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JP3357190B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Publication number
JP3357190B2
JP3357190B2 JP19710494A JP19710494A JP3357190B2 JP 3357190 B2 JP3357190 B2 JP 3357190B2 JP 19710494 A JP19710494 A JP 19710494A JP 19710494 A JP19710494 A JP 19710494A JP 3357190 B2 JP3357190 B2 JP 3357190B2
Authority
JP
Japan
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resin composition
polyolefin
ethylene
acid
present
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP19710494A
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JPH0859911A (ja
Inventor
実 宮田
太一 祢宜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP19710494A priority Critical patent/JP3357190B2/ja
Publication of JPH0859911A publication Critical patent/JPH0859911A/ja
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Publication of JP3357190B2 publication Critical patent/JP3357190B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高湿度下におけるガス
バリアー性に優れ、かつ耐熱水性、延伸性および柔軟性
が改善された樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
は酸素遮断性、機械的強度等の諸性質に優れていること
から、フィルム、シート、容器、繊維等の各種用途に多
用されている。しかし、該共重合体ケン化物は吸湿性が
大きいため、外界の湿度や温度の変化によって成型物の
柔軟性等の物性が大きく変化したり、特に酸素遮断性の
湿度依存性が大きく高湿下での酸素遮断性が低下する難
点がある。又、成型物の延伸性や柔軟性が不足するため
絞り加工等の延伸を伴う加工において延伸ムラが起こ
ったり、成型物の使用時にピンホール等が発生して包装
材料としての用途に制約を受けるのが現状である。かか
る対策として、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物フィルム、シートにポリオレフィン等の耐水性樹
脂をラミネートして外界からの透湿を防止したり、ある
いは該ケン化学物にポリオレフィンを配合して、耐水化
や延伸性、柔軟性の改良を行うことが試みられている。
【0003】しかしながら、前者の方法では、ラミネー
ト操作が必須となる上、かかる加工を行っても、耳端部
からの透湿は避け難く、充分な目的が達成されない。ま
た、後者の方法では、ポリオレフィンとエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物の相溶性が悪いため、成形時に
流動異常が起こり、外観不良になる。また、各種添加剤
の併用により、その欠点を排除するための工夫がなされ
ているものの本質的な解決とはなっていない。
【0004】また、ポリオレフィンは安価な上に、機械
的特性に優れ、加工が容易であり、優れた透明性、耐水
蒸気透過性、安全衛生性にも優れる等の良好な性質を有
しているため、食品、化粧品、トイレタリー製品、化学
薬品等の包装材料として広く使用されている。しかしな
がら、酸素ガス、炭酸ガス等の気体透過性が大きいた
め、これらのガスが侵入することによって内容物の品質
に影響を受けるものについては、使用できないか、また
は極短時間しか使用できないのが実情であった。
【0005】ポリオレフィンの耐気体透過性を改良する
ため、例えば、ポリオレフィンに耐気体透過性のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をブレンドすることが
提案されている(特開昭49−38984)。しかしこ
の方法ではこのブレンド物とポリオレフィンとの接着性
を上げるには、ポリオレフィンのブレンド重量比を全重
量に対し50重量%以上にしなければならず、この際、
ポリオレフィンとの接着性は強固になるが、ブレンド物
層内ではポリオレフィンとエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の相溶性が悪いため成形時に流動異常が起こ
り、外観不良になる。
【0006】また、特開昭53−39380号公報に記
載の発明ではポリオレフィン100重量部にポリオレフ
ィンより3倍以上の高いメルトインデックスを有するエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物25〜60重量
部、エチレン含有率70〜98モル%、ケン化度20%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物5〜40
重量部を使用することを提案している。しかしながら、
ブレンド物層を外層に使用した場合、梨地、波模様が生
じ外観を著しく損ない実用には供し得ない。
【0007】さらに、特開平3−72539号公報に記
載の発明では、ポリオレフィン:エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物60:40〜99.1:0.1の合計
100重量部に対して、エチレン含有率68〜98モル
%、ケン化度20%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物0.3重量部以上、不飽和カルボン酸または
その誘導体により変性されたポリオレフィン0.5〜6
0重量部を使用することを提案している。しかしなが
ら、このブレンド物の相溶性が改善されているとはい
え、未だ充分とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物の高湿度下における、ガス
バリアー性および耐熱水性、延伸性および柔軟性が改善
された樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)(以下EVOHとい
う)あるいは、EVOH(A)とポリオレフィン(C)
にエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂に重合度80〜
1000のポリアミドを反応させた重合体(B)を配合
した樹脂組成物を提供することによって達成される。
【0010】本発明にいうEVOH(A)とはエチレン
と酢酸ビニルの共重合体中の酢酸ビニル成分をケン化し
たものであり、エチレン含有率20〜65モル%、酢酸
ビニル成分のケン化度90%以上であることが重要であ
る。エチレン含有率の好適範囲は20〜60モル%であ
り、さらに好適には20〜50モル%である。またケン
化度の好適範囲は99%以上である。またEVOH
(A)のメルトフローインデックス(MI){190
℃、2160g荷重下での測定:ただし、融点が190
℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重
下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶
対温度の逆数を横軸、メルトインデックス(対数)を横
軸としてプロットし、190℃に外挿した値}は0.1
g/10分以上、好適には0.5g/10分以上であ
り、また100g/10分以下、好適には50g/10
分以下、最適には30g/10分以下である。
【0011】本発明にいうEVOH(A)は5モル%以
下の範囲の共重合モノマーで変性されていてもよく、か
かる変性用モノマーとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アル
キルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミド類あるいはその4級化物、N−ビ
ニルイミダゾール、あるいはその4級化物、N−ビニル
ピロリドン、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン等を例示すること
ができる。
【0012】本発明において、重合体(B)とは、エポ
キシ基含有ポリオレフィン系樹脂(a)に重合度80〜
1000のポリアミド(b)を反応させた重合体であ
り、特に好適にはグラフト重合体である。該重合体、特
にグラフト重合体は、たとえばポリオレフィン系樹脂
に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体をパーオキ
サイド、熱、光、イオン化放射線等の開始剤を用いて、
グラフト重合させて得られる変性オレフィン系重合体に
ポリアミドを溶融状態で混合することによって製造され
る。かかる反応の際にはブラベンダー、バスブレンダ
ー、単軸スクリュー押出機、ウェーナー及びフライデラ
ー型2軸押出機等が使用される。使用するポリオレフィ
ン系樹脂の重合度としては350〜45000、好まし
くは500〜10000程度のものが選ばれる。ポリオ
レフィン系樹脂のMI(230℃、荷重2160g、以
下同様)としては0.1〜50g/10分程度が実用的
である。
【0013】エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグ
リシジルエーテル、ヒドロキシアルキルアクリレートま
たはヒドロキシルメタクリレートのグリシジルエーテル
等が挙げられる。変性量は、エポキシ当量にて700〜
10000、より好適には1000〜5000である。
ここで、エポキシ当量とはエポキシ基を1g当量含有す
る樹脂のg数で表される。エポキシ当量が700未満で
は増粘が激しくゲル化を起こしたり、成形性を損なうな
どの欠点を生じ、一方、10000を越える場合は、E
VOHとの相溶性が乏しいためか、組成物の透明性、機
械的性質が不良で好ましくない。
【0014】また、ポリオレフィン系樹脂を構成するオ
レフィン単量体としてはエチレン、プロピレン、ブチレ
ン等が挙げられ、さらにオレフィン系樹脂の具体例とし
ては、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合
体等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ブチルゴム等が挙げられるが、特に好適には、
低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体が用いられる。
なお、上記ポリオレフィン系樹脂は、他の不飽和単量体
を本発明の目的を損なわない範囲で少量共重合されてい
ても差し支えない。また、本発明においてエポキシ基を
導入したオレフィン系重合体のMIは、0.1〜50g
/10分が好ましく、より好適には0.5〜15g/1
0分である。
【0015】本発明において使用する、ポリアミドは重
合度80〜1000であることが重要であり、好適には
100〜600である。また、エポキシ基含有ポリオレ
フィン系樹脂(a)とポリアミド(b)の重量比率は、
(a):(b)=99.8〜50:0.2〜50が好ま
しく、さらに好適には、99.8〜60〜0.2〜40
である。
【0016】本発明において使用する、ポリアミドはラ
クタムの重付加やアミノカルボン酸の重縮合、ジアミン
とジカルボン酸の重縮合等、周知の方法で製造される。
上記ポリアミド原料としては具体的に、ε−カプロラク
タム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリル
ラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドンのようなラ
クタム類、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン
酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸の
ようなω−アミノ酸類、アジピン酸、グルタル酸、ピメ
リン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウン
デカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン
酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイ
コサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4−ト
リメチルアジピン酸、キシリレンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸のような二塩基酸類、ヘキサメチレンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウン
デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,
2,4(又は2,4,4)−トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)
メタン、メタキシリレンジアミンのようなジアミン類な
どが挙げられる。又、分子量の調節の目的でラウリルア
ミン、オレイルアミン等のモノアミンも適宜使用し得
る。
【0017】本発明においては、前記したEVOH
(A)と重合体(B)とを配合することにより、高湿度
下においてもガスバリアー性に優れ、かつ、耐熱水性、
延伸性および柔軟性が改善される。EVOH(A)と重
合体(B)の配合割合は(A):(B)=99.8〜5
0:0.2〜50、好適には(A):(B)=90〜6
0:5〜40である。(A)の量が多すぎると、高湿度
下のガスバリアー性、柔軟性等が改善されず、逆に
(B)の量が多すぎると、(A)の持つガスバリアー性
がそこなわれる。
【0018】本発明においては、前記EVOH(A)お
よび重合体(B)にポリオレフィン(PO)(C)を配
合することもできる。ポリオレフィン(C)をEVOH
(A)と均一に混合することは通常困難を伴ない、優れ
た特性を有する成形体を得ることはむづかしいが、本発
明にはこのようなポリオレフィン成分(C)をEVOH
(A)に配合しても、不都合はなく、しかもポリオレフ
ィン成分(C)のもつ優れた特性(機械的特性、耐熱
性、ヒートシール性など)を付与することができる。
【0019】本発明のEVOH(A)、重合体(B)お
よびポリオレフィン(C)からなる樹脂組成物は、高湿
度下でのガスバリアー性、柔軟性に優れ、さらに
(A)、(B)および(C)の相溶性も良好であり、ま
た各種機械的強度も優れている。
【0020】本発明の樹脂組成物において(A),
(B),(C)の配合割合は(A)が50〜99.5重
量%、好ましくは60〜95重量%、(B)が0.1〜
15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、(C)が
0.4〜50重量%、好ましくは4.5〜35重量%で
ある。
【0021】ここでポリオレフィン(C)とは、高密
度、中密度あるいは低密度のポリエチレン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、あるいはブテン、ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共
重合したポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリプロピ
レンホモポリマー、エチレンをグラフト重合したポリプ
ロピレン、あるいはエチレン、ブテン、ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合
したポリプロピレン、ゴム系ポリマーをブレンドした変
性ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−
1−ペンテンなどを含んでいる。本発明にとって特に重
要なのはポリプロピレン系樹脂であり、次いでポリエチ
レン系樹脂である。
【0022】本発明の樹脂組成物を得るためのブレンド
方法は、特別に制限はなく、(A)−(B)、または
(A)−(B)−(C)をドライブレンドする方法、
(B)をポリオレフィン(C)またはEVOH(A)の
全部または一部にあらかじめ配合しておく方法、あるい
は、各樹脂の粉砕物をドライブレンドする方法、上記組
成物をブレンドペレット化する方法などがあげられる。
【0023】本発明の樹脂組成物を得るための各成分の
配合手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサーコ
ニーダー、ミキシングロール、押出機、インテイシブミ
キサー等が例示される。
【0024】また本発明の樹脂組成物には、たとえばポ
リオレフィンに慣用の他の添加剤を配合することもでき
る。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填
剤、あるいは他の高分子化合物を挙げることができ、こ
れらを本発明の作用効果が阻害されない範囲内でブレン
ドすることができる。添加剤の具体的な例としては次の
様なものが挙げられる。 酸化防止剤:2,5−t−ブチルハイドロキノン、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオ
ビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチ
レン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,
4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等。
【0025】紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メ
チルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン等。
【0026】可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィ
ン、リン酸エステル等。 帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、
ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。
【0027】着色剤:カーボンブラック、フタロシアニ
ン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタ
ン、ベンガラ等。 充填剤:グラスファイバー、アスベスト、マイカ、バラ
ストナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、
炭酸カルシウム等。 また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が阻
害されない範囲でブレンドすることもできる。本発明の
樹脂組成物は、フィルムに成形して、著効を示すが、フ
ィルム成形に限らず、周知の溶融押出成形機、圧縮成形
機、トラスファ成形機、射出成形機、吹込成形機、熱成
形機、回転成形機、ディップ成形機などを使用して、シ
ート、チューブ、ボトル、カップ、テープ、管、容器な
どの任意の成形品に成形してもフィルムと同様の効果が
得られる。
【0028】本発明の樹脂組成物は、多層構造体の1層
として使用するときには2層以上の任意の層構成をとり
得る。その層構成の適当な例としては、本発明の樹脂組
成物をF、ポリオレフィンをA、EVOHをB、接着材
をADで表わすと次の如き層構成となる。
【0029】2層 A/F 3層 A/F/B、F/B/F、F/AD/B、A/F
/A、F/A/F、F/AD/A 4層 F/B/AD/A、A/F/AD/B、A/F/
AD/A 5層 F/AD/B/AD/F、A/F/B/AD/
A、A/AD/F/AD/A、A/F/B/F/A、A
/B/F/AD/A 6層 A/F/AD/B/AD/A 7層 A/F/AD/B/AD/F/A
【0030】またこのような多層構造体において、本発
明の樹脂組成物は、多層構造体のスクラップで代用する
こともできる。また他のポリオレフィン成形体のスクラ
ップを混合して使用することもできる。多層成形方法と
しては、一般的にいって樹脂層の種類に対応する数の押
出機を使用し、この押出機を使用し、この押出機内で溶
融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時押出成
形するいわゆる共押出成形により実施する方法が最良で
ある。別の方法として、エキストルージョンコーティン
グ、ドライラミネーションなどの多層成形方法も採用さ
れうる。
【0031】また前記のフィルム、多層構造体などの成
形物は必要に応じて延伸を施し、その物性を改善するこ
とも可能である。本発明においては、組成物を溶融成形
して原反となるフィルムなどの成形物を製造する。上記
の如くして得られたフィルムなどの成形物は必要に応
じ、吸湿或は乾燥等の調湿処理した後延伸に供せられる
る 延伸は、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく出
来るだけ高倍率の延伸を行った方が本発明の効果が生か
される。一軸延伸の場合は1.5倍以上、特に2倍以上
とすることが好ましい。二軸延伸の場合は面積倍率で
1.5倍以上、特に2倍以上、更には4倍以上とするこ
とが好ましい。
【0032】延伸方法としてはロール延伸法、テンター
延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法などの他、
絞成形、真空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用で
きる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方法、逐次二軸延
伸方法のいずれの方法も採用できる。延伸温度は40〜
150℃程度の範囲から選ばれる。かくして延伸が終了
した後、次いで熱固定を行う。熱固定は、周知の手段で
実施可能であり、上記延伸成形物(フィルムなど)を緊
張状態に保ちながら50〜160℃、好ましくは80〜
160℃で2〜600秒間程度熱処理を行う。
【0033】得られる延伸成形物(フィルムなど)は必
要に応じ、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミ
ネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、絞り
加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行う
ことができる。本発明の組成物から得られるフィルム、
シート或は容器等は食品、医薬品、工業薬品、農薬等各
種の包装材として有用である。
【0034】
【実施例】以下実施例により、本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例1〜6 各種ポリオレフィン(C)、EVOH(A)(エチレン
含有率28モル%、酢酸ビニル成分のケン化度99.8
%、メルトフローインデックス1.2g/10mi
n)、グラフト重合体(B)を表1に示す。ブレンド比
でドライブレンド後、直径が40mm、L/D=24、
圧縮比3.8のフルフライト型スクリューを有する押出
機で溶融押出し、ペレット(F)を得た。該組成物
(F)を押出温度220℃でT−ダイから押出し厚み2
0μのフィルムを製膜した。(ただし、延伸性評価用に
は180μのフィルムを用いた)
【0036】(1)得られたフィルムを20℃×65%
RH、100%RHに調湿し、ガスバリアー性を測定
(モコン社製10/50型)した所、高湿度下でも良好
なガスバリアー性を示した。また、ゲルボフレックステ
スターを用い、ピンホールが発生するまでのサイクル数
を測定した。 (2)延伸性は、延伸温度70℃でパンタグラフ式二軸
延伸機にかけ、同時二軸延伸(延伸倍率3×3倍)を行
った所、クラック、ムラ、偏肉も少なく良好な延伸性を
示した。
【0037】(3)また該組成物(F)を中間層に用
い、フィードブロック型3種5層共押出装置にかけ、シ
ートを作成した。シートの構成は両最外層ポリプロピレ
ン(三菱ノーブレンMA−6)が800μまた、接着性
樹脂層(三菱油化製「モディックP−300F」:無水
マレイン酸変性ポリプロピレン)が各50μ、中間層
(F)は50μである。該シートを真空圧空成形機にか
け(延伸速度9×105%/分、絞り比1延伸面積倍率
7倍)、150℃で熱成形(SPPF成形)を行なっ
た。得られた成形物は、透明性、外見が良好であり、ク
ラック、偏肉はなかった。
【0038】(4)また、該組成物(F)を中間層に用
い、外層:ナイロン6(MI=48g/10分)接着
層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MI=5.7
g/10分)、内層:プロピレン(MI=8g/10
分)である4種4層の多層フィルムを装膜し、レトルト
適性の評価を実施した。各層の厚み比は、外層/中間層
(F)/接着層/外層=20μ/10μ/5μ/20μ
である。120℃、30分レトルト後のフィルムの外観
は、デラミ、白化もなく良好であった。
【0039】比較例1〜6 実施例1において、グラフト重合体(C)を用いず、他
は実施例1と同様にして、製膜を実施した。ガスバリア
ー性、柔軟性、延伸性および耐熱水性とも実施例1と比
較して不良であった。条件および結果を表1に示す。
【0040】比較例7 実施例1においてポリアミドをグラフトしたエポキシ基
を有するポリプロピレンの代りにポリアミドをグラフト
したポリプロピレンを使用した他は実施例1と同様にし
て製膜を実施した。柔軟性、延伸性、耐熱水性の点で実
施例と比較して不良であった。条件および結果を表1に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例7 実施例1において、ポリオレフィン(C)を用いず、他
は実施例1と同様にして製膜を実施した。ガスバリアー
性、柔軟性、延伸性および耐熱水性とも実施例1と同様
に良好な結果が得られた。条件および結果を表1に示
す。
【0043】
【発明の効果】高湿度下におけるガスバリアー性および
耐熱水性、延伸性、柔軟性の優れた樹脂組成物が得られ
る。また、レトルト容器の素材として使用した場合、レ
トルト後の白化がない。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン含有率20〜65モル
    %、酢酸ビニル成分のケン化度90%以上のエチレン−
    酢酸ビニル共重合体ケン化物および(B)エポキシ基含
    有ポリオレフィン系樹脂(a)に重合度80〜1000
    のポリアミド(b)を反応させた重合体からなり、
    (A):(B)=99.8〜50:0.2〜50の重量
    比である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物にポリオレフ
    ィン(C)を配合してなる、(A):(B):(C)=
    50〜99.5:0.1〜15:0.4〜50の重量比
    である樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物から
    なるフィルムまたはシート。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の樹脂組成物の層
    を少なくとも1層含む多層構造体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の多層構造体からなるレト
    ルト容器。
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