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JP3255706B2 - シリコーン化合物 - Google Patents

シリコーン化合物

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JP3255706B2
JP3255706B2 JP13264292A JP13264292A JP3255706B2 JP 3255706 B2 JP3255706 B2 JP 3255706B2 JP 13264292 A JP13264292 A JP 13264292A JP 13264292 A JP13264292 A JP 13264292A JP 3255706 B2 JP3255706 B2 JP 3255706B2
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silicone compound
parts
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resin
reaction
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義弘 中田
幸雄 瀧川
繁明 八木
紀男 猿渡
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規シリコーン化合物に
関し、更に詳しくは、電子材料、接着剤などの熱硬化性
樹脂の可とう性付与剤として利用可能な新規シリコーン
化合物及びその製法に関する。本発明は更に、エポキシ
樹脂、マレイミド樹脂、及びポリイミド樹脂等の熱硬化
性樹脂用の可とう性付与剤にも関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子、電気機器、輸送機などの小型
軽量化、高性能化が進み、これに伴い耐熱性に優れた材
料が望まれている。耐熱性樹脂としてはマレイミド樹
脂、ポリイミド樹脂が一般に知られているが、いずれも
硬化物が硬くて脆く、適用分野が限定されている。ま
た、エポキシ樹脂も同様に硬化物が硬く、また、硬化時
の収縮応力による接着表面の剥離、クラックなどの問題
が生じている。
【0003】従来、かかる問題を解決するため、例えば
カルボキシ基を2個以上有するポリブタジエンと水酸基
又はアルコキシ基を1個以上有するシリコーン樹脂との
反応物を配合した半導体封止用エポキシ樹脂組成物(特
開昭59−113021)、あるいはエポキシ基を有す
る変性シリコーンオイルとフェノールノボラック樹脂と
の予備反応物である可とう化剤(特開昭63−4621
6)等が開示されている。しかし、これらの樹脂組成物
あるいは可とう化剤も未だその性能が不十分であり、か
つ適用樹脂が制限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に示したような従来技術の欠点を解消するためになされ
たものであり、種々の分野において有利に使用すること
ができる、耐熱性、可とう性、耐クラック性、密着性お
よび疎水性に優れた樹脂組成物を提供するためのシリコ
ーン化合物および該化合物から成る可とう性付与剤を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、新規な一定のシ
リコーン化合物、すなわち、シルフェニレンジシロキサ
ン−シロキサンコポリマーが特に耐熱性と可とう性付与
に寄与することの知見を得た。すなわち、一方のコポリ
マー成分中の骨格構造のシロキサンおよび側鎖のアルキ
ル基、ビニル基が硬化時の収縮に伴う応力緩和および疎
水性向上に寄与し、他方のコポリマー成分の芳香環が組
成物の耐熱性低下を防止することの知見を得て本発明を
完成した。
【0006】また、本発明化合物を添加する熱硬化性樹
脂は、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等熱硬化
性樹脂全般に有効であることの知見も得られた。かくし
て、本発明のシリコーン化合物は、次式I:
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 は低級アルキル基を表わし、
2 およびR3 は互いに独立しておりかつ、それぞれ、
ビニル基もしくは低級アルキル基、又はフェニル基を表
わし、n:mは0.2:1〜2:1の割合を表わす) で表わされる、分子量500〜100000のシリコー
ン化合物であることを特徴とする。
【0009】また、前記シリコーン化合物の製造方法
は、次式II:
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1 は低級アルキル基を表わし、
4 は低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わす)で
表わされるシルフェニレン化合物を、次式III :
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R2 およびR3 は互いに独立して
おりかつ、それぞれ、ビニル基もしくは低級アルキル
基、又はフェニル基を表わし、R5 は低級アルコキシ基
又はハロゲン原子を表わし、ただしR 4 とは異なる) で表わされる珪素化合物とを反応させることを特徴とす
る。更に本発明の可とう性付与剤は、前記式Iのシリコ
ーン化合物から成ることを特徴とする。
【0014】本発明において、定義された低級アルキル
基は、炭素数1〜4のアルキル基を意味し、好ましくは
炭素数1〜2のアルキル基である。また、低級アルコキ
シ基は炭素数1〜4のアルコキシ基を意味し、好ましく
は炭素数1〜2のアルコキシ基である。又、ハロゲン原
子は、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素原子を意味し、好ま
しくは塩素原子である。
【0015】本発明のシリコーン化合物の分子量は50
0〜100000が好ましい。これは500未満では組
成物の耐熱性、可とう性を劣化させ、100000超で
は組成物との相溶性低下による硬化物表面へのブリード
アウトならびに耐熱性を劣化させるからである。本発明
の前記シリコーン化合物は、前記の如く式IIのシルフェ
ニレン化合物と式III の珪素化合物とを共重合させるこ
とによって得ることができる。
【0016】共重合反応は、溶剤中で重合反応触媒を用
いて行うことが好ましい。溶媒としては、トルエン、メ
チルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、N−
メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げら
れるが、いずれも脱水処理を行ったものを使用する。ま
た、場合によっては2種以上の混合溶媒にしても差し支
えない。
【0017】本発明では、モノマーの官能基を加水分解
しシラノールを形成した後、脱水縮合反応を行うことに
よって重合させる。この脱水縮合反応を促進させる触媒
としては、塩酸、硫酸、硝酸などの酸触媒を好ましく用
いることができる。また、本発明では、用途ならびに保
存安定化を行うために末端基である水酸基をシリル化し
ても差し支えない。シリル化剤としては、トリメチルク
ロルシラン、トリフェニルクロルシラン、トリビニルク
ロルシラン、ジビニルメチルクロルシラン、ジメチルビ
ニルクロルシラン、ジビニルフェニルクロルシラン、ジ
フェニルビニルクロルシラン、メチルフェニルビニルク
ロルシランなどの一官能のクロルシランであれば差し支
えない。また、シリル化を促進させるために、ピリジ
ン、トリエチルアミンなどの塩基性触媒を用いても差し
支えない。
【0018】更に反応温度は60℃〜150℃の温度範
囲で好ましく行うことができる。本発明のシリコーン化
合物は先に示したように、モノマー(1)式とモノマー
(2)式との共重合化により製造するが、その際に注意
する点は、R4 ,R5 の官能基が同一であり、且つ同時
加水分解を行うと、共役系、非共役系および直鎖性の違
いにより共重合化反応を阻害してしまう。そこで、本発
明の特徴としてR 4 ,R5 をそれぞれ異なる官能基(例
えば、R4 がメトキシ基、R5 がクロル基等)を用いる
ことにより、これらの問題点を解決することができる。
すなわち、共重合比の高いシリコーン化合物を製造する
ことができる。
【0019】
【作用】本発明によるシリコーン化合物は、上記示した
ような特性改善が挙げられるが、熱硬化性樹脂硬化物の
耐熱性向上、疎水性向上、可とう性向上、耐クラック性
向上、密着性向上に対して有効に作用する。従って、耐
熱性、疎水性、可とう性、耐クラック性、離型性、密着
性の同時的改善を実現することができる。
【0020】以下、更に本発明を実施例により説明する
が、本発明がこれらの実施例に制限されないことはもと
よりである。
【0021】
【実施例】実施例1 1,4−ビス(ジメチルメトキシシリル)ベンゼン9
1.6g(0.4mol )、ジビニルジクロロシラン3
2.26g(0.2mol )をメチルイソブチルケトン2
00gに溶解させ、1lの反応容器に仕込んだ。純水2
5.2g(1.4mol )を滴下し30分放置した。塩酸
1.5g添加し、118℃,5時間加熱した。この際、
2 ガスをバブリングし、加水分解時の残存水ならびに
反応縮合水を除去した。得られた反応溶液を分液ロート
にて5回洗浄した後、10mmHgの条件下で濃縮した。次
に、得られた生成物をベンゼンに溶解させ凍結乾燥を行
い、シリコーン化合物78gを得た。得られたシリコー
ン化合物は、ゲルパーミュエーションクロマトグラムよ
り重量平均分子量22000(図1)であることがわか
った。また、 1H−NMRスペクトル(図2)より、6
ppm 付近にビニル基の存在が確認でき、その含有量はシ
ルフェニレンモノマー1に対し約0.25であった。実施例2 1,4−ビス(ジメチルメトキシシリル)ベンゼン9
1.6g(0.4mol )、ジビニルジクロロシラン6
0.52g(0.4mol )をメチルイソブチルケトン2
00gに溶解させ、1lの反応容器に仕込んだ。純水2
8.8g(1.6mol )を滴下し30分放置した。塩酸
1.5g添加し、118℃,5時間加熱した。この際、
2 ガスをバブリングし、加水分解時の残存水ならびに
反応縮合水を除去した。得られた反応溶液を分液ロート
にて5回洗浄した後、10mmHgの条件下で濃縮した。次
に、得られた生成物をベンゼンに溶解させ凍結乾燥を行
い、シリコーン化合物89gを得た。得られたシリコー
ン化合物は、ゲルパーミュエーションクロマトグラムよ
り重量平均分子量18000であることがわかった。応用例1 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部、実施
例1により得られたシリコーン化合物5部を加熱混合
し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温度、弾
性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。
【0022】なお、全ての応用例における物性の評価は
次の試験規格および方法によった。 ガラス転移温度 熱機械分析装置(943TMA,Du
pont) 弾性率 動的粘弾性測定装置(983DM
A,Dupont) 吸水率 JIS K6911 密着性 アルミ板上で樹脂を硬化(180
℃,1時間)させ超音波探傷装置を用いて剥離状態を観
察した。
【0023】結果を後記の表1および表2に示す。なお
表中、の密着性の評価判定基準は次の通りである: ◎ 剥離無し ○ 微小の剥離 △ 半面剥離
× 全面剥離応用例2 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部、実施
例1により得られたシリコーン化合物10部を加熱混合
し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温度、弾
性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。結果を
後記の表1および表2に示す。応用例3 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部、実施
例1により得られたシリコーン化合物20部を加熱混合
し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温度、弾
性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。結果を
後記の表1および表2に示す。応用例4 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部、実施
例2により得られたシリコーン化合物5部を加熱混合
し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温度、弾
性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。結果を
後記の表1および表2に示す。応用例5 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部、実施
例2により得られたシリコーン化合物10部を加熱混合
し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温度、弾
性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。結果を
後記の表1および表2に示す。応用例6 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部、実施
例2により得られたシリコーン化合物20部を加熱混合
し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温度、弾
性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。結果を
後記の表1および表2に示す。応用例7 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部、実施例1により得られたシリコーン化合物5部を
加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラス転移
温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価し
た。結果を後記の表1および表2に示す。応用例8 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部、実施例1により得られたシリコーン化合物10部
を加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラス転
移温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価し
た。結果を後記の表1および表2に示す。応用例9 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部、実施例1により得られたシリコーン化合物20部
を加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラス転
移温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価し
た。結果を後記の表1および表2に示す。応用例10 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部、実施例2により得られたシリコーン化合物5部を
加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラス転移
温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価し
た。結果を後記の表1および表2に示す。応用例11 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部、実施例2により得られたシリコーン化合物10部
を加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラス転
移温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価し
た。結果を後記の表1および表2に示す。応用例12 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部、実施例2により得られたシリコーン化合物20部
を加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラス転
移温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価し
た。結果を後記の表1および表2に示す。比較例1 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00)100部、フェノールノボラック樹脂(水酸基当
量105)55部、トリフェニルホスフィン1部を加熱
混合し、150℃,10hで硬化させ、ガラス転移温
度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評価した。
結果を後記の表1および表2に示す。比較例2 ビスマレイミド100部、ジアミノジフェニルメタン5
0部を加熱混合し、200℃,10hで硬化させ、ガラ
ス転移温度、弾性率、吸水率、アルミ板との密着性を評
価した。結果を後記の表1および表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るものであるから、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂など
の熱硬化性樹脂組成物の耐熱性、疎水性、可とう性、密
着性などの特性を有効に改善する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシリコーン化合物の重量平
均分子量を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例のシリコーン化合物の 1H−
NMRスペクトルのチャートである。
フロントページの続き (72)発明者 猿渡 紀男 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特公 昭41−14111(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/52

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式I: 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基を表わし、R2 およびR
    3 は互いに独立しておりかつ、それぞれ、ビニル基もし
    くは低級アルキル基、又はフェニル基を表わし、n:m
    は0.2:1〜2:1の割合を表わす) で表わされる、分子量500〜100000のシリコー
    ン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1のシリコーン化合物の製造方法
    であって、 次式II: 【化2】 (式中、R1 は低級アルキル基を表わし、R4 は低級ア
    ルコキシ基又はハロゲン原子を表わす) で表わされるシルフェニレン化合物を、次式III : 【化3】 (式中、R2 およびR3 は互いに独立しておりかつ、そ
    れぞれ、ビニル基もしくは低級アルキル基、又はフェニ
    ル基を表わし、R5 は低級アルコキシ基又はハロゲン原
    子を表わし、ただしR 4 とは異なる) で表わされる珪素化合物とを反応させることを特徴とす
    る、前記製造方法。
  3. 【請求項3】 反応溶媒中、60℃ないし150℃の温
    度で反応を行う請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のシリコーン化合物から成るこ
    とを特徴とする、熱硬化性樹脂用可とう性付与剤。
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