JP3334729B2 - 自動交換可能なタッピング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はタッピング装置に係り、
特にパンチプレス機の加工ヘッド部に組込まれるように
して、別途動力を付加することなく高精度なネジ孔加工
が実施できるパンチプレス機に組み込まれて自動交換可
能なタッピング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一台のパンチプレス機で複数の形
状のパンチプレス加工が行えるように多数の工具を準備
して加工できる装置としてタレットパンチプレス機が汎
用されている。そして、そのタレットパンチプレス機に
おいて、ワークの穿孔された孔にネジを形成するタッピ
ング操作が併せて行えるようにする加工も実施されてい
る。

【０００３】このようなタッピング加工を実施できるよ
うにタッピング装置を備えたパンチプレス機としては、
以下のようなものが知られている。 a) パンチステーションにパンチプレス用の金型と同様
にセットされて、プレスラムの上下動を動力源として回
転運動に変えてタッピングを行わせるもの。例えば特開
平３−１３６７３１号公報に開示。 b) パンチステーションにパンチプレス用の金型と同様
にセットされて、外部からタッピング用の動力が供給さ
れてエアモータあるいは電動機によって駆動されてタッ
ピングを行わせるもの。例えば実開平３−６２６３０号
公報に開示。 c) タレットパンチプレス機のフレームに独立したタッ
ピング装置を取り付けて、タッピングを行わせるもの。
この場合、タッピング装置の回転，送りのいずれもパン
チプレス機の機能動力源とは異なるものを有している。 d) タレットを有しない自動工具交換装置付のパンチプ
レス機において、タッピング装置をツールヘッドにチャ
ッキングさせたのち、タップを回転させる動力伝達部と
噛み合わせてタッピングを行わせるもの。この場合、タ
ップの動力源はパンチプレス機の動力源とは異なる動力
を独立して有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
各形式のタッピング装置ではいずれにおいても次のよう
な問題点がある。まず、 1) 前記a)，b)の形式では、金型ステーションを利用す
るため特に大がかりな装置を必要としない反面、使用で
きるステーションが限られることになり、多くの種類や
長時間加工するための予備の工具を取り付けることがで
きない。なお、b)の形式では駆動機構をタッピング装置
ごとに必要とする。 2) 前記c)の形式では、パンチプレス機にそのままタッ
ピング加工機を付加するようなもので、しかも加工位置
がパンチ位置と異なり、ワークの加工エリアが制限され
ることになる。また、装置が大がかりになって製作費も
高くなる。 3) 前記d)の形式では、工具交換式で自動化，長時間運
転の問題点を解決可能にされているが、タッピング用に
動力供給装置を新たに付加しなければならず高価であ
る。

【０００５】本発明はこのような問題点を解決して、タ
ッピング装置を自動交換式として多種類のタップが使用
可能で、パンチ位置と同軸加工を可能にすることによっ
てパンチとタップの加工領域を一致させることができ、
しかも動力供給を既にパンチプレス機が保有している金
型回転機構の駆動力を流用して駆動できて、高精度なネ
ジ加工が行えるパンチプレス機に組込まれて自動交換可
能なタッピング装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような問題点を解決
するために、本発明による自動交換可能なタッピング装
置は、上型と下型とが自動交換可能なパンチプレス機に
おいて、上型が装着されるラムの下端部に着脱可能に支
持されるワーク押えと、下型が装着される固定ベッドに
着脱可能に支持されるタッピングユニットとが一対にさ
れ、前記ワーク押えのワーク接触部はワークと接して静
止できる構成にされ、前記タッピングユニットは、上側
にワークと接して静止状態を維持される固定部材と、こ
の固定部材の下側に配されて正逆回転可能なリングギア
と、このリングギアの内側で前記固定部材の下部に設け
られる遊星歯車機構と、この遊星歯車機構のサンギアと
一体に形成されて前記リングギアの回転により前記固定
部材に設けられる雌ネジ部に螺合されて前記ワーク押え
の軸心線と合致して回転しつつ上下動されるタップを備
えるタップヘッドとで構成され、前記リングギアにはパ
ンチプレス機に付属する金型回転駆動装置からの動力が
伝達されるように構成されることを特徴とする。

【０００７】本発明における前記ワーク押えと前記タッ
ピングユニットとは、それぞれ交換のためのクランプ溝
を外周部に有し、金型交換用クランパーによって一対に
セットされて搬送できるようにされているのがよい。前
記ワーク押えは、ラムに取り外し可能に装着される取付
片と、この取付片に回転可能で推力を受け止められて同
軸心に連結される板押え片とで構成されるのが好まし
い。そして、その板押え片のワーク接触部は弾性材によ
って形成されるのがよい。また、前記タッピングユニッ
トにおける固定部材は固定ベッドの装着部に対して係合
外脱容易な廻り止め部材を側面部に設けられるのがよ
い。前記遊星歯車機構は前記固定部材をプラネタリギア
ベースとされ、このプラネタリギアベースに取り付く支
持部材によって回転中心に配設されるサンギアと、前記
リングギアの内部に形成される内歯車とに噛み合うよう
に前記プラネタリギアベースに支持軸を介して支持され
る複数個のプラネタリギアとで構成されて、前記リング
ギア側からの回転でサンギアが正逆回転される構成であ
るのが好ましい。また、前記固定部材の中央部に設けら
れる雌ネジ部のリードは前記タップヘッドに装着される
タップのリードとほぼ同じにされるのがよい。

【０００８】

【作用】このように構成される本発明の自動交換可能な
タッピング装置は、一般の金型と同様に金型交換されて
上型が取り付けられるラムにワーク押えが脱着可能に装
着され、下型が取り付けられる固定台にタッピングユニ
ットが脱着可能に装着されて使用される。そして、前記
タッピングユニットの内部に配される遊星歯車機構に金
型回転用の駆動装置からの動力が伝達されるとサンギア
が駆動され、そのサンギアと一体に形成されるタップヘ
ッドの上部中心に装着されたタップがサンギアの回転に
ともなって固定部材に設けられてそのタップヘッドが螺
合する雌ネジ孔のネジのリードによって回転しながら上
昇し、所定量移動して後退されるとワークに予め加工さ
れた下孔にタッピングされる。なお、前述のタッピング
に際してワークは上側からワーク押えの板押え片によっ
て固定部材上に押さえられ、その板押え片が回動するこ
となくワークを保持する。このようにして、パンチ加工
位置と同一軸心でタッピングされるので加工精度を高め
ることができる。また、タッピングの動力としてパンチ
プレス機が所有する金型回転用の駆動装置の動力をその
まま流用できるので、新たな動力を付加することなく経
済性を高められる。

【０００９】そして、本発明のタッピング装置はワーク
押さえとタッピングユニットとに、それぞれクランプ溝
を装備させて金型交換用のクランパーで一対セットにさ
れて交換できるようにされることで一般金型と共通の取
り扱いがなされる。また、ワーク押えのワークに直接接
する部分を回動自在にしておくことでラムが回転しても
ワークを押さえる部分がその回転に影響されず確実な押
え効果が得られ、かつ板押え片に弾性体を配することで
ワーク面を確実に捉えるとともに傷つけることもない。
さらに、タッピングユニットにおけるタップヘッドの回
転には遊星歯車機構を内蔵させて嵩低くできるととも
に、そのサンギアにタップヘッドを連結することで簡単
に増速して有効なネジ加工ができる。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の自動交換可能なタッピング装
置について、その一実施例を具体例の図面に基づき説明
する。

【００１１】図１及び図２に示されるのは本発明による
自動交換可能なタッピング装置が適用されるパンチプレ
ス機の一具体例であって、図１はそのパンチプレス機の
正面図で、図２は図１の右側面図を表している。

【００１２】これらの図において、パンチプレス機は門
型構造にされて固定ベッド２上に立設されるメインフレ
ーム１の下を交差するようにしてワークを受支する移動
テーブル３が配置されている。そして、前記メインフレ
ーム１の中央部には上下方向に軸線を設定されて加工セ
ンター４が配設され、その加工センター４のラム４ａが
下向きに作動されるようにして下端部に加工ヘッド５が
設けられ、この加工ヘッド５に対向して固定ベッド２上
に下金型を装着される固定台６が配設されている。ま
た、前記移動テーブル３の一側部には図示されないワー
ククランプを備えるワークのキャリッジが配されてい
る。さらに、前記メインフレーム１と適宜距離離れた位
置に多数の金型を取り出し容易に収容される金型マガジ
ン７が設けられ、この金型マガジン７と前記メインフレ
ーム１の中央部に設けてある加工センター４との間で金
型を搬送する金型搬送手段８が設けられている。

【００１３】このようなパンチプレス機における加工セ
ンター４には、ラム４ａ下端部の加工ヘッド５とその加
工ヘッド５に対向して固定ベッド２上の固定台６とに、
パンチプレス用の金型と同じ要領で交換可能に本発明に
かかるタッピング装置１０が装着される。

【００１４】前記タッピング装置１０の組立構成の一具
体例断面図が図３に示されている。この図において、タ
ッピング装置１０は、ラム４ａの下端部に付設される加
工ヘッド５にその軸心に設けられる上型装着部の上金型
（パンチ）クランプシャンクの嵌挿着脱孔４ｂに嵌合す
るシャンク１２’によって着脱可能にワーク押え１１が
取り付けられ、固定べッド２にはタッピングユニット２
０が着脱可能に取り付けられる。

【００１５】ワーク押え１１は図３に示されるように、
ラム４ａ下端部の軸心に設けられる嵌挿着脱孔にそのワ
ーク押え１１の上面中心に突設されるシャンク１２’が
嵌挿されて、そのシャンク１２’をラム４ａ内部に組み
込まれて内蔵された操作シリンダ４ｃによって上下動操
作されるクランプ片４ｄによってロックされるようにな
されている。なお、前記操作シリンダ４ｃにはラム４ａ
の内部に設けられる作動油導通孔を介して圧油が作用す
るようになされている。

【００１６】前記ワーク押え１１は、ラム４ａの嵌挿着
脱孔４ｂに嵌挿するシャンク１２’を備えた外周に脱着
用のクランプ溝１２ａを形成されて偏平円柱状の保持片
１２と、この保持片１２の下面中心に軸心を合致させて
固着される取付片１３にスラストベアリング１４を介し
て回転自在に取り付けられる板押え片１５とで構成され
ている。そして、その板押え片１５はワークと接する押
え部１５ａにポリウレタン樹脂等の弾性体が一体に取り
付けられ、板押え片１５の上面に前記取付片１３の肩部
に接して抜け落ち止めとなるガイドリング１６が取り付
けられている。なお、ラム４ａは加工ヘッド５の上部に
組み込まれた金型回転用の歯車機構における大歯車１７
が取り付けられ、加工ヘッド５の外部から供給される動
力が伝達される小歯車１７’と噛み合って回転できるよ
うにされている（図４参照）。

【００１７】次に、固定ベッド２の固定台６上に脱着可
能に装着されるタッピングユニット２０は、図３及び図
５で示されるように、外周部に脱着用のクランプ溝２４
を有して外周下半部にギア２２を設けるとともに内周に
内歯車２３が設けられるリングギア２１と、このリング
ギア２１の上側にそのリングギア２１と同心で支持され
て係止ピン（廻り止め部材）２５によりダイベースガイ
ド４０に対して取り外し可能で回転不能な構造でワーク
を支持するプラネタリギアベース２６と、このプラネタ
リギアベース２６に支持されて前記内歯車２３に噛み合
う３個のプラネタリギア２７ａと中央に配されるサンギ
ア２８とで構成される遊星歯車機構２７、及びそのサン
ギア２８と一体に形成されて上部中心にタップ３１を装
着されるタップヘッド３２とで構成されている。

【００１８】そして、前記遊星歯車機構２７は、前記プ
ラネタリギア２７ａが前述のプラネタリギアベース２６
に基部をそれぞれ固定されて垂下する３本の支持軸２７
ｂにより各々回転自在に支持されて中心位置のサンギア
２８の廻りに、そのサンギア２８と前記内歯車２３と噛
み合って配置される。また、そのサンギア２８は、前記
プラネタリギアベース２６から前記各プラネタリギア２
７ａと接触しない位置で垂下する支持脚３３によって下
部中央に保持されるハウジング３４内のベアリング３５
にて回転中心に下端軸部２８’を支持され、上部に一体
連結されるタップヘッド３２が前記プラネタリギアベー
ス２６中央に設けられる雌ネジ孔３６に螺合されて軸心
をそのプラネタリギアベース２６の上面に垂直に支持さ
れる。なお、前記雌ネジ孔３６の上側は中心にタップ３
１が出入りできる程度の透かし孔３６’が設けられる。

【００１９】そして、そのタップヘッド３２はその軸心
に上面からタップ装着穴３２’が設けられ、このタップ
装着穴３２’に所要のタップ３１がシャンクを嵌挿させ
て取り付けられる。なお、前記タップヘッド３２の外周
に形成されるネジ部３２”（プラネタリギアベース２６
中央に設けられる雌ネジ孔３６のネジ部）は、タップ３
１のリードと同じリードで形成されている。したがっ
て、そのタップヘッド３２と一体のサンギア２８は、そ
のタップヘッド３２外周のネジ部と雌ネジ孔３６との螺
合で、遊星歯車機構２７の回転により回転しつつ上下動
されることになるので前記下端軸部２８’の支持ベアリ
ング３５とは摺動可能に支持され、かつ上下動可能な分
歯部が長く形成される。

【００２０】また、固定台６における前述のタッピング
ユニット２０の装着部では、そのタッピングユニット２
０の外周部に位置するダイベースガイド４０がその下部
に連結される上下動操作シリンダ４１によって所要高さ
に受けられるワークを昇降できるようになされている。

【００２１】前記リングギア２１は外部に設けられた金
型回転用の駆動装置５０からの動力が伝達される小歯車
５２と外周のギア２２との噛み合いで正逆回転されるよ
うになっている。ちなみに、金型回転用の駆動装置５０
の一例を図６及び図７で示される。これらの図において
示される金型回転用の駆動装置５０は、メインフレーム
１に取り付けられるモータ５１から上型側と下型側とに
分岐されて同調駆動される動力を、それぞれベルト５３
による駆動とラインシャフト５４，５５によって加工ヘ
ッド５及び固定台６の各内部の前述の駆動ギア部に伝達
されるようになされている。

【００２２】このように構成される本実施例のタッピン
グ装置１０の動作は、まずパンチプレス機における金型
交換と同じ要領で金型マガジン７の所定位置から金型搬
送手段８の図示されないクランプ機構によってワーク押
え１１とタッピングユニット２０とが、一対としてそれ
ら各クランプ溝１２ａ，２４をクランパーによって把持
されて加工センター４に搬送される。そして、従来の金
型と同要領でワーク押え１１は加工ヘッド５のラム４ａ
下端に、タッピングユニット２０は固定台６上にそれぞ
れ装着される。

【００２３】この際、ワーク押え１１はラム４ａの嵌挿
着脱孔にクランプシャンクが挿入されて内蔵されている
操作シリンダによるクランプ片の係止動作で固定され
る。また、タッピングユニット２０は固定台６に設けら
れる下型装着部に嵌め込まれて装着される。なお、その
タッピングユニット２０は下型装着部に装着されるとき
に、ダイベースガイドに設けられている係止溝に係止ピ
ンが挿入されてプラネタリギアベース２６が回転不能に
保持される。この状態でタッピング装置１０は、その軸
心がパンチプレスの加工センター３における加工軸心に
合致して装着されることになる。

【００２４】そこで、図示されないパンチング加工金型
と前述のタッピング装置１０と交換操作中加工位置から
退避させていたワークＷを元の加工位置に周知の操作で
戻し、タッピング操作の指令が与えられると、制御部の
指令によってラム４ａが下降され、ワークＷはワーク押
え１１の板押え片とタッピングユニット２０のプラネタ
リギアベース２６の上面との間に挟まれて固定される。
このワークＷの加工位置には先のパンチングによってタ
ップ３１の下孔加工が既に施されている。

【００２５】ワーク押え１１の板押え片１５とタッピン
グユニット２０のプラネタリギアベース２６の上面とに
よって挟持固定されたワークＷは、金型回転用の駆動装
置５０がタップ３１の加工方向に回転駆動されると、ま
ずリングギア２１が駆動されて回転することにより固定
状態に保たれるプラネタリギアベース２６に支持軸によ
って定位置で保持されるプラネタリギア２７ａを介して
サンギア２８が増速回転される。すると、そのサンギア
２８と一体のタップヘッド３２が固定されている雌ネジ
孔３６により回転するほどにその雌ネジのリードによっ
て上昇され、取り付けられたタップ３１がワークＷの下
孔に螺入されてネジが切られる。この際、ワーク押え１
１側のラム４ａも前記金型回転用の駆動装置５０により
回転させられるが、そのワーク押え１１における板押え
片１５は取付片に対してスラストベアリングを介して回
動可能に連結され、かつワークＷとの接触面が弾性材で
形成されているので、ワークＷとの接触摩擦で静止状態
に保たれる。したがって、金型回転用の駆動装置５０に
よって上下両金型保持部が同時に回転される機構になっ
ていてもタッピング加工にこの動力を流用して何等支障
を来さない。

【００２６】駆動制御部の指令によって所要回転数タッ
プ３１が回転されたならば、その回転数と同じだけ金型
回転用の駆動装置５０によりタップ３１を逆回転させる
ことにより、そのタップ３１は前述と逆の動作をして元
の位置まで下降される。この元の位置に復帰する回転数
に達したならば、ラム４ａが規定高さに上昇してワーク
押え１１がワークＷを押さえる動作を解除する。したが
って、以後はダイベースガイド４０を操作シリンダ４１
によって押し上げることによりワークＷがパスラインよ
りやや上に持ち上げられてプラネタリギアベース２６の
上面と擦られることなく次の操作に移行される。

【００２７】このような要領でタッピングが行われるの
で、連続してタッピング加工を繰り返す場合、予め下孔
加工を行っておいて、タッピング装置１０をセットして
から順次加工位置にワークＷを移動させて作業すること
ができる。

【００２８】上述のようにしてタッピング加工が行われ
た本実施例のタッピング装置１０は、次の工程でパンチ
加工用の金型と交換されるには、装着時と同様に金型搬
送手段のクランパーによってワーク押え１１及びタッピ
ングユニット２０の各クランプ溝を保持されて、加工ヘ
ッド５のラム４ａと固定台６の下型装着部とから装着時
と逆の操作によってそれぞれ取り外されて金型マガジン
８の所定位置に戻される。そして、代わりに所要の金型
が交換装着されて次の加工が行われることになる。

【００２９】以上の説明では、タッピング装置１０の駆
動装置としてパンチプレス機における金型回転用の駆動
装置をそのまま流用して行う方式について述べたが、そ
の金型回転用の駆動装置において電気的に上型の駆動の
みを停止させて下型の部分のみを作動させるようにする
ことも任意なし得る。この場合は、前述のワーク押えの
構造を静止構造にして簡単にできる。

【００３０】なお、本実施例におけるプラネタリギアベ
ースは本発明の固定部材に対応する。

【００３１】

【発明の効果】上述のように構成される本発明によれ
ば、パンチプレス機における上下金型と同様に取り扱わ
れてタッピング装置を自動交換式として多種類のタップ
が使用可能で、しかもパンチプレス位置と同軸でタッピ
ングが行え、パンチとタップの加工領域を一致させるこ
とができるので加工精度を高めることができる。また、
動力供給をパンチプレス機が既に保有している金型回転
機構の駆動力を流用して駆動できるので経済的効果を高
め得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動交換可能なタッピング装置が
適用されるパンチプレス機の一具体例の正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】本発明によるタッピング装置の組立構成の一具
体例縦断面図である。

【図４】ワーク押えが装着される加工ヘッドの縦断面図
である。

【図５】図３のＶ−Ｖ視平面図である。

【図６】本発明が実施されるパンチプレス機における金
型回転用の駆動装置の一例を示す概要図であり、その正
面図である。

【図７】図６の平面図である。

【符号の説明】

１ パンチプレス機のメインフレーム ２ パンチプレス機の固定ベッド ４ 加工センター ４ａ ラム ５ 加工ヘッド ６ 固定台 １０ タッピング装置 １１ ワーク押え １２ 保持片 １３ 取付片 １５ 板押え片 １７ 金型回転用の歯車機構における大歯車 １７’ 金型回転用の歯車機構における小歯車 ２０ タッピングユニット ２１ リングギア ２２ ギア ２３ 内歯車 ２５ 係止ピン ２６ プラネタリギアベース ２７ 遊星歯車機構 ２８ サンギア ３１ タップ ３２ タップヘッド ３６ 雌ネジ孔 ４０ ダイベースガイド ４１ 上下動操作シリンダ ５０ 金型回転用の駆動装置

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上型と下型とが自動交換可能なパンチプ
   レス機において、上型が装着されるラムの下端部に着脱
   可能に支持されるワーク押えと、下型が装着される固定
   ベッドに着脱可能に支持されるタッピングユニットとが
   一対にされ、 前記ワーク押えのワーク接触部はワークと接して静止で
   きる構成にされ、 前記タッピングユニットは、上側にワークと接して静止
   状態を維持される固定部材と、この固定部材の下側に配
   されて正逆回転可能なリングギアと、このリングギアの
   内側で前記固定部材の下部に設けられる遊星歯車機構
   と、この遊星歯車機構のサンギアと一体に形成されて前
   記リングギアの回転により前記固定部材に設けられる雌
   ネジ部に螺合されて前記ワーク押えの軸心線と合致して
   回転しつつ上下動されるタップを備えるタップヘッドと
   で構成され、前記リングギアにはパンチプレス機に付属
   する金型回転駆動装置からの動力が伝達されるように構
   成されることを特徴とする自動交換可能なタッピング装
   置。
2. 【請求項２】 前記ワーク押えと前記タッピングユニッ
   トとは、それぞれ交換のためのクランプ溝を外周部に有
   し、金型交換用クランパーによって一対にセットされて
   搬送できるようにされている請求項１に記載の自動交換
   可能なタッピング装置。
3. 【請求項３】 前記ワーク押えは、ラムに取り外し可能
   に装着される取付片と、この取付片に回転可能で推力を
   受け止められて同軸心に連結される板押え片とで構成さ
   れる請求項１または２に記載の自動交換可能なタッピン
   グ装置。
4. 【請求項４】 前記板押え片のワーク接触部は弾性材に
   よって形成されている請求項３に記載の自動交換可能な
   タッピング装置。
5. 【請求項５】 前記タッピングユニットにおける固定部
   材は固定ベッドの装着部に対して係合外脱容易な廻り止
   め部材を側面部に設けられる請求項１または２に記載の
   自動交換可能なタッピング装置。
6. 【請求項６】 前記遊星歯車機構は前記固定部材をプラ
   ネタリギアベースとされ、このプラネタリギアベースに
   取り付く支持部材によって回転中心に配設されるサンギ
   アと、前記リングギアの内部に形成される内歯車とに噛
   み合うように前記プラネタリギアベースに支持軸を介し
   て支持される複数個のプラネタリギアとで構成されて、
   前記リングギア側からの回転でサンギアが正逆回転され
   る構成である請求項１または２に記載の自動交換可能な
   タッピング装置。
7. 【請求項７】 前記固定部材の中央部に設けられる雌ネ
   ジ部のリードは前記タップヘッドに装着されるタップの
   リードとほぼ同じにされる請求項１または２に記載の自
   動交換可能なタッピング装置。