JP3034785B2 - 表皮体を有する樹脂成形体とその製造方法 - Google Patents
表皮体を有する樹脂成形体とその製造方法Info
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Description
ネル、ドアートリム、コンソールボックス等の表皮体を
有する樹脂成形体とその製造方法に係り、詳しくは3層
からなる表皮体を樹脂製の芯体に積層して一体に成形し
た表皮体を有する樹脂成形体とその製造方法に関する。
パネル、ドアートリム、コンソールボックス等の樹脂成
形体の製造方法としては、塩化ビニルとABS樹脂のブ
レンド樹脂をシート状に押し出した後、エッチング絞り
ロールによって模様を付け、これを真空成形によって賦
形した表皮材と、射出成形やスタンピング成形で賦形し
た芯材(基材)とをウレタン発泡型に設置した後、発泡
ウレタンを注入して一体成形する方法が主流であった。
りのために、充分な皮絞り感が出現しないことや、真空
成形によるシートの延伸によって、絞りが拡大して浅く
なる等の意匠上の問題や、また部品のリサイクルを考え
た場合、上記3層構造の分離が容易に行うことができ
ず、その廃棄物処理の費用も増大する問題があった。更
には、上記工法は表皮成形、芯材成形、そして発泡成形
と3工程からなるため、とりわけ製品のソフト感を得る
ための発泡成形には、コストがかかり過ぎると言う評価
もあった。
り歪が少なく、変形の少ない成形品を得る方法として、
注入法プレス成形法、あるいはSPモールド(Low
Strain Molding Process)と呼
ばれるものが採用されている。これは、カレンダーある
いは押出成形されたシートにポリプロピレンフォームの
裏打ちされた複合シートを真空成形により賦形し、射出
成形の雌型にセットして型を開いた状態で芯材樹脂を射
出し、その後型を閉じて表皮材と芯材とを一体成形する
ものである。
から電鋳型を使用したスラッシュ表皮成形があり、当工
法を使用した塩化ビニル製表皮、塩化ビニル製発泡体、
そして芯体の一体発泡品が優れた絞り感のある製品とし
て採用されてきた。
法の欠点としては、表皮材が予めシートに加工されてい
るため、一体成形時に表皮端材が50〜60%発生する
ため、本皮絞り感が得られず、また質感が悪くなった割
りにはコスト削減効果が少ないとの評価となっている。
また、スラッシュ成形により得られた塩化ビニル製表
皮、塩化ビニル製発泡体、そして芯体の一体発泡品は、
表皮端材が30〜40%と少ないが、ウレタン発泡工程
を必要とするため、コスト高になると評価されている。
層表皮材とSPモールド法をはじめとする低圧射出成形
法を組み合わせることで、表皮材を芯材に強固に密着し
たソフト感のある樹脂成形体を得る検討がなされつつあ
る。表皮材は通常熱可塑性エラストマーからなる3層
で、第1層がソリッド層、第2層が発泡層、第3層がソ
リッド層からなり、第1層が低圧射出成形時の第2層の
発泡層のつぶれを保護している。そして、材料は各層と
もほぼ同じ材質であり、ときには第1層と第3層とは同
一で、第2層はそれに発泡剤を加えたものになってい
る。
ュ成形用金型を所定温度に上昇させ、第1層用の粉末樹
脂組成物を金型に投入して一定時間経過後に型を反転
し、余分の粉末樹脂組成物を回収箱へ排出して型表面に
付着した第1層を形成し、次いで発泡剤を含む第2層用
に粉末樹脂組成物を金型内に投入し排出して第2層を形
成し、更に同様にし第3層の付着形成を行った後、キュ
アー発泡を行い、型を冷却して3層表皮材を脱型してい
た。この際、型の加熱は電鋳型の裏面にパイプをはりめ
ぐらせ、この中に加熱オイルを循環させる方式をとって
いたため、第3層付着までの型温の安定保持には有利で
あるが、型面側だけからの加熱となり熱伝達に時間を要
してキュアー発泡に長時間を要する不具合があった。
常は熱風加熱炉で型を加熱し、炉から出して多層の付着
成形を行い、再度同一もしくは別の熱風加熱炉に投入し
て型面、表皮裏面の両方からの加熱でキュアー発泡を行
うことが多い。しかし、この方法では第1層投入から第
3層投入までの型温度は、50°C以上低下し、ときに
は100°C前後低下している。第1層と第3層に同様
な材料を用いた場合、第3層が充分に付着せず、次工程
の低圧射出成形時において第2層を保護する役割を果た
すことができず、第2層がつぶれて外観上凹凸の不具合
が発生した。
性上昇のために更に高温方向となることが多く、第3層
の熱酸化劣化で膨れやひび割れが生じて第2層を保護す
る役割を果たさないこともあった。更に、通常のスラッ
シュ成形材料は溶融流動性の高い材料を使用している
が、第3層も第1層、第2層と同様な溶融流動性の高い
材料を用いると、たれや流れが発生して第2層を保護す
る役割に欠けていた。本発明はこのような問題点を改善
するものであり、各層に適した材料を選定して表皮体を
作製し、樹脂製の芯体に積層した後にも外観的に凹凸を
低減した表皮体を有する樹脂成形体とその製造方法を提
供することを目的とする。
がソリッドの表面層と、第2層が発泡層と、第3層がソ
リッドの内側層の3層からなる表皮体に、芯体となる合
成樹脂を積層した表皮体を有する樹脂成形体において、
上記表皮体の第1層がポリプロピレン樹脂とスチレン系
熱可塑性エラストマーとを重量比70/30〜30/7
0の割合で混合した組成物であるスチレン系熱可塑性エ
ラストマーからなり、第2層がポリプロピレン樹脂とス
チレン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/30〜
30/70の割合で混合した組成物であるスチレン系熱
可塑性エラストマーに発泡剤を加えて発泡させたもので
あり、そして第3層がポリプロピレン樹脂単体あるいは
ポリプロピレン樹脂とエチレン・αオレフィンブロック
共重合体の混合物である表皮体を有する樹脂成形体にあ
る。
ストマーがポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エ
ラストマーを重量比80/20〜20/80の割合で混
合したもの100重量部に対し、更にエチレン単位を有
する熱可塑性エラストマーもしくは樹脂を5〜50重量
部混合した組成物である場合や、エチレン単位を保有す
る熱可塑性エラストマーがエチレン・エチレンブチレン
・エチレンブロック共重合体、エチレン・オクテンブロ
ック共重合体、エチレン・αオレフィンブロック共重合
体、そしてエチレン・プロピレンランダム共重合体から
選ばれてなる場合を含む。
熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレンから選ばれてなる場合や、
第1層と発泡剤を除いた第2層の溶融温度が第3層のそ
れに比べて高い場合を含む。
層と、第2層が発泡層と、第3層がソリッドの内側層の
3層からなる表皮体を一方の型に付着し、雄型と雌型間
に溶融樹脂を供給した後に、両型を閉じて該溶融樹脂を
キャビティ内に押し拡げ、加圧して賦型することで、上
記表皮体に芯体となる合成樹脂を積層した表皮体を有す
る樹脂成形体の製造方法において、上記表皮体がポリプ
ロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重
量比70/30〜30/70の割合で混合した組成物で
あるスチレン系熱可塑性エラストマーをスラッシュ成形
して第1層を形成し、更にその上にポリプロピレン樹脂
とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/3
0〜30/70の割合で混合した組成物であるスチレン
系熱可塑性エラストマーに発泡剤を加えてスラッシュ成
形し発泡させた第2層を形成し、そして更にその上にポ
リプロピレン樹脂単体あるいはポリプロピレン樹脂とエ
チレン・αオレフィンブロック共重合体の混合物をスラ
ッシュ成形して第3層を順次連続して積層したものであ
る表皮体を有する樹脂成形体の製造方法にある。
脂成形体とその製造方法を添付図面に基づいて説明す
る。図1は本発明において使用するスラッシュ成形によ
り得られた表皮体の断面図である。これによると、まず
表皮体1は、厚さが0.2〜1mmの皮シボやステッチ
を有しているソリッドの表面層2と、厚さが1.0〜
3.0mmのクッション性を付与している発泡層3と、
厚さが表面層より大きく0.4〜1.2mmの内側層4
から構成されている。内側層4は芯材を賦形する際の熱
と圧力から発泡層3を保護し、かつ芯材との接着性を確
保している。即ち、内側層4が成形時に熱溶融した樹脂
に接触して溶融しても、中間層の発泡層3が破壊されな
いような厚さに設定され、芯材との接着性を維持してい
る。
ラストマー、そしてスチレン系熱可塑性エラストマーか
ら選ばれた熱可塑性エラストマーからなる粉末樹脂組成
物をスラッシュ成形して得られた第1層のソリッドの表
面層2と、上記粉末樹脂組成物に発泡剤を添加したもの
をスラッシュ成形して得られた第2層の発泡層3と、ポ
リプロピレン樹脂単体あるいはポリプロピレン樹脂とエ
チレン・αオレフィンブロック共重合体の混合物からな
る粉末樹脂組成物をスラッシュ成形して得られた第3層
のソリッドの内側層4の3層からなっている。
〜70°Cに予備加熱したスラッシュ成形用の金型を3
00°C前後まで上昇させた後、上記粉末樹脂組成物を
この金型内に投入して一定時間経過後に型を反転し、余
分の粉末樹脂組成物を回収箱へ排出して型表面に付着し
た第1層を形成し、そして発泡剤を添加した粉末樹脂組
成物を金型内に投入し排出して第2層を形成し、続いて
他の粉末樹脂組成物を金型内に投入し排出して第3層を
形成した後、キュアーし、金型を約50〜70°Cまで
冷却して表皮材料を脱型する。
ィン系熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン樹脂と
エチレンプロピレンゴムの混合物であり、エチレンプロ
ピレンゴムの架橋度によって完全架橋、部分架橋、未架
橋タイプがあるが、いずれであってもよい。近年、ポリ
プロピレン樹脂とエチレンプロピレンゴムを同時に重合
して直接エラストマーを得る方法があり、この方法によ
って得られたものでもよい。
塑性エラストマーは、ポリプロピレン樹脂とスチレン系
熱可塑性エラストマーとを重量比70/30〜30/7
0の割合で混合した組成物である。ここで使用するポリ
プロピレン樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α−
オレフィンとのブロックあるいはランダム共重合体のい
ずれでもよいが、特にα−オレフィンとしてエチレンを
用いたブロックあるいはランダム共重合体が成形体の柔
軟性の面からいって好ましい。また、圧力のかからない
粉末スラッシュ成形に用いるためには、表面層と発泡層
に使用するポリプロピレン樹脂の溶融流動性の指数とし
てJIS K7210により230°Cで荷重2.16
kgfで測定したMFR(メルトフローレート)が20
g/10分以上であることが必要である。ただし、第3
層である内側層4には、同様のポリプロピレン樹脂を使
用してもよいが、MFR値を表面層2や発泡層3よりも
下げるためにはやや低めのMFR値のポリプロピレン樹
脂を用いることが多い。
は、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共
重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・
スチレンブロック共重合体(SEPS)、もしくはスチ
レン含量20重量%以下の水素添加スチレンブタジエン
ゴム(水素添加SBR)から選ばれる。上記SEBSは
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(S
BS)を水素添加したものであり、シエル化学社製の商
品であるクレイトンGシリーズ、旭化成社製の商品であ
るタフテックHシリーズ等が挙げられる。このSEBS
ではスチレン含量が増えるにつれて強度が上昇するが、
柔軟性が低下する。また、同SEBSではスラッシュ成
形時に溶融してスチレンハードセグメントが凝集し、平
滑なシート状成形体を得にくいことがある。従って、ス
チレン含量は20%重量以下がよい。
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は20重量%以下がよい。
がランダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを
水素添加している点で、ブロック共重合体であるSEB
Sと異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム
社製の商品であるダイナロンシリーズがある。
プロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーを重
量比80/20〜20/80の割合で混合したもの10
0重量部に対し、更にエチレン単位を有する熱可塑性エ
ラストマーもしくは樹脂を5〜50重量部混合した組成
物であってもよい。この場合、エチレン単位を有する熱
可塑性エラストマーとは、エチレン・エチレンブチレン
・エチレンブロック共重合体、エチレン・オクテンブロ
ック共重合体、エチレン・αオレフィンブロック共重合
体、あるいはエチレン・プロピレンランダム共重合体が
挙げられる。
ロック共重合体は、SEBSとソフトセグメントが同じ
であるが、ハードセグメントがスチレンに替えてエチレ
ン結晶相である点で異なり、耐ガソリン性の向上が期待
される。また、水素添加SBRに比べると、ポリプロピ
レンとの相溶性はやや劣るが、耐寒衝撃性の改善が期待
される。
チレン・αオレフィンブロック共重合体は、一般に単体
では溶融温度が100°C以下であり、ポリプロピレン
樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーの系に添加する
と、成形温度を下げてスチレン系熱可塑性エラストマー
の成形時の熱劣化をおさえる効果が期待できる。エチレ
ン・プロピレンランダム共重合体は、相溶性の良好なス
チレン系熱可塑性エラストマー、特に水素添加SBRに
比べてポリプロピレン樹脂との相溶性が劣るが、耐寒衝
撃性の改善が期待できる。
脂とは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、あ
るいは線状低密度ポリエチレンからなる。
ラストマーもしくは熱可塑性樹脂のMFRは、10以上
が好ましいが、これ未満であっても併用する他の樹脂や
エラストマーを高流動とすることによりある程度補うこ
とができる。また、上記エチレン単位を保有する熱可塑
性エラストマーもしくは熱可塑性樹脂の添加量は、ポリ
プロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを
混合したもの100重量部に対して、5〜50重量部で
ある。
るいはポリプロピレン樹脂とエチレン・αオレフィンブ
ロック共重合体の混合物が使用されるが、このエチレン
・αオレフィンブロック共重合体の代表的なものとして
エチレン・オクテンブロック共重合体がある。
エラストマー、そしてスチレン系熱可塑性エラストマー
から選ばれた熱可塑性エラストマーからなる表面層と同
様の粉末樹脂組成物にアゾ・ジ・カーボンアミド、ジ・
ニトロソ・ペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキ
シビス・ベンゼン・スルフォニル・ヒドラジン等からな
る化学発泡剤、あるいはマイクロバルーン等の中空ビー
ズを添加したものである。具体的には、化学発泡剤をペ
レットに練り込むか、粉砕後、混合機によって粉末同士
の混合を行ってもよいが、均一混合のためにはペレット
に練り込む方が好ましい。もちろん、この場合ペレット
化の温度条件で化学発泡剤の大部分が発泡しないことが
必要になる。
いる熱安定剤としては、通常のポリオレフィンに用いら
れるものが使用できる。一般的には、ヒンダードフェノ
ールと有機リン系の酸化防止剤を併用して使用するが、
特に限定されるものではない。また、表面層2には、光
安定剤としてヒンダードアミンラジカル捕捉剤とベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤を併用して使用することが
好ましい。表面層2の顔料には、通常のオレフィン系に
適した有機、無機のものが使用される。発泡層3や内側
層4にも必要に応じて顔料を添加してもよい。更に、脂
肪酸金属塩等の滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填
剤等が必要に応じて添加される。
タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて行われる。
次いで、この混合物を二軸押出機等によって溶融混練し
てペレット化する。このペレットはターボミル、ピンミ
ル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機を用いて微粉砕さ
れる。この時通常では液体窒素を用いて冷凍粉砕され
る。常温で粉砕すると、糸を引いて粗い粉末しか得られ
ない。しかし、処方によっては、常温粉砕できる場合が
ある。表面層2、発泡層3用に粉砕されたものは、篩い
等によって粒径が少なくとも500μm以下、好ましく
は300μm以下のものを集め、500μmを越えるも
のは再度粉砕される。内側層4はこれらに比べて粗いも
のを使用することができる。
使用する粉末樹脂組成物が、充分な粉末流動性をもたな
い場合には、型の複雑形状部に流れ込まずに欠損やピン
ホールをもつシートを成形することになる。そのため、
本発明では、特に粉末樹脂組成物の中に流動性改良剤で
ある炭酸カルシウム、シリカ等の充填剤、あるいはステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属
塩や脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等の滑剤、あるいは
樹脂微粉末等を添加することができる。尚、上記充填剤
はスラッシュ成形時に溶融せずにそのまま残存するが、
滑剤と樹脂微粉末は溶融して粉末樹脂組成物中に取り込
まれる。これらの流動性改良剤はペレットを粉砕した後
にヘンシェルミキサー等の混合機によって加えるが、粉
砕前にペレットにまぶして粉砕してもよい。
付着してコロの働きをするため、粉末の流動性を改良で
きる効果がある。しかし、上記添加物を多量に加える
と、シート成形体の機械的特性が低下するため、充填剤
と滑剤との添加量はポリプロピレン樹脂とスチレン系熱
可塑性エラストマーとの混合物100重量部に対して2
重量部未満であり、一方樹脂微粉末は10重量部未満で
ある。尚、この樹脂微粉末は粉末樹脂組成物と相溶性に
優れるオレフィン系であり、特に適当なものとしては低
密度ポリエチレン化学粉砕物である。化学粉砕とは樹脂
を溶剤に溶かし、これを不溶溶剤中に投入して析出させ
るもので、機械粉砕に比べて細かいものが得られる。
ように樹脂製の芯体に貼合せて一体に成形される。ま
ず、表皮材1は、図2に示すように、雌型7に装着され
る。この場合、雌型7内には型表面へ貫通した通路8が
設けられ、吸引装置9を稼働させ真空引きすることで、
表皮材1が雌型7に装着する。雌型7には、型表面から
突出した突起部10が設けられ、表皮材の端部11に密
接している。他方、雄型13は、型表面に雌型の突起部
10を収容する凹部14を有し、また内部に溶融樹脂を
射出するゲート15を設けている。この場合の雌型7と
雄型13の温度は30〜40°Cである。
13を未閉鎖の状態で雄型7のゲート15から比較的粘
度の大きい溶融樹脂16を雄型13の型表面に供給す
る。
13とを閉じて溶融樹脂16をキャビティ17内に押し
拡げ、更に図5に示すように型締面圧30〜150kg
/cm2 で加圧して賦形する。この場合、溶融樹脂16
は雌型7に設けた突起部10によって流動阻止され、型
表面と表皮材料1の間に浸入しない。
脂成形体を脱型する。得られた樹脂成形体18は、図6
に示すようにパネルであり、表皮材1が樹脂製の芯体1
9に貼合せてた構成になっている。表皮材の端部11は
芯体19の凹部21に収容され、良好な外観になってい
る。ここで使用する芯体19は、ポリプロピレン樹脂、
あるいはポリプロピレン樹脂を主体とするものである。
細に説明する。 実施例 表1に示す各層用に設定された処方をそれぞれタンブラ
ーで混合し、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)
を用いてペレット化した。温度は第1層(表面層)およ
び第3層(内側層)は200°C、第2層(発泡層)は
発泡剤の分解温度200°Cのため、160°Cとし
た。
ボ工業社製)に液体窒素に浸したペレットを投入して粉
砕し、500μmの篩い通過分のみを集めた。得られた
粉末に更に流動性改良剤であるカープレックスCS−5
(シオノギ製薬社製 シリカ)を0.5重量部を加えて
流動性を改善した3種類の粉末樹脂組成物を得た。
シュ成形を行った。このスラッシュ成形の方法として
は、まず350°Cに設定したオーブン中に電鋳型を入
れて加熱し、取り出して型温が300°Cになった時点
で第1層用の粉末樹脂組成物を一度に落とし型表面を覆
った。そして、3秒間静置した後に型を反転して余分の
粉末を排出した。型温が250〜260°Cであること
を確認して、第2層用の粉末樹脂組成物を一度に落とし
第1層付着物の上を覆った。そして、15秒間静置した
後に型を反転して余分の粉末を排出した。更に、型温が
210〜220°Cであることを確認して、第3層用の
粉末樹脂組成物を一度に落とし第2層付着物の上を覆っ
た。そして、70秒間静置した後に型を反転して余分の
粉末を排出した。そして、60秒間キュアーした後、水
冷して厚さ0.5mmのソリッドの表面層と、厚さ2m
mの発泡層と、厚さ1.0mmのソリッドの内側層から
なる3層の表皮材を脱型した。
引きして装着した後、雌型と雄型を未閉鎖の状態でポリ
プロピレンの溶融樹脂(樹脂温度190°C)を雄型の
型表面に供給した。そして、雌型と雄型とを閉じて溶融
樹脂をキャビティ内に押し拡げ、更に型締面圧約80k
g/cm2 で加圧して賦形した。その後、雌型と雄型と
を開けて、樹脂成形体を脱型した。得られた樹脂成形体
の表皮材料と芯体との接着は良好であり、また表皮材の
ソフト感、絞り感は充分に出現していた。更に、ゲート
近辺においても、第2層の発泡層の破壊による表面凹凸
はみられず、第3層の内側層が発泡層の保護の役割を充
分果していた。尚、表1においてMFR(g/10分)
は、230°Cで荷重2.16kgfで測定した結果で
あり、第2層のMFRは発泡剤の含まれていない場合の
値である。粉末の溶融開始温度は、昇温速度5°C/分
で50倍の顕微鏡観察で測定した結果である。
追加しただけの第2層用の処方を実施例と同様にペレッ
ト化し冷凍粉砕して3層からなる表皮材を得た。第1層
の厚さは0.4mm、第2層の厚さは1.5mm、第3
層の厚さは0.6mmであり、第3層の裏面には熱酸化
劣化によるべとつきがあった。この表皮材を用いて、実
施例と同様に樹脂成形体を得たところ、ゲート近辺にお
いて表面凹凸はみられ、樹脂成形体を切断したところ第
3層が溶融流出して第2層が破損していた。
脂成形体とその製造方法では、ソリッドの表面層と、発
泡層と、ソリッドの内側層の3層からなる表皮体に芯体
となる合成樹脂を積層した際にも、内側層が発泡層を保
護して外観的に凹凸を低減した樹脂成形体を得ることが
できる効果がある。
得られた表皮材の断面図である。
溶融樹脂を雄型の型表面に供給する工程を示す。
に押し拡げる工程を示す。
する工程を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1層がソリッドの表面層と、第2層が
発泡層と、第3層がソリッドの内側層の3層からなる表
皮体に、芯体となる合成樹脂を積層した表皮体を有する
樹脂成形体において、上記表皮体の第1層がポリプロピ
レン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重量比
70/30〜30/70の割合で混合した組成物である
スチレン系熱可塑性エラストマーからなり、第2層がポ
リプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーと
を重量比70/30〜30/70の割合で混合した組成
物であるスチレン系熱可塑性エラストマーに発泡剤を加
えて発泡させたものであり、そして第3層がポリプロピ
レン樹脂単体あるいはポリプロピレン樹脂とエチレン・
αオレフィンブロック共重合体の混合物であることを特
徴とする表皮体を有する樹脂成形体。 - 【請求項2】 スチレン系熱可塑性エラストマーが、ポ
リプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーを
重量比80/20〜20/80の割合で混合したもの1
00重量部に対し、更にエチレン単位を有する熱可塑性
エラストマーもしくは樹脂を5〜50重量部混合した組
成物である請求項1記載の表皮体を有する樹脂成形体。 - 【請求項3】 エチレン単位を保有する熱可塑性エラス
トマーが、エチレン・エチレンブチレン・エチレンブロ
ック共重合体、エチレン・オクテンブロック共重合体、
エチレン・αオレフィンブロック共重合体、そしてエチ
レン・プロピレンランダム共重合体から選ばれてなる請
求項2記載の表皮体を有する樹脂成形体。 - 【請求項4】 エチレン単位を保有する熱可塑性樹脂
が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレンから選ばれてなる請求項2記載の表皮
体を有する樹脂成形体。 - 【請求項5】 第1層と発泡剤を除いた第2層の溶融温
度が第3層のそれに比べて高い請求項1記載の表皮体を
有する樹脂成形体。 - 【請求項6】 第1層がソリッドの表面層と、第2層が
発泡層と、第3層がソリッドの内側層の3層からなる表
皮体を一方の型に付着し、雄型と雌型間に溶融樹脂を供
給した後に、両型を閉じて該溶融樹脂をキャビティ内に
押し拡げ、加圧して賦型することで、上記表皮体に芯体
となる合成樹脂を積層した表皮体を有する樹脂成形体の
製造方法において、上記表皮体がポリプロピレン樹脂と
スチレン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/30
〜30/70の割合で混合した組成物であるスチレン系
熱可塑性エラストマーをスラッシュ成形して第1層を形
成し、更にその上にポリプロピレン樹脂とスチレン系熱
可塑性エラストマーとを重量比70/30〜30/70
の割合で混合した組成物であるスチレン系熱可塑性エラ
ストマーに発泡剤を加えてスラッシュ成形し発泡させた
第2層を形成し、そして更にその上にポリプロピレン樹
脂単体あるいはポリプロピレン樹脂とエチレン・αオレ
フィンブロック共重合体の混合物をスラッシュ成形して
第3層を順次連続して積層したものであることを特徴と
する表皮体を有する樹脂成形体の製造方法。
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