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JP3319449B2 - 積層インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

積層インダクタ及びその製造方法

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Publication number
JP3319449B2
JP3319449B2 JP28433199A JP28433199A JP3319449B2 JP 3319449 B2 JP3319449 B2 JP 3319449B2 JP 28433199 A JP28433199 A JP 28433199A JP 28433199 A JP28433199 A JP 28433199A JP 3319449 B2 JP3319449 B2 JP 3319449B2
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JP
Japan
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conductor
composite sheet
sintered body
ceramic sintered
dielectric constant
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博道 徳田
剛 達川
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/685,861 priority patent/US6506143B1/en
Priority to US09/679,155 priority patent/US6466120B1/en
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0013Printed inductances with stacked layers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミック一
体焼成技術を用いた積層インダクタ及びその製造方法に
関し、より詳細には、コイル導体を構成している導体パ
ターン間に低誘電率材料層が配置されている積層インダ
クタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インダクタンス部品として、
磁性体セラミックスを用いた積層インダクタが広く用い
られている。図8及び図9は、従来の積層インダクタを
説明するための断面図及び斜視図である。
【0003】積層インダクタ51は、磁性体セラミック
スよりなるセラミック焼結体52を有する。セラミック
焼結体52の内部には、コイル導体53が埋設されてい
る。コイル導体53は、セラミック焼結体52内におい
て、らせん状の巻回路を構成しており、一方端部53a
が端面52aに引き出されており、他方端部53bが端
面52bに引き出されている。端面52a,52bを覆
うように、それぞれ、端子電極54,55が形成されて
いる。従って、端子電極54,55間にコイル導体53
が接続されている。
【0004】上記セラミック焼結体52を得るに際して
は、磁性体グリーンシート上にコイル導体を構成する導
体パターンを印刷し、該導体パターンが印刷された磁性
体グリーンシートを複数枚積層し、上下に無地の磁性体
グリーンシートを積層する。このようにして得られた積
層体を焼成することにより、セラミック焼結体52が得
られている。すなわち、周知の積層セラミックス一体焼
成技術を用いてセラミック焼結体52が構成される。
【0005】上記導体パターンの例を、図9を参照して
説明する。図9には、コイル導体53の最上部の導体パ
ターン53c及びその下方に位置する導体パターン53
dを示す。磁性体グリーンシート56上に導体パターン
53cが印刷されている。導体パターン53cの端部5
3aは、磁性体グリーンシート56の一方端縁56aに
引き出されている。他方、導体パターン53cの内側端
近傍にはビアホール電極57が形成されている。
【0006】磁性体グリーンシート58の上面には導体
パターン53dが形成されている。導体パターン53d
の一方端部53d1 近傍は、ビアホール電極57が重な
り合うように形成されている。すなわち、磁性体グリー
ンシート56,58を積層した際に、導体パターン53
c,53dは、ビアホール電極57を介して電気的に接
続される。また、導体パターン53dの他方端部近傍に
は、ビアホール電極59が形成されている。ビアホール
電極59は、導体パターン53dの下方に位置する導体
パターンに電気的に接続される。このようにして、複数
の導体パターンを磁性体グリーンシートを介して積層す
ることにより、上記コイル導体53が構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】積層インダクタ51
は、積層セラミックス一体焼成技術を用いているので、
コイル導体53のターン数の調整が容易であり、かつ小
型のインダクタンス部品を構成することができる。
【0008】しかしながら、コイル導体53のうち、異
なる高さ位置にある導体パターンが磁性体セラミック層
を介して重なり合っているので、異なる高さ位置の導体
パターン間で浮遊容量が発生することを避けることがで
きない。そのため、積層インダクタ51では、上記浮遊
容量の影響によりノイズ除去特性が低下しがちであっ
た。
【0009】本発明の目的は、コイル導体を構成してい
る異なる高さ位置にある導体パターン間の浮遊容量を低
減することができ、それによってノイズ除去特性に優れ
た積層インダクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
よりなるセラミック焼結体と、前記セラミック焼結体内
に配置されたコイル導体とを備える積層インダクタであ
って、セラミックスよりなるセラミック焼結体と、前記
セラミック焼結体内に配置されており、両端がセラミッ
ク焼結体の外表面に引き出されたコイル導体と、前記セ
ラミック焼結体のコイル導体が引き出されている部分に
形成された第1,第2の外部電極とを備え、前記コイル
導体が、前記セラミック焼結体内の異なる高さ位置に形
成された複数の導体パターンと、セラミック焼結体の高
さ方向に隣接する導体パターン間を電気的に接続するビ
アホール電極とを有し、少なくとも1つの導体パターン
の厚み方向両側に積層されており、セラミック焼結体を
構成している前記セラミックスよりも誘電率の低い低誘
電率材料層をさらに備え、前記コイル導体を平面視した
ときに、1つの導体パターンが形成されている高さ位置
において、導体パターンと、低誘電率材料層とにより、
コイル導体の1ターンに相当する環状路が構成されてお
り、前記ビアホール電極が形成されている高さ位置にお
いては、該ビアホール電極と低誘電率材料層とにより、
コイル導体の1ターンに相当する環状路が構成されてい
ることを特徴とする。
【0011】
【0012】本発明に係る積層インダクタの製造方法
は、セラミックスよりなるセラミック焼結体内にコイル
導体が形成されている積層インダクタの製造方法であ
り、以下の工程を備えることを特徴とする。支持フィル
ム上に、前記コイル導体の一部を構成する導体パターン
と、該導体パターンに連ねられて形成されており、導体
パターンと共にコイル導体の1ターン分に相当する環状
路を構成する低誘電率材料パターンと、前記導体パター
ン及び低誘電率材料パターンを除く部分にセラミックグ
リーン層が形成されてなる第1の複合シートを用意する
工程と、支持フィルム上に、ビアホール電極と、前記ビ
アホール電極と共にコイル導体の1ターン分に相当する
環状路を構成するように形成された低誘電率材料パター
ンと、前記ビアホール電極及び低誘電率材料パターンを
除く領域に付与されたセラミックグリーン層とが形成さ
れた第2の複合シートを用意する工程と、前記第1,第
2の複合シートを、間に位置する支持フィルムを剥離し
つつ、第1の複合シートの導体パターンと、第2の複合
シートのビアホール電極とが重なり合うように積層する
積層工程と、前記積層工程を繰り返した後、複数の導体
パターン及びビアホール電極からなるコイル導体が内部
に構成されており、かつコイル導体の両端が外表面に露
出されている積層体を得る工程と、前記積層体を焼成
し、セラミック焼結体を得る工程と、前記セラミック焼
結体の外表面に、コイル導体の両端に電気的に接続され
る第1,第2の外部電極を形成する工程とを備えること
を特徴とする。
【0013】本発明の積層インダクタの製造方法の特定
の局面では、前記導体パターンが、環状路の1/n長を
有するように構成されており、前記複数枚の第1の複合
シートを第2の複合シートを介して積層するにあたり、
下方の第1の複合シートに対して、上方の第1の複合シ
ートを、環状路の中心の周りに360/n°の角度回転
させて積層される。
【0014】本発明の積層インダクタの製造方法のさら
に特定の局面では、前記第1,第2の複合シートが矩形
の平面形状を有し、前記導体パターンが前記環状路の約
1/2長を構成しており、前記複数枚の第1の複合シー
トを第2の複合シートを介して積層する工程において、
下方の第1の複合シートに対して上方の第1の複合シー
トを環状路の中心の周りに180°回転させて積層され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らか
にする。
【0016】図1は、本発明の一実施例に係る積層イン
ダクタの要部を説明するための略図的斜視図であり、図
2は外観を示す斜視図である。図1では、想像線で示す
セラミック焼結体2内に、コイル導体3が配置されてい
る。セラミック焼結体2は、例えばフェライトなどの磁
性体セラミックスよりなり、本実施例では矩形板状の形
状を有する。もっとも、セラミック焼結体2の形状は、
矩形板状に限定されず、適宜の直方体、立方体あるいは
多角形板などの形状とし得る。また、セラミック焼結体
2は、磁性体セラミックス以外の誘電性や絶縁性セラミ
ックスを用いて構成されてもよい。
【0017】図2に示すように、セラミック焼結体2の
対向し合う一対の端面2a,2b(図1参照)を覆うよ
うに第1,第2の外部電極4,5が形成されている。外
部電極4,5は、AgやCuなどの適宜の導電性材料
を、導電ペーストの塗布・焼付け、蒸着、めっきもしく
はスパッタリングなどの適宜の方法により付与すること
により形成される。
【0018】本実施例の積層インダクタ1の特徴は、上
記コイル導体3の後述の導体パターンに、セラミック焼
結体2を構成しているセラミックスよりも誘電率の低い
低誘電率材料層が積層されていることにある。
【0019】すなわち、図1から明らかなように、コイ
ル導体3は、複数の導体パターン3a〜3cをビアホー
ル電極6,7を介して電気的に接続した構造を有する。
また、セラミック焼結体2内に低誘電率材料層8〜12
が形成されている。導体パターン3a〜3cには、厚み
方向において少なくとも一方側に低誘電率材料層9,1
1が積層されており、それによって異なる高さ位置にあ
る導体パターン間の浮遊容量が低減されている。これ
を、図3〜図7を参照しつつ本実施例の積層インダクタ
の製造方法を説明することにより明らかにする。
【0020】積層インダクタ1の製造に際しては、先
ず、図3(a)に示す第1の複合シート13を用意す
る。第1の複合シート13は、ポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PET)などの合成樹脂からなる支持フィ
ルム14上に、導体パターン3a、低誘電率材料層8及
び磁性体グリーン層15を形成することにより構成され
ている。
【0021】導体パターン3aは、Ag、Ag−Pd、
Cu、Niなどの導電ペーストを印刷することにより形
成される。この導体パターン3aは、矩形の巻回路の1
ターン分の1/2に相当する形状とされている。もっと
も、導体パターン3aは、コイル導体3の最下層に位置
するものであるため、引き出し部3a1 を有する。引き
出し部3a1 は、複合シート13の一方端縁13aに引
き出されている。
【0022】また、低誘電率材料層8は、セラミック焼
結体2を構成している磁性体セラミックスよりも低誘電
率の材料、例えばガラスにより構成されている。低誘電
率材料層8は、上記誘電体セラミックペーストをL字状
に印刷することにより形成されている。低誘電率材料層
8と、導体パターン3aの引き出し部3a1 を除いた部
分とにより、本実施例の積層インダクタ1におけるコイ
ル導体3を平面視した際の巻回路に相当する矩形の環状
路が構成される。
【0023】支持フィルム14上においては、上記導体
パターン3及び低誘電率材料層8が形成されている領域
を除いて、磁性体グリーン層15が形成されている。な
お、図3(b)及び(c)から明らかなように、上記導
体パターン3a及び磁性体グリーン層15は同じ厚みと
されている。また、図3では、明瞭ではないが、低誘電
率材料層8の厚みもまた、導体パターン3a及び磁性体
グリーン層15と同じ厚みとされている。
【0024】上記第1の複合シート13とは別に、図4
に示す第2の複合シート16を用意する。第2の複合シ
ート16は、第1の複合シート13と同様に、適宜の合
成樹脂からなる支持フィルム17を有する。支持フィル
ム17上に、ビアホール電極6が形成されている。ビア
ホール電極6は、本実施例では平面形状が矩形の形状と
されているが、円形の形状であってもよい。ビアホール
電極6は、導体パターン3aと同じ導電性材料を用いて
構成される。もっとも、他の導電性材料を用いて構成さ
れてもよい。
【0025】ビアホール電極6が形成されている部分に
連なるように、低誘電率材料層9が形成されている。低
誘電率材料層9は、コイル導体3を平面視した場合の矩
形の巻回路と同じ形状の矩形の環状路を構成するように
印刷されている。すなわち、低誘電率材料層9により構
成される環状路の一部に、上記ビアホール電極6が形成
されていることになる。上記ビアホール電極6及び低誘
電率材料層9が形成されている部分を除いて、支持フィ
ルム17上に磁性体グリーン層18が形成されている。
【0026】次に、第1の複合シート13上に、第2の
複合シート16を、ビアホール電極6、低誘電率材料層
9及び磁性体グリーン層18が形成されている側の面か
ら積層する。この場合、ビアホール電極6が導体パター
ン3aの一方端部3a2 近傍に重ね合わされるように、
第2の複合シート16は、環状路の中心の周りに180
°反転されて積層される。
【0027】上記のようにして、図5に示す積層シート
19が得られる。積層シート19では、図5のF−F線
及びG−G線に沿う断面図である図6(a)及び(b)
から明らかなように、導体パターン3a上に、ビアホー
ル電極6が接続されており、かつ導体パターン3aの厚
み方向片側に低誘電率材料層9が積層されている。
【0028】また、導体パターン3aが形成されている
高さ位置では、導体パターン3aと、低誘電率材料層8
とにより矩形の巻回路に相当する環状路が構成されてお
り、ビアホール電極6が形成されている高さ位置におい
ても、ビアホール電極6と低誘電率材料層9とにより同
じく矩形の環状路が構成されていることになる。
【0029】次に、図7(a)示す別の第1の複合シー
ト20を用意する。複合シート20では、支持フィルム
上に、導体パターン3bと低誘電率材料層10とが矩形
の環状路を構成するように形成されている。導体パター
ン3b及び低誘電率材料層10が形成されている部分以
外の領域には、磁性体グリーン層21が形成されてい
る。導体パターン3bは、矩形の環状路の1/2長とな
るように構成されている。
【0030】前述した積層シート19の上部に位置する
支持フィルム17を剥離し、第1の複合シート20を上
記導体パターン3bが形成されている面側から積層す
る。この場合、導体パターン3bの端部がビアホール電
極6に電気的に接続されるように積層する。
【0031】しかる後、複合シート20の支持フィルム
を剥離する。さらに、図7(b)に示す第2の複合シー
ト22を用意する。第2の複合シート22では、支持フ
ィルム上に、ビアホール電極7及び低誘電率材料層11
からなる矩形の環状路が構成されている。この矩形の環
状路以外の部分には磁性体グリーン層23が形成されて
いる。
【0032】第1の複合シート20の支持フィルムを剥
離し、上記第2の複合シート22をビアホール電極7が
形成されている面側から積層する。この場合、ビアホー
ル電極7が導体パターン3bのビアホール電極6が接続
されている側とは反対側の端部に重なり合うように第2
の複合シート22を積層する。
【0033】同様に、特に図示はしないが、最上部の導
体パターン3cを構成するために、導体パターン3c及
び低誘電率材料層12からなる環状路が構成された第1
の複合シートを用意し、同様にして積層する。このよう
にして、導体パターン3a〜3cがビアホール電極6,
7を介して接続されているコイル導体3を有する積層体
が得られる。
【0034】上記のようにして得られた積層体の上下に
適宜の枚数の無地の磁性体グリーンシートを積層し、積
層体を得る。得られた積層体を厚み方向に加圧し、焼成
することによりセラミック焼結体2を得ることができ
る。
【0035】上記セラミック焼結体2の端面2a,2b
に外部電極4,5を前述した方法により形成することに
より、積層インダクタ1が得られる。本実施例の製造方
法によれば、上記のようにコイル導体3の異なる高さ位
置にある導体パターン3a〜3c及びビアホール電極
6,7が、低誘電率材料層8a〜8dと共に前述した環
状路を構成するように形成されている。従って、各導体
パターン3a〜3cの厚み方向において少なくとも一方
側に低誘電率材料層が配置されることになり、言い換え
れば、導体パターン間に低誘電率材料層が介在されるこ
とになる。従って、導体パターン間の浮遊容量を低減す
ることができ、それによってノイズ除去特性を高めるこ
とができる。
【0036】なお、導体パターンが、環状路の1/2n
長を有するように構成した場合には、下方の第1の複合
シートに対して、上方の第1の複合シートを360/n
°の角度をなすように、環状路の中心の周りに回転させ
て積層していけば、上下の導体パターンを確実にビアホ
ール電極を介して電気的に接続することができ、余分な
長さの導体パターンを必要としない。
【0037】また、上記実施例では、導体パターン及び
低誘電率材料層により矩形の環状路を構成し、従ってコ
イル導体3として、平面視した場合に矩形の巻回路を構
成したが、本発明に係る積層インダクタでは、コイル導
体の巻回路の平面形状は矩形に限定されず、円形などの
他の形状であってもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る積層インダクタでは、セラ
ミックスよりなるセラミック焼結体内に配置されたコイ
ル導体において、該コイル導体を構成しており、セラミ
ック焼結体内の異なる高さ位置に形成されている複数の
導体パターン間に、セラミック焼結体を構成しているセ
ラミックスよりも誘電率の低い低誘電率材料層が介在さ
れている。従って、複数の導体パターン間の浮遊容量を
著しく低減することができ、それによってノイズ除去特
性に優れた積層インダクタを提供することが可能とな
る。
【0039】また、本発明に係る積層インダクタにおい
て、導体パターンが形成されている高さ位置に、導体パ
ターンと、低誘電率材料層とによりコイル導体の1ター
ンに相当する環状路が構成されており、ビアホール電極
が形成されている高さ位置においては、該ビアホール電
極と低誘電率材料層とにより、コイル導体の1ターンに
相当する環状路が構成されているため、異なる高さ位置
にある導体パターンをビアホール電極を介して接続した
場合、上下の導体パターン間に確実に低誘電率材料層が
介在される。
【0040】本発明に係る積層インダクタの製造方法で
は、上記第1,第2の複合シートを積層し、積層シート
を得、複数枚の積層シートを、上下の積層シートのビア
ホール電極同士が重なり合うように、かつ複数枚の積層
シートの導体パターンがコイル導体を構成するように積
層されている積層体が得られる。従って、この積層体を
焼成し、セラミック焼結体を得、第1,第2の外部電極
を形成することにより、本発明に係る積層インダクタ
を、積層セラミックス一体焼成技術を用いて容易に製造
することができる。
【0041】導体パターンが、環状路の1/n長を有す
るように構成されている場合には、複数枚の第1の複合
シートを第2の複合シートを介して積層するにあたり、
下方の第1の複合シートに対して上方の第1の複合シー
トを環状路の中心の周りに360/n°の角度回転させ
て積層することにより、容易に上下の導体パターンによ
りコイル導体を形成することができる。
【0042】第1,第2の複合シートが矩形の平面形状
を有し、導体パターンが上記環状路の約1/2を構成し
ている場合には、複数枚の第1の複合シートを第2の複
合シートを介して積層する工程において、下方の第1の
複合シートに対して上方の第1の複合シートを反転させ
て積層するだけで、上下の導体パターンをコイル導体を
構成するように容易に積層することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る積層インダクタの用具
を説明するための模式的斜視図。
【図2】本発明の一実施例の積層インダクタの外観を示
す斜視図。
【図3】(a)は第1の複合シートの平面図、(b)は
(a)のB−B線に沿う断面図、(c)は(a)中のC
−C線に沿う断面図。
【図4】(a)は第2の複合シートの平面図、(b)は
(a)のD−D線に沿う断面図、(c)は(a)中のE
−E線に沿う断面図。
【図5】(a)は本発明の一実施例において用意される
積層シートを示す平面図、(b)は中間高さ位置に配置
される積層シートを説明するための平面図。
【図6】(a)及び(b)は、図5(a)におけるF−
F線及びG−G線に沿う各断面図。
【図7】(a)及び(b)は、第1,第2の複合シート
を示す各平面図。
【図8】従来の積層インダクタの縦断面図。
【図9】従来の積層インダクタのコイル導体を構成する
導体パターンを説明するための分解斜視図。
【符号の説明】
1…積層インダクタ 2…セラミック焼結体 3…コイル導体 3a〜3c…導体パターン 4,5…外部電極 6,7…ビアホール電極 8〜12…低誘電率材料層 13…第1の複合シート 14…支持フィルム 15…磁性体グリーン層 16…第2の複合シート 17…支持フィルム 18…磁性体グリーン層 19…積層シート 20…第1の複合シート 21…磁性体グリーン層 22…第2の複合シート 23…磁性体グリーン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−263279(JP,A) 特開 平11−111551(JP,A) 特開 平8−288142(JP,A) 特開 平5−174649(JP,A) 特開 平4−293217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 H01F 17/02 H01F 27/29 H01F 41/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック焼結体と、前記セラミック焼
    結体内に配置されたコイル導体とを備える積層インダク
    タであって、 セラミックスよりなるセラミック焼結体と、 前記セラミック焼結体内に配置されており、両端がセラ
    ミック焼結体の外表面に引き出されたコイル導体と、 前記セラミック焼結体のコイル導体が引き出されている
    部分に形成された第1,第2の外部電極とを備え、 前記コイル導体が、前記セラミック焼結体内の異なる高
    さ位置に形成された複数の導体パターンと、セラミック
    焼結体の高さ方向に隣接する導体パターン間を電気的に
    接続するビアホール電極とを有し、 少なくとも1つの導体パターンの厚み方向両側に積層さ
    れており、かつセラミック焼結体を構成しているセラミ
    ックスよりも誘電率の低い低誘電率材料層をさらに備
    前記コイル導体を平面視したときに、1つの導体パター
    ンが形成されている高さ位置において、導体パターン
    と、低誘電率材料層とにより、コイル導体の1ターンに
    相当する環状路が構成されており、 前記ビアホール電極が形成されている高さ位置において
    は、該ビアホール電極と低誘電率材料層とにより、コイ
    ル導体の1ターンに相当する環状路が構成されてい るこ
    とを特徴とする、積層インダクタ。
  2. 【請求項2】 セラミックスよりなるセラミック焼結体
    内にコイル導体が形成されている積層インダクタの製造
    方法であって、 支持フィルム上に、前記コイル導体の一部を構成する導
    体パターンと、該導体パターンに連ねられて形成されて
    おり、導体パターンと共にコイル導体の1ターン分に相
    当する環状路を構成する低誘電率材料パターンと、前記
    導体パターン及び低誘電率材料パターンを除く部分にセ
    ラミックグリーン層が形成されてなる第1の複合シート
    を用意する工程と、 支持フィルム上に、ビアホール電極と、前記ビアホール
    電極と共にコイル導体の1ターン分に相当する環状路を
    構成するように形成された低誘電率材料パターンと、前
    記ビアホール電極及び低誘電率材料パターンを除く領域
    に付与されたセラミックグリーン層とが形成された第2
    の複合シートを用意する工程と、 前記第1,第2の複合シートを、間に位置する支持フィ
    ルムを剥離しつつ、第1の複合シートの導体パターン
    と、第2の複合シートのビアホール電極とが重なり合う
    ように積層する積層工程と、 前記積層工程を繰り返した後、複数の導体パターン及び
    ビアホール電極からなるコイル導体が内部に構成されて
    おり、かつコイル導体の両端が外表面に露出されている
    積層体を得る工程と、 前記積層体を焼成し、セラミック焼結体を得る工程と、 前記セラミック焼結体の外表面に、コイル導体の両端に
    電気的に接続される第1,第2の外部電極を形成する工
    程とを備えることを特徴とする、積層インダクタの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記導体パターンが、環状路の1/n長
    を有するように構成されており、 前記複数枚の第1の複合シートを第2の複合シートを介
    して積層するにあたり、下方の第1の複合シートに対し
    て、上方の第1の複合シートを、環状路の中心の周りに
    360/n°の角度回転させて積層することを特徴とす
    る、請求項に記載の積層インダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の複合シートが矩形の平
    面形状を有し、 前記導体パターンが前記環状路の約1/2長を構成して
    おり、 前記複数枚の第1の複合シートを第2の複合シートを介
    して積層する工程において、下方の第1の複合シートに
    対して上方の第1の複合シートを環状路の中心の周りに
    180°回転させて積層することを特徴とする、請求項
    に記載の積層インダクタの製造方法。
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