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JP3216967B2 - 低温焼成誘電体磁器及びその製造方法 - Google Patents

低温焼成誘電体磁器及びその製造方法

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Publication number
JP3216967B2
JP3216967B2 JP08739795A JP8739795A JP3216967B2 JP 3216967 B2 JP3216967 B2 JP 3216967B2 JP 08739795 A JP08739795 A JP 08739795A JP 8739795 A JP8739795 A JP 8739795A JP 3216967 B2 JP3216967 B2 JP 3216967B2
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Japan
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glass
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秀俊 水谷
雅彦 奥山
則隆 吉田
博文 尾関
弘至 片桐
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日本特殊陶業株式会社
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Publication date
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Priority to US08/617,273 priority patent/US5759935A/en
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/01Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
    • C04B35/46Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on titanium oxides or titanates
    • C04B35/462Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on titanium oxides or titanates based on titanates
    • C04B35/465Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on titanium oxides or titanates based on titanates based on alkaline earth metal titanates
    • C04B35/468Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on titanium oxides or titanates based on titanates based on alkaline earth metal titanates based on barium titanates
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    • C04B35/4688Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on titanium oxides or titanates based on titanates based on alkaline earth metal titanates based on barium titanates based on phases other than BaTiO3 perovskite phase containing lead compounds

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波領域での無
負荷Q値(以下、単にQ値ということもある。)が大き
く、且つ銀、銅等の導電率の高い導体と同時焼成して得
られる低温焼成誘電体磁器及びその製造方法に関する。
本発明の低温焼成誘電体磁器は、積層型マイクロ波共振
器及びフィルター等の部品として使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、通信情報量の増大に伴い、自動車
通信、衛星通信、衛星放送等のマイクロ波領域を利用し
た各種の通信システムが急速に発展しつつあり、それに
伴って多くのマイクロ波誘電体材料が開発されている。
このようなマイクロ波領域で使用される誘電体磁器は、
使用周波数が高周波となるに従って無負荷Q値が小さく
なる傾向にあり、 マイクロ波領域での無負荷Q値が大きいこと、 比誘電率(εr )が大きいこと、 共振周波数の温度係数(τf )の絶対値が小さいこ
と、 が所要特性とされている。
【0003】現在、上記のような特性を備える誘電体磁
器として各種のものが開発されているが、無負荷Q値の
大きい材料としては、Ba(Mg1/3 Ta2/3 )O3
Ba(Zn1/3 Ta2/3 )O3 等が、また比誘電率の大
きい材料としては、BaO−TiO2 −RE2 3
(但し、REは希土類元素)等が知られており、それぞ
れ共振器、フィルター等として使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、導体
を内部電極とした積層型の誘電体共振器或いはフィルタ
ー等が提案されているが、マイクロ波のような高周波領
域で使用する積層型の機器等を得るためには、製作上、
導電率の高い金属材料よりなる導体を磁器の表面に形成
したり、磁器と磁器との間に埋設した状態で焼成する必
要があるので、焼成温度が1000℃を越える従来の誘
電体磁器においては、高価ではあるが高温に耐える貴金
属、例えば白金、パラジウム等を使用しなければなら
ず、製造コストの点で問題があった。もし900℃程度
の低温で焼成できる磁器であれば、導体として銀、銅等
の如き安価な金属材料が使用可能となるので製造コスト
の点で極めて有利となる。従って、このような900℃
程度の低温で焼成可能な誘電体磁器の実現が望まれてい
た。
【0005】一般にセラミックスの低温焼成を実現する
ためには、焼結助剤としてガラスフリットを添加する手
法、原料粉末をサブミクロン以下の微粉とする手法、或
いはゾル−ゲル法等のケミカルプロセスを用いる方法等
が挙げられる。しかし、通常の誘電体材料はガラスとの
反応性が低く、ガラスを添加した場合に緻密度の高いセ
ラミックスとすることは困難であり、その他、無負荷Q
値が著しく小さくなるという問題も生ずる。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、900℃程度の低温にて焼成することができ、従っ
て上記の導電率の高い導体との同時焼成が可能であり、
且つマイクロ波領域での無負荷Q値が大きく、共振周波
数の温度係数の小さい低温焼成誘電体磁器及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、BaO−
TiO2 系組成物において、τf を実用的な特性範囲に
維持しつつ高い無負荷Q値を備え、且つ低温で焼成して
製造することができる組成について種々検討した結果、
上記の BaO−TiO2 系組成物に特定の金属酸化物
を特定量含有してなる仮焼粉末に、特定の転移点を有す
るガラス粉末を少量添加し、焼成することにより、ガラ
スの添加による焼結体の緻密性の低下という欠点が解消
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】第1発明の低温焼成誘電体磁器は、BaO
・xTiO 2 〔但し、3.0≦x≦5.7〕で表される
組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部のZ
nO、0.1〜10重量部のTa 2 5 、0.1〜1重量
部のMnO 2 を含有してなる仮焼粉末に、転移点が45
0℃以下のガラス粉末が、該仮焼粉末と該ガラス粉末の
合計100重量部に対して0.1〜20重量部添加さ
れ、焼成されてなり、吸水率が5%以下、且つ請求項1
記載の方法により測定した無負荷Q値と共振周波数との
積が2000GHz以上であることを特徴とする。 第2
発明の低温焼成誘電体磁器は、BaO・xTiO2〔但
し、3.0≦x≦5.7〕で表される組成物100重量
部に対して、0.1〜20重量部のZnO、0.1〜1
0重量部のTa25、0.1〜1重量部のMnO2、並
びに1重量部以下のWO3、15重量部以下のSnO2
15重量部以下のMgO、10重量部以下のSrO及び
5重量部以下のZrO2のうちの少なくとも1種を含有
してなる仮焼粉末に、転移点が450℃以下のガラス粉
が、該仮焼粉末と該ガラス粉末の合計100重量部に
対して0.1〜20重量部添加され、焼成されてなり、
吸水率が5%以下、且つ請求項記載の方法により測定
した無負荷Q値と共振周波数との積が2000GHz以
上であることを特徴とする。
【0009】また、第発明の低温焼成誘電体磁器の製
造方法は、BaO・xTiO 2 〔但し、3.0≦x≦
5.7〕で表される組成物100重量部に対して、0.
1〜20重量部のZnO、0.1〜10重量部のTa 2
5 、0.1〜1重量部のMnO 2 が含有された組成にな
るように、原料を調合した後、900〜1200℃にて
仮焼して仮焼体を製造し、その後、該仮焼体を粉砕し、
転移点が450℃以下のガラスの粉末を、該仮焼粉末と
該ガラス粉末の合計100重量部に対して0.1〜20
重量部添加し、混合した後、所定形状に成形し、次い
で、850〜1000℃にて焼成することを特徴とす
る。 第5発明の低温焼成誘電体磁器の製造方法は、Ba
O・xTiO2〔但し、3.0≦x≦5.7〕で表され
る組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部の
ZnO、0.1〜10重量部のTa25、0.1〜1重
量部のMnO2、並びに1重量部以下のWO3、15重量
部以下のSnO2、15重量部以下のMgO、10重量
部以下のSrO及び5重量部以下のZrO2のうちの少
なくとも1種が含有された組成になるように、原料を調
合した後、900〜1200℃にて仮焼して仮焼体を製
造し、その後、該仮焼体を粉砕し、転移点が450℃以
下のガラスの粉末を、該仮焼粉末と該ガラス粉末の合計
100重量部に対して0.1〜20重量部添加し、混合
した後、所定形状に成形し、次いで、850〜1000
℃にて焼成することを特徴とする。
【0010】上記xが3.0未満又は5.7を越えた場
合は、Q値が低下する。また、上記「ZnO」及び上記
「Ta2 5 」は、ガラスの配合量が少量であっても低
温焼成を可能とするために添加するものであり、このZ
nO又はTa2 5 が0.1重量部未満では、低温焼成
が難しくなり、ZnOが20重量部を越える場合、又は
Ta2 5 が10重量部を越える場合はQ値が低下す
る。更に、上記「MnO2 」は焼結性をより改善するた
めに添加するものであるが、この配合量が0.1重量部
未満では緻密度が不十分となり、1重量部を越えるとQ
値及びεr が低下する。
【0011】また、上記の3種類以外の酸化物は必要に
応じてそれらのうちの少なくとも1種を添加すればよ
く、上記「WO3 」はQ値の向上のため添加するもので
あるが、この配合量が1重量部を越えると却ってQ値が
低下する。上記「SnO2 」はτf の値を負側へシフト
させるために添加するものであるが、この配合量が15
重量部を越えるとQ値及びεr が著しく低下する。
【0012】更に、上記「MgO」はτf の値を制御
し、絶対値を小さくするために添加するものであるが、
この配合量が15重量部を越えるとQ値及びεr が大き
く低下し、上記「SrO」はεr を高めるために添加す
るものであるが、この配合量が10重量部を越えるとQ
値が低下し、τf が実用域から外れてしまう。また、上
記「ZrO2 」はτf を負側へシフトさせるために添加
するものであるが、この配合量が5重量部を越えると、
Q値が低下する。
【0013】また、上記「ガラス」は低温焼成において
緻密な焼結体を得るために添加するものであり、この
「転移点」が「450℃」を越えると、特にその配合量
が比較的少量の場合には十分に緻密な焼結体を得ること
ができず、更に、配合量が0.1重量部未満では、転移
点が450℃以下のガラスを使用しても、低温焼成にお
ける緻密化は困難となり、配合量が20重量部を越える
とQ値の低下が著しく、マイクロ波領域での誘電特性の
測定ができなくなるほど性能が低下する。
【0014】更に、上記ガラスとしては、第発明のよ
うに、その全量中に5〜60モル%のPbOを含有した
ものが好ましく、このようなガラスを使用すれば低温に
おける焼結がより促進される。このPbOの含有量が5
モル%未満では、焼結促進の効果が小さく、60モル%
を越える場合は、得られる磁器のQ値が低下する。ま
た、このガラスは、第発明のように、PbOの他に
0.1〜5モル%のアルカリ金属元素の酸化物をも含有
することが好ましく、これにより焼結性が一段と向上す
る。この配合量が0.1モル%未満では焼結促進の効果
が小さく、5モル%を越えるとQ値が低下する。
【0015】また、本発明では、第発明のように、上
記「仮焼粉末」と「ガラス粉末」の「平均粒子径」も焼
結体の緻密度に大きく影響を及ぼすものであり、仮焼粉
末の平均粒子径が「1〜3μm」を外れると、得られる
焼結体の緻密度が低下するため好ましくなく、ガラス粉
末の平均粒子径が「0.1〜1.5μm」を外れ、0.
1μm未満では仮焼粉末との均一な分散混合が難しくな
り、1.5μmを越えると磁器の緻密化が不十分となる
ため好ましくない。
【0016】更に、上記仮焼の温度が900℃未満では
Q値が小さくなり、1200℃を越える場合は、τf
正側へ大きくなり、実用域から外れる。また、上記焼成
の温度が850℃未満では緻密化が困難であり、100
0℃を越える場合は、Q値が低下し、且つτf が実用域
から外れる。また、銀、銅等の導体材料との同時焼成が
困難となる。この焼成温度は850〜950℃の範囲が
特に好ましく、この温度範囲であれば、高いQ値及び小
さいτf を有し、且つ緻密度の高い低温焼成誘電体磁器
を得ることができる。
【0017】
【作用】本発明ではBaO−TiO2 −添加成分系の仮
焼粉末に、低い転移点を有する特定のガラス成分を少量
添加することにより、誘電特性の劣化を最小限に抑え、
且つ低温において焼成可能とし、緻密度が高く、しかも
優れた誘電特性を有する低温焼成誘電体磁器を得ること
ができたものである。
【0018】また、上記のように転移点が低いガラスの
使用というだけでは、磁器原料との反応性が必ずしも十
分とはいえない場合は、特定量のPbOを含有するガラ
スの使用が好ましく、更に、本発明では、通常、無負荷
Q値を低下させるため好ましくないとされているアルカ
リ金属元素の酸化物をも併せて含有するガラスを使用し
てもよく、その場合、より少量のガラスによって低温に
おける焼結性をより向上させることができ、使用量が少
量であるため誘電特性もそれほど低下はしない。
【0019】更に、本発明における磁器原料とガラスと
の反応について詳述すれば、仮焼粉末にガラス粉末を添
加して焼成すると、仮焼粉末とガラス液相が反応を起こ
し、液状の反応物を生成して焼結が促進され、特にPb
Oを含有するガラスを使用した場合には、900℃前後
の焼成温度でのガラス融液の粘度が十分に低下し、且つ
仮焼粉末成分と化学的に反応することにより焼結が進行
し、900℃程度の低温で緻密化が可能になったものと
考えられる。
【0020】尚、実際に得られた磁器の結晶相は、ガラ
スを添加しなかった場合とは異なった結晶相となってい
た。また、特にBaO−TiO2 −添加成分系の磁器原
料と、PbO−アルカリ金属元素酸化物系ガラスとの組
み合わせでは、両者が互いに高い反応性を有するととも
に、両者の間に特定の共融組成液が生成することによ
り、著しい焼結促進効果が奏せられたものと推察され
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (1) 仮焼粉末の調製 BaCO3 、TiO2 、ZnO、Ta2 5 、Mn
2 、WO3 、SnO2 、MgO、SrO及びZrO2
の各粉末を、得られる仮焼粉末が表1に示す組成になる
ように秤量して、ミキサーによって乾式で粉砕、混合を
行った。得られた混合粉末を大気雰囲気下、1000℃
の温度で6時間仮焼した。この仮焼体を湿式粉砕した
後、乾燥し、平均粒径約2μmの仮焼粉末を得た。尚、
表1において、*は発明の範囲外であることを表す。
【0022】
【表1】
【0023】(2) ガラス粉末の調製 Pb3 4 、SiO2 、H3 BO3 、ZnO、CaO、
Bi2 3 、Al2 3 及びNa2 Oの各粉末を、得ら
れるガラス粉末が表2に示した組成になるように秤量
し、混合した後1100℃の温度で2時間熔融し、その
後、水中に投入してガラスを得た。このガラスを湿式粉
砕した後乾燥し、平均粒径約1μmのガラス粉末を得
た。
【0024】
【表2】
【0025】(3) 低温焼成誘電体磁器の調製 実施例1〜0及び比較例1〜16 上記のようにして得た仮焼粉末(平均粒径;2μm)と
ガラス粉末(平均粒径;1μm)とを、表3〜5に示す
組み合わせ及び割合でエタノール中において混合し、乾
燥後、樹脂を加えて造粒し、この造粒粉を800kg/
cm2の圧力で底面の直径が25mm、高さが15mm
の円柱状に成形した。その後、1500kg/cm2
圧力でCIP(等方静水圧プレス)処理を行い、次い
で、処理後の成形体を大気雰囲気下、900℃の温度で
2時間焼成した。
【0026】上記のようにして得られた低温焼成誘電体
磁器を研磨した後、平行導体板型誘電体共振器法によ
り、測定周波数1〜5GHzにおいて比誘電率、無負荷
Q値及び共振周波数の温度係数(τf 、温度範囲;25
〜80℃)を測定した。誘電損失が大きく共振波形が得
られなかったものは、各表中において測定不能と表記し
た。また、JIS C2141に準じて磁器の吸水率を
測定した。
【0027】実施例1〜15の結果を表3に、実施例1
6〜30の結果を表4に、比較例1〜16の結果を表5
にそれぞれ併記する。尚、表3〜5及び後記の表5〜6
において、誘電特性の評価は(Q×f)で表す。fは誘
電特性の測定周波数であり、Q値測定毎に多少の変動が
あり、この積の形がより正確に誘電特性を表すものであ
る。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表3〜4の結果によれば、実施例1〜30
のいずれにおいても、吸水率は0.1%未満であり、
(Q×f)値は最小でも2250GHzと高く、また、
共振周波数の温度係数も最大でも+18ppm/℃と小
さく、緻密度が非常に高く、誘電特性に優れた磁器が得
られていることが分かる。尚、実施例21〜30では、
アルカリ金属元素の酸化物(Na2 O)を含むガラスの
粉末を使用しており、量比が5重量部と実施例1〜20
の半分となっているが、同様に優れた性能の磁器が得ら
れており、ガラス中のアルカリ金属元素の酸化物の効果
が裏付けられている。
【0032】一方、表5の結果によれば、MnO2 、W
3 、SnO2 及びZrO2 がそれぞれ上限を越えてい
る各比較例では、緻密度は十分に高いが、誘電特性は測
定不能なほどに劣っており、また、x値が上下限を外れ
た比較例、及びZnO、Ta2 5 、MgO、SrOが
それぞれ上限を越えた各比較例では、同様に緻密度は高
いが、その誘電特性は、測定可能ではあるものの、(Q
×f)値は最大でも1430GHzと各実施例に比べて
大きく劣っていることが分かる。更に、転移点が450
℃を越えるガラスを使用した各比較例では、誘電特性が
測定不能なほどに劣っているとともに、吸水率も8〜3
4%と大きく、緻密度も非常に低いことが分かる。尚、
ガラスの転移点の上昇とともに、緻密度がより低下する
傾向もみられる。
【0033】実施例31〜33及び比較例17〜20 表1の仮焼粉末及び表2のガラス粉末から、それぞれ選
んだ組み合わせにおいて、その量比を上記各実施例、比
較例とは更に変え、同様の方法によって磁器を調製し、
同様の方法でその吸水率及び誘電特性を測定した。仮焼
粉末組成とガラス粉末組成の番号、それらの量比及び吸
水率と誘電特性の測定結果を表6に示す。尚、表6にお
いて、*は発明の範囲外であることを表す。
【0034】
【表6】
【0035】表6の結果によれば、ガラス粉末の量比が
5〜20重量部の範囲で、緻密度、誘電特性ともに優れ
た磁器が得られていることが分かる。尚、実施例31の
ガラスにはアルカリ金属元素の酸化物が含まれており、
その効果もあるものと思われるが、ガラス粉末の量比が
小さい方が(Q×f)、τf ともにより改善される傾向
にある。一方、ガラス粉末を添加しなかった比較例17
では、緻密度、誘電特性ともに非常に劣っており、ガラ
ス粉末を25重量部以上使用した比較例18〜20で
は、緻密度は優れているものの、誘電特性は測定不能な
ほどに劣っていることが分かる。
【0036】実施例34〜39 表1の仮焼粉末及び表2のガラス粉末から、それぞれ選
んだ組み合わせにおいて、それぞれの粉末の平均粒子径
を変え、同様の方法によって磁器を調製し、同様の方法
でその吸水率と誘電特性を測定した。仮焼粉末組成とガ
ラス粉末組成の番号、それらの量比、粒子径、吸水率及
び誘電特性の測定結果を表7に示す。
【0037】
【表7】
【0038】表7の結果によれば、仮焼粉末及びガラス
粉末の平均粒子径が、第発明の範囲内にある実施例3
4〜36では、緻密度及び誘電特性いずれも優れた磁器
が得られるが、それぞれの粒子径が第発明の範囲を外
れている実施例37〜39では、誘電特性には特に問題
はないが、吸水率が2〜5%となっており、緻密度がや
や劣っており、特に両粒子径が大きくなるに連れ、吸水
率がより上昇していることが分かる。これらの磁器は性
能がやや劣るとはいえ、実用に供し得る範囲ではある
が、この結果は、第発明の効果を裏付けるものであ
る。
【0039】
【発明の効果】第1又は第2発明の特定の組成を有する
誘電体磁器は、緻密度が高く、且つ無負荷Q値が大きい
とともに共振周波数の温度係数が小さく、特に第発明
では、非常に緻密度の高い誘電体磁器が得られる。ま
た、第4又は第5発明によれば、第1又は第2発明の特
定の組成となるように調製された磁器原料と、特定量の
ガラスとを比較的低温で焼成することにより、優れた緻
密度と誘電特性とを併せ有する低温焼成誘電体磁器を製
造することができる。特に、第発明に特定された
ガラス粉末を使用し、更に、第発明に特定された平均
粒子径の仮焼粉末及びガラス粉末を使用することによ
り、ガラス粉末の使用量が少ない場合であっても、何ら
問題なく緻密性及び誘電特性に優れた低温焼成誘電体磁
器を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾関 博文 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 片桐 弘至 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−321631(JP,A) 特開 平6−215624(JP,A) 特開 平5−70222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BaO・xTiO2〔但し、3.0≦x
    ≦5.7〕で表される組成物100重量部に対して、
    0.1〜20重量部のZnO、0.1〜10重量部のT
    25、0.1〜1重量部のMnO2を含有してなる仮
    焼粉末に、転移点が450℃以下のガラス粉末が、該仮
    焼粉末と該ガラス粉末の合計100重量部に対して0.
    1〜20重量部添加され、焼成されてなり、吸水率が5
    %以下、且つ下記方法により測定した無負荷Q値と共振
    周波数との積が2000GHz以上であることを特徴と
    する低温焼成誘電体磁器。 無負荷Q値:平行導体板型誘電体共振器法、測定周波
    数;1〜5GHz
  2. 【請求項2】 BaO・xTiO2〔但し、3.0≦x
    ≦5.7〕で表される組成物100重量部に対して、
    0.1〜20重量部のZnO、0.1〜10重量部のT
    25、0.1〜1重量部のMnO2、並びに1重量部
    以下のWO3、15重量部以下のSnO2、15重量部以
    下のMgO、10重量部以下のSrO及び5重量部以下
    のZrO2のうちの少なくとも1種を含有してなる仮焼
    粉末に、転移点が450℃以下のガラス粉末が、該仮焼
    粉末と該ガラス粉末の合計100重量部に対して0.1
    〜20重量部添加され、焼成されてなり、吸水率が5%
    以下、且つ下記方法により測定した無負荷Q値と共振周
    波数との積が2000GHz以上であることを特徴とす
    る低温焼成誘電体磁器。 無負荷Q値:平行導体板型誘電体共振器法、測定周波
    数;1〜5GHz
  3. 【請求項3】 上記吸水率が0.1%未満である請求項
    又は2記載の低温焼成誘電体磁器。
  4. 【請求項4】 BaO・xTiO2〔但し、3.0≦x
    ≦5.7〕で表される組成物100重量部に対して、
    0.1〜20重量部のZnO、0.1〜10重量部のT
    25、0.1〜1重量部のMnO2が含有された組成
    になるように、原料を調合した後、900〜1200℃
    にて仮焼して仮焼体を製造し、その後、該仮焼体を粉砕
    し、転移点が450℃以下のガラスの粉末を、該仮焼粉
    末と該ガラス粉末の合計100重量部に対して0.1〜
    20重量部添加し、混合した後、所定形状に成形し、次
    いで、850〜1000℃にて焼成することを特徴とす
    る低温焼成誘電体磁器の製造方法。
  5. 【請求項5】 BaO・xTiO2〔但し、3.0≦x
    ≦5.7〕で表される組成物100重量部に対して、
    0.1〜20重量部のZnO、0.1〜10重量部のT
    25、0.1〜1重量部のMnO2、並びに1重量部
    以下のWO3、15重量部以下のSnO2、15重量部以
    下のMgO、10重量部以下のSrO及び5重量部以下
    のZrO2のうちの少なくとも1種が含有された組成に
    なるように、原料を調合した後、900〜1200℃に
    て仮焼して仮焼体を製造し、その後、該仮焼体を粉砕
    し、転移点が450℃以下のガラスの粉末を、該仮焼粉
    末と該ガラス粉末の合計100重量部に対して0.1〜
    20重量部添加し、混合した後、所定形状に成形し、次
    いで、850〜1000℃にて焼成することを特徴とす
    る低温焼成誘電体磁器の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ガラスは、その全量を100モル%
    とした場合に、5〜60モル%のPbOを含有している
    請求項4又は5記載の低温焼成誘電体磁器の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記ガラスは、その全量を100モル%
    とした場合に、5〜60モル%のPbO及び0.01〜
    5モル%のR2O〔但し、Rはアルカリ金属元素であ
    る。〕を含有している請求項4又は5記載の低温焼成誘
    電体磁器の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記仮焼粉末の平均粒子径が1〜3μm
    であり、上記ガラスの粉末の平均粒子径が0.1〜1.
    5μmであって、且つ該ガラスの粉末の平均粒子径は該
    仮焼粉末の平均粒子径未満である請求項のいずれ
    か1項に記載の低温焼成誘電体磁器の製造方法。
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