JP3206972B2 - 微粒超硬合金 - Google Patents
微粒超硬合金Info
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- JP3206972B2 JP3206972B2 JP21210892A JP21210892A JP3206972B2 JP 3206972 B2 JP3206972 B2 JP 3206972B2 JP 21210892 A JP21210892 A JP 21210892A JP 21210892 A JP21210892 A JP 21210892A JP 3206972 B2 JP3206972 B2 JP 3206972B2
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- Japan
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- cemented carbide
- fine
- grain
- weight
- binder phase
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はソリッドエンドミル・ド
リル等に使用される超硬合金に関する。
リル等に使用される超硬合金に関する。
【0002】
【従来の技術】ソリッドエンドミル・ドリルのように、
鋭利な切り刃の切削工具は、超硬合金自体の強度を向上
させるとともに、切り刃をシャープエッジとするため硬
質相となるWC粒子は微細なほど多く利用されている。
また、より微細化を計るため、超硬合金中に粒抑制材を
ドープし、微細化にともなう焼結時における粒成長を抑
える効果をもたせた材料が通常使用されている。
鋭利な切り刃の切削工具は、超硬合金自体の強度を向上
させるとともに、切り刃をシャープエッジとするため硬
質相となるWC粒子は微細なほど多く利用されている。
また、より微細化を計るため、超硬合金中に粒抑制材を
ドープし、微細化にともなう焼結時における粒成長を抑
える効果をもたせた材料が通常使用されている。
【0003】粒抑制材としては、特公昭62−5694
4号などに示されているV、Crを複合添加し、さらに
TaCを追加したものが知られ、それらに使用されるW
Cの平均の粒径は0.4〜0.5μm前後と細かいもの
が使用されている。微細な粒子により超硬合金の硬さは
結合相の平均粒子間距離に依存するため、平均粒子間距
離が小さいほど硬くなる。よって、超硬合金の硬さを同
一結合相量で比較すると炭化物の粒度が細かくなるほど
炭化物間の距離は小さくなり、これに伴い結合相の平均
粒子間距離も小さくなり硬くなる。
4号などに示されているV、Crを複合添加し、さらに
TaCを追加したものが知られ、それらに使用されるW
Cの平均の粒径は0.4〜0.5μm前後と細かいもの
が使用されている。微細な粒子により超硬合金の硬さは
結合相の平均粒子間距離に依存するため、平均粒子間距
離が小さいほど硬くなる。よって、超硬合金の硬さを同
一結合相量で比較すると炭化物の粒度が細かくなるほど
炭化物間の距離は小さくなり、これに伴い結合相の平均
粒子間距離も小さくなり硬くなる。
【0004】従って、炭化物粒度を微細にすると同一硬
さレベルにするため結合相の量を増加させることが可能
であり、これに伴い合金の靱性は著しく向上し得る。こ
のように微粒にしたことにより結合相量の増加が可能に
なり靱性が大巾に改善されている。
さレベルにするため結合相の量を増加させることが可能
であり、これに伴い合金の靱性は著しく向上し得る。こ
のように微粒にしたことにより結合相量の増加が可能に
なり靱性が大巾に改善されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、粒抑制材は
添加することは、特にVCの場合には粒界に偏析しやす
い傾向が大きく、結合相であるCoの強度を劣化させ、
また、微細化とともに硬質相の平均粒子間距離がより小
さくなるため結合金属の総量を増やして補っているが、
結合金属量が増加すると、工具寿命は安定するが、その
反面、耐溶着性、切削速度、剛性(特にたおれ)等に対
してはCo量をよりすくなめるほうが効果的である。
添加することは、特にVCの場合には粒界に偏析しやす
い傾向が大きく、結合相であるCoの強度を劣化させ、
また、微細化とともに硬質相の平均粒子間距離がより小
さくなるため結合金属の総量を増やして補っているが、
結合金属量が増加すると、工具寿命は安定するが、その
反面、耐溶着性、切削速度、剛性(特にたおれ)等に対
してはCo量をよりすくなめるほうが効果的である。
【0006】
【問題を解決するための手段】特に、高品位な仕上げ面
を得るため切削速度を上げると、溶着により仕上げ面が
劣化するか、溶着等から切り屑を巻き込み切れ刃がチッ
ピング、欠損を生じたりして使用不能となることが多か
った。そのため本願発明は超硬合金の特徴である剛性を
最大限に発揮させるため、適度な粒径(粒抑制剤)と粒
抑制材量を適鞭選択することにより達成したものであ
る。
を得るため切削速度を上げると、溶着により仕上げ面が
劣化するか、溶着等から切り屑を巻き込み切れ刃がチッ
ピング、欠損を生じたりして使用不能となることが多か
った。そのため本願発明は超硬合金の特徴である剛性を
最大限に発揮させるため、適度な粒径(粒抑制剤)と粒
抑制材量を適鞭選択することにより達成したものであ
る。
【0007】そのため、本願発明は、硬質相、粒抑制
剤、結合相からなる超硬合金において、前記硬質相の平
均粒度は0.7〜1.0μmのWC80〜95%からな
り、前記粒抑制材は、Cr3C2を0.5〜1.0重量
%、VCを0.05〜0.2重量%とからなり、前記結
合相は、鉄族金属の1種又は2種以上、残部からなり、
且つ、前記微粒超硬合金の抗折力を350kg/mm2
以上としたことを特徴とする微粒超硬合金であり、更
に、上記粒抑制剤に、TaCを1.5重量%以下添加し
た微粒超硬合金であります。さらに好ましくは、上記粒
抑制剤においても、その抑制剤の添加量に応じて抑制効
果と強度劣化の程度が異なるため、VCは0.05〜
0.1%程度に抑えた方がより効果的である。
剤、結合相からなる超硬合金において、前記硬質相の平
均粒度は0.7〜1.0μmのWC80〜95%からな
り、前記粒抑制材は、Cr3C2を0.5〜1.0重量
%、VCを0.05〜0.2重量%とからなり、前記結
合相は、鉄族金属の1種又は2種以上、残部からなり、
且つ、前記微粒超硬合金の抗折力を350kg/mm2
以上としたことを特徴とする微粒超硬合金であり、更
に、上記粒抑制剤に、TaCを1.5重量%以下添加し
た微粒超硬合金であります。さらに好ましくは、上記粒
抑制剤においても、その抑制剤の添加量に応じて抑制効
果と強度劣化の程度が異なるため、VCは0.05〜
0.1%程度に抑えた方がより効果的である。
【0008】
【作用】次に数値を限定した理由を述べる。WCは、8
0%未満では所望の耐摩耗性が得られなく、又95%を
超えて含有させると靱性劣化より欠損しやすくなること
から80〜95%とした。Cr3C2、VC、TaCは
焼結時の粒成長を抑制するために添加するが、Cr3C
2は0.5%未満ではその効果が少なく、1.0%を超
えて含有させると靱性を著しく劣化させるため0.5〜
1.0%とし、VCは0.05%未満ではその効果が少
なく、0.2%を超えて含有させると靱性を著しく劣化
させるため0.05〜0.2%、更に好ましくは、0.
05〜0.1%程度に抑え、靱性を劣化させないような
添加量とする。また、また、TaCは、Cr3C2、V
Cの添加量により0でも良く、添加する場合には1.5
%以下とした。1.5%を超えて含有させると靱性を著
しく劣化させるためである。結合相は5%未満だと靱性
が劣化し、30%を超えて含有させると耐摩耗性が極端
に悪くなるため5〜30%とした。
0%未満では所望の耐摩耗性が得られなく、又95%を
超えて含有させると靱性劣化より欠損しやすくなること
から80〜95%とした。Cr3C2、VC、TaCは
焼結時の粒成長を抑制するために添加するが、Cr3C
2は0.5%未満ではその効果が少なく、1.0%を超
えて含有させると靱性を著しく劣化させるため0.5〜
1.0%とし、VCは0.05%未満ではその効果が少
なく、0.2%を超えて含有させると靱性を著しく劣化
させるため0.05〜0.2%、更に好ましくは、0.
05〜0.1%程度に抑え、靱性を劣化させないような
添加量とする。また、また、TaCは、Cr3C2、V
Cの添加量により0でも良く、添加する場合には1.5
%以下とした。1.5%を超えて含有させると靱性を著
しく劣化させるためである。結合相は5%未満だと靱性
が劣化し、30%を超えて含有させると耐摩耗性が極端
に悪くなるため5〜30%とした。
【0009】次に硬質相の平均粒度は1.0μmを超え
ると硬さが軟らかくなりすぎ、耐摩耗性を劣化させる。
又、硬さの低下を防ぐため結合相量を減らすと靱性劣化
を招き所望の特性が得られない。又0.7μm未満で
は、その粒径を得るため出発原料の制約を受け、かつ必
要以上に粒抑制剤の添加量を増やさなければならないた
め0.7〜1.0μmとした。以下、実施例にて具体的
に説明する。
ると硬さが軟らかくなりすぎ、耐摩耗性を劣化させる。
又、硬さの低下を防ぐため結合相量を減らすと靱性劣化
を招き所望の特性が得られない。又0.7μm未満で
は、その粒径を得るため出発原料の制約を受け、かつ必
要以上に粒抑制剤の添加量を増やさなければならないた
め0.7〜1.0μmとした。以下、実施例にて具体的
に説明する。
【0010】
【実施例】市販のWC粉末(平均粒径0.8μm)、T
aC(同1.5μm)、VC(同1.0μm)、Cr3
C2(同1.0μm)、Co粉(同1.0μm)を用
い、表1に示すような成分に配合し、湿式混合粉砕を行
なった。しかる後試験片の形状に成形し1350〜14
00°Cの温度で焼結し、研削加工を行い作成した。表
面をラップし鏡面に仕上げ、硬さ(HRA)、抗折力
(kg/mm2 )を測定し、その結果も表1に併記す
る。
aC(同1.5μm)、VC(同1.0μm)、Cr3
C2(同1.0μm)、Co粉(同1.0μm)を用
い、表1に示すような成分に配合し、湿式混合粉砕を行
なった。しかる後試験片の形状に成形し1350〜14
00°Cの温度で焼結し、研削加工を行い作成した。表
面をラップし鏡面に仕上げ、硬さ(HRA)、抗折力
(kg/mm2 )を測定し、その結果も表1に併記す
る。
【0011】
【表1】
【0012】次に、試料番号1の超硬合金でごく一般的
なエンドミル、刃径10mm、2枚刃、右刃右ねじれ、
外周切れ刃のねじれ角を25゜を製作し、また比較のた
め試料番号6のWC粒度の細かいものも製作した。次に
下記の条件で各々5本づつ切削試験を行なった。切削速
度=100m/min、1刃当りの送り=0.03mm
/刃、切り込み深さ=10mm、切り込み幅=5mm、
被削材 SCM440、2m切削後、逃げ面最大摩耗量
(mm)、チッピング発生率を測定した。尚、チッピン
グ発生率とはチッピングした切刃長さの総和を全切刃長
さの総和で除し、100分率で表わしたものである。そ
の結果を表2に示す。
なエンドミル、刃径10mm、2枚刃、右刃右ねじれ、
外周切れ刃のねじれ角を25゜を製作し、また比較のた
め試料番号6のWC粒度の細かいものも製作した。次に
下記の条件で各々5本づつ切削試験を行なった。切削速
度=100m/min、1刃当りの送り=0.03mm
/刃、切り込み深さ=10mm、切り込み幅=5mm、
被削材 SCM440、2m切削後、逃げ面最大摩耗量
(mm)、チッピング発生率を測定した。尚、チッピン
グ発生率とはチッピングした切刃長さの総和を全切刃長
さの総和で除し、100分率で表わしたものである。そ
の結果を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】表2より本発明によるエンドミルは、強度
・硬さのバランスが良いため耐チッピング性を示すチッ
ピング発生率及び耐摩耗性とも格段に優れることが認め
られる。
・硬さのバランスが良いため耐チッピング性を示すチッ
ピング発生率及び耐摩耗性とも格段に優れることが認め
られる。
【0015】
【発明の効果】本願発明は、WC基超硬合金の粒度と、
粒抑制剤、Co量を適正化することにより超硬の特徴で
ある高剛性を生かし、強度をもたせることが出来た。ま
た粒度を適正化することにより粒成長などの合金ミクロ
組織上の欠陥が減少し安定した性能を示す微粒超硬合金
である。
粒抑制剤、Co量を適正化することにより超硬の特徴で
ある高剛性を生かし、強度をもたせることが出来た。ま
た粒度を適正化することにより粒成長などの合金ミクロ
組織上の欠陥が減少し安定した性能を示す微粒超硬合金
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 硬質相、粒抑制剤、結合相からなる超硬
合金において、前記硬質相の平均粒度は0.7〜1.0
μmのWC80〜95%からなり、前記粒抑制材は、C
r3C2を0.5〜1.0重量%、VCを0.05〜
0.2重量%とからなり、前記結合相は、鉄族金属の1
種又は2種以上、残部からなり、且つ、前記微粒超硬合
金の抗折力を350kg/mm2以上としたことを特徴
とする微粒超硬合金。 - 【請求項2】 請求項1記載の微粒超硬合金において、
前記粒抑制材はTaCを1.5重量%以下含むことを特
徴とする微粒超硬合金。 - 【請求項3】 請求項1乃至2記載の微粒超硬合金にお
いて、前記VC量を0.05〜0.1重量%の範囲とし
たことを特徴とする微粒超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21210892A JP3206972B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 微粒超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21210892A JP3206972B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 微粒超硬合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633183A JPH0633183A (ja) | 1994-02-08 |
JP3206972B2 true JP3206972B2 (ja) | 2001-09-10 |
Family
ID=16617014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21210892A Expired - Fee Related JP3206972B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 微粒超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3206972B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE519235C2 (sv) | 1999-01-29 | 2003-02-04 | Seco Tools Ab | Hårdmetall med härbar bindefas |
CN100387737C (zh) * | 2005-11-21 | 2008-05-14 | 株洲硬质合金集团有限公司 | 超细硬质合金的制备方法 |
KR101141263B1 (ko) * | 2009-10-07 | 2012-05-08 | 김기열 | WC?Fe계 초경합금 접합재료 및 이의 제조방법 |
CN103305741A (zh) * | 2013-07-01 | 2013-09-18 | 长沙肯贝科技有限公司 | 硬质合金、硬质合金刀杆及其制造方法 |
CN108085555A (zh) * | 2017-12-04 | 2018-05-29 | 株洲夏普高新材料有限公司 | 适用于切削高温合金的硬质合金及其制备方法 |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP21210892A patent/JP3206972B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0633183A (ja) | 1994-02-08 |
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Legal Events
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