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JP3284879B2 - 塩素の製造方法 - Google Patents

塩素の製造方法

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Publication number
JP3284879B2
JP3284879B2 JP11629096A JP11629096A JP3284879B2 JP 3284879 B2 JP3284879 B2 JP 3284879B2 JP 11629096 A JP11629096 A JP 11629096A JP 11629096 A JP11629096 A JP 11629096A JP 3284879 B2 JP3284879 B2 JP 3284879B2
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ruthenium
oxide
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卓男 日比
洋 西田
弘明 阿部川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素の製造方法に
関するものである。更に詳しくは、本発明は、塩化水素
を酸化して塩素を製造する方法であって、活性の高い触
媒を使用し、より少量の触媒でより低い反応温度で塩素
を製造できるという特徴を有する塩素の製造方法を提供
する点に存するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素は塩化ビニル、ホスゲンなどの原料
として有用であり、塩化水素の酸化によって得られるこ
ともよく知られている。たとえば、特開昭62−270
405号公報には、酸化クロム触媒を用いて塩化水素を
酸化する方法が記載されている。しかしながら、従来知
られている方法では触媒の活性が不十分であるという問
題があった。
【0003】触媒の活性が低い場合にはより高温の反応
温度が要求されるが、塩化水素を酸素によって酸化して
塩素を製造する反応はより高温の場合、平衡的に不利と
なる。よって、触媒が高活性であれば、反応温度を下げ
ることができるので、反応は平衡的に有利になる。
【0004】また、従来、一般の酸素酸化反応に担持ル
テニウム触媒を用いると、高温において高酸化状態のル
テニウムが揮散するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、塩化水素を酸化して塩素
を製造する方法であって、活性の高い触媒を使用し、よ
り少量の触媒でより低い反応温度で塩素を製造できると
いう特徴を有する塩素の製造方法を提供する点に存する
ものである。
【0006】より低温で反応を行うことによって平衡的
により有利な反応条件を選ぶことができる。
【0007】また、本発明による触媒を用いることによ
って、より低い温度で反応を行うことができるので、従
来問題になっていたルテニウムの揮散もより抑制するこ
とができる。さらに本発明による触媒においては、ルテ
ニウムが揮散しにくい性質を持っているので、従来問題
になっていた反応中の活性成分の消失が起こらないとい
う利点もある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、塩化
水素を酸素によって酸化して塩素を製造するにあたり、
担持金属ルテニウム触媒、酸化ルテニウム触媒又はルテ
ニウム複合酸化物触媒を使用することを特徴とする塩素
の製造方法に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる触媒
は、担持金属ルテニウム触媒、酸化ルテニウム触媒又は
ルテニウム複合酸化物触媒である。
【0010】担持金属ルテニウム触媒としては、アルミ
ナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、ケイソウ
土、あるいは酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナ
ジウムなどの元素の酸化物及び複合酸化物、あるいは金
属硫酸塩などの担体に公知の方法(例えば、触媒講座
触媒実験ハンドブック,1986年,第20頁,講談
社)で担持して調製した担持金属ルテニウム触媒があげ
られるが、市販の触媒でもよい。担持触媒に使用される
担体としては、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、ゼオライト、シリカ、チタン複合酸化物、ジルコニ
ウム複合酸化物、アルミニウム複合酸化物が好ましく、
酸化チタン、酸化ジルコニウム、アルミナがより好まし
く用いられる。
【0011】ルテニウムの担体に対する比率は、通常
0.1〜20重量%である。なお、ルテニウム以外の第
三成分を添加することもでき、第三成分としては、パラ
ジウム、銅化合物、クロム化合物、バナジウム化合物、
アルカリ金属化合物、稀土類化合物、マンガン化合物、
アルカリ土類化合物などがあげられる。第三成分の添加
量は、担体に対する比率として通常0.1〜10重量%
である。担持金属ルテニウム触媒は還元処理して用いる
こともできるし、酸化処理して用いることもできる。酸
化ルテニウム触媒としては、二酸化ルテニウム、水酸化
ルテニウムなどの酸化ルテニウム、あるいは、公知の方
法(例えば、元素別触媒便覧 1978年、第544
頁、地人書館)で調製した二酸化ルテニウム触媒、水酸
化ルテニウム触媒などがあげられるが、市販の二酸化ル
テニウムでもよい。また、ハロゲン化酸化物など酸化ル
テニウムに他の元素が結合した化合物もあげられる。
【0012】調製方法としては、たとえば、RuCl3
の水溶液にアルカリを加えて、水酸化ルテニウムを沈殿
させ、洗浄後、焼成して二酸化ルテニウムを得る方法な
どがあげられる。また、酸化ルテニウムを担体に担持し
た触媒も好ましい例としてあげられる。担体としては、
酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、シリカ、チ
タン複合酸化物、ジルコニウム複合酸化物、アルミニウ
ム複合酸化物、珪素複合酸化物などの元素の酸化物、お
よび複合酸化物があげられる。酸化ルテニウムと担体の
比率は、通常、0.1/99.9から70/30の間で
ある。担持する化合物としては酸化ルテニウム、水酸化
ルテニウム、ハロゲン化酸化ルテニウムなどが例として
あげられる。担持方法としては、RuCl3 の水溶液を
担体に含浸させた後に、アルカリを加え、担体上に水酸
化ルテニウムを析出させ、空気中で焼成して、酸化ルテ
ニウムを担持する方法や、担体にRuCl3 の水溶液を
含浸させて、乾燥させた後に、空気中で焼成して酸化分
解して、酸化ルテニウムを担持する方法などが例として
あげられる。担持したものの焼成は100〜500℃
下、30分〜5時間程度が通常である。
【0013】ルテニウム複合酸化物触媒としては、酸化
チタン、酸化ジルコニウム、アルミナ、シリカ、酸化バ
ナジウム、酸化ホウ素、酸化クロム、酸化ニオブ、酸化
ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンなどの酸
化物の一種以上の酸化物と酸化ルテニウムを複合化させ
た触媒があげられるが、酸化ルテニウムを複合化させる
化合物としては、上記の化合物に限定されるわけではな
く、銅クロマイトなどの種々の複合酸化物も例としてあ
げられる。
【0014】ルテニウムを複合化する方法としては、チ
タンなどの塩化物、オキシ塩化物、硝酸塩、オキシ硝酸
塩、オキシ酸のアルカリ塩、硫酸塩、アルコキシドなど
を加水分解したものに、塩化ルテニウムなどのルテニウ
ム化合物を加水分解したものを加え、濾過、洗浄し、空
気中で焼成するなどの方法があげられる。
【0015】ルテニウム化合物としては、ルテニム塩化
物などルテニウム化合物を担体に担持した触媒の例であ
げた化合物が例示されるが、好ましくはRuCl3 、R
uCl3 水和物があげられる。酸化ルテニウムを複合化
する酸化物の好ましい例としては酸化チタン、酸化ジル
コニウム、アルミナ、シリカ、チタン複合酸化物、ジル
コニウム複合酸化物、アルミニウム複合酸化物、シリコ
ン複合酸化物があげられる。また、ルテニウム複合酸化
物を担体に担持する方法としては、チタンなどの塩化
物、硝酸塩などと塩化ルテニウムなどのルテニウム化合
物を担体に含浸した後に、空気中で焼成するなどの方法
があげられる。担体としては酸化チタン、アルミナ、シ
リカ、酸化ジルコニウムあるいはこれらの複合酸化物が
あげられる。
【0016】ルテニウム複合酸化物に含まれる酸化ルテ
ニウムの含量は、通常0.1〜80重量%である。な
お、第三成分を添加することもでき、第三成分として
は、パラジウム化合物、銅化合物、クロム化合物、バナ
ジウム化合物、アルカリ金属化合物、希土類化合物、マ
ンガン化合物、アルカリ土類化合物などがあげられる。
第三成分の添加量は、ルテニウム複合酸化物重量に対す
る比率として通常0.1〜10重量%である。
【0017】ルテニウム複合酸化物の調製方法として
は、共沈法、沈殿の混合による方法、含浸法などがあげ
られる。また、ルテニウム複合酸化物を焼成して調製す
る条件としては、200℃〜1000℃下、1時間〜5
時間程度が通常である。
【0018】ルテニウム複合酸化物を担体に担持する方
法としては、含浸法、沈殿担持法などがあげられる。ま
た、担持したものの焼成は、同様に200℃〜1000
℃下、1時間〜5時間程度が通常である。好ましくは3
00〜500℃で焼成したものがあげられる。焼成雰囲
気としては窒素、空気などがあげられる。
【0019】上記以外の触媒としては、公知の方法(例
えば、「触媒調製化学」1980,第233頁,講談
社)で調製されたルテニウムブラックや担持率20重量
%を超えるルテニウムを含有する担持触媒などがあげら
れる。
【0020】本発明は、ルテニウム触媒を用いて、塩化
水素を酸素により酸化することにより塩素を得るもので
ある。塩素を得るにあたり、反応方式としては流通方式
があげられ、通常固定床気相流通方式が好ましく採用さ
れる。反応温度は、高温の場合、高酸化状態のルテニウ
ム酸化物の揮散が生じるのでより低い温度で反応するこ
とが望まれるが、通常100〜500℃、好ましくは2
00〜380℃があげられる。反応圧は通常大気圧〜5
0気圧程度である。酸素原料としては、空気をそのまま
使用してもよいし、純酸素を使用してもよいが、好まし
くは不活性な窒素ガスを装置外に放出する際に他の成分
も同時に放出されるので不活性ガスを含まない純酸素が
あげられる。塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/
4モルであるが、理論量の0.1〜10倍供給するのが
通常である。また、触媒の使用量は、固定床気相流通方
式の場合で、大気圧下原料塩化水素の供給速度との比G
HSVで表わすと、通常10〜20000h-1程度であ
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例より限定されるもの
ではない。
【0022】実施例1 次の方法により触媒を調製した。すなわち、氷冷したフ
ラスコに水8.6gを入れ、撹拌下に、市販の四塩化チ
タン7.6gを滴下し、四塩化チタン水溶液を調製し
た。次に、市販のオキシ塩化ジルコニウム8水和物1
3.1gを水43.3gに溶解したものを、既に調製し
た四塩化チタン水溶液に撹拌下、滴下し、均一溶液を調
製した。その溶液に、硫酸アンモニウム13.4gと水
26.8gからなる溶液に36%塩酸1.1gを加えた
ものを注入し、撹拌し、均一溶液を調製した。次に、そ
の均一溶液を70℃に加熱し、撹拌しながら25重量%
アンモニア水溶液30.3gを徐々に滴下した。滴下す
るに従って、白色沈殿が生成した。滴下終了後、同温度
で1時間撹拌した。撹拌終了後、沈殿を濾過し、蒸留水
300mlで洗浄し、再度濾過した。この操作を3回繰
り返した後、150mlの水に懸濁させた。次に、市販
の塩化ルテニウム水和物(RuCl3 ・nH2 O)9.
74gを水60gに溶解したものと水酸化ナトリウム
(含量96%)5.2gを水20gに溶解したものを混
合し、撹拌した後、直ちに既に調製した懸濁液に、撹拌
下、滴下した。水40mlを追加した。滴下終了後、6
1重量%の硝酸2.2gを水30gで希釈した溶液を滴
下し、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、黒色沈殿を
濾過し、蒸留水300mlで洗浄し、再度濾過した。こ
の操作を3回繰り返した後、60℃で4時間乾燥し、1
6.3gの黒色固体を得た。この固体を粉砕し、空気中
で室温から350℃まで3.5時間で昇温し、同温度
で、3時間焼成することにより、13.5gの黒色触媒
を得た。以上の方法と同様の方法で同じ触媒をさらに5
5.4g得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は3
6重量%であった。この粉体を成形し、12〜18.5
メッシュとすることにより、酸化ルテニウム酸化チタン
酸化ジルコニウム触媒を得た。この様にして得られた酸
化ルテニウム酸化チタン酸化ジルコニウム触媒を石英製
反応管(内径22mm)に46.8g充填した。塩化水
素ガスを19.0ml/min、酸素ガスを9.3ml
/min(いずれも0℃、1気圧換算)常圧下に供給し
た。石英反応管を電気炉で加熱し、内温(ホットスポッ
ト)を265℃とした。反応開始6時間後の時点で、反
応管出口のガスを30%ヨウ化カリウム水溶液に流通さ
せることによりサンプリングを行い、ヨウ素滴定法およ
び中和滴定法によりそれぞれ塩素の生成量および未反応
塩化水素量を測定した。その結果、塩化水素の転化率は
95.9%であった。
【0023】実施例2 実施例1で用いた触媒と同じ酸化ルテニウム酸化チタン
酸化ジルコニウム触媒2.5gを、12〜18.5メッ
シュにそろえた酸化チタン担体5gとよく混合すること
により触媒を希釈して石英製反応管(内径12mm)に
充填した。塩化水素ガスを200ml/min、酸素ガ
スを200ml/min(いずれも0℃、1気圧換算)
常圧下に供給した。石英反応管を電気炉で加熱し、内温
(ホットスポット)を301℃とした。反応開始2.9
時間後の時点で、反応管出口のガスを30%ヨウ化カリ
ウム水溶液に流通させることによりサンプリングを行
い、ヨウ素滴定法および中和滴定法によりそれぞれ塩素
の生成量および未反応塩化水素量を測定した。下式によ
り求めた単位触媒重量当りの塩素の生成活性は7.35
×10-4mol/min・g−触媒であった。単位触媒
重量当りの塩素生成活性(mol/min・g−触媒)
=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/min)/
触媒重量(g)
【0024】実施例3 次の方法により触媒を調製した。すなわち、氷冷したフ
ラスコに水27.0gを入れ、撹拌下に、市販の四塩化
チタン14.3gを滴下し、四塩化チタン水溶液を調製
した。その溶液に、室温で、水1222gを加え、さら
に尿素27.6gと水100gからなる溶液を注入し、
撹拌し、均一溶液を調製した。次に、その均一溶液を1
00℃に加熱しながら2時間撹拌した。徐々に白色沈殿
が生成した。次に、同温度で、尿素3.2gと水26g
からなる溶液を加え、十分撹拌した後、沈殿を濾過し
た。次に、蒸留水300mlで洗浄し、再度濾過した。
この操作を3回繰り返した後、150mlの水に懸濁さ
せた。次に、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3
・nH2 O)7.12gを水54gに溶解したものと水
酸化ナトリウム(含量96%)3.8gを水20gに溶
解したものを混合し、撹拌した後、直ちに既に調製した
懸濁液に、撹拌下、滴下した。滴下終了後、61重量%
の硝酸1.57gを水24gで希釈した溶液を滴下し、
室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、黒色沈殿を濾過し
た。次いで、蒸留水300mlで洗浄し、再度濾過し
た。この操作を3回繰り返した後、60℃で4時間乾燥
し、9.3gの黒色固体を得た。この固体を粉砕し、空
気中で室温から350℃まで3.5時間で昇温し、同温
度で、3時間焼成することにより、8.1gの黒色触媒
を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は36重量
%であった。この粉体を成形し、12〜18.5メッシ
ュとすることにより、酸化ルテニウム酸化チタン触媒を
得た。この酸化ルテニウム酸化チタン触媒1.9gを実
施例2と同様に反応管に充填し、内温を300℃とした
以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反応開始
1.9時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成
活性は9.05×10-4mol/min・g−触媒であ
った。
【0025】実施例4 次の方法により触媒を調製した。すなわち、20重量%
硫酸チタン水溶液(和光純薬工業(株))54.7gを
水110.3gで希釈し混合した。その水溶液を氷冷し
たフラスコに入れ、撹拌下に、25重量%アンモニア水
溶液48.2gを滴下したところ、徐々に白色沈殿が生
成した。室温で、30分撹拌した後、沈殿を濾過した。
次に、蒸留水300mlで洗浄し、再度濾過した。この
操作を3回繰り返した後、150mlの水に懸濁させ
た。次に、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3
nH2 O)9.86gを水61gに溶解したものと水酸
化ナトリウム(含量96%)5.2gを水20gに溶解
したものを混合し、撹拌した後、直ちに既に調製した懸
濁液に、撹拌下、滴下した。滴下終了後、61重量%の
硝酸2.15gを水30gで希釈した溶液を滴下し、室
温で1時間撹拌した。撹拌終了後、黒色沈殿を濾過し
た。次いで、蒸留水300mlで洗浄し、再度濾過し
た。この操作を3回繰り返した後、60℃で4時間乾燥
し、12.0gの黒色固体を得た。この固体を粉砕し、
空気中で室温から350℃まで3.5時間で昇温し、同
温度で、3時間焼成することにより、9.9gの黒色触
媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は46重
量%であった。この粉体を成形し、12〜18.5メッ
シュとすることにより、酸化ルテニウム酸化チタン触媒
を得た。この酸化ルテニウム酸化チタン触媒2.5gを
実施例2と同様に反応管に充填し、内温を299℃とし
た以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反応開
始2.6時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生
成活性は7.35×10-4mol/min・g−触媒で
あった。
【0026】実施例5 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販のチタ
ンテトラブトキシド15.4gをエタノール52mlに
溶解した。次に、市販の塩化ルテニウム水和物(RuC
3 ・nH2 O)10.1gを水122mlに溶解した
ものと、水酸化ナトリウム(含量96%)14.8gを
水60mlに溶解したものを混合し、撹拌した後、直ち
にチタンテトラブトキシドのエタノール溶液に撹拌下、
滴下を開始した。滴下するに従って、沈殿が生成した。
滴下終了後、黒色沈殿を室温で十分撹拌した。さらに、
61重量%の硝酸25.7gを水62gで希釈したもの
を滴下し、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、沈殿物
を濾過した。次いで、蒸留水300mlで洗浄後、再び
濾過した。これを3回繰り返した後、60℃で4時間乾
燥し、10.5gの黒色固体を得た。この固体を粉砕
し、空気中で、室温から350℃まで3.5時間で昇温
し、350℃で3時間焼成することにより8.4gの黒
色触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は5
7重量%であった。この粉体を成形し、12〜18.5
メッシュとすることにより、酸化ルテニウム酸化チタン
触媒を得た。この酸化ルテニウム酸化チタン触媒2.5
gを実施例2と同様に反応管に充填し、内温を300℃
とした以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反
応開始1.9時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素
の生成活性は7.7×10-4mol/min・g−触媒
であった。
【0027】実施例6 市販の酸化ルテニウム水和物(RuO2 、アルドリッチ
化学)を12〜18.5メッシュに成形した。この酸化
ルテニウム2.5gを実施例2と同様に反応管に充填
し、内温を300℃とした以外は実施例2の反応方法に
準拠して行った。反応開始1.5時間後の時点での単位
触媒重量当りの塩素の生成活性は5.35×10-4mo
l/min・g−触媒であった。
【0028】実施例7 3mmφの球形の2重量%ルテニウム酸化チタン触媒
(N.E.ケムキャット社製)を破砕し、12〜18.
5メッシュにそろえた。このルテニウム酸化チタン触媒
2.5gを酸化チタン担体で希釈せず、実施例2と同様
に反応管に充填し、塩化水素ガスを190ml/min
で流通させ、内温を300℃とした以外は実施例2の反
応方法に準拠して行った。反応開始1.5時間後の時点
での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は1.38×1
-4mol/min・g−触媒であった。
【0029】実施例8 実施例7で用いた触媒と同じ2重量%ルテニウム酸化チ
タン触媒を12〜18.5メッシュにそろえて、2.5
gを酸化チタン担体で希釈せず、実施例2と同様に反応
管に充填し、塩化水素ガスを196ml/min、酸素
ガスを170ml/minで流通させ、内温を380℃
とした以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反
応開始2時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生
成活性は11.4×10-4mol/min・g−触媒で
あった。
【0030】実施例9 1/8インチペレットの2重量%ルテニウム酸化ジルコ
ニウム触媒(N.E.ケムキャット社製)を破砕し、1
2〜18.5メッシュにそろえた。このルテニウム酸化
ジルコニウム触媒2.5gを酸化チタン担体で希釈せ
ず、実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素ガスを
196ml/min、酸素ガスを170ml/minで
流通させ、内温を380℃とした以外は実施例2に準拠
して行なった。反応開始3時間後の時点での単位触媒重
量当りの塩素の生成活性は、7.9×10-4mol/m
in・g−触媒であった。残存塩化水素流量は、4.7
×10-3mol/minであった。
【0031】実施例10 5重量%ルテニウムアルミナ粉体触媒(N.E.ケムキ
ャット社製)を12〜18.5メッシュに成形した。こ
のルテニウムアルミナ触媒5gを酸化チタン担体で希釈
せず、実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素をガ
スを193ml/minで流通させ、内温を380℃と
した以外は実施例2に準拠して行った。反応開始10時
間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は
6.7×10-4mol/min・g−触媒であった。
【0032】以上の通り、実施例1〜5ではルテニウム
複合酸化物触媒の例を、実施例6では酸化ルテニウム触
媒の例を、実施例7〜10では担持ルテニウム触媒の例
を示した。
【0033】比較例1 次の方法により触媒を調製した。すなわち、硝酸クロム
9水和物60.3gを水600mlに溶解し、次いで4
5℃まで昇温して、撹拌下25重量%のアンモニア水6
4.9gを1.5時間かけて滴下し、同温度で30分間
撹拌を続けた。生成した沈殿に水3.3lを加えて一夜
放置し、沈降させた後、上澄をデカンテーションにより
除去した。次に、水を2.7 l加えて30分間よく撹拌
した。この操作を5回くり返して沈殿を洗浄した後、デ
カンテーションにより上澄を除去し20重量%のシリカ
ゾルを49g添加し、撹拌した後、ロータリーエバポレ
ーターで60℃で蒸発乾固せしめた。次に、60℃で8
時間乾燥し、更に120℃で6時間乾燥して緑色の固体
を得た。この固体を窒素気流中120℃で6時間乾燥
後、室温まで冷却して緑色固体を得た。次いで、これを
空気中600℃で3時間焼成し、12〜18.5メッシ
ュに成形してCr2 3 −SiO2 触媒を得た。かくし
て得られたCr2 3 −SiO2 触媒2.5gを酸化チ
タン担体で希釈せず、実施例2と同様に反応管に充填
し、塩化水素ガス192ml/min.で流通させ、内
温を301℃としたこと以外は実施例2に準拠して行な
った。反応開始3.7時間後の時点での単位触媒重量当
りの塩素の生成活性は、0.19×10-4mol/mi
n・g触媒であった。
【0034】比較例2 比較例1で使用したCr2 3 −SiO2 触媒2.5g
を酸化チタン担体で希釈せず、実施例2と同様に反応管
に充填して、塩化水素ガス192ml/min.で流通
させ、内温を380℃としたこと以外は実施例2に準拠
して行った。反応開始5.8時間後の時点での単位触媒
重量当りの塩素の生成活性は、2.1×10-4mol/
min・g触媒であった。
【0035】比較例3 比較例1で使用したCr2 3 −SiO2 触媒5gを酸
化チタン担体で希釈せず、実施例2と同様に反応管に充
填して、塩化水素ガス96.5ml/min.で流通さ
せ、内温を380℃としたこと以外は実施例2に準拠し
て行った。反応開始5時間後の時点での単位触媒重量当
りの塩素の生成活性は、2.7×10-4mol/min
・g触媒であった。
【0036】比較例4 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化
ルテニウム水和物(RuCl3 ・nH2 O)1.02g
と水80gからなる水溶液に、日本アエロジル社製シリ
カ(AEROSIL−300)18.70gを懸濁さ
せ、ロータリーエバポレーターで55〜60℃で蒸発乾
固せしめた後、窒素気流中150℃で1時間加熱するこ
とにより緑黒色の塩化ルテニウム触媒18.1gを得
た。なお、RuCl3 の坦持率は5重量%であった。こ
の触媒を12〜18.5メッシュに成形した。かくして
得られた塩化ルテニウム触媒5gを酸化チタン担体で希
釈せず、実施例2と同様に反応管に充填して、塩化水素
ガス194ml/min.で流通させ、内温を380℃
としたこと以外は実施例2に準拠して行った。反応開始
5時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性
は、5.9×10-4mol/min・g−触媒であっ
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、塩
化水素を酸化して塩素を製造する方法であって、活性の
高い触媒を使用し、より少量の触媒で、より低い反応温
度で塩素を製造できるという特徴を有する塩素の製造方
法を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 欧州特許761594(EP,B1) Hepel T.et al.,Ef fect of the crysta llographic surface structure of the RuO2 single crysta ls on the chlorine evoluti,J.of the Electroanalytical Chemistry and Inte rfacial Electroche mistry,Vol.188,No.1 /2,281−285 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 7/04 B01J 23/46 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化水素を酸素によって酸化して塩素を
    製造するにあたり、担持金属ルテニウム触媒、酸化ルテ
    ニウム触媒又はルテニウム複合酸化物触媒を使用するこ
    とを特徴とする塩素の製造方法。
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