JP3133899B2 - 錠剤製造方法およびその装置 - Google Patents
錠剤製造方法およびその装置Info
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Description
法およびその装置に関するものである。
類され、それぞれ異なる製造方法により製造されてい
た。湿製錠剤は、薬効成分に賦形剤や結合剤などの添加
剤を練合し、さらに水、エタノール等の潤滑剤を添加し
て湿潤粉体を作り、この湿潤粉体を一定の形状に成形す
ることにより製造される。成形の方法としては2つの方
法がある。1つは一定の型に擦り込んで成形する擦り込
み法であり、他の1つは展延器にかけて板状にしたもの
を、一定の型で押し付けて打ち抜く打ち抜き法である。
湿製錠剤は、溶解性および崩壊性に優れているが、湿潤
粉体の取り扱いが難しく、湿潤粉体を型から押し出すと
きにピンや杵などの表面に湿潤粉体が張り付いて、製品
となる錠剤の重量がばらついたり、表面をざらつかせた
り、機械的強度が弱いため摩損または破損しやすいとい
った、製造上、精度上および品質上の面で問題があり、
現在ではほとんど生産されていないのが実情である。
剤のほとんどがこれに属している。この錠剤を製造する
装置は、乾燥した顆粒を100〜数千kg/cm2 の比較的
高い圧力で成形することから一般に打錠機と呼ばれてい
る。この打錠機は、上杵と下杵および臼から構成され、
臼の中に供給された顆粒を上杵と下杵の力を加えること
で、顆粒は加圧され一気に成形される。ロータリ型の打
錠機は、上杵と下杵および臼を一組として、通常10〜
100組の杵と臼がターンテーブルに取り付けられ、タ
ーンテーブルの1回転により、取り付けられている杵と
臼の組数だけ錠剤を生産することができる(製錠毎分最
高8000錠のものもある)。圧縮錠剤は、大量生産に
適しており、精度および品質の面でも湿製錠剤よりも優
れているが、乾燥した顆粒を高圧で圧縮するため、溶解
性および崩壊性に関しては、湿製錠剤より劣っている。
は圧縮錠剤の方が優れているものの、優れた溶解性およ
び崩壊性を有する湿式錠剤は、身体的および生理的機能
の低い高齢者や小児が服用するには適していると言え
る。したがって、湿製錠剤におけるこれらの特性を損う
ことなく製錠でき、高齢者や小児にとって服用しやす
く、かつ機械的強度、精度、品質および量産効果の高い
製造方法が開発されれば、医薬品分野における貢献は非
常に大きなものとなる。
るものであり、湿潤粉体を用いた生産性、精度および品
質の高い錠剤製造方法およびその装置を提供することを
目的とする。
成するために、樹脂フィルムにより成形された容器内に
湿潤粉体を過分に加圧充填した後、湿潤粉体の表面を擦
り切ることにより錠剤を成形するようにしたものであ
る。
てから擦り切るので、湿潤粉体の取り扱いが容易になっ
て生産性が向上し、錠剤の空隙率や重量、寸法等のばら
つきが少なくなり、機械的強度の高い、溶解性および崩
壊性に優れた錠剤を、高い精度および品質で生産するこ
とができる。
図1は本発明の一実施例における錠剤製造装置の概略平
面図、図2は同装置の概略正面図である。長尺のベッド
1の上には、間欠駆動装置2により間欠駆動されるター
ンテーブル3と、このターンテーブル3に部分的に接触
して重なるように配置されて、間欠駆動装置4により間
欠駆動される無端ベルト装置5とが設けられている。無
端ベルト装置5は、スプロケット6および7に掛け渡さ
れた無端ベルト8上に、モールド穴9を有する多数の金
型10を等間隔に連結したものである。ターンテーブル
3には、円周方向に4等分された位置に4個1組みの充
填穴11が設けられており、無端ベルト装置5の金型1
0内のモールド穴9も同様な大きさと間隔の4個1組み
として設けられている。ターンテーブル3と無端ベルト
装置5とは、両者が重なる位置でそれぞれ4個1組みの
充填穴11とモールド穴9とが同心的に重なるように、
同期して間欠駆動される。
反対側の位置には、上方に湿潤粉体を収容したホッパー
12が配置され、下方にホッパー受け部材13が配置さ
れている。ホッパー12の供給口の下には、ホッパー受
け部材13により下部が塞がれた4個1組みの充填穴1
1が位置するようになっている。
塑性の樹脂フィルム14がリール15に巻かれて保持さ
れている。この上流側から下流側にかけては、順番に、
加熱装置16と、成形パンチ17を備えた容器成形装置
18と、充填杵19を備えた充填加圧装置20と、成形
杵21を備えた成形装置22と、この成形装置22の両
側にかけて配置され、張り付き防止フィルム23を巻い
てこれを送り出す送りリール24およびこれを巻取る巻
取りリール25と、張り付き防止フィルム23に離型剤
を塗布する離型剤塗布装置26と、張り付き防止フィル
ム23に張力を与えるテンション装置27とを備えた張
り付き防止装置28と、乾燥装置29と、アルミフォイ
ルや樹脂フィルム等のシールテープ30を巻いたリール
31およびスタンパ32を備えたシール装置33と、カ
ッター34を備えた切断装置35とが配置されている。
しながら説明する。まず図3(a)に示すように、無端
ベルト装置5の上流側において、容器成形用の樹脂フィ
ルム14をリール15から繰り出して加熱装置16によ
り加熱して軟化させた後、図3(b)に示すように、容
器成形装置18の成形パンチ17を降下させて、樹脂フ
ィルム14を無端ベルト装置5の金型10のモールド穴
9に押し込んで、容器36を成形する。樹脂フィルム1
4は、その一部が金型10内で容器36に成形され、容
器36が金型10とともに移動することによりリール1
5から順次繰り出される。
ーブル3の充填穴11にはホッパー12内の湿潤粉体P
が充填供給される。このとき、充填穴11の下部はホッ
パー受け部材13により塞がれているので、湿潤粉体P
は確実に充填穴11内に供給される。なお、充填穴11
の容積は、容器36の容積よりも大きく、次の工程で充
填穴11から容器36内に湿潤粉体Pが加圧充填されて
も、なお充填穴11内に若干の湿潤粉体Pが残るように
設定されている。湿潤粉体Pを充填穴11内に供給され
たターンテーブル3は、90度ずつ間欠回転して、無端
ベルト装置5の金型10内に成形された容器36に重ね
られる。そして、図3(d)に示すように、充填加圧装
置20の充填杵19を降下させて、充填穴11内の湿潤
粉体Pを容器36内に加圧充填する。このときの圧力
は、通常は5〜80kg/cm2 程度、好ましくは5〜60
kg/cm2 程度、より好ましくは約5〜40kg/cm2 程度
である。充填穴11には、容器36の容積以上の湿潤粉
体Pが供給されているので、この加圧充填によっても充
填穴11には若干の湿潤粉体Pが残っている。そして、
図3(e)に示すように、停止するターンテーブル3に
対して無端ベルト装置5が相対移動することにより、容
器36内の湿潤粉体Pが充填穴11の端面と容器36の
端面とで擦り切られる。
内に加圧充填された湿潤粉体Pに対し、成形装置22の
成形杵21を降下させて、容器36内の湿潤粉体Pの表
面を面取り成形する。このとき、成形杵21に湿潤粉体
Pが付着しないように、張り付き防止フィルム23を成
形杵21と容器36との間に配置してある。この張り付
き防止フィルム23は、湿潤粉体Pから直ぐ剥離される
ように、テンション装置27により張力を与えられてお
り、また一度使用した面は再び使用しないように順次巻
取りリール25に巻取るように構成されている。さら
に、張り付き防止フィルム23は、ポリテトラフルオロ
エチレンのように離型性に優れている場合には不要であ
るが、張り付き防止フィルム23の湿潤粉体Pに接触す
る側の面に、湿潤粉体Pが付着しないように、離型剤塗
布装置26により離型剤を塗布しておく。なお、この面
取り成形は、錠剤の角をとって飲みやすくするために行
なうものであり、本明細書では、平面による面取りのみ
ならず、球面による丸み付けをも面取りに含めるものと
する。このとき、割線や製品マークの刻印も同時に成形
するようにしてもよい。
したときは、錠剤となる湿潤粉体Pにその離型剤が付着
するので、人体に無害なものを使用する必要がある。こ
のような離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タル
ク、セルロース糖類、コンスターチ等の澱粉類、無水珪
酸類、シリコン油等の医薬品の滑沢剤として使用される
もの、を挙げることができるが、特に限定されない。特
にステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸マグネシウム、コンスターチ馬鈴薯澱粉等の澱粉類が
望ましい。勿論、これらの物質を混合して使用すること
もできる。
置5の方向転換位置で金型10から離脱して搬送トレイ
37上を移動し、図3(g)に示すように、乾燥装置2
9により乾燥された後、図3(h)に示すように、容器
36の上部が、シール装置33のリール31から繰り出
されたシールテープ30により塞がれて、スタンパ32
により接着され、内部が密閉される。次いで、図3
(i)に示すように、切断装置35のカッター34によ
り、容器36が1個ずつまたは数個ずつ切断されて、図
3(j)に示すような錠剤が完成する。
0重量%程度の薬効成分と、賦形剤や崩壊剤、結合剤、
酸味料、発泡剤、香料、滑沢剤、着色剤、甘味料等の添
加剤のうちの少なくとも1種以上のものを10〜80重
量%程度と、1〜25重量%程度、好ましくは6〜20
重量%程度の湿潤剤とからなる混合粉体である。湿潤剤
としては、水、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール等の製薬上許容される溶剤もしくはこれらの混合
物、またはヘキサン等の水不溶性の有機溶媒を使用する
ことができる。
テーブル3の充填穴11に供給された湿潤粉体Pを無端
ベルト装置5の金型10内に成形された樹脂フィルム製
の容器36内に充填杵19により加圧充填した後、ター
ンテーブル3に対し無端ベルト装置4を相対移動させる
ことにより、容器36内の湿潤粉体Pを擦り切って錠剤
の形に成形し、さらに成形装置22で面取りし、乾燥装
置29で乾燥し、シール装置33で蓋をして、切断装置
35で所定の数の錠剤に切断するので、容器36内に密
閉された錠剤を一貫工程により大量生産することができ
る。
ィルムにより成形された容器内に湿潤粉体を過分に加圧
充填した後、湿潤粉体の表面を擦り切ることにより錠剤
を成形するので、湿潤粉体の取り扱いが容易になって生
産性が向上し、錠剤の空隙率や重量、寸法等のばらつき
も少なくなり、機械的強度の高い、溶解性および崩壊性
に優れた錠剤を、高い精度および品質で生産することが
できる。
造装置として、互いに部分的に接触して相対移動するタ
ーンテーブルと多数の金型を連結した無端ベルト装置と
を使用し、無端ベルト装置の金型内に樹脂フィルム製の
容器を連続して成形し、ターンテーブルの充填穴に供給
された湿潤粉体をターンテーブルが無端ベルト装置と重
なる位置で充填ピンを用いて金型内の容器に加圧充填
し、この加圧充填された湿潤粉体をターンテーブルと無
端ベルト装置とを相対移動させて擦り切ることにより錠
剤を成形するようにしたので、量産に適した生産効率の
高い錠剤製造装置を実現することができる。
平面図。
を示す模式図。
Claims (14)
- 【請求項1】 樹脂フィルムを成形して容器を作り、前
記容器内に湿潤粉体を過分に加圧充填し、前記加圧充填
された湿潤粉体の表面を擦り切ることを含む錠剤製造方
法。 - 【請求項2】 容器内の湿潤粉体の表面角部を面取りす
ることを含む請求項1記載の錠剤の製造方法。 - 【請求項3】 面取りする前に湿潤粉体の面取りする側
の面に離型剤を塗布することを含む請求項2記載の錠剤
製造方法。 - 【請求項4】 面取りする前に面取りを行なう成形型の
端面に離型剤を塗布することを含む請求項2記載の錠剤
製造方法。 - 【請求項5】 容器内の湿潤粉体を乾燥させることを含
む請求項1から4のいずれかに記載の錠剤製造方法。 - 【請求項6】 容器内の湿潤粉体の表面にシールを被せ
て密閉することを含む請求項5記載の錠剤製造方法。 - 【請求項7】 加圧充填時の圧力は、5〜80kg/cm2
である請求項6記載の錠剤製造方法。 - 【請求項8】 複数の容器成形金型を連結した搬送手段
と、前記容器成形金型内に樹脂フィルムを使用して容器
を成形する手段と、前記容器成形金型内に成形された容
器内に湿潤粉体を過分に加圧充填する手段と、前記加圧
充填された湿潤粉体の表面を擦り切る手段とを備えた錠
剤製造装置。 - 【請求項9】 容器内の湿潤粉体の表面角部を面取りす
る手段を備えた請求項8記載の錠剤製造装置。 - 【請求項10】 面取りする前に湿潤粉体の面取りする
側の面に離型剤を塗布する手段を備えた請求項9記載の
錠剤製造装置。 - 【請求項11】 面取りする前に面取りを行なう成形型
の端面に離型剤を塗布する手段を備えた請求項9記載の
錠剤製造装置。 - 【請求項12】 容器内の湿潤粉体を乾燥させる手段を
備えた請求項8から11のいずれかに記載の錠剤製造装
置。 - 【請求項13】 容器内の湿潤粉体にシールを被せて密
閉する手段を備えた請求項12記載の錠剤製造装置。 - 【請求項14】 湿潤粉体を収容するホッパーと、円周
方向に間隔をおいて配置されて前記ホッパーから湿潤粉
体を順次供給される複数の充填穴を有するターンテーブ
ルと、前記ターンテーブルに部分的に重ね合わされて、
その互いに重なる位置で前記充填穴と同心的に位置決め
される長手方向に間隔をおいて配置された複数の容器成
形金型を連結した無端ベルト装置と、前記容器成形金型
内に樹脂フィルムを使用して容器を成形する容器成形装
置と、前記ターンテーブルと無端ベルト装置が互いに重
なる位置で前記充填穴の中の湿潤粉体を、前記容器成形
金型内に成形された容器内に充填ピンにより加圧充填す
る充填加圧装置と、前記容器内に加圧充填された湿潤粉
体の表面角部を成形型により面取りする成形装置と、前
記面取りの際に成形型に湿潤粉体が張り付くのを防止す
る張り付き防止装置と、前記容器にシールを被せて容器
内の湿潤粉体を密閉するシール装置と、前記容器を所定
の数に切断する切断装置と、前記ターンテーブルおよび
無端ベルト装置を同期させて間欠駆動する間欠駆動装置
とを備えた錠剤製造装置。
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