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JP3170460B2 - 吊子及び屋根板材の接続構造 - Google Patents

吊子及び屋根板材の接続構造

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Publication number
JP3170460B2
JP3170460B2 JP20388196A JP20388196A JP3170460B2 JP 3170460 B2 JP3170460 B2 JP 3170460B2 JP 20388196 A JP20388196 A JP 20388196A JP 20388196 A JP20388196 A JP 20388196A JP 3170460 B2 JP3170460 B2 JP 3170460B2
Authority
JP
Japan
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roof
piece
plate
heat insulating
groove
Prior art date
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JP20388196A
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JPH1046754A (ja
Inventor
哲 名和手
滋也 園部
Original Assignee
大同鋼板株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 大同鋼板株式会社 filed Critical 大同鋼板株式会社
Priority to JP20388196A priority Critical patent/JP3170460B2/ja
Publication of JPH1046754A publication Critical patent/JPH1046754A/ja
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Publication of JP3170460B2 publication Critical patent/JP3170460B2/ja
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板等で形成され
る屋根板材を屋根下地に取り付けて固定するための吊子
及び断熱性能を有する屋根における屋根板材の接続構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より断熱性能を有する屋根を形成す
るにあたっては、野路板等の屋根下地にポリウレタンフ
ォームや発泡スチロールやロックウールやグラスウール
等で形成される断熱材を介装させて鋼板等で形成される
屋根板材を葺設することがおこなわれている。屋根下地
に断熱材を介装させて屋根板材を葺設する方法として
は、屋根下地に断熱材を敷設し、次にこの断熱材に屋根
板材を載設したり、あるいは屋根板材に断熱材を裏打ち
した屋根パネルを屋根下地に載設したりする方法などが
ある。そして屋根板材を屋根下地に取り付けて固定する
にあたっては、吊子が用いられている。
【0003】図7には屋根パネル10を用いた場合の屋
根板材2の施工例が示されている。屋根板材2の棟側端
部には折り曲げ加工によって上側に突出する被係合部3
が形成されていると共に屋根板材2の軒側端部には折り
曲げ加工によって下側に突出する係合部8が形成されて
おり、この屋根板材2の下面(裏面)に断熱材1を裏打
ちして設けることによって屋根パネル10が形成されて
いる。吊子9は屋根下地6に取り付けられる吊子本体7
に係着片11を設けて形成されるものである。吊子本体
7はその下端に固定片12を棟側に突出させて設けるこ
とによって断面略L字形に形成されている。係着片11
は吊子本体7よりも軒側に突出するように吊子本体7の
上端に延設されるものであって、係着片11の軒側端部
には下方に突出する係止突片13が設けられている。
【0004】そして上記屋根パネル10を屋根下地6に
載置して屋根を形成するにあたっては、先ず屋根パネル
10を屋根下地6に載置し、次に屋根パネル10の被係
合部3に吊子9の係着片11を係止し、次に吊子9の固
定片12を屋根パネル10の棟側において屋根下地6に
ビス止め等で固定することによって吊子9で屋根パネル
10を屋根下地6に固定して取り付ける。次に上記屋根
パネル10の棟側に配置される他の屋根パネル10の係
合部8を屋根下地6に取り付けた上記屋根パネル10の
被係合部3に係合する。このようにして屋根パネル10
と他の屋根パネル10とを軒棟方向に接続しながら順次
屋根下地6の上に取り付けて固定することによって屋根
が形成されるのである。
【0005】しかし上記屋根板材2は断熱材1を介装さ
せて屋根下地6に葺設されているので、断熱材1の経時
変化によるシュリンク(収縮)によって、あるいは断熱
材1の強度が弱くて圧縮されることによって、屋根板材
2の被係合部3と吊子9の間に隙間が生じてこれらの係
止が弱くなったり外れたりすることがあり、このために
屋根板材2にがたつきが発生したり屋根板材2の取付強
度が低下したりするという恐れがあった。またこのよう
に屋根板材2にがたつきや取付強度の低下が生じると、
これに接続される他の屋根板材2にもがたつきや取付強
度の低下が生るという問題があった。特に屋根の断熱性
能を高めるために断熱材1の厚みを大きくした場合、こ
の問題が大きくなっていた。
【0006】また上記屋根板材2は比較的強度の小さい
断熱材1に支持されているので、負圧(風の吹上)よっ
て図7(b)のように屋根板材2の軒側端部が持ち上が
ると屋根板材2の棟側端部が下がって下側の断熱材1を
押し潰して断熱材1の棟側端部に凹み14が生じること
になり、この凹み14によって屋根板材2の被係合部3
と吊子9の間に隙間が生じてこれらの係止が弱くなった
り外れたりすることがあり、このために屋根板材2にが
たつきが発生したり屋根板材2の取付強度が低下したり
するという恐れがあった。従って屋根板材2のモーメン
トが大きくなるようなこと、例えば断熱材1の厚みを大
きくするようなことはできず、断熱性能の高い屋根を形
成することができないものであった。
【0007】図8には屋根パネル10を用いた屋根板材
2の他の施工例が示されている。この屋根パネル10は
被係合部3の棟側に釘打ち部15を設けて形成してあ
る。そしてこの屋根パネル10で屋根を形成するにあた
っては、先ず屋根パネル10を屋根下地6に載置し、次
に屋根パネル10の釘打ち部15から屋根下地6に釘1
6を打ち込んで屋根パネル10を屋根下地6に固定して
取り付ける。次に上記屋根パネル10の棟側に配置され
る他の屋根パネル10の係合部8を屋根下地6に取り付
けた上記屋根パネル10の被係合部3に係合する。この
ようにして屋根パネル10と他の屋根パネル10とを軒
棟方向に接続しながら順次屋根下地6の上に屋根パネル
10を取り付けて敷設することによって屋根が形成され
るのである。
【0008】しかし上記のように屋根パネル10を釘打
ちで屋根下地6に固定すると、釘打ちによって釘打ち部
15の箇所の屋根板材2や断熱材1が凹んで(歪んで)
屋根板材2の被係合部3が位置ずれを起こすことがあ
り、この被係合部3の位置ずれによって他の屋根板材2
の係合部8と十分な強度で嵌合(係合)することができ
ず、屋根板材2と他の屋根板材2の接続強度が低くなっ
て屋根板材2にがたつきが発生したり屋根板材2の取付
強度が低下したりするという問題があった。また被係合
部3の位置ずれによって他の屋根板材2の係合部8と隙
間なく嵌合(係合)することができず、屋根板材2と他
の屋根板材2の被係合部分の水密性が低下するという問
題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、屋根
板材にがたつきや取付強度の低下を生じさせないように
することができる吊子及び屋根板材の接続構造を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の吊子は、屋根下地6に断熱材1を介装させて葺設され
た屋根板材2を固定するための吊子であって、屋根板材
2の軒棟方向の端部に形成される溝部50を上下に挟持
するための一対の挟持片4、5を屋根下地6に固定され
る吊子本体7に形成し、溝部50に嵌め込むための嵌合
部40を一方の挟持片4に形成して成ることを特徴とす
るものである。
【0011】発明の請求項に記載の屋根板材の接続
構造は、屋根下地6に断熱材1を介装させて葺設された
屋根板材2に被係合部3を上側に突出させて設けると共
に被係合部3と屋根板材2の軒棟方向の一方の端部に溝
部50を形成し、屋根板材2の軒棟方向の他方の端部に
係合部8を設け、吊子本体7に一対の挟持片4、5を設
ると共に一方の挟持片4に嵌合部40を形成して吊子
9を形成し、溝部50に嵌合部40を嵌め込んで吊子9
の挟持片4、5で屋根板材2の溝部50を上下に挟持す
ると共に吊子本体7を屋根下地6に固定し、上記屋根板
材2の被係合部3に他の屋根板材2の係合部8を係合し
て成ることを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3に記載の屋根板材の接続
構造は、請求項2に記載される構成に加えて、屋根板材
2に断熱材1を裏打ちして成ることを特徴とするもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。屋根パネル10は屋根板材2の下面(裏面)の略
全面に亘って断熱材1を裏打ちして一体化することによ
って形成されるものであり、断熱材1としてはポリウレ
タンフォーム(スタイロフォーム)や発泡スチロールや
ロックウールやグラスウール等で形成されるものを用い
ることができる。ポリウレタンフォームや発泡スチロー
ル等の発泡性樹脂を用いて断熱材1を形成する場合に
は、屋根板材2の下面に発泡性樹脂を塗布し、これを発
泡させることによって発泡性樹脂の自己接着力で屋根板
材2の下面に断熱材1を接着して固定することができ
る。
【0014】屋根板材2は耐食性のある鋼板などを折り
曲げ加工して形成されるものであり、図2に示すように
屋根板材2の棟側端部(屋根下地6に敷設した際に屋根
の棟側に向く方の端部)の近傍(棟側端部から軒側へ2
0mm程度の位置)には被係合部3が、屋根板材2の軒
側端部(屋根下地6に敷設した際に屋根の軒側に向く方
の端部)には係合部8がそれぞれ屋根板材2の幅方向
(軒棟方向と直交する方向で、例えば妻方向)の略全長
に亘って形成されている。
【0015】屋根板材2の被係合部3は、軒側に傾斜す
る傾斜片20の上端に突出片21を軒側に突出させるよ
うに折り曲げて形成すると共に突出片21の軒側端部に
延設片22を棟側に突出させるように折り曲げて設ける
ことによって形成されている。突出部21の基部付近に
は突部24が屋根板材2の幅方向の略全長に亘って設け
てあると共に延設片22と屋根板材2の上面の間は軒側
に開口する差し込み凹部23として形成されている。ま
た屋根板材2には溝部50が被係合部3の棟側において
屋根板材2の幅方向の略全長に亘って凹設されている。
この溝部50は上記被係合部3の傾斜片20と、傾斜片
20の下端に棟側に突出させるように折り曲げて形成さ
れ下面を断熱材1の上面に当接させた底面部51と、底
面部51の棟側端部に上側に突出させるように折り曲げ
て形成される支持片52とで囲まれて上側に開口させて
形成されており、支持片52の上端には棟側に突出する
ように折り曲げて当接片53が設けてある。
【0016】屋根板材2の係合部8は、断熱材1の軒側
端部よりも軒側に突出する突片26の端部に折曲片27
を下方に突出させるように折り曲げて形成し、折曲片2
7の下端に弾接片28を棟側に突出させように折り曲げ
て設けることにより断面略コ字型に形成されるものであ
る。弾接片28の基部には下方に突出する弾接突部29
が設けてあると共に弾接片28の先端は下方に折り返さ
れて折り返し片30が形成されている。
【0017】吊子9は耐食性のある鋼板等を折り曲げ加
工して形成されるものであって、図3(a)(b)
(c)に示すように上吊子本体31と下吊子本体32か
ら構成される吊子本体7に上下一対の挟持片4、5を設
けて形成されている。吊子本体7の上吊子本体31は断
面略L字形であって、その下端には棟側(屋根下地6に
取り付けた際に屋根の棟側に向く方)に突出する上固定
片33が折り曲げられて設けてある。また上吊子本体3
1の上端には上側の挟持片4が軒側に突出させるように
折り曲げて形成してある。
【0018】上側の挟持片4は上吊子本体31の上端に
連設される押付片60と、押付片60の軒側端部に下方
に突出させて形成される係着片61と、係着片61の下
端に軒側に突出させて形成される押圧片62と、押圧片
62の軒側端部に上記溝部50の傾斜片20の傾斜と略
同傾斜で上方に突出させて形成される接触片63とで形
成されており、上記係着片61と押圧片62と接触片6
3とで上記溝部50の上面の形状と略同じ下面の形状を
有する嵌合部40が形成されている。さらに上吊子本体
31と挟持片4には上固定片33から挟持片4の中央部
に亘って一対のリブ部45が上方に突出させて設けてあ
り、リブ部45によって上吊子本体31と挟持片4の曲
げ強度などが高められている。また上固定片33の略中
央及び各リブ部45にはその上下面に開口する三つの長
ネジ孔35が穿設されている。
【0019】吊子本体7の下吊子本体32は断面略L字
形であって、その下端には棟側に突出する下固定片36
が折り曲げられて設けてある。また下吊子本体32の上
端には挟持片5が下吊子本体32に対してほぼ垂直に軒
側に突出させるように折り曲げられて形成されている。
さらに下固定片36にはその上下面に開口する三つの下
ネジ孔37を上記各長ネジ孔35にそれぞれ対応させて
穿設してある。そして上吊子本体31の上固定片33の
棟側端部の側端部と下吊子本体32の下固定片36の棟
側端部の側端部とをバネ性を有する曲げ部38を介して
接合することによって吊子9が形成される。図3(a)
の矢印で示すように吊子9の上吊子本体31と下吊子本
体32は曲げ部38を中心として互いに回動自在に形成
されている。
【0020】次にこの吊子9を用いた上記屋根パネル1
0の敷設方法について説明する。先ず屋根板材2の被係
合部3が棟側に、係合部8が軒側にそれぞれ向くように
して上記屋根パネル10を野路板等の屋根下地6に載置
して屋根下地6に断熱材1を介装させて屋根板材2を葺
設する。次に挟持片4、5を上下に離した状態で、下吊
子本体32の挟持片5を屋根パネル10の棟側端部から
断熱材1と屋根板材2の接合部分に底面部51の下面に
沿って差し込んで挟持片5の上面を底面部51の下面に
当接させると共に、断熱材1の棟側の端面に下吊子本体
32の軒側の面を当接させる。
【0021】次に上吊子本体31を曲げ部38を中心と
して下方に回動させて、上吊子本体31の軒側の面と下
吊子本体32の棟側の面を当接させると共に上吊子本体
31の上固定片33の下面と下吊子本体32の下固定片
36の上面とを当接させ、さらに屋根板材2の溝部50
に上方から上吊子本体31の挟持片4の嵌合部40を弾
性的に嵌め込んで嵌合部40の下面(外面)を溝部50
の上面(内面)に当接させると共に上側の挟持片4の押
付片60の下面を当接片53の上面に押し付けて当接さ
せる。
【0022】次に屋根パネル10よりも棟側の部分にお
いて屋根下地6に吊子9の長ネジ孔35と下ネジ孔37
を通してドリルビスや釘等の固定具41を打ち込んで吊
子9の上固定片33と下固定片36を屋根下地6に固定
して吊子9を屋根下地6に取り付けることによって、挟
持片4、5で屋根板材2の溝部50を上下から挟んで挟
持して屋根板材2に吊子9を結合する。このようにして
図1に示すように吊子9で屋根パネル10を屋根下地6
に固定して取り付けることができる。
【0023】上記のように本発明の吊子9は、屋根板材
2の溝部50を挟持片4、5で上下に挟持するので、屋
根板材2の下面を下側の挟持片5で支持することによっ
て、断熱材1の経時変化によるシュリンク(収縮)が生
じても、あるいは断熱材1の強度が弱くても屋根板材2
の溝部50と吊子9の挟持片4、5の間に隙間が生じな
いようにすることができ、屋根板材2の溝部50と吊子
9の挟持片4、5の係合が弱くなったり外れたりするこ
とがなくなって、屋根板材2にがたつきが生じないよう
にすることができると共に屋根板材2の取付強度を大き
くすることができる。そしてこのように屋根板材2の取
付強度を大きくすることができるので、屋根板材2のモ
ーメントが大きくなるようなこと、つまり断熱材1の厚
みを大きくしても負圧によって屋根板材2の軒側端部が
持ち上がりにくくすることができ、断熱材1の厚みを大
きくして断熱性能の高い屋根を形成することができる。
【0024】また屋根板材2の溝部50と断熱材1の間
に下側の挟持片5を介在させることによって、万が一負
圧よって屋根板材2の軒側端部が持ち上がっても屋根板
材2の棟側端部が下がることを挟持片5で防止して断熱
材1が屋根板材2で押し潰されるようなことがなくな
り、屋根板材2にがたつきを発生させないようにするこ
とができると共に屋根板材2の取付強度を低下させない
ようにすることができる。
【0025】さらに本発明の吊子9を用いて屋根パネル
10を敷設することによって、屋根板材2や断熱材1に
直接釘打ちをするようなことがなくなり、釘打ちによっ
て屋根板材2や断熱材1が凹んで(歪んで)屋根板材2
の被係合部3が位置ずれを起こさないようにすることが
できる。従って屋根板材2の被係合部3と他の屋根板材
2の係合部8とを十分な強度で嵌合(係合)することが
でき、屋根板材2にがたつきや取付強度の低下を生じさ
せないようにすることができるものであり、また屋根板
材2の被係合部3と他の屋根板材2の係合部8とを隙間
なく嵌合(係合)することができ、屋根板材2の被係合
部分に水密性の低下が起こらないようにすることができ
るものである。
【0026】また吊子9の嵌合部40を屋根板材2の溝
部50に弾性的に嵌め込むことによって屋根板材2と吊
子9とを結合することができ、屋根板材2の施工(取り
付け及び固定)を簡単におこなうことができるものであ
り、しかも溝部50に釘打ちをおこなわないので、溝部
に孔が開くようなことがなく、屋根板材2の防水性が低
下しないようにすることができるものであり、また水密
処理などをおこなう必要がなくなるものである。
【0027】複数個の吊子9を用いて上記のように敷設
された屋根パネル10の棟側には他の屋根パネル10が
接続されて敷設される。つまり棟側の屋根パネル10の
屋根板材2に形成された係合部8を軒側の屋根パネル1
0の被係合部3の上部に嵌め込み、棟側の屋根パネル1
0の係合部8の弾接片28を軒側の屋根パネル10の差
し込み凹部23に軒側から差し込んで棟側の屋根パネル
10の係合部8の弾接片28の先端を差し込み凹部23
の棟側面に当接させ、さらに棟側の屋根板材2の軒側端
部付近の下面を軒側の屋根パネル10の被係合部3の突
部24の上面に当接させると共に弾接突片29の下面を
差し込み凹部23内の屋根板材2の上面に弾接させるこ
とによって、棟側の屋根パネル10の係合部8を軒側の
屋根パネル10の被係合部3に係止させて、図1に示す
ように屋根パネル10を軒棟方向に接続することができ
るのである。
【0028】このように本発明の屋根板材2の接続構造
は、軒側に敷設された屋根パネル10の屋根板材2に設
けた被係合部3に棟側に敷設された屋根パネル10の屋
根板材2に形成される係合部8を係止するようにして軒
棟方向に並んだ屋根板材2を接続するので、上述のよう
に吊子9によって取付強度が高められた軒側の屋根板材
2に棟側の屋根板材2の軒側端部を接続することによっ
て、棟側の屋根板材2の取付強度、特に棟側の屋根板材
2の軒側端部の取付強度を高くすることができ、棟側の
屋根板材2が負圧によって持ち上げられないようにする
ことができるものであり、従って屋根板材2にがたつき
を発生させないようにすることができると共に屋根板材
2の取付強度を低下させないようにすることができる。
【0029】図4には屋根パネル10の幅方向(例えば
妻方向)に並設される屋根パネル10の接続方法が示し
てある。屋根パネル10の屋根板材2の側端部は連結部
41として形成してあり、屋根板材2の連結部41と断
熱材1の間には耐食性のある鋼板等で形成される捨て板
49が配設される。捨て板49は隣接する屋根パネル1
0の側端部間に跨がらせて配置されると共に捨て板49
は屋根パネル10の軒棟方向の略全長に亘って配置され
る。また捨て板49には軒棟方向に複数本の水止め突条
42が形成されており、水止め突条42で隣接する屋根
パネル10の側端部間に浸入した雨水が断熱材1の方に
入らないように防水している。
【0030】さらに隣接する屋根パネル10の各連結部
41の先端には断面略U字形の差し込み片44がそれぞ
れ嵌着されると共に差し込み片44の上側にはカバー4
5が軒棟方向の屋根パネル10の略全長に亘って配設さ
れる。カバー45は耐食性のある鋼板等で形成されるも
のであって、カバー45を隣接する屋根パネル10の側
端部間に跨がらせて取り付けることによって、隣接する
屋根パネル10の側端部間の隙間をカバー45で覆って
防水性を高くすることができるものである。
【0031】図6(a)(b)には吊子9の他の実施の
形態が示してある。この吊子9は図3(a)(b)
(c)に示す上記実施の形態の吊子9において、上吊子
本体31と下吊子本体32を曲げ部38で接合せずにそ
れぞれ別体で形成したものである。つまり上吊子本体3
1と下吊子本体32から構成される吊子本体7に上下一
対の挟持片4、5を設けて形成されている。吊子本体7
の上吊子本体31は断面略L字形であって、その下端に
は棟側(屋根下地6に取り付けた際に屋根の棟側に向く
方)に突出する上固定片33が設けてある。また上吊子
本体31の上端には上側の挟持片4が軒側に突出させる
ように折り曲げて形成してある。
【0032】上側の挟持片4は上吊子本体31の上端に
連設される押付片60と、押付片60の軒側端部に下方
に突出させて形成される係着片61と、係着片61の下
端に軒側に突出させて形成される押圧片62と、押圧片
62の軒側端部に上記溝部50の傾斜片20の傾斜と略
同傾斜で上方に突出させて形成される接触片63とで形
成されており、上記係着片61と押圧片62と接触片6
3とで上記溝部50の上面の形状と略同じ下面の形状を
有する嵌合部40が形成されている。さらに上吊子本体
31と挟持片4には上固定片33から挟持片4の中央部
に亘って一対のリブ部45が上方に突出させて設けてあ
り、リブ部45によって上吊子本体31と挟持片4の曲
げ強度などが高められている。また上固定片33の略中
央及び各リブ部45にはその上下面に開口する三つの長
ネジ孔35が穿設されている。
【0033】吊子本体7の下吊子本体32は断面略L字
形であって、その下端には棟側に突出する下固定片36
が折り曲げて設けてある。また下吊子本体32の上端に
は挟持片5が下吊子本体32に対してほぼ垂直に軒側に
突出させるように折り曲げて形成されている。さらに下
固定片36にはその上下面に開口する三つの下ネジ孔3
7を上記各長ネジ孔35にそれぞれ対応させて穿設して
ある。
【0034】次にこの吊子9を用いた上記屋根パネル1
0の敷設方法について説明する。先ず屋根板材2の被係
合部3が棟側に、係合部8が軒側にそれぞれ向くように
して上記屋根パネル10を野路板等の屋根下地6に載置
して屋根下地6に断熱材1を介装させて屋根板材2を葺
設する。次に下吊子本体32の挟持片5を屋根パネル1
0の棟側端部から断熱材1と屋根板材2の接合部分に底
面部51の下面に沿って差し込んで挟持片5の上面を底
面部51の下面に当接させると共に、断熱材1の棟側の
端面に下吊子本体32の軒側の面を当接させる。
【0035】次に上吊子本体31の軒側の面と下吊子本
体32の棟側の面を当接させると共に上吊子本体31の
上固定片33の下面と下吊子本体32の下固定片36の
上面とを当接させる。さらに屋根板材2の溝部50に上
吊子本体31の挟持片4の嵌合部40を弾性的に嵌め込
んで嵌合部40の下面(外面)を溝部50の上面(内
面)に当接させると共に上側の挟持片4の押付片60の
下面を当接片53の上面に押し付けて当接させる。
【0036】次に屋根パネル10よりも棟側の部分にお
いて屋根下地6に吊子9の長ネジ孔35と下ネジ孔37
を通してドリルビスや釘等の固定具41を打ち込んで吊
子9の上固定片33と下固定片36を屋根下地6に固定
して吊子9を屋根下地6に取り付けることによって、挟
持片4、5で屋根板材2の溝部50を上下から挟んで挟
持して屋根板材2に吊子9を結合する。このようにして
図6に示すように吊子9で屋根パネル10を屋根下地6
に固定して取り付けることができる。
【0037】この実施の形態の吊子9は、上吊子本体3
1と下吊子本体32をそれぞれ別体で形成したので、上
吊子本体31を回動させたりすることなく屋根板材2と
吊子9を結合することができ、上記実施の形態の吊子9
に比べて屋根板材2と吊子9の結合作業がおこないやす
くなるものである。尚、上記では吊子9の挟持片4、5
で挟持される溝部50を屋根板材2の棟側に設けた実施
の形態を説明したが、これに限定されず、例えば吊子9
の挟持片4、5で挟持される溝部50が屋根板材2の軒
側に形成されるものであってもよい。また上記では屋根
パネル10を用いて屋根を形成する実施の形態を説明し
たが、これに限定されず、屋根パネル10を用いない方
法、例えば屋根下地6に先に断熱材1のみを敷設し、次
にこの断熱材1に屋根板材2を載設して屋根を形成する
ようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、屋根下地に断熱材を介装させて葺設された屋根
板材を固定するための吊子であって、屋根板材の軒棟方
向の端部に形成される溝部を上下に挟持するための一対
の挟持片を屋根下地に固定される吊子本体に形成し、溝
部に嵌め込むための嵌合部を一方の挟持片に形成するの
で、溝部に嵌合部を嵌め込んで屋根板材の溝部を挟持片
で上下に挟持すると共に屋根板材の下面を下側の挟持片
で支持することによって、断熱材の経時変化によるシュ
リンク(収縮)が生じても、あるいは断熱材の強度が弱
くても屋根板材の溝部と挟持片の間に隙間が生じないよ
うにすることができ、屋根板材の溝部と挟持片の係合が
弱くなったり外れたりすることがなくなって、屋根板材
にがたつきが生じないようにすることができると共に屋
根板材の取付強度を大きくすることができるものであ
る。そしてこのように屋根板材の取付強度を大きくする
ことができるので、断熱材の厚みを大きくしても負圧に
よって屋根板材の軒側端部が持ち上がりにくくすること
ができ、断熱材の厚みを大きくして断熱性能の高い屋根
を形成することができるものである。さらに屋根板材の
溝部を一対の挟持片で挟持して屋根板材を屋根下地に固
定することによって、屋根板材の溝部に釘打ちをおこな
わないようにすることができ、屋根板材の溝部に孔が開
かなくなって屋根板材の防水性が低下しないようにする
ことができるものであり、また水密処理を施す必要がな
くなるものである。
【0039】た本発明の請求項に記載の発明は、屋
根下地に断熱材を介装させて葺設された屋根板材に被係
合部を上側に突出させて設けると共に被係合部と屋根板
材の軒棟方向の一方の端部との間に溝部を形成し、屋根
板材の軒棟方向の他方の端部に係合部を設け、吊子本体
に一対の挟持片を設けると共に一方の挟持片に嵌合部を
形成して吊子を形成し、溝部に嵌合部を嵌め込んで吊子
の挟持片で屋根板材の溝部を上下に挟持すると共に吊子
本体を屋根下地に固定し、上記屋根板材の被係合部に他
の屋根板材の係合部を係合するので、吊子によって取付
強度が高められた軒側の屋根板材に棟側の屋根板材の軒
側端部を接続することによって、棟側の屋根板材の取付
強度、特に棟側の屋根板材の軒側端部の取付強度を高く
することができ、棟側の屋根板材が負圧によって持ち上
げられないようにすることができるものであり、従って
屋根板材にがたつきを発生させないようにすることがで
きると共に屋根板材の取付強度を低下させないようにす
ることができるものである。さらに屋根板材の溝部を一
対の挟持片で挟持して屋根板材を屋根下地に固定するこ
とによって、屋根板材の溝部に釘打ちをおこなわないよ
うにすることができ、屋根板材の溝部に孔が開かなくな
って屋根板材の防水性が低下しないようにすることがで
きるものであり、また水密処理を施す必要がなくなるも
のである。
【0040】また本発明の請求項に記載の発明は、屋
根板材に断熱材を裏打ちするので、屋根板材を屋根下地
に葺設するのと同時に屋根下地と屋根板材の間に断熱材
を介装させることができ、屋根板材の接続を容易におこ
なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屋根板材の接続構造の一実施の形態を
示す断面図である。
【図2】同上の屋根板材を示す斜視図である。
【図3】(a)は同上の吊子の一実施の形態を示す斜視
図、(b)は側面図、(c)は断面図である。
【図4】同上の屋根パネルの幅方向における接続構造を
示す斜視図である。
【図5】(a)は同上の他の実施の形態の吊子の上吊子
本体を示す斜視図、(b)は下吊子本体を示す斜視図で
ある。
【図6】図6に示す吊子を用いた屋根板材の接続構造の
他の実施の形態を示す断面図である。
【図7】(a)は従来例を示す概略側面図、(b)は
(a)の一部の概略断面図である。
【図8】他の従来例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 断熱材 2 屋根板材 3 被係合部 4 挟持片 5 挟持片 6 屋根下地 7 吊子本体 8 係合部 9 吊子40 嵌合部 50 溝部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/00 - 3/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根下地に断熱材を介装させて葺設され
    た屋根板材を固定するための吊子であって、屋根板材の
    軒棟方向の端部に形成される溝部を上下に挟持するため
    の一対の挟持片を屋根下地に固定される吊子本体に形成
    、溝部に嵌め込むための嵌合部を一方の挟持片に形成
    て成ることを特徴とする吊子。
  2. 【請求項2】 屋根下地に断熱材を介装させて葺設され
    た屋根板材に被係合部を設けると共に被係合部と屋根板
    材の軒棟方向の一方の端部との間に溝部を形成し、屋根
    板材の軒棟方向の他方の端部に係合部を設け、吊子本体
    に一対の挟持片を設けると共に一方の挟持片に嵌合部を
    形成して吊子を形成し、溝部に嵌合部を嵌め込んで吊子
    の挟持片で屋根板材の溝部を上下に挟持すると共に吊子
    本体を屋根下地に固定し、上記屋根板材の被係合部に他
    の屋根板材の係合部を係合して成ることを特徴とする屋
    根板材の接続構造。
  3. 【請求項3】 屋根板材に断熱材を裏打ちして成ること
    を特徴とする請求項2に記載の屋根板材の接続構造。
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