JP3380479B2 - スラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体 - Google Patents
スラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスラッシュ成形表
皮、及びこれを用いた成形体に係り、詳しくはリサイク
ル使用が可能で、外層に皮シボやステッチ等を付けて意
匠性を高めるとともにソフト感のある蝕感をもたせたス
ラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体に関する。
皮、及びこれを用いた成形体に係り、詳しくはリサイク
ル使用が可能で、外層に皮シボやステッチ等を付けて意
匠性を高めるとともにソフト感のある蝕感をもたせたス
ラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装品であるインストルメント
パネル、ドアートリム、コンソールボックス等の樹脂成
形体の製造方法としては、塩化ビニルとABS樹脂のブ
レンド樹脂をシート状に押し出した後、エッチング絞り
ロールによって模様を付け、これを真空成形によって賦
形した表皮材と、射出成形やスタンピング成形で賦形し
た芯材(基材)とをウレタン発泡型に設置した後、発泡
ウレタンを注入して一体成形する方法が主流であった。
パネル、ドアートリム、コンソールボックス等の樹脂成
形体の製造方法としては、塩化ビニルとABS樹脂のブ
レンド樹脂をシート状に押し出した後、エッチング絞り
ロールによって模様を付け、これを真空成形によって賦
形した表皮材と、射出成形やスタンピング成形で賦形し
た芯材(基材)とをウレタン発泡型に設置した後、発泡
ウレタンを注入して一体成形する方法が主流であった。
【0003】この方法の問題点としては、エッチング絞
りのために、充分な皮絞り感が出現しないことや、真空
成形によるシートの延伸によって、絞りが拡大して浅く
なる等の意匠上の問題や、また部品のリサイクルを考え
た場合、上記3層構造の分離が容易に行うことができ
ず、その廃棄物処理の費用も増大する問題があった。更
には、上記工法は表皮成形、芯材成形、そして発泡成形
と3工程からなるため、とりわけ製品のソフト感を得る
ための発泡成形には、コストがかかり過ぎると言う評価
もあった。
りのために、充分な皮絞り感が出現しないことや、真空
成形によるシートの延伸によって、絞りが拡大して浅く
なる等の意匠上の問題や、また部品のリサイクルを考え
た場合、上記3層構造の分離が容易に行うことができ
ず、その廃棄物処理の費用も増大する問題があった。更
には、上記工法は表皮成形、芯材成形、そして発泡成形
と3工程からなるため、とりわけ製品のソフト感を得る
ための発泡成形には、コストがかかり過ぎると言う評価
もあった。
【0004】そこで、脱ウレタン工法として、低圧によ
り歪が少なく、変形の少ない成形品を得る方法として、
注入法プレス成形法、あるいはSPモールド(Low
Strain Molding Process)と呼
ばれるものが知られている。これはカレンダーあるいは
押出成形されたシートにポリプロピレンフォームの裏打
ちされた複合シートを真空成形により賦形し、射出成形
の雌型にセットして型を開いた状態で芯材樹脂を射出
し、その後型を閉じて表皮材と芯材とを一体成形するも
のである。
り歪が少なく、変形の少ない成形品を得る方法として、
注入法プレス成形法、あるいはSPモールド(Low
Strain Molding Process)と呼
ばれるものが知られている。これはカレンダーあるいは
押出成形されたシートにポリプロピレンフォームの裏打
ちされた複合シートを真空成形により賦形し、射出成形
の雌型にセットして型を開いた状態で芯材樹脂を射出
し、その後型を閉じて表皮材と芯材とを一体成形するも
のである。
【0005】一方、本皮絞り感の再現方法として、従来
から電鋳型を使用したスラッシュ表皮成形があり、当工
法を使用した塩化ビニル製表皮、塩化ビニル製発泡体、
そして芯体の一体発泡品が優れた絞り感のある製品とし
て採用されてきた。
から電鋳型を使用したスラッシュ表皮成形があり、当工
法を使用した塩化ビニル製表皮、塩化ビニル製発泡体、
そして芯体の一体発泡品が優れた絞り感のある製品とし
て採用されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、SPモールド
法の欠点としては、表皮材が予めシートに加工されてい
るため、一体成形時に表皮端材が50〜60%発生する
ため、本皮絞り感が得られず、また質感が悪くなった割
りにはコスト削減効果が少ないとの評価となっている。
また、スラッシュ成形により得られた塩化ビニル製表
皮、塩化ビニル製発泡体、そして芯体の一体発泡品は、
表皮端材が30〜40%と少ないが、ウレタン発泡工程
を必要とするため、コスト高になると評価されている。
しかも、この製品はリサイクル使用が不可能であった。
法の欠点としては、表皮材が予めシートに加工されてい
るため、一体成形時に表皮端材が50〜60%発生する
ため、本皮絞り感が得られず、また質感が悪くなった割
りにはコスト削減効果が少ないとの評価となっている。
また、スラッシュ成形により得られた塩化ビニル製表
皮、塩化ビニル製発泡体、そして芯体の一体発泡品は、
表皮端材が30〜40%と少ないが、ウレタン発泡工程
を必要とするため、コスト高になると評価されている。
しかも、この製品はリサイクル使用が不可能であった。
【0007】そこで、スラッシュ成形により得られた多
層表皮材とSPモールド法をはじめとする低圧射出成形
法を組み合わせることで、表皮材を芯材に強固に密着し
たソフト感のある樹脂成形体を得る検討がなされつつあ
る。表皮材は通常熱可塑性エラストマーからなる3層
で、第1層がソリッド層、第2層が発泡層、第3層がソ
リッド層からなり、第1層が低圧射出成形時の第2層の
発泡層のつぶれを保護している。そして、材料は各層と
もほぼ同じであり、ときには第1層と第3層とは同一
で、第2層はそれに発泡剤を加えただけが多かった。
層表皮材とSPモールド法をはじめとする低圧射出成形
法を組み合わせることで、表皮材を芯材に強固に密着し
たソフト感のある樹脂成形体を得る検討がなされつつあ
る。表皮材は通常熱可塑性エラストマーからなる3層
で、第1層がソリッド層、第2層が発泡層、第3層がソ
リッド層からなり、第1層が低圧射出成形時の第2層の
発泡層のつぶれを保護している。そして、材料は各層と
もほぼ同じであり、ときには第1層と第3層とは同一
で、第2層はそれに発泡剤を加えただけが多かった。
【0008】上記3層表皮材の製造法は、まずスラッシ
ュ成形用金型を所定温度に上昇させ、第1層用の粉末樹
脂組成物を金型に投入して一定時間経過後に型を反転
し、余分の粉末樹脂組成物を回収箱へ排出して型表面に
付着した第1層を形成し、次いで発泡剤を含む第2層用
に粉末樹脂組成物を金型内に投入し排出して第2層を形
成し、更に同様にし第3層の付着形成を行った後、キュ
アー発泡を行い、型を冷却して3層表皮材を脱型してい
た。この際、型の加熱は電鋳型の裏面にパイプをはりめ
ぐらせ、この中に加熱オイルを循環させる方式をとって
いたため、第3層付着までの型温の安定保持には有利で
あるが、型面側だけからの加熱となり熱伝達に時間を要
してキュアー発泡に長時間を要する不具合があった。
ュ成形用金型を所定温度に上昇させ、第1層用の粉末樹
脂組成物を金型に投入して一定時間経過後に型を反転
し、余分の粉末樹脂組成物を回収箱へ排出して型表面に
付着した第1層を形成し、次いで発泡剤を含む第2層用
に粉末樹脂組成物を金型内に投入し排出して第2層を形
成し、更に同様にし第3層の付着形成を行った後、キュ
アー発泡を行い、型を冷却して3層表皮材を脱型してい
た。この際、型の加熱は電鋳型の裏面にパイプをはりめ
ぐらせ、この中に加熱オイルを循環させる方式をとって
いたため、第3層付着までの型温の安定保持には有利で
あるが、型面側だけからの加熱となり熱伝達に時間を要
してキュアー発泡に長時間を要する不具合があった。
【0009】そこで、多層外皮を作製する場合には、通
常は熱風加熱炉で型を加熱し、炉から出して多層の付着
成形を行い、再度同一もしくは別の熱風加熱炉に投入し
て型面、表皮裏面の両方からの加熱でキュアー発泡を行
うことが多い。しかし、この方法では第1層投入から第
3層投入までの型温度は、50°C以上低下し、ときに
は100°C前後低下している。第1層と第3層に同様
な材料を用いた場合、第3層が充分に付着せず、次工程
の低圧射出成形時において第2層を保護する役割を果た
すことができず、第2層がつぶれて外観上凹凸の不具合
が発生した。
常は熱風加熱炉で型を加熱し、炉から出して多層の付着
成形を行い、再度同一もしくは別の熱風加熱炉に投入し
て型面、表皮裏面の両方からの加熱でキュアー発泡を行
うことが多い。しかし、この方法では第1層投入から第
3層投入までの型温度は、50°C以上低下し、ときに
は100°C前後低下している。第1層と第3層に同様
な材料を用いた場合、第3層が充分に付着せず、次工程
の低圧射出成形時において第2層を保護する役割を果た
すことができず、第2層がつぶれて外観上凹凸の不具合
が発生した。
【0010】また、熱風温度は300°C以上で、生産
性上昇のために更に高温方向となることが多く、第3層
の熱酸化劣化で膨れやひび割れが生じて第2層を保護す
る役割を果たさないこともあった。更に、通常のスラッ
シュ成形材料は溶融流動性の高い材料を使用している
が、第3層も第1層、第2層と同様な溶融流動性の高い
材料を用いると、たれや流れが発生して第2層を保護す
る役割に欠け、現実的に3層構造はいまなお技術的に多
くの改善点をもっていた。
性上昇のために更に高温方向となることが多く、第3層
の熱酸化劣化で膨れやひび割れが生じて第2層を保護す
る役割を果たさないこともあった。更に、通常のスラッ
シュ成形材料は溶融流動性の高い材料を使用している
が、第3層も第1層、第2層と同様な溶融流動性の高い
材料を用いると、たれや流れが発生して第2層を保護す
る役割に欠け、現実的に3層構造はいまなお技術的に多
くの改善点をもっていた。
【0011】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、ソリッドな外層と発泡層の内層の2層からなる
表皮を使用して内層にクッション性を付与し、外層に皮
シボやステッチ等を付けて意匠性を高めるとともにソフ
ト感のある蝕感をもたせたリサイクル使用なスラッシュ
成形表皮、及びこれを用いた成形体を提供することを目
的とする。
であり、ソリッドな外層と発泡層の内層の2層からなる
表皮を使用して内層にクッション性を付与し、外層に皮
シボやステッチ等を付けて意匠性を高めるとともにソフ
ト感のある蝕感をもたせたリサイクル使用なスラッシュ
成形表皮、及びこれを用いた成形体を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、少なくともソリッド層からなる外層と発
泡層からなる内層を積層するように成形したスラッシュ
成形表皮において、上記外層として少なくともポリプロ
ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、および内部離
型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラ
ッシュ成形し、更にその内層として少なくともポリプロ
ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、内部離型剤、
発泡剤、および活性水素を有するオレフィン系ポリマー
を含む粉末をスラッシュ成形したスラッシュ成形表皮に
ある。上記スラッシュ成形表皮は外層と内層からなる少
なくとも2層を連続してスラッシュ成形により作製さ
れ、外層が皮シボやステッチ等を付けて意匠性と金型の
離型性に優れた特性を有し、一方内層が発泡層を維持し
てソフト感のある蝕感をもったリサイクル使用なスラッ
シュ成形表皮になり、また活性水素を有するオレフィン
系ポリマーを接着改良剤として使用することで芯材との
接着も向上する。
載の発明では、少なくともソリッド層からなる外層と発
泡層からなる内層を積層するように成形したスラッシュ
成形表皮において、上記外層として少なくともポリプロ
ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、および内部離
型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラ
ッシュ成形し、更にその内層として少なくともポリプロ
ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、内部離型剤、
発泡剤、および活性水素を有するオレフィン系ポリマー
を含む粉末をスラッシュ成形したスラッシュ成形表皮に
ある。上記スラッシュ成形表皮は外層と内層からなる少
なくとも2層を連続してスラッシュ成形により作製さ
れ、外層が皮シボやステッチ等を付けて意匠性と金型の
離型性に優れた特性を有し、一方内層が発泡層を維持し
てソフト感のある蝕感をもったリサイクル使用なスラッ
シュ成形表皮になり、また活性水素を有するオレフィン
系ポリマーを接着改良剤として使用することで芯材との
接着も向上する。
【0013】
【0014】本願の請求項2記載の発明では、外層の表
面には塗装膜が形成されているスラッシュ成形表皮にあ
る。
面には塗装膜が形成されているスラッシュ成形表皮にあ
る。
【0015】本願の請求項3記載の発明では、外層と内
層に使用する吸油能に優れたエラストマーが長鎖分岐構
造をもつエチレン・オクテン共重合体であるスラッシュ
成形表皮にある。
層に使用する吸油能に優れたエラストマーが長鎖分岐構
造をもつエチレン・オクテン共重合体であるスラッシュ
成形表皮にある。
【0016】本願の請求項4記載の発明では、少なくと
もソリッド層からなる外層と発泡層からなる内層を積層
するように成形したスラッシュ成形表皮と芯体との積層
体からなるスラッシュ成形表皮付き成形体において、上
記スラッシュ成形表皮が少なくともポリプロピレン樹
脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイ
ル、吸油能に優れたエラストマー、および内部離型剤か
らなる熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラッシュ
成形し、更にその内層としてポリプロピレン樹脂、水素
添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイル、吸油能
に優れたエラストマー、内部離型剤、発泡剤、および活
性水素を有するオレフィン系ポリマーを含む粉末をスラ
ッシュ成形することにより得られた複合表皮であり、か
つ芯材がオレフィン系樹脂であるスラッシュ成形表皮付
き成形体にあり、皮シボやステッチ等を付けて意匠性と
ソフト感のある蝕感をもち、またリサイクル使用な成形
体になる。
もソリッド層からなる外層と発泡層からなる内層を積層
するように成形したスラッシュ成形表皮と芯体との積層
体からなるスラッシュ成形表皮付き成形体において、上
記スラッシュ成形表皮が少なくともポリプロピレン樹
脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイ
ル、吸油能に優れたエラストマー、および内部離型剤か
らなる熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラッシュ
成形し、更にその内層としてポリプロピレン樹脂、水素
添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイル、吸油能
に優れたエラストマー、内部離型剤、発泡剤、および活
性水素を有するオレフィン系ポリマーを含む粉末をスラ
ッシュ成形することにより得られた複合表皮であり、か
つ芯材がオレフィン系樹脂であるスラッシュ成形表皮付
き成形体にあり、皮シボやステッチ等を付けて意匠性と
ソフト感のある蝕感をもち、またリサイクル使用な成形
体になる。
【0017】
【0018】本願の請求項5記載の発明では、外層の表
面には塗装膜が形成されているスラッシュ成形表皮付き
成形体にある。
面には塗装膜が形成されているスラッシュ成形表皮付き
成形体にある。
【0019】本願の請求項6記載の発明では、外層と内
層の使用する吸油能に優れたエラストマーが長鎖分岐構
造をもつエチレン・オクテン共重合体であるスラッシュ
成形表皮付き成形体にある。
層の使用する吸油能に優れたエラストマーが長鎖分岐構
造をもつエチレン・オクテン共重合体であるスラッシュ
成形表皮付き成形体にある。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は上記表皮付き成形体の一つ
である自動車用インストルメントパネルの全体外観斜視
図、図2は図1のX−X断面図、そして図3は図2のA
部拡大図である。これによると、インストルメントパネ
ル1は、ソフト部2とハード部3に区分され、ソフト部
においては表面にはシボ付き模様をもった外層4aと内
層4bの2層からなるスラッシュ成形表皮4が表面を被
覆し、裏面には合成樹脂からなる芯材5を積層してい
る。他方、ハード部3は芯材5だけから構成されてい
る。
である自動車用インストルメントパネルの全体外観斜視
図、図2は図1のX−X断面図、そして図3は図2のA
部拡大図である。これによると、インストルメントパネ
ル1は、ソフト部2とハード部3に区分され、ソフト部
においては表面にはシボ付き模様をもった外層4aと内
層4bの2層からなるスラッシュ成形表皮4が表面を被
覆し、裏面には合成樹脂からなる芯材5を積層してい
る。他方、ハード部3は芯材5だけから構成されてい
る。
【0021】上記スラッシュ成形表皮4は外層4aと内
層4bからなる複合表皮であり、外層4aは少なくとも
ポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴ
ム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、そ
して内部離型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物の
粉末をスラッシュ成形したものである。
層4bからなる複合表皮であり、外層4aは少なくとも
ポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴ
ム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、そ
して内部離型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物の
粉末をスラッシュ成形したものである。
【0022】一方、内層4bは外層4aと同様の少なく
ともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエン
ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
内部離型剤、発泡剤、および活性水素を有するオレフィ
ン系ポリマーを加えた熱可塑性エラストマー組成物の粉
末をスラッシュ成形したものである。また、活性水素を
有するオレフィン系ポリマー(接着改良剤)は接着性を
改善するために添加する。
ともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエン
ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
内部離型剤、発泡剤、および活性水素を有するオレフィ
ン系ポリマーを加えた熱可塑性エラストマー組成物の粉
末をスラッシュ成形したものである。また、活性水素を
有するオレフィン系ポリマー(接着改良剤)は接着性を
改善するために添加する。
【0023】外層4aは内部離型剤を含んでいるため金
型との脱型性も向上し、内層4bは接着改良剤を含んで
いるため、芯材5との接着力が向上する。
型との脱型性も向上し、内層4bは接着改良剤を含んで
いるため、芯材5との接着力が向上する。
【0024】また、上記外層4aの表面には、ウレタン
系或いはアクリルウレタン系からなる塗装膜(図示せ
ず)を形成し、外層4aの表面を補強して外傷を阻止す
ることが出来る。外層4aに塗装膜を強固に接着させる
ための表面処理剤を使用することが望ましい。
系或いはアクリルウレタン系からなる塗装膜(図示せ
ず)を形成し、外層4aの表面を補強して外傷を阻止す
ることが出来る。外層4aに塗装膜を強固に接着させる
ための表面処理剤を使用することが望ましい。
【0025】外層4aと内層4bに使用するポリプロピ
レン樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α−オレフ
ィンとのブロックあるいはランダム共重合体のいずれで
もよいが、特にα−オレフィンとしてエチレンを用いた
ブロックあるいはランダム共重合体が成形体の柔軟性の
面からいって好ましい。また、圧力のかからない粉末ス
ラッシュ成形に用いるためには、ポリプロピレン樹脂の
溶融流動性の指数としてJIS K7210により23
0°C、荷重2.16kgfで測定したMFR(メルト
フローレート)が20g/10分以上であることが必要
である。上記ポリプロピレン樹脂は熱あるいは酸化によ
ってその主鎖が切断されるポリマーであり、架橋、硬化
するポリエチレン等と異なる性質をもっており、有機過
酸化物によってその主鎖が切断され、分子量が低下す
る。
レン樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α−オレフ
ィンとのブロックあるいはランダム共重合体のいずれで
もよいが、特にα−オレフィンとしてエチレンを用いた
ブロックあるいはランダム共重合体が成形体の柔軟性の
面からいって好ましい。また、圧力のかからない粉末ス
ラッシュ成形に用いるためには、ポリプロピレン樹脂の
溶融流動性の指数としてJIS K7210により23
0°C、荷重2.16kgfで測定したMFR(メルト
フローレート)が20g/10分以上であることが必要
である。上記ポリプロピレン樹脂は熱あるいは酸化によ
ってその主鎖が切断されるポリマーであり、架橋、硬化
するポリエチレン等と異なる性質をもっており、有機過
酸化物によってその主鎖が切断され、分子量が低下す
る。
【0026】また、外層4aと内層4bに使用する水素
添加スチレンブタジエンゴム(H−SBR)は、ポリプ
ロピレン樹脂との相溶性に優れており、ポリプロピレン
樹脂に混練すると柔軟になり、折曲げや白化しにくい熱
可塑性エラストマー組成物が得られる。水素添加スチレ
ンブタジエンゴムのスチレン含有量は30重量%以下が
好ましく、柔軟性に富む表皮を得るためには5〜15重
量%が適当である。
添加スチレンブタジエンゴム(H−SBR)は、ポリプ
ロピレン樹脂との相溶性に優れており、ポリプロピレン
樹脂に混練すると柔軟になり、折曲げや白化しにくい熱
可塑性エラストマー組成物が得られる。水素添加スチレ
ンブタジエンゴムのスチレン含有量は30重量%以下が
好ましく、柔軟性に富む表皮を得るためには5〜15重
量%が適当である。
【0027】H−SBRは、スチレンとブタジエンがラ
ンダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを水素
添加している点で、ブロック共重合体であるSEBSと
異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム社製
の商品であるダイナロンシリーズがある。
ンダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを水素
添加している点で、ブロック共重合体であるSEBSと
異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム社製
の商品であるダイナロンシリーズがある。
【0028】ポリプロピレン樹脂とH−SBRとの混合
量は、重量比で80/20〜20/80の割合であり、
ポリプロピレン樹脂が多くなると、成形された表皮が硬
くなり、一方少なくなると引張強度が低下する。
量は、重量比で80/20〜20/80の割合であり、
ポリプロピレン樹脂が多くなると、成形された表皮が硬
くなり、一方少なくなると引張強度が低下する。
【0029】また、外層4aと内層4bにプロセスオイ
ルを添加することにより組成物中のエラストマー成分に
吸収されて溶融粘度を下げるとともに、表皮の硬度を下
げ、柔軟性をもたせる効果がある。上記プロセスオイル
はゴム用に使用されるものであり、パラフィン系、ナフ
テン系、アロマ系に分類されるが、エラストマー成分と
の相溶性によりパラフィン系が好ましい。添加量は吸油
能に優れたエラストマー100重量部に対して5〜20
0重量部が好ましい。200重量部を越えると、引張物
性が低下し、5重量部未満になると、溶融粘度が下がら
ず表皮が硬くなる。
ルを添加することにより組成物中のエラストマー成分に
吸収されて溶融粘度を下げるとともに、表皮の硬度を下
げ、柔軟性をもたせる効果がある。上記プロセスオイル
はゴム用に使用されるものであり、パラフィン系、ナフ
テン系、アロマ系に分類されるが、エラストマー成分と
の相溶性によりパラフィン系が好ましい。添加量は吸油
能に優れたエラストマー100重量部に対して5〜20
0重量部が好ましい。200重量部を越えると、引張物
性が低下し、5重量部未満になると、溶融粘度が下がら
ず表皮が硬くなる。
【0030】外層4aと内層4bに使用する吸油能に優
れたエラストマーは、ポリプロピレン樹脂と相溶性を有
しており、プロセスオイルと組成物中のオリゴマー成分
を吸収する性質を有するもので、スチレン・エチレンブ
チレン・スチレンブロックコポリマー(SEBS)やス
チレン・エチレンプロピレン・スチレンブロックコポリ
マー(SEPS)等のスチレン系ブロック共重合熱可塑
性エラストマー、オレフィン結晶・エチレンブチレン・
オレフィン結晶ブロックコポリマー(CEBC)、エチ
レンプロピレンゴム(EPR)、そしてエチレン・オク
テン共重合体(POE)がある。
れたエラストマーは、ポリプロピレン樹脂と相溶性を有
しており、プロセスオイルと組成物中のオリゴマー成分
を吸収する性質を有するもので、スチレン・エチレンブ
チレン・スチレンブロックコポリマー(SEBS)やス
チレン・エチレンプロピレン・スチレンブロックコポリ
マー(SEPS)等のスチレン系ブロック共重合熱可塑
性エラストマー、オレフィン結晶・エチレンブチレン・
オレフィン結晶ブロックコポリマー(CEBC)、エチ
レンプロピレンゴム(EPR)、そしてエチレン・オク
テン共重合体(POE)がある。
【0031】とりわけ、上記POEはメタロセン化合物
を中心とする触媒で反応点(サイト)が1分子に1つ
(シングル)であって、活性種がサイトにも均質なシン
グルサイト触媒を用いて得られたポリマーであり、長鎖
分岐構造をもち、分子量分布が狭く、組成分布が均一
で、そして低分子量のオリゴマーやワックスの含有量が
少ないと言った特長をもっている。そのため、ポリプロ
ピレン樹脂とのブレンドにおいては、EPDM(エチレ
ン・プロピレン・非共役ジエン共重合体)に比べて流動
分散性が良く、ポリプロピレン樹脂に微分散しやすい特
性があり、スラッシュ成形に適する材料になる。また、
上記POEは通常のチーグラ・ナッタ触媒によって重合
される直鎖状のもの、例えばエチレンとプロピレンとを
共重合した汎用のエチレンプロピレンゴムとは分子構造
上相違している。
を中心とする触媒で反応点(サイト)が1分子に1つ
(シングル)であって、活性種がサイトにも均質なシン
グルサイト触媒を用いて得られたポリマーであり、長鎖
分岐構造をもち、分子量分布が狭く、組成分布が均一
で、そして低分子量のオリゴマーやワックスの含有量が
少ないと言った特長をもっている。そのため、ポリプロ
ピレン樹脂とのブレンドにおいては、EPDM(エチレ
ン・プロピレン・非共役ジエン共重合体)に比べて流動
分散性が良く、ポリプロピレン樹脂に微分散しやすい特
性があり、スラッシュ成形に適する材料になる。また、
上記POEは通常のチーグラ・ナッタ触媒によって重合
される直鎖状のもの、例えばエチレンとプロピレンとを
共重合した汎用のエチレンプロピレンゴムとは分子構造
上相違している。
【0032】上記SEBSはスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体(SBS)を水素添加したもの
であり、シエル化学社製の商品であるクレイトンGシリ
ーズ、旭化成社製の商品であるタフテックHシリーズ等
が挙げられる。このSEBSではスチレン含量が増える
につれて強度が上昇するが、柔軟性が低下する。また、
同SEBSではスラッシュ成形時に溶融してスチレンハ
ードセグメントが凝集し、平滑なシート状成形体を得に
くいことがある。従って、スチレン含量は40重量%以
下がよい。
チレンブロック共重合体(SBS)を水素添加したもの
であり、シエル化学社製の商品であるクレイトンGシリ
ーズ、旭化成社製の商品であるタフテックHシリーズ等
が挙げられる。このSEBSではスチレン含量が増える
につれて強度が上昇するが、柔軟性が低下する。また、
同SEBSではスラッシュ成形時に溶融してスチレンハ
ードセグメントが凝集し、平滑なシート状成形体を得に
くいことがある。従って、スチレン含量は40重量%以
下がよい。
【0033】SEPSはスチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は40重量%以下がよい。
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は40重量%以下がよい。
【0034】尚、上記吸油能に優れたエラストマーは、
H−SBRに比べてポリプロピレン樹脂に対する相溶性
が劣っており、ポリプロピレン樹脂に混練、添加する
と、μm単位の大きさで分散するので、引張物性が低下
する傾向にある。しかし、ポリプロピレン樹脂にH−S
BRとプロセスオイルを添加した場合には、H−SBR
が吸油能に劣るため、組成物中のオリゴマー成分が表面
移行(ブリード)して粘着性をもち、これを用いて粉末
スラッシュ成形用に粉砕したエラストマー粉も粘着性を
もつため、ブロッキングしやすくなって粉体流動性、ま
た表皮も金型からの離型性に欠ける。これに吸油能に優
れたエラストマーを添加した場合には、組成物中のオリ
ゴマー成分とオイルを吸収して表面移行を阻止すること
ができる。
H−SBRに比べてポリプロピレン樹脂に対する相溶性
が劣っており、ポリプロピレン樹脂に混練、添加する
と、μm単位の大きさで分散するので、引張物性が低下
する傾向にある。しかし、ポリプロピレン樹脂にH−S
BRとプロセスオイルを添加した場合には、H−SBR
が吸油能に劣るため、組成物中のオリゴマー成分が表面
移行(ブリード)して粘着性をもち、これを用いて粉末
スラッシュ成形用に粉砕したエラストマー粉も粘着性を
もつため、ブロッキングしやすくなって粉体流動性、ま
た表皮も金型からの離型性に欠ける。これに吸油能に優
れたエラストマーを添加した場合には、組成物中のオリ
ゴマー成分とオイルを吸収して表面移行を阻止すること
ができる。
【0035】上記吸油能に優れたエラストマーの添加量
は、H−SBR100重量部に対して20〜250重量
部である。20重量部未満になると、組成物中のオリゴ
マー成分とオイルを充分に吸収できなくなり、また25
0重量部を越えると、ポリプロピレン樹脂との分散が悪
くなり、引張物性が低下する傾向にある。
は、H−SBR100重量部に対して20〜250重量
部である。20重量部未満になると、組成物中のオリゴ
マー成分とオイルを充分に吸収できなくなり、また25
0重量部を越えると、ポリプロピレン樹脂との分散が悪
くなり、引張物性が低下する傾向にある。
【0036】外層4aと内層4bに使用する内部離型剤
は、ジメチルシロキサン、メチルハイドロキシポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコンオ
イル、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩等
を挙げることができる。外層4aにおいて、その添加量
は0.1〜5.0重量%が好ましく、0.1重量%未満
では充分な離型効果は得られず、一方5.0重量%を越
えると内層との接着性が阻害される。内層4bにおい
て、その添加量は0.1〜1.0重量%が好ましく、
0.1重量%未満では組成物のオリゴマー成分をはじ
め、プロセスオイルや安定剤や触媒等の表面移行の抑制
効果は充分得られず、一方5.0重量%を越えるとウレ
タンフォームとの接着性が阻害される。
は、ジメチルシロキサン、メチルハイドロキシポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコンオ
イル、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩等
を挙げることができる。外層4aにおいて、その添加量
は0.1〜5.0重量%が好ましく、0.1重量%未満
では充分な離型効果は得られず、一方5.0重量%を越
えると内層との接着性が阻害される。内層4bにおい
て、その添加量は0.1〜1.0重量%が好ましく、
0.1重量%未満では組成物のオリゴマー成分をはじ
め、プロセスオイルや安定剤や触媒等の表面移行の抑制
効果は充分得られず、一方5.0重量%を越えるとウレ
タンフォームとの接着性が阻害される。
【0037】内層4bのみに使用する発泡剤としては、
アゾ・ジ・カーボンアミド、ジ・ニトロソ・ペンタメチ
レンテトラミン、4,4’−オキシビス・ベンゼン・ス
ルフォニル・ヒドラジン等からなる化学発泡剤、あるい
はマイクロバルーン等の中空ビーズを添加したものであ
る。具体的には、化学発泡剤を粉体混合してもよいし、
組成物を混練するのと同時に添加してもよい。この時の
混練温度は発泡剤の分解温度以下、好ましくは20℃以
上低い温度がよい。
アゾ・ジ・カーボンアミド、ジ・ニトロソ・ペンタメチ
レンテトラミン、4,4’−オキシビス・ベンゼン・ス
ルフォニル・ヒドラジン等からなる化学発泡剤、あるい
はマイクロバルーン等の中空ビーズを添加したものであ
る。具体的には、化学発泡剤を粉体混合してもよいし、
組成物を混練するのと同時に添加してもよい。この時の
混練温度は発泡剤の分解温度以下、好ましくは20℃以
上低い温度がよい。
【0038】発泡剤の添加量は、ポリプロピレン樹脂、
水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイル、吸
油能に優れたエラストマーからなる組成物、もしくはこ
の組成物に活性水素を有するオレフィン系ポリマーを配
合した組成物100重量部に対して0.1〜8重量部、
好ましくは0.5〜4.0重量部である。0.1重量部
未満の場合には、発泡効果が少なく、一方、8重量部を
越えると発泡セルが粗くなり芯材の射出成形で破壊され
やすくなる。
水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイル、吸
油能に優れたエラストマーからなる組成物、もしくはこ
の組成物に活性水素を有するオレフィン系ポリマーを配
合した組成物100重量部に対して0.1〜8重量部、
好ましくは0.5〜4.0重量部である。0.1重量部
未満の場合には、発泡効果が少なく、一方、8重量部を
越えると発泡セルが粗くなり芯材の射出成形で破壊され
やすくなる。
【0039】内層4bのみに使用する接着改良剤である
活性水素を有するオレフィン系ポリマーとして、酸変性
ポリプロピレン樹脂、水酸基含有ポリプロピレン樹脂、
エチレン・酢酸ビニルコポリマーの加水分解物、末端カ
ルボキシル基ポリブタジエン、末端水酸基ポリブタジエ
ン、末端カルボキシル基ポリブタジエン水素添加物、末
端水酸基ポリブタジエンの水素添加物、酸変性スチレン
・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、エチ
レン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共
重合体を挙げることができる。尚、実施例ではOH変性
ポリオレフィンを使用している。この添加量は2〜20
重量%が好ましく、2重量%未満では接着性の改良効果
が少なく、一方20重量%を越えると引張強度の低下が
大きくなる。
活性水素を有するオレフィン系ポリマーとして、酸変性
ポリプロピレン樹脂、水酸基含有ポリプロピレン樹脂、
エチレン・酢酸ビニルコポリマーの加水分解物、末端カ
ルボキシル基ポリブタジエン、末端水酸基ポリブタジエ
ン、末端カルボキシル基ポリブタジエン水素添加物、末
端水酸基ポリブタジエンの水素添加物、酸変性スチレン
・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、エチ
レン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共
重合体を挙げることができる。尚、実施例ではOH変性
ポリオレフィンを使用している。この添加量は2〜20
重量%が好ましく、2重量%未満では接着性の改良効果
が少なく、一方20重量%を越えると引張強度の低下が
大きくなる。
【0040】外層4aと内層4bに使用できる熱安定剤
としては、通常のポリオレフィンに用いられるものが使
用できる。一般的には、フェノールとリン系の酸化防止
剤を併用して使用するが、特に限定されるものではな
い。また、光安定剤としては、ラジカル捕捉剤であるヒ
ンダードアミン、ベンゾトリアゾール系のものが使用さ
れることもある。顔料は通常のオレフィン系に適した有
機、無機のものが使用される。更に、脂肪酸金属塩等の
滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤等が必要に応
じて添加される。
としては、通常のポリオレフィンに用いられるものが使
用できる。一般的には、フェノールとリン系の酸化防止
剤を併用して使用するが、特に限定されるものではな
い。また、光安定剤としては、ラジカル捕捉剤であるヒ
ンダードアミン、ベンゾトリアゾール系のものが使用さ
れることもある。顔料は通常のオレフィン系に適した有
機、無機のものが使用される。更に、脂肪酸金属塩等の
滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤等が必要に応
じて添加される。
【0041】本発明では、前述のポリプロピレン樹脂、
プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、内部離
型剤等からなる組成物、そしてこの組成物に活性水素を
有するオレフィン系ポリマーを含めた組成物に有機過酸
化物を添加し、これらを加熱下で混練するもので、有機
過酸化物がポリプロピレン樹脂の主鎖を切断して、ポリ
プロピレン樹脂の分子量を下げて溶融流動性を上げるこ
とになり、得られた熱可塑性エラストマー組成物に高い
溶融流動性をもたせる効果がある。尚、ここでは、有機
過酸化物を架橋剤として使用していない。また、加熱下
で混練して得られた熱可塑性エラストマー組成物中に
は、有機過酸化物は熱分解して実質的に含有されていな
い。
プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、内部離
型剤等からなる組成物、そしてこの組成物に活性水素を
有するオレフィン系ポリマーを含めた組成物に有機過酸
化物を添加し、これらを加熱下で混練するもので、有機
過酸化物がポリプロピレン樹脂の主鎖を切断して、ポリ
プロピレン樹脂の分子量を下げて溶融流動性を上げるこ
とになり、得られた熱可塑性エラストマー組成物に高い
溶融流動性をもたせる効果がある。尚、ここでは、有機
過酸化物を架橋剤として使用していない。また、加熱下
で混練して得られた熱可塑性エラストマー組成物中に
は、有機過酸化物は熱分解して実質的に含有されていな
い。
【0042】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0043】有機過酸化物は、120〜250°Cの加
熱下で混練する過程で、ポリプロピレン樹脂の主鎖を切
断して分子量を低下させ、熱可塑性エラストマー組成物
に高い溶融流動性をもたせる。有機過酸化物の添加量は
熱可塑性エラストマー組成物中、0.02〜5.0重量
%であり、0.02重量%未満の場合にはポリプロピレ
ン樹脂の主鎖を切断する分解能力が少なく、熱可塑性エ
ラストマー組成物に高い溶融流動性を付与できなくな
る。一方、5.0重量%を越えると、分解が過剰にな
り、粉体成形品の引張強度等の機械的特性が低下する。
熱下で混練する過程で、ポリプロピレン樹脂の主鎖を切
断して分子量を低下させ、熱可塑性エラストマー組成物
に高い溶融流動性をもたせる。有機過酸化物の添加量は
熱可塑性エラストマー組成物中、0.02〜5.0重量
%であり、0.02重量%未満の場合にはポリプロピレ
ン樹脂の主鎖を切断する分解能力が少なく、熱可塑性エ
ラストマー組成物に高い溶融流動性を付与できなくな
る。一方、5.0重量%を越えると、分解が過剰にな
り、粉体成形品の引張強度等の機械的特性が低下する。
【0044】これらの配合物の混合は所定の混合物をV
型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用
いてドライブレンドしたものを原料供給ホッパーより供
給し、プロセスオイルはベント口より注入し、120〜
250°Cの範囲に温度調節した二軸押出機で溶融混練
してペレット化する。無論、2回に分けて混練すること
もできる。
型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用
いてドライブレンドしたものを原料供給ホッパーより供
給し、プロセスオイルはベント口より注入し、120〜
250°Cの範囲に温度調節した二軸押出機で溶融混練
してペレット化する。無論、2回に分けて混練すること
もできる。
【0045】密閉式混練機であるニーダー、バンバリー
ミキサー等によってエラストマー成分であるH−SBR
と吸油能に優れたエラストマーにプロセスオイルを添加
して混練し、ペレット化した後、このペレットとポリプ
ロピレン樹脂に有機過酸化物、その他の配合剤を混合し
て、120〜250°Cの範囲に温度調節した一軸ある
いは二軸押出機で溶融混練してペレット化することもで
きる。
ミキサー等によってエラストマー成分であるH−SBR
と吸油能に優れたエラストマーにプロセスオイルを添加
して混練し、ペレット化した後、このペレットとポリプ
ロピレン樹脂に有機過酸化物、その他の配合剤を混合し
て、120〜250°Cの範囲に温度調節した一軸ある
いは二軸押出機で溶融混練してペレット化することもで
きる。
【0046】得られたペレットの溶融粘度であるメルト
フローレート(MFR)は、JISK7210により2
50°C、0.325kgfの荷重で50g/10分以
上が好ましい。これ未満になると、組成物の溶融流動性
が小さくなって表皮にピンホールが発生する傾向があ
る。
フローレート(MFR)は、JISK7210により2
50°C、0.325kgfの荷重で50g/10分以
上が好ましい。これ未満になると、組成物の溶融流動性
が小さくなって表皮にピンホールが発生する傾向があ
る。
【0047】上記配合物から得られたペレットは、ター
ボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機を
用いて微粉砕される。この時通常では液体窒素を用いて
冷凍粉砕される。また、配合によっては溶融樹脂をスプ
レーあるいはディスクアトマイザーによって噴霧し冷却
することによって粉体化することができる。粉砕された
ものは篩い等によって粒径が少なくとも1,000μm
の篩を通過し、平均粒径が100〜800μmのものが
集められ、これに有機あるいは無機の粉体性改良剤を添
加、混合して粉末スラッシュ成形用に使用する。
ボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機を
用いて微粉砕される。この時通常では液体窒素を用いて
冷凍粉砕される。また、配合によっては溶融樹脂をスプ
レーあるいはディスクアトマイザーによって噴霧し冷却
することによって粉体化することができる。粉砕された
ものは篩い等によって粒径が少なくとも1,000μm
の篩を通過し、平均粒径が100〜800μmのものが
集められ、これに有機あるいは無機の粉体性改良剤を添
加、混合して粉末スラッシュ成形用に使用する。
【0048】次いで、上記エラストマー組成物の粉体を
用いてスラッシュ成形を行う。この成形では外層4aに
使用する組成物の融点以上に加熱された型にこれを主と
して重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反
転し、余分の組成物を回収箱に集める。型表面には組成
物が層となって付着しており、時間経過とともに溶融し
て厚さ0.3〜1.0mmのソリッドからなる外層が形
成される。続いて、内層4bに使用する組成物を外層の
上に落下させて投入し、一定時間経過後に型を反転し、
余分の組成物を回収箱に集める。外層4aに付着した層
は時間経過とともに溶融して発泡層からなる内層が形成
される。そして、型を冷却してスラして厚さ0.5〜
1.5mmの内層が形成される。そして、型を冷却して
スラッシュ成形表皮4を脱型するものであり、これが繰
り返し行われる。
用いてスラッシュ成形を行う。この成形では外層4aに
使用する組成物の融点以上に加熱された型にこれを主と
して重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反
転し、余分の組成物を回収箱に集める。型表面には組成
物が層となって付着しており、時間経過とともに溶融し
て厚さ0.3〜1.0mmのソリッドからなる外層が形
成される。続いて、内層4bに使用する組成物を外層の
上に落下させて投入し、一定時間経過後に型を反転し、
余分の組成物を回収箱に集める。外層4aに付着した層
は時間経過とともに溶融して発泡層からなる内層が形成
される。そして、型を冷却してスラして厚さ0.5〜
1.5mmの内層が形成される。そして、型を冷却して
スラッシュ成形表皮4を脱型するものであり、これが繰
り返し行われる。
【0049】型の加熱方法としては、オイル循環あるい
は熱風炉へ入れる方法が一般的である。オイル循環はパ
イプ配管配置により型温度調整が容易であるが、型面か
らのみ加熱される。一方、熱風炉を用いると、型面およ
び成形物裏面の両面からの加熱が可能であるが、生産性
を考慮して熱風を300°C以上に設定することが多い
ため、成形物裏面の熱酸化劣化を起こさないように処方
や条件を配慮する必要がある。
は熱風炉へ入れる方法が一般的である。オイル循環はパ
イプ配管配置により型温度調整が容易であるが、型面か
らのみ加熱される。一方、熱風炉を用いると、型面およ
び成形物裏面の両面からの加熱が可能であるが、生産性
を考慮して熱風を300°C以上に設定することが多い
ため、成形物裏面の熱酸化劣化を起こさないように処方
や条件を配慮する必要がある。
【0050】熱風方式は、粉末スラッシュ成形を2層に
行う時に有効である。即ち、加熱された型に最外層とな
る1回目の粉末をスラッシュ成形し、半溶融状態で2回
目の粉末を付着させてスラッシュ成形し、その後加熱溶
融する。この場合、型面側のみからの加熱では、熱伝達
が不充分なので成形物裏面からの加熱も可能な熱風炉方
式が用いられることが多い。
行う時に有効である。即ち、加熱された型に最外層とな
る1回目の粉末をスラッシュ成形し、半溶融状態で2回
目の粉末を付着させてスラッシュ成形し、その後加熱溶
融する。この場合、型面側のみからの加熱では、熱伝達
が不充分なので成形物裏面からの加熱も可能な熱風炉方
式が用いられることが多い。
【0051】上記スラッシュ成形表皮4を使用した成形
体の製造方法には、芯材を射出成形する方法と接着剤に
より表皮と芯材を貼り合わせる方法がある。芯材を射出
成形する方法では、金型内にスラッシュ成形表皮を外層
が型面に接するように減圧吸引等の方法で固定した状態
で型閉めし、芯材となるオレフィン系樹脂を射出し、型
内で冷却固化させることによって表皮と芯材とが溶融接
着された全オレフィン系成形体を得ることができる。こ
の場合、金型に表皮を固定し、型が開いた状態でオレフ
ィン系樹脂を所定量射出し、その後に型閉めする低圧・
圧縮射出成形する方法が好ましい。これは発泡している
内層を射出樹脂で破壊させないためである。ここで使用
するオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン樹脂が最も好
ましい。
体の製造方法には、芯材を射出成形する方法と接着剤に
より表皮と芯材を貼り合わせる方法がある。芯材を射出
成形する方法では、金型内にスラッシュ成形表皮を外層
が型面に接するように減圧吸引等の方法で固定した状態
で型閉めし、芯材となるオレフィン系樹脂を射出し、型
内で冷却固化させることによって表皮と芯材とが溶融接
着された全オレフィン系成形体を得ることができる。こ
の場合、金型に表皮を固定し、型が開いた状態でオレフ
ィン系樹脂を所定量射出し、その後に型閉めする低圧・
圧縮射出成形する方法が好ましい。これは発泡している
内層を射出樹脂で破壊させないためである。ここで使用
するオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン樹脂が最も好
ましい。
【0052】接着剤により表皮と芯材を貼り合わせる方
法としては、予め所定形状に射出成形したオレフィン系
樹脂製の芯材とスラッシュ成形表皮とをゴム系の接着剤
で貼り合わせるが、この場合内層に接着改良剤である活
性水素を有するオレフィン系ポリマーを配合し、また射
出成形した芯材ノ接着面を火炎処置、コロナ放電処理、
紫外線処理を施すことによって強固に接合することがで
きる。
法としては、予め所定形状に射出成形したオレフィン系
樹脂製の芯材とスラッシュ成形表皮とをゴム系の接着剤
で貼り合わせるが、この場合内層に接着改良剤である活
性水素を有するオレフィン系ポリマーを配合し、また射
出成形した芯材ノ接着面を火炎処置、コロナ放電処理、
紫外線処理を施すことによって強固に接合することがで
きる。
【0053】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1 外層として、表1に示すようにポリプロピレン樹脂(P
P樹脂)、吸油能に優れたエラストマー(POE)、内
部離型剤をタンブラーでドライブレンドしたものを、二
軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原料供給ホッ
パーより供給し、プロセスオイルをベント口より注入し
ながらシリンダー温度210°C、スクリュー回転数3
00rpmで混練し、更に続いてH−SBR、プロセス
オイル、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化
剤をドライブレンドしたものを同様の二軸押出機の原料
供給ホッパーより供給し、プロセスオイルをベント口よ
り注入しながら同一の条件で混練し、押出してペレット
化した。尚、表中の重量部数に括弧を付けた材料は2回
目に添加したものである。そして、ターボミルT250
−4J(ターボ工業社製)に液体窒素に浸したペレット
を投入して粉砕し、1,000μmの篩い通過分のみを
集め、180μmの粉体を得た。尚、表中の重量部数に
括弧を付けた材料は2回目に添加したものである。
細に説明する。 実施例1 外層として、表1に示すようにポリプロピレン樹脂(P
P樹脂)、吸油能に優れたエラストマー(POE)、内
部離型剤をタンブラーでドライブレンドしたものを、二
軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原料供給ホッ
パーより供給し、プロセスオイルをベント口より注入し
ながらシリンダー温度210°C、スクリュー回転数3
00rpmで混練し、更に続いてH−SBR、プロセス
オイル、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化
剤をドライブレンドしたものを同様の二軸押出機の原料
供給ホッパーより供給し、プロセスオイルをベント口よ
り注入しながら同一の条件で混練し、押出してペレット
化した。尚、表中の重量部数に括弧を付けた材料は2回
目に添加したものである。そして、ターボミルT250
−4J(ターボ工業社製)に液体窒素に浸したペレット
を投入して粉砕し、1,000μmの篩い通過分のみを
集め、180μmの粉体を得た。尚、表中の重量部数に
括弧を付けた材料は2回目に添加したものである。
【0054】また、内層として、表1に示すように上記
外層の粉体100重量部に発泡剤としてアゾ・ジ・カー
ボンアミド粉体を2.0重量部添加してヘンシェルミキ
サーで混合した粉体を使用した。
外層の粉体100重量部に発泡剤としてアゾ・ジ・カー
ボンアミド粉体を2.0重量部添加してヘンシェルミキ
サーで混合した粉体を使用した。
【0055】
【表1】
【0056】次に、上記外層用の粉体を用いてスラッシ
ュ成形を行った。スラッシュ成形の方法としては、例え
ば皮シボ模様のついた150mm×150mm×3mm
の板をオーブン中で250°Cに加熱し、その上に上記
粉体を約800gのせて10秒前後置いて付着させた
後、溶融付着しなかった粉体を除いて、300°Cに調
節したオーブン中で60秒間加熱して外層を成形した。
続いて、この外層の上に約800gの内層用の粉体を約
10秒間載せると、内層が形成した。その後、再度30
0°Cに調節したオーブンにて60秒程度溶融させ、そ
の後オーブンより取り出し水冷して、外層(厚さ0.7
mm)、内層(厚さ1.0mm)の表皮を得た。上記表
皮を3枚重ねて、外層(ソリッド側)よりC型硬度計で
測定した硬度は72°であった。
ュ成形を行った。スラッシュ成形の方法としては、例え
ば皮シボ模様のついた150mm×150mm×3mm
の板をオーブン中で250°Cに加熱し、その上に上記
粉体を約800gのせて10秒前後置いて付着させた
後、溶融付着しなかった粉体を除いて、300°Cに調
節したオーブン中で60秒間加熱して外層を成形した。
続いて、この外層の上に約800gの内層用の粉体を約
10秒間載せると、内層が形成した。その後、再度30
0°Cに調節したオーブンにて60秒程度溶融させ、そ
の後オーブンより取り出し水冷して、外層(厚さ0.7
mm)、内層(厚さ1.0mm)の表皮を得た。上記表
皮を3枚重ねて、外層(ソリッド側)よりC型硬度計で
測定した硬度は72°であった。
【0057】別途射出成形した150×150×3.5
mmのポリプロピレン樹脂の接着面を火炎処理した。接
着剤として市販のゴム系接着剤を使用して積層した。選
られた成形体はソフトな触感があり、表皮と芯材とを強
固に接着し、この間を剥離すると内層の発泡層が凝集破
壊した。
mmのポリプロピレン樹脂の接着面を火炎処理した。接
着剤として市販のゴム系接着剤を使用して積層した。選
られた成形体はソフトな触感があり、表皮と芯材とを強
固に接着し、この間を剥離すると内層の発泡層が凝集破
壊した。
【0058】
【0059】比較例1
実施例1の外層粉体を用いて、実施例1と同様な方法で
1.0mm厚のソリッド表皮をスラッシュ成形した。こ
の表皮を6枚重ねた層をC型硬度計で測定した硬度は9
1°であった。また、実施例1と同様の方法で作製した
成形体は触感が硬くて商品性に劣るものであった。
1.0mm厚のソリッド表皮をスラッシュ成形した。こ
の表皮を6枚重ねた層をC型硬度計で測定した硬度は9
1°であった。また、実施例1と同様の方法で作製した
成形体は触感が硬くて商品性に劣るものであった。
【0060】
【発明の効果】以上のように本願の請求項記載のスラッ
シュ成形表皮、及びこれを用いた成形体では、外層とし
て少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブ
タジエンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラス
トマー、そして内部離型剤からなる熱可塑性エラストマ
ー組成物の粉末をスラッシュ成形し、更にその内層とし
て少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブ
タジエンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラス
トマー、内部離型剤、発泡剤、そして接着改良剤である
活性水素を有するオレフィン系ポリマーを添加したもの
をスラッシュ成形したスラッシュ成形表皮であり、ソリ
ッドな外層と発泡層の内層の2層からなる表皮を使用し
ても発泡層が破損しない材料を使用し、しかもリサイク
ル使用が可能で、外層に皮シボやステッチ等を付けて意
匠性を高めるとともにソフト感のある蝕感をもたせた表
皮、及びこれを用いた成形体が選られる効果がある。
シュ成形表皮、及びこれを用いた成形体では、外層とし
て少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブ
タジエンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラス
トマー、そして内部離型剤からなる熱可塑性エラストマ
ー組成物の粉末をスラッシュ成形し、更にその内層とし
て少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブ
タジエンゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラス
トマー、内部離型剤、発泡剤、そして接着改良剤である
活性水素を有するオレフィン系ポリマーを添加したもの
をスラッシュ成形したスラッシュ成形表皮であり、ソリ
ッドな外層と発泡層の内層の2層からなる表皮を使用し
ても発泡層が破損しない材料を使用し、しかもリサイク
ル使用が可能で、外層に皮シボやステッチ等を付けて意
匠性を高めるとともにソフト感のある蝕感をもたせた表
皮、及びこれを用いた成形体が選られる効果がある。
【図1】本発明に係る自動車用インストルメントパネル
の全体外観斜視図である。
の全体外観斜視図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
1 インストルメントパネル
2 ソフト部
3 ハード部
4 スラッシュ成形表皮
4a 外層
4b 内層
5 芯材
6 発泡層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C08L 23/12 C08L 23/12
23/26 23/26
(72)発明者 岡沢 学秀
神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三
ツ星ベルト株式会社内
(56)参考文献 特開 平5−221271(JP,A)
特開 平9−52990(JP,A)
特開 平7−173366(JP,A)
特開 平7−96532(JP,A)
特開 平10−30036(JP,A)
特開 平10−182900(JP,A)
特開 平4−25517(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B29C 41/18
B32B 27/32
B60R 21/20
C08L 15/00
C08L 23/08
C08L 23/12
C08L 23/26
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくともソリッド層からなる外層と発
泡層からなる内層を積層するように成形したスラッシュ
成形表皮において、上記外層として少なくともポリプロ
ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、および内部離
型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラ
ッシュ成形し、更にその内層として少なくともポリプロ
ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、内部離型剤、
発泡剤、および活性水素を有するオレフィン系ポリマー
を含む粉末をスラッシュ成形したことを特徴とするスラ
ッシュ成形表皮。 - 【請求項2】 外層の表面には塗装膜が形成されている
請求項1記載のスラッシュ成形表皮。 - 【請求項3】 外層と内層に使用する吸油能に優れたエ
ラストマーが長鎖分岐構造をもつエチレン・オクテン共
重合体である請求項1または2記載のスラッシュ成形表
皮。 - 【請求項4】 少なくともソリッド層からなる外層と発
泡層からなる内層を積層するように成形したスラッシュ
成形表皮と芯体との積層体からなるスラッシュ成形表皮
付き成形体において、上記スラッシュ成形表皮が少なく
ともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエン
ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
そして内部離型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物
の粉末をスラッシュ成形し、更にその内層として少なく
ともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエン
ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
内部離型剤、発泡剤、および活性水素を有するオレフィ
ン系ポリマーを含む粉末をスラッシュ成形することによ
り得られた複合表皮であり、かつ芯材がオレフィン系樹
脂であることを特徴とするスラッシュ成形表皮付き成形
体。 - 【請求項5】 外層の表面には塗装膜が形成されている
請求項4記載のスラッシュ成形表皮付き成形体。 - 【請求項6】 外層と内層の使用する吸油能に優れたエ
ラストマーが長鎖分 岐構造をもつエチレン・オクテン共
重合体である請求項4または5記載のスラッシュ成形表
皮付き成形体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33442498A JP3380479B2 (ja) | 1998-09-21 | 1998-11-25 | スラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26558098 | 1998-09-21 | ||
JP10-265580 | 1998-09-21 | ||
JP33442498A JP3380479B2 (ja) | 1998-09-21 | 1998-11-25 | スラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000158463A JP2000158463A (ja) | 2000-06-13 |
JP3380479B2 true JP3380479B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=26547053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33442498A Expired - Fee Related JP3380479B2 (ja) | 1998-09-21 | 1998-11-25 | スラッシュ成形表皮、及びこれを用いた成形体 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3380479B2 (ja) |
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KR100506714B1 (ko) * | 2003-03-27 | 2005-08-05 | 현대자동차주식회사 | 파우더 슬러쉬 몰딩 성형용 폴리프로필렌계 수지 조성물 |
US20070265396A1 (en) * | 2004-11-05 | 2007-11-15 | Srimannarayana Kakarala | Thermoplastic polyolefin compositions having improved melt viscosity and methods of making the same |
JP4955442B2 (ja) | 2007-03-30 | 2012-06-20 | ポリマテック株式会社 | 加飾シート、加飾成形体及び加飾キーシート並びに加飾シートの製造方法 |
JP4965324B2 (ja) | 2007-04-24 | 2012-07-04 | ポリマテック株式会社 | 加飾シート、加飾成形体及び加飾キーシート並びに加飾シートの製造方法 |
JPWO2019117214A1 (ja) * | 2017-12-14 | 2020-12-03 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物およびタイヤ |
-
1998
- 1998-11-25 JP JP33442498A patent/JP3380479B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000158463A (ja) | 2000-06-13 |
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