JP3112011B2 - 回転電機の固定子の絶縁構造および車両用交流発電機の固定子 - Google Patents
回転電機の固定子の絶縁構造および車両用交流発電機の固定子Info
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- JP3112011B2 JP3112011B2 JP11222389A JP22238999A JP3112011B2 JP 3112011 B2 JP3112011 B2 JP 3112011B2 JP 11222389 A JP11222389 A JP 11222389A JP 22238999 A JP22238999 A JP 22238999A JP 3112011 B2 JP3112011 B2 JP 3112011B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定子巻線の接合
部表面を絶縁樹脂で覆うことにより絶縁状態を確保する
回転電機の固定子の絶縁構造、およびこの絶縁構造を有
する車両用交流発電機の固定子に関する。
部表面を絶縁樹脂で覆うことにより絶縁状態を確保する
回転電機の固定子の絶縁構造、およびこの絶縁構造を有
する車両用交流発電機の固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用交流発電機に用いられる固定子と
して、複数の導体セグメントを接合することにより形成
された巻線を有するものが従来から知られている。例え
ば、特開昭62−272836号公報や特開昭63−2
74335号公報に開示された電機子コイルが知られて
いる。これらの公報に開示された電機子コイルは、導体
セグメントとしての素線の端部を溶接して波巻きしたも
のであり、そのコイルエンドを樹脂で覆うことにより、
各素線が支持されている。
して、複数の導体セグメントを接合することにより形成
された巻線を有するものが従来から知られている。例え
ば、特開昭62−272836号公報や特開昭63−2
74335号公報に開示された電機子コイルが知られて
いる。これらの公報に開示された電機子コイルは、導体
セグメントとしての素線の端部を溶接して波巻きしたも
のであり、そのコイルエンドを樹脂で覆うことにより、
各素線が支持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般の車両
に搭載される車両用交流発電機には、車両が悪路を走行
した際に泥水等がハウジング内に浸入するおそれがある
ため、導体セグメントの端部を接合した後にこの接合部
に対して絶縁処理を行う必要があるが、上述した公報に
開示された電機子コイルでは、コイルエンドとなる素線
端部の溶接部を支持用の樹脂で覆っているだけであり、
絶縁特性について詳しい説明がなされているわけではな
い。また、支持用に用いられる樹脂は当然ながらある程
度の硬度が要求されるが、固い樹脂で素線の溶接部を覆
った場合には素線と樹脂との間に隙間が形成され、この
隙間に上述した泥やその他の電解液等が浸入して絶縁不
良を引き起こす可能性があり、絶縁皮膜が剥がれた溶接
部分を隙間なく覆ってこの部分の絶縁処理を行う手法が
望まれている。
に搭載される車両用交流発電機には、車両が悪路を走行
した際に泥水等がハウジング内に浸入するおそれがある
ため、導体セグメントの端部を接合した後にこの接合部
に対して絶縁処理を行う必要があるが、上述した公報に
開示された電機子コイルでは、コイルエンドとなる素線
端部の溶接部を支持用の樹脂で覆っているだけであり、
絶縁特性について詳しい説明がなされているわけではな
い。また、支持用に用いられる樹脂は当然ながらある程
度の硬度が要求されるが、固い樹脂で素線の溶接部を覆
った場合には素線と樹脂との間に隙間が形成され、この
隙間に上述した泥やその他の電解液等が浸入して絶縁不
良を引き起こす可能性があり、絶縁皮膜が剥がれた溶接
部分を隙間なく覆ってこの部分の絶縁処理を行う手法が
望まれている。
【0004】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、固定子の接合部の良好な絶
縁状態を確保することができる回転電機の固定子の絶縁
構造および車両用交流発電機の固定子を提供することに
ある。
たものであり、その目的は、固定子の接合部の良好な絶
縁状態を確保することができる回転電機の固定子の絶縁
構造および車両用交流発電機の固定子を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の回転電機の固定子の接合構造は、固定
子巻線の接合部を覆う絶縁樹脂の弾性率を、絶縁樹脂と
接合部との剥離が生じる上限値よりも小さな値に設定す
る。そして、その上限値は、絶縁樹脂の膜厚に応じて変
更される。接合部から絶縁樹脂が剥離する際の剪断応力
が固定子巻線の材質等によって決まっている場合に、絶
縁樹脂の膜厚に対応し許容される絶縁樹脂の弾性率の上
限値が定まることが確かめられている。したがって、こ
の上限値よりも小さな弾性率を有する絶縁樹脂を用いる
ことにより、接合部から絶縁樹脂が剥離することを防止
することができ、接合部の良好な絶縁状態を確保するこ
とができる。
ために、本発明の回転電機の固定子の接合構造は、固定
子巻線の接合部を覆う絶縁樹脂の弾性率を、絶縁樹脂と
接合部との剥離が生じる上限値よりも小さな値に設定す
る。そして、その上限値は、絶縁樹脂の膜厚に応じて変
更される。接合部から絶縁樹脂が剥離する際の剪断応力
が固定子巻線の材質等によって決まっている場合に、絶
縁樹脂の膜厚に対応し許容される絶縁樹脂の弾性率の上
限値が定まることが確かめられている。したがって、こ
の上限値よりも小さな弾性率を有する絶縁樹脂を用いる
ことにより、接合部から絶縁樹脂が剥離することを防止
することができ、接合部の良好な絶縁状態を確保するこ
とができる。
【0006】特に、上述した絶縁樹脂の膜厚の最大値を
ほぼ0.5mmに設定するとともに、固定子巻線を銅に
よって形成することが好ましい。回転電機として車両用
交流発電機等を考えた場合に、接合部間の間隔がほぼ
0.5mmに設定される場合が多く、しかも固定子巻線
には銅線が用いられることが多いためである。これらを
限定することにより、接合部から絶縁樹脂が剥離する際
の剪断応力の具体的な値が定まって、絶縁樹脂の膜厚に
応じて絶縁樹脂の許容される弾性率の具体的な上限値が
特定できる。したがって、この上限値よりも小さな弾性
率を有する樹脂材料の中から絶縁材料を探すことがで
き、材料選定が容易となる。
ほぼ0.5mmに設定するとともに、固定子巻線を銅に
よって形成することが好ましい。回転電機として車両用
交流発電機等を考えた場合に、接合部間の間隔がほぼ
0.5mmに設定される場合が多く、しかも固定子巻線
には銅線が用いられることが多いためである。これらを
限定することにより、接合部から絶縁樹脂が剥離する際
の剪断応力の具体的な値が定まって、絶縁樹脂の膜厚に
応じて絶縁樹脂の許容される弾性率の具体的な上限値が
特定できる。したがって、この上限値よりも小さな弾性
率を有する樹脂材料の中から絶縁材料を探すことがで
き、材料選定が容易となる。
【0007】また、上述した絶縁樹脂としてシリコーン
を用い、所定量の酸化防止材を含ませることにより、冷
熱サイクルが加わった場合でも劣化が少なくなり、回転
電機の固定子の使用に適した絶縁樹脂とすることができ
る。
を用い、所定量の酸化防止材を含ませることにより、冷
熱サイクルが加わった場合でも劣化が少なくなり、回転
電機の固定子の使用に適した絶縁樹脂とすることができ
る。
【0008】また、上述した絶縁樹脂としてエポキシを
用い、所定量の線膨張係数調整用材料を含ませることに
より、絶縁樹脂と接合部間に発生する剪断応力を低減で
きるので、接合部との間で剥離が生じない絶縁樹脂とす
ることができる。
用い、所定量の線膨張係数調整用材料を含ませることに
より、絶縁樹脂と接合部間に発生する剪断応力を低減で
きるので、接合部との間で剥離が生じない絶縁樹脂とす
ることができる。
【0009】具体的には、上述した酸化防止材の含有量
は、0.01%〜5.0%であることが望ましい。ま
た、上述した線膨張係数調整用材料の含有量は、0.0
1%〜70%であることが望ましい。
は、0.01%〜5.0%であることが望ましい。ま
た、上述した線膨張係数調整用材料の含有量は、0.0
1%〜70%であることが望ましい。
【0010】また、本発明の車両用交流発電機の固定子
は、複数のスロットを持つ固定子鉄心と、このスロット
に装備された複数のセグメント導体の端部を互いに接合
してなる固定子巻線とを有しており、この固定子巻線の
接合部の絶縁処理を上述した絶縁樹脂によって行うこと
が望ましい。車両用交流発電機には、車両の走行時等に
おいて泥水等が飛散して絶縁不良等が生じやすい環境に
あるが、上述した絶縁樹脂は確実に固定子巻線の接合部
を覆って剥離しないため、この接合部が他の部品との間
で短絡することを確実に防止することができる。
は、複数のスロットを持つ固定子鉄心と、このスロット
に装備された複数のセグメント導体の端部を互いに接合
してなる固定子巻線とを有しており、この固定子巻線の
接合部の絶縁処理を上述した絶縁樹脂によって行うこと
が望ましい。車両用交流発電機には、車両の走行時等に
おいて泥水等が飛散して絶縁不良等が生じやすい環境に
あるが、上述した絶縁樹脂は確実に固定子巻線の接合部
を覆って剥離しないため、この接合部が他の部品との間
で短絡することを確実に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0012】図1は、車両用交流発電機の全体構成を示
す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子
2、回転子3、フレーム4、整流器5等を含んで構成さ
れている。固定子2の詳細については後述する。
す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子
2、回転子3、フレーム4、整流器5等を含んで構成さ
れている。固定子2の詳細については後述する。
【0013】固定子2は、固定子鉄心22と、固定子巻
線を構成する複数の導体セグメント23と、固定子鉄心
22と各導体セグメント23との間を電気絶縁するイン
シュレータ24とを備えている。
線を構成する複数の導体セグメント23と、固定子鉄心
22と各導体セグメント23との間を電気絶縁するイン
シュレータ24とを備えている。
【0014】回転子3は、絶縁処理された銅線を円筒状
かつ同心状に巻き回した界磁巻線8を、それぞれが6個
の爪部を有するポールコア7によって、シャフト6を通
して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロ
ント側のポールコア7の端面には、フロント側から吸い
込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すために軸
流式の冷却ファン11が溶接等によって取り付けられて
いる。同様に、リヤ側のポールコア7の端面には、リヤ
側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心
式の冷却ファン12が溶接等によって取り付けられてい
る。
かつ同心状に巻き回した界磁巻線8を、それぞれが6個
の爪部を有するポールコア7によって、シャフト6を通
して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロ
ント側のポールコア7の端面には、フロント側から吸い
込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すために軸
流式の冷却ファン11が溶接等によって取り付けられて
いる。同様に、リヤ側のポールコア7の端面には、リヤ
側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心
式の冷却ファン12が溶接等によって取り付けられてい
る。
【0015】フレーム4は、固定子2および回転子3を
収容しており、回転子3がシャフト6を中心に回転可能
な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコ
ア7の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2
が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心2
2の軸方向端面から突出した固定子巻線に対向した部分
に冷却風の吐出窓42が、軸方向端面に吸入窓41がそ
れぞれ設けられている。
収容しており、回転子3がシャフト6を中心に回転可能
な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコ
ア7の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2
が固定されている。また、フレーム4は、固定子鉄心2
2の軸方向端面から突出した固定子巻線に対向した部分
に冷却風の吐出窓42が、軸方向端面に吸入窓41がそ
れぞれ設けられている。
【0016】上述した構造を有する車両用交流発電機1
は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せ
ず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に
回転する。この状態で回転子3の界磁巻線8に外部から
励磁電圧を印加することにより、ポールコア7のそれぞ
れの爪部が励磁され、固定子巻線に3相交流電圧を発生
させることができ、整流器5の出力端子からは所定の直
流電流が取り出される。
は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せ
ず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に
回転する。この状態で回転子3の界磁巻線8に外部から
励磁電圧を印加することにより、ポールコア7のそれぞ
れの爪部が励磁され、固定子巻線に3相交流電圧を発生
させることができ、整流器5の出力端子からは所定の直
流電流が取り出される。
【0017】次に、固定子2の詳細について説明する。
図2は、固定子巻線を構成する導体セグメント23の斜
視図であり、固定子鉄心22に組み付ける前の状態が示
されている。図2に示すように、導体セグメント23
は、棒状あるいは板状の金属材料(例えば銅)をターン
部23cで折り曲げたほぼU字状に形成されており、タ
ーン部23cよりスロットの内周側に配置される内層側
導体部23aと、ターン部23cよりスロットの外周側
に配置される外層側導体部23bとを含んで構成され
る。また、これらの内層側導体部23aと外層側導体部
23bのそれぞれは、固定子2のスロット内に収容され
る直線部としての内部導体と、スロットの外部に露出し
てコイルエンド21を形成する外部導体とによって構成
されている。
図2は、固定子巻線を構成する導体セグメント23の斜
視図であり、固定子鉄心22に組み付ける前の状態が示
されている。図2に示すように、導体セグメント23
は、棒状あるいは板状の金属材料(例えば銅)をターン
部23cで折り曲げたほぼU字状に形成されており、タ
ーン部23cよりスロットの内周側に配置される内層側
導体部23aと、ターン部23cよりスロットの外周側
に配置される外層側導体部23bとを含んで構成され
る。また、これらの内層側導体部23aと外層側導体部
23bのそれぞれは、固定子2のスロット内に収容され
る直線部としての内部導体と、スロットの外部に露出し
てコイルエンド21を形成する外部導体とによって構成
されている。
【0018】図3は、固定子2の部分的な断面図であ
る。固定子2の固定子巻線は、固定子鉄心22の各スロ
ット25に2本の導体セグメント23を挿入し、異なる
スロット25に挿入された導体セグメント23の先端部
同士を互いに結線することにより構成されている。図3
に示すように、この導体セグメント23の内層側導体部
23aおよび外層側導体部23bのそれぞれの断面形状
は、周方向よりも径方向に長い長方形を有しており、こ
の長方形の長辺が径方向に沿って配置されている。この
導体セグメント23は、その表面に絶縁被膜が形成され
ており、隣接する導体セグメント23との絶縁はそれぞ
れの表面に形成された絶縁被膜231によって行われ
る。この絶縁被膜231は、例えばポリアミドイミドに
よって構成されることができる。また、各導体セグメン
ト23とスロット25の内壁面との間の電気的絶縁は、
インシュレータ24によって行われる。
る。固定子2の固定子巻線は、固定子鉄心22の各スロ
ット25に2本の導体セグメント23を挿入し、異なる
スロット25に挿入された導体セグメント23の先端部
同士を互いに結線することにより構成されている。図3
に示すように、この導体セグメント23の内層側導体部
23aおよび外層側導体部23bのそれぞれの断面形状
は、周方向よりも径方向に長い長方形を有しており、こ
の長方形の長辺が径方向に沿って配置されている。この
導体セグメント23は、その表面に絶縁被膜が形成され
ており、隣接する導体セグメント23との絶縁はそれぞ
れの表面に形成された絶縁被膜231によって行われ
る。この絶縁被膜231は、例えばポリアミドイミドに
よって構成されることができる。また、各導体セグメン
ト23とスロット25の内壁面との間の電気的絶縁は、
インシュレータ24によって行われる。
【0019】図4は、固定子2の部分的な外観図であ
る。この図に示すように、固定子巻線を構成する各導体
セグメント23は、固定子鉄心22の軸方向側面の一方
にターン部23cが、他方にターン部23cと反対側の
整列部分としての先端部23fが配置されている。固定
子2の一方のコイルエンド21を構成する導体セグメン
ト23の斜行部23eは、外層と内層とで逆方向に傾斜
した交差部分であり、各層内では同一方向に傾斜してい
る。また、各導体セグメント23の斜行部23eより先
の先端部23f同士の結線は、例えばTIG(tungsten
inert-gas)溶接によって行われる。
る。この図に示すように、固定子巻線を構成する各導体
セグメント23は、固定子鉄心22の軸方向側面の一方
にターン部23cが、他方にターン部23cと反対側の
整列部分としての先端部23fが配置されている。固定
子2の一方のコイルエンド21を構成する導体セグメン
ト23の斜行部23eは、外層と内層とで逆方向に傾斜
した交差部分であり、各層内では同一方向に傾斜してい
る。また、各導体セグメント23の斜行部23eより先
の先端部23f同士の結線は、例えばTIG(tungsten
inert-gas)溶接によって行われる。
【0020】この先端部23fから斜行部23eの一部
にかけて所定の樹脂材料を用いた絶縁樹脂26が形成さ
れている。導体セグメント23の斜行部23eは、その
一部に絶縁樹脂26がかかっているだけであり、そのほ
とんどに絶縁樹脂26が付着していない。したがって、
各導体セグメント23の斜行部23eによって網目状の
通風路が形成されており、固定子巻線の良好な冷却性が
確保されている。
にかけて所定の樹脂材料を用いた絶縁樹脂26が形成さ
れている。導体セグメント23の斜行部23eは、その
一部に絶縁樹脂26がかかっているだけであり、そのほ
とんどに絶縁樹脂26が付着していない。したがって、
各導体セグメント23の斜行部23eによって網目状の
通風路が形成されており、固定子巻線の良好な冷却性が
確保されている。
【0021】ところで、各導体セグメント23の先端部
23fの接合部およびその近傍は、接合に伴って変質を
生じる。例えば、TIG溶接によって先端部23fの溶
融部分の表面が酸化するとともに、その周辺の絶縁被膜
が損傷を受ける。図5は、導体セグメント23の接合部
近傍の状態を示す図である。図5に示すように、TIG
溶接によって接合部を形成した場合には、接合部分であ
る溶融部分(領域A)の表面が著しく酸化される。ま
た、溶融部分に隣接する区域(領域B)の表面の絶縁被
膜が溶接の熱によって損傷あるいは劣化する。このよう
に表面が著しく酸化したり絶縁被膜が損傷や劣化する
と、絶縁樹脂26の密着性が悪くなる傾向にある。例え
ば、粉体を熱硬化させて絶縁樹脂26を形成した場合に
は、領域Aおよび領域Bに対応する導体セグメント23
の表面と絶縁樹脂26との間、あるいは導体セグメント
23の表面と劣化した絶縁被膜との間の密着性が悪いた
め、本実施形態では、図5に示すように、絶縁樹脂26
の被覆範囲を領域Aと領域B、さらにはその先の絶縁被
膜が劣化していない健全部分に至るように設定してい
る。密着性が良好な健全部分までを含めることにより、
絶縁樹脂26が導体セグメント23に強固に固着する。
23fの接合部およびその近傍は、接合に伴って変質を
生じる。例えば、TIG溶接によって先端部23fの溶
融部分の表面が酸化するとともに、その周辺の絶縁被膜
が損傷を受ける。図5は、導体セグメント23の接合部
近傍の状態を示す図である。図5に示すように、TIG
溶接によって接合部を形成した場合には、接合部分であ
る溶融部分(領域A)の表面が著しく酸化される。ま
た、溶融部分に隣接する区域(領域B)の表面の絶縁被
膜が溶接の熱によって損傷あるいは劣化する。このよう
に表面が著しく酸化したり絶縁被膜が損傷や劣化する
と、絶縁樹脂26の密着性が悪くなる傾向にある。例え
ば、粉体を熱硬化させて絶縁樹脂26を形成した場合に
は、領域Aおよび領域Bに対応する導体セグメント23
の表面と絶縁樹脂26との間、あるいは導体セグメント
23の表面と劣化した絶縁被膜との間の密着性が悪いた
め、本実施形態では、図5に示すように、絶縁樹脂26
の被覆範囲を領域Aと領域B、さらにはその先の絶縁被
膜が劣化していない健全部分に至るように設定してい
る。密着性が良好な健全部分までを含めることにより、
絶縁樹脂26が導体セグメント23に強固に固着する。
【0022】また、導体セグメント23の接合部表面が
酸化されて酸化膜が形成された場合、絶縁樹脂26は、
その酸化膜上に形成されることになる。しかしながら、
酸化膜の強度は、導体セグメント23の母材である銅そ
のものに比較して非常に弱い。従って、交流発電機とし
て使用される際の冷熱サイクルによって酸化膜と絶縁樹
脂26との間に過度の剪断応力が作用すると、酸化膜が
破壊され、絶縁樹脂26が剥がれたり、絶縁樹脂26に
クラックが入ったりする可能性が生じる。また、熱によ
って損傷を受けた絶縁皮膜は、導体セグメント23との
密着性が低下しているので、この部分においても、上記
冷熱サイクルによって剥がれ等が生じる可能性がある。
このため、絶縁材料26として、下地である酸化膜等と
の間に過度の剪断応力が作用しないような弾性率及び膜
厚を有する絶縁樹脂を使用する。この点に関しては、後
に詳細に説明する。
酸化されて酸化膜が形成された場合、絶縁樹脂26は、
その酸化膜上に形成されることになる。しかしながら、
酸化膜の強度は、導体セグメント23の母材である銅そ
のものに比較して非常に弱い。従って、交流発電機とし
て使用される際の冷熱サイクルによって酸化膜と絶縁樹
脂26との間に過度の剪断応力が作用すると、酸化膜が
破壊され、絶縁樹脂26が剥がれたり、絶縁樹脂26に
クラックが入ったりする可能性が生じる。また、熱によ
って損傷を受けた絶縁皮膜は、導体セグメント23との
密着性が低下しているので、この部分においても、上記
冷熱サイクルによって剥がれ等が生じる可能性がある。
このため、絶縁材料26として、下地である酸化膜等と
の間に過度の剪断応力が作用しないような弾性率及び膜
厚を有する絶縁樹脂を使用する。この点に関しては、後
に詳細に説明する。
【0023】次に、固定子の製造工程を以下に説明す
る。まず、固定子鉄心22の各スロット25にインシュ
レータ24を挿入する。次に、図2に示す外層側導体部
23bと内層側導体部23aとターン部23cとで構成
されたほぼ同一形状のU字状の導体セグメント23を、
固定子鉄心22の軸方向側面の同一側にターン部23c
が揃うように重ね、図3に示すように外層側導体部23
bがスロット25の奥側に、内層側導体部23aがスロ
ット25の開口側に位置するように、各導体セグメント
23をスロット25内であって先に挿入されたインシュ
レータ24内に挿入する。この導体セグメント23は、
絶縁被膜を持つ銅平板を折り曲げ、プレス等でほぼU字
型形状に整形することにより製作され、ほぼ平行のスロ
ット側面に外層側導体部23bおよび内層側導体部23
aの両側面がインシュレータ24を介して当接するよう
に圧入される。次に、図6に示すように、ターン部23
cによって形成されるコイルエンド21とは反対側に位
置する先端部23fを互いに反対の周方向に折り曲げた
後、異層の他の導体セグメント23の先端部23f同士
が接合されて結線される。このとき、接合部における導
体セグメント23の絶縁被膜は剥離されている。
る。まず、固定子鉄心22の各スロット25にインシュ
レータ24を挿入する。次に、図2に示す外層側導体部
23bと内層側導体部23aとターン部23cとで構成
されたほぼ同一形状のU字状の導体セグメント23を、
固定子鉄心22の軸方向側面の同一側にターン部23c
が揃うように重ね、図3に示すように外層側導体部23
bがスロット25の奥側に、内層側導体部23aがスロ
ット25の開口側に位置するように、各導体セグメント
23をスロット25内であって先に挿入されたインシュ
レータ24内に挿入する。この導体セグメント23は、
絶縁被膜を持つ銅平板を折り曲げ、プレス等でほぼU字
型形状に整形することにより製作され、ほぼ平行のスロ
ット側面に外層側導体部23bおよび内層側導体部23
aの両側面がインシュレータ24を介して当接するよう
に圧入される。次に、図6に示すように、ターン部23
cによって形成されるコイルエンド21とは反対側に位
置する先端部23fを互いに反対の周方向に折り曲げた
後、異層の他の導体セグメント23の先端部23f同士
が接合されて結線される。このとき、接合部における導
体セグメント23の絶縁被膜は剥離されている。
【0024】次に、絶縁樹脂26を各導体セグメント2
3の先端部23fおよびこれにつながる斜行部23eの
一部に付着させた後に硬化させる。なお、図4等に示し
たように、先端部23fと斜行部23eの一部の表面形
状に沿った波形形状に樹脂部材26を形成するために
は、先端部23fを下方に向けた状態で流動性のある絶
縁樹脂26を付着させる、いわゆる流動浸漬が適してい
る。
3の先端部23fおよびこれにつながる斜行部23eの
一部に付着させた後に硬化させる。なお、図4等に示し
たように、先端部23fと斜行部23eの一部の表面形
状に沿った波形形状に樹脂部材26を形成するために
は、先端部23fを下方に向けた状態で流動性のある絶
縁樹脂26を付着させる、いわゆる流動浸漬が適してい
る。
【0025】次に、固定子巻線の接合部に形成する絶縁
樹脂26の詳細について説明する。固定子2を用いて冷
熱サイクルを実施したところ、絶縁樹脂26の剥がれや
クラックに関しては、絶縁樹脂26の弾性率と接合部周
辺の酸化膜との界面に作用する応力(剪断応力)とが大
きく影響していることをFEM(有限要素法)解析の結
果見いだした。
樹脂26の詳細について説明する。固定子2を用いて冷
熱サイクルを実施したところ、絶縁樹脂26の剥がれや
クラックに関しては、絶縁樹脂26の弾性率と接合部周
辺の酸化膜との界面に作用する応力(剪断応力)とが大
きく影響していることをFEM(有限要素法)解析の結
果見いだした。
【0026】図7は、導体セグメント23の材料として
銅を用いた場合の絶縁樹脂26の弾性率と接合部表面の
酸化膜部での応力分布を解析した結果を示す図である。
銅で形成された導体セグメント23の表面が酸化されて
いると、導体セグメント23の表面に形成された絶縁樹
脂26が剥離する場合には、酸化膜が破壊され、その結
果、絶縁樹脂26が導体セグメント23の表面から剥離
する。したがって、酸化膜部における絶縁樹脂26から
受ける剪断応力を酸化膜強度以下とすることにより、剥
離を防止することができる。この酸化膜強度は1.0M
Paであって、絶縁樹脂26の膜厚によって変動しな
い。
銅を用いた場合の絶縁樹脂26の弾性率と接合部表面の
酸化膜部での応力分布を解析した結果を示す図である。
銅で形成された導体セグメント23の表面が酸化されて
いると、導体セグメント23の表面に形成された絶縁樹
脂26が剥離する場合には、酸化膜が破壊され、その結
果、絶縁樹脂26が導体セグメント23の表面から剥離
する。したがって、酸化膜部における絶縁樹脂26から
受ける剪断応力を酸化膜強度以下とすることにより、剥
離を防止することができる。この酸化膜強度は1.0M
Paであって、絶縁樹脂26の膜厚によって変動しな
い。
【0027】図7に示した解析結果によれば、絶縁樹脂
26の膜厚が0.5mmの場合に、酸化膜部における絶
縁樹脂26のせん断応力が1.0MPaとなるのは、弾
性率がほぼ4.0GPaのときであり、これ以下の弾性
率を有する絶縁樹脂26を用いれば剥離が生じないこと
がわかる。但し、弾性率が高い場合(1.0GPa程度
になるような場合)には、冷熱サイクルが加わったとき
に、導体セグメント23と絶縁樹脂26の間の線膨張係
数が大きく異なると、これらの間に剥離が生じるため、
絶縁樹脂26に線膨張係数調整用材料を添加して線膨張
係数を調整することが望ましい。
26の膜厚が0.5mmの場合に、酸化膜部における絶
縁樹脂26のせん断応力が1.0MPaとなるのは、弾
性率がほぼ4.0GPaのときであり、これ以下の弾性
率を有する絶縁樹脂26を用いれば剥離が生じないこと
がわかる。但し、弾性率が高い場合(1.0GPa程度
になるような場合)には、冷熱サイクルが加わったとき
に、導体セグメント23と絶縁樹脂26の間の線膨張係
数が大きく異なると、これらの間に剥離が生じるため、
絶縁樹脂26に線膨張係数調整用材料を添加して線膨張
係数を調整することが望ましい。
【0028】つまり、絶縁樹脂26と酸化膜間に作用す
る剪断応力は、主に絶縁樹脂26の弾性率、膜厚、及び
絶縁樹脂26と導体セグメント23の母材との線膨張係
数差に依存するのである。具体的には、交流発電機の使
用時の冷熱サイクルの上下限温度と、絶縁樹脂26と導
体セグメント23の母材との線膨張係数差とによって、
酸化膜と絶縁樹脂26との界面における膨張・収縮量の
ずれが生じるが、絶縁樹脂26がこの膨張・収縮量のず
れを吸収できる程度の弾性率を有していれば、酸化膜の
破壊、すなわち絶縁樹脂26の剥離やクラックは発生し
ない。また、絶縁樹脂26の膜厚が厚くなるほど、絶縁
樹脂26は酸化膜との界面において変形しにくくなり、
上記の膨張・収縮のずれの吸収性が低下する。従って、
絶縁樹脂26と酸化膜間に作用する剪断応力が、酸化膜
の破壊強度を超えないように、絶縁樹脂26の弾性率、
膜厚、及び絶縁樹脂26と導体セグメント23の母材と
の線膨張係数差を設定する必要がある。
る剪断応力は、主に絶縁樹脂26の弾性率、膜厚、及び
絶縁樹脂26と導体セグメント23の母材との線膨張係
数差に依存するのである。具体的には、交流発電機の使
用時の冷熱サイクルの上下限温度と、絶縁樹脂26と導
体セグメント23の母材との線膨張係数差とによって、
酸化膜と絶縁樹脂26との界面における膨張・収縮量の
ずれが生じるが、絶縁樹脂26がこの膨張・収縮量のず
れを吸収できる程度の弾性率を有していれば、酸化膜の
破壊、すなわち絶縁樹脂26の剥離やクラックは発生し
ない。また、絶縁樹脂26の膜厚が厚くなるほど、絶縁
樹脂26は酸化膜との界面において変形しにくくなり、
上記の膨張・収縮のずれの吸収性が低下する。従って、
絶縁樹脂26と酸化膜間に作用する剪断応力が、酸化膜
の破壊強度を超えないように、絶縁樹脂26の弾性率、
膜厚、及び絶縁樹脂26と導体セグメント23の母材と
の線膨張係数差を設定する必要がある。
【0029】なお、上述した車両用交流発電機1では、
導体セグメント23の接合部間の距離が約0.5mmで
あり、絶縁樹脂26の膜厚の最大値が接合部間の距離に
等しいが、他の回転電機の固定子については適宜絶縁樹
脂26の膜厚の最大値を検討する必要がある。
導体セグメント23の接合部間の距離が約0.5mmで
あり、絶縁樹脂26の膜厚の最大値が接合部間の距離に
等しいが、他の回転電機の固定子については適宜絶縁樹
脂26の膜厚の最大値を検討する必要がある。
【0030】また、発電時に固定子巻線が200゜C以
上になることを考慮すると、絶縁樹脂の耐熱温度は20
0゜C以上であることが望ましい。例えば、200°C
程度の温度が加わったときに絶縁樹脂が酸化してしまう
場合には酸化防止材の添加が必要になる。
上になることを考慮すると、絶縁樹脂の耐熱温度は20
0゜C以上であることが望ましい。例えば、200°C
程度の温度が加わったときに絶縁樹脂が酸化してしまう
場合には酸化防止材の添加が必要になる。
【0031】加工性の面からは、絶縁樹脂26の初期粘
度と溶融時の粘度が重要になる。すなわち、最近の小型
化に伴って接合部間の距離は、上述した0.5mm程度
と非常に狭くなっており、この隙間に絶縁樹脂26を挿
入することを考慮すると、硬化前の絶縁樹脂26の粘度
を少なくとも50Pa・s以下にする必要がある。ま
た、良好な絶縁を図るたには、硬化後接合部間に絶縁樹
脂26が所定の膜厚以上残っていなければならないた
め、溶融時の粘度は0.1Pa・s以上である必要があ
る。
度と溶融時の粘度が重要になる。すなわち、最近の小型
化に伴って接合部間の距離は、上述した0.5mm程度
と非常に狭くなっており、この隙間に絶縁樹脂26を挿
入することを考慮すると、硬化前の絶縁樹脂26の粘度
を少なくとも50Pa・s以下にする必要がある。ま
た、良好な絶縁を図るたには、硬化後接合部間に絶縁樹
脂26が所定の膜厚以上残っていなければならないた
め、溶融時の粘度は0.1Pa・s以上である必要があ
る。
【0032】図8は、各種の絶縁樹脂26を用いた場合
の冷熱サイクル試験の結果を示す図である。この冷熱サ
イクル試験は、200゜C、1時間と−40゜C、1時
間とを交互に1000サイクル繰り返したときの漏れ電
流を計っており、この漏れ電流が1mA以下のときに
「異常なし」となる。なお、漏れ電流は、冷熱サイクル
を経たワークを食塩水に浸漬させた状態で12Vの電圧
を印加して計測した。また、試験サンプルとしては、接
合部間の距離が0.5mmに設定された固定子が用いら
れ、絶縁樹脂26の膜厚の最大値が0.5mmとなって
いる。
の冷熱サイクル試験の結果を示す図である。この冷熱サ
イクル試験は、200゜C、1時間と−40゜C、1時
間とを交互に1000サイクル繰り返したときの漏れ電
流を計っており、この漏れ電流が1mA以下のときに
「異常なし」となる。なお、漏れ電流は、冷熱サイクル
を経たワークを食塩水に浸漬させた状態で12Vの電圧
を印加して計測した。また、試験サンプルとしては、接
合部間の距離が0.5mmに設定された固定子が用いら
れ、絶縁樹脂26の膜厚の最大値が0.5mmとなって
いる。
【0033】図8において、「従来例1」〜「従来例
3」は、比較のために各種の樹脂を絶縁樹脂26の代わ
りに用いて冷熱サイクル試験を行った結果を示してい
る。
3」は、比較のために各種の樹脂を絶縁樹脂26の代わ
りに用いて冷熱サイクル試験を行った結果を示してい
る。
【0034】「従来例1」は絶縁樹脂26として可撓性
エポキシ(あるいはウレタン)を用いた場合であり、弾
性率が1MPaであって弾性率の条件(4GPa以下)
は満たしている。しかし、酸化防止材が添加されていな
いため熱的に弱く、耐熱性の条件(200゜C以上)を
満たしていないため炭化してしまい、1A以上の漏れ電
流が流れて、否定的な試験結果が得られた。
エポキシ(あるいはウレタン)を用いた場合であり、弾
性率が1MPaであって弾性率の条件(4GPa以下)
は満たしている。しかし、酸化防止材が添加されていな
いため熱的に弱く、耐熱性の条件(200゜C以上)を
満たしていないため炭化してしまい、1A以上の漏れ電
流が流れて、否定的な試験結果が得られた。
【0035】「従来例2」は絶縁樹脂26としてシリコ
ーンを用いた場合であり、弾性率が10MPa以下であ
って弾性率の条件は満たしている。しかし、可撓性エポ
キシウレタンの場合と同じであり、酸化防止材が添加さ
れていないため、耐熱性の条件を満たしていないためク
ラックが発生して、1A以上の漏れ電流が流れて、否定
的な試験結果が得られた。
ーンを用いた場合であり、弾性率が10MPa以下であ
って弾性率の条件は満たしている。しかし、可撓性エポ
キシウレタンの場合と同じであり、酸化防止材が添加さ
れていないため、耐熱性の条件を満たしていないためク
ラックが発生して、1A以上の漏れ電流が流れて、否定
的な試験結果が得られた。
【0036】「従来例3」は絶縁樹脂26としてエポキ
シ粉体を用いた場合であり、弾性率が10GPaであっ
て弾性率の条件を満たしていない。このため、剥がれや
クラックが発生し、漏れ電流も1A以上となって、否定
的な試験結果が得られた。
シ粉体を用いた場合であり、弾性率が10GPaであっ
て弾性率の条件を満たしていない。このため、剥がれや
クラックが発生し、漏れ電流も1A以上となって、否定
的な試験結果が得られた。
【0037】また、図8において、「実施例1」〜「実
施例4」は、冷熱サイクル試験において肯定的な試験結
果が得られた具体例を示している。
施例4」は、冷熱サイクル試験において肯定的な試験結
果が得られた具体例を示している。
【0038】「実施例1」は絶縁樹脂26としてシリコ
ーンを用いた場合であり、フィラーとして酸化防止材で
ある酸化鉄(FeO、Fe2 O3 )が添加されている。
弾性率は10MPa以下であって弾性率の条件を満たし
ている。酸化防止材として酸化鉄を3重量%添加するこ
とにより、冷熱サイクル時の酸化が防止できた。また、
この実施例1で使用された絶縁樹脂26の粘度は20P
a・sであって、0.1〜50Pa・sに含まれるた
め、各接合部間に適度に浸入し、接合部表面に保持され
る。
ーンを用いた場合であり、フィラーとして酸化防止材で
ある酸化鉄(FeO、Fe2 O3 )が添加されている。
弾性率は10MPa以下であって弾性率の条件を満たし
ている。酸化防止材として酸化鉄を3重量%添加するこ
とにより、冷熱サイクル時の酸化が防止できた。また、
この実施例1で使用された絶縁樹脂26の粘度は20P
a・sであって、0.1〜50Pa・sに含まれるた
め、各接合部間に適度に浸入し、接合部表面に保持され
る。
【0039】「実施例2」は「実施例1」と同じように
絶縁樹脂26としてシリコーンを用いた場合であり、酸
化防止材としての酸化鉄の他に、熱伝導性を考慮してフ
ィラーとしてアルミナ(Al2 O3 )が10重量%添加
されている。弾性率は10MPa以下であって弾性率の
条件を満たしている。また、この実施例2で使用された
絶縁樹脂26の粘度は25Pa・sであって、0.1〜
50Pa・sに含まれるため、各接合部間に適度に浸入
し、接合部表面に保持される。
絶縁樹脂26としてシリコーンを用いた場合であり、酸
化防止材としての酸化鉄の他に、熱伝導性を考慮してフ
ィラーとしてアルミナ(Al2 O3 )が10重量%添加
されている。弾性率は10MPa以下であって弾性率の
条件を満たしている。また、この実施例2で使用された
絶縁樹脂26の粘度は25Pa・sであって、0.1〜
50Pa・sに含まれるため、各接合部間に適度に浸入
し、接合部表面に保持される。
【0040】なお、上述した実施例1および実施例2で
は、東芝シリコーン社から販売されている品名・型番T
SE326Mのシリコーンを使用した。
は、東芝シリコーン社から販売されている品名・型番T
SE326Mのシリコーンを使用した。
【0041】「実施例3」は絶縁樹脂26としてエポキ
シ粉体を用いた場合であり、線膨張係数調整用材料とし
て溶融シリカ(SiO2)が添加されている。弾性率は
約1GPaであり、弾性率の条件を満たしている。溶融
シリカを52重量%添加することにより、全く添加しな
い場合(従来例3)に比べて弾性率が改善され、しかも
線膨張係数が34ppmになって、銅の17ppmに近
づけることができた。このとき、絶縁樹脂26と酸化膜
間に作用する剪断応力は約0.25MPaであり、酸化
膜の破壊強度である1.0MPaよりも小さい。
シ粉体を用いた場合であり、線膨張係数調整用材料とし
て溶融シリカ(SiO2)が添加されている。弾性率は
約1GPaであり、弾性率の条件を満たしている。溶融
シリカを52重量%添加することにより、全く添加しな
い場合(従来例3)に比べて弾性率が改善され、しかも
線膨張係数が34ppmになって、銅の17ppmに近
づけることができた。このとき、絶縁樹脂26と酸化膜
間に作用する剪断応力は約0.25MPaであり、酸化
膜の破壊強度である1.0MPaよりも小さい。
【0042】また、この実施例3で使用される絶縁樹脂
26の硬化前の溶融時の粘度は10Pa・sであって、
0.1〜50Pa・sに含まれるため、各接合部間に適
度に浸入し、接合部表面に保持される。
26の硬化前の溶融時の粘度は10Pa・sであって、
0.1〜50Pa・sに含まれるため、各接合部間に適
度に浸入し、接合部表面に保持される。
【0043】「実施例4」は「実施例3」と同じように
絶縁樹脂26としてエポキシ粉体を用いた場合であり、
線膨張係数調整用材料としての溶融シリカの他に、熱伝
導性を考慮してフィラーとしてアルミナ(Al2 O3 )
が10重量%添加されている。弾性率は1GPa以下で
あって弾性率の条件を満たしている。また、この実施例
4で使用された絶縁樹脂26の粘度は12Pa・sであ
って、0.1〜50Pa・sに含まれるため、各接合部
間に適度に浸入し、接合部表面に保持される。
絶縁樹脂26としてエポキシ粉体を用いた場合であり、
線膨張係数調整用材料としての溶融シリカの他に、熱伝
導性を考慮してフィラーとしてアルミナ(Al2 O3 )
が10重量%添加されている。弾性率は1GPa以下で
あって弾性率の条件を満たしている。また、この実施例
4で使用された絶縁樹脂26の粘度は12Pa・sであ
って、0.1〜50Pa・sに含まれるため、各接合部
間に適度に浸入し、接合部表面に保持される。
【0044】なお、上述した実施例3および実施例4で
は、溶融シリカを含むエポキシ粉体を使用した。また、
固定子巻線の接合部に対するエポキシ粉体による絶縁樹
脂26の形成は、絶縁樹脂26を形成前の固定子2を温
度200°Cで10分間予熱した後に、15秒間で固定
子巻線の接合部に粉体塗装を行い、さらに温度220°
Cで60分間放置して熱硬化させることにより行った。
は、溶融シリカを含むエポキシ粉体を使用した。また、
固定子巻線の接合部に対するエポキシ粉体による絶縁樹
脂26の形成は、絶縁樹脂26を形成前の固定子2を温
度200°Cで10分間予熱した後に、15秒間で固定
子巻線の接合部に粉体塗装を行い、さらに温度220°
Cで60分間放置して熱硬化させることにより行った。
【0045】このように、本実施形態の固定子は、固定
子巻線の接合部の絶縁処理を所定の特徴を有する絶縁樹
脂26を用いて行っている。この特徴としては、例えば
絶縁樹脂26の膜厚の最大値が0.5mmの場合を考え
ると、 (1)弾性率:4.0GPa以下、 (2)耐熱温度:200°C以上、 (3)粘度:0.1〜50Pa・s の全てを満たす必要がある。
子巻線の接合部の絶縁処理を所定の特徴を有する絶縁樹
脂26を用いて行っている。この特徴としては、例えば
絶縁樹脂26の膜厚の最大値が0.5mmの場合を考え
ると、 (1)弾性率:4.0GPa以下、 (2)耐熱温度:200°C以上、 (3)粘度:0.1〜50Pa・s の全てを満たす必要がある。
【0046】なお、絶縁樹脂26としてシリコーンを用
いた場合は、容易に酸化しやすいため、これを防止する
ために酸化防止材を添加する必要があり、例えば酸化鉄
を用いた場合の許容範囲は0.01%〜5.0%とな
る。また、絶縁樹脂26としてエポキシ粉体を用いた場
合には、絶縁樹脂26の線膨張率を銅の線膨張率17p
pmに近づける必要があり、例えば溶融シリカの場合の
許容範囲は0.01%〜70%となる。
いた場合は、容易に酸化しやすいため、これを防止する
ために酸化防止材を添加する必要があり、例えば酸化鉄
を用いた場合の許容範囲は0.01%〜5.0%とな
る。また、絶縁樹脂26としてエポキシ粉体を用いた場
合には、絶縁樹脂26の線膨張率を銅の線膨張率17p
pmに近づける必要があり、例えば溶融シリカの場合の
許容範囲は0.01%〜70%となる。
【0047】なお、シリコーンは元々弾性率が小さいの
で、線膨張率を調整しなくとも、酸化膜との間に過度の
剪断応力が発生することがない。それに対して、エポキ
シ粉体は比較的大きな弾性率を有するので、上述のよう
に線膨張係数を調整する物質を含有させることが好まし
い。
で、線膨張率を調整しなくとも、酸化膜との間に過度の
剪断応力が発生することがない。それに対して、エポキ
シ粉体は比較的大きな弾性率を有するので、上述のよう
に線膨張係数を調整する物質を含有させることが好まし
い。
【0048】これらの諸条件を満たす絶縁樹脂26を用
いることにより、固定子巻線の接合部の良好な絶縁状態
を確保することができる。
いることにより、固定子巻線の接合部の良好な絶縁状態
を確保することができる。
【0049】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態では、車両用
交流発電機1に備わった固定子2の巻線の接合部の絶縁
状態を確保する場合を説明したが、車両用交流発電機以
外の回転電機の固定子につていも同様に本発明を適用す
ることができる。
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態では、車両用
交流発電機1に備わった固定子2の巻線の接合部の絶縁
状態を確保する場合を説明したが、車両用交流発電機以
外の回転電機の固定子につていも同様に本発明を適用す
ることができる。
【0050】また、上述した実施形態では、絶縁樹脂2
6の膜厚の最大値が0.5mmの場合について説明した
が、それ以外の膜厚を有する場合であってもよい。図7
に示すように、膜厚の最大値が変われば、許容される弾
性率も変わるため、使用可能な絶縁樹脂26を再検討す
る必要がある。例えば、膜厚の最大値が1.5mmの場
合には、弾性率の上限値が200MPaまで下がるた
め、実施例3あるいは実施例4で使用した絶縁樹脂26
では弾性率の条件を満たすことができない。
6の膜厚の最大値が0.5mmの場合について説明した
が、それ以外の膜厚を有する場合であってもよい。図7
に示すように、膜厚の最大値が変われば、許容される弾
性率も変わるため、使用可能な絶縁樹脂26を再検討す
る必要がある。例えば、膜厚の最大値が1.5mmの場
合には、弾性率の上限値が200MPaまで下がるた
め、実施例3あるいは実施例4で使用した絶縁樹脂26
では弾性率の条件を満たすことができない。
【0051】また、上述した実施形態では、導体セグメ
ント23が銅で形成されている場合について説明した
が、アルミニウムによって形成されている場合も同様に
本発明を適用することができる。例えば、図8に示した
実施例1と実施例3の導線材料を銅からアルミに変更
し、これらと組み合わされる絶縁樹脂26は同じものを
用いて冷熱サイクル試験を実施したところ、良好な試験
結果が得られた。
ント23が銅で形成されている場合について説明した
が、アルミニウムによって形成されている場合も同様に
本発明を適用することができる。例えば、図8に示した
実施例1と実施例3の導線材料を銅からアルミに変更
し、これらと組み合わされる絶縁樹脂26は同じものを
用いて冷熱サイクル試験を実施したところ、良好な試験
結果が得られた。
【図1】車両用交流発電機の全体構成を示す図である。
【図2】固定子巻線を構成する導体セグメントの斜視図
である。
である。
【図3】固定子の部分的な断面図である。
【図4】固定子の部分的な外観図である。
【図5】導体セグメントの接合部近傍の状態を示す図で
ある。
ある。
【図6】固定子の両端面のコイルエンドの詳細を示す図
である。
である。
【図7】導体セグメントの材料として銅を用いた場合の
絶縁樹脂の弾性率と接合部表面の酸化膜部での応力分布
を解析した結果を示す図である。
絶縁樹脂の弾性率と接合部表面の酸化膜部での応力分布
を解析した結果を示す図である。
【図8】各種の絶縁樹脂を用いた場合の冷熱サイクル試
験の結果を示す図である。
験の結果を示す図である。
1 車両用交流発電機 2 固定子 3 回転子 5 整流器 11、12 冷却ファン 22 固定子鉄心 23 導体セグメント 24 インシュレータ 26 絶縁樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一秀 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 昭58−95954(JP,A) 特開 平6−253522(JP,A) 特開 平9−137041(JP,A) 特開 昭56−126204(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 3/30 - 3/52 H01B 3/16 - 3/56
Claims (13)
- 【請求項1】 接合部を有する固定子巻線とその接合部
を覆う絶縁樹脂を含んでおり、前記絶縁樹脂の弾性率を
前記絶縁樹脂と前記接合部との剥離が生じる上限値より
も小さな値に設定し、前記上限値は前記絶縁樹脂の膜厚
に応じて変更されることを特徴とする回転電機の固定子
の絶縁構造。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記絶縁樹脂の膜厚は最大値がほぼ0.5mmに設定さ
れており、前記固定子巻線が銅によって形成されている
ことを特徴とする回転電機の固定子の絶縁構造。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記絶縁樹脂はシリコーンであり、所定量の酸化防止材
を含ませることを特徴とする回転電機の固定子の絶縁構
造。 - 【請求項4】 請求項2において、 前記絶縁樹脂はエポキシであり、所定量の線膨張係数調
整用材料を含ませることを特徴とする回転電機の固定子
の絶縁構造。 - 【請求項5】 請求項3において、 前記酸化防止材の含有量は、0.01%〜5.0%の範
囲に設定されることを特徴とする回転電機の固定子の絶
縁構造。 - 【請求項6】 請求項4において、 前記線膨張係数調整用材料の含有量は、0.01%〜7
0%の範囲に設定されることを特徴とする回転電機の固
定子の絶縁構造。 - 【請求項7】 複数のスロットを持つ固定子鉄心と、前
記スロットに装備された複数の銅のセグメント導体の端
部を互いに接合してなる固定子巻線とを有しており、 前記セグメント導体の接合部表面に形成される酸化膜上
に、前記接合部を覆うように絶縁樹脂を設け、 前記絶縁樹脂と前記酸化膜間に作用する剪断応力が、前
記酸化膜の強度以下となるように、前記絶縁樹脂の弾性
率、膜厚及び線膨張係数を設定することを特徴とする車
両用交流発電機の固定子。 - 【請求項8】 前記複数の銅のセグメント導体の端部を
加熱して接合することにより、その接合部の表面に酸化
膜が形成されることを特徴とする請求項7記載の車両用
交流発電機の固定子。 - 【請求項9】 前記絶縁樹脂と前記酸化膜間に作用する
剪断応力が1.0Mpa以下となるように、前記絶縁樹
脂の弾性率、膜厚及び線膨張係数を設定することを特徴
とする請求項7記載の車両用交流発電機の固定子。 - 【請求項10】 前記絶縁樹脂は、200℃以上の耐熱
温度を有することを特徴とする請求項7乃至請求項9の
いずれかに記載の車両用交流発電機の固定子。 - 【請求項11】 前記絶縁樹脂は、0.1〜50Pa・
sの範囲の粘度を有することを特徴とする請求項7乃至
請求項9のいずれかに記載の車両用交流発電機の固定
子。 - 【請求項12】 前記銅のセグメント導体は、絶縁膜に
よって被覆され、かつ前記接合部となる端部のみ、前記
絶縁膜が剥離されたものであり、 前記絶縁樹脂は、前記接合部に加えて、前記銅のセグメ
ント導体の端部を加熱して接合する際に、その熱の影響
によって劣化した絶縁膜をも覆うように設けられること
を特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかに記載
の車両用交流発電機の固定子。 - 【請求項13】 複数のスロットを持つ固定子鉄心と、
前記スロットに装備された複数の銅のセグメント導体の
端部を互いに接合してなる固定子巻線とを有しており、 前記セグメント導体の接合部表面には酸化膜が形成さ
れ、この酸化膜が形成された接合部を覆うようにエポキ
シを設け、このエポキシに、その線膨張係数を低下させ
て前記酸化膜の破壊を防止するように、所定量の線膨張
係数調整用材料が添加されることを特徴とする車両用交
流発電機の固定子。
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