JP3395754B2 - デュアルモード・バンドパスフィルタ - Google Patents
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Description
〜ミリ波帯の通信機において帯域フィルタとして用いら
れるデュアルモード・バンドパスフィルタに関する。
スフィルタとして、デュアルモード・バンドパスフィル
タが種々提案されている(MINIATURE DUAL MODE MICROS
TRIP FILTERS, J.A. Curtis and S.J. Fiedziuszko, 19
91 IEEE MTT-S Digestなど)。
ド・バンドパスフィルタを説明するための各模式的平面
図である。図48に示すバンドパスフィルタ200で
は、誘電体基板(図示せず)上に円形の導電膜201が
形成されている。この導電膜201に、互いに90°の
角度をなすように、入出力結合回路202及び入出力結
合回路203が結合されている。そして、上記入出力結
合回路203が配置されている部分に対して中心角45
°の角度をなす位置に、先端開放スタブ204が形成さ
れている。これによって共振周波数が異なる2つの共振
モードが結合され、バンドパスフィルタ200は、デュ
アルモード・バンドパスフィルタとして動作するように
構成されている。
ドパスフィルタ210では、誘電体基板上に略正方形の
導電膜211が形成されている。この導電膜211に、
互いに90°の角度をなすように、入出力結合回路21
2,213が結合されている。また、入出力結合回路2
13に対して135°の位置のコーナー部が欠落されて
いる。欠落部分211aを設けることにより、2つの共
振モードの共振周波数が異ならされており、該2つのモ
ードの共振が結合されて、バンドパスフィルタ210
は、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作す
る。
電膜を用いたデュアルモードフィルタも提案されている
(特開平9−139612号公報、特開平9−1626
10号公報など)。すなわち、円環状のリング伝送路を
用い、図48に示したデュアルモード・バンドパスフィ
ルタと同様に、中心角90°の角度をなすように入出力
結合回路を配置し、かつリング状伝送路の一部に先端開
放スタブを設けてなるデュアルモードフィルタが開示さ
れている。
も、同様のリング状伝送路を用いたデュアルモードフィ
ルタが開示されている。図50に示すように、このデュ
アルモードフィルタ221では、誘電体基板上に円環状
の導電膜222が形成されているリング共振器が構成さ
れている。ここでは、円環状の導電膜222に対して、
互いに90°をなすように4個の端子223〜226が
構成されている。4個の端子のうち、互いに90°の角
度をなす位置に配置された2個の端子223,224が
入出力結合回路227,228に結合されており、残り
の2個の端子225,226が帰還回路230を介して
接続されている。
らなるリング共振器において、互いに結合しない直交モ
ード共振を生じさせ、上記帰還回路230により結合度
を制御することが可能である旨が記載されている。
した従来のデュアルモード・バンドパスフィルタでは、
1つの導電膜パターンを形成することにより2段のバン
ドパスフィルタを構成することができ、従ってバンドパ
スフィルタの小型化を図り得る。
ーンにおいて、上記特定の角度を隔てて入出力結合回路
を結合する構成を有するため、結合度を大きくすること
ができず、広い通過帯域を得ることができないという欠
点があった。
ィルタでは、導電膜201が円形であり、図49に示す
バンドパスフィルタでは、導電膜211がほぼ正方形と
形状が限定されている。従って、設計の自由度が低いと
いう問題もあった。
開平9−162610号公報に記載のようなリング状共
振器を用いたデュアルモードバンドパスフィルタにおい
ても、同様に結合度を大きくすることが困難であり、か
つリング状共振器の形状が限定されるという問題があっ
た。
公報に記載のデュアルモードフィルタ221では、帰還
回路230を用いることにより、結合度の調整が行わ
れ、広帯域化が図られるとされている。しかしながら、
この先行技術に記載のデュアルモードフィルタでは、帰
還回路230が必要であり、回路構成が煩雑化するとい
う問題があった。加えて、やはり、リング状共振器の形
状が円環状と限定され、設計の自由度が低いという問題
があった。
を解消し、小型化を図り得るだけでなく、結合度を大き
くすることができ、さらに結合度の調整が容易であり、
広い通過帯域を容易に実現することができ、さらに設計
の自由度に優れたデュアルモード・バンドパスフィルタ
を提供することにある。
ード・バンドパスフィルタは、第1,第2の主面を有す
る誘電体基板と、前記誘電体基板の第1の主面または誘
電体基板のある高さ位置において部分的に形成される、
共振周波数の異なる2つの共振モードを有する金属膜
と、前記金属膜と誘電体基板層を介して対向するよう
に、誘電体基板の第2の主面または誘電体基板内に形成
された少なくとも1つのグラウンド電極と、前記金属膜
に異なる部分で結合された一対の入出力結合回路とを備
え、前記金属膜には、前記2つの共振モードを結合させ
るための貫通孔が形成されることを特徴とする。本発明
では、上記のように構成されているので、一対の入出力
結合回路の金属膜への結合点間を結ぶ仮想線と略平行な
方向、並びに該仮想線に直交する方向の2つの共振モー
ドのうち、一方の共振モードが貫通孔により影響を受け
てその共振周波数が変動する。言い換えれば、貫通孔
が、一方の共振モードを他方の共振モードと結合させ得
るように、一方の共振モードの共振電流に影響を与える
ように形成されている。従って、上記貫通孔により、2
つの共振モードが結合され、デュアルモード・バンドパ
スフィルタとして動作する。
面形状が、長手方向と短手方向とを有する形状とされて
いる。本発明のさらに他の特定の局面では、前記貫通孔
の平面形状が、長方形、楕円形、長方形もしくは楕円形
の一部において、長手方向と交叉する方向に延びた折り
曲げ部を有する形状とされている。
は複数形成されていてもよい。
は、前記誘電体基板の第1の主面に前記金属膜が形成さ
れており、第2の主面に前記グラウンド電極が形成され
ている。
が、前記誘電体基板内のある高さ位置に形成されてお
り、前記誘電体基板の第1,第2の主面にグラウンド電
極が形成されており、それによってトリプレート構造と
されている。
説明することにより、本発明を明らかにする。
アルモード・バンドパスフィルタを説明するための斜視
図であり、図2は、その模式的平面図である。デュアル
モード・バンドパスフィルタ1は、矩形板状の誘電体基
板2を有する。誘電体基板2は、本実施例では、比誘電
率εr=2.58のフッ素樹脂からなる。もっとも、本
実施例及び以下の実施例において、誘電体基板を構成す
る誘電体材料については、フッ素樹脂に限らず、BAS
材など適宜の誘電体材料等を用いることができる。
いが、本実施例では350μmとされている。上記誘電
体基板2の上面2a上には、共振器を構成するために金
属膜3が形成されている。金属膜3は、誘電体基板2上
において部分的に形成されており、かつ該金属膜3は本
実施例では長方形の形状を有する。また、金属膜3に
は、貫通孔3aが形成されている。貫通孔3aは長方形
の平面形状を有し、その長さ方向が、金属膜3の長手方
向すなわち長辺方向と平行とされている。
m、短辺が7mmの寸法とされており、貫通孔3aは、
長辺が13.5mm、短辺が0.2mmとされている。
もっとも、上記金属膜3の寸法及び貫通孔3aの大きさ
については、これに限定されず、所望とする中心周波数
と帯域幅に応じて適宜変形し得る。
ラウンド電極4が形成されている。上記金属膜3には、
その1つの長辺3b側において、入出力結合回路5,6
が結合されている。なお、金属膜3の異なる部分である
限り、入出力結合回路5,6は図示の位置に限定され
ず、適宜の位置で結合され得る。
ィルタでは、入出力結合回路5,6の一方とグラウンド
電極4との間に入力電圧を印加することにより、入出力
結合回路5,6の他方とグラウンド電極4との間で出力
が取り出される。この場合、金属膜3が長方形の形状を
有し、上記貫通孔3aが形成されているので、2つのモ
ードの共振が結合され、デュアルモード・バンドパスフ
ィルタとして動作する。本実施例のデュアルモード・バ
ンドパスフィルタ1の周波数特性を図3に示す。
Bは通過特性を示す。また、図3から明らかなように、
矢印Cで示す帯域が通過帯域であるバンドパスフィルタ
が構成されていることがわかる。
ンドパスフィルタ1では、上記金属膜3に貫通孔3aを
形成することにより、2つのモードの共振が結合され
て、デュアルモード・バンドパスフィルタとしての特性
の得られることがわかる。
させることにより、様々な2つのモードの共振特性を得
ることができる。これを具体的な実験例に基づき説明す
る。上記誘電体基板上に、銅からなり、貫通孔3aを有
しない金属膜3を、寸法を下記の表1に示すように種々
異ならせて形成し、それによって4種類の共振器を作製
した。
振としては、以下の2つのものが考えられる。第1の共
振は、金属膜3の長辺がλ/2として決定される共振周
波数fr1 の共振モードであり、第2の共振は、金属膜
3の短辺の長さをλ/2として決定される共振周波数f
r2 の共振モードである。
計算値を下記の表1に併せて示す。なお、図4に金属膜
3が15×13mmの場合の周波数特性を代表的な例と
して示す。
算値とがほぼ一致していることがわかる。従って、上記
結果から、長方形の金属膜3を用いて構成された共振器
は、金属膜3の長辺の長さをλ/2として決定される共
振と、短辺の長さをλ/2として決定される共振の2つ
の共振を有することがわかる。
を形成することにより、上述した2つのモードの共振を
結合させて、デュアルモード・バンドパスフィルタが得
られることを示す。
の長方形の金属膜3からなる共振器に、幅0.2mmで
あり、長さが、6、8、10、12、13.5mmの大
きさの各貫通孔3aを形成し、5種類の共振器を作製し
た。
〜図9に示す。図5〜図9から明らかなように、上記貫
通孔3aの長さ3aが長くなるにつれて、第2の共振モ
ードの共振周波数fr2 が低周波数側に移動していくこ
とがわかる。そして、図9に示すように、共振周波数f
r2 が共振周波数fr1 よりも低くなったところで、共
振周波数fr1 とfr2 とが結合し、バンドパスフィル
タが構成されることがわかる。
実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタ1では、
短辺方向に沿った共振モードの共振電流が、該貫通孔3
aで遮断される部分が生じ、それによって、インダクタ
ンスを付加した場合と同様に作用し、短辺方向に沿う共
振の共振周波数fr2 が低くなるものと考えられる。言
い換えれば、本実施例のデュアルモード・バンドパスフ
ィルタでは、長方形の形状の金属膜における2つの共振
において、それぞれの共振電流の流れ方が異なってい
る。従って、上記のように、2つの共振を結合させるに
は、一方のモードの共振周波数が他方のモードの共振周
波数に近づいて結合するように、貫通孔3aを形成すれ
ばよいことがわかる。
の共振が結合し得るように形成されており、すなわち、
長方形の金属膜3からなる共振器を用いた場合には、該
金属膜3の短辺方向に沿う共振の共振周波数を低下させ
て長辺方向に沿う共振の共振周波数に共振周波数を近づ
けるべく、貫通孔3aの長さ方向が金属膜3の長辺方向
に沿って貫通孔3aが形成されており、かつ該貫通孔3
aの幅方向寸法が選ばれている。
・バンドパスフィルタとして動作させることができ、し
かも上記貫通孔3aの寸法を調整することにより、結合
度を自由にかつ大きく調整し得る。
アルモード・バンドパスフィルタの第1の変形例を説明
するための断面図である。第1の実施例では、誘電体基
板2の上面に金属膜3が形成されていたが、図10
(a)に示す第1の変形例のデュアルモード・バンドパ
スフィルタでは、誘電体基板2内に貫通孔3aを有する
金属膜3が形成されている。金属膜3の平面形状が、第
1の実施例と同様である。
はグラウンド電極4,4が形成されている。従って、本
変形例のデュアルモード・バンドパスフィルタは、トリ
プレート構造を有する。このように、本発明に係るデュ
アルモード・バンドパスフィルタは、トリプレート構造
を有するものであってもよい。
電体基板2を介して、あるいは誘電体基板2の一部の層
を介して対向され得る限り、全面に形成されずともよ
い。また、グラウンド電極4は、誘電体基板2の中間高
さ位置に内部電極の形態で形成されていてもよい。
アルモード・バンドパスフィルタの第2の変形例を説明
するための模式的平面図である。第1の実施例のデュア
ルモード・バンドパスフィルタ1では、長方形の金属膜
3の一方の長辺に入出力結合回路5,6が結合されてい
たが、図10に示すように、入出力結合回路5,6は、
第1,第2の長辺3b,3cに振り分けられて結合され
てもよい。なお、その他の構成は第1の実施例と同様で
ある。
スフィルタ1と、入出力結合回路5,6の結合点が異な
らせたことを除いては同様に構成された本変形例のデュ
アルモード・バンドパスフィルタの周波数特性を図11
に示す。図11から明らかなように、本変形例において
も、高周波域でバンドパスフィルタとして使用し得る特
性の得られることがわかる。特に、図3と図11とを比
較すれば明らかなように、入出力結合回路5,6の結合
点の位置を変えることにより、帯域幅を大きく変更し得
ることがわかる。すなわち、帯域幅の調整量や設計の自
由度を高め得ることがわかる。
・バンドパスフィルタの第3の変形例を説明するための
模式的平面図である。ここでは、金属膜3の長辺が15
mm、短辺が13mmとされている。その他の点につい
ては、第1の実施例のバンドパスフィルタと同様に構成
されている。
スフィルタの周波数特性を図13に示す。図3と図13
とを比較すれば明らかなように、金属膜3の短辺の長さ
を変えることによっても、帯域幅を変え得ることがわか
る。
ュアルモード・バンドパスフィルタを説明するための斜
視図であり、図15は、その要部を示す模式的平面図で
ある。
スフィルタ11は、誘電体基板2の上面に形成されてい
る金属膜13の形状が第1の実施例の金属膜3と異なる
ことを除いては、ほぼ同様に構成されている。従って、
同一部分については、同一の参照番号を付することによ
り、その説明を省略する。
フィルタでは、共振器を構成する金属膜の形状について
は長方形に限定されない。すなわち、図14に示すよう
に、外周縁がランダムな形状、すなわち任意の形状であ
ってもよい。この場合においても、任意形状の金属膜1
3に、貫通孔13aを形成し、入出力結合回路5,6を
金属膜13の2つの部分に結合することにより、デュア
ルモード・バンドパスフィルタを構成することができ
る。
の具体的な実験例及び周波数特性を説明する。上記誘電
体基板2として第1の実施例と同じ材料及び厚みからな
るものを用意した。次に、金属膜13として、18μm
の厚みの銅からなり、最大径が15mmの任意形状の金
属膜13を形成した。なお、誘電体基板2の下面には、
第1の実施例と同様にグラウンド電極を形成した。
いては、図14及び図15に示すように、金属膜13の
外周縁の任意の2点を結合点として選択し、貫通孔13
aは、その2点を結ぶ直線に平行となるように形成し
た。
ドパスフィルタの周波数特性を図16に示す。図16か
ら明らかなように、2つのモードの共振が結合されて、
デュアルモード・バンドパスフィルタとしての周波数特
性の得られることがわかる。すなわち、金属膜13の形
状を任意形状とした場合であっても、上記長方形の貫通
孔13aの長さを調整することにより、第1の実施例と
同様に、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動
作させることができる。
膜13の形状は任意であり、かつ入出力結合回路5,6
の金属膜13に対する結合点の位置関係は任意である。
すなわち、入出力結合回路の結合点が金属膜13の中心
に対して互いに90°の角度をなすように配置する必要
は必ずしもない。
ンドパスフィルタ11では、上記貫通孔13aは、1
1.5×0.2mmの長方形の形状としたが、貫通孔1
3aの形状及び寸法については特にこれに限定されるも
のではない。また、第1の実施例の説明からも明らかな
ように、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィ
ルタでは、貫通孔は、2つのモードの共振を結合させる
ように形成される。この場合、金属膜の形状及び入出力
結合回路5,6の結合点の位置により2つのモードの共
振周波数は異なるので、2つのモードの共振を結合する
ための貫通孔13aの形状や寸法もこれらに応じて異な
ることになる。
3aの形状及び寸法は、金属膜13の形状及び入出力結
合回路5,6の結合点の位置によって異なるため、貫通
孔13aの形状や寸法を具体的に限定することはできな
い。
明らかなように、入出力結合回路5,6の結合点を結ぶ
仮想直線に平行に貫通孔13aが形成されており、上記
結合点を結んだ仮想直線と直交する方向に伝搬する共振
の共振電流を妨げることにより、2つのモードの共振が
結合される。従って、第1の実施例の実験例からも明ら
かなように、金属膜13の外周縁の任意の2点を結合点
として選択し、貫通孔13aを、この2点を結ぶ直線に
平行となるように形成する限り、該貫通孔13aの長さ
方向寸法を調整することにより、2つのモードの共振を
確実に結合させることができる。言い換えれば、貫通孔
13aは、入出力結合回路の結合点を結ぶ仮想直線に平
行にその長さ方向が延びるように形成されており、かつ
該貫通孔13aの長さは、金属膜13の形状により生じ
る2つのモードの共振を結合するように選択されてい
る。
・バンドパスフィルタ11の第1の変形例を説明するた
めの模式的平面図である。この変形例では、第2の実施
例と同じ形状の金属膜13及び貫通孔13aが形成され
ているが、入出力結合回路5,6の結合点の位置が異な
らされている。すなわち、貫通孔13aの長さ方向と直
交する方向において、貫通孔13aが設けられている部
分の外側において、対向する位置に入出力結合回路5,
6の結合点が配置されている。その他の構造は第2の実
施例と同様である。
フィルタの周波数特性を図18に示す。図16と図18
とを比較すれば明らかなように、第2の実施例のバンド
パスフィルタの帯域幅は1390MHzであり、上記第
1の変形例のバンドパスフィルタの帯域幅は490MH
zである。すなわち、各バンドパスフィルタの中心周波
数の20%及び6.5%の帯域幅が得られている。従っ
て、同じ形状の金属膜13を用いた場合であっても、入
出力結合回路5,6との結合点の位置を変えることによ
り、結合度が変わり、帯域幅を変化させ得ることがわか
る。
ュアルモード・バンドパスフィルタの模式的平面図であ
る。第3の実施例のデュアルモード・バンドパスフィル
タ21では、共振器を構成する金属膜23が円形とされ
ており、該金属膜23内に、長方形の貫通孔23aが形
成されている。入出力結合回路5,6は、金属膜23の
円周上の異なる部分に結合されている。なお、入出力結
合回路5,6の結合点の位置は、必ずしも、円形の金属
膜23の中心角90°をなす必要はない。
フィルタの周波数特性を図20に示す。なお、図20に
示した特性は、上記円形の金属膜23の径を15mmと
し、5×0.2mmの長方形の貫通孔23aを中心から
ずらした位置に形成した場合の特性である。なお、その
他の寸法については、第1の実施例と同様である。
においても、上記貫通孔23aを形成することにより、
円形の金属膜23を用いてデュアルモード・バンドパス
フィルタを構成し得ることがわかる。すなわち、円形の
金属膜の場合、円は等方性を有する形状であるが、入出
力結合回路5,6の結合点を結ぶ仮想線に対して長辺方
向が略平行となるように長方形の貫通孔23aを形成し
た場合、上記仮想線と略平行な方向の共振モードと、該
仮想線に略直交する方向の共振モードのうち、仮想線に
直交する方向の共振モードの共振電流が貫通孔23aに
より影響を受けて、2つの共振モードが結合されてデュ
アルモード・バンドパスフィルタが構成される。
ュアルモード・バンドパスフィルタの模式的平面図であ
る。第4の実施例のデュアルモード・バンドパスフィル
タ31では、共振器を構成する金属膜33が正方形とさ
れており、該金属膜33内に、長方形の貫通孔33aが
形成されている。入出力結合回路5,6は、金属膜33
の外周上の2点に結合されている。なお、入出力結合回
路5,6の結合点の位置は、必ずしも、正方形の金属膜
33の中心に対する中心角90°をなす必要はない。
フィルタの周波数特性を図22に示す。なお、図22に
示した特性は、上記正方形の金属膜33の一辺の長さを
15mmとし、6×0.2mmの長方形の貫通孔33a
を中心からずらした位置に形成した場合の特性である。
なお、その他の寸法については、第1の実施例と同様で
ある。
においても、上記貫通孔33aを形成することにより、
正方形の金属膜33を用いてデュアルモード・バンドパ
スフィルタを構成し得ることがわかる。
・バンドパスフィルタの第1の変形例を説明するための
模式的平面図である。第4の実施例では、1つの貫通孔
33aが形成されていたが、図23に示すように、複数
の貫通孔33a,33bを形成してもよい。図23に示
した変形例のバンドパスフィルタの周波数特性を図24
に示す。なお、貫通孔33bは、貫通孔33aと同じ寸
法とし、貫通孔33a,33bは、2mmの距離を隔て
て平行に配置されている。その他の寸法については、第
4の実施例と同様である。
ルタ33の第2の変形例を示す模式的平面図であり、図
26はその周波数特性を示す図である。第2の変形例の
デュアルモード・バンドパスフィルタでは、金属膜33
に貫通孔33cが形成されている。この貫通孔33c
は、貫通孔33a(第4の実施例)の両端において、貫
通孔33aの長さ方向と直交する方向に折り曲げられた
折り曲げ部33c1 ,33c1 を有する。この折り曲げ
部の長さ寸法を0.7mmとした場合の周波数特性が図
26に示されている。
通孔33aは、必ずしも長方形の形状に限らず、長方形
の両端に上記折り曲げ部33c1 ,33c1 が設けられ
ている形状であってもよい。
・バンドパスフィルタの第3の変形例を説明するための
模式的平面図であり、図28はその周波数特性を示す図
である。第3の変形例のデュアルモード・バンドパスフ
ィルタでは、金属膜33に、十字状の貫通孔33dが形
成されている。十字状の貫通孔33dは、7mm×0.
2mmと4mm×0.2mmの2個の長方形の貫通孔を
互いに直交するようにクロスさせた形状に相当する。図
27及び図28から明らかなように、十字状の貫通孔3
3dを形成した場合においても、第4実施例と同様に、
デュアルモード・バンドパスフィルタを構成し得ること
がわかる。
らかなように、本発明に係るデュアルモード・バンドパ
スフィルタにおいては、貫通孔の形成数は複数であって
もよく、また必ずしも長方形の貫通孔だけでなく、折り
曲げ部を有するものであってもよく、さらに十字状の貫
通孔であってもよい。すなわち、貫通孔の形状について
は、本発明において、特に限定されず、長方形や長方形
を変形した上記各種形状の他、楕円形、円形など任意で
ある。さらに、長方形以外の楕円形などの形状に、上記
折り曲げ部が連ねられた形状であってもよい。また、貫
通孔の形状及び寸法を調整することにより、どのような
貫通孔を用いた場合であっても、上記第1〜第4の実施
例と同様に、デュアルモード・バンドパスフィルタとし
て動作させることができる。
例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの斜視図
及び要部を示す模式的平面図であり、図31は、その周
波数特性を示す図である。
ドパスフィルタ41では、共振器を構成する金属膜43
が正三角形の形状を有するように構成されている。その
他の点については、第1の実施例と同様である。
ンド電極4を形成し、一辺の長さが21mmの正三角形
の金属膜43を形成し、長辺10mm×短辺0.2mm
の貫通孔43aを形成した。入出力結合回路5,6は、
貫通孔43aが設けられている位置とはずらされた位置
において、金属膜43の異なる辺に結合した。なお、入
出力結合回路5,6の結合点は図示のものに限定されな
い。すなわち、金属膜43の中心に対して中心角度で9
0°を隔てて配置する必要は必ずしもなく、従って設計
の自由度を高め得ることがわかる。
正三角形とした場合であっても、第1〜第4の実施例と
同様にデュアルモード・バンドパスフィルタとして動作
させ得ることがわかる。
三角形とされていたが、金属膜43は必ずしも正三角形
とする必要はなく、任意の二等辺三角形を用いて構成し
てもよい。
・バンドパスフィルタの第1の変形例を示す模式的平面
図であり、図33は、その周波数特性を示す図である。
第5の実施例において、金属膜43の平面形状を、頂角
が90°、底辺の長さが21mmの直角二等辺三角形と
したことを除いては、第5の実施例と同様に構成されて
いる。図32及び図33から明らかなように、直角二等
辺三角形の金属膜43を用いた場合であっても、貫通孔
43aを形成し、入出力結合回路5,6を金属膜43の
2つの部分に結合させることにより、デュアルモード・
バンドパスフィルタとして動作させ得ることがわかる。
アルモード・バンドパスフィルタの第2の変形例を説明
するための模式的平面図及び周波数特性を示す図であ
る。第2の変形例では、頂角が120°、底辺の長さが
21mmの二等辺三角形の形状を有するように金属膜4
3が構成されている。その他の点については第5の実施
例と同様である。図34及び図35から明らかなよう
に、第2の変形例においても、デュアルモード・バンド
パスフィルタとして動作させ得ることがわかる。
2の変形例から明らかなように、本発明においては、様
々な二等辺三角形の金属膜に上記貫通孔を形成し、該貫
通孔の寸法を制御すると共に入出力結合回路を三角形の
異なる部分に結合することにより、2つの共振モードを
結合させ、デュアルモード・バンドパスフィルタを構成
し得ることがわかる。
ュアルモード・バンドパスフィルタの外観を示す斜視図
であり、図37はその模式的平面図であり、図38は周
波数特性を示す図である。
ドパスフィルタ51では、金属膜53が菱形の形状を有
する。その他の点については、第1の実施例と同様であ
る。いま、第1実施例と同様の誘電体基板及びグラウン
ド電極を用い、対角線長が21mm及び8mmの菱形の
形状を有するように金属膜53を形成した。また、金属
膜53内に、長辺14mm×短辺0.2mmの貫通孔5
3aを形成した。そして、この金属膜53の異なる2辺
に入出力結合回路5,6を結合した。図38から明らか
なように、このデュアルモード・バンドパスフィルタに
おいても、上記構成を有するため、2つのモードが結合
され、デュアルモード・バンドパスフィルタとしての特
性の得られることがわかる。
におけるデュアルモード・バンドパスフィルタでは、共
振器を構成するための金属膜の形状は菱形であってもよ
い。図39は、第6の実施例に係るデュアルモード・バ
ンドパスフィルタの第1の変形例を示す模式的平面図で
あり、図40はその周波数特性を示す図である。第1の
変形例のデュアルモード・バンドパスフィルタでは、入
出力結合回路5,6の結合点が、第6の実施例と異なら
されている。すなわち、長い方の対角線と直交する方向
において、対向するように入出力結合回路5,6が金属
膜53に結合されている。その他の点については、第6
の実施例と同様である。
1の変形例のデュアルモード・バンドパスフィルタにお
いても、2つのモードを結合され得ることがわかる。ま
た、図38及び図40に示されている周波数特性を比較
すれば明らかなように、入出力結合回路5,6の結合点
を異ならせることにより、帯域幅を大きく変え得ること
がわかる。
アルモード・バンドパスフィルタの第2の変形例を説明
するための模式的平面図及び周波数特性を示す図であ
る。第2の変形例のデュアルモード・バンドパスフィル
タでは、金属膜53の菱形形状が第6の実施例と異なら
されている。すなわち、対角線長が21mm及び12m
mの菱形形状を有するように金属膜53が構成されてい
る。その他の点については、第6の実施例と同様であ
る。
明らかなように、菱形の短い方の対角線の長さを変える
ことにより、帯域幅を変更し得ることがわかる。このよ
うに、菱形形状の金属膜を用いて共振器を構成した場
合、該菱形の形状を変化させることにより、帯域幅を大
幅に変更することができる。
例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの外観を
示す斜視図及び模式的平面図である。第7の実施例のデ
ュアルモード・バンドパスフィルタでは、共振器を構成
する金属膜63が正五角形の形状を有する。その他の点
については、第1の実施例と同様に構成されている。上
記金属63として、一辺の長さが9.5mmの正五角形
とし、その他の構造については第1の実施例の実験例と
同様にして構成されたデュアルモード・バンドパスフィ
ルタの周波数特性を図45に示す。
正五角形の形状とした場合であっても、貫通孔63aの
寸法を調整することにより2つのモードを結合させて、
デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作させ得
ることがわかる。
・バンドパスフィルタの第1の変形例の要部を示す模式
的平面図であり、図47はその周波数特性を示す図であ
る。第7の実施例では、金属膜63が正五角形の形状を
有していたが、本発明においては、金属膜の形状は正五
角形に限らず、この変形例のように正六角形であっても
よい。図46に示した変形例のデュアルモード・バンド
パスフィルタでは、金属膜63Aが一辺の長さが7.5
mmの正六角形の形状となるように構成し、その他の寸
法については第7の実施例と同様にしてデュアルモード
・バンドパスフィルタを作製し、周波数特性を測定し
た。結果を図47に示す。
属膜63Aを用いて共振器を構成した場合であっても、
2つのモードの共振を結合させることができ、デュアル
モード・バンドパスフィルタとして動作させ得ることが
わかる。
スフィルタでは、誘電体基板に共振器を構成するために
共振周波数が異なる2つの共振モードを発生させる金属
膜を形成し、該金属膜に2つの共振モードを結合させる
ための貫通孔を形成し、該貫通孔の寸法を調整すること
により、入出力結合回路の結合点の位置が限定されるこ
となく、2つの共振モードを結合させてデュアルモード
・バンドパスフィルタとしての特性を得ることができ
る。従って、従来のデュアルモード・バンドパスフィル
タでは、共振器を構成する金属膜の形状に制約があった
り、入出力結合回路の結合点の位置に制約があったのに
対し、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィル
タでは、このような制約がないため、デュアルモード・
バンドパスフィルタの設計の自由度を大幅に高めること
ができる。
貫通孔の寸法あるいは入出力結合回路の結合点の位置を
異ならせることにより、帯域幅を大幅に調整することが
でき、所望とする帯域幅のデュアルモード・バンドパス
フィルタを容易に提供することができる。
と短手方向とを有する形状である場合、該長手方向と直
交する方向において生じる共振電流が該貫通孔において
遮断されるので、該貫通孔の長手方向と直交する方向に
沿う共振の共振周波数を容易に変化させることができ、
それによって2つのモードをより確実に結合させること
ができる。
ドパスフィルタでは、上記貫通孔及び金属膜の平面形状
は特に限定されないため、様々な形状の貫通孔及び金属
膜を有するデュアルモード・バンドパスフィルタを提供
することができる。例えば、貫通孔として、長方形、楕
円形、長方形またはこれらの形状の一部において長手方
向と交叉する方向に延びた折り曲げ部を有する形状や十
字状などを任意の形状とすることができる。同様に、金
属膜についても、長方形、菱形、正多角形、円形または
楕円形あるいは外周縁が不規則な形状の任意形状とする
ことができる。
れていてもよく、貫通孔の数を変化させることにより、
帯域幅を調整することが可能となる。本発明に係るデュ
アルモード・バンドパスフィルタでは、上記金属膜及び
グラウンド電極は、誘電体基板表面及び誘電体基板内の
いずれに形成されていてもよいが、誘電体基板の第1の
主面に金属膜が形成されており、第2の主面にグラウン
ド電極が形成されている構造の場合には、単に誘電体基
板の両面に導電膜を形成するだけで、容易に本発明に係
るデュアルモード・バンドパスフィルタを構成すること
ができる。
上記金属膜からの放射を防ぐことができ、バンドパスフ
ィルタの損失を少なくすることができる。
ィルタを説明するための斜視図。
ィルタの要部を示す模式的平面図。
ィルタの周波数特性を示す図。
を形成して共振器を構成した場合の周波数特性を示す
図。
膜を15×7mm、貫通孔の長さを6mm、幅を0.2
mmとした場合の周波数特性を示す図。
膜を15×7mm、貫通孔の長さを8mm、幅を0.2
mmとした場合の周波数特性を示す図。
膜を15×7mm、貫通孔の長さを10mm、幅を0.
2mmとした場合の周波数特性を示す図。
膜を15×7mm、貫通孔の長さを12mm、幅を0.
2mmとした場合の周波数特性を示す図。
膜を15×7mm、貫通孔の長さを13.5mm、幅を
0.2mmとした場合の周波数特性を示す図。
ュアルモード・バンドパスフィルタを示す断面図、
(b)は、第1の実施例の第2の変形例のデュアルモー
ド・バンドパスフィルタの要部を示す模式的平面図。
モード・バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
モード・バンドパスフィルタの模式的平面図。
ド・バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
・バンドパスフィルタの外観を示す斜視図。
フィルタの要部を示す模式的平面図。
フィルタの周波数特性を示す図。
の模式的平面図。
モード・バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
フィルタを説明するための模式的平面図。
フィルタの周波数特性を示す図。
パスフィルタの模式的平面図。
フィルタの周波数特性を示す図。
フィルタの第1の変形例を説明するための模式的平面
図。
示す図。
フィルタの第2の変形例を示す模式的平面図。
示す図。
フィルタの第3の変形例を説明するための模式的平面
図。
示す図。
パスフィルタの斜視図。
パスフィルタの要部を説明するための模式的平面図。
パスフィルタの周波数特性を示す図。
フィルタの第1の変形例を示す模式的平面図。
示す図。
フィルタの第2の変形例を示す模式的平面図。
示す図。
パスフィルタの斜視図。
パスフィルタの要部を説明するための模式的平面図。
パスフィルタの周波数特性を示す図。
パスフィルタの第1の変形例を示す模式的平面図。
示す図。
パスフィルタの第2の変形例を示す模式的平面図。
示す図。
パスフィルタの斜視図。
パスフィルタの要部を説明するための模式的平面図。
パスフィルタの周波数特性を示す図。
フィルタの第1の変形例を説明するための模式的平面
図。
示す図。
の一例を示す模式的平面図。
の他の例を示す模式的平面図。
のさらに他の例を示す模式的平面図。
・バンドパスフィルタ 13,23,33,43,53,63,63A…金属膜 13a,23a,33a,43a,53a,63a…貫
通孔
Claims (6)
- 【請求項1】 第1,第2の主面を有する誘電体基板
と、 前記誘電体基板の第1の主面または誘電体基板のある高
さ位置において部分的に形成される、共振周波数の異な
る2つの共振モードを有する金属膜と、 前記金属膜と誘電体基板層を介して対向するように、誘
電体基板の第2の主面または誘電体基板内に形成された
少なくとも1つのグラウンド電極と、 前記金属膜に異なる部分で結合された一対の入出力結合
回路とを備え、 前記金属膜には、前記2つの共振モードを結合させるた
めの貫通孔が形成され ることを特徴とする、デュアルモ
ード・バンドパスフィルタ。 - 【請求項2】 前記貫通孔の平面形状が、長手方向と短
手方向とを有する形状である、請求項1に記載のデュア
ルモード・バンドパスフィルタ。 - 【請求項3】 前記貫通孔の平面形状が、長方形、楕円
形、または長方形もしくは楕円形の一部において、長手
方向と交叉する方向に延びた折り曲げ部を有する形状で
ある、請求項2に記載のデュアルモード・バンドパスフ
ィルタ。 - 【請求項4】 前記貫通孔が複数形成されている、請求
項1〜3のいずれかに記載のデュアルモード・バンドパ
スフィルタ。 - 【請求項5】 前記誘電体基板の第1の主面に前記金属
膜が形成されており、第2の主面に前記グラウンド電極
が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載のデ
ュアルモード・バンドパスフィルタ。 - 【請求項6】 前記金属膜が、前記誘電体基板内のある
高さ位置に形成されており、前記誘電体基板の第1,第
2の主面にグラウンド電極が形成されており、それによ
ってトリプレート構造とされている、請求項1〜5のい
ずれかに記載のデュアルモード・バンドパスフィルタ。
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