用いられる。
【0025】また、回生ECU20は、バッテリ16の
状態を示す情報を入力し、これに基づきバッテリ16へ
の回生能力を判断する。回生ECU20は、判断結果に
応じて油圧バルブ54の開弁値P0を設定する一方で、
モータECU18に対して最大回生トルク(回生能力に
相当するトルク)T0を報知する。モータECU18
は、最大回生トルクT0を上限として、モータ10の出
力トルクを制御する。また、バッテリ16の状態を示す
情報は、バッテリ16の充電状態等を算出するバッテリ
ECU62によって得られる。
状態を示す情報を入力し、これに基づきバッテリ16へ
の回生能力を判断する。回生ECU20は、判断結果に
応じて油圧バルブ54の開弁値P0を設定する一方で、
モータECU18に対して最大回生トルク(回生能力に
相当するトルク)T0を報知する。モータECU18
は、最大回生トルクT0を上限として、モータ10の出
力トルクを制御する。また、バッテリ16の状態を示す
情報は、バッテリ16の充電状態等を算出するバッテリ
ECU62によって得られる。
【0026】回生ECU20は、車両操縦者によりアク
セルがオフされたことをスロットルセンサ64によって
検出し、これに応じて油圧バルブ54の制御を開始す
る。本実施例の第1の特徴は、ブレーキペダル22の踏
込み開始を待つことなくアクセルオフに応じて油圧バル
ブ54の制御を開始することにある。
セルがオフされたことをスロットルセンサ64によって
検出し、これに応じて油圧バルブ54の制御を開始す
る。本実施例の第1の特徴は、ブレーキペダル22の踏
込み開始を待つことなくアクセルオフに応じて油圧バル
ブ54の制御を開始することにある。
【0027】第1実施例の動作 図2には、この実施例におけるモータECU18及び回
生ECU20の動作、特に制動時の動作の流れが示され
ている。この図においてはモータECU18及び回生E
CU20の分担が示されていないが、いずれのECUが
どの機能を担当するのかは設計的に定め得る。
生ECU20の動作、特に制動時の動作の流れが示され
ている。この図においてはモータECU18及び回生E
CU20の分担が示されていないが、いずれのECUが
どの機能を担当するのかは設計的に定め得る。
【0028】この図に示されるルーチンは、スロットル
センサ64の検出結果をトリガとして開始される。すな
わち、アクセルがオフされたことがスロットルセンサ6
4によって検出されるまでは(100)、このルーチン
は実行されないままメインルーチンに戻る。その場合、
油圧バルブ54はオフ状態に、すなわち回生ECU20
による制御を受けない状態に保たれる(102)。油圧
バルブ54がオフ状態にある場合、FrW/C28のW
/C圧はM/C圧PM/Cとなる。
センサ64の検出結果をトリガとして開始される。すな
わち、アクセルがオフされたことがスロットルセンサ6
4によって検出されるまでは(100)、このルーチン
は実行されないままメインルーチンに戻る。その場合、
油圧バルブ54はオフ状態に、すなわち回生ECU20
による制御を受けない状態に保たれる(102)。油圧
バルブ54がオフ状態にある場合、FrW/C28のW
/C圧はM/C圧PM/Cとなる。
【0029】アクセルがオフされたことがスロットルセ
ンサ64によって検出されると(100)、モータ10
の回転数Nが回生制動開始回転数Nlimと比較される
(104)。回生制動開始回転数Nlimとは、図3に
示されるように、回生制動を開始可能な最低の回転数を
いう。従って、この比較の結果N<Nlimとされた場
合には、回生制動を行うことができないため、このルー
チンは実行せずメインルーチンに戻る。この状態では、
油圧制動のみが可能になる。
ンサ64によって検出されると(100)、モータ10
の回転数Nが回生制動開始回転数Nlimと比較される
(104)。回生制動開始回転数Nlimとは、図3に
示されるように、回生制動を開始可能な最低の回転数を
いう。従って、この比較の結果N<Nlimとされた場
合には、回生制動を行うことができないため、このルー
チンは実行せずメインルーチンに戻る。この状態では、
油圧制動のみが可能になる。
【0030】逆に、N≧Nlimと判定された場合、最
大回生トルクT0が決定される(106)。最大回生ト
ルクT0とは、図3に示されるように、モータ10で発
生し得る最大の回生トルクをいう。従って、回生ECU
20による油圧バルブ54の開弁値P0の制御範囲は、
この最大回生トルクT0に対応する圧力を越えることが
できず、モータECU18による回生トルクの制御範囲
も最大回生トルクT0により定まる。最大回生トルクT
0が決定されると、続いて、これに相当する圧力が決定
され(108)、決定された圧力が油圧バルブ54の開
弁値P0に設定される(110)。この制御により、油
圧バルブ54は、ブレーキペダル22の踏込み開始に先
立ち応答遅れなしに制御可能な状態になる。
大回生トルクT0が決定される(106)。最大回生ト
ルクT0とは、図3に示されるように、モータ10で発
生し得る最大の回生トルクをいう。従って、回生ECU
20による油圧バルブ54の開弁値P0の制御範囲は、
この最大回生トルクT0に対応する圧力を越えることが
できず、モータECU18による回生トルクの制御範囲
も最大回生トルクT0により定まる。最大回生トルクT
0が決定されると、続いて、これに相当する圧力が決定
され(108)、決定された圧力が油圧バルブ54の開
弁値P0に設定される(110)。この制御により、油
圧バルブ54は、ブレーキペダル22の踏込み開始に先
立ち応答遅れなしに制御可能な状態になる。
【0031】続いて、ブレーキペダル22が踏み込まれ
たかどうかが、油圧センサ60の出力たるM/C圧P
M/Cに基づき判定される(112)。その結果、ブレ
ーキペダル22がまだ踏まれていないと判定された場合
には、回生制動制御を行わずこのルーチンを終了する
(114)。この場合、油圧も遮断されているから、制
動は行われない。
たかどうかが、油圧センサ60の出力たるM/C圧P
M/Cに基づき判定される(112)。その結果、ブレ
ーキペダル22がまだ踏まれていないと判定された場合
には、回生制動制御を行わずこのルーチンを終了する
(114)。この場合、油圧も遮断されているから、制
動は行われない。
【0032】逆に、ブレーキペダル22が踏み込まれた
と判定された場合には、M/C圧PM/C相当の回生ト
ルクTが演算され(116)、この回生トルクTに応じ
てインバータ14が制御される(118)。その一方
で、バッテリECU62から出力される情報に基づき回
生能力が判断され、これに応じて開弁値P0が決定され
(120)、さらにこの開弁値P0が油圧バルブ54に
設定される(122)。この後、図に示されるルーチン
は終了する。
と判定された場合には、M/C圧PM/C相当の回生ト
ルクTが演算され(116)、この回生トルクTに応じ
てインバータ14が制御される(118)。その一方
で、バッテリECU62から出力される情報に基づき回
生能力が判断され、これに応じて開弁値P0が決定され
(120)、さらにこの開弁値P0が油圧バルブ54に
設定される(122)。この後、図に示されるルーチン
は終了する。
【0033】このような制御が行われると、前輪後輪合
計の制動エネルギは、図4に示されるような特性とな
る。すなわち、M/C圧PM/Cが開弁値P0より低い
状態では前輪側には回生制動力のみが作用し、高い状態
になると回生制動力が最大になる一方で油圧バルブ54
を介した油圧制動力が作用し始める。さらに、後輪側に
は、Pバルブ56を介した油圧制動力が、M/C圧P
M/Cが開弁値P0より低い状態でも作用している。
計の制動エネルギは、図4に示されるような特性とな
る。すなわち、M/C圧PM/Cが開弁値P0より低い
状態では前輪側には回生制動力のみが作用し、高い状態
になると回生制動力が最大になる一方で油圧バルブ54
を介した油圧制動力が作用し始める。さらに、後輪側に
は、Pバルブ56を介した油圧制動力が、M/C圧P
M/Cが開弁値P0より低い状態でも作用している。
【0034】また、このような制御によれば、油圧バル
ブ54がブレーキペダル22の踏込み開始に先立ち制御
可能な状態になるため、油圧バルブ54が応答遅れを有
しているとしても、この応答遅れの影響を排除すること
ができる。従って、本油圧バルブ54はプリセット荷重
の設定の必要がないため、回生能力が非常に小さい場合
であっても、段差等のない安定な制動特性及び良好なブ
レーキフィーリングが得られる。制動特性の改善は、バ
ッテリ16へのエネルギ回収効率の向上に繋がるため、
バッテリ16を1回充電する当たりの車両走行可能距離
が延長され、使用性の高い電気自動車となる。
ブ54がブレーキペダル22の踏込み開始に先立ち制御
可能な状態になるため、油圧バルブ54が応答遅れを有
しているとしても、この応答遅れの影響を排除すること
ができる。従って、本油圧バルブ54はプリセット荷重
の設定の必要がないため、回生能力が非常に小さい場合
であっても、段差等のない安定な制動特性及び良好なブ
レーキフィーリングが得られる。制動特性の改善は、バ
ッテリ16へのエネルギ回収効率の向上に繋がるため、
バッテリ16を1回充電する当たりの車両走行可能距離
が延長され、使用性の高い電気自動車となる。
【0035】さらに、フェイル時への対処のため、従来
例においてはソレノイドバルブ50及び52を設けねば
ならなかった。これに対し、本実施例においては、この
種のバルブを設ける必要はなく、装置構成の簡素化、小
形化、軽量化を実現することができる。すなわち、プリ
セット荷重の設定の必要がないため、回生がフェイルし
ている時には油圧バルブをオフさせるだけで、M/C圧
PM/CがFrW/C28に伝達する。また、油圧バル
ブ54自体の駆動機構(後述するコイル等)がフェイル
していたとしても、当該油圧バルブ54は制御を受けて
いない状態ではM/C圧PM/Cにより開くから、油圧
制動力は作用する。
例においてはソレノイドバルブ50及び52を設けねば
ならなかった。これに対し、本実施例においては、この
種のバルブを設ける必要はなく、装置構成の簡素化、小
形化、軽量化を実現することができる。すなわち、プリ
セット荷重の設定の必要がないため、回生がフェイルし
ている時には油圧バルブをオフさせるだけで、M/C圧
PM/CがFrW/C28に伝達する。また、油圧バル
ブ54自体の駆動機構(後述するコイル等)がフェイル
していたとしても、当該油圧バルブ54は制御を受けて
いない状態ではM/C圧PM/Cにより開くから、油圧
制動力は作用する。
【0036】また、本実施例においては、ステップ10
8において最大回生トルクT0に応じて開弁値P0を決
定している。しかし、必ずしも最大回生トルクT0相当
の値に設定・制御する必要はなく、油圧バルブ54の応
答遅れに対し十分高い圧力に制御すればよい。無論、こ
の実施例のように高い値にするほど、応答遅れの影響を
好適に排除し得る。さらに、本実施例においても、従来
例と同様、開弁値P0の制御による回生能力の変化への
対応が可能である。加えて、油圧バルブ54に常時通電
しているわけではないので、電力消費量も少ない。
8において最大回生トルクT0に応じて開弁値P0を決
定している。しかし、必ずしも最大回生トルクT0相当
の値に設定・制御する必要はなく、油圧バルブ54の応
答遅れに対し十分高い圧力に制御すればよい。無論、こ
の実施例のように高い値にするほど、応答遅れの影響を
好適に排除し得る。さらに、本実施例においても、従来
例と同様、開弁値P0の制御による回生能力の変化への
対応が可能である。加えて、油圧バルブ54に常時通電
しているわけではないので、電力消費量も少ない。
【0037】油圧バルブの構造 図5には、本実施例において使用可能な油圧バルブ54
の一例構成が示されている。この図に示される油圧バル
ブ54は従来例の差圧バルブ32及び34と異なりスプ
リングの荷重をソレノイドにより調整する構成を有して
はいない。この図においては、油圧バルブ54は、M/
C圧PM/Cが回生ECU20によって与えられる開弁
値P0を越えるまで閉じた状態を保ち、越えると開いて
M/C圧PM/CとFrW/C28のW/C圧を前記開
弁値P0に制御するように構成された増圧側ポペット弁
66を有している。すなわち、開弁値P0は、増圧側ポ
ペット弁66に加わるM/C圧PM/Cによる力と、回
生ECU20によって与えられる開弁値P0に応じた力
とのバランスによって決定されている。油圧バルブ54
は、さらに、M/C圧PM/CがFrW/C28のW/
C圧よりも低くなると開きFrW/C28のW/C圧を
減圧する一方で、それ以外の状態では閉じる減圧側ポペ
ット弁68も有している。
の一例構成が示されている。この図に示される油圧バル
ブ54は従来例の差圧バルブ32及び34と異なりスプ
リングの荷重をソレノイドにより調整する構成を有して
はいない。この図においては、油圧バルブ54は、M/
C圧PM/Cが回生ECU20によって与えられる開弁
値P0を越えるまで閉じた状態を保ち、越えると開いて
M/C圧PM/CとFrW/C28のW/C圧を前記開
弁値P0に制御するように構成された増圧側ポペット弁
66を有している。すなわち、開弁値P0は、増圧側ポ
ペット弁66に加わるM/C圧PM/Cによる力と、回
生ECU20によって与えられる開弁値P0に応じた力
とのバランスによって決定されている。油圧バルブ54
は、さらに、M/C圧PM/CがFrW/C28のW/
C圧よりも低くなると開きFrW/C28のW/C圧を
減圧する一方で、それ以外の状態では閉じる減圧側ポペ
ット弁68も有している。
【0038】油圧バルブ54は、磁性体から形成された
コア70の図中左右両端にハウジング72及び74をボ
ルト・ナットで固定した構成を有している。コア70に
は、シャフト76が、摺動が可能な状態で貫通してい
る。シャフト76の周囲には磁性体から形成されたプラ
ンジャ78が固定されており、またコア70にはこのプ
ランジャ78に近接してコイル80が埋め込まれてい
る。コイル80は部材82によって封止されている。従
って、コイル80に所定方向の電流が流れると、プラン
ジャ78、ひいてはシャフト76に図中左方向の力が作
用する。
コア70の図中左右両端にハウジング72及び74をボ
ルト・ナットで固定した構成を有している。コア70に
は、シャフト76が、摺動が可能な状態で貫通してい
る。シャフト76の周囲には磁性体から形成されたプラ
ンジャ78が固定されており、またコア70にはこのプ
ランジャ78に近接してコイル80が埋め込まれてい
る。コイル80は部材82によって封止されている。従
って、コイル80に所定方向の電流が流れると、プラン
ジャ78、ひいてはシャフト76に図中左方向の力が作
用する。
【0039】増圧側ポペット弁66は、シャフト76の
図中左側に設けられている。この弁66の弁室86は、
ハウジング72に設けられているM/Cポート84を介
してM/C26からの油路と連通している。弁室86に
は図6に拡大図示されるようにボール88が収納されて
いる。従って、M/C圧PM/Cが発生するとこれにボ
ール88の接地断面積Aを乗じた大きさを有する図中右
方向の力PM/C・Aがボール88に作用する。コイル
80に電流を流している状態では、このボール88に対
しては、シャフト76から図中左方向の力Fが作用す
る。回生ECU20は、決定した開弁値P0に応じた値
の電流をコイル80に流させるから、この力Fの大きさ
はP0・Aと表すことができる。更に、FrW/C28
にW/C圧がある場合には、ボール88に対して図中右
方向にPW/C・Aが作用する。
図中左側に設けられている。この弁66の弁室86は、
ハウジング72に設けられているM/Cポート84を介
してM/C26からの油路と連通している。弁室86に
は図6に拡大図示されるようにボール88が収納されて
いる。従って、M/C圧PM/Cが発生するとこれにボ
ール88の接地断面積Aを乗じた大きさを有する図中右
方向の力PM/C・Aがボール88に作用する。コイル
80に電流を流している状態では、このボール88に対
しては、シャフト76から図中左方向の力Fが作用す
る。回生ECU20は、決定した開弁値P0に応じた値
の電流をコイル80に流させるから、この力Fの大きさ
はP0・Aと表すことができる。更に、FrW/C28
にW/C圧がある場合には、ボール88に対して図中右
方向にPW/C・Aが作用する。
【0040】従って、増圧側ポペット弁66において
は、図中右方向の力PM/C・Aと図中左方向の力F=
P0・A+PW/C・Aがボールに作用している。従っ
て、(PM/C−PW/C)<P0の状態ではボール8
8が弁室86の内壁(弁座)に接地し、(後述する減圧
側ポペット弁68が開いている場合を除き)M/C26
からFrW/C28への油路は断たれる。逆に、(P
M/C−PW/C)>P0の状態ではボール88が弁室
86の内壁から離れ、シャフト76が図中右方向に摺動
してハウジング74内のW/Cポート90に油圧が伝達
される。この油圧は、PM/C−P0となる。
は、図中右方向の力PM/C・Aと図中左方向の力F=
P0・A+PW/C・Aがボールに作用している。従っ
て、(PM/C−PW/C)<P0の状態ではボール8
8が弁室86の内壁(弁座)に接地し、(後述する減圧
側ポペット弁68が開いている場合を除き)M/C26
からFrW/C28への油路は断たれる。逆に、(P
M/C−PW/C)>P0の状態ではボール88が弁室
86の内壁から離れ、シャフト76が図中右方向に摺動
してハウジング74内のW/Cポート90に油圧が伝達
される。この油圧は、PM/C−P0となる。
【0041】減圧側ポペット弁68は、ハウジング72
に設けられている。減圧側ポペット弁68の弁室92に
はボール94が収納されている。M/C圧PM/CがF
rW/C28のW/C圧より高い状態では減圧側ポペッ
ト弁68のボール94により油路が遮断され、逆にブレ
ーキペダル22が戻された場合のようにFrW/C28
のW/C圧がM/C圧PM/Cより高い状態では油路が
形成される。これにより、W/C圧が減圧される。
に設けられている。減圧側ポペット弁68の弁室92に
はボール94が収納されている。M/C圧PM/CがF
rW/C28のW/C圧より高い状態では減圧側ポペッ
ト弁68のボール94により油路が遮断され、逆にブレ
ーキペダル22が戻された場合のようにFrW/C28
のW/C圧がM/C圧PM/Cより高い状態では油路が
形成される。これにより、W/C圧が減圧される。
【0042】このような構成により、本実施例に適する
油圧バルブ54が得られる。
油圧バルブ54が得られる。
【0043】第2実施例 図7には、本発明の第2実施例に係る制動装置の構成が
示されている。この実施例が第1実施例と相違する点
は、Pバルブ56に代えて油圧バルブ96を設けた点に
ある。油圧バルブ96は油圧バルブ54と同様の構造を
有しており、油圧バルブ54と同様の手順によって制御
される。さらに、油圧バルブ54の開弁値と油圧バルブ
96の開弁値は同一の値P0に設定されている。
示されている。この実施例が第1実施例と相違する点
は、Pバルブ56に代えて油圧バルブ96を設けた点に
ある。油圧バルブ96は油圧バルブ54と同様の構造を
有しており、油圧バルブ54と同様の手順によって制御
される。さらに、油圧バルブ54の開弁値と油圧バルブ
96の開弁値は同一の値P0に設定されている。
【0044】従って、この実施例においては、M/C圧
PM/Cが開弁値P0を越えた時点でRrW/C30に
よる油圧制動力が作用し始める。この結果、前輪後輪ト
ータルの制動エネルギはM/C圧PM/Cの変化に応じ
て図8に示されるように変化する。この特性を、図4に
示される第1実施例の特性と比較すると、M/C圧P
M/Cが開弁値P0を越えるまでの制動エネルギの回収
率が向上していることが分かる。すなわち、第1実施例
においてM/C圧PM/Cが開弁値P0を越えない領域
で後輪側の油圧制動によって消費されていた制動エネル
ギが、この実施例では回生されることになり、バッテリ
16の充電1回当たりの走行可能距離がより長くなる。
さらに、この実施例においては、前輪と後輪の間の制動
力配分を常に良好に保つことができる。
PM/Cが開弁値P0を越えた時点でRrW/C30に
よる油圧制動力が作用し始める。この結果、前輪後輪ト
ータルの制動エネルギはM/C圧PM/Cの変化に応じ
て図8に示されるように変化する。この特性を、図4に
示される第1実施例の特性と比較すると、M/C圧P
M/Cが開弁値P0を越えるまでの制動エネルギの回収
率が向上していることが分かる。すなわち、第1実施例
においてM/C圧PM/Cが開弁値P0を越えない領域
で後輪側の油圧制動によって消費されていた制動エネル
ギが、この実施例では回生されることになり、バッテリ
16の充電1回当たりの走行可能距離がより長くなる。
さらに、この実施例においては、前輪と後輪の間の制動
力配分を常に良好に保つことができる。
【0045】第3実施例の構成 図9には、本発明の第3実施例に係る制動装置の構成が
示されている。この実施例は第2実施例と同様の構成を
有しているが、但し、油圧バルブ54に設定される開弁
値PFと油圧バルブ96に設定される開弁値PRが異な
る値に設定されている。開弁値PRは、第1及び第2実
施例におけるP0と同じ値に設定されており、従ってM
/C圧PM/Cが開弁値P0を越えるとまずRrW/C
30に係る制動力が作用し始める。開弁値PFは、前輪
と後輪の間の制動力配分があらかじめ設定されている配
分となるよう、設定されている。
示されている。この実施例は第2実施例と同様の構成を
有しているが、但し、油圧バルブ54に設定される開弁
値PFと油圧バルブ96に設定される開弁値PRが異な
る値に設定されている。開弁値PRは、第1及び第2実
施例におけるP0と同じ値に設定されており、従ってM
/C圧PM/Cが開弁値P0を越えるとまずRrW/C
30に係る制動力が作用し始める。開弁値PFは、前輪
と後輪の間の制動力配分があらかじめ設定されている配
分となるよう、設定されている。
【0046】第3実施例の動作 図10には、この実施例におけるモータECU18及び
回生ECU20の動作、特に制動制御に係る動作の流れ
が示されている。この図の動作が図2に示される動作と
異なる点は、ステップ120及び122に代えてステッ
プ124及び126を実行している点である。ステップ
124においては、回生能力に応じて開弁値PF及びP
Rが決定され、ステップ126においては決定した開弁
値PF及びPRに基づき油圧バルブ54及び96が制御
される。
回生ECU20の動作、特に制動制御に係る動作の流れ
が示されている。この図の動作が図2に示される動作と
異なる点は、ステップ120及び122に代えてステッ
プ124及び126を実行している点である。ステップ
124においては、回生能力に応じて開弁値PF及びP
Rが決定され、ステップ126においては決定した開弁
値PF及びPRに基づき油圧バルブ54及び96が制御
される。
【0047】従って、本実施例における前輪後輪トータ
ルの制動エネルギは、M/C圧PM /Cの変化に応じ図
11に示されるような特性で変化する。すなわち、第1
に、第2実施例と同様、M/C圧PM/Cが開弁値PR
を越えない状態での制動エネルギ回収率がよい。第2
に、M/C圧PM/Cが開弁値PRを越え油圧制動力が
作用し始めた後M/C圧PM/Cが開弁値PFを越える
と、前輪と後輪の間の制動力配分が早急に所定の配分に
制御されるから、制動時の車両の挙動がより安定にな
る。
ルの制動エネルギは、M/C圧PM /Cの変化に応じ図
11に示されるような特性で変化する。すなわち、第1
に、第2実施例と同様、M/C圧PM/Cが開弁値PR
を越えない状態での制動エネルギ回収率がよい。第2
に、M/C圧PM/Cが開弁値PRを越え油圧制動力が
作用し始めた後M/C圧PM/Cが開弁値PFを越える
と、前輪と後輪の間の制動力配分が早急に所定の配分に
制御されるから、制動時の車両の挙動がより安定にな
る。
【0048】その他 なお、駆動輪は前輪としても後輪としても構わない。ま
た、第1実施例において、油圧バルブ54を後輪側に設
けてもよい。
た、第1実施例において、油圧バルブ54を後輪側に設
けてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
供給される液圧制御信号の値に応じて差圧を発生させる
液圧制動手段の弁に対し、車両操縦者のアクセル操作の
停止に応じかつブレーキ操作の開始に先立ち、液圧制御
信号を供給するようにしたため、差圧を発生させる弁と
してスプリングの荷重をソレノイドによって調整すると
いった構成を使用する必要がなくなり、スプリングのプ
リセット荷重に起因した遅れをなくすることができる。
従って、回生能力が非常に小さい場合であっても安定な
制動能力及び良好なブレーキフィーリングが得られる。
これにより、車両の1充電当たり走行可能距離も長くな
る。
供給される液圧制御信号の値に応じて差圧を発生させる
液圧制動手段の弁に対し、車両操縦者のアクセル操作の
停止に応じかつブレーキ操作の開始に先立ち、液圧制御
信号を供給するようにしたため、差圧を発生させる弁と
してスプリングの荷重をソレノイドによって調整すると
いった構成を使用する必要がなくなり、スプリングのプ
リセット荷重に起因した遅れをなくすることができる。
従って、回生能力が非常に小さい場合であっても安定な
制動能力及び良好なブレーキフィーリングが得られる。
これにより、車両の1充電当たり走行可能距離も長くな
る。
【0050】また、本発明によれば、液圧制御信号の供
給を受けていない状態では車両操縦者のブレーキ操作に
応じて発生した液圧がそのまま液圧制動力として作用す
るよう、液圧制動手段を構成したため、単に液圧制御信
号の供給を断つのみで、確実なフェイルセーフを実現で
きる。その際、フェイルに対応するためのソレノイドバ
ルブが不要であるから、装置構成が簡素、小形、軽量に
なる。
給を受けていない状態では車両操縦者のブレーキ操作に
応じて発生した液圧がそのまま液圧制動力として作用す
るよう、液圧制動手段を構成したため、単に液圧制御信
号の供給を断つのみで、確実なフェイルセーフを実現で
きる。その際、フェイルに対応するためのソレノイドバ
ルブが不要であるから、装置構成が簡素、小形、軽量に
なる。
【図1】本発明の第1実施例に係る制動装置の構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図2】第1及び第2実施例における制御手順を示すフ
ローチャートである。
ローチャートである。
【図3】回生制動開始回転数を説明するための図であ
る。
る。
【図4】第1実施例におけるM/C圧対制動エネルギの
特性を示す図である。
特性を示す図である。
【図5】油圧バルブの構造を示す断面図である。
【図6】この油圧バルブにおけるバランス状態を示す図
である。
である。
【図7】本発明の第2実施例に係る制動装置の構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図8】第2実施例におけるM/C圧対制動エネルギの
特性を示す図である。
特性を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る制動装置の構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図10】第3実施例における制御手順を示すフローチ
ャートである。
ャートである。
【図11】第3実施例におけるM/C圧対制動エネルギ
の特性を示す図である。
の特性を示す図である。
【図12】従来例に係る制動装置の構成を示すブロック
図である。
図である。
【図13】回生制動エネルギと油圧制動エネルギの合成
を示す図である。
を示す図である。
【図14】従来例におけるM/C圧対制動エネルギの特
性を示す図である。
性を示す図である。
【図15】従来例における開弁値の制御を示す図であ
る。
る。
【図16】従来例におけるスプリングのプリセット荷重
の影響を示す図である。
の影響を示す図である。
【図17】従来例の問題点を示す図である。
10 モータ 14 インバータ 16 バッテリ 18 モータECU 20 回生ECU 22 ブレーキペダル 26 マスタシリンダ(M/C) 28 フロントホイールシリンダ(FrW/C) 30 リアホイールシリンダ(RrW/C) 36 フロントブレーキロータ 38 リアブレーキロータ 54,96 油圧バルブ 56 Pバルブ 60 油圧センサ 64 スロットルセンサ 66 増圧側ポペット弁 68 減圧側ポペット弁 70 コア 76 シャフト 78 プランジャ 80 コイル 84 M/Cポート 86,92 弁室 88,94 ボール 90 W/Cポート PM/C マスタシリンダ圧(M/C圧) PW/C ホイルシリンダ圧(W/C圧) P0,PF,PR 開弁値 F プランジャの吸引により生じる力 A 増圧側ポペット弁のボールの接地断面積
Claims (2)
- 【請求項1】 供給される液圧制御信号の値に応じた差
圧をその前後に発生させる弁を有し車両操縦者のブレー
キ操作に応じて発生した液圧をこの差圧分だけ低減した
上で液圧制動力として作用させる液圧制動手段と、回生
制御信号の値に応じた電力を車両駆動用のモータによっ
て回生することにより回生制動力を作用させる回生制動
手段と、車両操縦者のブレーキ操作に対し液圧制動力及
び回生制動力合計の制動力が所定の関係となるよう、液
圧制御信号及び回生制御信号を生成する制動制御手段
と、を備え、液圧制動力及び回生制動力により電気自動
車を制動する制動装置において、 制動制御手段が、車両操縦者のアクセル操作の停止に応
じかつブレーキ操作の開始に先立ち、液圧制御信号を準
備的に生成することを特徴とする制動装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の制動装置において、 液圧制動手段が、液圧制御信号の供給を受けていない状
態では弁による差圧を発生させることなく車両操縦者の
ブレーキ操作に応じて発生した液圧を液圧制動力として
作用させることを特徴とする制動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6005400A JPH07205800A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 電気自動車の制動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6005400A JPH07205800A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 電気自動車の制動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07205800A true JPH07205800A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11610105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6005400A Pending JPH07205800A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 電気自動車の制動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07205800A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5895100A (en) * | 1996-01-29 | 1999-04-20 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Brake apparatus for an electric vehicle to maximize regenerative energy |
US6070953A (en) * | 1997-01-17 | 2000-06-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Braking system for a vehicle |
US6086166A (en) * | 1997-06-10 | 2000-07-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Braking torque control system and method for wheeled vehicle having regenerative braking torque generator and frictional braking torque generator |
US6142586A (en) * | 1997-08-08 | 2000-11-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Brake force control apparatus |
CN101927703A (zh) * | 2010-07-19 | 2010-12-29 | 清华大学 | 符合制动能量回收并具有abs/esp功能的电动车液压制动系统 |
WO2011017081A3 (en) * | 2009-07-27 | 2011-04-28 | Caterpillar Inc. | Method and system for controlling a driving direction of an electric drive machine |
JP2015143039A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | トヨタ自動車株式会社 | 車両 |
CN108674395A (zh) * | 2018-06-15 | 2018-10-19 | 长沙行深智能科技有限公司 | 一种推杆电机控制的抱紧刹车制动系统 |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP6005400A patent/JPH07205800A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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DE19703061B4 (de) * | 1996-01-29 | 2014-02-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Bremsvorrichtung für ein Elektrofahrzeug zum Maximieren der regenerativen Energie |
US6070953A (en) * | 1997-01-17 | 2000-06-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Braking system for a vehicle |
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JP2013500700A (ja) * | 2009-07-27 | 2013-01-07 | キャタピラー インコーポレイテッド | 電気駆動式機械の駆動方向を制御するための方法とシステム |
US8386131B2 (en) | 2009-07-27 | 2013-02-26 | Caterpillar Inc. | Method and system for controlling a driving direction of an electric drive machine |
CN101927703A (zh) * | 2010-07-19 | 2010-12-29 | 清华大学 | 符合制动能量回收并具有abs/esp功能的电动车液压制动系统 |
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CN108674395A (zh) * | 2018-06-15 | 2018-10-19 | 长沙行深智能科技有限公司 | 一种推杆电机控制的抱紧刹车制动系统 |
CN108674395B (zh) * | 2018-06-15 | 2024-01-02 | 深圳煜禾森科技有限公司 | 一种推杆电机控制的抱紧刹车制动系统 |
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