JP3228063B2 - Mosゲート型サイリスタおよびその駆動方法 - Google Patents
Mosゲート型サイリスタおよびその駆動方法Info
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Description
デバイスの一つであり、金属ー酸化膜ー半導体構造のゲ
ートを持つMOSゲート型サイリスタに関する。
ル回路と高耐圧・大電流を扱うアナログ回路を同一の半
導体基板上に作製しワンチップ化したいわゆる「パワー
IC」が、様々な分野に活用されてきている。一般的に
デジタル回路部は、小型のMOSFET(金属ー酸化膜
ー半導体構造のゲートを持つ電界効果トランジスタ)で
回路構成されており、一方、アナログ回路部には、パワ
ーMOSFET、バイポーラトランジスタ、IGBT
(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等が用いられて
いる。これらを集積する事のメリットは、組み立て工数
の低減、回路の信頼性向上、小型化による低価格化等で
ある。
満足に駆動させるためには、電気的に分離することが必
要であり、その手法としては、pn接合による接合分離
や誘電体分離などがあるが、これらはいずれもその分だ
け、製造コストのアップにつながる。コストアップを吸
収し、メリットを引き出すには、デジタル回路とアナロ
グ回路の組み合わせが多数個必要で、且つ、その占有面
積もできるだけ小さくすることが求められる。
して、プラズマディスプレイ用のドライバーICが上げ
られる。図5にその基本回路の出力部の一例を示す。電
源端子101(電圧Vs:190〜220V)とグラン
ド103間には,pチャネルMOSFET51とnチャ
ネル型のIGBT52が直列に接続されており、両素子
の接続点から、プラズマディスプレイの放電管55へと
接続される出力端子102が出ている。又、出力端子1
02には,ダイオード53、54が接続されており、放
電管55の電位を決定するための端子SU及びSDが設
けられている。これらの素子で構成される部分がアナロ
グ回路で,少なくとも電源電圧Vsの耐圧が必要であ
る。pチャネルMOSFET51のゲート端子104お
よびIGBT52のゲート端子105は、5V程度で駆
動するデジタル回路56から制御信号を受けるようにな
っている。デジタル回路56からの出力電力は小さいの
で、制御されるスイッチング素子は電圧駆動型の素子で
あることが必要である。前述した様にアナログ回路とデ
ジタル回路で取り扱う電圧が大きく異なるので、これら
の回路は、基板内部において接合分離や誘電体分離で電
気的に分離されている。プラズマディスプレイ装置は、
X−Y平面上に多数の放電管を配置し表示を行うので、
一画面の構成のためには、走査線本数+分割数(例えば
640+480)の多数の駆動回路が必要であり、この
ような用途には、パワーICを用いるメリットが出てく
る。回路上、比較的大きな電流のスイッチングを行うの
は、nチャネル型のIGBT52で、これは電圧駆動型
でありながらバイポーラ動作をする素子で、電流密度を
大きく取ることができ、素子面積の縮小が可能であるこ
とから採用されている。
充電された電荷をnチャネル型のIGBT52をオンす
ることによって、素早く放電させるものである。プラズ
マディスプレイの階調(画面の白と黒の中間の明るさを
表現できるレベル)を出すためには、一画面中での各放
電管(画素に相当)の放電回数で調整する。従って、放
電回数が、スイッチング素子の速度で律速されないよ
う、スイッチング素子の速度は十分速いことが求められ
る。
ータ)基板を用い、誘電体分離されたパワーICのIG
BT部分の断面図である。支持基板13の上に酸化膜1
4を介して形成されたn型半導体層に更に分離溝を形成
し、その分離溝に酸化膜2等の誘電体を充填して、他の
半導体領域と電気的に絶縁されたn領域1を形成する。
n領域1は、n型のシリコンで比抵抗10〜40Ω・c
m、厚さ3〜30μmである。又、支持基板13とn領
域1間の酸化膜14の厚さは、0.5〜3μmである。
これらの値は、素子の仕様に合わせて決定すればよい。
n領域1の表面には、厚さが0.5〜1μmであるフィ
ールド酸化膜3と、厚さが20〜100nmであるゲー
ト酸化膜4で覆われている。又、ゲート酸化膜4の上に
は、多結晶シリコン膜からなるゲート電極5が積層さ
れ、一部はフィールド酸化膜3の上まで延びている。フ
ィールド酸化膜3で覆われていない部分からは、各種の
不純物が導入されて、n領域1の表面層に次のような構
造が形成されている。図の左側には、ほう素が深さ2〜
5μm程度拡散されたpベース領域6が形成されてい
る。ほう素は、熱処理によって拡散するので、横方向へ
も広がり、フィールド酸化膜3やゲート酸化膜4の下に
もpベース領域6が広がっている。又、pベース領域6
の内部には、ゲート酸化膜4側に高濃度のnエミッタ領
域7が、他の側には、不純物濃度の高いp+ コンタクト
領域8が配置され、さらには、nエミッタ領域7とp+
コンタクト領域8の表面上には、共通に接触する金属
(一般には、Al−Si−Cu)からなるエミッタ電極
9が設けられている。nエミッタ領域7も僅かながらゲ
ート酸化膜4の下に広がっている為、nエミッタ領域
7、pベース領域6及びn型であるn領域1の境界表面
上にゲート酸化膜4を介してゲート電極5を配置したn
チャネル型のMOSFET構造をなしている。図の右側
には、やはりn領域1の表面層に先ずリンが拡散されて
n+ バッファ領域10が形成され、次にほう素が拡散さ
れて、p型のpコレクタ領域11が形成される。これら
の拡散深さや不純物濃度は、IGBTの電圧─電流特性
に応じて決定される。pコレクタ領域11の表面上に
は、金属(一般には,Al−Si−Cu)からなるコレ
クタ電極12が設けられている。上に示す基本構成で横
型のnチャネル型のIGBTが形成され、各電極は、別
のn領域1上に作製されたデジタル回路やpチャネルM
OSFET等と金属配線で接続され、図2に示す回路を
組む事が出来る。
合、素子耐圧VCBO =220V、ゲート駆動電圧VGE=
5Vで、コレクタ電流ICE=400mA(オン電圧V
CE(sat)=10V以下)が求められている。まず、SO
I基板の仕様や不純物の拡散位置および電極の配置で、
素子耐圧が決定される(図6に示す各部の寸法に相
当)。次いで、不純物濃度とIGBTのチャネル幅W
(図6の奥行きの方向)を調整し、できるだけ短いチャ
ネル幅Wでコレクタ電流ICEを確保できるように最適化
する。よって、およその素子面積は、(エッミタ・コレ
クタ電極の間隔)×(チャネル幅W)で決まる。伝導度
変調を伴うバイボーラ動作をするIGBTの場合は、M
OSFETの素子面積の約半分でよく、コストダウンが
期待できる。
いた場合でも、プラズマディスプレイ用パワーICチッ
プにおけるその占有面積は、約70%である。しかも、
プラズマディスプレイの大面積化の傾向により画素数が
ふえれば、ますますチップを大きくしなければならな
い。また、放電管の容量が小さくならなければ、同じ電
荷量を速く放電させるためには、コレクタ電流ICEを増
やさねばならず、チップ面積の増大が避けられないとい
う問題がある。更に、プラズマディスプレイの大面積化
により画素数がふえても、一画面を構成する時間は変わ
らない。従って、一画素あたりのスイッチング速度を速
くしなければならず、高速のスイッチング素子が求めら
れる。
面積が小さく、電流容量が大きく、スイッチング速度が
速いスイッチング素子を提供することにある。
に、本発明のMOSゲート型サイリスタは、第一導電型
半導体層の一主面の表面層の一部に形成された第二導電
型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面層の
一部に形成された第一導電型エミッタ領域と、その第一
導電型エミッタ領域の表面上のみに接して設けられたカ
ソード電極と、第一導電型半導体層の他の表面層の一部
に形成された第二導電型エミッタ領域と、その第二導電
型エミッタ領域の表面上のみに接して設けられたアノー
ド電極と、第一導電型エミッタ領域と第一導電型半導体
層とに挟まれた第二導電型ベース領域の表面露出部上の
ゲート絶縁膜上に、第一導電型エミッタ領域に近い部分
を残して設けられたゲート電極とを有するものとする。
部に形成された第二導電型ベース領域より不純物濃度の
高い第二導電型バッファ領域を有し、その第二導電型バ
ッファ領域の内部に第一導電型エミッタ領域を形成した
MOSゲート型サイリスタとすることもできる。更に、
第一導電型エミッタ領域と第一導電型半導体層とに挟ま
れた第二導電型ベース領域の表面露出部上の、第一導電
型エミッタ領域に近い部分の厚い酸化膜とそれ以外の部
分のそれより薄いゲート酸化膜を介して設けられたゲー
ト電極とを有するものでもよい。
駆動方法としては、ゲート電極の下方に位置する第二導
電型ベース領域の表面層の一部に反転層を形成し得るが
同反転層を通して第一導電型半導体層と第一導電型エミ
ッタ領域とが連結されない大きさの電圧を、ゲート電極
とカソード電極との間に印加してオンさせるものとす
る。
電型ベース領域の表面層に反転層を形成してその反転層
を通して第一導電型半導体層と第一導電型エミッタ領域
とが連結される大きさの電圧を、ゲート電極とカソード
電極との間に印加してオンさせることもできる。更にま
た、ゲート電極の下方に位置する第二導電型ベース領域
の表面層に反転層を形成し得るが同反転層を通して第一
導電型半導体層と第一導電型エミッタ領域とが連結され
ない電圧を印加する場合と、ゲート電極の下方に位置す
る第二導電型ベース領域の表面層に反転層を形成してそ
の反転層を通して第一導電型半導体層と第一導電型エミ
ッタ領域とが連結される電圧を、ゲート電極とカソード
電極との間に印加する場合とを切り換えて駆動すること
もできる。
電型エミッタ領域と第一導電型半導体層とに挟まれた第
二導電型ベース領域の表面露出部上のゲート絶縁膜上
に、第一導電型エミッタ領域に近い部分を残してゲート
電極を設け、MOSゲート部のキャパシタンスを利用し
て、ゲート電極への印加電圧による第二導電型ベース領
域内の変位電流をサイリスタのトリガー電流として使用
するものである。
部に形成された第二導電型ベース領域より不純物濃度の
高い第二導電型バッファ領域を有し、その第二導電型バ
ッファ領域の内部に第一導電型エミッタ領域を形成した
ものや第一導電型エミッタ領域と第一導電型半導体層と
に挟まれた第二導電型ベース領域の表面露出部上の、第
一導電型エミッタ領域に近い部分の厚い酸化膜とそれ以
外の部分のそれより薄いゲート酸化膜を介して設けられ
たゲート電極とを有するMOSゲートサイリスタにおい
ても、同様に第二導電型ベース領域内の変位電流をサイ
リスタのトリガー電流として使用できる。
に印加する電圧が、ゲート電極の下方に位置する第二導
電型ベース領域の表面層の一部に反転層を形成し得るが
同反転層を通して第一導電型半導体層と第一導電型エミ
ッタ領域とが連結されない大きさの電圧であつても、立
ち上がり速度の十分な電圧であれば上記のようなMOS
ゲート型サイリスタを駆動できる。
印加する電圧が、その反転層を通して第一導電型半導体
層と第一導電型エミッタ領域とが連結される大きさの電
圧であれば、通常のMOS型素子と同様に駆動できる。
更にまた、上記二つの状態を状況に応じて切り換えて駆
動することもできる。
MOSゲート型サイリスタについて説明する。図1は、
本発明第一の実施例のMOSゲート型サイリスタの断面
図であり、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板
を用い、誘電体分離されたパワーICの一部である。
成されたn型半導体層に更に分離溝を形成し、その分離
溝に酸化膜22等の誘電体を充填して、他の半導体領域
と電気的に絶縁されたn領域21を形成する。n領域2
1は、n型のシリコンで比抵抗10〜40Ω・cm、厚
さ3〜30μmである。又、支持基板33とn領域21
間の酸化膜34の厚さは、0.5〜3μm程度である。
これらの値は、仕様に合わせて決定すればよい(素子耐
圧等に関係する。)。n領域21の表面には、厚さが
0.5〜1μmであるフィールド酸化膜23と、厚さが
20〜100nmであるゲート酸化膜24で覆われてい
る。又、ゲート酸化膜24の上部には、多結晶シリコン
膜からなるゲート電極25が積層され、一部はフィール
ド酸化膜23の上まで延びている。フィールド酸化膜2
3およびゲート酸化膜24で覆われていない部分には、
各種の不純物が導入されて、n領域21の表面層付近に
次のような構造が形成されている。図の左側には、ほう
素が深さ2〜5μm程度拡散されたpベース領域26が
形成されている。ほう素は、熱処理によって拡散するの
で、横方向へも広がり、フィールド酸化膜23やゲート
酸化膜24の下にもpベース領域26が広がっている。
又、pベース領域26の内部には、高濃度の燐の導入に
よりnエミッタ領域27が配置され、nエミッタ領域2
7の表面上には、金属(一般には、Al−Si−Cu)
からなるカソード電極29が設けられている。この部分
は従来例のIGBTの構造と異なっており、カソード電
極29は、p型領域であるpベース領域26と接しては
いない。又、nエミッタ領域27は、横方向に拡散して
もゲート電極25の下まで広がらないように配置しなけ
ればならない。これは、レジストマスクでイオン注入の
窓を調整するだけでできる。図の右側には、図6の従来
例と同様で、先ずリンが拡散されてn+ バッファ領域3
0が形成され、次にほう素が拡散されてp型のpエミッ
タ領域31が形成される。これらの拡散深さや不純物濃
度は、このMOSゲート型サイリスタの電圧─電流特性
に応じて決定される。pエミッタ領域31の表面上に
は、金属(一般には,Al−Si−Cu)からなるアノ
ード電極31が設けられている。上に示す基本構成で、
本発明による横型のMOSゲート型サイリスタが形成さ
れ、各電極は、別のn領域21上に作製されたデジタル
回路やpチャネルMOSFET等と金属配線で接続され
ている。
方法としては、カソード電極29の下の不純物導入範囲
を、レジストマスクで調整するだけでよいので、既に条
件の決定されたデジタル回路のプロセスと同時に進める
ことが可能である。図2は,本発明によるMOSゲート
型サイリスタの動作原理を説明するためのゲート電極付
近の部分拡大断面図である。本発明の要点は、MOSゲ
ート部分にあるので同部分のみを記載している。先ず、
放電管に電荷が蓄えられた状態では、アノード・カソー
ド(AK)間に220Vの電圧が印加され、pベース領
域26とn領域21の間のpn接合の両側に空乏層が広
がった状態である。ゲート電極25は、カソード電極2
9の電位と等しいとして良い。この時、pベース領域2
6の電位は、n領域21と容量結合した状態で自己整合
した値にほぼ固定される。次に、ゲート電極25にカソ
ード電極29の電位に対して正方向の電位を印加する。
デジタル回路からの制御信号なので、せいぜい5V程度
である。この時、pベース領域26の表面部分の一部に
反転層35が形成され、図2に示すようになる。ただ
し、ゲート電極25は、nエミッタ領域27の上迄達し
ていないので、反転層35はpベース領域26の表面全
面にはできず、nエミッタ領域27に近い部分は反転せ
ずに残る。従って、nエミッタ領域27とn領域21間
が導通するわけではない。反転層35に発生する電子
は、電子が多数キャリヤであるn領域21からも供給さ
れるが、ゲート電位の変化が速い程、pベース領域26
の表面近傍での熱励起によって発生する正孔・電子対か
ら供給される割合が大きくなる。電子は、ゲート電極2
5側に蓄積された正の電荷と容量結合するので、そのま
ま反転層35内に固定されるが、正孔は電位の低いカソ
ード電極29方向へ流れる。従来のIGBTでは、pベ
ース領域6からp+ コンタクト領域8を経てエミッタ電
極9に流れ込む事が出来たが、本発明のMOSゲート型
サイリスタでは、必ず間にnエミッタ領域27が存在す
るので、正孔36の一部はそのpn接合の拡散電位を越
えてnエミッタ領域27に流れ込まざるを得ない。する
と、そのnエミッタ領域27から大量の電子37が注入
され、その一部は正孔と再結合する。この時、再結合で
きなかった電子の流れは、pn接合部の空乏層内で加速
され、アノード電極32方向へと流れてゆく。nエミッ
タ領域27/pベース領域26/n領域21は、npn
トランジスタを構成しており、不純物濃度もそれぞれ1
020以上/1016〜1018/1015以下(単位は 個/
cm3 )で、高hFE(電流増幅率)のバイポーラトラン
ジスタとなっているので、僅かな熱励起で発生した正孔
電流が、大きな電子電流に増幅されたと考えることが出
来る。n領域21を流れる電子は、アノード電極32側
では、pエミッタ領域30/n領域21/pベース領域
26からなるpnpトランジスタのベース電流の役割を
果たすので、これが繰り返されサイリスタが導通状態に
なる。
少変更し、本発明のMOSゲート型サイリスタを試作し
た。従って、占有面積やチャネル幅Wなど全く従来の横
型IGBTと同じである。カソード・アノード間の素子
耐圧VAK=220Vを達成する事ができたので、これに
関する寸法は、従来と同等でよいことが確認できた。次
に、同時に作製したデジタル駆動回路を用いて動作させ
たところ、素子がオンしなかった。そこで、別の駆動回
路を用い、スイッチング速度を制御しながら動作させた
ところ、素子が破壊してしまった。これらの事項を様々
な角度から検討した結果、次の結論に達した。
トリガー電流を供給するので、駆動回路の出力電圧、出
力インピーダンスおよび本発明のMOSゲート型サイリ
スタのゲート入力インピーダンスに関係して素子がオン
する。 過剰なキャリアが供給されるようなゲート電位を印加
すると、サイリスタ動作に移行する過程で、ミラー効果
による伝導度変調が加速され、急激な電流増加率(di
/dtが大きく制御できない)をもたらし、素子が破壊
する。
は、アノード電流IA が、ラッチング電流以上になるよ
うなトリガー電流を供給できるように、駆動回路の出力
特性にあわせて、ゲート入力容量Ciss を、次式のよう
に調整することが必要であることがわかった。 Ciss =CGA(ゲート・アノード間容量)+CGK(ゲー
ト・カソード間容量) この値を実際のデバイス形状から正確に算出することは
困難であるが、ほぼ薄いゲート酸化膜を介して配置され
たゲート電極とシリコンで構成されるコンデンサの面積
に比例すると考えられる。そこで、チャネル幅WをIG
BTの場合に比べて短くし、Ciss を調整した結果、従
来の2/3程度のチャネル幅Wで、破壊することなくサ
イリスタを動作させる事ができた。すなわち、チャネル
幅当たりの電流容量を増大でき、その分素子面積を縮小
できることになる。プラズマディスプレイ駆動用パワー
ICの70%をしめるスイッチング素子部分の縮小であ
るから、極めてその効果は大である。また、同素子をワ
ンチップ化しプラズマディスプレイの模擬回路で試験し
たところ、スイッチング速度も従来の約75%になり、
高速化することにも成功した。これは、サイリスタの空
乏容量が減った効果である。
て、ゲート電荷量から眺めた場合のデバイス動作につい
て述べる。先ず、図7にゲート電荷量Qとゲート電位V
GKの関係を示した。横軸はゲート電荷量、縦軸はゲート
電位である。ただしこの関係は、サイリスタ動作に入る
直前迄のものである。大きく次のように区分できる。 範囲(a)……ゲート電位の印加速度によって、ゲート
トリガー電流IG の大きさをコントロールすることがで
きる領域。(ただし,変位電流) 範囲(b)……ミラー効果によりゲート入力容量Ciss
が大きく変化する領域。空乏容量の変化が主な原因なの
で、その時のアノード−カソード間電圧によって、範囲
が変わる。また、ゲート電位は殆ど変化せず、この間は
電流駆動型のようにみえる。
GKで、チャネルができた状態の領域。素子の内部で、定
常的にベース電流が流れる。パワーMOSFETやIG
BTの動作領域に相当する。サイリスタ動作させる場合
には正帰還がかかり、ゲート電位による内部ベース電流
の調整ではアノード電流を制御できなくなる。 ここで、しきい値VTHの定義に関して、若干の注意が必
要である。本発明のMOSゲート型サイリスタにおいて
は、pベース領域26が浮遊電位なので、正確にはアノ
ード・カソード間電圧に依存して変化する。しかしなが
ら、実用上は、pベース領域の電位はカソード電極とコ
ンタクトを取ったIGBTのしきい値の±0.3V以内
であると考えてよい。
スタは、(a)、(b)の範囲で動作させるものであ
る。基本的にチャネルは開かないので、範囲(c)に入
り込むことはなく、ゲート駆動回路の出力電位は自由に
選べる。ここで、ゲート電荷量Q2 の時までにサイリス
タ動作させる為には、Q2 に達する迄の時間を、ゲート
駆動回路の出力インピーダンスとCiss から算定し、そ
の期間に流れる変位電流をゲートトリガー電流IG とし
て、その大きさを調整するとよい。図8は、サイリスタ
のI−V特性を示している。あるアノード・カソード間
電圧VAKのときに、加えるゲートトリガー電流IG の大
きさが小さいと、アノード電流IA は、ラッチング電流
に達せず、オン状態が継続しない。IG が大きくなる
と、ラッチング電流をこえ、オン状態が継続することを
示している。但し、IG が大き過ぎると素子は急激な電
流増加で破壊する。
ト型サイリスタの要部断面図を示す。図1の第一の実施
例と異なる特徴的なゲート電極部分の断面構造のみを記
載した。他の部分は同じである。図3の第二の実施例に
おいては、ゲート電極45の下にもn−エミッタ領域4
7が配置されている。また、nエミッタ領域47とpベ
ース領域46の間に、pベース領域46より不純物濃度
の高いp+ バッファ領域55を導入した。この部分の不
純物濃度は、1018〜1020cm-3の範囲である。製造
方法としては、p+ バッファ領域55及びnエミッタ領
域47の不純物導入のため、多結晶シリコン膜やフィー
ルド酸化膜43を用いた自己整合プロセスとし、熱拡散
の条件を制御すれば、図の様な構成が出来る。
ト型サイリスタの要部断面図を示す。図1の第一の実施
と異なる特徴的なゲート電極部分の断面構造のみを記載
した。他の部分は同じである。図3の第二の実施例にお
いては、ゲート酸化膜64の一部を厚くした事が特徴で
ある。これは、フィールド酸化膜63のバーズビーク部
分の酸化膜厚が変化する部分を利用し、多結晶シリコン
膜をマスクとしてパターニング・エッチングしたもので
ある。この場合、フィールド酸化膜63に拡散窓を開け
る為のフォトプロセス及びエッチング工程が必要とな
る。他の製造方法としては、第二の実施例と同様にnエ
ミッタ領域67のための不純物導入したのちの熱処理工
程で、多結晶シリコン膜及びnエミッタ領域67の増速
酸化を含んだものにすれば、ほとんどコストアップなし
で製造可能である。
の高いp+ バッファ領域55を設けることにより、又、
図4の第三の実施例の場合は、ゲート酸化膜64の一部
を厚くすることにより、nチャネルMOSFETのしき
い値電圧を高くしている。あくまで、一部分でありCGK
(ゲート・カソード間容量)を大きく変化させるもので
はない。これは、印加したゲート電圧で、充分に反転す
る領域を確保するためである。
リスタでは、ゲート印加電圧VGKをしきい値VTH程度で
動作させる場合には、第一の実施例のサイリスタの場合
と同様な使い方ができる。又、しきい値VTH以上(ただ
し、ゲート酸化膜が絶縁破壊を起こさない範囲)のゲー
ト印加電圧VGKで駆動させた場合には、nエッミタ領域
47、67とn領域41、61との間は、形成されたn
チャネルで結ばれるので、トリガー電流が主回路上の電
源からn領域41、61に供給される。[図7に示す
(c)の範囲に相当する。]このような使い方は、急激
な電流増加で素子が破壊しない事が求められる場合に適
する。そこで、主回路にモータやトランス等のインダク
タンス分を含む場合に活用できる。例えば、交流モータ
ーを駆動させる場合には、起動時や制動時には、大きな
電流(突入電流)を必要とするので、しきい値VTH以上
のゲート電圧VGKを印加して大きなトリガー電流を与
え、又、その点弧角を調整することで平均の電力を制御
できる。定常運転に入った場合には、比較的少ない電力
で良いので、しきい値VTH以下のゲート電圧VGKをパル
ス的に与えることで、変位電流による決まった大きさの
トリガー電流を供給する。この時のトリガー電流の大き
さは、サイリスタ動作が継続しない大きさでなければな
らない。(ラッチング電流以下であれば、一度導通して
も遮断状態に戻る。)電力の調整は、単位時間当たりの
パルス数で調整することができる。従来のパワーMOS
FETやIGBTでは、突入電流を確保する為に素子面
積が大きくなりすぎ、又、従来の電流駆動型のサイリス
タ(SCRのこと)では、低電力時のトリガー電流の調
整が困難であった。本発明の第二、第三の実施例のMO
Sゲート型サイリスタでは、回路の動作状態に応じてゲ
ート電圧を選択することで、スイッチング素子を全く異
なる動作状態で駆動することが可能である。
はにおいては、トリガー電流としてMOSキャパシタン
スに充電する際の変位電流を利用する構造にした。その
ため、トリガー電流をきめ細かく調整することができる
ようになった。従って、電圧駆動型のバイポーラ素子の
代表格であるIGBTとの置き換えが可能になり、その
比較において,次の効果があった。
き、チップの小型化によるコストダウンが期待できる。 小型化により、デバイス自身の持つ空乏容量も小さく
なるので、同部分への充放電が軽減され、スイッチング
速度が速くなり高性能化が図られる。又、ゲート電位の
切り換えだけで、トリガー電流源を変位電流からMOS
チャネル電流に変更できるようにした。これにより、回
路の動作状態に応じてデバイス動作状態を大きく変更す
ることが可能となり、応用分野が拡がる。
タの断面図
するためのゲート近傍の部分拡大断面図
タの要部断面図
タの要部断面図
BT部の断面図
係図
Claims (6)
- 【請求項1】第一導電型半導体層の一主面の表面層の一
部に形成された第二導電型ベース領域と、その第二導電
型ベース領域の表面層の一部に形成された第一導電型エ
ミッタ領域と、その第一導電型エミッタ領域の表面に接
して設けられたカソード電極と、第一導電型半導体層の
他の表面層の一部に形成された第二導電型エミッタ領域
と、その第二導電型エミッタ領域の表面に接して設けら
れたアノード電極と、第一導電型エミッタ領域と第一導
電型半導体層とに挟まれた第二導電型ベース領域の表面
露出部上のゲート絶縁膜上に、第一導電型エミッタ領域
に近い部分を残して設けられたゲート電極とを有するこ
とを特徴とするMOSゲート型サイリスタ。 - 【請求項2】第一導電型半導体層の一主面の表面層の一
部に形成された第二導電型ベース領域と、その第二導電
型ベース領域の表面層の一部に形成された第二導電型ベ
ース領域より不純物濃度の高い第二導電型バッファ領域
と、その第二導電型バッファ領域の内部に形成された第
一導電型エミッタ領域と、その第一導電型エミッタ領域
の表面に接して設けられたカソード電極と、第一導電型
半導体層の他の表面層の一部に形成された第二導電型エ
ミッタ領域と、その第二導電型エミッタ領域の表面に接
して設けられたアノード電極と、第一導電型エミッタ領
域と第一導電型半導体層とに挟まれた第二導電型ベース
領域の表面露出部上にゲート絶縁膜を介して設けられた
ゲート電極とを有することを特徴とするMOSゲート型
サイリスタ。 - 【請求項3】第一導電型半導体層の一主面の表面層の一
部に形成された第二導電型ベース領域と、その第二導電
型ベース領域の表面層の一部に形成された第一導電型エ
ミッタ領域と、その第一導電型エミッタ領域の表面に接
して設けられたカソード電極と、第一導電型半導体層の
他の表面層の一部に形成された第二導電型エミッタ領域
と、その第二導電型エミッタ領域の表面に接して設けら
れたアノード電極と、第一導電型エミッタ領域と第一導
電型半導体層とに挟まれた第二導電型ベース領域の表面
露出部上の、第一導電型エミッタ領域に近い部分の厚い
酸化膜とそれ以外の部分のそれより薄いゲート酸化膜を
介して設けられたゲート電極とを有することを特徴とす
るMOSゲート型サイリスタ。 - 【請求項4】ゲート電極の下方に位置する第二導電型ベ
ース領域の表面層の一部に反転層を形成し得るが同反転
層を通して第一導電型半導体層と第一導電型エミッタ領
域とが連結されない大きさの電圧を、ゲート電極とカソ
ード電極との間に印加してオンさせることを特徴とする
請求項1ないし3のいずれかに記載のMOSゲート型サ
イリスタの駆動方法。 - 【請求項5】ゲート電極の下方に位置する第二導電型ベ
ース領域の表面層に反転層を形成してその反転層を通し
て第一導電型半導体層と第一導電型エミッタ領域とが連
結される大きさの電圧を、ゲート電極とカソード電極と
の間に印加してオンさせることを特徴とする請求項1な
いし3のいずれかに記載のMOSゲート型サイリスタの
駆動方法。 - 【請求項6】ゲート電極に、ゲート電極の下方に位置す
る第二導電型ベース領域の表面層に反転層を形成し得る
が同反転層を通して第一導電型半導体層と第一導電型エ
ミッタ領域とが連結されない電圧を印加する場合と、ゲ
ート電極の下方に位置する第二導電型ベース領域の表面
層に反転層を形成してその反転層を通して第一導電型半
導体層と第一導電型エミッタ領域とが連結される電圧を
印加する場合とを切り換えることを特徴とする請求項1
ないし3のいずれかに記載のMOSゲート型サイリスタ
の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09905795A JP3228063B2 (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | Mosゲート型サイリスタおよびその駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09905795A JP3228063B2 (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | Mosゲート型サイリスタおよびその駆動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08293593A JPH08293593A (ja) | 1996-11-05 |
JP3228063B2 true JP3228063B2 (ja) | 2001-11-12 |
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JP2010092056A (ja) * | 2009-10-14 | 2010-04-22 | Hitachi Ltd | Pdp表示装置 |
-
1995
- 1995-04-25 JP JP09905795A patent/JP3228063B2/ja not_active Expired - Fee Related
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